ムウマージ「あはは!この子はもらってくよ!」(13)

リオル「たすけてっ!お兄ちゃん!」

ルカリオ「またかお前ら!妹を返せ!」ビリビリ

クレセリア「そうよ、返しなさいよ!」ピリリッ

キリキザン「フン、麻痺した体で喚かれてもな・・・」

アギルダー「そこで大人しくしてるが身のためッスよ」

ルカリオ「なんだと・・・!」

ムウマージ「ふふふ、その悔しそうな顔が見れただけで満足さ」

ムウマージ「あんたたち、その子連れて撤退だよっ!」フワフワ

キリ・アギ「「アイアイサー!!」」タタタタ

ルカリオ「ま、待てっ!」

クレセリア「リオルちゃんが・・・」

ルカリオ「っ・・・くそっ、ようやくマヒが解けてきた・・・」

クレセリア「これで三回目ね、私がいながら・・・」

ルカリオ「今回も不注意が祟ったな」

クレセリア「あなたのね」

ルカリオ「だけどなぁ!リオルが『あ!ピジョンの群れだ!』って言ったのに反応した瞬間だぞ!?」

ルカリオ「いくらなんでも見切れないからな?あれは!」

クレセリア「一回目の鬼火にやられた時もそんな言い訳を・・・」

ルカリオ「だーもう!早く探すぞ!リオルはどこだ!」

クレセリア「それしきでカリカリしないでちょうだいよ・・・」

~数刻後~

ルカリオ「見つからない・・・毎度毎度どこから現れるんだ・・・?」

クレセリア「私にもさっぱりよ・・・」

クレセリア「はぁ、もう夕方よ、どうする?」

リオル「もう夕方だし、おうちかえろ?」

ルカリオ「いや、まだ日は落ちきっちゃいないからもう少し粘って・・・」

ルカリオ「・・・リオル!」ガシッ

リオル「た、ただいま!」

ルカリオ「大丈夫か?怪我はないか?何なら近所のハピナスさんの・・・」

リオル「はぁ大丈夫だから・・・早くおうちかえろ?」

クレセリア「妹にため息つかれちゃうお兄ちゃんって・・・」

ルカリオ「うるさい!・・・話は家で聞くぞ、いいな?」

リオル「はいはーい」

ルカリオ「俺の気も知らずに・・・」

~翌日~

クレセリア「・・・で、リオルちゃんは何と言ってたの?」

ルカリオ「アジトから一人で逃げ出して来たらしい」

クレセリア「場所は?」

ルカリオ「森の中を適当に走って来たから覚えてない、と」

クレセリア「はぁ・・・じゃあ依然として手がかりはゼロね」

ルカリオ「尾行が成功すれば早いんだけどね・・・」

クレセリア「夜目に紛れて頑張ったブラッキーが尽く失敗してたわ」

クレセリア「自信喪失やらからくるストレスで胃に穴が空いたって」

ルカリオ「思い詰め過ぎだろ・・・」

ルカリオ「もうあいつら担当も俺とあんただけだ」

ルカリオ「それがわかってるかのようにあいつらは、特に俺にちょっかいを出してくる」

クレセリア「今度はあなたを潰す気かしら」

ルカリオ「だろうな」

キャーーッ!

ルカリオ「悲鳴?!」

クレセリア「朝から元気なポケモンもいたもんね」

ルカリオ「さっさと行くぞ!」



<公園>

アギルダー「アニキ、人払い完了ッス」

キリキザン「でかした、これで心置きなくつじぎりの鍛練ができる」

ムウマージ「キリキザンー、シャドーボールの的になってくれない?」

キリキザン「姐さん、それは出来ないご相談だ」

ムウマージ「いいじゃない、減るもんでもなし」

キリキザン「私も鍛練したいですから」

ムウマージ「むぅ・・・」

ルカリオ「またかお前ら!」

アギルダー「うげ!もう見つかっちゃったッスか!?」

キリキザン「お前が喚かせたからだろう」

アギルダー「そうかもしんないッスけど!」

ルカリオ「せっかく遊んでいたパチリスとプラスル、マイナンを追い出したらしいな」

クレセリア「大人気ないわよ、あなたたち」

キリキザン「姐さんのシャドーボールでも当たったらどうするんだ、という話だ」

キリキザン「安全に鍛練に励むために子供を退かした、それだけだ、だろ?姐さん」

ムウマージ「・・・・・・」

キリキザン「姐さん・・・」

ムウマージ「あっ、えっ、・・・そう、だから安全に技の練習を」

キリキザン「私が全部言いましたよ、ボーッとしないでください」

ムウマージ「あ・・・ごめんなさい・・・」

ムウマージ「・・・コホン!とにかく!今からここはアタシ達の技練習場さ」

ムウマージ「邪魔してると当たっちまうよ?」

ルカリオ「公共の場所でそんな真似をするな!」

アギルダー「まぁものに当てなきゃいいんスよねー」

ルカリオ「危ないだろうが。もういい、強制退去だ」

キリキザン「・・・やるのか?」

ルカリオ「やるわけがないだろうが。クレセリア」

クレセリア「サイコキネシス・・・」ユラァ

ムウマージ「あ、あららら?」フワッ

アギルダー「姐さん、これはぶっ飛ばされるパターンッスよ」フワッ

キリキザン「チッ・・・退くか」グイッ

アギルダー「歩かないで済む分楽ッスね」フワフワ

キリキザン「ほら」グイッ

アギルダー「ぎゃーっ!天地無用ッスよ!」

ルカリオ「はぁ・・・行ったな」

クレセリア「最近では一日に一回顔を合わせるわね」

ルカリオ「よそのきのみを落とすわ、ピンポンダッシュするわ」

ルカリオ「よくネタが尽きないな・・・」

クレセリア「しかも毎回私たちの近くで起こるのよね」

ルカリオ「ありがたいようなありがたくないような・・・」

ルカリオ「・・・はぁ、よし、早く仕事終わらせて家に帰るか」

クレセリア「リオルちゃん?」

ルカリオ「目を離してる隙にさらわれたら堪らないからな・・・」

クレセリア「まぁシスコンだから心配なのもしょうがないわね」

ルカリオ「さらわれるかの心配してるだけだからね、あくまで」

クレセリア「はいはい・・・」

~そして翌日~

リオル「助けてっ!お兄ちゃん!」

ルカリオ「またお前らか!ここから出せ!」

クレセリア「はぁ・・・」

キリキザン「たまたまあった落とし穴に落ちたお前の落ち度だ」

アギルダー「アニキここで洒落ッスか!ww」

キリキザン「静かにしていろ」

アギルダー「はいッス」

キリキザン「・・・これは姐さんからのメッセージだ、受け取れ」ピラッ

ルカリオ「メッセージ・・・?」

キリキザン「確かに渡したぞ」スタスタ

アギルダー「あれ、姐さんもう居ないんスか」スタスタ

ルカリオ「おい!まずはここから出せ!」

クレセリア「焦らなくてもサイコキネシスがあるわよ・・・」

クレセリア「穴から出るよりもメッセージ、そっちの方が重要じゃない?」

ルカリオ「そうだな・・・じゃあ読むぞ?」



『妹を返して欲しければ、森の奥か、沼の辺か、丘の上に来なさい! byムウマージ』



ルカリオ「これは・・・」

クレセリア「どこかにアジトがあると見て間違いないんじゃないかしら?」

ルカリオ「俺もそう思う」

ルカリオ「じゃあ、リオルは『森の中を適当に』っていってたから、森の奥からあたってみるか」

クレセリア「そうしましょう」

ルカリオ「今日こそ懲らしめてやる・・・!」

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