変人集団の怪奇現象レポート(29)


「暇、だよな……」

彼は呟く、それがお約束であるかの様に。

/*ぼちぼちやります*/


Yk「カラオケ行く?」
Syu「昨日も行ったじゃまいか」

いやね、お約束空間いきなりぶっ壊すのやめろよと。

Km「心霊スポットだけはパス」

熊さんが素晴らしい案を出してくれた、これで行こう。ダチョウ倶楽部理論だな。

Ja「じゃあさ、何処行くの?もちろん心霊スポット限定で」
Km「人権なんてなかった(涙目)」

そんなこんなで彼ら彼女らは仲間を呼び出し、計7人で心霊スポットへ向かった。

向かった先の心霊スポットは……

……福岡県の、犬鳴峠。

Hs……諸悪の根源
Yk……良心。かわいい。ユキちゃんかわいい。
Km……霊感が異常に強い。私。
Syu……物語の中盤辺りに出て来る知能系悪役みたいな顔したキチガイ
Ja……お嬢様もどき
Cu……ドライバー、いつも巻き込まれててかわいそう(こなみ)
Ek……最後のストッパー、この子が居ない日には無茶しないのがルール。


リアルに起こった事をSSっぽく改変して投稿します、更新は適当にだらだらと。

ガタガタと揺れる車内

Cu「車出したけどさぁ、親の許可取ってんのおまえら?」
Syu「親を下さい」
Hs「天涯孤独アピールしなくていいから」

どうにも落ち着かない車の中、不穏な空気が立ち込める。

……また以前の様に補導されて成年組(Hs.Cu.Km)の人生が危なくなるのでは、と。

Km「いや、ド田舎だし大丈夫なんじゃないの?」
Cu「でも職質食らったら一発アウトだろこれ」

たし蟹。
こんな見るからに怪しい……誘拐用みたいな車じゃなければ安心出来るんだけどなぁ

Ek「お泊まり会って言って来たから大丈夫」
Syu「えりちゃんマジ天使」
Ek「もっと褒めるがいいや」

渾身のドヤ顔を見せるエリカちゃん。かわいい。

福岡市内から車で一時間半、目的地の近くに到着した。
時刻は23:40分、まだまだ時間に余裕が有る。

Km「あ、なんかやばい」

ここで偶然にもクマさんのレーダーが発動した
普段は「なんだよこのクソ技能」と思っている物でも、心霊スポット近くだとかなりの効果が期待出来る。
それがわかっているからなのか、はすさんは俺に話しかけてきた。

Hs「きた?」
Km「いや、なんていうか、威嚇みたいなのが飛んできたのかな?」

幽霊特有の力場みたいな何かが発生しているのかとこの時は考えていた

……後から口に出した方が正しかったんだと理解したけど、気付くのが遅かったよ

近くのコンビニに入って食料と飲み物を買い漁る。
大人の財力を舐めるな!と言いたい所だけど、未成年組の方が金を持ってるから言わない。
大人は汚いのだ

Cu「最近仕事どうなの?」
Km「パン作るの飽きたから辞めるわ。つーかそっちもIT土方っしょ?腰痛くねーの?」
Cu「物事はな、大抵慣れと諦めと惰性でどうにかなるんだよ」
Hs「なってないじゃんwwwwww」
Cu「うるせえwwwww」

