咲「」…ゴキッ (360)

※注意

安価
エログロ多々
胸糞多少

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視点安価学校名

安価↓3

揺杏「マジかよ…」


トイレに入った途端、白い壁が一面だけ赤いのは何なのだろう。
暗闇でははっきりとは分からなかったが、塗料をぶちまけたかの様な不自然な模様は、人間の身体に流れる赤い液体が噴き出した痕跡だと分かる。


揺杏「ヤバイって…電気」


かあっ、と照らされた部屋の中で、彼女は見てしまうのだ。


死体である。
それも、全身を切り裂かれて惨殺された死体である。
鮮やかに照らし出された血糊は、まださらさらとへばりついた壁から流れていた。


ぴくり、とその死体が動く。


???「アァ…ウ」


近くにあったカートや制服から見て、清掃員の人だろう。ただ、赤い血は全身を染め上げていて、性別が分からない。
女子トイレなのだから、恐らく女性の清掃員なのだと推測は出来るが。


揺杏「ひ…ひいっ…!」


目が合った。

???「アァ”ッ…」


その瞬間、ソレは彼女めがけて飛び掛かった。


揺杏「嫌だ…助け…!」



↓3 コンマ50以上で回避

揺杏「…ぇ?」


避けようと咄嗟に腕を出したが、ソレは躊躇せずその出した腕に噛み付いた。


肉が裂け、骨が軋む嫌な音を彼女ははっきりと聞いた。


そして、時間差で容赦無く痛みが襲う。


揺杏「ああ…あ」


想像を絶する痛みに人が対した時、叫び声というものはそう都合良くは出ない。


息を押し殺し、意識が飛ばない様に歯を食いしばるのだから、声など出る筈も無い。


揺杏「…嫌だ!嫌だ!」



3↓ コンマ50以下で意識暗転 ゾロ目で誰かが助けに来る

なんとか、踏み留まった。


出口に向けて、一目散に逃げる。


髪を振り乱し、最大限の声で助けを求める。


↓3 コンマ60以上で誰かが助けに来る

広間に出た。


丁度、インターハイの決勝が終わったばかりだったので、人は沢山いた。


にも関わらず、声をあげている自分を誰も一顧だにしない。


揺杏「ああ…え?」


まず気付いたのは、必死に出している筈の声が、掠れてしまっていたこと、そして這いながら床を進む自分の足を誰かが掴んだことだった。


揺杏「やめてぇ…!お願い!やめてぇ!」


足をジタバタとさせた。既に下着はびしょ濡れになっていて、床にも点々と血と尿の混じった水たまりがトイレから続いていた。


揺杏「…?!」


後ろを見ると、やはりあの血塗れのソレが片腕を伸ばして自分の右足をしっかりと掴んでいる。


揺杏「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

決勝戦、すごかったな~

やっぱり、>>25高校が優勝だったか…まあ仕方ない気もするなあ。

強かったもんねえ。

しかし、冷房効きすぎかこの会場。

むむ…何だかトイレに…

揺杏「何そわそわしてんのさ?トイレ?」

ああ、流石だ、なんでも揺杏はお見通しだな。

揺杏「何なら、一緒に行く?私も行きたいし」

爽「連れションか、うん、実に女子らしい!」

由暉子「そもそも女の子はそんな言葉使いませんよ…」

清澄

揺杏「いや~、すごかったね、よくあんなバケモンと渡り合ったよ爽は」

揺杏「んん…卒業かあ…」

爽「力は出し切れたからあまり後悔はして無いかな」

揺杏「でも、あとちょっとだったからね」

爽「お、トイレはあそこ?」

揺杏「なーんか清掃中、て書いてあるけど」

爽「おいおい、電気が消えてるよ」

爽「とりあえず、入ってみるか」

揺杏「マジかよ…」

爽「ん?どうしたのさ揺杏」

揺杏「ヤバイって…電気」

爽「わっ、まぶしっ」

清掃員「ああ、ごめんね!懐中電灯が…」

爽「どうしたんすか?」

清掃員「いや、トイレの電球が切れててねえ…ごめんね?眩しかったでしょう?」

爽「いえいえ!お仕事ごくろーさんです!」

爽「いや、びっくりしたね揺杏」

爽「揺杏?」


揺杏「ひっ…ひいっ…!」


爽「ちょっと、大丈夫揺杏?」

清掃員「大丈夫かい?いや、今点けるからちょっと待っててね」

清掃員「よっと…終わり」

爽「いやあ、軽やかですねえ!」

清掃員「あたしの膝は、まだまだ元気よ」

爽「ね、今の脚立から降りたのすごかったな、揺杏?」

爽「暗いところ嫌いだったのは初耳だった…って、え?」

清掃員「っとと…ごめんね、揺杏ちゃん?だったか」

揺杏「嫌だ…助け…!」

チョロ…チョロ…

爽「うそ…揺杏?」

揺杏「」

爽「漏らした…」

清掃員「あ…」

清掃員「うん、こっち来て!確か着替えが…」

爽「あ…ありがとうございます…」

清掃員「こっちね」

ガシッ

揺杏「…!」

清掃員「どうしたの?振り払って…」

揺杏「…ぇ?」

爽「揺杏?」

揺杏「ああ…あ」

揺杏「嫌だ!嫌だ!」

爽「ちょっ、どこ行くのさ揺杏!」

清掃員「あっ、まって、ほら、すぐそこよ?」

最初は、こんな場所で漏らしちゃって、揺杏も動揺しているのかと思った。

だけど、おかしい。単純に狂ってる。

揺杏は、まだオシッコを出している最中にも関わらず、床にへたり込んだんだ。

上着を汚してしまうので、すぐに立たせようと腕を引いたんだけど、揺杏そのまま急に腕を抑えて、出口の方へ這い始めて…

私と清掃員のおばさんは最初はあっけに取られて揺杏を見てた。そのくらい、揺杏は怖かった。

目は虚ろでギラギラ光ってたし、口の端からは涎を出して、半狂乱になって何か叫びながら蛇みたいに私から逃げて行くんだから。

そのままオシッコを撒き散らしながら出て行ったものだから、慌ておいかけようとしたんだよ。

歩く位のスピードで揺杏は動いてるけど、オシッコがびゅうびゅうとあちこちに飛んでいるのと片方の手が絶えず何を振り払う動きをしているから、なかなかどこも掴めなかった。

やっと、清掃員のおばさんが足を片方掴んだ。

揺杏が叫ぶ。

揺杏「やめてぇ…!お願い!やめてぇ!」

ふと、周りを見ると私たちは広間に出ていて、皆がこっちを見ていた。

幼馴染の痴態が名前も知らない他人に見られてしまっている。

少し、興奮した。

その時。

揺杏「いやああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

彼女は一際大きな叫び声を上げた。

揺杏はびくんびくんと身体を痙攣させて、股の間からはいっぱいオシッコを噴き出した。

足を震わせ、腰を震わせ、ひどいもんだ。

大理石の白い床だと、オシッコの黄色さがよくわかる。

おかしい、とは思ったがかわいそうとは思わなかった。

寧ろ、いいぞ、もっと、もっとやれ、と。

普段見せない揺杏のすがた、それもとびきり恥ずかしいところを見せてやれ。

私がたっぷりと眺めたい。理由はそれだけ。

揺杏はぶくぶくと泡を口から噴き出した。

眼球は半分裏返り、黒目がほとんど覗いていない。

揺杏の目には何が見えているのかな。

喉が何かを飲み込むかの様に蠢いていた。

私は咄嗟に揺杏の口に指を突っ込んだ。

ぬるぬるとしていて、気持ちいい。

外では、救急車のサイレンが聞こえている。


揺杏はどうなった?

