【ラブライブ】穂乃果の心を壊してみたよ。雨の日は流石にいないと思うじゃん? (469)

いるよ

君のそばに

いつもいるんだよ

君のすべてを

知ってるよ

その側にいるのは誰だか知ってるのかな







おそらく誰もいなくなる

それを知りつつセカイは動く

空を見上げた

灰色がかった雲が太陽を遮り一粒の雫

音もなくただ静寂を教える縒り糸

汚れることも大切な証

同時に嵐の予感

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1426076996


輝く光を浴び

真っ直ぐその方向に向かう向日葵

愛情をすべてに等しく大きく持つ穂乃果

彼女の心を壊すなんて、まず普通の方法では無理だ

いつも、誰かを愛しているし愛されている

そんな愛情のバランスに恵まれすぎている彼女を狂わせるには……

その過程の描き方


花は太陽がなくとも少しでも少しでも光の方向へとむかう

その出口はどこなのだろうか


μ'sである母体を狂わせることはもちろん、その根幹とも言える二年生組。

その二年生組の三人へのアプローチが最も有効だ。

では、まず最初に誰からアタックをかければよいのか。

陸海空とあれば、まずは一番深い海から

大地を徐々に侵食させる。

同時に空からの爆撃も誘発

では、その海未に対してだが

仲々ガードが硬いだろう

しかし難攻不落の海未を、一途な想いを見せつけることで落とす事に成功させる。


海未「……こ、こちらこそふつつかものですが…………よ、よろしくお願いします。」

徐々に仲が深まりだした頃、デートではことりのバイト先を指定。

ここで二人の仲睦まじい姿と、常に俺が海未を想いやる姿を見せつける。


ことり「俺君みたいな彼氏がいる海未ちゃんは幸せなの。」


海未も満更でもない様子と同時に、ことりも少し彼氏というものに興味。

俺にも惹かれているように見て取れた。



それから、たまに一人でことりのバイト先にいくようにもなる。

少しずつ、ことりと俺の関係も良好になっていく。

ある日、ことりに海未は浮気とかしてるの??ボソッと聞いてみる。


ことり「海未ちゃんはそんなことしないよ。なんでそんなこと言うのかな!信じてあげて!」


そこまで怒りはしないが、とがめはされた。

なるほど……確かな信頼関係だ。

つまり、それが強ければ強いほど………

冷静な悪魔の囁きは始まったばかりだ。

海未の態度が何故かおかしい

相談に近い事を乗ってもらうことになった。


ことり「海未ちゃんはこういう子だから!」

ことり「たまに意固地になっちゃう所もあるだけなの。」


そう言いつつも言葉が積み重なるうちに、

ことりも少しずつ海未に対しての不信感が募ってきたようだ。


こんなにいい人を何故?

ないがしろにするの?と……

人の良さを表面的に受け取ればそうなる。

勿論いつも一人でバイト先にいっていたわけではない。

当然、二人で行った時のほうが多いぐらいだ。

だからこそ、だからこそ、

次第にことりも疑問がわき出した。


ことり「う~ん?どうしてなのかな?」


また海未の性格を熟知している俺は

よほどの事がない限り

他者にプライベートましてや

男性の事など言うわけがないのを知り尽くしていた。


海未「近くにこのような場所もあったのですね。」


海未に俺の連れと遊んだりもさせた。

そういっても男友達と、ただどこかへ行って遊ぶだけの経験。

たったそれだけでも付き合っている相手の友人と遊ぶというのは、信頼されている証拠でもある。

その友人から俺の人柄も推測できるだろう。

いずれ海未が穂乃果を紹介してくれるようにと。


そしてある日、わざと俺は海未と悪友と遊ぶ約束をして行けないフリをした。

土壇場のキャンセルだったため、とりあえず二人はお茶だけでもとことりのバイト先へ。



勿論、悪友には了承済み。

キャンセルの連絡を海未ではなく悪友にした。


海未「なんだか、都合が悪かったのでしょうか。」

海未「事故とかでなければよいのですが……。」



二人がその場を離れたのを確認してから、

何食わぬ顔してことりのバイト先に行く。

そして、いつものように海未の様子がおかしい

今日も誘ったのに!

さすがにことりも…ハッと一瞬顔が変わったが…


ことり「ナンデモナイノヨナンデモナイノヨ!」


でも俺は当然そこを見逃さない。

いやごめん、

ことりちゃん俺を傷つけないようにいってくれるのは嬉しいんだけど

ホントは何か知ってるんだよね………と悲しい顔で

相手の庇護欲を感じさせる母性を出させたくなる顔で呟く。


ことり「あのね、、、実は…………。」


そこからは更に深刻に落ち込むフリをする。

するとことりはさすがに罪悪感(海未の幼なじみとして)

贖罪意識が出てきたようだ……。


ことり「ことりが何かしてあげたらいいんだけどな……。」


ここからは俺のターン

この後、即効ことりを俺のものにした。



更に重要なのは、付き合うという前提で俺のモノにしなかったことだ。

気持ちだけは俺のモノで付き合う前提はとらない愛人作戦。

元々、ことりは愛人体質がよく似合う。

そしてその読みは的中する。


ここで、表向きは海未と今まで通り付き合い、

裏では、ことりと付き合う二重の付き合いが成立するようになった。

ことりは共犯関係

海未と付き合っている関係を知り、

海未はことりと俺がそういう関係にあるのを知らなかった。

これからどうする?




ひとりよがりなプロット(構想)はかいほうに向かいながら


この二人を手元に置くことでμ'sの崩壊

穂乃果を独占させる導き

付き合うことが目的ではない

穂乃果の心を壊してみることだ


こたえに辿り着くのか教えてくれるだろう……さぁシナリオ(計画)を始めよう


もう一度振り返らせて貰う

二人をことりのバイト先に行かせた時のことだが、

悪友に連絡をしたのは事実だ。

しかし、それは悪友しかしらないことで、

海未が本当にキャンセルの連絡があったかなど知るよしもない。

ただ、その悪友の言葉を信じて、

今日は来れないと一言を信じただけに過ぎない。


海未「せっかく三人でお話しようかと思っていたので残念ですが……。」


また悪友に関して言えばμ's面子よりギャルギャルしいヤン女が好きだ

μ'sのようなタイプを好まない人間だったのも幸いした。


この時も、ご飯を食べに三人でことりのバイト先に行く予定にしていた。

また、海未も人を外見で判断しない素敵なところがある。



最初から行くつもりだったが、

野暮用で遅れそうなので先に二人で向かっていてくれと

アキバの待ち合わせ時間ギリギリに連絡をした。


海未「わかりました。それでは先に向かっておきますので。」


この時は海未と悪友の両方に連絡しておいた。

しばらくしてからもう一度悪友にだけ連絡をいれたのである。

しかし、この連絡が入れたかどうかの確認など海未にできるはずもない。

携帯の履歴などを相手の携帯を奪ってみることなど礼儀を知る海未がするはずもない。

当然、その時もそうだし、今後もそういうことはしない。



携帯をここで一時的に使えなかったことにする。

充電が切れたでも、水ポチャしただの、理由はなんでもいい。

あれ以上は連絡したくても出来なかった、と

かかってきてもとれなかった、と

そう聞けば素直に信用する海未だからこそ。


海未「そうでしたか、それでしたら致し方ありませんね。ただ、もう少し取り扱いには注意を~~。」


理由はともかく、無防備な状態の海未と悪友。

ことりのバイト先で三人を出会わせた。


ことり「お帰りなさいませ!ご主人様!!((ってあれ海未ちゃん?」


この時のことりは、ちょっと変だなと思った程度なのかもしれない。

後でバイト先に行った様子からいぶしがった様子はなさそうだ。


その理由がハッキリとわかったことりは贖罪意識も芽生えていただろう。


しかし、これからは

どちらにしろ甘いことりの甘さゆえの優柔不断さと

他者への依存が強い性格を利用させて貰うことは間違いない。


ことりからすれば海未が付き合うこと自体が信じられないことだった

そして、仲睦まじい二人

海未の変化は理解できた


そのように変化した海未だから、また新しい彼氏を見つけたのかなと。

あの出来事の次の日も


海未は何も言わない

ことりは問い詰められない


ことりが知っているのは、与え続けた海未への疑惑だけ

少しずつ蓄積させた言葉が重みをましていた

秘密もできてしまった。


ことり「((海未ちゃんもしてるんだし、ことりも少しぐらいいいよね。」


昨日のメイドカフェの出来事は、お互い触れないよう若干のぎこちなさを感じた程度だった。


さて、海未と付き合いを順調に重ね、ことりとは裏で付き合う関係も良好だ。

ここでも海未の今その場にいる相手以外から人間関係をみだりに聞くのはマナー違反。

はしたない噂話などもってのほか


海未「そういうことを聞くのはプライバシーの侵害です!全く貴方という人は。」


大和撫子らしい素敵な価値観が仇になるのかもしれない。

さて海未とは普通に付き合いを深めて信頼関係を築いていくだけで構わない。

これからするのは、ことりの……

嫉妬の増幅

女というものは、自分に、自分だけに、感情が向くのをよしとし

やはりその相手から最上の好意を向けられていることに、喜びを感じたりもする。

そして、その好意は自分だけだとわかりにくいが

他者との比較を準拠した場合、

的確に自分がどれくらい好かれているかが理解できるのである。


ことり「えへ、おいしい紅茶だよ。誰よりも、うまくいれられたような気がするんだぁ。」


つまり、相手と較べて私はどれくらい愛されているか

どこまで私のことを大切にしてくれているか

どこまで私の我儘をきいてくれるか

といった実につまらないことも多いが

女というものは一旦、他者との比較に身を置いてしまうと

醜いぐらい他者との優劣に拘りだすのだ

そして、優位者として他者を見下す時に非常に快感を覚え、

上位者に対し、嫉妬も抱くのである。


そう、俺がこれからするのは、ことりを嫉妬の悪魔に変化させることだ。


海未が、いつも俺のことを大切にしてくれている。

海未はこんなことまでしてくれた。

ポエマーな所もあるから

乙女チックなことも非常に好む。

デートらしいデートに異常な憧れがあったのも事実だ

それを最初から下手な所で遊びに行かずに

普通に公園などで会話を積み重ね、

喫茶店や映画館そして

美術館などちょっとした趣味活動の延長線上にある場所を好んだ。


海未「こういうところを、二人で歩いてみたかったんです。」


しかも海未が扱いやすいのは、

相手に対しの変な依存心は一切ないことだ。


信頼する相手のプライベートにも余計な詮索はしない

ここもことりとは真逆の性格なのかもしれない。

いちいち、事あるごとに


ことり「今日は海未ちゃんと何したの?」


言ったとしても、ありのままより少し盛り下げて言うものだが

違う。

むしろ、今日の海未はこういう所が素敵だった。

二人でいるときに、手を握ってもいいですか?

頬を染めながらいったのが可愛らしかった。

などと海未の素晴らしさを饒舌な口と合わせて語る


ことりのことだ。


ことり「えーいいなー私もしたいなー。」と甘えてくる


甘えさせた部分だけことりは私のほうがもっと上?

という確認をする

つまり同じ行為をすることで、

海未よりも上位の存在という確認をしたいのである。

これはこれで、カワイイものでもある。

そして利用しがいがある。

そうやって海未と重ねた行為を更にことりは上乗せして

私の方が上位の存在と認識しだすようになってきた。

ことりらしい他人への甘え方であり、

他人への依存的な関係を好むことりらしいやり方だ。


最初の頃は

穂乃果ちゃんがどうたらこうたら

といった話も割りに多かったのだが、

最近では一切そういうことはない。

ことりが聞くようになったのは


ことり「だから今日は海未ちゃんと何したのーー?」

ことり「そんなことぐらいしてあげるよーこうかな?」



海未と俺との関係で何か進展があったかどうかの確認が

重要になってきたのだ。

作戦は順調に進んでいるようだ。


そして穂乃果への依存度が俺に切り替わったのを見計らって

次の作戦へ移行する。


今までは今日の海未はこういう事をしてくれた。

受動的な話に留まるだけであったが

これからは

能動的な話でこちらから進める方向にさせる。

どういうことか言えば

今までは今日は海未とこういうことをした。

これからは

海未ならこういうこともしてくれるのに……と


仮定の話で海未がしそうにないことまで盛っていう。

すると当然、ことりはそれに負けじと


ことり「ことりの方がもっと俺君にしてあげられるの!」


女の嫉妬を丸出しにしてくる

こうなってくると操作は簡単だ。

してほしいことを海未ならこうすると言うだけで

それ以上のことをことりはやってくれるからだ



こういう関係でありながら、もう付き合いたいという感覚が

お互いなく、ただ海未よりも上位存在でありたいことりの欲求が

この関係を余計に維持させていたのかもしれない


そして海未ならこういうことしてくれたのになーと

海未がしそうにないことまで言いだした。

普通なら海未ちゃんはそういうことしないと気付きそうなのだが

そもそもの俺との関係が、海未の浮気を発端としたものだから

海未の性格がことりには、少しわかりづらくなっていったのかもしれない

当然、海未の浮気もただの俺の嘘ではあるが、それを蓄積させた。

言い続けることで、深みにはまるしかない。

もうこの二人は手中に収めたようなものなのだ。


あとは状況や気持ちの変化があるまで、少しずつ積み重ねるだけだ。


ことりに芽生え出したもの、それは皆が求める美しいμ'sの姿ではなく

ただの人間関係にありがちな、上位関係の認識、優越感の誇示、嫉妬に絡む嫌がらせ

つまり世に当たり前に存在している感情と考え方。

それを植え付けることで、今度は行動が変化していく。

おそらく、皆が見たいμ'sではないだろう。

ただ、だからこそだ、だからこそ

逆説的にμ'sの美しさとμ'sの信頼関係やμ'sの想いやりやμ'sの愛情に

気付くのかもしれない。


何故、彼女たちに惹かれその存在に愛情を寄せるのか

同時に、人の世のギャップに気付く

不可逆的な反応

母性の根源的存在である穂乃果の心を折るなんて生易しいものではなく

心を壊す

穂乃果の心を壊すことが

μ'sの源を壊すことでもある。


さてことりは、海未との関係に次第に距離を置くようになる

更に、ことりは海未との優劣比較をするようになる。


ことり「((私のほうがお洒落だしかわいいのに海未ちゃんのほうがなんで愛されているのかな?」


自己認識が過剰にもなり、愛されるべき自己像が増幅する。


この可愛さレベルというもの

明らかに自分よりもかわいく圧倒的な開きがある場合

素直に美しいやカワイイを連呼する

それが、ちょっと微妙なラインで上の可愛いになると途端に口を閉ざす。


といっても客観的に見れば微妙なラインの方が本人よりもかわいい((男目線

そして、こんどはまた微妙にちょっと可愛くない程度の人間を、

その人間関係の程度によって認識を大幅にかえる。

仲が良ければカワイイと思えるし、普通なら同じぐらい。

そして、仲が悪いと可愛くないと明言する。

美人でも可愛くないにも当てはまらず普通の容姿の自己顕示欲の持て余したタイプに多い考え方

美人すぎれば、相手の対応が変化するので考えも変化する。


まきちゃん「普通は自分より他人の方がカワイイって思うものでしょ。」


これと真逆の事が現実世界の通常に多く、まきちゃんの場合はその考え故に美しくもある。

また、それを言えるだけの恵まれた容姿故に他者を賞賛できる。


現実社会では、そこで自分と他者との距離をハッキリ置くことで、

自分とその微妙なラインの明確な区分けが欲しい人たちがいる。

しかも、この区分けは完全主観になるので非常にたちが悪い。

μ'sのことりですらも他者との関係により自己の優位性を示すことで、

自らの立ち位置と自らを幸福に感じる。

比較優劣の幸せにすぎない基準が、ことりのなかで一般化しだしたのである。


ことり「((ん~、μ'sの中でも可愛い方かなぁ。えへ少なくとも海未ちゃんよりかは可愛いよね。」


さて、ことりだが、ことりはかわいいだろう。

あの手を好む男性には非常に受けがよい。

だが、あの手を嫌いな女性には非常に嫌われるタイプでもある。

モテて問題がない人間の秘訣は同姓の受けが非常によいことである。

ここをクリアすればほとんど、異性からモテても問題はない。

だが、そこをクリアせずに異性からモテルと非常に嫌な問題が発生するし、

そこから付随した感情や行動は醜いものしか生み出さないのである。


ことり「え~ん、できないよ~~~。」


ことりの庇護欲をかきたてていた訳ではない穂乃果だが、

ことりには守ってあげなきゃ駄目と思わせる何かが存在する。


実際、彼女の言動のあやふやさにはやきもきさせられた方も多いのではないだろうか。


ことり「聞いてほしかったよっ、穂乃果ちゃんには。一番に相談したかった!」

ことり「だって、穂乃果ちゃんは初めてできた友達だよ。ずっとそばにいた友達だよ。」

ことり「そんなの……そんなの当たり前だよっ!!」


そのバランスをずっと穂乃果がいることで保ってきた。

だからほのキチの称号もふさわしかったのだ。

だが……その保護を俺がするようになる。

すると…………人間とは面白いものだ……

そして保護が男性であればあるほどに…………


ことりは事あるごとに、海未の意見に内心の拒否反応と相まって、

口に出して、嫌な感情を吐き出すようになってきたのである

本当にちょっとしたことだ、大したことではない


海未「今日は学校外でランニング。基礎体力訓練をします。」


そんな海未の、なんでもないようなヒトコトですらも


ことり「え~~今日は天気が悪いから学校内がいいの~。」

ことり「それよりも、もっとダンスの方が重要じゃないかな?」


などと周囲の意見に同調することりらしくない発言が非常におおくなってきた

今まで人に同意するのが得意だった。

また同調圧力に弱いことりは、強く言えないながらも

周りを気にしながら発言をしてきた。

ところが、自分の意見が通るような方向に上手く誘導する方法を身につけた。


その上に、さらに多少の強引さが手に入ったのである

といっても、多少の強引は、決して他の人からすれば強引なんてものではない。

真姫のはっきりした拒絶や、

にこの理想を貫く意思の通し方ほどの強いものではなく、

ただのほぼ感情的に気に入らないという

一貫性のない主張。

しかも、それがはっきりしにくい為、わかりにくいのである



海未「今日はステップの練習をします。」


花陽「…ぅぅ難しいのうまく出来るかなぁ」


などと躊躇する場合に、それに乗っかって


ことり「花陽ちゃん、もしやりにくいんだったら、歌のほうからやってみる?」


相手に優しい言葉を投げかけつつ、したくない方向に誘導するやり方である

まずは周囲の味方をつけてから海未の意見を翻させるのである

これでは、はっきり言えば海未の分が悪いとしかいいようがなくなる


海未「駄目です!」


海未「今日はここのステップをマスターすることが重要ですから。」


元来、海未はあまり人間関係の優劣よりも自己の向上を第一と考えるため、

相手も同じように自分を向上させる方が望ましいと考えてしまう。

それは穂乃果に対する態度を見れば明らかであろう。


つまり好きだからこそ、きちんとしてほしいし

好きだからこそ、自分を向上させてほしい

そう願うキモチが強すぎて言いすぎてしまう嫌いがある。

そして遠慮がない相手ほど強く言えてしまう。

だから自分を伸ばさない人間に対してはどうしても歯がゆい想いをすることも少なくはない。

その今回の件にしても


花陽「ステップの練習じゃないほうがいいのかな……歌のほうがいいのかな……。」


ことりの意見に賛同すればいいのか、海未に賛同すればいいのか迷ってしまう。

花陽は、ことりも海未もどちらの意見も尊重したいだけなのだが……

海未にとれば、ただの逃げにしか映らない


確かに実際にそうなのだが、それをあからさまに言われてしまうと人間とは嫌なものなのだ。


海未「花陽、貴方はステップのテンポがずれています。もう少し練習を。」


などと正論を言うのは間違っていない。

それはダイエットの時にも、誰もが安心してジョギングしたと見送った時も

どこかで飲食をしているのではないかと見抜いた。


海未だけはいい意味で相手を信頼して

いい意味で相手が期待を裏切る予想をできるほど

他者に対して厳しい目を持っている。


だからこそ花陽がどちらがいいか迷い、それに同調する、上っ面の優しさを投げることりにも

いつもどおりの厳しい言葉を投げかけるようになる

が、ここで海未のことだからガミガミいっても仕方ないという空気になるところを

ことりが庇うのだ。


ことり「海未ちゃんちょっといいすぎじゃないかな?」


これは、正直周囲がどう対応すればよくわからなくなってくる

凛にすれば花陽がよくなることを尊重してほしいし

真姫は海未の言うことが最もだとは思うから、ことりの変な甘やかしが目につくし

絵里も同じようなところ

希は、どちらともいえないけれどはっきりとは口に出せないが、ことりがおかしいとは思いつつ

そこまではっきり断言出来るほどではないので様子見

にこは、単純にステップの練習より他の事がしたいし花陽のレベル的にそこまで問題ない

今はステップを第一義的に考える程ではないと考える

穂乃果はみんな仲良くしようよーあはと笑顔を投げかける


いつもなら


ことり「ごめんね穂乃果ちゃん、海未ちゃん。」

海未「私もいいすぎましたすいませんことり、穂乃果」


それで済むところなのだが、、、、ことりが、ほのキチではなくなってきたせいか


ことり「え~でも花陽ちゃんがつらいのは可哀想なのー。」


相手を庇う言動をとるために、なんとも言えない。

その態度を貫けば貫くほど


海未「間違っているのは貴方です!」


このように追及してしまう

悪循環スパイルの始まりである。

そう、海未のいうことは間違っていない。

だが、、

ことりは間違っていることをわかっていて、海未のいうことが気に食わないが為に

海未の意見に賛同しないのである。

これではまともな正論が通用しない。


得てして、仲の良い人間関係にありがちな相手を想いやる行動ではなく

普通の社会の自己主張を推し進めたいが為の、意見誘導や、政治力を発揮した人数作戦に近いうごきが

μ'sの中でも徐々に浸透してくることになる。


ん?問題なのはことりだけだから

大丈夫なのでは?

と思うかもしれないが

そんなことはない。

そう思うのは人間認識が甘い。


そう、ことりがそういう海未に対して

いや周囲には海未に対してとは気付かせないで

海未に対しての主導をことごとく壊す場合

当然、海未のほうにもフラストレーションがたまる。

海未からすれば正論をいってるの私だから当然です!

そして悲しいことに海未が正論を吐いて吐けば吐くほどに、正論の意見を主張しすぎると

若干周囲が引いてしまうのだ。。。


海未「何も私は間違っていません。ですので、今の状態で必要なのは~~」


や、まぁそうだけど海未ちゃん抑えてと

こうなるとまた海未は自己の正当性をアピールする方法をとるために、ややこしい。

つまり海未は周囲を味方にして物事を進めるタイプではないために

正しいことをいってもついてきてくれない場合があることがわからないのだ。


今までは穂乃果やことりが海未の意見を尊重して海未が言うことに間違いはなかったと

相手を思いやれていたからである。

そのような軋みが徐々にμ'sに浸透しだす。

これは、猛毒よりも怖い。

始まりは、ことりの嫉妬というささいな悪魔の感情から

ごく人間関係にある当たり前の感情、

それがなかったからこそ美しいμ'sの面々が輝いて見えた。


さて話を戻そうか、といっても今までの状況は俺が想定しているのと

ほぼ変わらないところだった。

海未はつらそうな顔を時折見せるぐらいで、自分の弱さや辛さをあからさまに見せる人間ではない

そして本当に本当に困った時だけ、相談として打ち明けるタイプ

だから今はまだ自分の力で自己解決が可能と判断している。

最近のスクールアイドルの活動はどうしてるの?何か問題とかない?


海未「……べ、別に順調です。作詞がうまくいってなくて……そのすいません……。」


ふむ予想通りだ

そしてことりだが、こちらも予想通りだ。

最近のスクールアイドルの活動はどうしてるの?何か問題とかない?