現実は厳しいのだ。

親の遺産を株ぶっぱして莫大な資金を得たキチガイやら天然物のお嬢様とは住んでる世界が違うんだよ、ちくせう。

……時刻は危険な領域へと突入する。

Syu「丑三つ時じゃああああああwwwwwwwwwwww」
Yk「うるさい」
Syu「はい」

ダメな大人達がタバコを吸い飽きた頃、変化が起こった。
場所は「旧犬鳴トンネル」全国規模で有名なスポットだ

俺(Km)とはす(Hs)と柊(Syu)は警戒の態勢に入った
タバコを踏み潰しながら皆に聞こえるように言う

Km「なんかやばいのが来た」

これまでで遭遇した幽霊の中で、一番ヤバいかもしれない。


風が止み、全身をぞわぞわと気持ちの悪い寒気が奔る。

Ja「ど、どうしたんですか?」
Hs「あからさまにやばい、柊とくー姉さんがマジギレしてるくらい」
Cu「それにお前も入ってるな、これは。」

季節は夏、八月末の夜中にしては寒過ぎる。
未成年の女の子達はまだ気付いてないけれど、柊の目が見開かれている。

……これは本気で危ないかもしれない

Km「撤退しよう」

気付けば、そんな言葉が口から出ていた。

/*続きは夕方か夜辺りに書いて投稿します*/

寝ぼけてる時に雑に書くとこうなるのか
自分の文章読んでて恥ずかしくなった

続き書きます

慌てて全員が車に乗り込む
柊とはすさんが殿で俺が先導する、いつものスタイルだ。

Syu「出すなッ!そっちは死亡ルートに入ってる!」

この預言は何度も当たっているから無視は出来ない
未成年の女の子を中央の列に座らせ、助手席に俺、後部座席にキチガイ二人組を座らせて待機。

Cu「どうする?」
Hs「いつも通り。サーチアンドデストロイ」
Km「幽霊デストロイは柊しか出来ないんですがそれは……」
Hs「ま、どうにかなるだろ」

そう言って彼はいつも通りにタバコをふかし始めた

Ek「けほっ……くさい」
Hs「あ、わりぃな」

時刻は午前三時半

車が揺れる

最初はゆらゆらと小さな揺れだったのが、今ではガタガタガタガタと小刻みに大きく揺れている。

Hs「こんなことあるんだなぁ」
Km「柊の親父の葬式でもあったろ」
Cu「あれとはカテゴリが違うって」

普段と変わらない態度でお菓子を貪る俺とクーさん

Syu「今震度2くらい?」
Ja「4はあるでしょう」

Syu「西方沖の半分くらいしか無いよ?」

Yk「比較対象がおかしい」
Ek「言われてみれば」
Yk「比べなくていいから」

幽霊なんてなかった、と言わんばかりのマイペースさ加減。
こんな俺たちを見て居たのか知らないが、幽霊さんは次の手を打って来た。


フロントガラスに手形が付き始めた

Km「健気だなー」

思わず呟く

Hs「健気系幽霊……うちにも欲しい」
Km「そんな事しなくても生き霊集まってたから100%ダイジョーブです」
Hs「えっ、なにそれ聞いてない」

バーの客食い荒らしてポイ捨てするからだろ!

Cu「へぇ、やっぱりそうだったんだ」
Syu「え、なになに?はすがクズ?知ってた。」

コメディーモードに入っているが、この時既にフロントガラスの八割は手形に覆われていた。
はぁ、帰りたい。

ユーメージャナィーアーレモコレモォー

Km「はい?」

着信音はウルトラソウッから何年も変わってなかったりする

?「………………ザザッ……」

ノイズだけが聞こえる無言電話、誰からかかって来たのかは出ていない。

Km「どしたの?辛いことあった?」

?「ザッ……スー…………ザザッ」

Km「助けて欲しい?」

?「ザザザザッ………………」


Km「だが断るッッ!!」


電話を切った


Hs「なにしてんのキミ」
Cu「はぁ……」
Syu「やるじゃん」

この辺はいつもと変わらないリアクション

Ja「大丈夫なんですか?」
Yk「大丈夫なんじゃない?」
Ek「大丈夫なのかなぁ?」

だから即興でコントはじめんのやめろって!

感じていた寒気が消え、今回はこれで終わりか、と安心した時……

……一番の危機が訪れるのも、お約束なわけで。

車が勝手に動き出す

Hs「クーさんもう出したの?はっやーいププ」

Cu「いや、出してない」

Km「は?」

Hs「柊、正面監視」

Syu「りょ」

一番夜目が効く柊が正面を見据え、ドアの前ではエクスカリバールを持ったはすが待機。
当然の権利だと言わんばかりに携帯の電波が通じていないのは、言うべきなんだろうか。

