ある不死人の記録 (52)
かつてこの世界は平和だった。
様々な国があり
様々な人々が生きていた。
国と国が争う事はあれど、それでも平和だったと言えるだろ。
あの日が来るまでは。
それは突然だった。
世界各地にて大地が大きく揺れ、世界の中心の地に、それは突然現れた。
『塔』
人々は、それをそう呼んだ。
天まで届きそうなほど、高くそびえる塔。
そしてそれと同時に、人々に異変が起きていた。
『不死人』
塔の出現と共に、身体の何処かに現れた『ダークリング』を持つ者。
その印を身体に宿した者は、決して死ぬ事は無い。
厳密に言えば、死んでも生き返るという意味で。
例え切り刻まれようとも。
水に沈もうとも。
身を焼かれようとも。
必ず蘇るのだ。
初めの内は、不死人達を人々は神に選ばれた者だの、英雄だのと讃えていたが、それも長くは続かなかった。
不死人達はある問題を抱えていたのだ。
それは、死ぬ度に自我が薄れていくという事。
知人を忘れ、恋人を忘れ、伴侶を忘れ、家族を忘れ。
ついには自分の名すら忘れ、人々に襲いかかる亡者と化す。
次第に人々は不死人を恐れ、迫害し、捕らえ、檻の中へと入れた。
二度と世に出さないように。
しかし、ダークリングが現れた人々は今も増え続け、ついには亡者によって滅びた国も出始めてきた。
そんな中、人々は気付き始める。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1426472453
あの『塔』が現れてから、世界はおかしくなった。
ならば、あの塔に世界を元に戻す何かがあるのではないか?
と。
それから、世界中の名だたる不死人の戦士達が、塔を目指した。
自身の呪いとも言えるダークリングを消し去る為に。
世界を元に戻す為に。
しかし、帰ってきた者は誰1人おらず、不死の呪いは今も増え続けていた。
そして今日も1人、塔へと挑む者がいる。
私だ。
これを見た者。新たに塔へと挑む者。
恐らく私は既に亡者と化し、この塔を彷徨っているだろう。
もしくは貴方が斬り倒した者が私だ。
願わくば、この記録を有効に使って欲しい。
いつの日か、世界から不死の呪いが無くなる事を祈って。
(名前が書かれていたようだが、血で読めなくなっている……)
はじめに
ダークソウルシリーズの設定を使った、日記形式SSとなっております。
>>1の振るダイス、時には皆様の安価によって、日記の書き手の運命が決まります。
どんなキャラでも、亡者と化す時は遠慮無くなっちゃうのでどうかご理解を。
最初のプレイヤーは、シリーズお馴染みの職業『騎士』、性別男で進めて行きたいと思います。
一日目
不死の呪いの印『ダークリング』が現れてから何日たっただろうか。
同じ騎士団の仲間達にも何も言えず、私は1人でこの塔へやってきた。
この不死の呪いを解く為にだ。
正直な話、この塔に呪いを解くカギがあるのかは私にはわからない。
しかし、私はこの塔を登らねばならないのだ。それ以外に道は無い。狭い牢獄の中で、終わらない一生を送るよりは遥かにマシなのだから。
世界の中心にあるこの塔へと辿り着き、私は扉を開いた。
呆然としたよ。塔の中には別の世界が広がっていたのだから。
塔の中に入ると、まず森があり、そこ通ると荒廃した農村があった。ボロボロ家屋が何軒もある。遠い丘の上には、教会らしき建物と、時計塔らしき高い建物が見える。
そして、塔の中だというのに天井が無いのだ。ある程度の広さで(といっても周囲10kmほどは広がっているが)まるで、世界の一部を切り取ったような空間。
どうやらここは想像以上に常識が通用しないらしい。
私はまず、その内の一軒の中で見つけた白紙の書物に、この記録を書いている。
今のところ誰かに会う事も、亡者に会う事も、人外の化物に会う事もない。
塔まで辿り着くのに疲弊していたところだ。今日はこの家屋の中で休むとしよう。
願わくば、平穏に目を覚ます事が出来ますように。
ひとまず終了です。
基本不定期です。何時に投下するかはわかりません。
出来るだけ一日一回以上は更新したいですが、出来ない時はごめんなさい。
とりあえず、塔の1フロアの中に、デモンズ、ダークソウルでいう1ステージが入ってるみたいな感じです。
そして上に上がるほどえげつないステージに。
昔のゲームですが、魔界塔士sagaが強く反映されています。
荒廃した農村は、マデューラをイメージしていただければいいかと。
ちなみにこの騎士の初期装備ですが
ロングソード
騎士の兜
騎士の鎧
騎士の手甲
騎士の足甲
指輪無し
となっております。魔法奇跡はまだ使えません。
レベルアップ・復活地点は篝火で行います。
二日目からは、『塔』の攻略開始です。
二日目 1ページ目
朝まで一度も目が覚める事は無かった。どうやら想像以上に疲れが溜まっていたようだ。
自分でいうのも何だが無理もない。この呪いが現れた後、全く気を抜く事が出来なかったのだ。
