天使「お腹がすきました」(4)
男「こんな時間に何言ってんだ」
天使「だって今日の晩ご飯はおうどんだったからすぐ消化しちゃって。男くん、ご飯プリーズです」
男「ふざけんな居候。こっちはレポート書いてて忙しいんだよ、早く寝ろ」
天使「まだ眠くないです。なんでしたらお金ください、コンビニで何か買ってきますから」
男「お前、ちょっとは遠慮とかしようと思わないのか……?」
天使「金銭的にご迷惑おかけしてるのは申し訳ないと思ってるですよ。天界に帰ったらきちんと返済しますから」
男「じゃあ今すぐ帰れ。返済額ちょっと少なくしてやるから」
天使「残念ですね、以前も言った通り一度地上に落ちてしまうとそう簡単に戻れなくなるのですよ」
男「……はあー」
天使「ですから男くんがひろってくれなかったら大変でした。無一文だったのであっという間に餓死するところでしたよ」
男「まあ、それ聞いたら簡単には追い出す気にはなれないけどさ、あとどのくらいいるんだよお前?」
天使「んー、ちょっと待ってください」バサッ
男「おい、羽ひろげるのはいいけど落ちたのちゃんと掃除しとけよ」
天使「すぐ済みますから。えーっと……」
天使「あんまりご加護が溜まってないですねぇ……これじゃまだ戻れません」
男「マジか……」
天使「やっぱり汚れた人間界だからですかねぇ……ご加護が溜まる速度が遅いです」
男「おい、汚れたとか聞こえてんぞ」
天使「冗談ですよ。むしろご飯は天界よりずっと美味しくてバリエーションも豊富です、私からすればこっちも天国ですよ」
男「あんまり食にこだわらないもんなのか天国って」
天使「ですから男くん、その美味しいご飯をプリーズです。お話して羽ひろげてますますお腹が減りました」
男「今すぐ寝ろ穀潰し」
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