ことり「えへ、すっごく楽しいよ~。でも、海未ちゃんはちょっとワガママになっちゃってるみたい。」

ことり「みんなが困ってるのに、一人で練習を押し通したりしてるの。」


想定した状況とほぼ変わらない報告を嬉々として話してくれる。


今のことりは、μ'sという母体や穂乃果や海未といった友人に

心を預ける状態ではなく、俺にその依存心のようなものが相当に芽生えている

また依頼心といったものもか

そして、聞いてもないのに色んな報告をする。

やはり海未に打ち勝ちたいという気持ちと自分の女としての優位性を感じたい欲求が

非常に爆発しているのが見て取れた。

だから俺は人をあまり褒めないが、たまに褒めるから効果的に相手は更に動く。


ことり「え~海未ちゃんより、どんなところがいいって?もう一回言って!?」


ことりは、本当に愛人体質だと思った。


海未は全くの逆だな。

相手との時間を馴れ合いなどには費やさない

ことりは相手との一緒にいる時間そのものが、相手といる一番重要なことなのだ。

これは人によっての価値観の違いだから何がいいとは一概には言えない。

もうその欲求を求めているとしかいいようがない。


海未「はい、何かしらに向かうというのは素晴らしいことですね。それを理解できる方でよかった」


さてμ's内にも徐々にそういった空気が浸透してきたところで次の段階へと進もうか

そう、肝心のターゲット、穂乃果との接触である。


穂乃果「ふ~ん。最近の海未ちゃんさぁ~、ちょっと変わったよね。」


海未と誰かと付き合っているのは穂乃果もうすうすは気づきだしたようだ。

意外にも、ことりは穂乃果に何も言ってなかった

付き合い初めた頃にメイドカフェで海未と俺を見かけたはずだ

もしかすると、その時は海未に口止めでもされたのだろうか。

どちらにしろ、ことりは穂乃果に言わなかったのだ。

ことりではなく最初に穂乃果が見ていたら、悪びれもなくことりに話していたのかもしれない。


海未もことりとμ'sの中で変な感じにはなってはいるものの

それは今までの信頼関係の積み重ねが違う

ちょっとの違和感ぐらいなんてことはない

いつか相手も思い直して考え直してくれる

そう思っていた

思ってた

思った

そう



だからこそ、俺の計画はやりがいあるというものだ


さて、海未と日常会話、μ'sやそのメンバーの穂乃果の話をふっておいた。

相手の人間関係を、簡単に打ち明ける海未ではない。

しかし信頼関係の証として相手のよい部分に関しては話題にするのであった。

穂乃果への信頼や愛情や隠されている尊敬出来る部分。

それを俺には打ち明けててくれていた。


海未「穂乃果は、こんな駄目なところがあるんですけど、ホントはこう思ってやってたんですよ。」


といつも穂乃果を目の前にしてガミガミいう言葉とは真逆。

駄目な理由を褒めている。

本人の前でしてあげたらいいのに……

それが出来ないのが海未なのだ

こういうさりげない相手を想いやる気持ちは、本当に素敵だ

そしてことある毎に穂乃果ちゃんっていいこだよね

そういう同調をしていた


すると褒められたと思って、


海未「穂乃果は実はすごいんですよ!」


胸を張って言い切ることも多かった

何気ない会話の中で、

穂乃果ちゃんと会ってどんな子か見てみたいなぁ

なんてのをちょくちょく会話にも挟んではいた

それを冗談か本気かはわからない程度に


穂乃果ちゃんって自分が性的な目で視られてるってこと気付いてなさそうだよね
要するに心は無邪気だから身体の女の子形成に追いついてないわけ
ドスケベボディのくせに
そんな穂乃果ちゃんにセクハラをしたい
毎日繰り返したい
穂乃果ちゃんの通学路でこれ見よがしにμ'sが特集されてる雑誌読むんだ
穂乃果ちゃんいい子だから最初は「それ私達?嬉しい!」って気さくに話しかけてくれるんだけど僕は毎日読むからね


俺も正直、初めに俺の友人を紹介?した訳ではない

偶然、街で出会って、そのまま話してただけ

海未なら少し引くかなと思った

初めは距離をおいてはいたが

すぐに相手の中身を見る、中身の程度にもよるが、

表面上の外見では拒否を示さなかったことも救いだ

そして一般的なコミュ能力もある友人のことだ

そのまま海未とも知人程度には打ち明けることぐらい造作もない

俺の友人もかわいい子だとは思うけど興味はないよね、と

全てはうまく回っている。


ということで穂乃果との出会いに入らせてもらおうか


穂乃果「おっ!」


といっても全然ロマンチックでもなんでもない

ただの学校帰りに海未と出会う時に、たまたま穂乃果がいたのだ


穂乃果「ど~したの、この人。もしかして海未ちゃんの!!?」


最初は絶対に照れ隠しをしただろう海未も

俺との付き合いに安心しきってもうそれが知られても

穂乃果なら大丈夫と思ったのだろう

一番の友だちなのだから

一番の と も だ ち なのだから


い ち ば ん の と も だ ち な の だ か ら


穂乃果ちゃんがそんな僕を認識してだんだんと嫌悪感を抱くようになって避けるようになった頃
今度は穂乃果ちゃんの家の近くに場所を移動するんだ
今度は股間をモゾモゾしながら読む
そんなことされたら顔を引きつらせるよね
そんな穂乃果ちゃんをチラッと一瞬見つめる
その時穂乃果ちゃんは無邪気な少女から繁殖の対象である雌だということを自覚するんだよね
その表情を写真とかには収めないけど僕はずっと脳内に記憶してやるんだ


この時は普通にただの顔をお互いに見知った程度で

深い会話も何もしなかった

ただμ'sのリーダーやってるんだよねー!頑張ってね!

すごいよね!

μ's見て勇気づけられるよー!

元気貰ってる!

少し元気わけてほしいなぁと言えば


穂乃果「ファイトだよ♪」


これに俺もくいついて、それいいね、ファイトだよと真似してみる

すると向こうもやり返す。

というやりとり


ファイトだよをお気に入り発言をした。

それいいね、その言葉は元気づけられる!

もしかすると穂乃果の頭の中に俺の印象はこのファイトだよ♪

この人が海未ちゃんの彼

ぐらいの認識にはなったのかもしれない

その程度でいいのだ。

ただそのフレーズを俺に使うことで何かしらの印象付けがなされ

また、今後ファイトだよ♪を使う度に俺のことが印象的になってくるだろうとの推測をこめて


穂乃果「ファイトだよ♪」


極めつけに話し掛ける
最初は穂乃果ちゃんの方から話しかけてきたけど今度は僕から話し掛ける
当然嫌がるよね
それは穂乃果ちゃんが自分を妊娠させたい相手と話す初体験になるよね
そして一言「好きだよ」って言う
それからは姿を消す
穂乃果ちゃんは安心する反面いつまた現れるかという不安に近い感情を抱きながら生活する
つまりいつ妊娠させられてしまうかという不安に怯える、もはや少女の面影はどこにもない


二年生組には全員とコンタクトをとれたわけだ。

穂乃果は最終ターゲットにして最高の難攻不落の城だ

ここを攻め落とすために周囲を徐々に落としていく

必要以上はしない

そこまでの限界にチャレンジはしない


あくまで穂乃果の心を壊す作業だ

人の心を壊す

人はどんな時に心が折れ、そして壊れるのか…

折れたことがある人間は沢山いるだろう

だが……壊れたことを味わった経験は……


だからこそ

みたいのかもしれない

美しいモノを


それでも貫けるかどうかを………


さてことりの方はと言えば、


ことり「穂乃果ちゃんとも知り合いになったの?」


とは聞かれたのだが、

まぁいいこだよね

ぐらいで海未程の関心は抱いてないようにする。

メインの穂乃果を、直接の妬みの対象にするわけにはいかないからな

まずは徹底的に穂乃果以外の関係を壊していく

だからことりもμ's内で、ほのキチではなくなったものの

それでも、海未に対しての態度とは違い

まだまだ優しいやりとりもあったのだ。

穂乃果にとってはそれは救いだっただろう


μ'sでいればなんだか空気が悪くなる

だが二人でいたり人数が少ない時は自然と楽しい

だったらμ'sでいる理由は?

穂乃果が、真剣に考え出したら危なかったかもしれないが

それでも他のメンバーのやりとりもまだ楽しいものではあった


ただ時折見せる、嫌な空気が漂っていた

その空気の度に穂乃果はなんとかしなくっちゃ!と思いつつ、

海未ちゃんの正しさを理解しつつ

ことりの見せかけの優しさにも少し気づきつつ、それでも優しさだと思い直し

よい空気になるようふるまっていた。

それでもいつもなら明るい空気になって

気持よく過ごせるのに、何故かわだかまりが残り、スッキリしない

そういや三人で会うこともほとんどなくなっていた

二人であうことは会うけど三人はないなぁ

と寂しさとボヤきがまじったひとりごとも少し増えた


穂乃果「な~んでこーなっちゃったのかなぁ。」


そんな時に優しく励ましくてくれる三年生組

お馬鹿をやれる一年生組は穂乃果にとって救いであった。


絵里「穂乃果は周りを大切にしすぎるのよ、もっとはっきり言ったほうがいいときもあるわ。」

希「んーうちは穂乃果ちゃんがよぉ見てるの知ってるんよ、辛いんやったら、いつでもうちが聞いてあげるよ。」

にこ「あんたね~そんなしょげてちゃ、わしわし係が必要になるんじゃないの、ま、いつでもにこに頼りなさい。」

まき「穂乃果は大切にするものを間違ってるのかもしれないわ。」

花陽「穂乃果ちゃ……いつもありがとうね、私これぐらいしか言えないけど……。」

凛「もー元気だすにゃー、凛と一緒にはしゃぐ穂乃果ちゃんが好きだよ~。」


みんな励ましてくれる、そして彼女たちなりに色々としてくれる


嬉しい………こんなμ'sでよかった。

だから私はこの場所を、この人達を大切にしなくっちゃ!!!


穂乃果が大切にしたいμ'sだからこそ、穂乃果を苦しめる

何故、こんな素敵ないい人達が集まっているのに、こんな変な嫌な空気になるのだろう

こんなこと今までなかったのに

皆が優しければやさしいほど、穂乃果は頑張ろうとし

してはいけない頑張りかたをするのかもしれない

人を大切にしたい。

その気持は本当に大事だ。

でも人が、本当に優しさだけで動いているとは限らないことだってある。


それを、穂乃果は知らなかったのかもしれない。

それを、海未は知らなかったのかもしれない。


それを、μ'sは知らなかったのかもしれない。



それを、ことりは知ってしまったのかもしれない。


分裂のきざしがμ'sメンバー内に見えだした。

やりとりはいつものことりと海未、そして花陽、とそのいつもの揉め方だ

あまりに意味をなさないやりとりに、次第にメンバーも苛立ちを隠せない

今まではいくら練習がきつくても投げ出さず、

理不尽なにっこにっこにーの千回練習ですらやってきたメンバーだ。

あの苦行をも、ものともしなかった真姫がついに一言。


真姫「もー私帰る」


そう、たったその一言だ。


天候の都合などで中止はあったが

練習のキツさやそういった事では

一度も途中で投げ出すことはなかったのにだ

真姫はここにいても、これ以上は何も成長できないと感じる

何度も同じやりとりに嫌気がさしてきたのだろう

真姫なりに仲を取り持とうとはしてきた。

仲のいい二年生組だ。

そうそう私の言うことなんて通るわけがない。

と思いつつは言ってきた。

もうこれ以上は何のためにここにきているのか、目的も目標も見失っている


そして真姫はそのまま帰ってしまった。


絵里「ちょっと真姫。」

凛「待つんだにゃー。」

花陽「マキチャ、イエニカエッチャッタノォォオ。」

にこ「ちょっと待ちなさいよ、あんた。」

穂乃果「待ってよ、真姫ちゃん、まだ練習終わってないよ!ねぇってば!。」

希「真姫ちゃん……。」



問題なのは希ですら、名前を呼ぶので精一杯な状態ということだ。

おそらくμ'sで一番か二番の母性をもつ希。

穂乃果と希は母性の象徴と捉えてもよい

ただ、違うのは、大人の母性と子供の母性とでもいいのか

大人の限界を悟った上で、諦観した母性

子供の限界を知らない、いつまでも他者に慈愛を注ぐ母性


他者が自分を傷つける存在だと知った時に、

それでも人を信じ続ける優しさか

これ以上は自分を守れないと突き放す優しさか

希がどちらで穂乃果がどちらかなんて


穂乃果の魅力を知った人間には簡単な問いだろう


真姫は一度、この状態を自分でも整理したかった

ここにいて何か発言しても全然、場がよくならない

何度も何度も繰り返してきた。

そして問題も、ことりにあると踏んでいる。

だがイマイチ、確信がない。

だから、こんな状態ではいられない

それを行動で示すことで

自分の意思をハッキリさせたかった。


ハッキリと意思を示したかった。


残されたメンバーに変な空気が漂い初めた

絵里もこの場を立て直そうかと思ったが

思った以上に真姫が帰ったというショックは大きかったようだ


絵里「もう、今日は中断しない?今の部分をもう一度考えなおして。」


このまま解散してしまい

嫌な空気しか残らない


三人の仲かがおかしいのはわかってはいたが何だろう?と……


ちなみにこれぐらいから、

三人でお弁当を食べることは完全になくなった

今までは変な空気が漂いながらも、なんとか食べたりもしていた

二人共、穂乃果が好きなことは好きだからだ

ただことりが違ってきただけだ。


そして、穂乃果は他のクラスの友人とも食べてはいたが

二人が一人で食べているのをみたり

海未ちゃんが弓道部のメンバーと一緒にいたり

ことりが一人や他の友人といたりを

なんとなく見ているうちに

二人が本当に仲が離れていったことに

心を痛めだした



そういう姿を見るうちに

自分だけが他のクラスメイトと食べたりする

ごはんがおいしくない

というか、喉に入らなく感じ

一人、屋上で食べることも多くなった


便所飯ではなく屋上飯

しかも、食べる友人はすぐに見つかるのにだ

何故か、あの二人が一人でいる姿を見たくなかった

あの二人の仲の良くない姿も見たくなかった

なんだか次第に一人で食べることが多くなった


人を想いやる穂乃果らしい反応でもあった

自分が何かしてあげたいけれど、

しているけれど何かが違う。

どうしたらいいのかがわからない。

確かに穂乃果と二人だけでいるときは、まだ仲がいい

けど、三人だとどうしても変なわざとらしく、仲良くしなければいけない空気が醸して

非常に辛い。

仲がよかったからこその悩みなのかもしれなかった。


それ以降も、練習はするものの

なんだか、途中解散のようなカタチも少なくなくなってきた

真姫がμ'sでの活動に見切りをつけだしたのかもしれない


にこ「あんたねーもうちょっと、少しは頑張りなさいよー。」

真姫「にこちゃんに言われたくない。」

にこ「あんですってー、にこはここでキッチリとやってるじゃない。」

真姫「私は曲作ったりしてます、にこちゃんが何か作ってるの?。」

にこ「ぐぬぬ……ふ、ふーん、にこはぁキャラを作って……。」

真姫「私、帰る。」


身も蓋もないやりとりが笑えなくなってくる

真姫は

その日のμ'sの状態次第、

これ以上、ここにいても仕方ないと思うと

さっさと帰ることが多くなった。




屋上、想いの詰まった屋上

風通しのいい場所

何かあっても全てを吹き飛ばしてくれていた

空気が淀むこともなく

暗い校舎を駆け抜けて、扉を開ける、光

開けた瞬間にいつも可能性を感じた

今は屋上がだだ広く

寒々しい場所だったのだと、今更ながらに気付かされる


絵里も、真姫がいないμ'sでは曲の進展もない。

変な空気で、わざわざ仲良くなるためだけに

そういう言葉を投げかけ続けてきた。

しかし限界があり、さすがに嫌気がさす


穂乃果が一人、突っ走って周りが見えなくなった状況に近くなっていく。

μ'sとして、にこと花陽はアイドルとしての憧れ

それへの拘りがある。

アイドル活動がμ'sのつながりだけに終わらない部分も多い。

だが、他は違う。




凛はスポーツをやろうと思えば結果も出せるだろう

真姫は音楽や勉強、多芸多才である

絵里はバレエを通しての素養やモデル顔負けのスタイル。真面目で几帳面さも兼ね備える。

希は何をやっても最後まで勝ちそうな能力


そういった別の特殊な能力をもった人間が

μ'sとしてアイドルとしての道を歩んでいただけで、

そこに戻らない選択肢も多々ある。


二年生組は能力で言えば彼女たちよりかは平均的かもしれないが

μ'sとしての絆を不可欠にしていた

そこが壊れると、人への想いやりや優しさ、が

全く発揮されなくなり、穂乃果の魅力も半減してしまう。

穂乃果という存在は、人が多ければ多いほど、

その相手の為に力を発揮できる。

普通の能力とは違う持ち主だ。

だからこそ人を惹きつける何かがあった。


そして実際に惹きつけてきた


その魅力もそれを支える何かが、おかしくなってきていた。

海未も元気を出すのですよと、遊びにと気分転換に誘うことも多くなった

穂乃果らしいのは、それでも知らない人にはそういう素振りを見せない

本当に明るいいい子ほど自分が辛いところは見せない

だから悩みがないように見える

でも本当は全く逆だ。

その悩みにうちかつ強さをもってきたからこそ

辛い姿は見せないのだ。

でも、それに気付くことができたら?

そんな人間は滅多にいない。

相手の少しの表情や言葉で相手の本当の辛さをなんて…

わかってあげられることのできる人間なんて本当にいない。

でもそういう人間が優しさを投げかけたら?


そう俺はそういった事にも敏感ではあるし

ことりからもμ'sそのものがなにやらアヤシイ雲行きだとは聞いていた。

と言っても、それはことりの海未に対しての嫉妬が原因でもあるのだが。

ことりは悪びれもせずに、


ことり「だって海未ちゃんがことりに変なこと言うんだもん。」


もう、そういう認識に変わってきたのかもしれない。

仲の良い女の子どうしが急に揉める時がある

特に思春期に近い時ほどそれがおこる


異性のことなんて興味ないよ

お互いがそういう距離感で、

私達同姓AとBだけでいるのが楽しいもんね!

そう言いつつも気になる子がいる。

そういう状態……

さらに、

その気になる子CがAとBも一緒……

さらにさらに、気になる子Cがそのうちの一人Aを好きの場合、、、

はっきり言おう、そのままの関係が続く場合もあるけれど


結構壊れる原因にもなる


Bの私も好きだったけど

相手Aにおめでとう!と素直に喜べる場合と


なんで私Bのほうが。。。

少しでも自己顕示欲や優位欲求が働いてしまうと

その心は思春期には醜いカタチとして爆発する。


わかりやすい男性的なイジメではないが

女性的な距離感を描いたイジメにつながりやすい。


そういった仲のよかった人同士が離れたのを見た経験はないだろうか?

あれは、その仲のよさを知っている分だけ辛いものでもあるが

同性同士の異性間の問題だけに異性が解決できる問題ではない

逆にその仲のよい事情を知れば知るほどに

立ち入り方が難しくも感じてしまう


だが、事情を知らないけれど色々とわかってくれそうな

相談に乗って貰えそうな異性には相談をしやすくもある


またいつものように海未と一緒の時に穂乃果が一緒にいた

海未からすれば穂乃果に元気になってほしい

それが第一にある。


でも、その元気の源のμ'sにいればいるほどに

その元気がしぼんでいきそうになるのもわかっていた。

だから、そういう所から離れた場所や人を選んでの

選択なのかもしれなかった


穂乃果は俺に会えば最初にファイトだよ♪としてくれる

普通の人から見たら今日も元気いっぱいでいいなぁと

思えるだけだろう



だが俺は聞いてもいたし、実際の表情の翳りを見逃さない

だいぶ目の輝きを失っていることに気付いた

それでも、これは普通の人からすれば充分な輝きだ

穂乃果らしい眩しすぎる輝きを失っていると

そんな感じだ


ファーストフード店で普通におしゃべりをしていたが

時折、空を見つめ会話に集中していない姿も見て取れた。

人を大切にその場を大切にする穂乃果らしくない行動だ。

それだけ会話の途中にも頭のなかで考えることが多くなっている証拠だろう

その隙に

あれ穂乃果ちゃんこころここにあらずって感じだよ

好きな人ができたの?

みたいなマト外れなことをいって場を和ませる


でも穂乃果からすれば、悩みをもっている事を悟られたと気付いたのかもしれない


穂乃果「あはは!穂乃果はみんなとわいわいやってるときが一番楽しいよ!」

穂乃果「海未ちゃんこんな彼氏いてちょっとずるいー。」


海未「な、なんですか!穂乃果!急になにも私はずるくありませんよ!


といつものやりとりに戻る

そして自分は何も悩んでもないし、傷ついてもいないアピールをする穂乃果



本当にいいこだ


海未がお手洗いに行っている間に

ふっと聞いてみた

勿論、ふっとでもなんでもなく狙ってのことではあるが

穂乃果ちゃん本当は結構色々悩み抱えてるんじゃないの?

いつもみたいに元気ってのが感じられないよ

なんかそういう穂乃果ちゃん見るとつらいなぁ


穂乃果「え!?そ、そんなことないよ!や、やだなぁ!もーなに言ってるの?」

穂乃果「穂乃果はいつでも元気いっぱいだよ!」


でもさ、今日はポテト全然食べてないよ?

本当は海未ちゃんとかにも打ち明けにくい悩みがあるんじゃないの?

もしよかったら聞くよ。

俺でよかったらだけどさ。

ま、たいしたことは何もできないけどね。

人に話すだけで気持ちが軽くなるときもあるしさ、ね、


穂乃果「う、うん……。」


しばし沈黙したところで海未が戻ってきた


このまま海未といつものように二人になり

結局穂乃果とは何も話さなかった

が、これでいいのだ

いつでも話は聞くよと、

また悩みがあるのを読み取った人間だ


そういう全く違う居場所からの人間が突然だした救い船だ


意外に人は楽にもなれるし

そして安心感をえられることもあるのだ

だから、まだ穂乃果自身がこの悩みの状態を気付いてくれる相手がいて

もしかしたら相談できるかもしれないと

それを穂乃果自身が気付けばいいだけだ

俺はそんなに焦らない

だが今の状態では充分すぎるぐらい充分だろう


穂乃果ちゃんは一番のともだちだよ!

ずっと側にいた友達だよ!

そんなの当たり前だよ!


この二人に相談が出来ない

何故なら、この二人が原因でもあるからだ

ことりに話せば、海未ちゃんのことについてだし

あまりいい言葉は出てこないだろう

海未に話しても、ことりのこの部分はいけないと思いますと正論をぶちかます

相談できる相手が一気に二人共いなくなった


そして、それをわかって貰えて素直に相談できる相手が難しい

本来ならば、のぞえりにこ、この三人の三年生は非常に頼りになる

全く違う生き方をして

それでいながら我が道をいく格好とした生き方を貫いている。

また孤独にも強い。

穂乃果は考えたら孤独には強くないのかもしれなかった

というかそんなことを考えたこともなかった


気付いた時にはことりちゃんと遊んでいたし、海未ちゃんともすぐに仲良くなった

どんな時も二人が側にいたし二人がいない時でも

すぐにどんな子でも仲良くなれた

人と仲良くなるのは得意だったし

それにちょっと揉めたりケンカするのもなれて

仲直りの仕方もわかっていた

相談するときは、どっちか片方にして仲良くなったことだってある

だから人の輪のなかにいることが当然だった穂乃果には

一人でいることがよくわからなった。


逆に言えば穂乃果は一人でも充分にやっていける強さはある。

別に二人に頼らなくても、新しい場所ですぐに馴染んで友人を作る能力もある

むしろそういった絆をつくる能力はμ'sメンバーの中でも


桁違いに能力が高い。


天性の魅力とでも言えばいいのか、穂乃果らしい最高に恵まれた能力だ

だからきついのかもしれない。

彼女がしたいのは、新しい場所を見つけたいことではないのだから


穂乃果がしたいのは今の場所をよりよくしたい

μ'sが前のように楽しいやりとりをできる

相手を思いやれるグループに戻りたい

それだけだった

それを考えて動いてはきたものの、どうしてもうまくいかない

でも、やっぱりこの場所を今までの二人を今までのμ'sを大切にしたい!

それを考えれば考えるほど

相談できる相手がいなくなる


絵里「穂乃果、μ'sも大事だけど貴方自身のことも考えなさいよ。」

絵里「今のままじゃ何のために誰のために何をしているのかわからないわ、人のことも大事だけど自分のこともね。」


にこ「あんたねー、にこはどれだけ孤独に耐えて一人でやってきたと思ってんのよ。」

にこ「別に一人だってやれることはあるんじゃない?」

にこ「あんた達、仲がいいのも大切だけど、もう一度何が大事か考えなさいよ。」


希「穂乃果ちゃん、うちはμ'sが大事なんよ、みんな好き、すごく大切にしたい気持ちはあるんよ。」

希「けどね、大切なものを間違って大切にしすぎたら壊れることもあるんよ。うちも楽しくしたいけどな。」

希「ほんまに、何でこうなってしもたんやろなぁ、でも、うちができることやったら何でもするからね穂乃果ちゃん。」


わかってる

こういって助けてくれるしμ'sだけじゃなく穂乃果個人として大切なものを見失いかけてることもいってくれてる

わかってる


そうなのだ穂乃果も、大切なものを間違って大切にしているような気がする

けど、こういった状況になったことのない穂乃果にとっては

未知の状況だった

いっそ転校でもして別天地に最初からスタートできるなら

穂乃果にとっては楽だったろう

人の想いを大切にして生きてきたからここまで行動できた

人の想いを大切にして生きてきたからここまで人が集まった

はっきり言えば穂乃果のやっていることは間違いじゃない

でも周りが間違っている


有り体にいえば、ことりが間違っている


本当に単純で、女の嫉妬による海未への陰険で巧妙な嫌がらせ

けどわからないよ、そんなのわからないよ

何故そういうことをするのか

たまたま?

そんなことしても誰も幸せになれないんだよ?

そうやって誰かが傷付くぐらいなら自分が傷ついた方がマシだ


穂乃果の想いやりは、大切にするところを履き違え始めたのかもしれない

けど誰にもそれを言えない。

今まで穂乃果のやってきたことは人からは

外れたように見えても結果、いつも結果正しかったからだ

穂乃果も今回は間違ってはいない

そう間違ってはいないなのだ

間違いなのはヒトが持つ欲求、

優位者による欲求

皮質欲求

他者に自己を誇示したい欲求

自己顕示欲、

見下し


それらヒトにしかない欲求が争いを複雑化させる根源的なもの


ただ相手を想いやるという形をどこかで、それに利用される

ただ相手に優しさをふるまう形をどこかで、それに支配される


それがなかったからこそμ'sはμ'sと出会う人達はみな美しい

いわゆる敵というA-RISEでさえも相手の健闘を讃える素敵な人達ばかりだ

穂乃果は間違ってはいない

間違いは、ことりのもった感情から発した行動だ


穂乃果も原因の大本はことりが海未にする阻害行為だと

朧げながらわかっていた

ただ何故そうするのかがわからなかった?

原因は?