周囲の人間に知られれば、たちまち捕らえられ牢獄へと入れられる。私も騎士団の仲間と共に、何人もの不死人を捕らえたのだからよくわかる。
こんな得体の知れない塔の中でも、人の目を気にしないでいいと言うのは気が休まるモノだ。
最もこれから先、どんな地獄が待っているかはわからないが。
身仕度を終え、荒廃した村を出ると、私はまず遠い丘の上に見える大きな教会・時計塔を目指した。
塔の上を目指すにも、階段や昇降機が見当たらないのだ。ひたすら探索して、上にいく手段を探すしかない。
見晴らしの良い草原を歩いていると、ようやく人を見つける事が出来た。しかも数人。
いや、人では無かった。
目は正気を失い、身体はガリガリに痩せ細って、血が通っているのかどうかもわからないような身体の色。
亡者だ。
身ぐるみを剥がされたのか、着るものも無い素手の亡者の集団が、私を見つけるなり真っ直ぐ私へと襲いかかってきた。
私は斬った。
何の躊躇も無く。
騎士団時代から愛用しているこのロングソードで。
完全に自我を無くした亡者は、もう元の人間には戻らない。そして殺しても後に蘇る。
躊躇する事など無いのだ。騎士団時代からそう言い聞かせていた。
恐らくこの亡者達は、塔へと呪いを解くため。あるいは、財宝でも探しに来た冒険者だろうが、防具も無く、素手を振り回すだけの亡者にやられるほど私は弱くない。
亡者達を斬り捨てる度に、微かに残っていたであろう『ソウル』を取り込んだ。いずれ役に立つ事があるだろう。多くて困るモノではない。
襲いかかる亡者を斬り捨て、私は草原地帯を抜けていった。これでいいのだ。これで。
草原地帯を抜けると、小高い丘へと向かう森林地帯が待っていた。
木々の密集度はそれほど大した事がないので、迫り来る素手の亡者達を余裕を持って対処する事が出来た。
これまでで幸運なのは、亡者の集団がせいぜい素手の4〜5人で構成されている事だ。武器を持っているか、10人や20人もの大群で来られれば、流石に私もやられていただろう。
森林地帯を抜けるかどうかのところで、開けた場所に篝火が焚かれていた。
何故こんなところにあるのかわからない。
が、この周囲には亡者達も近寄る事がないようだ。不思議に思う事だらけだが、ひとまずここで休憩し、書を書いておこう。
時空が歪んでいるのだろうか?かつてこの場にいたであろう者達の幻影がハッキリと見える。
1F
不死教会 大聖堂
騎士「……美しい……」
篝火のある開けた場所から更に進み、大きな教会に入った騎士が目にしたモノは、思わずそう口にしてしまう程に神々しい造りの大聖堂であった。
50m四方ほどの広さの大聖堂には、古くも格式の高そうな長椅子が並んであり、頭上には巨大なシャンデリア。
正面には古き神である太陽神を現したステンドグラスが見える。壇上にはパイプオルガン。
そして壇上には、1人の騎士が立っていた。
騎士「……これからが本番のようだな……」チャキッ
騎士はその手に持つロングソードを構える。
気配を察したのか、壇上の騎士がこちらを振り向いた。
騎士王レンドル「…………」スッ……
騎士「ッ!?貴方は……まさか……」
騎士はその姿を見て震えあがる。
かつて、バルデルという大国があった。
多くの不死を生み、滅びてしまった国だが、そこに騎士の間で『騎士王』と呼ばれるほど有名な男がいたのだ。
それが、騎士王レンドル。
騎士「……貴方ほどの実力者でも……この塔を登り詰めることは出来なかったのですか?」ゴクリッ
騎士は、思わず唾を飲み込む。
目の前の男は既に亡者と化している。
即ち、何度も死んでは生き返る事を繰り返したのだ。
これほどの男を何度も殺したモノが、少なくともこの1Fにいる。
その事実だけで、騎士は意識が遠くなってきた。
騎士王レンドル「……」スッ……
レンドルは、騎士を完全に認識すると、剣を自身の顔の前に立てた。
戦いの前の礼。作法。
流石は騎士王と言われる男なのだろう。亡者となった今も、その誇りは失われてはいなかった。
騎士「ッ!?……」スッ……
騎士も、それを受けて同じ動作を取る。
目の前の男に敬意を表す為に。そして。
チャキッ!!!
双方同時に、自身の剣を構えた。
運命の別れ道です。
>>16の方
BOSS 騎士王レンドル
コンマ
奇数→勝利
偶数→敗北
ぬおおおお
時空が歪んでいるのか、かつてここにいた者達の幻影が、ハッキリと見える。
1F
時計塔 大鐘楼
騎士「な、何だコレは……」
異質な気配を纏う白い霧を抜け、その先の大扉を開いた騎士の目に映ったのは、大鐘楼を埋め尽くさんばかりに蠢くドロドロしたモノ達だった。
『ファランクス』
それは、戦場で使われる陣形の一つ。
自軍の周囲360°を盾で囲み、完全な守りを敷く。
更に、その盾の隙間から長槍を突き刺す。
攻守共に優れた陣形だ。大砲でもない限り、人の力で突破することは難しいだろう。
目の前のドロドロしたモノは、それを彷彿させる。
各個体が正面に大盾を構え、それが大量に集まり弱点である背後を無くしているのだ。
ヒュンッ!!