安価↓3

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あれから、揺杏は病院に運ばれた。

錯乱状態が長く続き、医者も対応に困ったみたいだ。

トイレで発狂した理由も未だに分かっていない。

今でこそ、揺杏は普通に生活は出来ているが、一人で絶対にトイレには行こうとしない。

同じ大学に入って、私は一浪、住む部屋も一緒だからだいたい私がトイレに付き合わされる。

面倒くさい?全然。私は嬉しいんだ。

揺杏とトイレに行くと、まじまじと用を足す様子を眺める。

揺杏の綺麗な割れ目から、勢い良くオシッコが噴き出す様子をいつも眺めてやるんだ。

インターハイ決勝戦のあの日から、毎日が楽しい。

視点安価学校名

安価↓4

梢「終わりましたね…」

澄子「いよいよ先輩方も引退…ですか」

梢「なんだかまだ実感が湧かないんですけどね」

莉子「…うう」

友香「仕方ないねよ。あの場面では誰だってそうするわけでー」

美幸「まだ来年も再来年もあるじゃないもー」

澄子「とりあえず、控室に戻りましょう」

梢「そうしますか」

梢「皆さん、決勝戦はきちんと考えて見ていましたか?」

美幸「考えてっ言うかあれは私とは違う次元にいるよもー」

澄子「とはいえ私より上手い人は沢山いましたよ」

莉子「確かに…普通に打っても上手い人が…」

友香「だからって清澄の大将んは別格でー」

友香「カン前提の麻雀なんで見たことないでー」

梢「それは…まああれですね」

今日はここまででお願いします

莉子「痛っ!」

美幸「どうしたの?」

澄子「大丈夫ですか?」

莉子「いや、何かが飛んで来て…」

莉子「安価↓3…です」

莉子「え?刺さって…」

莉子「嘘…」

さくり、と何かが刺さる音がしてタラタラと暖かいものが頬を流れた。

手をそっと頬に持って行くと…

ぬるり。

ネバネバした液体が手に触れた。

鉄の独特なツンとした臭いがして、咄嗟に手の平を自分の方に向けると…

赤い。

真っ赤だ。

べったりと隅々まで付着した血には、ピンク色の変な塊も混ざっていて。

莉子「いや…」

莉子「痛い…痛いよお…」

こめかみから強烈な痛みが全身を駆け巡っる。

びくびくと身体を震わせて、半狂乱に叫んだ。

梢「莉子ちゃん!莉子ちゃん!」

部長が何かを言っている。

莉子「あ~…ああ~…」

周りが赤く見える。

ぐじゅりぐじゅりぐじゅりぐじゅり、耳から熱いものが流れて行った。

体が激しく震えるのが止められない。

足や胴が固定されているが、駄目だ。
誰かの身体を蹴り飛ばした。

ごめんなさい。ごめんなさい。

不意に、痛みが消えた。

そうしたら、なんだかとってもふわふわして気持ち良くなって来た。

顔が、だらしなく緩んだ。

顔だけじゃなくて、全身から力が抜けて行って…

幸せだ。


安価↓3

コンマ20以下で死亡
コンマ50以下で生涯寝たきり
コンマ80以下で何らかのトラウマを抱える

最初はなんか大きめの紙飛行機がふわ~っと飛んで来たんだよね。

ちょっと緑味がかってたかな。

とにかくその紙飛行機はフラフラと私たちの方に飛んで来て、莉子ちゃんの頭にコツンって当たったんだよ。

莉子ちゃんは頭を抑えてたな、こめかみの辺り。

先っぽがちょっと尖ってたから痛かったのかな?

とにかく私たちは最初は笑ってたんだよ。

そしたら、急に…

莉子ちゃんは手の平を顔に向けた途端、白目を剥いて叫びだしたんだ。

ちょうど決勝戦が終わった後だったからロビーには人が沢山いて、みんな、こっちを向いていた。

そのうち莉子ちゃんは身体を震わせながら倒れた。

勿論、ひっきりなしに叫びながらね。

その時、莉子ちゃんは叫び声の合間に刺さった、痛い、とか呟き出していて…

地面に身体を横たえて、釣り上げられた後の魚の様に跳ね回っていた。

周りの人や部長が、身体を抑えて!って言うから私は咄嗟に足を抑え込んだ。

しかし、動きは激しくて、私は顔を蹴られた。

痛かったけど、必死に足を抑えてた。

誰かが救急車を呼んでくれたのか、何処からかサイレンの音が聞こえて来た。

その頃になると、莉子ちゃんは動きを止めて、ぐったりとしていた。

もう抑えている必要はなかったけど、私はずっと足を持っていた。

完全に脱力しきっていて、なんだか死んでいるみたいだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


結局、莉子ちゃんの意識はそのあとも戻らなかった。

病院から退院しても、莉子ちゃんは自宅のベッドで目を閉じて眠っていた。

しかし、不思議と莉子ちゃんは痩せていなかったんだ。

まるでいつ起きても違和感が無いみたいで身体もふっくらしていたし、あの日から2年も経っているのに、全く変化は無かった。

しかし、私はその理由をすぐに知ることになる。

莉子ちゃんは、夜になるとたまに一瞬だけ意識を取り戻すらしい。

目をかっ、と見開いて、痛い!死んじゃう!と叫ぶらしい。

終わることの無い悪夢を見ているのだろうか?

いや、莉子ちゃんはもう死んでしまった。
人間的にも、社会的にも。

私は卒業した。

麻雀部は結局2年前の成績を上回ることはできなかった。

私は莉子ちゃんの家に通い続けた。
梢先輩も、澄子先輩も、美幸先輩も、みんなずっとベッドに付き添っていた。

たまに、莉子ちゃんは身体を動かす。
前に、莉子ちゃんの着替えを手伝っていた時に、誤って彼女の乳首に手が触れてしまったことがある。

んふっ…と莉子ちゃんは少し呼吸が不規則になって僅かに痙攣する。

感じる場所を触ると、少しだけ彼女は悪夢から覚めるのだろうか。
それ以外は、何をしても全然反応しなかったのに。

私は莉子ちゃんと二人きりになると、莉子ちゃんの大事な場所を触る様になった。

目を覚まして欲しい。

その一心で私は触った。

卒業式が終わり、私は莉子ちゃんの家に卒業証書を渡しに行った。

しかし、丁度、莉子ちゃんの両親は出掛けているみたいで、車が無かった。

一応扉に手を掛けて、引いてみると…

ガチャリ

開いた。

日を改めて出てこようと思っていたが、とりあえず卒業証書だけでも、と少しお邪魔することにした。

何時もの二階の日の一番当たる部屋に、莉子ちゃんはいる。

階段を登って、廊下を歩いていると、なんだかくぐもった声が聞こえて来る。

何かを必死に我慢している様な、そんな声だ。

おまけに複数の声が聞こえている。

何だろう。

私はそっと莉子ちゃんの部屋の扉を開けた。

恐る恐る中を覗き込むと、ギシギシと莉子ちゃんのベッドが鳴っていて、肌色の塊がその上で蠢いていた。

服が、脱ぎ散らしてある。

上着、スカート、下着まで、何人かのものがごちゃっとなっていた。

よく見える場所まで行くと、言葉を失った。

梢先輩、澄子先輩、美幸先輩が、莉子ちゃんを裸に剥いて、組んで解れず、絡み合っていたのだ。

彼女達は、一体となって、生まれたままの姿を晒しながら快感を貪っていた。

莉子ちゃんは、正気の無い目を見開いて、蕩けた表情をしている。幸せそうだ。
これが終わったら、莉子ちゃんはまた、あの悪夢に戻るのか。

だから彼女達には永遠と乱れていて欲しかったし、彼女達も永遠と続けようとしているみたいだった。

ふと、梢先輩と目が合った。


安価↓4

コンマ20以下で見つかって集団レイプ
コンマ40以下で莉子に捕まって陵辱される
コンマ60以下で和姦
コンマ80以下で逃走に成功
コンマ00以下で両親が帰って来る
ゾロ目で莉子の意識が戻る

梢先輩は妖しく笑って、私に向かって手招きをした。

そこから先は、殆ど本能だった。

邪魔な服を脱ぎ捨て、私も裸になった。

莉子ちゃんの股を開き、ヒクヒクとしていたソコに口をつけて吸い上げた。

オオッと莉子ちゃんは身体を反らし、オスのような喉から絞り出した太い声を上げた。

しかし、ここまでだった。

3人の先輩が、舌を私の身体に這わせた。

そのまま、吸い上げられ、快感が走ったかと思うと、何かが弾けた。

視点安価学校名

安価↓5

優希「優勝だじぇ!」

激闘を制し、俺達は優勝した。
俺は特に何もしてないが、単純に嬉しかった。

部長も、まこ先輩もほくほく顔で優勝トロフィーを持っている。

久「しかしインタビュー、疲れたわねえ」

まこ「まだあいつらは受けてるんじゃろ?」

優希「のどちゃんは人気者だじぇ…」

京太郎「咲も…か…」

久「3人の1年生エース無くして今の優勝は無いわ」

まこ「そうじゃ、わしも不安じゃが、来年に向けてあれほど頼もしい奴らはおらんわい」

記者「すみません…」

久「えっ…?…私たち…2人ですね?」

まこ「何じゃ?」

久「どうやら私達2人にもまたインタビューをしたいみたい」

京太郎「ああ…頑張ってください!」

まこ「まあ30分位で終わるらしいからの」

優希「私には取材が来ないじぇ!」

京太郎「まあまあ、何でも1人ずつ独占インタビューもやるみたいだし…」

優希「むむむ…」

そうこうしている内に、控え室についた。

ノックして、扉を開けると、既に咲と和は戻って来ていた。

京太郎「あっ、もう戻ってたのか」

咲「京ちゃん…あの…」

え?

咲「その…お姉ちゃんの…」

京太郎「はあ…」

なんでも、姉と仲直りをしに行きたいとのことだった。

ついて来てって…いや、一人で…
ああ、迷子か、そうか。

優希「行ってらっしゃいだじぇ!」

和「…頑張って」

さて、白糸台高校の控え室である。

扉の隣に貼られた張り紙、白糸台高校。
なんの変哲もない扉の筈なのにその張り紙の所為で何故か萎縮してしまう。

やはり、敗れても、王者は王者である。

京太郎「すみませーん」

ドアをノックすると、背の高い部長さんが出て来た。

菫「何か、用事ですか?」

京太郎「ああ、いえ、この子が、宮永照さんに用事があると言っておりまして…」

照「菫…誰?」

菫「ああ…うん。とりあえずこっちに来てくれ」

咲「お姉ちゃん…?」

ずいずいと部屋の中に咲は入って行った。
俺は入り口に取り残されたが、暫くそこで様子を見守ることにした。

照「…」

淡「これが…あの時言ってた妹?」

大将だったか、これ呼ばわりとはなかなか失礼じゃないか。

にしても、感動の姉妹の対面である。

俺は遠巻きに、咲の後ろ姿を見ていた。


咲と照は仲直り出来た?