ゆっくり、ゆっくりと、車は進む。

Syu「ここ、何処だよ」
Hs「知らんが、やばいのはわかる」

時刻は午前四時過ぎ、日の出にはまだ早い。

ガタガタと揺れる車、地面が荒いらしい。
少なくとも公道を走っている訳ではない、としかわからないのが悔しい。

Cu「なんか坂登ってる?」

俺たち三人はその一言で全てを察した

『脱出!』

流れるような動きで車から脱出

幸いな事に、車のドアは普通に開いた。

全員が外に出ると、車の動きが止まった。

Cu「大丈夫?」
Km「いや……なんかぞわぞわする」

なんていうか、こう、何かに狙われてるみたいな……

Syu「……居る」

その声と、何かが重なった。

キィンと、耳障りな金属音が聞こえた気がした。
どうやらお出ましらしい。

Syu「いあ!いあ!」
Hs「バカ!招来しようとすんなハゲ!」
Km「また神の話してる……」
Cu「この状況でそんな高度なボケかまさなくていいから」

風景が霞み、匂いが変わった。

ぼんやりと光る視界

この光全部が幽霊だと理解するまで、そこまで沢山の時間は必要無かった。

Km「見えるか?」
Hs「いや、なんとなくしかわからん」
Syu「まずいですよ!」

心も体も頑丈な四人とは違い、女の子達(クーを除く)が半泣きで柊に抱き付いた。爆ぜろ。

Hs「どうする?」

いや、どうする?って言われても。

時刻は午前四時半、後十数分で日の出。

Yk「なん、なの?」

幻聴が出始めたらしい、怖いね。

Hs「ユキ、落ち着け」
Yk「ん、あれ?どうなってるのかな?」

ユキちゃんが取り憑かれたっぽい

Syu「えい」

柊が柏手を一拍、すると周囲の霊が散った。

風の音が戻り、血生臭い空気が田舎の匂いになる。
散っただけでそこらに漂ってるけど、時間は稼げるだろう。

Syu「GrUaAaaaaaaaAAA!!!!!!!!!」

柊さんが更に追い打ちを掛ける。

野生の熊を追い払った咆哮は、どうやら幽霊にも有効だったらしい。
周囲の霊が溶けて、消えた。


Hs「で、どうすんよ」
Cu「車何処行った?」

二人はうろうろと辺りを歩き回ろうとする。

Syu「ちょっと待った、なんか風強くねーですか?」

言われるまで気付かなかったけど、確かにそうだ。
俺は手持ちのiphoneで足元を照らした。

Km「……なんだこれ」

俺が立っている所の数メートル先は、崖だった。
どうしてこんなところに移動していたのか、今回の幽霊は何を考えてこんな事をしたのか、全くわからない。

Syu「ウッソだろオイwwwwwwww」
Cu「いや、笑えないでしょ、これは」

各々が呆然としていると、朝日が昇り始めた。

Ek「あさだよ!」

鮮やかな色の日の出から、なんとなく目を逸らして後ろを見ると――


――後ろには獣が居た

『獣』としか言い表せない何か、口にする事すら憚られる異形の怪物。
強いて言うのなら狼に似ているだろうか。

大きな口に鋭い牙。

眼は四つで足は八つ、一部からは人の顔の様な物まで見える。

Km「マジもんの神話生物じゃねーか、ちくしょう」

どうしてなのか、心の中に有ったのは『畏怖』ではなく『嫉妬』だった。

ポン、と肩を叩かれ正気に戻る。

Hs「どした?」

気付けば『獣』が居た場所にはクーの車が置いてあった。
アレは一体なんだったのか、アレは一体俺に何を伝えようとしたのか……

Cu「帰ろうか」
Syu「そやね」

……未だにわからないが、これだけは言える。

好き好んで心霊スポットに行くもんじゃない。

~後日、自宅にて~

Cu「でさ、あの時何があったん?」

彼女には気付かれていたらしい。
はすさんも気付いてたらしいけど、あの時の俺の様子がかなりおかしかったから聞かなかったんだとか。

Km「いや、神話生物が居てさ」

あの時に起こった事を丁寧に解説すると……

Cu「なんで生きてるの?」

俺が一番不思議に思ってるのにそんな事聞かないで下さいよ。

Cu「いや、でもさ。それだと納得できる事もあるよね」

え、なになに?

Cu「最初の威嚇、車のドアが開いたの。あとは……柊曰く、あの時の声は今までで一番大きかったんだって」
Km「まさかとは思うけど、降霊しちゃってた?」
Cu「かもね」

こう、幾つもそれっぽい物を並べられると、信じたくなる物で。

Km「となると、あの獣はあの辺一帯の守護霊とかそんな感じのかな?」
Cu「知らないけど、そっちの方が面白いやん?」
Km「なるほど」

……ってことで、俺の中ではこの説を信じることにした。

・で、これ事実?
事実ですが、人名は全員変えてます。

・旧犬鳴トンネルってヤバイの?
ヤバイなんてもんじゃない
詳しく知りたければGoogle先生に聞いてどうぞ。

・んでこの『獣』さんってなんなの?
実は後日、再会してます。

この年の次の年……去年ですね、同じ時期に休みが取れたので、あの辺に遊びに行ったんですよね。
同じ日の同じ時刻、車が操られて行った先の崖で、日の出まで待ち続けました。

日が出て少しして後ろを振り向くと、なんか呆れた?っぽい雰囲気を出しながら私を見ていました。

とりあえず頭下げてお礼だけ言ってから帰宅、特に面白い事は無し。

・どっかで見たこと有る名前ですね
貴様っ……なろうユーザーだなっ!?

・(´・ω・)つまんない
(`・ω・)ゴミ文章見せてごめんね!

・で、この集団って何?
なんか色々有った人達の集まり。
柊は親が死ぬのを早めた、エリカは親に殺されそうになってたし、ハスさんはちょっとおいたをやり過ぎた。
一人一人の事情が重過ぎる。ネタにならない。

・幽霊見えんの?
見えたり聞こえたり直感でわかったり。祓えないけど。
祓うのは柊の仕事です。

・続き書くの?
暇になったら書くかもしれないけど需要無ければ落として。

じゃ、乙。

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