穂乃果はまっすぐな力を持ち自分のありのままを認めることができる

素敵なヒトに憧れ、こうなりたいなぁと素直に思える


だから穂乃果は嫉妬をすることがなかった

だから穂乃果は嫉妬の感情の強さと、

その醜いまでの強さを知らなかった


知る必要がなかった


だからわからなかった


みんな、それぞれいいところがあっていいはずなのに

文武両道に優れなおかつ自己向上する海未

色んな面で平均より少し上でファッションセンスや独特の個性を持つことり

平均的だけど、なぜかわからないけどとびきりの魅力のある穂乃果


だからお互いが、何かを違う部分をもち、何かを勝てない部分はあるのは当然のことなのに……

だからことりが原因だとしても、何と言えば、どうすればいいのかもわからなかった


解決策がわからかった


さてことりはというと、ことりは前にもいったが

相手と一緒にいる時間が何よりも大事な女の子だ

そばにいる時間そのもの、そばにいる相手そのもの

それが一番大事な子だ

だからその対象である俺との時間を過ごせれば過ごせる程に

楽しくもあり、その俺の時間を阻害する相手の海未にあまりいい感情を

持たないのも普通になっていた


ことり「もしかするとμ's解散しちゃうかもしれないの、えへ。」


悪びれもせずに笑うことりが、俺との時間を大切にする女の子のように可愛くも思え

同時に、相手を純粋なだけで支えていた少女の頃のことりではなく

女としてのしたたかさと醜さを抱え持つようになったのが垣間見える

もうことりにとってμ'sよりも、好きなヒトといる時間そのものが、何よりも大事になってしまった

正直、ことりは可愛い、外見や服装もそうだし、相手といる為に何が何でも

何かを犠牲にしても、何かを求める姿も、


でもμ'sの美しさを持ったことりは、いなくなったのかもしれない


海未の方はと言うと、俺と海未と穂乃果の三人で遊ぶことが多くなった

海未も穂乃果が俺といると安らぎ気分転換になって楽しそうにしているのと思ったからだ

実際、三人でいるのは楽しかった。


この二人は元々三人で(穂乃果ことり海未)で遊ぶそういうやりとりが好きだったせいか

俺が男だとしても三人でいることに違和感がなくなってきたといえばいいのかもしれない

そして、やっぱり穂乃果は俺に会えばまず最初に


穂乃果「ファイトだよ♪」


としてくれるし俺もやり返す。

そういったファイトだよが欠かせないものにもなっていた

あれはする方もされる方も何かしら元気のでる魔法みたいな言葉と動作だ

そういうことが、当たり前の日常に加わっていた


はしゃぎすぎて笑っていたのだが

笑いすぎて、急に穂乃果が涙ぐんでしまったのだ


穂乃果「あ~も~なんでなんだろうね、あれ泣いちゃったあれ?あれ?あはははは。」

海未「急にどうしたのです穂乃果!楽しくておかしくなっちゃったのですか。」

穂乃果「うん、こういうことが当たり前だったのにな、って思ったら、なんだか涙がでちゃったみたい。」

穂乃果「ごめんねー、こんなつもり全然なかったんだけど、穂乃果自分でもビックリだよ!。」

海未「もー泣いてるのか驚いているのかどっちかにしてください、穂乃果らしいですね。」


そうやって微笑む姿を見る海未の姿はとても微笑ましい

一番のともだちにふさわしい微笑だ


そうやって過ごしてると、海未に弓道部から電話が


 「あれ海未ちゃん!。ちょっとごめん、このところ(弓道部の予算や整理等)でさ聞きたいことがあるんだけど

 「ちょっと学校戻って説明してくれない?。」

海未「え?今は、三人でいるので…後日ではいけませんか?。」

 「んー?急いでるんだけど、じゃとりあえず明日来てね。」

海未「はい。とは言ったものの、、、。」

穂乃果「ん?別にいってあげても私は構わないよ。」


俺も別に構わないよ


海未「そ、それはそうですが……。」


俺はここで海未に学校に戻らせてもよかったが

その後押しはせずにむしろ海未といたいアピールを逆にしてみた

まぁ海未も俺といたいんだろ笑

と軽口を叩いて、


海未「ファッ学校に戻ります。」


いやいや、といいつつ今日は普通に三人で過ごした


どうやら弓道部での予算や人間関係のゴタゴタがあったもようだ。

こういうことは早めに片付けたほうが無難と言えば無難だ。

次の日は弓道部にいったもよう

色々と事情が込み入りだした模様だ。

どこでも、もめた時は早めに処理しといた方がよい

こじれるとこじれただけ下手にとった行動が、後の災いの種にもなりかねない


そしていつも通り三人で会おうとしてたんだが、またその瞬間に連絡がかかってきた


海未「学校に戻ります」

海未「すいませんが、また部活のトラブルです……ちょっと私が行けばなんとか……」

海未「なんとか収まるでしょうから申し訳ありませんが今日は二人で過ごしてください。」

穂乃果「ありゃータイミング悪かったねー、海未ちゃんがいるとすぐに解決するよ!」

穂乃果「終わったらすぐにでも電話してきてね!待ってるよ!。」

海未「ううーありがと穂乃果!では、行ってまいります。」

穂乃果「いっちゃったねー。」


海未の部活はなにか揉めてるの?


穂乃果「うんー何だかね、レギュラーになるかどうかの試合に出るメンバーを

     決定してるんだけど、その結果と今までの成績で、出るメンバーが違うんじゃないかって

     揉めてるみたいなんだよ、、本来なら試合に出るメンバーは

     すんなり決まると思うんだけど……

     ほかにも部活の予算案についても何が必要かで検討中だとか。」


こじれた人間同士

それで弓道や仕切りのうまい海未がその判定に呼ばれざるを得ないってことか


なるほど、それは俺も知らなかった


さすがは海未だ。

秘密主義というか、自分のことは自分で解決するというか

だから穂乃果のことも、今まで黙っておいて、解決策の一つとして

俺と一緒にいる選択を選んでるんだな。。。

海未はいい女だなと思った。

いや、女というよりも人間的な良さ、出来た人間だなといった感じだろうか


やだねー揉めるのは、なんでこういうことになっちゃうんだろうね


穂乃果の顔色を伺いながらつぶやいてみた


穂乃果「あは、あははは、そうだよね、そうだよねー。そう。そう…だよね…。」


これは思いっきり堪えてる。

今のは俺が言ったのは弓道部のことだが、

おそらく穂乃果にとっては、μ'sの自分のことのように聞こえたのだろう


傍から見れば解決策を提示できたりするけどさ当事者にとっちゃしんどいよね

こういうのは、冷静に判断できても感情的に動けなかったりするもんね

穂乃果「う、うん……。」

本人同士が解決できればそれでいいんだけどね、そう出来ない場合もあるし難しいよね

穂乃果「………。」

時間が解決する場合もあるし、そのまま流れていっちゃうこともあるしねぇ

穂乃果「……………。」

大事なものが壊れちゃうのは刹那いよね……

穂乃果「………………………。」

って聞いてる穂乃果ちゃん!!?とわざとビックリしたような声で聞いてみる


穂乃果「わ、ゎわあwごめんーごめんねー聞いてたけど穂乃果には心当たりが多すぎて……。」

俺も…………………

穂乃果「…………。」

…………

穂乃果「……………。」

なーんで俺ら二人が親密な悩みを抱えたカップルみたいになってるんだよwww

穂乃果ちゃんファイトだよ♪

ファイトだよ♪ファイトだ~よん♪(バカ殿アイーン口調)

穂乃果「ぷっwwwwあはっwwwそうだよねwwwそうだよねwwwなんでwww。」


こんな下らない冗談でも辛い時には優しさと感じる。

そして想いを吐露してしまう。

吐露した甘露が雫を垂らし

草を生やして、空気を光合成させる。

場が悪くなったとしても、それは草木が天候の変化を示唆したから

そう信じたい


穂乃果「ごめんねー穂乃果もなんかさぁ、今まで仲良かったこととか当たり前だったことが、色々おかしくなっちゃってさー。」


穂乃果ちゃんは元気がとりえだよ。

ファイトだよ♪といつものやりとりをしばし続ける

とここで穂乃果もココロが軽くなったのか、μ'sのこととかを語りだした


穂乃果「ホントは誰かに聞いてほしかったんだけど誰にもいえなくてさー。」


穂乃果らしい芯の強さを見せてもらった気がする。

そして語りだした今までのことを……


僕はヒトを信じたい
うつくしく壊れるものヲ見テミタイ
穢してはいけないモノの光ヲ失わせた至高ノ背徳
いまだけは體がコワレルさまよりも


穂乃果は話せる相手がいると思うと、少し気が軽くなったのか

ありがとね!ファイトだよね私♪と本当に色々とおしゃべりをした


穂乃果「やっぱり私はμ'sを大切にしたい、二人を大切にしたい、ことりちゃんを海未ちゃんを!」


その気持ちの大切さ、それを今まで伝えたかったけど伝える相手もいなくて

伝えたとしても理解してくれそうもなくて……

でもそれを分かってもらえそうな相手ができた!

これは穂乃果にとってこころがゆるく暖かくなる以外なにものでもなかった

ほっこりできた



それは穂乃果になにより大事なものだっただろう



それは服がよく知っている



それは本当に素敵な言葉だ


ふふふこころだけのさまをみつめていたい


っと本当に心が明るくなったようで、オーラがあるように

ルン♪とする穂乃果のようにわかりやすい子は目に輝きがでる

人を惹きつける圧倒的なカリスマが戻った感じがする

それは人を威圧するタイプのそれではなく

何故かそこにいてほしいと人が願うカタチのそれだ

そこにいるだけで周りが幸せになれる

笑顔になれる

そういったカリスマ性だ


俺もここまで心を自然に暖かくしてくれる存在がここにいてくれることに心から喜んだ

人の幸せを願う存在。

その人に触れるだけで幸せになれる気がする


だからこそ俺は穂乃果を選んだ。


人を限りなく愛せる人間の絶望を


それにどう抗うのかをみせてくれと


穂乃果は安心しきって話せる感覚

少し前のμ'sメンバーの楽しいやりとりを懐かしんでいた。

部活に戻った海未からの連絡があり、すぐ来るとのこと

その時そのまま、穂乃果は携帯を触りながら

もしよかったら、また相談のってもらえますか?的なことを尋ねてきた

こういった話をできる相手が、やっと見つかった安堵を逃したくなかったのだろう

いいよ。

じゃどうすれば?


穂乃果「んー。」


と更に電話をさすりながら

穂乃果はアド交換したい様子。

ここまで、してるなら、

同じように携帯をだしさすってみる。

目があって笑い合う

まだ言い出しにくい様子だったので

よかったらいつでも連絡してくれたらいいよと

アドレスを教えておいた。


穂乃果も教えてくれたことにホッとしたようで、、、安心しきっていた。


穂乃果「でも穂乃果は、恥ずかしいから海未ちゃんに内緒で!!。」


やってはいけないやりかたを、してしまったのかもしれない

そう、どうせアドレスを聞くのなら、海未の前ですればよかったのだ

おそらく穂乃果は海未にμ'sの事を相談に乗ってもらうのが、恥ずかしかったのもあるだろうし

それを聞かれたくなかったというのもあるのだろう

ただ、それは、海未の性格を考えたら、

やるべき行為でなかったのかもしれない


内緒や秘密は時として心の枷となる。


いや、してもいい。

繰り返すが、

海未の前で教えてもらう行為をすればよかったのだ

たったそれぐらいのことだが


たったそれぐらいのことだけで失うこともある


アド交換した相手が異性だと、こういう場合、

異性から、どういうタイミングでどういうことを言おうかなと少しは考えながら

躊躇したり相手との関係性に配慮するものだが、

あまり何も考えないうちから穂乃果から



今日はありがと!またファイトだすよ!

とだけ短いやりとり、俺も

ファイトだよ~ん

とだけ短く、すると

しむら、しむら



穂乃果の深刻な悩みとは裏腹に、

笑いの王道が好きな穂乃果らしい簡単なやりとりが続いた。


穂乃果はこんなやりとりでさえ、心のやりとりに飢えていたのと同時に

こういうやりとりこそが穂乃果の根源的な心の支え

強さにつながっているのだろう

そう思わせる力強さがある

内容は単純だが、女の子と知り合ったばかりの頃

どういう文字のやりとりがくるのか

それが、わからない場合は新鮮でドキドキするものだ

穂乃果の場合は短文だが即返信がくる。

そして回数も多い。

そういうタイプのようだ。

もしかすると、コミュの相手が俺だけに集中しているからかもしれない。

穂乃果には言ってすまないが、モノグサなイメージがあったからだ

どちらにしろ、この返信を楽しませてもらう


人とつながりたい。

相手のことをもっと知りたい。

といった純粋欲求に近いかもしれない。

そういったやりとりの時は、穂乃果は自分の悩みのことよりも

むしろ俺とのやりとりのみを楽しんでいた。

それが何よりも自分の原動力になると、知ってか知らずかの無意識の行動だったのか

ここでしばしこのような状態が続くことになる


少しずつ変わっていったのは、俺と穂乃果の関係の距離。

心の信頼関係のようなものが出来てきたことだ


それ以外のμ'sで海未もことりも変わらず

徐々に嫌な空気が蔓延していた

穂乃果も個人的に海未とことりと二人きりでいるときには

なんとか普通の会話にしようとするが

それでもぎこちなさの方が上回ってしまう時も少なくはなかった


放課後の練習も、九人全員が集まらないことも珍しくなくなった

各自、できることやダンスの確認作業が終われば即座にいなくなるのも珍しくない

魅力的な仲間と能力を持った集団だけに学ぶことも多いが

一旦、自己主張が目につきだすと纏めるのは非常に難しくもある


海未とにこと花陽は真面目に来ているが

真姫、絵里、ことりがいないことも多く

凛、希は様子を伺いながら来ている感じだ。

また海未も弓道のことでいないときも多くなった。

曲やダンスや服装など前向きな話ができない。


にこと花陽がアイドルについて語ることや戦略を練ることはある。

しかし彼女たちは、それらを作る方の裏方の才能には恵まれていない。

作詞の海未だけだ。


来ていないメンバーの凛は、陸上部の勧誘を受け上々の評価を得ている。

真姫は前と同じような立ち位置に戻っていたが、そこに悲壮感は全くない。

絵里と希は勉強に力を、また自己向上を別の形で。

楽しい場が空回りする場、想いやりの場がギスギスする場へ


何事もそうだが、前向きに取り組んで、このメンバーなら

どんなことも楽しめる、乗り越えられるという時期と

停滞感から、この場にいると自分まで駄目になってしまう

という共通の空気があり、μ'sが今明らかに後者になりつつあった。

いや、もうなっていたのかもしれない。

別のメンバーを?

いや、もうμ'sはこの九人しか考えられない。

それは応援してくれる人達も

自分たち自身もそう思っていた。

かけがえのないメンバーだったからだ。

何事もやり始めた時、そしてメンバーが集まりだした時というものはキラキラと新鮮な輝きを

放っているもの。


……が、それが爛れていく空気を知るには、まだみんな若かったのかもしれない。。。


ことり「えーことりもまた服飾の勉強に力を入れてるんだけど、やっぱり留学したほうがいいかなぁ。」


もうμ'sそっちのけで、嬉しそうに話すことりがいた。

ことりは女としては、かわいいしセンスもいい。

控えめなところもあるが、いざ甘えだすと甘え方が非常にうまい。

自分の立ち位置で、一番居心地のいい場所を知っているからだろう。

ことりがビッチと思われる所以もここらへんにあるのかも。

庇護欲をかきたて甘えるのがうまく、隠し事も多い。


そして、依存対象者には度を超えて甘える。


ことり「おねがぁい!」


ここをビッチを否定語として捉える向きもあるだろうが、俺は肯定的に男が好き、男好みの女と認識する。

そしてその認識の仕方は、女好きの男からすれば悪いことではない。

ただ、そこを受け入れられないタイプの男がいるだけだ。

女としては非常にかわいい。

男として女に甘えられるのは頼られているのと同義だから

それが好きな男にはたまらないだろう。


また、時折見せる恍惚とした表情が、女の顔のそれだからだ。

海で水鉄砲噴射した時のあれなど、まさにその典型だろう


ことり「うふ」


もう、ことりはμ'sに表立って、そこにいる理由がほとんどなくなってきた。

その時間を服飾と俺に使っている。

海未との比較をあまりしなくもなってきた。

もしかすると完全に上位にたったと、女の直感がささやいていたのかもしれない。


海未は自分のする立ち位置は間違っていないし、それを訂正もできない。

メンバーが各々で充実したものを見つけ向上できるのなら、

それでいいのかもしれないと思っている。

弓道部をかけもちする海未らしい考えだ。

そして海未と会う時は穂乃果とセットになることも珍しくはない。

バラバラになるメンバーと、それをつなぎとめる術がわからなくなった穂乃果。

内心を打ち明けられない穂乃果。


この状態になり、俺はことりや海未の進展にかける時間を穂乃果に費やすことにしだした。


海未が部活、ことりは服飾、μ'sの練習にならず解散。

その流れになったときに

穂乃果から


穂乃果「あーまた今日も練習なくなっちゃったよ~あーひまだよー。」


連絡がいつものように入った

よかったら会って話してみる?と珍しく誘いの返信をしてみた。


穂乃果「えっホント?今からでもいいの?」


とのやりとりで二人で逢うことになった。

海未と三人でいて流れで二人だけになることはあった。

けれど二人で会う、二人だけの為に会う時間というのは初めてだった。


穂乃果は意識するのだろうか?

ただ寂しさからだけだろうか?

見極めながら会話を。

っとアキバで待ち合わせ場所にいると、ドンと後ろから突かれた。

ん?っと思って振り返ると


穂乃果「えっへー待った?ごめんね、ちょっと遅れちゃったかな。」

穂乃果「ちょっとこういうの憧れてたんだよ。悪くないよね。」


やんちゃな悪戯でいつも通りには見えた。

アメ横で適当なものを買い食いしながらつまみつつ

公園でゆっくり話してみることにした。


穂乃果「いっぱい話したかったつもりなんだけど、いざ会っちゃうと別に話したいことがなくなっちゃうね。」

……。

穂乃果「なんだろうね、全然状況よくなってませーん。うーん、穂乃果まちがったことしたかなぁ。」

……。

穂乃果「んー、あーでもお弁当が最近1人で食べることが多くなっちゃったぁ。」

……。

穂乃果「なんかあの二人が1人でいるの見ちゃうとご飯が喉に詰まるっていうかさー。」

……。

穂乃果「んー、えへへ。なんだあんまり説明になってないねー。」

……


穂乃果「でもずっとー聞いて欲しかったんだよ!!穂乃果ファイトだよ!!って!!。」

ほのかふぁいとだよ

穂乃果「もーなにその棒読み!!ファイトだよ♪はこう!ハイ!。」

ほのかふぁいとだよ

穂乃果「もー!!!本当に元気が欲しくなっちゃうじゃない……寒いよぉ。」

穂乃~果。ふぁいといっぱつだよとドリンクを渡し。

希望のパワーたっぷり注入

プスッ

気が抜けた炭酸ではなく、蒼の伝説めいた青と白が印象的なスポーツドリンク

寒いのにホットではなく、わざとアイスを渡す

どう反応するのか試してみる。


穂乃果「頂くね!あーありがと、喉が乾いてた気分だったの!えへ、少し元気でたよ。」


嫌だって拒否するのが普通なのに拒否するのが怖くなっているのかもしれない。

気遣いが痛々しい。

寒いのになんでアイスなんだよぉ!とツッコまれることも想定していた。

少し震えかけているのに、感謝を忘れない穂乃果

自分を傷つける優しさかもしれないのに、受け取ってしまう弱さが見え隠れする。


お嫁さんにするなら?


海未は?

もし俺が順調に過ごせるなら、良きパートナーにはなってくれるだろう。

そしてお互いを切磋琢磨しあいながら、お互いを尊敬し向上する日々が見える。


ことりは?

こちらも俺が順調に過ごせるなら、甘えながら自分のやりたいことをするだろうし。

趣味の範囲で服飾を遊びながらも、どこかに需要ができ仕事に成立するのかもしれない。



けどおそらく二人共、俺が順調だったらの前提が入る。

俺が崩れ出したら、海未は口うるさくいうだろうし

ことりもそっと離れる予感がする。


穂乃果は?


なんだかんだいってこちらを盛り立てて、自分も頑張ろうと盛り上げてくれるだろう。

彼女はそういう説得力がある。

崩れたとしても支えてくれる。

見守ってくれる。

暖かさ。





穂乃果「楽しく頑張りたいだけなのになーやるったらやるんだぁーーーってさ、してきたのにさ。」


穂乃果は気持ちや考えを言葉にするのは苦手だ。

けど行動はいつもそれに現れる。


穂乃果「もう、なんかさ疲れちゃったな。。。」


穂乃果に質問をしてみた

これが穂乃果にさせる最初で最後の選択だ


「穂乃果ちゃんはさ、

自分が大切なモノを守る為に、大切なモノを大事にする為に、自分が壊れていくのと

自分が輝く為に、自分が大切にしてきたものを失うのとではどちらを選ぶ?」



穂乃果「ええー何それ??ぅぅ難しいなぁ、どっちもじゃ駄目なんだよねぇ。」



「うん。大事な質問だよ。」


「例えて言うなら、μ'sのみんなを守る為に穂乃果ちゃんが壊れるのと、穂乃果ちゃんが輝く為にμ'sを失うなら、どっち?」




もう一度心のなかで確認する
これが穂乃果に与える


最初で最後の質問

――――最初で最後の選択だ


穂乃果「むむむむむむ………難しいなーーー。」

穂乃果「あっでもね!やっぱりねみんなを失うのはやだなー。」

穂乃果「ほら、それに穂乃果なら、壊れそうになっても大丈夫じゃない?。」

穂乃果「多分、穂乃果なら壊れないと思うんだ、腕相撲も強いし!!


穂乃果「だから今はμ'sを選ぶかなぁ。」


穂乃果ちゃんは本当にそれでいいの?その確認にも笑顔で応えた。

この子は本当に素敵な女の子だ。

人のために、自己犠牲をできる人間なのだ。

そして、そういう強さを持つ人間ほど、

あらゆる辛さに強いが

負荷限界を超えた時……



穂乃果「もうねー何言わせるの!!」



しどろもどろになっているとき、

ふいに

君は素敵だね

すっと瞳をあわせるようにして、唇が軽くふれるようにキスをした。


穂乃果「ぇっ……ちょ……。」


戸惑いはあるが嫌悪ではない、

呆然としている、っと我にかえり


穂乃果「ちょ!!駄目だよーー海未ちゃんに悪いし!!」

穂乃果「ってもーーー穂乃果の初めてのキスだったんだよ!!。」


そういうところまでバラすかわいい穂乃果だ。

本当に愛おしいと思ってしまった。

いやずっと思っていたが、それが抑えきれなくなった

海未ちゃんに悪くなかったらいいの?

顔を近づけて聞いてみる。

嫌がらず恥ずかしがる。


穂乃果「あ、あたりまえでしょ。海未ちゃんは一番のともだちなんだし、そのともだちの、、、か、か れ しなんだしーー。」


じゃ海未ちゃんの彼氏じゃなかったらいいの?

もっと詰めて聞いてみる。。。


穂乃果「…………。ずるい。。。……………。」


もう一度、顔をギリギリの距離まで近づけて瞳を見つめる。

恥ずかしがりながらも拒否はない様子

もう一度キスしかけようとして、その手前で、顔の動きを止めてみる。

穂乃果は逃げもせず、もうこの次の行為はわかっているはずだ。

しばしの見つめ合いから、穂乃果は目を閉じて、自ら唇に柔らかいものを軽く押し付けてきた


穂乃果は安心できる場所が欲しかった。

そのやりとりを出来る人間を欲していた。

それがたまたま俺だった。

その条件を満たせるのが俺だった。

見かけは元気だけど、内面は人間関係の悩みでどうしようもなく行き詰まっている。

それを理解してくれる人間。

悩みを相談する相手というものは、自分のことをよく理解してくれている人間に相談するものだ。

だからこそ自分という人間を理解して、アドバイスしてくれる相手を信頼できるのだ。

穂乃果は一見、理解しやすい。

単純でもあるし、顔にも態度にもでる。

だからわかりやすい。

だが、本当の真に辛い時に、穂乃果の悩みを理解できる人間は少なかったりもするものだ。

穂乃果を単純なお調子者のおバカキャラとしてしか認識していない人間には、穂乃果の悩みの深さは絶対に理解できない。


穂乃果の悩みは、自己を傷つけてくる相手とどうすれば仲良くなれるのか?

また相手(ことり)のしている行動をとり続ければ、それが結局メンバーの亀裂につながる


それを受け入れつつ、黙って、相手が気付くのを、信じているのである。


これが出来る人間は意外に少ない。

いや、意外でもなく希少だ。


何故なら、普通の人間は、自己が傷付くかもしれない状況

その相手を敵と認識し攻撃されないか、やり返すか、に結果的になってしまうからだ。

初めは仲良くしようとしていても、それが一定以上の行為に及ぶとどうしてもそうなってしまう。

また、自分が攻撃しなくとも、一旦攻撃をしてしまった人間は

やり返されることを恐れる。

だから、潰そうとし続ける。


そして、受け入れる。傷つく。それでも信じる。と……


その繰り返しで、相手が攻撃を強め、自分が弱り、それでも信じる。

絶対的に、不利な戦いなのだ。


それでも、それでも、その悪意に向かう人間に立ち向かう姿を見たい。


真の美しい人間の姿を。


攻撃の手を緩めない、取り返しのつかなくなったことり。

穂乃果はずっとメンバーをμ'sを信じている。


他のメンバーは見切りを付けだしているのにも関わらずだ。


これが穂乃果の強さでもある。

が、その強さは自分を芯から緩やかに壊しかねない


穂乃果「もう、1人になるのが嫌になっちゃうよ……。」


おそらく安心しきったのだろうか、、、穂乃果は俺と離れるのを嫌がった。

震えながら、袖口をつかむ姿が、何かにすがるのにもにて愛おしい。

離れるのを嫌がったのは

同じくだ


一言だけ、君を支えたいとだけ伝えた。


そして穂乃果も黙って頷いた。

ことりのような女としての振る舞いや、海未の自己向上を望む潔さとはまた違った、穂乃果の人を信じる強さ


その結末を見届けたくもなった


――ここで、ことりと完全に距離をあけだす。



返信も、しないことが多くなった。

ことりは何かに感づいてはいただろうが、その何かの確信はなかった。

その何かを確かめようとすればするほどに、連絡が頻繁に。

海未の方は会いたいという日をわざと外すようにした。

が、こちらはただ用事がある程度にしか考えていないようだ。


穂乃果と二人でいることにお互いの違和感はなくなった。


後は、付き合っているの明言があるかどうかだけだ。


この状態。

穂乃果に親密さ愛情を費やすその時間。


海未のような女性は、こちら側の都合があればそれに絶対に立ち入ってこない。

分別はつける。

だが、ことりは違う。

いや正確に言えば、違うようになっただ。

一度、女として嫉妬やそれに絡む嫌がらせを行いだすと、執着や、それに関わるヒトの醜さ

また相手の行動にも、裏があるかもしれないと読むようになってくる。

その行動をとることで、相手がほしいものは何なのか?