騎士「ッ!?」バッ!!
正面のドロドロの一体が、突如長槍を騎士へと飛ばす。騎士はそれを咄嗟に回避する。
ドゴォォォオオオッ!!!!
放たれた長槍は騎士の側の石柱へと、削り取るように突き刺さった。
騎士「コレが……コレが騎士王レンドルを亡者へと落としたのか?この化け物共が……」ゴクリッ……
斬撃は大盾に弾かれる。弱点の背後は大量のドロドロが互いに補っている。
こちらの攻撃は通用しない。
そして、向こうには金属板の鎧すら貫く長槍がある。
騎士「私は……勝てるのか?」チャキッ
騎士はロングソードを構える。
呪いを解くには塔を登るしかない。
この化け物を倒すしか、進むしか未来はないのだ。
運命の分かれ道
BOSS:ファランクス
LIFE:5/5
>>36の方
コンマ
奇数:火炎壺を投げる
偶数:正面から斬りつける
素数:剣に松脂を塗り、火をつける
ほいっ
騎士「ウォォォオオオッ!!!」ブンッ!!
騎士は、全力でロングソードをファランクスを形成する一体のドロドロに振り下ろす。
渾身の一撃だ。人がまともに受ければ、一刀両断してしまいそうな程に。
しかし
ギィィィィイイインッ!!!
騎士「グッ!!……やはり正面からでは無謀なのか……」ビリビリッ……
渾身の一撃は、大盾によって完全に防がれてしまう。
この大盾ごとドロドロを両断するには、それはそれは巨大な剣やそれを扱う腕力が必要だろう。
今の騎士にはそんな力も武器も無い。
ヒュンッ!!
グサァァァアアッ!!!
騎士「ガッ……フッ……」ゲホォッ!!
騎士への攻撃に合わせて、ドロドロが長槍を思いっきり突き刺してきた。
長槍は騎士の鎧を容易く貫き、腹を深く刺している。
騎士「グッ……どうする……どうすればコイツ等を突破出来る……」ゴクンッ
大聖堂で手に入れたエスト瓶を飲み、体力を回復するも、もはや次の一手を耐える事は出来ない。
コレが最後だろう。
運命の分かれ道
BOSS:ファランクス
LIFE5/5
騎士
エスト瓶0/1
>>40の方
コンマ
00-60:火炎壺
61-99:ファランクスの攻撃
素数:松脂を剣に塗り、炎を灯す
素数優先で。
ゥウンバサ
騎士「私の装備では、接近戦で勝ち目は無い。ならばっ!!」バッ!!
騎士は、時計塔の探索にて手に入れた火炎壺を取り出す。中には引火性の油がたんまり入っている。
相手は大盾にて鉄壁の布陣を敷いている。生半可な武器は通じない。
ならば、炎に包んでしまえばどうだろうか?実際のファランクスの陣形も、こういった液体から発火する炎には極めて弱いハズ。
悩む騎士へと、ファランクスが長槍の照準を騎士に合わせる。
騎士「えぇい!このままではどうしようも無いのだ!!一か八か」ブンッ!!
炎を灯した火炎壺がファランクスへと投げつけられ
パリィンッ!!!
そして、ファランクスの大盾に当たって割れた。
ボォォォオオオオオッ!!!!
『ギョァァァァアアアアアッ!!!!!』ジュゥゥウウッ!!
たちまち、ファランクスを形成するドロドロ達に火が燃え移り、陣形は炎上した。
ドロドロ達から、悲痛な叫び声のようなモノが聞こえる。
騎士「き、効いた……もう一つだっ!!」ブンッ!!
騎士が更に火炎壺を投げつける。
炎上は更に大きくなり、ファランクスを形成するドロドロ達の半分程は死んだようだ。
残りの半分も、堪らず陣形から離れていく。
そして、崩れた陣形から現れたのは、発光する核のようなモノを持ったスライムのような生物だった。
アレがこの陣形の核なのだろうか?
騎士「あのドロドロは炎に弱いのか……だったらコイツで」ボゥッ!!
ドロドロ達の弱点を確信した騎士は、先ほど見つけた松脂をロングソードへと塗り、火を灯した。
これで、剣に炎の力が加わる。ドロドロ達への必殺の剣の出来上がりだ。
騎士「コレでドロドロ達に対抗出来るハズ!!あとはあの核を倒せば……」チャキッ!!
騎士が、炎のロングソードを握り締める。逆転劇を起こせるかどうか。
全ては次の一手で決まるだろう。
最後の選択
BOSS:ファランクス
LIFE2/5
騎士
エスト瓶0/1
多数決
>>45
>>46
>>47の方
選んで下さい。
1.ファランクスの核へと突撃する
2.ドロドロ達を先に処理する
なお、1人でもコンマ99がいた場合、問答無用で騎士は亡者に成り果てます。
2
2
2
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