コンマ50以上で仲直り
ゾロ目が出たら京太郎と3人でお茶(ハッピーエンド)

安価↓5

不意に、咲の背中が丸くなった。

その後すぐに、恐らく宮永照が発したであろう鋭い声が俺の耳に入って来た。

照「もう、近づかないで」

どうやら彼女は自分の妹とよりを戻すつもりは無かった様だ。

こんなのってないじゃないか。あんまりだ。
咲だって姉に会おうと血の滲むような努力をして全国に来ているのだ。

冷たく、全てを突き放した様な目が、咲の肩越しに見えた。

菫「さて、話が終わったのなら帰ってくれ」

菫「照も個人戦をまだ残しているんだ。さあ」

成る程、お呼びじゃないって事ですか。
流石王者さん、敬服致しました。

京太郎「…はい」

咲、帰ろう…





ふと見ると、宮永照がぐらり、と倒れて行った。

咲は、ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべている。

ゴキッ

嫌な音がした。

咲の手を見ると、彼女は血まみれの刃の折れたカッターナイフを手にしていた。

宮永照はゆっくりと膝をつきながら身体を床に横たえた。
彼女が着ている白い制服は、夥しい量の赤に染まっている。

咲の足元に赤いものがジワジワと広がった。

京太郎「咲…お前…」

咲「なあに?京ちゃん」

口元の笑みを崩さないまま、こちらを振り向いた咲は、ひどく嬉しそうだった。
そして、顔と服からは、血を滴らせている。
普段の彼女からはは全く感じない、変な凄みがあった。

照「あ~…あがごっ…!」

血の海で、宮永照は暴れ、もがいていた。
耐え難い苦しみから逃れるかの様に、喉を掻き毟り、目をギョロギョロとさせている。

子供の頃に読んだ、地獄を描いた怖い絵本に出て来る罪人の様だった。
宮永照は一体どんな罪を犯したのだろうか。

咲「刃はのこしておいたよ。けど、このままだと30分は死なないね」

咲「よしっ」

そう言うと咲はカッターナイフをもう一つ取り出し、血の海で暴れる宮永照のスカートにあてがった。

いつも不器用な彼女からは考えられない鮮やかな手つきで、宮永照の下半身からスカートと下着を剥ぎ取る。

俺はすぐに目を逸らした。

淡「テルー!!?ああ!!」

金髪の大将の子が髪を振り乱し半狂乱になって咲に飛び掛かる。

淡「てめえええええええ!!!!!?」

だが咲はちらりと彼女を一瞥しただけでまた作業にもどる。

すかさず、金髪の子は咲を突き飛ばし、宮永照に覆い被さった。

淡「駄目だよ!死んじゃ駄目だよテルー!!!」

照「ああああ~…!…あう!」

声に応えているつもりなのだろうが、出るのはうめき声だけである。

俺も、あまりにも急に起きた惨事に全く体が動かなかったが、介抱をしなくては、と彼女の方に向かった。

しかしその時。

咲「邪魔」

咲は服を剥いていたカッターナイフを金髪の子の背中に突き立てた。

淡「あがっ…!?ぐごがっ!」

金髪の子は背中から血を噴き出させながらその場にもんどり打って倒れた。
カッターナイフは背中に突き刺さったままである。

今だ、今なら丸腰になっている咲を止められる。
少し油断していた。

それを、咲は見逃さなかった。

菫「止めろ!何てことをするんだ!」

部長さんと俺は、咲と刺された2人との間に立ち塞がった。

咲「…ふふっ」

咲はまた口角を上げ、笑った。

気が付くと、咲は両手にカッターナイフを持っていた。

鈍い音がして、カッターナイフが俺の胸に突き刺さった。

意識が飛んだ。

再び全身に激痛が走って目を開けた。

どうやら俺の上に、刺されたであろう部長さんが倒れている様だった。

ただ、俺の上でもがくのは勘弁して欲しかった。

彼女が動く度に、胸の傷口に刺さったカッターナイフがグリグリと動くのだ。

その度に想像を絶する痛みが俺を襲う。

暖かい液体が身体をびしょびしょと伝う。

臭いからして、俺と部長さんの血と、尿だろうか。

咲「ふふっ…淡ちゃんと京ちゃんと部長さん…オシッコまでもらしちゃって…」

咲「お姉ちゃんを刺した場所と同じで、急所は外れてると思うから心配しなくていいよ」

咲「ただすご~く、痛いけどね、ふふっ」

咲「じゃあ、いただきまーす」

咲はそう言うと、剥き出しになった宮永照の下腹部に口をつけた。

じゅるじゅる、じゅるじゅる。

どれくらい時間が経っただろうか、咲はひたすら宮永照の陰部を吸い続けている。

部屋中に響き渡るうめき声の合間に、艶めいた声が混っている。

身体を動かすことが出来ないので、それを見続けているしか無かった。

他の2人はどうなっただろうか、俺の上にいる部長さんは、まだ息があるみたいだが…

宮永照は、身体を強張らせた。
傷口から血が噴き出す。

力を入れると、余計に痛みが増す筈なのに。

びくびくと身体を痙攣させた後に、またうめき声を上げた。



コンマ50以下で宮永照死亡
ゾロ目で助けが来る

安価↓4

咲は、追い討ちをかけるかの様に、ひときわ大きな音を立てて、陰部を吸い上げた。

その瞬間、宮永照はカエルの潰れた時の声を出して、脱力した。

がくりと、首が此方を向いた。
光の無い目と視線が会う。

口は半開き、端から血と涎がだらしなく流れ出していた。

咲「お姉ちゃん、幸せそう…」

咲「ほら見てよ、この蕩けた死に顔」

咲「最後は私が気持ち良く殺してあげるって決めてたんだ」

咲「みんなも、お姉ちゃんの最後に立ち会ってくれてありがとう」

咲「よかったね、お姉ちゃん」

安価↓8多数決

咲はこの後どうした?

1:全員殺してから、インターハイ会場で無差別殺人

2:全員放置したまま逃走して、インターハイ会場で無差別殺人

3:清澄高校麻雀の面々を全員殺して、インターハイ会場で無差別殺人

咲「じゃあね、みんな」

そう言うと、咲は部屋を出て行った。

咄嗟に追いかけようとしたが、全身に痛みが走った。

京太郎「ちく…しょう…」

遠ざかる意識の中で救急車のサイレンだけが頭にしつこくこびりついていた。






咲「あはっ」

俺は病院のベッドの上で目を覚ました。

目を開くと、まずは親父、それからお袋がいた。

2人とも泣いていた。

俺は3日間眠り続けていたらしい。
何でも、今俺の身体を流れている血の半分は他人のものだということだ。
それだけ、生死の境を彷徨ったということか。

ひと段落して、隣を見ると、なんとあの時の部長さん、前には背中を刺された大将の金髪の子が寝ていた。

普通ならば、それぞれ個室に配置されないか?とも思ってしまうが…

違和感はすぐに解けた。
俺が、通り魔に刺されたことになっているのだ。

傷の治りに関わらず、二ヶ月間の入院を強制されたのもそれだ。

とにかく、あの部屋で起きた惨劇がまるで無かったかの様に俺の前で皆振る舞うのだ。

なんだか、俺たちは病院に幽閉されている様な気がした。
それに入院している病院も、東京の大学病院である。

咲、咲はどうなったのか。

俺は丁度見舞いに来たお袋に聞いた。

京太郎母「咲ちゃんは…もう…」

え?

死んだ?

京太郎母「通り魔に刺されて…即死だったみたい…辛いだろうけど…」

おいおい、刺したのは咲じゃないか。

その他の人に聞いてみても、一様に、インターハイ会場に現れた名前の無い通り魔のことを話した。

俺以外にも、通り魔に遭遇した沢山の女の子が、精神疾患に罹って、ここの病院に入院しているらしい。

重症は、俺たち3人。

死んだのは、2人。

それが、この惨劇で名前の無い通り魔が直接手に掛けた被害者の数だ。

視点安価学校名

安価↓3

穏乃「負けちゃったね~…」

憧「和とは、遊べたけど…」

阿知賀は、決勝で敗れました。

私も、あのデジタル麻雀に辛酸を舐めさせられました。

しかし、全国に、阿知賀、ここにありと存在感を示せたのは部長として非常に嬉しかったです。

それに…晴絵も…

晴絵「うん!よく頑張った!阿知賀の皆よ!」

憧「テンションおかしいよ~」

晴絵「なんだか…あれ、ぼやけて」

玄「あっ!泣いてるんですか?!」

晴絵「いや、その…」

やっぱり、泣いているじゃないですか。
私も…






バタリ

何か物が倒れる音がしました。

玄「お姉ちゃん!?お姉ちゃん!?」

宥「ああ…うあ…」

穏乃「宥さん?」

憧「宥姉が…」

宥さんが…倒れていました。

灼「ハルちゃん!救急車!」

晴絵「…」

灼「ハルちゃん?」

晴絵「…」

晴絵「…うあ」

灼「…え?」

晴絵は、嘔吐しました。

晴絵「おええ…!?うおお」

穏乃「先生!」

穏乃「…ぐおっ」

穏乃が、急に白目を剥いてぱたりと倒れました。
口からは吐瀉物が溢れ出していました。

憧「いや…あぐっ」

憧も…

玄「ああっ…ぐぉえ」

皆吐きながら倒れて行きます。
げえげえと苦しそうに喘ぎ、胃の内容物を全て吐き出した後も胃液を吐き出し続けていました。


灼はどうする?