純粋な心だけではなく、行動の裏のほしいものを読み取る。


海未は?

ただ純粋に言葉で、会えないから忙しいからで、ハイそうですね。

という海未の純朴までの素直さは、潔くもある。

もちろん、だからこそ海未は美しいのだ。

しかし、かけひきや疑惑の考えを、知らなさ過ぎる場合がある。


こんなことは、誰も教えてくれない。

実体験で、生の人間と出会うことで、知らぬ知らぬうちに気付かされてしまう。

ヒトによれば、大人になったのだ、子供の時と違って、なんていう人もいるだろう。


ことりは?

当然、人間の笑顔の裏には、何か理由があるのかもしれない。

本当に素直に笑顔を投げかける人間と、そうでない人間がいることに気づきだした。

でも、その笑顔に偽善や利己があったとしても、例えあったのだとしても

それで、うまく回るのであればそれでもいい。

また自分も相手に利己的だと思われようが、それだけ魅力のある人間と側にいたい。

その為に、相手にふさわしい人間かどうかの不安にかられるようであれば、


望んで、不安を解消するために、悪魔にでもなる。


例えば、金を貢ぐ男、男に貢ぐ女。

それは等価値として、

自分が相手に値するかどうかの見極めに、少しでも好かれたい

そういったキモチの相手をつなぎとめる手段が。

何なのか、だ。

全ての人間がイコール=や≒等号であれば、問題ないが

そうではない。

不等号だ A>B  A<B A≦B そして、それを補うようにしてないものは劣等感を抱くものは

つなぎとめる手段が、、、繰り返すが

何なのか、だ。


金、容姿、スタイル、頭、学歴、趣味、仕事、権力、快楽、愛、信念、努力、友情、勝利etc価値観の種類だけ存在する。


ただし、これは一種の価値観の例においてであって、人間の序列ではない。

例えば、文系と体育会系は全く別。

しかし、そういった価値秩序において何かしらの序列ができてしまう。

それを、はっきりと認識できる強さをもたなければ、何かをシてつなぎとめたいと考える。

また同じように騙されるほうが愚かなのだ、とも考えるようになってしまう。

純粋であればあるほどに、そういったことに気付いた時の人間は、一気に豹変する可能性が高い。

喰われるよりも喰うほうに廻る。


穂乃果だって、覚醒の仕方を変えれば、恐ろしいほどの潜在的な戦闘能力を感じる


ことりは、俺といることで、

俺の言葉からだけではなく、それ以外のことから、モノを見るようになった。

動作や態度、感情、思考といった、非言語から多くを学んだ。メラビアンの猫はかわいい

だからこそ、海未に対しての巧妙な嫌がらせを、ことりの立ち位置からできるやり方を身につけた。

それは、ことりの場合であって、真姫や絵里なら、もっと直接的な方法に出るだろう。

つまり、人はその人の持つやり方(牙)を持っている。生徒会長だった頃の絵里のように。


――ここで、ことりと完全に距離をあけだす。


ことりのように依存度の強いと思われる女が、出て欲しい連絡に出てくれない。

それだけで、不安と、絶対に何かをしている。

確信に変わる。

これは、直感レベルの問題だ。

それに気付くようになってしまった。


つまり、俺と会えない距離や時間が海未とことりでは変化してくる。


「二週間程会えないから」


その一言が、海未にとっては、寂しくても理由のある相手の行動を咎めない。

相手を信じて待つ。また自分の時間に自分の力を費やす。それだけになる。

ところが、

ことりにとっては、この二週間はとてつもない時間になる。

おそらく三日ですらもそうだろう。

毎日でも連絡はしたいのだ。

三日でも、一週間なんて、ましてや二週間なんて!

絶対におかしい!となる。

それも、他者といる時間そのものを、最も価値とすることりらしさからくるものでもあった。


時間は、人間にとって共通であり等価値の絶対尺度が存在する。
例:今何時?流れている時間。

しかし、その人間にとっての時間の概念は、おそらく千差万別すぎる。
例:一時間の濃密さ(流れる時間)の違い。


他人と過ごした時間も、

喜怒哀楽、泣き笑いがあり、衝撃的なインパクトがあり、トランプに負け、完敗からのスタートがあり、

そして有終の美を飾る。

そうやって過ごした相手と、

ただ一緒にいるだけの時間を過ごした相手では、


まるっきり相手への

感覚や愛情が変化する。


濃密な時間で時間そのものも変化もする。


一昔前なら時間を、時間は人により、観測者により変化する

これを科学的に簡単に説明できる公式を出し、ベロを出した物理学者がこういった



「熱いストーブの上に1分間手を当ててみて下さい、

まるで1時間位に感じられる。

では可愛い女の子と一緒に1時間座っているとどうだろう、

まるで1分間ぐらいにしか感じられない。

それが相対性です」


問1:ストーブは?

問2:座っているのは?



問題文:雨の日は流石にいないと思うじゃん?この質問に対し

問1と2にあてはまるラブライブのキャラクターはどれか?

それぞれ答えよ。その理由を252字以内で答えよ。


この問題に関し安価で、どのような状況下でも回答できるということをこころがけよ。
なお珍回答者や状況下により、火傷することもあるが、ストーブのせいなので一向に気にせずともよい。
また設問に関し、超ひも理論は、男が女に超貢ぐ理論とするので定義に注意せよ。

A:1
B:2
理由:


――ここで、ことりと完全に距離をあけだす。



光やひもが渦巻く11次元のように

こころも多次元

感情は常に一定でなく、何かをきっかけにして爆発する。

頃合いをみて、相手の感情を読み取る。

それを利用するのなら、とことんまで相手を見る。




ことりの頃合いは?

――――チーズケーキか?否か?それが問題だ。


しばらくぶりに、ことりと前のように接してみる。

いや、それ以上に優しくかもしれない。

ことりは、執拗に何をしていたのかと尋ねてもきた。

聞ける範囲の無理難題に即諦め

久々の一緒にいられる時間を、甘えることで満喫した


ことり「えへへ、おいしいケーキが手に入ったんだぁ一緒に食べよ紅茶も用意するの。」


慣れた手つきで幸せそうな顔をする。

満面の笑みを浮かべるかわいいおんなのこは側にいるだけで、こちらも幸せな気分に浸れる。


ことり「はい!食べさせてあげるね。あ~ん。」


食べた後の幸せなボケた頭で考えるより、今ハッキリいう。


実は……別れようと思う。

とても、とても好きな人に気付いたんだ。


まじまじと瞳を見つめながらいう。

だから、これからは、その人との時間を大切にしたいと告げた。

別れる相手は海未、好きな人はことり

当然、ことりは嬉しそうに自分のことだと思い、とても甘い声が更にトロケそうに高揚していた。


ところが、すかさず

ごめん。

もう会わない。とだけ。


ことり「ぇぇぇ??ええ???う。。。うそでしょ??な、なんで??」


問い詰められたが、答えはもう出ている。

行動の仕方は一択のためだけにある。

その一択の為に全てを

これが一択への、俺なりの全身全霊の……

好きの告白をしてくれる期待からの急転直下の別れるの一言。


ことり「その好きな人ってことりの知っている人??」


薄々ことりは気づいていたのだろう。

その相手が身近にいるようなことを……


ことり「その言い方だと……海未ちゃんじゃないよね?」

ことり「やっぱり!!そーだったんだ!そーなんでしょ!!!!」

ことり「そんなことしたら海未ちゃんにしたことよりも、もっと酷いことしちゃうよ!!!!」

ことり「もうことり戻れないんだもん。もういっぱい嫌な女の子になっちゃったんだもん。」

ことり「それでも手に入れるものの為には仕方ないって気づいたんだもん!!」


半泣きながら、半狂乱状態で喚き立てる。

こんな反応も予測していたが辛くもある。


ことり「……どーなっても知らないよ……」

ことり「ことりはいつでも待ってるんだから!!!!!」


ことりの性格からして、依存の対象者が必要なのは間違いない。

だがそれを満たせるだけの人間が現れるかとうことだ

穂乃果の次に俺ときて、並みの人間がそれを埋め合わせられるかということだ……


一度、自分のモラルに反して汚いことをしてしまった人間は、歯止めがかからない。

どこでやめていいのかが、わからなくなってしまう

ことりは、海未への嫉妬を気付かれないようにぶつけていた

それは今までの友人へ接していた行為とは程遠いものではあった。

もう誰かの気持ちを挽くために

他者への嫌がらせをすることに、迷いはなくなってしまった

そのストッパーであった俺がいない

女として海未だけなく、今度は穂乃果にまで負けた嫉妬

そして俺を奪った嫉妬


この二重の嫉妬の相手が、穂乃果になってしまった


遠く離れた関係であれば、何事もなく忘れられたのかもしれない

だがすぐ近くにいつも目の前に、幸か不幸かいるのである


海未にもはっきりと言った。

未練がましさが一切なかった。

いやそれを見せなかったというだけだろう

そう未練を見せてもそれに傾く俺ではないのを承知しているからだ。

お互い竹のように芯は通った人間だ。

一旦決意したり譲らないところは譲らない人間だ。


海未「……。そうですか……話し合う余地はなさそうですね。今までありがとうございました。」


相手が誰ということも聞かれることはなかった。

深々と美しくお辞儀をされた。

そのまま俺達は別れた



だが恐らくは、ことりが何かを始めるではあろうことが予測はついた。

ことりが海未にしかけたようなことを、今度はことりが海未と結託することで成立させる

その予感はほぼ間違いなくあたるだろう


穂乃果と付き合うということに迷いがなくなった

海未と別れたと伝えた。

そして心置きなく付き合えるはずの俺たちだった。

穂乃果は今までの寂しさや、人間関係のぐらつきを埋め合わせるかのように俺と会いだした

最も二人でいて楽しかった時間なのかもしれない



――トキヲ止マレオ前ハウツクスイ




イベントの多い季節

誰かがいれば寂しくはない

同姓とだって平気

でもこの季節は異性のほうにベクトルを傾けさせる


そのトキは残された最後の美しさなのだろうか

誰もが今しかない、かけがえのない時間を生きている

だが

長くは続かない。

ことりである

ことりは俺と穂乃果と付き合いだしたのを、直感でわかってしまった

女の感はするどい。

いや、するどさに磨きをかけてきたからだ。

ただの怠慢な人間は鋭敏にならない


穂乃果と俺のことを大好きだった、ことりだ


その変化に気付かなかったわけではない。


今までの態度とはうってかわり、ことりは海未に擦り寄っていった。

海未からすれば、ことりが悪いのは当然です!

だが今までは、ことりが悪くないの一点張りでいたからこじれ続けた

今度は素直どころか、むしろ媚びるぐらいの勢いで

海未ちゃんごめんね。

と謝った。

許して、おねがぁい

当然、すぐに許すことなどは出来なかったのだが

今までのようではなく、ことりが前のようにも接してきているようにも見えた

関係そのものを壊したくない海未の気持ちは、強いものだった。


信頼関係は、信頼していた期間が長ければ長いほど、積み重ねてきた時間が存在する。


その重ねあわせた時間が、覆水を盆に返らせないこともある。

むしろ、信頼した時間が長ければ長いほどだ。

少し意味は違うが、近親憎悪に近い。


近く長くいればいるほどに、何かのキッカケで憎悪の対象になりやすい。


ことりの場合は、表面上も海未に対し、あまりいい態度をとっていなかった。

だからこそ、今までの態度を改めた今のことりの行動は、海未のこころに響く。

問題は、信頼関係を結んでいたと思っていた相手、その期間、

表面上は仲の良さを装いながら

裏で何かしらの嫌がらせ等をしたり示唆していた場合だ。


いわゆる仲がいいフリをして他のメンツにイジメをさせる。

こういう狡猾なやりかた。

イジメの主犯は嫌われない上、むしろ好かれる。

そして嫌われるのは、イジメを直接している人間。


だが、それが発覚した場合、信頼を積み重ねて期間というものは、真逆に作用する。


今回なら、当初の、俺がついた嘘の海未の浮気だ。

ことりは、海未を信頼していれば信頼するほど、平気で嘘をついて騙して人を付き合っているように見えた。

俺が海未と仲よさげにメイドカフェに通いながら、海未は浮気をしていた。


あんな真面目で潔癖な、何事にも一生懸命な海未ちゃんが……信じられない…………


時間がながければ長いほど

いわゆる裏切られたという状態が激しさをます。

信頼度により、相手の言葉の重要性が変化する

信頼が高ければ高いほど、それが嘘であったとしても同調をしてしまうヒトの弱さ


ことりと海未の関係が徐々に修復しつつ

ことりと穂乃果の距離が離れる一方で


穂乃果と海未の距離も離れだしたのだ


穂乃果があまりにμ'sではなく彼氏という存在に夢中になりだした

同時に、穂乃果は海未に対してやましさが募る


把握したことり

穂乃果の付き合っている相手が俺であることを。


大好きだった穂乃果より俺を選び、選んだ俺が穂乃果を選んだ


その結果を知ってなおもう一度、

ことりは、俺を振り向かせようとしだした


ことりは海未と関係が修復しだして、海未の彼氏が別れたことを聞けるまでになった


ことり「理由は?」

海未「よくわかりません。」


海未の返事はただ別れたとしか、聞いていないことを理解


元々、ことりは海未が浮気をしたからと思い込んで、俺と付き合いだした。

つまり浮気をした海未が許せないキモチもあってのことだ。

ところが実際は、そうではなかったであろうことにも気づいた。


だが、ことりは浮気やそういうことよりも、人が好きな人に自然に惹かれる

その行動の為に動いてしまうのは仕方ない。

このような理解をする解釈をしだした。


浮気ではなく本能で相手を求めてしまったから、今は浮気でもそれが本命になれば浮気でなくなる理論。


そしてことりは、今更過去に海未が浮気をしていようがしていまいが、もう関係はない

あるのは、ことりは俺との関係を潰した穂乃果に嫉妬を向け、俺に対して愛情をなんとか向かせたい気持ち

女はすっぱりと次に向けるというが、次が見つかればの話し。

また憎悪の対象の穂乃果がそばにいれば、簡単に俺のことを諦めきれなくなる


今も、何故か屋上飯

はじめはあの二人が話さない

どちらかと話すのも辛いし、冷戦をを見るのも嫌だったのが理由

今は?

あの二人は少しづつ話しだしたのだが、三人はギコチないというか一緒に居たい空気になれない


ことりが何故か海未にしていたのと同じように、穂乃果に距離を取り出す

ぇ?と初めは穂乃果も戸惑っていたが、ことりの海未に対しての態度を見てきたから

それが自分に来ただけなのかと思ってしまった。


海未とことりを変に仲良くさせようとさせることで、拗れたのを経験したばかり……

もう、相手が距離をとったのなら、それに近づいて相手への情を示す行動が取りにくくなってしまう

それでも海未ちゃんとは、仲良く過ごせていたとも思っていたのだが……


ことり「海未ちゃんの彼氏はどうしてるの?」

海未「し、知りませんよ。もう、別れてしまった人のことなんか……。」

ことり「ふ~ん……ことり知ってるんだぁ~。」

海未「な、何をですか……そんな人のプライバシーについて詮索するのはよくないです。」

ことり「う~ん、でもねそれが両方海未ちゃんに関係あるっていったら考える?。」


海未「!」

海未「ど、どういうことですか。私は確かにお付き合いさせて貰ってはいましたが、もう今は……。」

海未「」

海未「も、もしかして私に関係ある人だというのですか?付き合ってる人も?。」

ことり「えへへ、あたり~海未ちゃん結構するどいね?。」

海未「ファ……。」

海未「わ、私は別に興味ありません。それが誰であろうと!」

ことり「海未ちゃんならそういうと思った~じゃ教えてあ~げないっ。」

ことり「聞きたくなったらいつでも言ってね。絶対の絶対のぜった~いに海未ちゃんが知っている人だから。」

ことり「反対じゃないの。」


ことりらしい、よくわからない最後の一言。


海未「…………」

海未「バカボンですか……。」

ことり「そっちじゃないよ。それは、サンセイのハンタ~イなのだぁ。」

海未「……。」

ことり「何?その顔?聞きたいって顔してるよ~。」

海未「き、聞きたくありません……」

ことり「海未ちゃんが知らないわけがない人だから笑。」

海未「……」


それとなく暗示をさせておいたことり

ことり自身ははっきりとした確信を掴んでいたわけではなかった

ただ掴んでいないだけで、確信はあった


いずれそういうことが露見するであろうことを予測して、ことりも種を撒いた


海未は他者との会話で、知人のプライバシーに関与する話題は好きではない

今、その場にいるその人との関係においてのお話をするのが大好きだ。

だが、ことりのあの物言いは少し気になるものがあった。

だから会話はせずとも、ことりの発言した言葉の中身が頭の中で気になりだした。

あの方の交友関係は推測がつきませんし、私も友人の女性と言えば……

穂乃果やクラスメイトや弓道部や中学の同級生や道場の知人……

年齢で言えば、もしかして園田道場に来ている誰かですか?とも考えた。ふと……


海未「そういえば穂乃果とあの方は知り合いでしたね……。」


さらに、付き合いも最近悪い

というか確かにギコチナサは三人の中で普通になってしまっていたので、気に留めていなかった。


μ'sの集まりも全員が揃うことも珍しくなっていったし、ことりがいないことも多い

真姫もいない

曲も踊りも新しいものが作れず、

停滞するのは仕方なかった

だから穂乃果が今更いない時が多くても、ことりの時と同じように何もいえることが少なくなった

更に海未自身も弓道部の揉め事で手が患わしかったのもある

悪いときは悪いことが重なるものである

…………

言われてみれば穂乃果も、練習に行かないことが多くなっていましたね。


ことりは他の友人たちと話すことも多くなった

あれだけ三人仲良かったのに最近どうしたの?

とは聞かれていたものの、えへへ、とだけ答えておいた。

ある程度、親密さをまして

ことりは、自分の中にある確信の種を噂話として流しだす

実は、グループの仲が悪くなったのも、穂乃果ちゃんが彼氏をとったみたいなの

誰にも言わないでね、内緒だよ



とは聞いても、それを内緒話で浸透するのは人の常

穂乃果の噂は、元々の有名さと、表裏のギャップのある話だけに思わぬ早さで広まっていった。


そういえば、海未がこんなことを言っていたのを懐かしむ


作詞作りに悩んだ時は、インターネット上に自分のポエムや小説を披露していました。

そうすれば、自分の作品について、応援して頂けたり褒めてもらったり励みになりますので。

また貶されたりもしますが、とても勉強になりますと。


少し面白いイタズラな質問を思いついた

じゃあ、それはとても純粋なキモチの場だよね。

相手と自分の中のやりとりで、何かしらの心を動かされることが発生する


じゃあ、それを利用する人間がいたらどう思う?


どういうことですか?と尋ねられたので、ではわかりやすく具体的に

そういったポエムや小説をまとめたりして、例えばアフィリエイトのようにお金を稼ぐ人がいるよね?

それは知ってる?


……知っています


それについては、どう思う?


…………わかりません。。。


海未は答えられない。

だが、単純にわからないのではなく、物事をある程度知った上で、判断しかねるといったところか。


ネット上で、自分達のキモチや想いや考えのやりとりを、ただ純粋なカタチで昇華したい。

それを、金銭という対価で儲けることに嫌悪感を抱く人間もいる。

だが同時に、

対価を得ると同時に対価を得た人間は、――アフィリエイトする人間は

それを対価にする方法を知っていて――まとめサイト等をつくり

その上で、対価を得ている。――金銭を得ている

同時にまとめサイトの多くの閲覧者をも楽しませてもいる――サイトにくる閲覧者への営業努力

こういう場合はどうおもう?どっちが悪いとかは思う?


確かに、一方がどうと断じることは出来かねますので、私には……


想いを作る。想いを共有する。

そしてその想いを金に変える。想いを利用する人間もいる。

それが悪いか?また本当にそれが利用なのか?

ということだ。利用なのかwin-winなのか。状況により変化する。

利用しつつもそれは対価を得るための行動でもあり、他の誰かを喜ばせてもいる。

しかし、また閲覧者への営業努力故に、場を盛り上げる為に、

わざと対立煽りなど、人間同士を争わせて火種を作り面白い記事を作る時もあるのだろう。

またそれに釣られる人間。

だが、それが利用かどうかと問われれば一面ではそういう面もあるだろう。

無断で言葉がどこかにばら撒かれる。残したくない言葉もあるかもしれない。

同時に、利用された方は一方的な面なので、気付かなければそれは何も思わない。

またされたとしても、考え方によれば、嫌悪や好感をも持つ人もいる。


俺は、最初から、ことりを騙していたとも言える。

だが、同時に、ことりと過ごした時間を楽しませてもいた。

もしことりが、今、俺を嫌悪すれば、騙されたと罵っただろう。


好きであればまだ信じていると、嫌いになれば騙されたと

しかし、物事を最初から見抜ければ、どうかということも気付くのかもしれない。


ひとつの行動には、必ずしも絶対的に誰かが悪いと断じることができない場合も多い。

だから一概には断罪できない。

ひとつ言えるのは行動しないよりかは、行動した人間のほうが強い。

そして、想いがあるのなら、想いの分だけなにかしらの行動をすればいい。

一番いいのは熟慮の上で、成熟した精神上での想いや考えての行動だ。

だが、まだ経験が浅ければ、そういう訳にもいかない場合もある。

だから、まずは、その想いや考えによって言動の仕方が変化することを知る。

ことりの場合はその想いが嫉妬の強さに現れた。


思考に気をつけるほうがいいよ、それはいつか言葉になるんだよ。

言葉に気をつけるほうがいいよ、それはいつか行動になるんだよ。

行動に気をつけるほうがいいよ、それはいつか習慣になるんだよ。

習慣に気をつけるほうがいいよ、それはいつか性格になるんだよ。

性格に気をつけるほうがいいよ、それはいつか運命になるんだよ。


結果の全ての始まりは、想いや考えにより変化する。

だから、どの考えを抱くかが重要なのだ

テレサがいってるから、ことりにもいった、そしたら花のようなことりは悪魔将軍Zになった


海未の場合は才能がある。作詞の才能はおそらく天賦の才がある。


だから、そこで対価をこの場ですぐに得なくても、

いずれ対価を得ようと思えば、別のカタチででも手に入れられるかもしれない。

学生であり余裕もあるし、今、この場で対価を得られなくともと思える。

だが、そうでない切羽詰まった人間だっている。

すぐに金銭が欲しい人間だっている。

少しでも何かしらのモノを作って、二流や例え三流だとしても、それが対価として成立するのであれば欲しい人だ。

それは才能の限界故に、わかってもいるが、それでも欲しいものは欲しい。

そのキモチだって理解できる。

一流の才能があったとしても、嫌な人だっている。

才能があって、お金いらない人もいれば、欲しい人だっている。

作ったものが評価されているのに、対価を得ている人や場所が違うのではないか。ともいえる。


また対価だけでなくとも、自分の作品を自分の望むカタチ以外で改変や利用されるのも嫌がる人だっているだろう。

そこはお金の問題じゃないんだと。

逆に、自分の作品を少しでも見て頂きたい、またはそうすることで評価の声や今後の参考にしたいそう思う人だっている。

また、まとめるというのは発想の勝負で、まとめたものがお金になる。

その最初を思いついたのはひとつの勝利でもある。それも、商業的な創作行為の一つでもある。最初の最初。

エポックメイキング。

だが、商業的な場合は、どうしても、あとから恐竜がやってきて、ごっそり同じパターンを踏襲して、かっさらうだろう。

様々な創作的、商業的、な考えもあるし享受側の考えもある。政治や思想、面白ければetcスタンスと方向性がある。

そもそも、まとめる前の場の提供者だっている。その恩恵に預かっている。

また二次創作であれば母体の一次創作等と。全ては様々な恩恵により成立している。


……わ、私に才能があるのかはわかりませんが、少しでも多くの方が喜んで頂けたら私自身も嬉しいです。


多くの場所に多くのモノが触れ、いいものが評価されるのは決して悪いことではない。ただ、そのやりかたと仕組みの方法。


では、ことりならなんというだろうか?

もし俺と知り合う前のことりであれば……


う~ん、小説を書く人や読む人も大切にしてほしいの。

でも、まとめさんはそれを多くの人に読めるようにもしているんだよね?

お金も貰ってるんだったら、作者さんにも少しは分けてあげてもいいようなきもするし

だけど、まとめさんもまとめているサイト作ったり、費用かけたり、時間使ったりしてるんだよね?

みんなが幸せになるには、みんな仲良くしたらいいんじゃないのかな??

え~~~ん、わからないよ~~、ほのかちゃ~~~ん


ことりは、好きの優先順位で物事を判断するために、ことりの好きな穂乃果の決定に素直に同意するかもしれない。



では俺と知り合った後のことりであれば……口には出さないがこのようには考えるだろう。


利用されているように感じるのなら、逆に利用しちゃえばいいんじゃないのかなぁ?

例えば、有名になって逆に売名行為をするとか、自分の考えを主張するとかしてみたりとか?

あとは周りを味方につけて、交渉してどこかにお金が廻るようにするとかかな?


なるほど、そういうのも悪くはないだろう。

利用してきているのであればそれを知りつつ、こちらもそれなりの大人の対応をするということだ。



では、穂乃果は?


う~~ん、穂乃果は何も書けないしパソコンも詳しくないからわかんないやー。でも、みんなすごいなーーって思うよ!!


利用されるなら、それを逆に利用してもよい。

騙すほうが悪い。騙される方が悪い。

悪い奴が悪い。そいつを非難して終わりだ。

だが、そうではないのに、みんな、その目先に終始している。


仕組みを変えれば、誰もが、幸せになれる。


社会であり、そして、人間の生き方の規範意識もである

幸せの笑顔を、誰もがしてきてくれるようになる

いわゆる穂乃果の笑顔を誰からも、されるようになる

同時に

その笑顔を誰に向けても、できるようになる

それを意味する

その笑顔ができるようにする

穂乃果の笑顔を誰もができるようになるには?

では、その生き方の模範はわかりやすくいえば


天使の穂乃果になるか、悪魔のことりになるか


主人公の穂乃果になるか、裏主人公のことりになるか


中道の海未は、天使の慈愛の深さ、悪魔の狡猾さを知ることだ


天使は悪魔に勝たなければならない

悪魔は悪魔をしすぎることで天使に覚醒めることだ


なぜ、この比較をしたのか

それは、美しいものだから

穂乃果の慈愛の笑顔、ことりの完全な狡猾、海未の迷いと信念

その中での穂乃果

決して対価としては値段がつけられない



その笑顔の価値を


ことりには服飾という、服という、カタチとして実際にあり、手間暇かけて数少ないモノしか作れない技術がある

海未には作詞という、詩という、カタチとしてはあるが便宜的で、複製可能なモノを作る天賦の才がある

穂乃果には…………残念ながら何もない。…………ない。…………ないったら、ないんだーーーー!が笑顔がある。


服は値段がある、詩単体では少ないが曲等で値段がつく、笑顔は?

笑顔そのもには値段がない。

あるとすれば時折、素敵な笑顔を頂ける人といったところか。

その笑顔は、値段をつけられないけれど


幸せにしてくれる


値千金の笑顔

プラチナの笑顔

向日葵のような笑顔

悪魔のような笑顔

天使の笑顔


お金なら最高の価値を示し、それ以外の笑顔には種類がある


最高の笑顔の一つは

穂乃果の笑顔

ほのえが

そういってもいいのかもしれない


ではその笑顔は、値段で買えるようなら、その笑顔は

本当に幸せにしてくれるのだろうか?

笑顔をお金で買えるなら、それでも欲しい人がいるのも理解できる。

矢澤センパイなら、プロに徹してあざとく笑顔をふりまいてくれるだろう。

悪いことじゃない。それはそれで、とても素敵だ。一緒にしたくなるだろう。


でもね、本当は……


今、あなたのために、

本当に微笑んで笑顔を自然に投げかけてくれる聖母のような存在

無償の笑顔で元気にさせてくれる存在

あなたが、どんな人でどんな状態でも受け入れてくれる存在

いつでもどこでも

泣きそうだったら微笑んでくれる

楽しそうだったら一緒に笑ってくれる

辛いこと苦しいこと悲しいことや

他人から理解されない理由があったとしても、

優しい眼差しをむけてくれる


そういう人に微笑んでほしいのじゃないかな?


君の笑顔は本当に優しい

君の笑顔は本当に


幸せになれる


だから好きなんだ


君に微笑んで貰いたいし

――――微笑んでほしいんだ


穂乃果の屋上飯はいつものことになっていた。


ことり「穂乃果ちゃん!」


甘ったるいけど優しいような私を呼ぶ声がする

懐かしい

ことりから、何だか避けられていたような気がするから嬉しかった

今の穂乃果は、臆病になりすぎていた

前の元気で普通に接すれば接するほど、おかしくなった状態を経験していた

だから、相手の言葉を待っていたのかもしれない

穂乃果のことだ。

相手がそういう気持ちなら

相手が穂乃果に対して、またいつものように接してくれるなら


例え、どんなことをしてきたとしても許す


自分の気持ちは、いとも簡単に相手を受け入れられる

寛容性と優しさ

慈愛にとんだこころを時折見せる優しい眼差し

でも、それをまだ表にだしていいのかわからない仄暗さ

溌剌さを影に隠しつづけるうちに、いずれ消え行くのがわからない


ことりの後ろに海未もいた

また三人で一緒にいられるのかもしれない

いー天気だね♪

穂乃果ちゃんはここで最近は食べてるんだ

よかったら一緒に食べよ


明るすぎるトーンのことり


穂乃果は海未に対しての後ろめたさの距離がある

海未も疑惑が拭い切れない距離がある

それでも相手を信用したい

やっぱり仲良くなりたい

穂乃果と海未はそう思えてた

ことりを除いては

何をするのか明確な目的のあることり以外は

ただ悪戯に、相手のことばを受け取るしかできない


しばらくはぎこちないながらも

久し振りだね、一緒にごはんを食べるの

μ'sの他のメンバーの話をしたりする

にこ、花陽以外は他のことも並行しながら

いやむしろ他に専念しだした


凛は当初の予定通り陸上部に入り、順調な成績を収め

真姫も、勉学と個人的な趣味や習い事に時間をかけるようになった

絵里、希は受験勉強に専念



でもそんなことを話にきたんじゃない





ことり「ねえ穂乃果ちゃん♪水臭いよ-♪」

ことり「あの人誰なの?恰好いいひとだね!」


穂乃果「あ……。」


穂乃果はどこかでバレた

そう正直に思った

何故か、いつからかおかしくなりだした

μ'sで花陽ちゃんをことりちゃんがかばいだしたぐらいからかな?

いや、そんなことじゃない。

自分がその前に何か悪かったんだ

理由はよくわからない

でもそうなってしまった

人のせいにせずあくまで前向きに進んできた穂乃果は自分が悪いと

悪くないことまで責任を負ってしまっていた。



でてくるのは謝罪の言葉だった……



ごめん海未ちゃんと……


海未は、今の今まで穂乃果の為を思って

他の人間と会うことで、穂乃果の精神に安堵を与えようとしていた

μ'sではなく、他の誰か

だが、その一緒にいた他の誰かである俺を、

結果的に、穂乃果がとった形になった


海未「…………。」


理由を聞かずに去ろうか、穂乃果を信じたいが為に聞くか

海未は迷った

が、どうしても理由は知りたい

自分の納得が欲しかった。

例え、どんな理由があってもそれを話してくれるのであれば、

仕方ないですね……すぐには無理でも、いずれ許すこともできたのかもしれない。

前のヤンチャでおバカで元気な穂乃果の、言い訳する言葉でもいいから、穂乃果のことばがほしかった


海未「どうしてですか……。」


穂乃果は答えられない

なんとなくといえばなんとなくだが、埋め合わせるものが彼だった

それだけなのだが、説明になっていない


海未に申し訳ない気持ちは最初からあった


でも、それを忘れて一緒にいたのもある

でてくるのは同じ言葉だ

ならば、せめて、いつからなのかだけでも知りたい。


海未「いつからですか……。」


穂乃果はいつからか考えた。

考えたら最初から素敵な人だなと思っていたのかもしれない


けど、はっきりと自覚したのは

連絡先を交換して二人でのやりとりを始めた時からかもしれない。

あれがキッカケだったのは間違いない。

心の枷

もし連絡先を聞いたりしなければ、付き合うこともなかった

ただ海未ちゃんの素敵な彼氏で終わっていた

でも、あの時は聞いてほしかった


いちばんの友だちに聞いてもらえない悩みを


今更ながらに後悔をする

連絡先を尋ねたことを

疚しさが急に押し寄せる

切羽つまった自分の心情

泣きたくなる


けど海未ちゃんの方が、もっと泣きたいだろう

相手の考えを推測すれば、自分が泣くなんてできない

泣いたとしても海未ちゃんは責めないだろうけど

穂乃果の人間的弱さに失望するかもしれない

そんなところは見せられない


まだ海未を大切にするこころが正直さを貫く


でもそれは精一杯の意地

海未ちゃんごめん、ごめん、ごめん

泣いて、泣いて、泣いて、

謝るから許してほしい

でも、それをしたら穂乃果は穂乃果じゃなくなる

ただの女の子になる

いや、ただの女の子には違いない。


だけど、ただ彼氏が欲しくて、それをみっともない真似をして

自分の否を認めて許してほしいわけではない


あの時は、惹かれてはいたけれど、μ'sが海未ちゃんが大事だった


ホントだよ、ねぇ、信じてよ

ほんとだよ……

ねぇ

こころで思えば思うほどに、言えなくなる

泣きたいけど泣けない


だって、本当は、泣きたいのは海未ちゃんの方だから

ここで私が泣いたら、誰の為にμ'sを何のために海未ちゃんをことりちゃんを

大切にしてきたの

ねぇ教えてよ……



だから感情に反応できないぐらい鈍い頭で答える



穂乃果「海未ちゃんが弓道部で問題が多くなったぐらいの頃から……。」

海未「どうして……何も言ってくれなかったんですか……。」


また穂乃果は黙る


内緒や秘密は時として心の枷となる。


何も言えない。

言えるはずがない。

今、言っても結果は同じだ



ごめん海未ちゃんと……


海未「そう……ですか…………。」


屋上に目を配せて、海未とことりは何も言わずに去っていった


ことりが穂乃果の様子を最後まで見ていたように感じる

失っちゃったのかな……

守ろうとしたのに、

屋上から見える風景が、映像を見ているかのように他人ごとだ

昼の楽しげな笑い声もただ過ぎていく

そういやμ'sも楽しかったのにな……どうして…………


屋上の記憶も寂しいものへと塗り替えられていく

処々にみえる埃の塊が永らく主人のいない無人の廃墟だと知らせてくれる


あれ以降、海未は何も責めない。



しかしそれは完全なる拒絶を意味していた

穂乃果に流れていた噂が事実だということが判明


あれだけ仲良かった三人組の不一致の原因が実は穂乃果だった


あの子、人の彼氏とるらしいよ。

しかも人間関係壊すみたいだよ。

あんないい子だと思ってたのに。。。

何か理由があったのかな……

そういえば、最近、音ノ木のスクールアイドルは活動してるのかな


根も葉もない噂ではない

それは事実だが


それが全てμ'sをおかしくした原因とも理解された。


海未は悔しかった。


別に穂乃果に取られたこともそうだが、その一点に対して穂乃果憎しではない。

穂乃果の性格からして、好きになったとわかったなら海未に言って欲しかった


その上で、自分が譲るべき相手が穂乃果なら納得も出来た。


私も悔しいけれど、もし穂乃果が正直に打ち明けてくれて

好きになった。

そう言ってくれればまだ理解できたかもしれない。



確かに言えなかった穂乃果の気持ちがわからないでもない。

でも、今のいままで私は穂乃果のことを想いやって

μ'sでは学校では、どうしようもなくなっている穂乃果を見るのが辛かったから

学校外での相手を紹介したのに……。

それが、こんな形で裏切られるなんて。。。


唇を噛み締めながら、涙がポタリと一粒だけ落ちた。




海未は悔しかった。


もし、ことりが花陽をかばう前のμ'sなら、穂乃果を信じたり相手や二人の仲をとりもとうとしただろう。

だが、もうみんなそれぞれの道がスクールアイドルから離れていきだす

そして孤独に歯止めがかかなくなる


穂乃果の明るさが、人に取り入ったりするための行動に見え始めた


疑心暗鬼の状態というものだろうか

穂乃果はひとりでいることにも慣れはじめ

少しずつ陰口や嫌がらせのようなことをされはじめる。


僕の楽しい学校生活はもうすぐ終わるのかもしれない。
でも終わってもまた楽しい学校生活がすぐ始まる
そして楽しく終わる。楽しく始まる。
だから終わる前に始まらせよう。
声を聞きたい。生の声を。力になるように。おかずにしたい。
僕はとても繊細でとても頑丈だ。そしてとても注意深く傾聴する。
批評を批判を否定を激昂を罵倒を。おかずにしたい。
興奮や変態や背徳感や弱者の呻きや強者の傲慢。おかずにしたい。
賛美や賞賛や共感や感情や思考や想いを。おかずにしたい。
JKの僕は今日もスカートを履きながら音ノ木坂に向かう。おかずにしたい。
だから始まるを終わるを声をきかせてほしい
僕はイジメラッレコでニンキモノだ。ごはんもたべたい。
ここまで一緒に学校生活を楽しめたのなら最後まで
絶対に後悔させない。最後まで。約束する。絶対にだ。後悔させない。
すすめ。僕は正直者の嘘つきだから。絶対の絶対に後悔させない。


それを忘れるかのように、俺と過ごす時間、はしゃぐ穂乃果だった

学校のことは?


うーん。大丈夫だよ!


何も学校のことは話さなくなった

海未ちゃんとは?


ちょっとだけ喧嘩しちゃった。

でもすぐ仲直りするよ!

いつものことだよ!


平静さを保つが顔の翳りはみのがさい

瞳がどこまでも沈み


天岩戸の儀式の前夜祭

篭もらせようと仕向けたのは誰なのか


ことばですこしでもしあはせなときをすごせますように
わるくなるよりいつもおしえてほしいように
れっとうかんをいだくよりはやくいたみをかんじて
るーれっとはまはりだした。もうとめられない。さいはなげられた?
たすけてほしいのはだれだ?


はじめはちょっとしたことだった


あ~穂乃果と一緒にいると人間関係壊れるから~


聞き耳を立てずとも、わざと聞こえるぐらいの声がする

穂乃果は卑屈そうな顔で「あは……」としか答えられない

嘘だ。と言えない。

そして今まで仲のよかったクラスメイトも、裏切られた気持ちが強かった

だから余計に悔しかった

否定もしてほしかった


なんで、違うよ!


そう、元気な声でいってくれないのかと

何故、肯定も否定もしないのかと


穂乃果の態度は、ごめん、そうだよ


背中でそういってるようにしか見えなかった


ヤリタイカラデス!


だから、違うよね?


その確認のための、わざと聞こえる陰口だったのかもしれない

けど、穂乃果は、黙っている


信じていてた私達は?


一番悔しかったのは海未だろう

だが海未はそれには加わらない

同時に助けもしない

ことりはじっと様子を伺っている







この時期に

――まさかの穂乃果イジメがはじまりだす


といっても、はじめはたいしことではない。


たいしたことではないが、それをされるのが初めての人間にはつらいものだ

初めは挨拶をしようとして目線を合わせようとする

するとおはよ、と穂乃果が声をかけても、ぅん……、

とよそよそしい感じで目を逸らすようになった

たったそれだけの事だが辛い

目線を外される。

目線を合わせられない。


これは貴方を人として認識していないですよ


そういうサインを相手にアプローチしていることになる



これは、最初がきつい。


当たり前の笑顔の相手から、距離をおかれる。

初めてはずされた瞬間、ズキ、胸が痛む

はずされる度に、チク、となる


そして、段々とその人間の目線がなくなる


じゃ今度は目線を合わせてくれる……人を……

探そうとそう思うが、

そういう状態は得てして

その人数が増えていく……


目線を合わせない人が、悲しいほどにふえていく。


周囲も察知して関与できないとなる。

外される度に、胸にあった痛みが、激痛から鈍痛へと、

そして、だんだん、痛みを感じないように、

めをこころをみないようにする

いじめられいたみをかんじたにんげんにしかわからないせかい


しかし、その前に、何故、合わせてくれないのか?


その理由

だから、自ずと気付くようになる

私が何をしたのか?と。

だが、気付けない場合と気付きながらも変えられない場合がある


気付けない人間は、そのまま原因がわからないまま、コミュが苦手になっていく

気付ける人間はわかっていながら、変えられない理由があるのを心にとめる。


穂乃果がどちらかは、心の枷が指し示す


通常は自分と目線を合わせて、笑顔になってくれる人に親近感を持つ

あたりまえのことだ


だが、いずれ誰も合わせなくなる……


何かのきっかけで変化がない限り


穂乃果は言わずもがな、コミュニケーション能力が異常に高い


高いからこそ、自分の置かれている状況がすぐわかる


そして、それを言い訳して相手の仲に入れてもらうような人間ではない

いや言い訳はすることがあっても、今回は自分でも負い目がありすぎる。

今の状況を痛いぐらいに察知してしまっている


つまり、自分のしたことを周囲が知ってしまって、その上で、そういう反応(で、無視……と。)が返ってくる。


その反応に対してまで、嘘や疚しさを抱えてまで人と付き合えない

だから、察知できるからこそ

現在の状況が周囲から疑惑や嫌悪を抱かれている状況に対して

自ら声をかけられない


悪循環


周囲も穂乃果という明るい女の子に裏切られたキモチも強かった


クラスメイトはみんな

あんな、いい子だったのに

犬っころのように人懐っこくそれで楽しい明るい女の子

でも、それで言えば


海未だって、ことりだっていい子だ


だから、なんとも言えない

なんとか仲良くもしてあげたい気もするけれど


ことりだけではなく、海未まで完全に距離が離れている


それに言われてみれば、振り返って思い返せば

周囲もあの三人が仲良くなっていない感じ

穂乃果が一人で屋上飯をしている状況

すべて合点がいく


仲のよかったμ'sがバラバラ、三人もバラバラ……


人間関係が壊されるかもしれない

そう思うと自然に距離が離れ


穂乃果も、自らが必要とされていないことを悟り離れていった


もちろん、こういう声がなかったわけではない



ちょっと~もうやめようよ~こういことしたくないよ~

私だって別にしたかったわけじゃないわよ

そうそう……本当に…………したかった…………わけじゃ…………


――同じクラスメイト、仲の良い別のグループの三人組


な~んで、あーなっちゃったのかなぁ

正直、あれだけ、明るかった子だけにショックだよね

てか穂乃果が、どういう子かよくわかんなくなっちゃたよね

それはあるよね

本当にいいこだったもんね

まぁちょっとかわってたけどさぁ

撫でたら、わん、とか、くーん、とか

ついでに、お手!、とかいったら、絶対やってくれてたよね笑

やるやる笑

チンチン!でもやってくれてたよね!笑

それは流石にないでしょ笑


うちらもさーずっと応援してたじゃん

初め、スクールアイドルやるんだーとかバカなこといいだしたなーって

そうそう、思ってても、できないよねー

でも、表舞台には立てなくても裏方でなら、心のなかで応援しとくよって思ってたよ

だよねー

ま、実際うちら、裏方やってたし笑


そういや、あの時が懐かしいよね、ファーストライブの時

ライブやるってチラシ配りとか頑張ってたけど、時間になってもお客さんが全然こない……

アチャーとか思いつつ、時間だし、もう仕方ないって幕あけたもんね…………

あれ、開けない方がよかったかな?

まぁ普通は、さぁやるぞ!と思ってお客さんいなかったら、心折れるよね

だーれもいない……無人

でも、あとから聞いた話だけど、

隠れてた人もいたりとか、気になったりしてたのがμ'sメンバーだったらしいよ

へーそうなんだ。


だから、穂乃果いわく誰もいない!見てない!って思ってても、信じてあきらめないで頑張れば!

きっと応援もしてもらえる!どっかで何かが返ってくる!っていってたのよ。

正直、お客さんの数より、そう考えた穂乃果に感心しちゃったよ

何、それ…………やだ、イケメン……ぬれる

もーなにいってんのよ笑


んで結局、あの鬼の生徒会長までやってきて、「ど~するの?」ってさ

そりゃ、あんな威圧感半端ないオーラだしてる人間に「やりたいからです!」なんて普通いえないって

だねー。しかも、後で生徒会長がアイドルするっていったとき、すごい!って思ったよ

そーそーすっごい変化していってたよね。

何、このグループただもんじゃないって

μ'sってのもそうだし、穂乃果の周りにいる人間有能すぎるでしょ

だよね。


海未ちゃんも作詞してたりするとかって言ってたもんね

あー話聞いてたら、昔、小説かいてたの思い出してさー

海未ちゃんにどうしたらいいと思う?

って聞いたらネットでアップして意見聞くのも悪くないですよ、みたいなこと言われたのよ

へーそれで、私小説をアップしたんだ?

結果は?

心折れた

……

…………

誰も意見なかったのかな?

聞かないでよ笑


けど後で海未ちゃんに聞いたら、穂乃果ならきっと、誰も、何もいってくれなくても

どこかで誰かが絶対に絶対に見てくれている。

だから、それを信じていればいいって、諦めちゃだめなんだーって、、信じるんだ-ーって

実際、最初にライブに来たのは一人。でも気になってた人は10倍はいるっていうよ。

まぁ逆算すると6倍か。

こまけーことはいいんだよ笑


ネットだと30倍とかそういう数値だと思いますので、とかなんとかいってたな

だから、やり通すことも大切ですってね

やだ……かっこいいイケメン……ぬれる

笑 それはもういいいって笑


ただ同時に、意見がないのも意見のひとつですので推敲し直すのもいいのかもしれません。とは言ってたな-

沈黙の意見……

参考にならないよね笑

褒めて欲しい人もいれば、批評してほしい人もいますので、色々とその時の判断に身を委ねたほうがいいととかなんとか

んー、たしかに、意見があるほうがわかりやすいけど、難しいよね、貶されるより褒められたいなうちは笑

確かに心折れたけど、何も言われなかったわけじゃないなからね


あと、これは私の考えではありませんが、信じることの信じ方を、はき違えないほうがいいとも……

なんといっていいのかわかりませんが、そういうことをいう方もいましたとかなんとかいってたな


うわーなにそれ笑

絶対、嫌な奴だよそいつオラオラ系の俺様野郎だ笑

いや、ただのネット弁慶じゃない笑

おそらく犯人は10~60代、男か女か、職業は学生か働いているか無職かそれ以外か、そういう人だね。

それあてはまらないほうが難しいでしょ笑

高齢化社会なめんな笑


夢は叶うと信じるか、どうかかぁ。うちらも限界あるのはわかるけどねーそれでもさー

夢を抱きしめたならさー上向いてさー

そーそー夢を叶えるのはうちらの勇気だって

負けないこころで明日へ駆けていこうよ

うちら、めっちゃいいこといってない?笑

いってる笑

今なら天才的なポエムかけそう笑

でもさーこんなこともいってたのよ


信じて頑張っても絶対に夢が叶うとは限らない。

諦めろというわけではないし、信じるちからは素晴らしく得難いものだが、

信じた夢自体を望みつづけるより、他のカタチで受け入れる強さをもつことだ。

信じることが自分を壊しかねない。信じる強さ故に、限界を超えると何かが壊れてしまう。盲信と狂信と自信と確信と。

叶わない夢もあるという現実を受け入れること。現に人類最強を目指しゴリラと戦ったが勝てなかったと。

だが、今は、そのゴリラに勝つ世界自体を新しく作ろうとしているんだ。これは叶う夢だから、今も信じている。と


笑笑笑

ゴリラって人類だっけ笑笑

それ完全にあっちの世界の人と海未ちゃんおともだちになっちゃってるよね笑


あまりの意味不明さに逆に覚えてしまったよ笑

こういう傲慢な自己主張に聞こえる発言すると、うちら引くことわかってるのかなー笑

つーか、あれだよね、新世界の神になるとかって思ってるんじゃない

あーデスノ懐いね

だから小学生の時、デスノートでヒデコの名前いっぱい書いたわ

おい笑笑 で、死因はなんだね

雨で滑ってぬれる ジュン

…………

(こいつ、小学生の頃から……)

そういや穂乃果と同じ名前の子もいっぱいかいたなー

小学生の頃、あの子、嫌いだったんだよねー

あの子、昔はヤンチャだったもんね

濡れ死にしたらあんたのせいだからね笑

そんな濡れ衣を着せられても

中途半端にうまいこというな笑



デスノに名前書くよりノートに書くならポエムか小説だよね

作詞もできる海未ちゃんイケメンだしね……ぬれる

はいレズ

……

生徒会長もイケメンだしね……ぬれ

はいレズ

一年生の真姫ちゃ

はいレズ

こと

はいレズ

G

……

……

そこは何もないのね笑

流行りを貪欲にとりいれて、勝手に乗っかって飽きるまで昇華するのがお笑いよ

そんなあんたのお笑い謎理論は聞いてないから笑

そうすれば、あの時代は、あーだったなーって想い出すのよ

なに、いいはなし風にまとめてるのよ笑



そんなイケメン揃いのアイドルグループがさー、生徒会長入って無敵状態だったでしょ

たしかに、オーラが出てた気がするねー

あーそういやさ、アキバでライブするとかどうとかいう話がずるずる延期してたぐらいからかなー

確かに、あの頃ぐらいから、なーんか、μ'sの活動がおかしかった気はするよね

生徒会長が入っておかしくさせたんじゃないの?

その可能性もあるね

だったら、噂にのぼるんじゃないの?