自由安価↓3

みんな苦しそうです。

うっ…

ぐらぐら目眩がして、私も倒れました。そうしたら、変な人がこちらを睨み付けているのが見えました。その人の目を見ていると…

私のお腹も痛くなってきました。
吐き気が込み上げて来て、口から今日食べた物がどんどん出て行きます。

みんな、死んじゃうのでしょうか。

それならそれで、私が直接手を下さずとも、みな死ねるので、好都合です。

どうせ、部屋に戻ったらみんな殺すつもりでしたから。

良かった。

これで、私の麻雀部は永遠のものとなりました。

みんな、あと少しで、楽しい所へ行けますよ。

晴絵「廊下の隅から、だれかが此方を見ていたんです」

晴絵「はい。馬鹿なこと言っていると思うでしょう?でも本当なんです」

晴絵「でも…全員が…」

晴絵「え…?」

灼「ハルちゃんで最後だよ」

晴絵「うそ…先生?先生?」

晴絵「死んでる…」

灼「さようなら、ハルちゃん」

灼「楽しかったよ」

晴絵「やめて…」

灼「阿知賀のみんなで楽しい場所に行こう?」

灼「ね?」

ゴキッ

視点安価学校名

安価↓3

霞「は~…終わったわね…」

初美「すごい試合でした~」

小蒔「次は個人戦です!」

小蒔「あれ?春と巴さんは何処へ行ったんですか?」

霞「春ちゃんと巴ちゃんはトイレに行ったわね」

小蒔「ああ…そうですか…」

初美「にしては戻って来るのが遅いですね~」

霞「本当…もう15分は経ったわよ?」

初美「ちょっと、様子を見て来るのですよ~」

霞「ありがとう初美ちゃん」

小蒔「心配です…」

霞「おおかた、何処かに寄り道しているんでしょう」

霞「心配することはないです」

小蒔「はい…でも…」

小蒔「何か、嫌な予感がするんです」

初美「出て来たはいいものの…」

初美「全く面倒なのですよ~」

初美「さてさて、どこにいるんですか~?」




ドクン



初美「…は?」



ドサリ

初美「こんなのって…無いですよ~」


自由安価

初美はどうなった?

死亡以外で

安価↓2

ザザー…

初美「み、水?」

初美「うわわ…トイレが水浸しですよ~」

初美「え?水位が…」

初美「うわっ」

ガボボ…ゴボボボ

初美「(一瞬で水が顔まで…)」

初美「(く、苦しいですよ~…)」

初美「(水面…)」

初美「(天井?)」

初美「(ああ…)」

春「トイレ周り、大変な騒ぎ…」

巴「何があったんでしょうか」

春「ここしか空いてないみたいだね、トイレ」

巴「うん…」

春「え?」

春「初美さん!?」

巴「倒れてる…」

春「大丈夫!?」

霞「まだかしら…」

小蒔「…」

小蒔「何もなければいいんですが…」

ピーポーピーポー

霞「救急車?」

小蒔「ああ…」

霞「小蒔ちゃん?」

小蒔「お水が…」

霞「え?」

小蒔「逃げないと!逃げましょう!」

小蒔「もう膝まで水が!」

霞「小蒔ちゃん!しっかりして!?」

小蒔「死んじゃいますよ!早く!早く!」

小蒔ちゃんは、急に手足をばたつかせて床に転がりました。

うわ言のように、水、水、と口にして、海水浴の時に私が教えた水の中での動きを必死にしています。

やがて目をぱっちりさせて、金魚の様に口をぱくぱくさせて無茶苦茶に動き回りました。

小蒔ちゃん、小蒔ちゃんと呼び掛けても一切反応はありません。

降ろしている様子も無いですし、とにかくひたすら彼女が正気に戻ることを祈るしかありませんでした。

ぴちゃり

水、ですか?

足元に冷たい感覚が走りました。

しかし、ぐああっ、っと小蒔ちゃんが悲鳴を上げたので、再び視線をもどしました。

すると、小蒔ちゃんは服を脱ぎ始めました。
着衣水泳の指導を思い出したのでしょうか。

全身をびくびくさせて、片手を上に上げています。

顔が真っ赤になり、酸欠になっているみたいでした。

半分裸になった所で動くのをやめ、小蒔ちゃんはぐったりとなりました。

目と口は半開きで、まるで死んでいるかの様に手足を弛緩させていました。

私は服を着せようとしましたが…

ぴちゃり。

今度は、腰の辺りに冷たい感覚が…

見ると、半開きになった扉の奥から、大量の水が入って来るのです。

既に腰の高さまで水が来ていました。

慌てて小蒔ちゃんを抱き上げて、逃げようとしましたが…

入り口が一つしか無い控え室に逃げ場はありませんでした。

水は、どんどん入ってきます。

ついに、天井まで水が浸かってしまいました。

なんとか小蒔ちゃんを抱えて、扉の所まで泳ぎましたが…

そこで、力尽きました。

目の前が真っ暗になるのが分かりました。

全身から力が抜けて行って…

小蒔ちゃんを離してしまいました…

視点安価学校名

安価↓3

ちょっと離脱

セーラ「いや~すごいもん見たわ」

浩子「やっぱりあの姉妹…」

セーラ「才能ってのは遺伝するんか?」

浩子「いや…流石にそこまではよう分からんわ」

竜華「とき~とき~とき~」

セーラ「竜華は怜が退院してからずっとあの調子や」

セーラ「竜華、しっかり決勝は見とったか?」

竜華「とき~…?」

怜「…」

セーラ「ほらみい、あれだけベタベタしとって…疲れとるやないか」

竜華「すまんなとき~…」

怜「…」

竜華「ときぃ~…?」

怜「…あ」

泉「…先輩?」

俺がはっきり覚えてんのは、そこまでやった。

怜は、急に目の前にいた後輩に、噛み付いたんや。

本当やで?犬みたいにガブーってな。

泉「お、園城寺先輩?」

怜「…アァ”!」

一瞬やった。

俺が止めれば良かったんやけど、とてもじゃないが無理やった。

何しろ、運動は苦手な筈やのに、物凄いスピード、あれや、まるで犬やった。

グチュッ

泉「ああ”っ」

首筋にガブリや。

泉はそのまんま倒れた。

泉「ああ~…ああ~…」

竜華「と、怜?」

怜は竜華、セーラ、フナQの誰に噛み付いた?