あーたしかに……生徒会長がどうこうって話はなかったね。おーすげぇぐらいで



今回の穂乃果の件って、けっこう理由わかってるじゃん

別に生徒会長が何かしたって悪い噂もないしね

むしろ、明るくなったとかそんな感じだったでしょ

元々、嫌な生徒会長だったから笑

悪評が一気にいい人にかわる法則だよね

元々、悪いことしてる人間のほうが、いいことしたら、いい人にみえるかー

あれって、なんかずるいよね

悪そうな子が実はナイーブなハートをもってて優しかったで、キュンとときめいちゃうのよ

そんな、お前に 壁ドーン

やだイケメン……

はーーーーーーー

ぬ……
その先は言わせない 机バーン



でも、確かにときめいちゃうよね

だから生徒会長は結構、評判よくなったからさーー

あーそこは問題なさそうかー

ギャップ理論だよねー

ヤンキーが優しい人だったってだけで、すごくいい人に見えちゃう

そーそー優しい人ってか、ちょっとだけ、いいことしたら、すごくいい人ってねーずるいよね

あーじゃ今回は、穂乃果は全く逆じゃない?

そうだよねーだから、うちらもへこんでるんだよねーー

すごくいい子が、裏では結構、ひどいことしてたとか……

確かに……



穂乃果っていい子だと思ってたけど、変わってるじゃん

そうだねー犬っころでへんなこだよね

飼い犬だったけど今は野良犬になっちゃったような

明るい犬だったよね

でさー、そういう、明るいんだけど無邪気な傲慢ってのがあるのかなー

え?何それ?

急にどうした?

国語の時間は、さっき終わったぞ

無邪気な傲慢?

つまりさ、恵まれてるようにみえる人間の言動は、知らず知らずのうちに人を傷つけてるってことよ

んーーわかるようなわからないような



例えば、私がお金なんていらない、って言えばさ

あーあんたはお金持ちかよってなるよね。私は、お金ほしいよって、なるよね。

なんだよ、貧乏人の苦労なめんなって思うかもね

同じように、人間は顔じゃないよ、とか言ってもさ

このコトバを、美人とそうでもない子が言うのでは、全然意味がかわるんだよね

!!!

確かに、、、



美人に、人間顔じゃないからとか言われても、なんか、それは貴方が美人だからでしょ?って思っちゃうかも


だからさー同じ言葉なのに、

言う人によって意味も変わるしさ-

受け取る人によっても意味が変わるんだよねー


穂乃果って人懐っこいってうちらは思ってたけど、人によったら馴れ馴れしいとか

コミュ障なめんな、ぼっちなめんな、とか、お前は明るくていいよね、さぞや、楽しい人生歩んできたんだろうね

って思う人だっているんだよね……

それを言われると何も言えなくなっちゃうね

穂乃果だから許されてったってことがあった気もするし、それが今は真逆に作用している気もするよ

穂乃果だから生徒会長と戦えて、穂乃果だから生徒会長がμ'sに入ったとか……

それで、アキバでのライブの告知してたじゃん。さっきも言ったけどさ



夏前の、あの時のアキバのライブもずるずる延期して、なんか変だったってあれだよね

確かに、あの頃ぐらいから、なーんか、μ'sの活動がおかしかった気はするよね

詳しい内情とかはわかんないけど言われてみればそうだよね、私は夏終わったぐらいからかな

あーミカもそう思った?うちも夏終わってから、なーんかおかしいと思ったわ

あれは完全にメスの顔になってたね

誰がだよ笑



夏に彼氏でもできてたのかな?

いやイケメンなんだし……彼女でしょ……やだぬれた

……

えとさーあのさー、長いこと仲良しだとねー壊れた時ショックでかいよね

ぬれた、につっこんでよスルーしないでよ

いや、さすがに何度目だよ笑

ぬるぬるすぎるだろうがJK笑



まぁ確かに夏終わってからは、三人なんか変な感じだったよね

でも、あの時って、穂乃果が変というか、どちらかというと、海未ちゃんとことりちゃんじゃなかった?

う~~ん。確かにそんな感じだった気もするね

あーでも、穂乃果もその時ぐらいから昼飯どっかいってること多くなかった?

ほんとだ……



夏には確実になんかあったね、んー、夏前からか…………

言われてみれば修学旅行の時もさ、うちらのクラスは仲いいじゃん

だから、班決めとかすんなり決まるはずだったけど、あの時もちょっと微妙だったよね

んーそうだっけ?

そこは、あんまり覚えてないなー

まぁむこういったときも、海で満喫してたからねー

あんだけ、南国の沖縄で、めっちゃ天気よかったらはしゃぐでしょ

だねー、自分らではしゃいで遊ぶので精一杯だから、全然気にしてなかったよ



そうそう沖縄の水着姿の、ことりんちゃんといえば~~~~?

????

…………ぬれろ~~~だよ

あーえとさーあのさー、穂乃果ってさーなんていうのかな

うんうん穂乃果ってさーなんていうのかさー

完全にシカトデス!



たしかに、穂乃果って変な子だったもんねー

元気であれだけ、人懐っこかったけれど、裏があったのかなと思うと少しこわい

そうだね……

裏表あるのはこわいよね

穂乃果は確かにいいこだけどさ、海未ちゃんだってことりちゃんだっていいこだもんね……

なんかつっぱしって、やらかしちゃったって感じはするよね

そうだよね……

変なことしてるって気づかずに、つっぱしっちゃった可能性はあるよね…………

よくわからなくなっちゃったなぁ穂乃果のこと

残念だわ……フミとも喧嘩したりしたけどさー、深刻な喧嘩じゃないじゃん

だねー、あれ、まじケンカっていうか、あの三人組やμ'sはグループ崩壊に近いレベルだよ


ってかちょっとした人間不信になりそうだよね


まぁうちらでも、そう思うぐらいだから、当事者だと、さぞやだろうね……



はーーーだから嫌いじゃないけど、ちょっと関われないなーーうちは

様子見になっちゃうなぁ

逆にイジメがこっちにきても嫌だしね……

たしかに……

イジメられる可能性だってあるもんね

うちらはうちらの絆を守るしかない!


♪だって~可能性感じたんだ~♪


そうだ!


マモレ!笑笑
イジメ!笑

って一人だけちがうよ笑

いやそこはマモレでしょ笑

なんでうちらイジメ推奨してるのよ笑

ぬるぬるだから、マモれてねーんじゃないの笑笑笑

ってあれことりちゃん教室に戻ってた?

……

…………

ことり「……あれー、どうかしたの?ことりがきたら黙って、さっきまで笑い声聞こえてたのに。」

ことり「ことり、なにかしたかな?」

いや、そういうわけじゃ……

……

ことり「……。」


ことり「……もしかして、穂乃果ちゃんのこと?」


!!!?



ことり「……。」


いやーそうだね……ごめんねことりちゃん……うちらもどうしていいかわかんなくてさ……

ことり「ううん。こっちこそ、ごめんね、みんなに迷惑かけちゃって。μ'sのことでも……クラスの仲でも……。」

ううん。別にことりちゃんのせいじゃないよ。

うちらもこんな話題出してごめんね、気分わるいよね

穂乃果がどんな子かわからなくなっちゃってさー、正直どうしていいかと


ことり「……」


ことり「う~~ん、穂乃果ちゃんは悪い子じゃないよ。だから安心してね。」

うん……

でも、三人みてたらさ……ごめんね…………


ことり「そうだね、穂乃果ちゃんは、たぶん本人は悪くないと思ってるんだけど、海未ちゃんとケンカちゃったし……。」

ことり「ことりは事情を知ってるから、海未ちゃんの味方をしてあげたいだけなの。。。」

ことり「だから教室の空気を悪くしてるかもしれないけれど、、、穂乃果ちゃんには、、、あんまり関われないの……。」


そうなんだ……


ことり「ごめんね、みんな。」

…………

……

……


悲しいことだが

今は、穂乃果のいない教室のほうが明るい

楽しげな仲良しクラスメイトの雑談とJKらしい少しの猥談

それを見かけたことり

静まる三人




ことりは相手を見て判断する

言葉を適切に選んでいる

穂乃果と仲の良かった人間に、穂乃果ちゃんは本人自身悪いと思ってないんだけど、ことりは海未ちゃんの味方だからと

穂乃果との仲がそうでもなかった人間には、穂乃果ちゃんはこういうところがあったみたいなんだと

あることないことを含ませながら、少しずつ種を植え、水をやる。いずれ、その水に応じた草が生え、華が咲くだろう。


ことりは新しい戦慄を創造した


この場合の水は、おいしいものかまずいのかどういうものなのか。

甘い水には間違いない。

紅茶にうるさいことりは、

新鮮な茶葉、汲みたての水、気品のあるポット、そして極上のチーズケーキが素敵な時間をくれると。

しかし、種に水をやる甘いその水は、紅茶で飲むには子供に刺激がありすぎる。


相手にあげる甘いことばは


最後に、穂乃果ちゃんはわるいこじゃないからね。

相手が思うのは

ことりちゃんはいいこだね、海未ちゃんかわいそう、穂乃果って最悪だよ


少しずつ嘘を重ねながら、周囲と関係を深める、ことり

穂乃果の孤立はとまらない

海未は、ただただ、関与しない




学校の閉鎖空間での人間関係は中身が濃いと、その一瞬がとても長く感じる。仲がよければよい程に。

そして、その感情の同調圧力に加速がかかる


海未やことり程でもないにしろ、仲がいい事はプラスになる反面

もし、なにかがあった場合、とても大きく逆に作用する

それは、その分だけダメージが衝撃に返る

仲がいい相手と話さなくなるのと、仲がそれほどでもない相手と話さなくなるのでは一目瞭然

決してひとは悪くない、本当にいいこたちなのだが、

別のグループ三人組も躊躇する


状況を変化させてまで、自分を貫き通せない


自分の限界を知っているからだ

でも、穂乃果だけはずっと違った。

最初のファーストライブの時からそうだった。

その想いの強さ、信じる強さ、相手を思いやる強さ、おそらく誰もかてる人間はいないだろう


穂乃果の思いやりは、今や誰にも理解されないままに、それを貫き通している


イジメとは、弱いものいじめからの語源

しかし、本当に弱いのは誰だろう?

本当につよければ、自分より弱いものをいじめるのだろうか?

そう。

弱いものイジメをする人間は弱い

それは、確認行為をしたいのだ

自分が上位存在であり、勝者であるという願望への確認

先にも述べた、皮質欲求、見下しなどの、自己顕示欲を満たしたいがための行為

そうすることで、自分は弱くないと去勢をはる

本当につよければ、本当に自信があれば、他者を攻撃することをしなくても

自分の強さをしることができる。

しかし、弱い人間はそれがわからない


強さとは自分の能力を誇示することで、他者を畏怖させることではない。


また周囲もそのノリに合わせて、悪ノリが度を超える

また、したくない人間も、少し距離をとるぐらいしかできない。

そこまでの強さがある人間は少ない。

では、もしいじめられそうになった場合、弱い人間がとるパターンは?

いじめられても、やり返せない。勝てない。仲間を作れない。

じゃどうすればいいのか?

答えは簡単。

別の標的を見つける、

そうすることで、自分の安全は確保できる。

だから、そうしていきてきた人間はずっとそうする。

そして、いつもそういう行為がどこかでおこなわれる。


自分の弱さを受け入れることが出来ない人間は、決して強くなれない。


ことりは甘さがあった

優柔不断で、相談事も内緒事も多い。

だが、素直に人を尊敬できた。弱さもある程度までは認めることもできた。

穂乃果ちゃんにはかなわないな~。と素直に褒められた。

しかし真の意味では自分の弱さを知りつつ、人に依存もしていた。


だが、今は、穂乃果に勝ちたいという強い欲求を抱える。

女として勝ちたい、人として上位だと教えさせたい。

だから、あれだけ仲がよかったとしても、

海未との関係を、変化させたぐらいから気づきだした

わるいことしても、かったほうが勝ちで得じゃないのかなと。


ことりは、自分の上位を確認したいがために穂乃果への攻撃をやめない


でも、穂乃果の本当の意味での真の強さに気付かない。

何かしらないけれど何故だか、穂乃果が強かったのは知っている。


だけど、その根源的な源が何なのかがわからない。


だから、それを気にせずに延々と攻撃をやめない。

自分自身の納得の行為だけではなく、

穂乃果自身が、ことりに服従を、

ことりが上だと教えさせたいものだけのために。

今は、穂乃果ちゃんはやっぱりしぶといな。と思っていながら


状況を味方にして、攻撃することをやめないだろう。


そうすることが、ことりのほしいものを手に入れる最良の方法なのだから。


海未は教室の現状を知っている

穂乃果が、そういう行為にあいだした現実。

ただ、自分はどちらにも関与がしたくない

周囲の同調圧力に関与はしない。

同時に私自身が穂乃果との関係に問題ができたので、

海未自身の信念のもと、穂乃果に対し何もしないだけ。

しかし、海未は気付かない。

ひとの動きを

μ'sでの活動が本当におかしくなった最初が、ことり。

そのことりがしだした原因のこころの動きが。

嫉妬や自己顕示欲、

海未は潔い美しい人生を送ってきたために、その心がどういうものだかわからない

人と比較することで、幸せなど手に入る訳がない。


その全うすぎる考え故に、他者との比較でしか、幸せを確認できる人がいることを知らない。


幸せそうな他者が、ドロップアウトした時に、手を叩いて喜ぶ人間の姿を知らない。

いや、知っていても嫌悪しかしない。

何故、その手を叩く人間が手を叩くのか、その原因まではわからない。

穂乃果に対してもわからない

何故?言わないの?


穂乃果の真の優しさと慈愛に気付けない。


海未は、穂乃果自身が正直に言ってくれればとさえ、思うが、気付けない。

穂乃果の強さと、海未の真っ直ぐで信念のあるところが、お互いの良いところがズレて理解されている。


ただ、この嫌な行為がなんとか早く終わらないかと、今はそれだけを見ている。


穂乃果はつよい人間だ。

だから、弱いものはいじめない。

そして、同時にいじめる相手の弱さがみえてしまう

つまり、弱いからこそ相手に同調して、それに逆らえず誰かを標的にする

穂乃果はそれが見えてしまっている

だから、どう返せかいいのかわからない

何度も寛容をくりかえす

そして、イジメの行為そのものが、何もなさないものだと知っている

やり返すとしても?誰を?何のために?

子供のころなら無邪気に口喧嘩でも手をだしてもよかったかもしれない

でも、今は?

自分の正当性は確かにない。

ただ、相手がそれに気付いてくれるのを、ただただ信頼して愛情をもって接している

悲しい齟齬

弱い精神をもつものが集団でいじめをして、強い人間がそれに気づきながら相手の弱さを見えて返せない


穂乃果のつよさとは、自分を受け入れる強さにある


どんな状況でも、どんな人でも、どんな時でも、相手を自分を受け入れる。

それが、穂乃果の強さだ。

それが、できる人間は少ない

自分を受け入れられず、他者を攻撃して、自分が優位にたった気分になるものばかり

穂乃果は平凡な能力しかない。

だけど、それを全て受け入れているからこそ、自分の分を完全に知っている。

だから強い。弱い人間のように別の標的を見つけられたとしても、決して、その弱い人間を攻撃したりしない。自分が全て受け入れる。

だが、何事にも限界だけは存在する。


信じるつよさの在り方と、その方法を変化させなければ、いずれは……


穂乃果は、今の状態を、ただただ受け入れる

分断された人間関係は、信頼を取り戻すのに時間がかかる

ことばや心をかわさなければ全てはなれていく


愛情の抱えた状態で離れた方がよっぽどいい

心が離れた状態で側にいるのは、ただの苦悶でしかない


いるけど、いない

物をなくされたり、教科書に落書きをされている

机の上に何かがおいてある

反応ができない

いるけど、いない

それでも、なんとか、なんとか、なんとか、ならないのかな、

何をどうすればいいかの迷いが、生きる方法を示せない


それは、誰にも反応をしなくなっていく穂乃果のうつろな瞳が知っていた


海未と初めて行ったメイドカフェ

あれはいつ頃だったか

ことりが働き初めて一週間もたっていなかったはずだ

ミナリンスキーとも伝説のメイドとも、ふたつ名のない、名無しさん時代


付き合っていることを、知られたくなかった海未

メイドカフェで働いていることを知られたくなかったことり



お互いの内緒があったからなのか

秘密は、心の枷、にも、内緒仲間、にも、共犯関係、にもなるのだろう


よわいものは つよくなれ


つよいものは もっとつよく やさしくなれ


わからないものは ひとをしれ


わるいものは あいをとりもどせ


海未への充分なアプローチ期間の末

ことりのバイト先も最初から把握をすることも忘れない


伝説のメイド姿で華を飾る様は

――――これから始まる伝説への餞か


うつくしいものが みたいんだ

しんじる こわれる

めざめる

きづく



その瞬間 

美しい


全てを把握する




全てを……見通す目……か……


……なるほど





いつも




いつも

君のそばに

いつもいるんだよ

君のすべてを

知ってるよ

その側にいるのは……



……なんてな

ふふ


おそらく誰もいなくなる

それを知りつつセカイは動く

空を見上げた

灰色がかった雲が太陽を遮り一粒の雫

音もなくただ静寂を教える縒り糸

汚れることも大切な証








誰もいなくなった、、、か……


どこかで声は聞こえるものの、

存在の証明には至らない


一度、離れた信用は戻らない

そういうつもりじゃなかったのにな……

伝えることばと伝わることばが違う



どこかに誰かがいる



それだけでも、いいのだろうか

スクールアイドルをして、

誰かを喜ばせる

誰かを笑顔にさせる




そんなことをしていたのが、むかしばなしにおもえてきた




今日もひとりの屋上は寒い


穂乃果「……。」


わざと机がズレた位置

置いていた荷物が、汚されたり、違う場所へ

穂乃果は黙って耐えるしかなかった

いつか今まで通り普通にしていれば、相手もきっと理解してくれる

自分はそうやって人と仲良くなってきたじゃないか!


信じていれば、きっと仲良くなれる


穂乃果は芯が強い子だ

だからぐっと我慢している

表情がころころかわるが、本当に本当に辛い時には顔に出さない

だから周りも効いていないと思い、嫌がらせの穂乃果イジメがエスカレートする

一度こういった状況になると

やり方を変えないと同じ状況が続きズルズルと悪化していく


しかし、穂乃果は人を信じる強さがいつも勝ってしまう


だからこそ、相手が穂乃果に嫌がることをしておきながら


相手と仲良くなれることを信じている

相手が理解してくれるのを待っている

相手のイジメが意味のないことだと気付くのを信じている


けど、違う

周りが欲しいのはそういうことじゃない

穂乃果に屈辱的な目に合わせることで

ダメージを与えたい

へりくだった姿をみたい

もしくは、人と向き合えない姿、卑屈な姿を一度見せて欲しい

そして、効いていないように見えるさまは、余計に行動がエスカレートする


それはことりが望んだことだ


ことりの嫉妬が穂乃果を徐々に弱らせたい

みっともない姿になって彼氏と別れさせたい


そんな人間なんか、ふさわしくない。


私のほうがふさわしい

だから、みっともない、さまを、ぶざまなさまをみせつけて、みせさせて、みくださせて


海未への嫌がらせを巧妙に

あれだけ仲の良かったμ's内でやり続けたことりのことだ

通常の付き合い程度のクラスメイトに何を言おうとも

さほど罪悪感など感じない

それに騙される方がわるいのだ

そして無知のように振る舞う穂乃果の、無邪気な優越感が許せない

恵まれていることに気付いていない

考えてみれば、みんな何かしら恵まれている


決して優越感ではないのに、ただないものからすれば

無邪気な傲慢に映るのだ。

恵まれた恩恵が

穂乃果の明るさが

だから、コワレルさまをみたい

お前もこっちにこい

それをいつもはねのける穂乃果だからこそ、それを壊せた自分が


何かに勝ったような気になれる


やっぱり穂乃果は恵まれている。

そう見える。


能力そのものは平凡にみえるが、輝いていた。


でも、それがない人間からすれば、そのただの日常が死ぬほど羨ましい

そしてその日常を、ただの一度も経験したことがなければ

その日常の世界に自分が入れないのであれば

壊すしかない。

そうすることで、壊せたり、貶めるならば、

無邪気な優越感を振る舞った人間が落ちる様は見ていて楽しい

実際に、言葉にしなかったが

あれだけ、普通の人からみれば何事にも動じなく見える凛とした海未でさえ、あの時は孤立した

痛々しいさまを見るのは、気持ちがよい。


嫉妬故に何をしても、人が堕ちる様が愉快だから。


そう感じる人間はどこかに、いる。

どこかだけではなく、どこにでもいる。

隠れてはいるが、そのフタが外れた時に必ず出てくる

負の匂いや腐臭が漂いだす。

虐げられている弱者が、強者の堕ちる瞬間を追撃する

つよくなろうとしない自覚のないものが、ただただ羨望のマトだったものを貶める


穂乃果の無邪気な明るさ、実はキャラだったんだよねー。そんな声も聞こえる。


穂乃果は、他人に視線を配ることをやめだす

ただ自分がそこにいるだけの内面の世界に完全に入りだした

ここに私の居場所はない

だから今の時間や場所は過ぎる為を待つ時間だと


目線を合わせられないのが怖くて、目を合わせない


そうすることで、その方向に悪化した

でも、目線を合わせない理由が、

三人のμ'sの人間関係を壊したものだとすれば、事実だ。

それに言い訳できない


穂乃果「……。」


穂乃果は肉体的な痛みより、精神的な苦痛のほうが遥かにつらい

ことばがなく沈黙のことば

学校とは裏腹に、俺と会う時間が楽しみに変わり

この俺と会う時間だけが、人としての優しさを抱ける



唯一の時間になった


―――

最後の願掛けか

――いや、最初の願掛けか

――――近くに喧騒が巻き起こる。

有名なスクールアイドルも祈願にきていたようだ。


悠々と威風堂々たる振る舞いは、戦うまえから誰が王者で、誰が勝者かおしえてくれる


家族は穂乃果に優しい

だけど海未やことりが来なくなった理由なんて話せない


だって穂乃果が、海未ちゃんの彼氏をとったんだもん

嫌われたってしかたないよ


自分のまっすぐな生き方と、それを言い訳せずに生きてこれた穂乃果

その穂乃果にとって、今の彼氏という俺の存在は後ろめたいものだった


簡単に要約すれば

穂乃果が海未ちゃんの彼氏をとった

だから、二人に嫌われた

それで仲良くしたいなんて言えない



それだけだ

家族にも

彼氏をとったなんて説明できない

結果的に惹かれた。

自分の行動に疚しさが募るのは仕方がない




二人を裏切り

同級生を騙し続け

家族にも嘘をついた


そう考える穂乃果の明るい居場所は、元のμ'sにも学校にも家族にもなくなった


穂乃果「くぅ~~ん……。」


わん……わんわん…………

犬っころのように、体をなすりつけて甘えてくる穂乃果

言葉よりも優しい眼差しや、撫でられることのほうが百倍嬉しかったのかもしれない

穂乃果は友人のことも、家族のことも、ましてやμ'sのことを言わなくなった

誰よりも相手を想い、信じ続けてきたからこそ、

もうこれ以上は、何も変化を自らでは生み出せないのを知ってしまった

その暗い眼差しが俺と会う時間だけ、仄かに輝きを取り戻す。

おそらく穂乃果の居場所は俺以外には、もうないだろう


穂乃果ファイトだよ

いつものように

穂乃果も、小さく言い返す

そんな少しのやりとりで満足する


穂乃果「穂乃果はもう君しかいないんだよ……もう君以外、信じられないんだよ……。」

穂乃果「海未ちゃんもことりちゃんも失った。μ'sの居場所もなくなった……。」

穂乃果「もう、何もないんだよ……学校にも家族にも。」

穂乃果「本当のことを言える人なんて、君以外どこにもいないんだ……ゎん……くぅーん。」


穂乃果だいじょうぶだよ。

きっと二人は穂乃果の元へかえってくるよ。

μ'sの元へ


人は信じるに値するもんだ。


そうだろ?

君はずっとそうだったじゃないか。

君は人を愛せる強い女の子さ




もう一度ファイトだよ。

優しい声を聞いた穂乃果が、




声を聞かれたくなさそうにむせび泣いていた。


▼~穂乃果を選んだ理由とその方法、生命より上位の価値観、穂乃果に現実を突きつける、ことりに与えた欲求とは~▼

▼~▲ 幕間 終幕へ向けて最後の恋文


何故、穂乃果を選んだのか?

それは、強いからだ。

信じる強さ、受け入れる強さ、認める強さ。

能力の高さとは全く、別種の強さ。

能力が高いから、強いのではない。

能力が低くても、それらを受け入れる強さが穂乃果にはある。


俺は真っ向勝負をする。

俺は弱いものイジメはしない。

するのなら自分よりも強いものだけに、挑む。

だが俺の本来のやりかたでは、戦いかたでは、穂乃果の心を壊せない。


だから、今回は、最高に卑劣で最低で卑怯な弱いヒトのやり方をとる。

それを、知りつつ、そのやり方で、この世の現実の方法を突きつける。

また、この方法が、いかに真っ直ぐに生きている人間に有効か、ということだ。

その現実、このやり方をとる人間がいる事実を知る。

強さには色々とあるが、どんな強さでも、ことりのような生き方でも一定を超えれば美学になる。だが、もっと


ヒトには、強くなってもらいたい。穂乃果も、ことりも、海未も。他のμ'sも音ノ木坂もそれ以外の全てにも。


自分の弱さを認められる、その強さを。

穂乃果の強さは、自分や他者の能力をキチンと把握できる強さ。

小さな価値基準で、他者と比較して優位に立ったと思い込まない。

負ければ、素直に負けを認め、頑張ろうとする。

それを、嫉妬して、妬んで、嫉んで、憎んで、僻んで、恨み辛みで、怨みで、貶めようとルサンチマンを抱えない。

そして、その勝者に素直に憧れ、自分もそうなろうとする。

そうなれないなら、それを受け入れる。その現実を認める。


負けを認めて、強くあろうとする。


自分のちっぽけな価値基準やものさしで相手を判断し、勝手に見下し、勝ったと思い込む。

そういう人間の如何に多いことか。

そうではない、自分が勝っている、その部分より、

むしろ、相手に敬意の念を払える部分(負けている部分)を見つけ、その部分を見ならえばいい。

どこかに、きっと見つかる。

また、本当にどうしようもない人間もいるものだが、それなら、何故そうなったのか?

それを考え、反面教師にすればいい。

そして、そのどうしようもない人間すらも、受け入れられる寛容性のある器の大きい人間になる。


穂乃果の器のでかさは、おそらく誰も勝てないほど大きいものだ。

相手の小さな嫌な所を、嫌がって相手を拒否するよりも、そこを許容できるでかさを身に付ける。

他者を、味方を、烏合の衆を引き連れて、数で勝ったと浅はかな判断しかできないものばかり。


確かに、数は強い。政治は数だ。

しかし、数に負けず己の信念を貫ける価値観があるか?

死を覚悟した時に、それを貫ける価値観があるか?


穂乃果にはある。


質問をした。


穂乃果とμ'sのどちらを選ぶか?


この質問は、他者と自己を、どちらを選べるか。そういう質問であり選択だ。

穂乃果自身に選ばせた。

逆説的にいえば、自己犠牲のできない人間であれば、心を壊す意味も必要も全くない。

また、そこまでの負荷限界には耐え忍ばない。

だが穂乃果は違う。

だからこそ俺も遠慮はしない。徹底的にやる。うつくしいもののために。

理想の美学のためでもある。


また精神成熟すればするほど、他者を想いやるようになる。

そして、女であれば、その時期が必ずくる。

そう、出産による、我が子への愛情だ。

出産、子育て、このふたつで、我が子を自分よりも優先させる感情、それが一番つよい時期が存在する。

しかし、この成熟が形成されなければ、母になり子を産もうと、自己を優先させてしまう。

穂乃果は、今この状態で、母にもならず、その質問をされても自己犠牲を貫ける価値観が存在する。


精神の成熟は言動を変化させ、最も成熟すれば、その人間にしかない立ち振舞となる。


つまり、よわいにんげんの優しさと、つよいにんげんの優しさでは種類も違うし、全く変わってしまう。

得てして、あまりに離れすぎる優しさは理解ができなくなってしまうのだ。

教室で孤立する穂乃果のように。


また子育ての最初は、全て寛容する母性から愛情を覚え、そして厳しさの伴う父性へと変化させる。


他のμ'sでは、命を賭した我が子への愛情、母のように、そこまでの成熟に至る人間はいない。

まだまだ自己形成の方が必要な時期だからだ。

もしかすると、今でも希だけは、本当に仲の良い人間の少数だけになら自己犠牲を出来るかもしれない。

だが穂乃果はそれだけにとどまらない。ヒトに対しても、自己よりμ'sだけでなく他者を優先させる可能性が高い。

ヒトに対しての希望を持っている。

決して諦めない。絶望しない。だから、その愛するヒトの為に守るモノの為に、自己犠牲も厭わない。


だから、穂乃果とμ'sのどちらを選ぶか?

その質問の穂乃果の答えに、最大限の礼儀を払い、最大限の最低な方法で、穂乃果に試みる。

それが、今のヒトの世の現実だから。その方法を突きつける。


つまり自己の生命を賭してまで、貫く価値観があるか否かだ。


ただ生き延びるための命ではなく、大切なモノを貫くために命を賭けられるか。


大和魂や武士道、そういった言葉で語られたこともあるだろう。

穂乃果は愛するモノの為に、それを守る為に、命を張れる人間だ。

だから、実は内面はとても、美しく、誇り高く、気高い。そして、かわいい程度のちょっとしたずる賢さを併せ持つ

全く、それを思わせもしない表面上の穂乃果は本当に素敵だ。


だが、その美しい価値観は、今生ではいとも簡単に潰すことができる。

いや、穂乃果は簡単ではない。

だからこそ時間と計画を練り、遂行しようとしている。

そのアプローチと変化の過程を描いてきた。


ことりが、ことりが最たる確信犯で、穂乃果はしなやかにスタイルを突き通せない

生き方の美学を貫く人間は、どんな生き方であれ、実はうつくしい。

だが、それも精神成熟により、大いなる差がでてくる。


ことりの生き方こそが、現実の解法なのだと、狡猾に教える。

穂乃果の生き方は、楽園の解放を望んでいるだけの、無邪気なものだと。

海未は、楽園にも戻れず、ことりにもなれず、ただドアが開放されるものと待つばかり。


しかし、それに気付くにはどんなドアでも入ることだ。

だが、ドアが開くものと待ちながら期待する人間には、ことりが、会報で別のドアへと導くだろう。

その導き、ことりの介抱はとても甘く優しくて蕩けそうなぐらい、危険だ。


ことりの嫉妬、だが正確にいえば、これは違う。

それだけではないからだ。動物の哺乳類であれば嫉妬という感情は存在する。

だが、ヒトにはそれプラス、見下し、自己顕示欲、といった罪深い欲求が存在する。カインの嘆き。


聖書に、アダムとイブが蛇から善悪の知識の木の実を食べるように唆された話がある。

そして、食べた二人は、楽園を追われ、裸を恥と感じ、服を着るようになった。

どういうことか?これは、蛇の快楽を支配する脳幹からの囁きが、恥と感じさせる大脳新皮質のある部位を形成させた。

これが、動物の哺乳類とヒトとの大きな違い。

恥とは名誉がなくなった状態。つまり、対等ではない。見下されたと感じる状態。

マウントやその上位存在をしらしめる以外に、ヒトは他者の視線を感じるものだ。

それを無意識のうちに常に自己が抱えるようになってしまう。

それを抱えるようにさせたのが脳の、ヒトの未発達な大脳新皮質。そして、その欲求。ことりに与えた欲求。


その皮質欲求こそが、知識を尊び、芸術や音楽や物語を楽しむ至福の面もあり、また

ヒトの争いを、単純なものにしていない、それそのもの。その解決策も実は、聖書にあるが、ここでは割愛する。


ことりは、ハナガサイタヨ。ハナガ。その華は、とても象徴主義的で退廃的で美しい、官能的な禁断の果詩ツを咲かせた


音ノ木坂という利他で形成される集団。ことりという、利己的な遺伝子。

利他集団に利己的な存在が混じれば、徐々に利己集団へと変貌する。いずれ音ノ木も、ことりがそうさせていくだろう。

また逆に、利己的集団に利他的な存在が混じれば、とたんに食いつぶされてしまう。変貌していく教室にいる穂乃果。


楽園にいた穂乃果、蛇の俺の囁きににより果実を食べ追放された、ことり。

そして、楽園から追い出されたヒトはヒトのやりかたで、楽園への方法を模索する。

一つだけ言わせて貰えば、現代では聖書の読み方がわかっていない。あれは最高の比喩と脳科学の話でもあるからだ。

しかし、これ以上は狂気を更に含むので……この詳細はいずれ別のカタチで機会があれば。計画は続くのだ。


ひとりよがりなプロット(構想)はかいほうに向かいながら

こたえに辿り着くのか教えてくれるだろう……さぁもう一度計画のおさらいだ。


穂乃果の楽園の解放か、ことりの今生の解法なのか、そのどちらが美しいかは、いずれ答えが応えてくれるだろう。

▲~以上~▲幕間狂言▲


狂気をはらんだ思考を他者へと、伝播させるのは、電波とおもわれるだけ。

穂乃果も戦うように、俺も、ことりも、海未も、それぞれの身の丈に応じた周波数の戦いがある。

その自らの価値観に準じて、命よりも大切なモノをつらぬくとき、何かが何かが、また、見えるのかもしれない。


穂乃果「……。」


学校での穂乃果は、何も感じたくない日々を過ごす

視界に入る全てが、今いる時間の全てが無駄で無意味に思えた

そして、他者からの嫌がらせに近い苦痛を感じない為に心を閉ざした

何も見えない、何も感じない、

だから、今起こっていることは現実じゃない

今の自分は自分じゃない

自分を[物体]として扱っているから、自分は平気だ

もしかしたら、突然[ダンボールの箱]に入ってしまったのかもしれない

その高校生の[穂乃果]にもダンボールを食べることを教えればいいのだろうか。

だが[穂乃果]は出てこない。海にいくしかないのだろうか。


[穂乃果]「……。」


いじめられ、[心を遮断したものにしかわからない理屈の世界]に入っていた


穂乃果「……。」


視線が合う、目を逸らさせる、それを苦痛だ、辛いと感じずに

自分が悪かったから、いや、今の自分は自分じゃないからだ。

だからこそ、傷ついているはずだけど傷ついていない


言い訳をして、心の通り道を歪ませることで痛みを和らげる


体の痛みより心の痛みの方が痛く感じる穂乃果だ。

痣が出来ようとも、足を引っ掛けられようとも、肉体の痛みは、生きている確認

でも、こころだけは、痛さをごまかせない。だから歪みをつくろうとする。


まっすぐに生きていた穂乃果だからこそ

その歪みは初めてのことだが、痛みを反らせる唯一の道だった

穂乃果の学校は、時間が過ぎるための場所でしかなくなった


俺と会うわずかな時間だけが最後の救いになる


いつも最後にすすり泣く声がきこえ、そっと優しく背中を撫でる。手を握れば、それが精一杯の想いか、

かわいい手でギュッと握り返してくる


「卒業式の日に、伝説の桜の樹の下で、告白して成立したカップルは永遠に幸せになる」
と言う都市伝説がある「音ノ木坂学院」『~forever with you~』『れんあいげぇむ』?
伝説は後から知るより、そのとき見るものだなう。そして、見てしまえば語り継げるものだ。即ふぁぼ。
その伝説が、伝説になる前の真価を見抜く目が、物語を饒舌にさせ、後世まで語らせるのだろう。
現代の語り部か生き証人になれるのかもしれないと。有名作家の稗田阿礼が教えてくれた。


頃合いだ



ことりにもう一度逢うことにした

久しぶりのことりだ。

少し大人びたような気もした

子供っぽさと甘ったるさの同居したことりだが、

黙っていれば大人っぽい色気がある

少し様子を伺ってもいるが

会おうという気になっただけでも

まだ会いたい想いを持っていると見ていいだろう


梅桃桜散ル季節ハルウララ
ボクノ心ウラウララ大和魂
死ヌココト見ツケタリ武士道トハ
再生サセ鎮メサセ葉隠ヲカイジセヨ
ソープ魂ノ円周率デ無視トモノガタリ


連絡さえ取れず

なら、既に終わったものだから

ことりは、女として、自分が手に入れたいものの為には


同姓を突き落とすことに躊躇がなくなった


海未を貶め、μ'sを騙し

穂乃果を貶め、クラスメイトを騙し

自分が得られなかったものを、手にした人間を蹴落とすこと


それは当たり前だと女の欲望が渦巻き、その仕組がこの世なら、そこにうまくのるだけだと諦観した


僕は桜が美しいと思うのは最も美しい時に散るからなんだ
僕はきれいなものがきれいなままでちるからきれいだとおもうんだ
僕はコキを整えこれがゲームなら最後の選択肢をする場面なんだ。
僕はえずくように1を選べばいいのか2を選べばいいのか。
僕は手もあしも教えて下さい最後の審判です。


ことり「久しぶりだね、ことりも少し大人っぽくなったって、最近よく言われるんだぁ。」


自分があの時よりも更に成長した事を言いたいのだろうか

一端、手放せば、それを手にしていない以上、お互いに欲しくなるということか

たしかに可愛いというよりかは美しくなったように見える


ことり「どーしたのかな?急に?……でも、ことりちょっぴり嬉しかったんだぁ。」


焦らしている。

すぐにはなびかないよというアピールもしているようで、こちらからの声を待っている

声をかけてもう一度と言えば、すぐにでも戻るだろう


だが、その前に……ヒトのサガをやめ、アゲつづけたとしても

今までの遊びと必然と真理が理解されずとも……



ことり「最近、お天気悪くて嫌なの。anotherなら晴れなの?ifなら雪?」



一度だけ立ち止まるのは

えいえんのうつくしさ たもつため

そこでおわるのもわるくないのかもしれない


いちかにか、いちかばちか、ひふみ、よいむなや、こともちろらね、しきる、ゆゐつわぬ


ことり「……で、話ってなにかなー?」




だから見届けてほしい

桜が

最も美しい瞬間






「実は、穂乃果のことなんだが……。」






次に走り出せば、絶対に絶対に最後までとまらない


――――――――最後ぐらいは俺のワガママに、ずっと付き合えよ


さあゲームの始まりです
愚鈍なボク
ボクを進めてみたまえ
ボクは詩が愉快でたまらない
人の詩が見たくて見たくてしょうがない
美しい偶像には詩の感動を
積年の大恩に最高の栄冠を


SHOOLL[333]IDOL IKILU

学校狂詩の咲木馬鹿


夢で見たのはみんなの笑顔

その最初に笑いかけてくれたのは

君の笑顔

だから笑ってくれないか


ことり「…………アキハバラは世界線が変動することもあるんだって、お客さんが~~………。」


輝く瞳は明日を信じていた

強い意思をもち、明日が必ずくると、信じるつよさをもった

その、まけないこころ、こそが

明日を信じていた


ことり「……だから、よくわからないし、ことりは世界線よりも世界遺産が見た~~………。」


その、チカラの原動力

信じるちから

こころ

それにもつ者同士に出会えたこと

それそのものが


俺達が、ここで出会った奇跡


その奇跡のチカラは


ことり「…………お友達に救世主がいるって~~………ことりも、新世界の神が近くに~~…………。」


恥ずかしくて人と馴染めない少女ともすぐにうちとけ

臆病だった人間に勇気を与え

その背中を押す支えを見守り


ことり「………………そういえば、脳の海馬が記憶の貯金箱だって言ってたんだけど~~…………。」


頑なに閉ざしたこころを溶かし

その変化に感謝をさせ

人を状況を全て一変させてきた本物のチカラ


奇跡


ことり「……μ'sも女神さまだよ、そのお母さんは記憶の神様なのって~~…………オレリンが~~……。」


人を動かし、逆境、完敗からのスタートをものともせず

時には、天候を操り、王者に怯まず、真っ向勝負を挑み

それでいて常に奢らず

感謝

応援、エール

それを忘れない


ことり「……電極ぶっ刺し~~…………とかって、さすなら、体にきもちいい場所の方がいいと思うのに、ね?」


勇気をもった少女!


君の魅力をずっと語ってきた気がする

君の笑顔をずっと見てきた気がする

君の暖かさを感じていた気がする

君の強さを教えてもらった気がする












人を信じる奇跡のチカラ












もう一度だけ、みせてくれないか?


――

――――

――――――――

――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――






真姫「な~に、久しぶりに連絡してきたと思ったら……。」

真姫「ン…わかったわ、了解…。」

絵里「そうね、それが私もいいと思うわ。」

花陽「はい……わかりました。でも、本当にそれでいいのかな……。」

凛「わかったよ。でも、もし急に合同訓練が入ったらごめんね。」

にこ「そうね。にこにーがはっきりいってあげようじゃない。」

希「カードがうちに言うたんよ。うちがするべきことは……」






凛「穂乃~~果ちゃん!」


あどけない凛が今までと同じように声をかける。

μ'sが活動がほぼバラバラになり、凛ですら噂は知っていた。

あれだけ仲のよかった三人組の噂を。

穂乃果ちゃんは嫌いじゃない。


いやすっごく大好きだ。


そんな噂!嘘だ!信じられない!

なんで?なんで、そんなこというの?

穂乃果ちゃんがそんなことするわけないよ?

と思いつつ

海未ちゃんやことりちゃんも大好きだった。


だから、誰を信じていいのかわからない。

下手に何かをして、仲が悪くなりだした頃のμ'sにはなりたくなかった

それ以上に、途中参加しだした陸上部が忙しくなった。

何故、今まで運動部に入らなかったんだと、部活のコーチからは散々言われ、

それを取り戻すかのように部活に充実した日々を送っていたからだ。


花陽も似たようなものだった。

ただ花陽はそのままアイドル部に在籍して活動を続けていた。

昔のにこと境遇は似ていたのかもしれない。

だから、そのにこと同じく志の高さだけは受け継いでいた。

花陽はなんとか三人の仲を取り戻したいとも思いつつも

自分が出来る限界を知っていた。


にこに関して言えば、一度、人間関係でつまずいた事をしっている人間だけに強い。

一度その方向に歯車が傾きだしたら、そうとうな意思をもっても

個人の力ではどうしようもなくなってしまうのを体験してきた。

だから、その意思を閉ざした人間に対してまで、エールはもう送れなかった


でも、だからこそ、あの穂乃果だからこそ!


できることがあるのかもしれないと!


凛と花陽は手短に

この日開いてるかな?

とだけ聞いてきた。

今の穂乃果に特に埋め合わせるような忙しい日はもうない。

じゃあ久しぶりにお出かけして、話そうよ。とだけ。

穂乃果は嬉しかった

久しぶりに光がより戻った気がした

人と話した気がした




まだ、そうやって思ってくれている人がいる

それだけで嬉しかった


たった、それだけの事がこんなにも有難いと思わなかった


気付けば、心が暖かく

涙がじんわりと出ている

急いで顔を拭った


また教室に戻れば、シーンとそのまま擬音の静寂に

私がいるけどいないのが、当たり前になった風景に戻る

さっきの気持ちを、思い出せば思い出すほど泣きそうになった

急に涙を出す痛い子とも思われたくないので

また心をなくしたように自分がそこにいない、何もみない、感じない

うつろな目に戻る


ただ、ただやり過ごす日々

心が麻痺しすぎて何も感じない

今日のお昼も屋上飯


[穂乃果]「……。」


教室で、誰と誰が食べているのかももうわからない

ことりと海未が食べているのかもわからない

でも、また心を通わせられる人に会えるかもしれない

それが希望だった

μ'sで活動しなおせるかもしれない

あの居場所が戻るかもしれない

かけがえのないあの場所が


空を見上げながら、まばらな雲を見つめていた


あまりにダメージが大きすぎることを受け取った穂乃果は

積極的に自分から他人に関与できない

むしろ、関与してきたからおかしくなった

だから、今までと違うやり方をしている

今回も正しくないのかもしれない

けれども、もうこれ以上、自分が手を出して悪化するのが怖かった

ただ緩やかに日常が壊れていく

いや、爛れた心になりきっていた


一度輝きを失った瞳を取り戻すのに、どれほどの力を必要とするのだろう


約束の日がきた


久しぶりに心がはなやぐ

いままでは穂乃果にとって同姓とはしゃがない日がなかったぐらいだ

それが、あれだけ最高の友人に恵まれたμ'sであんなことになった

学校でもそうなった

だから、それをつないでくれる存在が嬉しかった


まずはアキバのアイドルショップ



花陽「やっぱりA-RISEはすごいですね。」

花陽「もうμ'sの人気もなくなっちゃったのかな……。」

穂乃果「……ぇ、あはは、やっぱりUTXの人たちはすごかったんだね。」

花陽「はい。いまも人気も実力も健在です。」


アイドルショップには、μ'sのグッズはもうほとんど置いていなかった。

アイドルの人気や、人の心はうつろうものなのだろうか


続いてゲームセンターに、にこがいた



にこ「ほ~ら穂乃果、これで勝負よ!リベンジよ!」

にこ「ふふーん。どう?継続は力なり~ってね。」

穂乃果「すごいな、にこちゃん、いつのまに、こんな……。」


息を切らせながら、自分の体力が落ちたことと

にこの努力が実を結んでいることを実感した


にこはμ'sでなくとも決して諦めない

ひとりでも諦めない

それは、どこにいたって何をしていても貫いてきた矢澤の生き方だ


「ハラショー!!」



絵里がボウリング場で参加する



穂乃果「ぅ絵里ちゃん、何やってもうまくいくんだもんな。」

絵里「なーに言ってるの穂乃果。それは今までの積み重ねがあったからよ。」

絵里「結果が結びつかなったけど私はバレエに感謝している。」

絵里「今のスクールアイドルにもよっ♪」パチッ


ウィンクをして決める絵里が恰好いい

過去があって今の自分がある


その過去が失敗したとしても、今の自分を導けばそれで結果は得られるのかな


美術館で真姫が合流



真姫「ほ~らみんな、美術館ではお静かに!」

真姫「こういった芸術は、何百年もその価値があると感じた人たちによって残されてきたの。」

真姫「だから、大切にしたいって思う気持ちは、時代を超えても伝わるんだわ。」


絵画を目の前にして、誰かに語りかけるように静かに話す真姫


穂乃果「……。」


雷門



希「この煙を体の悪いところに当てればええんよ。」

希「にこっちは胸で?凛ちゃんは頭?ふふ?」

希「あれ?穂乃果ちゃんも、胸が欲しかったん?」



穂乃果は胸が欲しかったのではない

心が痛かった

今まで、こんな大切なμ'sがバラバラになってしまってたのだろうって

今まであまりに人と触れ合わなすぎた時間が長すぎて

みんなといるのに、笑顔がきれいに笑えない


花やしき



凛「体を動かすのって楽しいなー。」

凛「凛も陸上部で、いっぱいシゴかれてるよー。」

凛「なんで、今まで運動部入らなかったんだーって怒られちゃった。」

凛「嫌なことあると、体動かしたり、泣いたり笑ったりすると元気になるんだよ。」

凛「久しぶりにみんなと一緒でテンション上がるにゃーーー!!」



素直に泣いたり笑ったり、感情の出口をどこかに吐き出したほうがいいのかもしれない

今までそれをどこにも出せずに内に内に、ためこんでばかりだった


一年生と三年生と穂乃果の七人が揃い

最後に辿り着いたのは









海だった











うつくしい ゆうやけの きれいなうみだった


はしゃぐみんな

海、海をみつめる

少しだけ、外れただけなのに、みんなとうまくはしゃげない穂乃果

海、海をみつめる

学校の教室、本当の実情を知っている人間は、誰もいなかったからかもしれない

海、赤い夕焼けに照らされてキラキラ光る海が美しい

ただ噂だけは流れていた

海、なぜだか全員が泣いた、そんなありえない記憶がデジャブする

あのスクールアイドルの子がμ'sの仲を引き裂いた

海、はしゃぐみんなをみつめる穂乃果

そうではないのを知りつつ

海、海をみつめる。何故か、苦い水が目に浮かぶ

噂は好き勝手に流れるものだ

海、海をみつめる

みんな、そうではないとわかっていながらも

海、海をみつめる。

μ'sがバラバラになった事実は否定できなかったから


海で穂乃果はみんなといて

心がやさしくなった

みんなと出会って、

その思い出が溢れだしていた
















美しい 夕焼けの海が 何かを待っている

声、声をきかせて 風の音が そう囁くように吹き抜けた


うつくしい ゆうやけ うみ

なみおと きこえてくるのか

えいえんのうつくしさ たもつため ここで おわろうとしているのだろうか

なみが うみが こたえを しっている 

とりが よんだ かぜ が ふけば なみはできるだろう

えいえんのうつくしさ たもつため ここで おわろうとしている

おと きこえてくるのだろうか ひびく やまびこ だけが しっている


眩いばかりに、何故か懐かしい光景

郷愁、、、

目を細めると


みたいものがみえる

しりたいものがわかる


そう感じさせる


あたたかい ひかり

こころ すべて 癒やされていきそうな

ひかり かんじた










突風が駆け抜ける

かぜ  なみ  こだま が ひびきあう










しかし、それは一瞬、ほんの刹那の出来事、その後




――――――――――

            静寂が訪れた

              ――――――――――




静かな世界



優しい世界


hi.

それを感じた

less

少しのほんのすこしの

それは、みんなそうだっただろう。

キラキラと光る眩しい夕焼けに映える海がとても悲しくて切ない

だけど

穂乃果はもう一度みんなとこんな時間を過ごせるなんて

夢のように感じていた

そう

失ったものが蘇ったのだ

この一日で

なぜ私はこんな大切な人たちと、大事なトキを過ごせなかったのだろうか

今更ながらに自分のこころが、おかしかったことに気付かされる

周りを見えなくしていたことに気付かされる

遮断していた心の澱が浄化されていく

濾過したものが目尻から

浄水のような涙でそうになる

熱い頬を

なんとかせき止めようとする

その打ち震えるような熱さが、全身に響き渡る

こんな、まけない、ちから、が、こころが、あったじゃないか

自分は、このみんなとならやれる!


ラブライブにだって優勝できる!!


そうだ!


ススメ!!!!!


にこ「みんな!ここに並びなさい!穂乃果もこっち来て!」




にこが仕切る。


ここぞという時の矢澤にこの気迫と強さは否めない。


にこは孤独に強い

だが、だからこそ一人の辛さも知っている。


みんな、泣きそうな顔をしている

思い出している

出会い、そして変化できた自分

あれほど楽しかった時間を頑張ってきた時間を

ケンカした時間を仲良く過ごした時間を

全ての想いとともに

穂乃果はやり直せるんだ。

今度こそ!



今度こそ私が周りをみて頑張らなくっちゃ!!!!!