安価↓3

浩子「泉!しっかりせえや!死んじゃあかん!」

セーラ「あかん!今は!」

怜「ヒヒッ」

グチュッ

浩子「あえ…?」

セーラ「フナQ!?」

浩子「あぐあっ…ぐああ…」

セーラ「くそ!」

竜華「あああああ…あああああ…」

セーラ「竜華!早う逃げえ!」

竜華「あああああ…」

セーラ「ひっ…」

ニヤッと歯を出して怜は笑った。

口ん中、顔面、血まみれや。

俺としたことか、腰が抜けてもうた。

その場で、尻餅をつく。

セーラ「うう…に、逃げるで!」

怜「アッ」

竜華「ひいっ」


コンマ30以下でで2人とも襲われる
コンマ50以下でセーラだけ助かる
コンマ00以外で2人とも助かる
ゾロ目で助けが来る

安価↓3

セーラ「くそ!動け俺の足!」

声を出して、自分を奮い立たせた。

セーラ「オラ!竜華!立てえ!」

竜華「怜が…あああ」

セーラ「うるせえ!さっさとせえや!」

竜華「行きとおない…怜を助けて」

バチッ

俺は思いっきり竜華の横面を引っ叩いた。

抵抗をやめた竜華を半分抱き抱えるようにして、逃げた。

竜華「と…き…」

セーラ「はあっ…はあっ…」

俺と竜華は、何とか逃げ延びた。

火事場の馬鹿力って奴を出し切ったせいなのか、俺は力尽きてがっくりと身体を横たえた。

制服に、返り血が飛んでいる。

ごめんな、フナQ、泉…

誰かが呼んだのか、救急車のサイレンだけがホールに響き渡っていた。

それを聞いて、俺は安心して眠りについた。

視点安価学校名

安価↓3

洋榎「終わりや、ほな、帰るで」

絹恵「お姉ちゃん、お母さんは?」

洋榎「あ~、今は個人戦の監督会議みたいやね」

絹恵「そか、あれ?先輩方は?」

洋榎「安価↓3に行ったみたいやな」

絹恵「ええ~…やり過ぎは漫ちゃんかわいそうや」

洋榎「まあまあ絹、んでもな、ちょっと戻りが遅いな」

洋榎「様子見に行こか」

絹恵「うん」

洋榎「確か…この辺やったかな」

絹恵「嘘…」

洋榎「ん?どした絹」

絹恵「ああ…」

洋榎「なんや、はっきり言いや」

絹恵「血が…」

洋榎「はあ?」

絹恵「やめてください先輩!」

漫「あ…ぐひゃ…ぐほっ」

バキッ

ドゴッ

漫「ぐふっ…げぼぉ…」

バキッバキッ

ドゴォ

漫「ごほっ…やめっ…」

バキョッ

ゴキッ

バキキッ

漫「ああ…」

恭子「…」

由子「…」

ゴキッ

漫「…あ」

洋榎「何やってるんや、お前ら…」

恭子「…」

由子「…」

洋榎「答えろやボケェ!漫に何をしたァ!?」

絹恵「…ひどい」

由子「…フ」

バキッバキッ

ドゴッ

漫「…ごふっ」

絹恵「やめて!もうやめようや!お願い!やめてください!」

洋榎「止めろ!」

ガシッ

恭子「…」

洋榎「何や恭子、離せや」

恭子「…」

ニヤッ

ミシミシ…

洋榎「あぐっ…離せや…」

恭子「…」

ミシミシ…

ゴキッ

洋榎「ぐああああああああ!!!!!」

絹恵「お、お姉ちゃん…?」

洋榎「絹…行け…」

絹恵「だめ…私漫ちゃんを!」

洋榎「こいつらはうちが止めるで…」

絹恵「私も!」

洋榎「じゃかしいわボケ!はよ行けバカ絹!」

由子「…」ニヤリ

洋榎「はは…由子…恭子…」

洋榎「行け…後はお姉ちゃんに任しとき」

絹恵「くっ」

ドッ

絹恵「おかしいでこんなの…私認めへん」

絹恵「バカ!私のバカ!何で逃げるんや!怖いんか?」

絹恵「うう…お姉ちゃん…」

洋榎「はは…行ったか…」

洋榎「さあて…話を聞かせてもらおうか?」

恭子「…」

ボグッ

洋榎「ごほっ」

由子「…」

ドギャッ

洋榎「おぐっ」

洋榎「はは…」

洋榎「どうしたんや、どうしちゃったんやお前ら…」

ドスッ

洋榎「あ”っ」

ドサアッ

私は、お姉ちゃんを見捨てた。

逃げた。逃げたんや私は。

ぼろぼろ泣きながら、走った。

誰かに伝えなくちゃ。伝えなくちゃ。

救急車のサイレンが遠くから聞こえて来る。

ああ、私が呼んだっけな、いや、呼んでないか。

早く、早く漫ちゃんを助けて貰わないと…漫ちゃん死んじゃう。

お姉ちゃんも、死んじゃう。殺されてまう。

どうしちゃったんや、末原先輩、由子先輩

おかしくなっちゃったんか?ひどいやろ。

あ、救急車や…早く隊員さんに…

視点安価学校名ラスト

安価↓3

ちなみに、今まで有珠山、剱谷、清澄、永水、千里山、姫松が出ました

おっと阿知賀もでしたすみません

では、宮守で書いて行きます

豊音「宮永しゃんつよい…」

胡桃「トヨネが変だよ…」

シロ「ダル…」

塞「終わりか…なんだかまだ実感が湧かないな」

エイスリン「安価↓2安価↓3!マダ…コジンセンアル!」


宮永限定でお願いします

宮永じゃねえ宮守限定です

安価↓2 安価↓3

胡桃「塞とエイスリン、トヨネは個人戦もあるもんね~」

豊音「うう…まだ気が抜けないよー」

ピーポーピーポー

塞「ん?救急車?」

豊音「誰かケガしたのかなー?」

シロ「熱中症…暑い…」

胡桃「あー…そうか~」

塞「東京は暑いもんね」

エイスリン「ダイジョウブ…カナ?」

シロ「なんか…幾つも来てるみたい」

胡桃「ええ?…本当だ」

塞「お弁当に当たっちゃった…とか」

豊音「お弁当…食べちゃったよー」

シロ「集団食中毒…」

トシ「何だか、外が騒がしくなって来たね」

トシ「そろそろ時間だし、みんな行こうか」

エイスリン「ソト…キニナル」

塞「何だろ…変な感じ」

豊音「早く帰ろうよー」

胡桃「行きましょうか、先生」

トシ「…」

シロ「…ダル」

豊音「うう…」

トシ「…ああ、車は正面にあるからね」

正面ホールは、阿鼻叫喚の騒ぎだったね。

少なくとも、私たちは誰も掛けてはいなかったけど。

そりゃあ、ショックを受けていたよ。

私たちが凌ぎを削った筈の学校の生徒がストレッチャーに乗せられてどんどん救急車に運び込まれてゆく。

中には服を血に染めていたり、口の周りに吐瀉物を付けている人もいたね。

殆どが、顔見知りだった。

豊音「な、何?これは…」

豊音「ああ…神代さん!」

え?

晴絵?

そんな…

何が起きたんだ、一体。

晴絵の教え子も全員応急処置を受けていた。

呆然としていたけど、暫くして警察に移動を命じられた。

豊音「何…」

胡桃「…ああ」

シロ「…」

エイスリン「…」

あれから、何度も警察の聴取を受けた。
結局岩手には9月になってやっと帰ることが出来た。

個人戦は中止になった。

今は、こうやってたまに皆で集まるくらいだが、これと言った会話も起きない。

それは私も一緒で、ただ、自分達の漠然とした不安を共有するために集まるのだった。

あれから、幾つか動きがあった。

まず、晴絵が殺された。

あの事件で、精神を病んだ教え子に、鈍器で頭を殴られたらしい。

即死だったそうだ。

いったい、あの事件がどれだけの将来有望な雀士の芽を摘んだのか。

私達が、何をしたというのか。

ルート分岐

1:京太郎病院編
2:宮守編

安価↓5まで多数決

じゃあ宮守で書く?

じゃあ、安価通り行きますよ



あれから、一ヶ月経った。

傷は塞がり、もう完全に動ける状態であったが、まだあと一ヶ月入院してくれ、とのことである。

相部屋の部長さんと金髪とは、流石に顔見知りにはなった。

と言うか一ヶ月病院に缶詰なのだ。

無視するわけにも行かないだろう。

名前は弘世さん、大星さんというらしい。

最近になって、ようやく他人との面会と外出を許される様になった。

大病院だけあって、色々施設があるので退屈はしない。

売店で買い物をしたり、食堂で時間を潰したり、入浴施設に行ったり。

風呂に入ると、痛々しい胸元の傷が目に付く。

こればっかりは、一生治らないと言われたので、少し落ち込んだ。

そんなある日、俺に面会者が来た。

久々に、弘世さん大星さん以外と会話をする。



面会者

安価下

ああ、和か。

色々聞きたいことがあったんだ。

京太郎「やあ、和、あの時以来だな」

和「はい…」

和「咲さんのお葬式も終わりましたし、私も…」

京太郎「そうか、転校して…」

和「はい、時間に余裕が出来たので」

京太郎「今は、東京の学校に通ってるんだな…」

和「はい」

京太郎「なあ、和、俺は咲に…」

和「いいんです。不可抗力ですから…」

京太郎「いや、違うんだ俺は…」

和「気にしていませんよ」

和「守ってやれなかった、なんて理由で一々自分を責めるのはやめてください」

京太郎「…うん」

和も、咲が通り魔に襲われて死んだと信じているらしい。
今、この病室にいる3人は全員咲に傷付けられたというのに…

京太郎「それで…麻雀は」

和「辞めました」

京太郎「だよな…変なこと聞いてすまん」

和「でも、あの半年間は、すごく楽しかったです」

和「一生の思い出です。優勝、出来ましたし…だから…私…」

和は、静かに泣き出した。

ほらみろ、結局言い出せなかった。
俺は間違い無く、咲に殺されかけた。

もしその通り魔が存在するのだったら、あの時俺を刺した咲は一体誰だったんだ。

和は暫く、泣いていた。

京太郎「落ち着いたか?」

和は、結局30分も泣いていた。

そのせいか、目は腫れて、酷い顔をしていたが、すっきりとした表情をしていた。

和「はい…すみません」

京太郎「目、腫れてるぞ…何か冷やすもの…あったあった」

売店で買って来た、アイス用の保冷剤が冷凍庫の中にまだあったので、新しいタオルに包んで渡した。

和「え…すみません…」

京太郎「しばらく冷やしていれば、多分治ると思う」

和「ありがとうございます」

京太郎「学校、頑張れよ」

和「はい」

和「また、時間が出来たら来ますね」

…そういうと、和は病室から出て行った。

淡「あ!来てくれたの!?」

菫「こら、大声出すな」

淡「うう…でも久々に外の人と…」

菫「…そうだな」

淡と菫のお見舞いに来た人は?

安価↓2

尭深「お久しぶりです」

淡「…久しぶり」

菫「ああ…どうだ?その、調子は」

尭深「調子は、まあまあです」

菫「それで…麻雀部の方は…」

尭深「辞めました」

菫「え?」

尭深「辞めました。何か問題でも?」

菫「うう…」

淡「そんな…たかみ先輩強かったのに…」

尭深「…私がいれば…せめて」

菫「なあ、もういいじゃないか…」

尭深「死ぬべきで無い人が死にました。私の様な価値の無い物が生き残り、将来有望な姉妹が死にました。私があの場にいれば、しに

菫「もういい!」

尭深「ですから」

菫「もういいって言ってるんだ!!」

尭深「…」

菫「…」

菫「…すまん」

淡「やめてよ、尭深」

淡「自分が、価値が無いだなんて」

淡「ひどいよ、虎姫みんなが頑張ってきたのに」

淡「みんな、それぞれに価値があるんじゃないの?」

淡「だから…」

尭深「うるさい」

淡「…」

尭深「ああ、それとこれからが本題です」

尭深「部員から、手紙を預かって来ました。菫先輩はファンも多いのでそれ相応の量がありますね」

尭深「それと、もう一つ。誠子が転校しました」

菫「えっ…」

尭深「これからは地元の学校に通うそうです」

菫「そうか…」

淡「…」

淡「虎姫、みんないなくなってく…」

尭深「それでは、何かあったらまた来ますので」

菫「分かった。ありがとう…」

淡「また来てね…お願い」

尭深「…」

淡「行っちゃった…」

菫「結局、あのことは言えず終いだったな…」

淡「ねえキョータロー、聞いてたでしょ?私達の話」

突然なんだよ。

菫「聞いてたし、私たちも聞いた筈だ」

うん、その通りだ。ぐうの音も出ない正論だ。

どうやら、彼女達も咲のことを伝えようとしていたみたいだった。

淡「共同戦線、失敗だね」

一回も協力しようとなんて言った記憶は無い。

確かに、面会者の誰かが詳しい話を知っているかと少し期待したが…

京太郎「一つ、聞いていいですか?」

京太郎「俺達は、本当に宮永咲という女に襲われたんでしょうか?」

京太郎「みんなが言う、『通り魔』とかじゃ無くて」

淡「え?」

淡「うん、確かに私達はテルーの妹に刺された筈だよ」

菫「まさか…」

京太郎「いや、俺はちゃんと覚えてます」

淡「じゃあ、テルーの妹はあの後どうなったか、分かるの?」

京太郎「いや、そこまでは…」

京太郎「でも、さようなら、と俺に告げて部屋を出て行ったのは覚えています」

京太郎「そのときまでは、きちんと生きていました」

菫「とするとますます…どこに行ってしまったんだ?その、照の妹は」

淡「みんな死んだ死んだって言うけどね」

京太郎「カッターナイフを持ったまま、出て行ったんです…」

淡「自殺?」

菫「いやまさか」

京太郎「う~ん…」

×さようなら→○じゃあね

京太郎「葬式をあげた、と言ってますから恐らく死体そのものは見つかってるんでしょう」

菫「いや分からんぞ?もしかしたら失踪扱いになってるかもしれん。現に遺骨が無くてもお葬式はあげられるからな」

京太郎「だったら、まだ一ヶ月しか経っていませんよ?」

京太郎「事故とかならともかく…ただの行方不明なら…ええと、確か7年経たないと死亡扱いにならないと聞きました」

淡「へえ~…詳しいんだねキョータロー」

京太郎「前に…その…咲の読んでいた小説に書いてありまして…」

淡「仲、良かったんだね」

京太郎「う、うん…」

菫「成る程…つまり照の妹は既に死体が見つかっている、ということだな?」

京太郎「はい、恐らく」

京太郎「でも、確かに生きていたんです…俺が最後に見たとき…」

淡「う~ん…」

淡「わかんない!うん!ご飯食べに行こう?私達もう食堂に行けたよね?」

菫「はあ…行くか?須賀」

京太郎「そうですね…とりあえず飯を食べましょう。腹が減ってはなんとやら、ですし」

俺達3人は、カツカレーを食べた。

今までの病院食に飽き飽きしていたので、ここ最近食堂で食べるご飯はとても美味しく感じた。

その後は、風呂である。

ジャグジー、各種健康器具完備の浴場は、非常に快適だ。

病院ではなく、健康ランドにいるみたいだ。

風呂から上がって病室に戻ると、既に2人は戻って来ていた。

淡「お疲れ~…長風呂だね」

京太郎「中々風呂に入れなかったからな…一ヶ月分入ってやろうと思ってさ」

菫「入り過ぎも良くないと医者からは聞いていたが」

京太郎「気をつけます」

その後は、テレビを見たり、他愛もない話をしながら消灯時間を待つ。

淡「へっへ~」

何だ?

淡「買ってもらったんだ~」

ノートパソコンか。俺も病室に親が持って来てくれてたな。

京太郎「ほー、で、何するんだ?」

淡「また麻雀、打ってみようと思ってさ」

京太郎「…」

淡「まだ、牌には触れないけど…」

そうか、そうだな。
弘世さんは麻雀という単語が出る度に顔を強張らせている。

一見、あんなことに巻き込まれてもけろっとしていそうな大星さんでも、まだ牌は持てないのか。

それだけ、深い傷が残っているんだな。

何年も掛けて、ゆっくりゆっくり治して行く傷がまだある。

俺は、パソコンがあるにも関わらず麻雀部にいた時にはあれだけいじっていたネト麻には手をつけていなかった。

菫「今日は…もう寝ることにするよ」

京太郎「そうですか…俺も寝ます」

淡「え~…」

淡「わかった。おやすみ」

京太郎「おやすみなさい」

気分転換には寝るのが一番だ。
ごちゃごちゃになっている脳みそも、起きたらスッキリとしている。

ああ、女子と相部屋なんて落ち着かない!なんて思うかもしれない。

俺も最初はそうだったが、慣れというのは恐ろしい。

半径2mの間に女の子が2人いる、前の俺なら動悸で寝れる筈もなかったが、今ではさっさとグッスリだ。

そもそも、傷の痛みで眠れない時もあったし、2人もそうだった。

苦楽を共にした、同志とも言うべき感情が2人に対して生まれているのだ…

はい、おやすみなさい。

翌朝。

8時ぴったりに目が覚めた。

すぐにテレビを付けて、朝ドラを見る。

激動の時代を生き抜いた山梨県生まれの翻訳者、女教師の物語であるが、そのお話もいよいよクライマックスである。

毎日の15分間があっという間である。

淡はもう寝ている。

菫さんは朝風呂かな?

さて、顔を洗いに行くか。

あれれ、確か今日は土曜日だったか。

また、誰か面会に来るかな?




誰が面会に来た?

安価↓2

またミス

淡→大星さん

菫さん→弘世さん

安価下で

昼まで、ダラダラとして過ごした。

脳みそまでとろけてしまいそうだが、今はどろどろに溶けて欲しかった。

耳から、温かい物が流れて行く様な感覚だ。

ベッドに寝転んで、脱力していた。





「なんじゃ、お前さん、昼間っからダラダラしとって」





えっ?

全然誰でもオッケーですよ




まこ「わしじゃ、わし」

まこ「病室暮らしで耄碌したか?」

京太郎「染谷先輩!」

まこ「元気にしとったか?」

まこ「ほれ、りんごジュースじゃ」

まこ「他のベッドの皆さんにも配ったれ」

京太郎「あ、ありがとうございます」

そうか、わざわざ長野から来てくれたのか…

京太郎「今日は一人ですか?」

まこ「おう、ただ休みじゃないからの、このままとんぼ返りしてまた店の手伝いじゃ」

京太郎「それは…大変ですね…」

まこ「なあに、可愛い後輩のためじゃ」

やはり、染谷先輩は優しいなあ…
何だか、身に沁みる。

あの2人は…

ああ、また盗み聞きか。

少しは、出て来てくれればいいのに。

京太郎「それで麻雀部は…」

まこ「ああ、わしと優希で何とか、じゃ」

まこ「まあ、優勝しとるから、部員はくるじゃろ…」

まこ「にしても…」

京太郎「ても?」

まこ「妙な、事件じゃったのう」

京太郎「それは?」

まこ「いや、だっておかしいじゃろ?」

まこ「咲は切りつけられて死んだのに…」

まこ「他の皆は、どうしたんじゃ?あれ」

京太郎「え?」

まこ「みんな、ぶっ倒れて…」

京太郎「いや…確かにこの病院には他にも…」

まこ「そうなんじゃよ…正直、わしもよう分からんがのう」

京太郎「みんな切られたんじゃないんですか?」

まこ「いや、違うのう」

まこ「わしが見たのは、血で歯をまっかっかにした千里山の先鋒と、拳やら膝に血を付けて呆然と突っ立っとった姫松の二人じゃ」

京太郎「ちょっと待ってください何ですかそれ…」

まこ「おんしらが襲われてると聞いたからわしと久はすぐに戻ろうとしたんじゃが…」

まこ「ホールが、あの惨状じゃのう…」

京太郎「それで…どうなったんですか?」

まこ「どうもこうも、すぐに追い出されてしもうた」

まこ「わしが知ってるのはここまでじゃ」

まこ「退院したら、墓参りに行ってやれ」

まこ「それじゃあ、わしは帰るぞ」

京太郎「そんな!」

まこ「わしは今話したことしか知らん」

まこ「大変じゃったな…」

京太郎「違うんです!」

まこ「すまんな、電車の時間がギリギリなんじゃ」

まこ「お大事にな」

京太郎「先輩!」

京太郎「…」

そう言うと、先輩は行ってしまった。

色々知っていた風だったのに、誤解を解くことが出来なかった。

その頃、大星さんと弘世さんの方にも面会が来ていた様だった。



面会に来た人は?

安価↓2

菫「こ、小鍛治プロ!?」

淡「声、大きい」

菫「あっ…すまん」

すこやん「やあ、元気?」

菫「そんな…共栄至極くりょっ」

淡「かみかみ…」

すこやん「いや…そんなに固くならなくても…」

すこやん「はあ…」

淡「それで、今日は…」

すこやん「ああ、これを宮永さんのご両親から預かっていてね」



すこやんが預かっていた物とは?

自由安価↓3

菫「日記…?」

すこやん「うん、そう。日記」

すこやん「一応ご遺族の方で確認してみたんだけどね」

すこやん「学友だから分かることもあるんじゃないかってお父さんが…」

菫「誰の…」

すこやん「宮永照さんのだね」

菫「そうですか…妹さんのは…」

すこやん「棺に入れたみたいだね。毎日、肌身離さず一生懸命つけてたみたいだから」

淡「棺?」

すこやん「うん、棺。お姉さんの方は、綺麗な様だったけど、残念ながら妹さんは…」

淡「それでも、きちんといたの?妹さんは」

すこやん「…?いたも何も、私は最後までお見送りをして来たよ」

菫「…ありがとうございました」

淡「日記、見てみる?」

菫「うん」

京太郎「ちょっと待った」

自分も話を聞いてはいたが、頭の中で絡み合った糸をほぐしてからではないと、色々大切なことに気が付かないと思った。

京太郎「オーケー、要点をまとめましょう」

京太郎「まず俺たちは咲に襲われました」

淡「ふんふん」

京太郎「ところが、他の人は皆『通り魔』に俺たちが刺されて、咲も殺された、ということを信じてます」

京太郎「俺は、咲が部屋から生きて出て行くのを見ています」

京太郎「しかし、さっきの話からすると、咲の遺体は確認されている…失踪などをしたわけではない」

菫「でも、ここからがややこしいな」

菫「妹さんが、無差別に人を切りつけたのなら分かるが、会場の他の皆が異常行動や謎の失神を起こしていた、ということだ」

菫「それすらも、全て『通り魔』のパニックによるものとされているが…」

京太郎「明らかに誰かに対して暴力を振るった痕跡のある人や、まるで誰かに血が出るほど強い力で噛み付いたりした人がいたってことですよ」

菫「ますます、分からんな」

京太郎「結局、俺たちだけがカッターナイフで刺されているんですよ。他の皆は切りつけられてなんかいない」

京太郎「それを踏まえた上で、日記を見てみましょう」

淡「手がかりがあればいいんだけど…」

日記自体は、他愛もないものだった。

普通の女の子が書く、普通の日記である。

誰とあった、何をした。

俺はその日記の中の事実を一つ一つただ頭に入れているだけだったが、2人は違うようだ。

こんなこともあったね、と思い出話に花を咲かせている。

とはいえ、日記の主と友人であった、彼女達からの視点と、俺の様な第三者からの視点で見ていれば、それぞれ矛盾が見つかって、何か手がかりが見つかるかもしれない。

目は、多い方がいい。

一つ、気にかかることがある。

闘牌の回想に、しきりに「場を掴む」という表現が出ていたことだ。

素人には分からない、麻雀のコツのようなものだと思ったが…

摩訶不思議なオカルトの世界である。

京太郎「この…場を掴むっていうのは…」

淡「調子がいい時は、こんな感じになるよ」

淡「こう、フワフワした感じ、っていうか」

菫「当事者からすると、そんな感じなのだろうな」

菫「巻き込まれるこっちは、いい迷惑だ」

菫「まあ、仕方ないのかもしれないがな」

菫「例えば、照がやっていた、あのツモだ」

京太郎「ああ、あのギュルギュル回るやつですね」

菫「あれは、照自身は全く腕が回っている感覚が無かったらしい」

菫「つまり、私達が勝手に錯覚している、ということだ」

京太郎「幻覚を見ている、ということですか?」

菫「分からない」

菫「それだって、精々うちの部活で照と同じ卓を囲んだ人が、具合を悪くしたくらいだ」

京太郎「いや、具合悪くなりますよ…」

京太郎「おっと、そうじゃなくて…」

牌に愛された者は、この「場を掴む」ということをいとも簡単にやってのけるのだろうか。

だとしたら、咲は…

淡「ん?…菫、これ…」

菫「何だ?」

日記を黙々と呼んでいた大星さんが指さした先を覗き込んだ。


そこには一言、赤い文字で、場を掴むのが怖い。とだけ書かれていた。
他が全て黒ペンで書かれているのを見ると、異様だった。

その文の後に続く、取り止めの無い話。

コンビニの店員に驚かれた話、道ゆく人に避けられる話、後輩から怖がられた話。

チャンピオン故の悩みかと思いきや、その一文が入ることで全く違う意味に見えて来る。

本来ならば雀卓の上でしか発揮されないであろう、剥き出しの暴力が、周りの人を襲う恐怖。

自分の力が、わからない。

怖い。

つまるところ、全てあべこべだったのだ。

力を発揮出来ない悩みでは無く、力を抑えられない悩み。

それが、インハイに向けて徐々に高まって行った。

感情的になると、すぐに力を周りに出してしまう。

仲の良いクラスメイトの一人はいつも悪夢を見ていた。という記述もあった。

力を出したくない。でも出さなくてはいけない。

麻雀をやめたい。でもやらなくてはいけない。

彼女は、インハイで全ての決着をつける決意を、日記に記している。

個人戦も団体戦も、圧倒的な力で、勝つ。捩じ伏せる。

そして、もう牌には触らない。

悲壮な覚悟だった。

ところが…

咲、である。

まさか、彼女も自分の妹に引退の花道を邪魔されるとは思っていなかっただろう。

妹はいない、と断腸の思いでそう発言したのも覚悟の一環であったらしい。

とにかく、白糸台高校は敗れた。

最後のページには、こう書かれていた。

咲、ごめんなさい、もう少しだから、と。

面会に来た人は?

安価↓2

淡「また面会者?」

菫「今度は誰だ?」

がらがらと病室の開き戸の音がした。

爽「やあ、ここに入院していると聞いてね」

誰だ?

爽「覚えてないのか?有珠山の大将だよ」

京太郎「ああ、あの時の…」

準決勝では、咲相手に最後の最後まで粘っていた、男勝りの子だったけ。

あれは本当に危なかった。

淡「それで…どうしたの?」

爽「いやあ、ここの病院に入院してた友達が、退院するもんだから…」

爽「お見舞いだよ、お見舞い」

菫「そうか…それはありがたい」

この子の友達も、会場で…

京太郎「あなたの友達も、『通り魔』に…?」

爽「いや、違うよ?」

やはり、そうだったか。

爽「私の友達…揺杏はね…」

そうすると彼女は、自分が体験したトイレでの出来事をぽつぽつと話し始めた。

彼女の友達は、耳を疑うような行動を起こしていた。

突然、まるで幻覚でも見ているかの様に錯乱し、暴れ出したり、失禁をしたり。

菫「そうか…有珠山の中堅がそんなことに…」



だが、何よりも異様だったのが、それを彼女が満面の笑みを浮かべて、いかにも嬉しそうに話していることだった。

爽「それじゃあ、帰るね、あ、そう、揺杏が私と同じ大学を受けることになったんだ、よろしくね」

そう言い残し、彼女は出て行った。

淡「お、お幸せに…」

淡「これは…どういうことよ」

菫「分からん…」

有珠山の大将の話は無しだ。

正直関わりたくないし思い出したくない。

あれは、俺の分からない世界だ。





それはいいとして、やはり、皆巻き込まれていたのだろうか?

宮永照の「場」というものに。

京太郎「今の話を聞いていると…やはり」

京太郎「宮永照さんが、あのパニックの引き金になったのでは?」

淡「どうして?まさかテルーが悪いっていうの?」

菫「照が?」

京太郎「そうじゃありません。しかしあの極限状態では…」

半分死んだような状態で散々いたぶられて殺されたのである。

発狂していてもおかしくないだろう。

菫「自己防衛本能として…?」

京太郎「そうなのかもしれません」

京太郎「しかし、それが周りを巻き込んでしまった」

京太郎「今回の事件の真相は恐らくそんなところでしょう」

淡「結局オカルトかあ…それにしても
、じゃあ、テルーの妹は何処へ行ったの?」

菫「死んだ、と散々聞かされていた筈だが…須賀君は生きているのを見たんだな?」

京太郎「はい…どうも腑に落ちません…」

菫「そうか…」

結局、咲に関する結論は出なかった。

視点安価

誰でも個人名↓3

目が覚めました。

あれ、顔にお水…

また、

嫌だ…嫌だ…

小蒔「うっ…グスッ」

小蒔「やっと、起きてくれましたか…」

泣いている。

顔にかかったお水は…涙だったみたい。

霞「小蒔ちゃん…無事だったの?」

霞「あれ?ここは…」

小蒔「病院です」

私は確か水に溺れて…

霞「あ…」

霞「他の皆は!?」

小蒔「初美さんはまだ眠ったままです…巴さんと春さんはそちらにいます」

霞「そう…初美ちゃん…」

やはり、初美ちゃんの身に何かが起きていたんだ。

あの時、私が行っていれば…

私たちは、目を覚ました後もずっとお医者さんから聞き取りを受けていました。

鹿児島に帰れたのは、9月になってからでした。

私は、いつも同じことを話しました。

扉の外からどんどん水が入ってきて、天井まで水がついてしまったこと。

その様子を、見たまま、体験したことをありのままに話しました。

それは小蒔ちゃんも同じ様で、どうしてずっと同じ話をしなくてはいけないのでしょう?と首を傾げていました。

お医者さん達に、頭のあちこちにぺたぺたとコードに繋がれた、変なシールを貼られたりして、まるで実験動物かの様に毎日検査をしました。

そんなある日、お風呂場で姫松高校の愛宕さんに会いました。

お姉さんの方だったでしょうか?

体のあちこちに痛々しい手術の跡があって、私に会ってもいつもの元気な感じでは無く、弱々しく微笑んで挨拶をして来ました。

何があったか聞いてみても、ちょっと無茶しただけや、と言うだけで詳しいことは話そうとはしませんでした。

ただ、何故かこの病院に、インターハイに出場していた多くの女の子が入院していると聞きました。

姫松高校の子達も、レギュラーメンバーは全員入院していて、彼女の話では千里山高校のメンバーも入院しているみたいでした。

他にも、直接会話はしませんでしたが、様々な学校の人を見かけました。

ただ、皆何処の病棟にいるかは分かりませんでした。

あれから、愛宕さんのお姉さんとは何度か話す機会があったのですが、何でも最上階には、今回の騒ぎで『通り魔』に刺された人が入院している、と会う度に話していました。

『通り魔』とは何なのでしょうか?

またしばらくして、テレビを見ることが許される様になりました。

私は衝撃的な事実を知りました。

愛宕さんの言っていた『通り魔』とはインターハイの会場で暴れ回った犯罪者であること。

そして…あの宮永照さんとその妹が『通り魔』に殺されてしまった、と。

私たちは、暫くの入院、大体一ヶ月弱でしょうか?をした後に退院しました。

色々なことがありました。

まず、初美ちゃんは結局目を覚まさないまま鹿児島の病院に入院することになりました。

脳内の貧酸素状態が長く続いたために、植物人間の様になってしまったということです。

しかし、鹿児島の病院のお医者さんは最後まで首を傾げていました。

まるで、溺れた人の治療をしている様だ、と私にぼやいていました。

視点安価最後

咲以外個人

安価↓2

すみません言い忘れてました今まで出てきた個人以外でお願いします

安価↓

残念な形で、色々が終わってしまったわ。

まさか…まさか咲が…

私は、咲と姉の宮永照の葬式に参列していた。

麻雀界の大御所が沢山並んでいたのは圧巻だったわ。

今回の事件、私が…

まさか…

涙が出てきた。

咲の父親と母親に挨拶をした。

私は本当に申し訳なく感じていたわ。

部長として、咲を守れなかったのか、あんな週刊誌のくだらないインタビュー、断ればよかったのに。

結局最後まで、両親の目をちゃんと見られなかった。

しかし、ひと段落したらの話で、家に招待してくれることになったわ。

私、まこ、和、優希の他に退院した他の全国で戦った学校の子も招待していたわね…

とにかく皆、彼女の死を悼んでいたわ。

私の後輩は、本当に皆に愛されていた。

そのことだけが、救いだった。

それから暫くして、私は麻雀部と生徒会を引退したわ。

今は、大学受験に向けて勉強の真っ最中…

そんなある日、いよいよ宮永さんの両親に、日にちを伝えられたわ。

結局、長野に両親2人が住むことになったみたいね。

咲が生きている間にこうならなかったのか、と悔しくなる。

久「はい、もしもし」

界「ああ、竹井さん?宮永です」

久「はい…」

界「急で申し訳ないんだけど、明日、みんなの予定がついたみたいだから、うちに来てくれるかな?」

久「はあ…誰が来るんですか?」

界「清澄高校、北は岩手から南は鹿児島まで…」

久「すごいですね…」

界「それじゃあ、宜しくね」

久「はい、楽しみにしています」

明日は確か塾があった筈ね。

今まで、皆勤だから少しくらいサボってもいいかしら?


久は界の自宅に行く?

1:行く
2:行かない

安価↓5多数決

別に少しサボってもいいわよね…

最近勉強勉強で息抜きも必要だし。

それに、久々に全国の皆と会えるのだからこの機会を生かさないとね。

よし、とりあえず塾に電話ね。

さて、来たわ。

とりあえず、呼び鈴を押して…



ピンポーン


界「やあ、来たか来たか、どうぞ」

どうやら時間ギリギリに来た私は、一番最後だったらしい。

界「今、ドアを開けるから待っててね」

お土産も、持ってきた。

鹿児島ということは、黒糖の子も来るのかしら。

あの黒糖、美味しかったな。

ドアが開いた。

界さんはにこやかに笑って、私を迎え入れてくれた。

界「もう中にみんないるから…さあ、上がった上がった」

そう言うと、私を中に迎え入れてくれた。



暫く廊下を歩いたけど、何で界さんは後ろ歩きをしているのかしら?


ふと、疑問に思った。



瞬間、界さんは血を吹いて倒れた。

最初は、何かを喋ろうとしているのかと思ったわ。

でも、開いた口から血が流れ出しているのを見て、明らかにおかしいと気付いた。

界さんはにこやかに微笑んだ表情を顔に貼り付けたまま、手前に向かって倒れて来た。

最後まで笑っているのが不気味だったわ。

倒れた背中を見ると、カッターナイフが突き刺さっていた。

まさか、私を出迎えた時からずっと刺さっていたの?

だから、後ろ歩きをしていたの?

パニックになって、その場にへたれ込んだ。

なんで、どうして?と頭の中がごちゃごちゃになる。


えへへ。




女の子の笑い声が後ろから聞こえて来た。






この声は、まさか…





咲「お久しぶりです、部長」

嘘。

死んだ、う、え?


久「ああ…え?」


咲「びっくりしましたよ、私、死んでるじゃないですか」

久「嘘、あ、あさ、い、さなやま、なまた、に」

咲「あははは、部長、日本語おかしいですよ?」

咲「私、頑張って東京の病院からうちに帰って来たんです」

咲「お父さんったら、ただいまも言わないんだから…ちょっと、ね?」

さ、咲はそう言って足元の界さんを一瞥した。

咲「私とお姉ちゃん、病院でいっぱい研究されたんです」

咲「お姉ちゃんはもう死んでるのに脳みそまで調べられて」

咲「ひどいですよね?何で私の遺影が家にあるんですか?」

咲「答えてください」

久「だって…死んで…」

咲「答えろ!」

咲「私が、こうやって人の目をじっ、と見ると、みんな私の思うままに動いてくれるんです」

久「ひい…」

咲「あっ…部長…もう」

私は一目散に玄関へ行った。

扉は空いていたので、外に出ようとした。



和「…」


ああ、和…


助かった。


ゴフッ


え?


和も、口から血を吹きだした。

がしり、と腕を掴まれた。

振り払おうとしたけど、ものすごい力でずるずる、ずるずるとリビングまで連れてかれた。

和の背中にもカッターナイフが刺さっている。

久「あ…」


リビングは、地獄絵図だった。

部屋のあちこちが赤く染まり、体にカッターナイフが背中や胸に突き刺さった女の子が沢山いるのだ。

しかも全員、何事もなかったかの様に立っている。

優希、まこに全国で戦った子たち。

あ、黒糖の子も…

久「な、何をしたの…」

咲「いつもやっていること、うーん、麻雀を打つときみたいな感じですね」

咲「なんだか、フワフワした感じ」


わけのわからない答えに、戸惑った。


その時。

永水の巫女さんと、美穂子が咲に飛び掛かった。

咲は床に組み伏せられた。

美穂子は、苦しそうにしながらも、何かを訴えているような目で私の方を向いた。

うえのさん、とかすかに口が動いていた。

私は逃げ出そうとした、が。

宮守女子の大きい女の子に捕まって、首を締められた。

また、宮守女子の小さい子が、自分の胸に刺さったカッターナイフを抜いて、美穂子と永水の巫女さんの首を、手に持ったカッターナイフで切り裂いた。

美穂子と巫女さんはは咲の服に血を撒き散らしながら、離し、白目を剥いて、もがいた。


巫女さんはすぐに動かなくなったが、美穂子は床に大の字になって、顔を強張らせて、必死に私の方を見ていた。

しかし、やがて、ビクビクと全身を波立たせ、こと切れた。

咲「あ~、この人たち、まだ掴みきれてなかったね」

咲「まだまだわからないなあ」

咲「病院の先生は簡単に言うことを聞いてくれたのにね」

咲「じゃあ、姉帯さん、殺して」

私はこのまま殺される。


そう思ったが…




咲「なーんだ、姉帯さんもか」


ツン、と鉄の臭いがして、暖かい液体が顔にこぼれて来た。


私の首を締める手が緩んだ。


今だ、今なら


久は逃げられた?


コンマ20以下で死亡
ゾロ目はハギヨシが助けに来る

安価↓3

咲「ああ、逃げちゃダメですよ」

あ…

胸に、何かが刺さった。

咲「さようなら、部長」

久「まっ、て、さき、あの、棺の中のあなた、は?」

咲「?」

咲「さあ、誰でしょうね」

以上で終了です
安価SSの練習と思いましたが上手く行きませんでした。

次は爽ちゃんと揺杏ちゃんの濃厚な百合を後日やりたいと思います。


依頼出して来ます。

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