にこ「言うわよ……。」


にこ「すぅ~ーーー。」




にこ「私達、μ'sは、ここで、せーのぉっ














穂乃果の期待は穂乃果が他者への想いと

自分の周りが見えなくなっていたことを、改めて思い知らされる

相手が何を考えてここに来ていたのか

それを見誤っていたことを






一年生「、、、μ'sはおしまいにします!!!」
三年生「、、、μ'sはおしまいにします!!!」


夕焼けの美しさは

いくら輝いても、その輝きは沈むためのもので

その別れのセツナを最後に知らせてくれる

これからのためではなく最後の輝きだと


穂乃果は刹那に何も考えられなくなった

脳の回路が一瞬途切れた感覚だと言えばいいのだろうか

今日のみんなと集まったのが、ぬか喜び

真逆の想いの為にみんなは集まってくれた




そりゃ、、、そうだ……

今まで何もしてなかったのにまた急に活動なんておかしすぎる

そんなことすら都合のいい解釈をしていた自分

もう時間だって残り僅か、何ができる

予選だってなにもしていないじゃないか

ただ楽しく、みんなが集まれるものとだけ考えていた


あの時間は、永遠に僕らだけのものだと

ずっと青春がきこえていたはずなのにと


私を支える頼みの綱がなくなっていくのを感じる

今日のみんなはμ'sのケジメの為に集まってくれたのだ


そんなことに今のいままで気付けなかった

でも頭がクラクラしすぎて見えるのに周りが見えていない


にこ「ほら、海未、ことり、キッチリとケジメつけてあげたわ。」

海未「これが、これからの皆の為、μ'sであった私達のためだと思います。」

真姫「そうね、いずれこうなるんじゃないかって思ってたけど

真姫「最後にキッチリとケジメをつけるなんて穂乃果らしいかもしれないわね。」

希「穂乃果ちゃんに始まり、穂乃果ちゃんに終わるか……。」



にこの一声を待つかのように、海で二年生組の最後の二人が合流した。



μ'sはおしまいにする

違う、私はそんなこと思ってない

穂乃果じゃない。

けど、それが。。。みんなのため……

私が初めた?のかもしれない。けど終わる??え?終わらせた?

だったら私がすることは周りをおかしくしちゃうの……

あ……あ……わからない








絵里「これは、いいキッカケよ。最後にみんなと仲良く終われてよかったと思うわ。」

ことり「えへ、ことりもこれが一番いいと思うの。」



違うよ、絵里ちゃん

穂乃果は一緒に、絵里ちゃんとまだ一緒にいたいよ!


花陽「穂乃果ちゃんと一緒にいられてよかったよ。いっぱい自分が変われた気がするから。」

凛「凛も、はしゃげたり変われた気がして楽しかったよ。穂乃果ちゃん今までいっぱりありがとう。」




はは……そうだよね……

みんな、そういえば進路のことや部活のこと、話してたもんね

私、今日の話で何をみんなと理解しようとしていたんだろう……

全然、気付けていなかった……


ことり「今日はみんな穂乃果ちゃんの為に集まってくれてありがとう!」

にこ「なに、言ってるのよ水臭い!それにμ'sのためでもあったでしょ。」

ことり「えへーごめんね。」




ことりちゃん、何いってるのかわからないよ。

私の為?

私のためならμ'sを活動続けるんじゃないの?

よくわからない……

頭で考えるが口に出てこない

ただ、何も見えていなかった自分と、周囲が明るくお別れするムードに水をさせない

こんな雰囲気でμ'sの活動が続けられるわけがない


海未「みなさん、それぞれの活動にお忙しい中、穂乃果の為にわざわざお集まり頂きありがとうございました。」

真姫「ま、忙しい私はともかくとして、そうじゃない人もいるんじゃない。」

にこ「あんたねー誰のこと言ってんの。」

希「部室によーさんDVD溜まっていってるみたいやね。」

花陽「はい。他のアイドルの研究に力が入ります。」

凛「かよちんと一緒に凛もたまに見てるよ。」

にこ「ふふーん。」

真姫「そこは、鼻高くするところじゃないでしょ。」




海未ちゃんまで穂乃果の為と言った……

あは……


海未「あとの私達は、今しばらく話したいこともありますので、ここでお別れを。」

絵里「そう、じゃお互い頑張りましょ。」

にこ「にこにーのこれからの活躍を見てなさい!」

希「それもええけど、にこっちはまずは受験勉強頑張ろうな!」

真姫「にこちゃんの勉強なら、たまには私が教えてあげてもいいわよ。」

にこ「ぐぐぐ、、あんたねー何年生だと思ってるのよ。」

凛「にこちゃんはにこちゃんの良さがあるよー凛は運動と陸上があるしー。」

花陽「そうですね、にこちゃん。受験とアイドル活動のふたつを並行しながら、最後まで部室で頑張りましょう。」


にこ「じゃ!私達は先に帰ってるわよ!あんまり暗くならないうちに帰りなさいよ!じゃあね!」


穂乃果は声がでない

楽しげに会話する中に入れない

状況だけが進むけれど何を言えばいいのかわからなかった

挙句に海未ちゃんとことりちゃんまでやってきた。

本来なら嬉しいはずなのに、、、





海未「穂乃果……。」


何も答えられない。

二人がいるだけで暖かった関係が嘘のように寒々しい


海未「ことりから全て聞きました……。」


ことりちゃんから?何を?

ことりちゃんは彼氏のことを知っているぐらいで、何も知らないはずじゃないのかな。

何を?わからない。わからない?


海未ちゃんが何を言おうとするのかわからないよ

ことりちゃんが何を考えているのかわからないよ


海未「私があの方とお付き合いさせて貰う前に、穂乃果と付き合っていたらしいですね。」




穂乃果「……え?」


穂乃果にすら寝耳に水の話だ。


何のことをいってるの?

意味がわからないよ。

頭が鈍った上に、混乱が止まらない。

何を海未ちゃんに言ったのことりちゃん?

声を出したいけど声が出ない


海未「私が殿方と付き合ってみたい。そう心の内に秘めていたことを……」


海未「貴方は最低の行為で踏みにじりましたよっ、穂乃果っ!。」


海未は語った



元々、海未と付き合う前に穂乃果と付き合っていた彼。

穂乃果から見て君は絶対海未ちゃんのタイプだよ!

海未ちゃんにも、彼氏とかおとこのこの良さを教えてあげてほしいな!

このように懇願した。


迷った挙句、俺は海未に冗談半分のアプローチをかけだした。


だが本気で、海未の人柄に惹かれてしまった。

そして付き合うことになった。


俺が本気で海未のことを好きになったので

穂乃果との付き合いを終わらせたいと思っていた。

ところが、穂乃果は面白くない。


私が付きあわせてあげたんだから、もう海未ちゃんとは別れて私と付き合って。と


それに俺が首を振らなかった

そういう話だったと。

ありえなくひどい話だが


海未に対して


言葉や信頼を積み重ねてきたことりと

それを分断され言い訳すらできなかった穂乃果






穂乃果「ちょナニソレ、ちがっ……。」


海未「この期に及んでまだそういうことを言うんですか、穂乃果……。」

海未「私は……私は……穂乃果がそんな人だったなんて、とても悔しいです。」ギリッ


海未「何故、私が屋上で問い詰めた時に正直に言ってくれなかったのですか……。」

海未「まだ貴方の口からそう言ってもらえれば、許せない想いもありましたが済んだことですしと……。」

海未「……私は悲しいです。」グッ


海未は震えながら、我慢していないと涙が今にも出そうになる


穂乃果は違うと言っても、もう今、海未に言ってももう遅い。

そのことだけはわかった。

でも何故……

どこでそんな変なことに


…………ことりちゃん?


ことり「ダメだよー穂乃果ちゃん。海未ちゃんをこんなに追い詰めちゃ。」


この場には相応しくないような、甘い声が飛ぶ。

ことりの顔の右端が心なしか、ほんの少しだけ釣り上がり笑っているようにも見える


穂乃果「ことりちゃん、なんでそんな嘘言うの?なんで???」

ことり「ええええ?」

海未「……まだ、そんなことを言うのですか?」


更に海未は言う


海未「実は、この話をする前にことりから謝られました。」


そう、ことりはまずこの話をする前に謝ったのだ。

元々、μ'sがバラバラになりだすきっかけのことりと海未の仲違い。

いや、ことりの一方的な花陽かばい。

それをしだしたのは、

本当はね、


ことりは、穂乃果ちゃんの味方をしてあげたかったの。


だから、海未ちゃんには辛く当たっちゃったの

ごめんね、、、と


ことりの元々の行動は、海未を貶める目的だった。

穂乃果のことなんか知らない。


付き合っていたことなんて知らない上に、それはことりの嘘だ。


ただ、海未憎しでその意見を通させなかっただけだ。

感情的にただ逆らっていたから、正しい訳ではない

それをわかりつつ、やっていた

でも、その行動に正当性を与えた


ことりは穂乃果ちゃんの味方だったから。


それを聞けば海未も多少は納得してしまった。



信頼していた相手から裏切られたと思ってしまった時、

それは時間を遡って、憎悪に近い憎しみや怒りにかわる


すべての行動は偽善的行動だったのかと

利己的な行動故に関わってきたのかと

彼氏がいる優越感を傲慢というカタチで、穂乃果が海未に渡したのかと

私をためしたのかと

穂乃果の笑顔は私を欺くためにあったのかと

裏腹の馬鹿にされた私が海未が悪いのかと

穂乃果がそんなヒトとは思わなかったと

今度は取り戻す為に、ことりと一緒に裏から嫌がらせをしてきたのかと

それを謝る気はなかったのかと

私に何もいうべきことはなかったのかと

屋上でも何もいわずに罪悪感はなかったのかと

信じられない、信じられない、

でも過去に遡って、そんなの検証なんてできない

わたしがあるのはわたしの記憶と


わたしが信頼しているヒトの言葉


信じられない、穂乃果が、信じられない。

そんなことをするわけなんてない。


嘘だ


でも、私のまわりの信頼している人は、そうだと口を揃えた

――信頼度により、相手の言葉の重要性が変化する――――――――

―信頼が高ければ高いほど、それが嘘であったとしても同調をしてしまうヒトの弱さ――――


そして、悲しいけれどおもいあたるふしが多すぎる


穂乃果の行動


なぜ、屋上のあの時、あの時に……

――――信頼関係を結んでいたと思っていた相手、その期間、――――

―――裏で、何かしらの嫌がらせや示唆等――――――――

――それが発覚した場合、信頼を積み重ねて期間というものは、真逆に作用する――――



なぜ、なぜ、穂乃果のためにあの人を紹介したのか

――――時間がながければ長いほど――――――――――

――いわゆる裏切られたという状態が激しさをます――――


なぜ、なぜ、なぜ、とぼけたフリをしてのうのうと一緒にいたのか

――近く長くいればいるほどに、何かのキッカケで憎悪の対象になりやすい―――――



本当は最低ですなんて、もう、その言葉すらもいいたくないぐらいだ


ことりと一緒にいたのは誰?


海未は知らない。ことりが俺と一緒にいたことを。

穂乃果も知らない。ことりが俺と一緒にいたことを。


――秘密は、心の枷、にも、内緒仲間、にも、共犯関係、にもなるのだろう――――


ただバイト先で常連だったことは知っている。

それだけだ。

お互いを信じているからこそ、どこかでズレが生じる。


――――好きであればまだ信じていると、嫌いになれば騙されたと――――

――物事を最初から見抜ければ、どうかということも気付くのかもしれないのに関わらず――


そして、信じていれば信じているほどに


そのズレがズレを呼ぶ


そして、相手の言葉を信じるに足るだけの関係

それを築く行為がなくなってしまっていた。


穂乃果「海……未ちゃ……ん、ことり……ちゃ……ん。」

海未「貴方は私の心を踏みにじり倒しました……。」

海未「穂乃果。し、、信じていましたのに…………。」


感情が喜怒哀楽何を指し示しているのかわからない

今日の一日が嘘みたいだ

人と触れ合わない日々を過ごしていた


そうしたら、また昔の懐かしく優しい一日を過ごせた


でも、それはおしまいのための一日だった

挙句に、この二人にまでそんなことを突きつけられる。


ことり「穂乃果ちゃん、今まで本当にありがとう。バイバイ。」

海未「穂乃果、貴方と出会えたことは感謝しています。ですが本当の本当に、、、クッ……さようなら。」



ことりの微笑んだ顔

海未の真顔から発せられた

その別れの言葉が、何を意味するのか

わかるけど、わかりたくない

全身に溜まった血が逆流しているようだ

どこかに向かっている。顔や目や鼻に向かって。

脳にむかって。目が見えているけど、まるで見えない。

陳腐な音だがブチッと音まで聞こえたような気がする

頭の中の奥のほうで音が鳴った。

脳に血が回りすぎて脳髄が動いてるような

ま、待って。声にならない声

声なき声を

二人は駅の方向へ向かいだす。

動けない

寒い

誰か、優しい声を

穂乃果頑張ってきたんだよ!


穂乃果がん張ってきたんだよ

穂の果がんばってきたんだよ

ねぇことりちゃん、ほんとは、海未ちゃんにいじわるしてたんでしょ?

なんで?

理由はほのか、わからなかったけど

ことりちゃんがうみちゃんにいじわるしてたの、知ってたよ

ほのか、しってたよ

ほのか、悲しかったよ

つらかったよ

ねぇ

みんなの仲をとりもとうって、そうおもってやってきた時間だよ

そのためにやってきたことが何だったの?

だったら、即やめて、μ'sのことなんてどうでもいいってやめたらよかった

みんなすぐに別れてたらよかったんじゃないの

ねぇことりちゃん、なんで、うみちゃんをいじわるしたら

こんどは、ほのかになっちゃったのかな


ことりちゃん

ほのか何かしたかなぁ?

おもいあたらないよ

ほのかのこと、きらいだった?

ごめんね、いまあやまるね、ごめんね、

ずっと、ことりちゃんのことかんがえたんだよ

いちばんのともだちだとおもってるよ、ことりちゃん、うみちゃん

いまもだいじだよ、すきだよ、すきだよ、

ずっとずっと、だいすきだよ、ずっとずっと、ともだちだよね?

ねぇこたえてよ



ねえ海みちゃん

ひどいよ

うみちゃん、ほ乃かそんなことしてないよ

ねぇしんじて。。。。。信じて。。。。

しんじて。。。。。。。。。くれなかったんだね

ねぇねぇほのかは信じてたよ

みんなを、ことりちゃんを、うみちゃんをしんじてたよ

だれか、だれか、

うみちゃんにうそなんてついてないよ

あ、でんわきいちゃったこと、嘘ついてたか、

ごめんね、ほのか、うそつきで

でも、ちがうよ、ほのかはみんあが大切だったから

だかあら、そうしようと

ごめんね、うみちゃん、うみちゃんがだいすきだったひとは

ほのかもだいすきになったんだ、ごめんね、ごめんね

でも、あのときは、ほんとうに、相だんに、きいてほしかっただけなんだ

ほのかふぁいとだよって、そういってはげまして、ほしかったんだ、、、

ほんとだよ、、、しんじて、、、、ほしか、、、ったな、、、

いまは、ほのかもだいすきになっちゃったね、、、ごめん、うみちゃん、、、

ごめんね、うみちゃん、うみちゃんもすきだったよね、、、、ごめんね、、、

でも、みんあがたいせつで、そうしようと、


もう、いまのμ'sは昔のμ'sじゃないんだね

どれだけ大せつなじかんを失ってきたのか

わからないよ、なんで

こうなっっちゃったのかああなああ

かなしいよ、つらいよ、いたいよ

ねぇ

ほのかしってるよ

ことりちゃん、むかしからかわいかったよね、うらやましかったよ

うみちゃん、あんなにおくびょうだったのに、すごくりっぱになったね、たよりにしてたよ

ほのかしってるよ

まきちゃん、ことばすくないけど、すごくおもいやりのあるこだよね、ぴあのすきだったな

はなよちゃん、うれしかったな、あのときかけつけてくれて、ありがとうね、いまでもうれしいよ

りんちゃん、いっつもふたりのなかよそうなすがたは、げんきもらったよ、ありがとうね

ありがとう、みんな、だいすきだよ、

ほのかしつてるよ

えりちゃん、はじめはこわかったけどすっごくたよりになったよね、あこがれだったよそのすたいるも

にこちゃん、にこちゃんはえらいな、、、ひとりでやってきたんだね、、、ほのか、、まねできなかったや、、

のぞみちゃん、いつもいつもいつもおかあさんしてくれてありがとう、やさしいまなざしがすきだったな

みんな、みんな、ありがとう、だいすきだよ、なのに、なんで


ほのかおばかさんだからたいせつなものまちがっさゃったのかなぁ

ねぇだれかおしえてよ

うみちゃん、ごめんね、でも、だいすきだよ、ほんとだよ、だいすきだよ

もう、みんなとあっても、むかしのようになんてなるないのかな

みんな、だいすさだよ

つらいよ

だれかだきしめて

さむいよ、だれかてをにぎって

がんばってって

はげまして

さむいよ

ばちがあたっちゃあたのかな

もう、おなじことばっかりかんがあてるよ

ごめんね、みんな、すきだよ、ありがたう、ありがとう、だいすきだよ


もういちど、みんなで、うたいたかったな


みんな、ほのか、のせいだよね、ごめんね、ごめんね、



――――――――――――――


どれだけの時間がたっているのかわからない

刹那なのか永劫かさえ

穂乃果に穂乃果にほのかに微笑んで、声をかけて、だきしめて


――――――――――――――――――――――――


「穂乃果!」






俺が声をかける。

力なくへたり込んでいる穂乃果はこの声に、ゆっくりと反応した

穂乃果はもう誰を信用していいのかわからない

そんな顔で、顔をくしゃくしゃにしながらこっちを見る


ああ懐かしい

自分を守ってくれる顔だ


優しい顔立ちだ




そう思えたのだろうか






ふいに優しい笑顔がこぼれそうになる



だから、この笑顔がずっと続くように


――――――――――


――君に素敵な花をプレゼントしたいんだ


――――――――――――アマドコロ――――


俺も優しく微笑み返し

穂乃果が安心したところで



こんどは少しだけ真顔になり近づく

もしかすると穂乃果はキスされるのかもしれないと思っただろう



側に立ち、穂乃果の耳元で囁く


最初と最後の言葉を























フ  ァ  イ  ト  ダ  ヨ











それだけの、ひとこと、踵を返し、海未たちと同じ方向へと向かう

最後に軽く振り返り、笑顔を。




この笑顔は穂乃果にどう見えただろうか




一瞬何が起こったかわからない



しばらく後、、、

「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」
「ふぁふ゛ぁ゛ふ゛ぁじ゛ゃ゛う゛あう゛ふぁあ゛ふぁ゛゛ああいあい゛あ゛゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!」





後方から、何をいってるのかわからない声がする



ファイトだよと言ってるのだろうか

穂乃果が何を理解したのか、何を理解していないのかもうわからない。

ただ……



μ'sのあの輝きは二度と戻ってこない。

二年生組も完全拒絶

最後に残された俺も、

もう二度と

穂乃果の元へ帰らないことだけは理解できたのかもしれない。

誰も





もう二度と



自分を大声で慰めているのだろうか

それは穂乃果にしかわからない。



声にならない咆哮がこだまする。

絶叫、悲鳴、わめき声、あらゆる語彙があてはまりそうな音

ケモノのイキモノのヒトの悲しい叫び声のようにも断末魔のようにも聞こえる


凛「わー風きもちいいよー。」

真姫「危ないわよ、凛。」

にこ「そーよ、どうせやるなら。こーしなさいー。」

真姫「って、にこちゃんまで!何してんのよ。」

絵里「そうよ、気をつけなさい、貴方の体は、もうわが校の宝なのよ!」

希「やっぱり才能あったんやね。陸上部で頑張ってね、凛ちゃん。」






花陽「あれ?これ?もしかして、穂乃果ちゃんの声じゃないのかな?」


凛「うっわーやっぱり、あの三人ガチ泣きしてるんじゃないかにゃ。」


絵里「凛、茶化すのはよしなさい。」


真姫「ほんと、三人にしてあげたんだから、仲良くしなさいよね。」


にこ「やっぱり硬い絆で結ばれてるのよ、あの三人は!」



希「穂乃果ちゃん……。」


――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――

――――――――

――――

――






























雨の日















今日も天気が悪いか……

季節外れの台風

たまに吹き荒れる嵐のように強い雨風

洗濯物を干せない日々に少しイラつく。

近所では野良猫や犬がゴミあさってるみたいだからな。

家の外にでるだけでも嫌なんだ。


机のそばで音が鳴り、しばし、ひととき



着信のあった携帯を手元に

ゴリラの待ち受け画像を見ながら、勝つ、倒す、といった言葉を思い出した

いや、正確には内包するだな。


蛇に囁かれたことりを受け入れ、更にゴリラですらも内包して、その上で、

あたらしいせかいへとつくりかえる

楽園への導きは、すでに次の構築を必要としている

辿り着く前に、自らが、滅する前に、


生命より上位のモノ

このままでは

先の見える人生

その前

チカラの尽きる前に

ヒトに願いを

ヒトにチカラを

ヒトに勇気を

信じるものを

いまいちど、ヒトに願いを




だから、ヒトは、もっともっと、つよく、

あの女神よりも、もっと、もっと、更につよく、

もっと、もっと、もっと、すべて、つよく、おおきく、ふかく、つつみこむように、、、


窓のカーテンを整え直す

その側に小さく置かれた鉢



どんな環境でもいきるサボテンか……

光も水も最低限なのに

よくこんな状態で立派に花を咲かせて

生命は不思議なものだな



うつくしい



コーヒーの香りで落ち着かせる。

紅茶は飲み飽きてるんだ。

たまには、こうやって豆を挽きながら深い香りに身を委ねたい


元気だせよ。


そう感じる活気を入れてくれるようだ。


穂乃果はあれから学校にも来なかったらしい。

ただ風の噂で、人をたぶらかせた挙句、おかしくなった

人を弄んだ罰が当たった

そんな言葉も流れてきた



うちらの学校にもスクールアイドルなんてのがいたのよ

実際いたらUTX学院なんて目じゃないってね

何よ、その都市伝説

あの伝説のA-RISEがいたのよ

最近また人気復活だよねー

ホント、一時期、落ち目ってかパッとしてなかったもんねー

いやーあたしゃあんじゅ先生を信じてたよ

あのお洒落泥棒の?www

いや名言泥棒でしょww


完全にフクワライ(福笑い)!!!


あれはないねww

笑顔大切だけどさwww

見たらわかるってのwwwww

何、あのどうでしょ?私スゴイでしょ?wwwwみたいなオーラww

わかってるつーのwww

ある意味、勇気もらうわwww

あれで正月番組から、人気復活だったよね。

いやーあんじゅ先生最高っすわww信じてましたよww

まじで、人を信じるって、大切だわwww

ホント、長い間、信じてまってた価値あったよねwwww

最高のエンタの女神さまだわwww


そうそう、今回のCMのツバサの変顔もうけるんだけどwww

あー薬用石鹸のだっけ?

あれあれ、薬用はぁ~~~みゅ~~~~~ズッ友!!笑笑笑笑笑wwww

ってやれよww1人だけノリ悪いなw

やれよwwwwみゅ~~~ズッ友www

見てないんだってw

あれ見ないとヤバイって

ズッ友のうちらが見ないとやばいっしょ

うちらの未来永劫の友情パワーにヒビが入るぜよ

なんでそこだけ竜馬はいってんだよww

いやーエレナの男装の時代劇がちょっとツボに入っちゃってさww

だから石鹸じゃないだけは要チェキやんww見とかなあかんやんwwww

それ関西弁ww今度は何の影響だよwwww

見てたらわかるんだよ、見てたらwwww

何?見てたらスクールアイドルになってラブライブ出ちゃう~~~?ww

で、うちら優勝っすかw

ないないww


毎年全国優勝してるUTXに勝てるスクールアイドルなんていないでしょ

そんな奇跡、おこせる人間がいたら拝ませてもらうわ

拝むより現実的なほうがいいよ

だったら、この天気なんとかしてもらうのにね

奇跡おこすんなら、今すぐにでも雨やませてくれない?

それいーねー





























雨の日


































雨の日は流石にいないと思うじゃん?
































いるよ











雨の日





いるよ

君のそばに

いつもいるんだよ

君のすべてを

知ってるよ

その側にいるのは誰だか知ってるのかな


雨の日は流石に……
                      fin













[いるよ]
                      [.fin]

クルヲシキあヰじョウ批評批判罵倒賛美要望改善疑問感想長文魂ノ叫ビ希望
ぅツクしイ嫌悪感ヲ抱カセタ僕ハ罪深キ狼カ 。シオンヲ目指スハ東ノエデン狂詩のWOODブロッサムド
~~~~~~~~~~~~~○      (◎) 過去ハイズレ次咲ク次作ハスグタイトル表記スルベシ↓
疲疲疲ヒヒヒ
レゾンデートル生キル理由ソレヲ信ジル強サトイフ。馬鹿ナノ賢者ナノANGELナノタヒヌノ?フォー押韻
まシてヤ気狂いピエロでハ断ジテナイ我ガ闘争ヲ残ス議定書ハ発禁放送擁護スベシ!ドドド鹿馬
シンジル事ヲヤメルナ但シ見誤ルナ
たいへん変態申シ訳ありませんでした。感謝。礼儀正シキ僕ハ子羊ヲ惑スダ毛ナノカ僕ハ人ヲ信ジタイ


つまり、人はその人の持つやり方(牙)を持っている。生徒会長だった頃の絵里のように。
▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
【都道府県SS×ラブライブ】 かしこいかわいいエリチカ「で、無視……と。」
【都道府県SS×ラブライブ】 かしこいかわいいエリチカ「で、無視……と。」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1427894578/)
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
んで結局、あの鬼の生徒会長までやってきて、「ど~するの?」ってさ
そりゃ、あんな威圧感半端ないオーラだしてる人間に「やりたいからです!」なんて普通いえないって
穂乃果だから生徒会長と戦えて、穂乃果だから生徒会長がμ'sに入ったとか……>>161>>246>>254>>259


【ラブライブ】 穂乃果の心を~雨の日は流石に~ if ルート 海未の心はどうなるの。

【ラブライブ】 あの日見た花陽の名前を僕達はまだ知らない。

【ラブライブ】 穂乃果「ことりちゃんが怖い。……ユメ?」 

他三編同時上映中

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom