武内P「…新人研修、ですか」 (139)
武内Pが愛されてたから書いた。
そこそこ長い。
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プロデューサー室
バサバサ!!
新人P「あ、あーあーやらかした……アイドルの資料多すぎませんか!?」
武内P「……そうですか? これでもまとめた方なんですが……」
新人P「アイドル1人につきファイル4冊でまとめたうちに入るのか……」ガサガサ
コンコン
新人P「あ、どうぞー」
ガチャ
ちひろ「失礼しま……って、書類散らばっちゃいましたか……。手伝いますか?」
新人P「いえっ! 大丈夫ですっ!!」
ちひろ「そうですか? ……それじゃあ、お話だけでも。新人Pさん、今日から本格的にプロデュースに回って頂くのですが、大丈夫ですか?」
新人P「はい。この前のアイドルの前での顔合わせ、反応はまだ浅かったですが……これから信頼関係を築いて行こうと思います」
ちひろ「……みんな、まだ難しい時期です。新人Pさんの頑張りどころになります。私も精一杯サポートするので、よろしくお願いしますね」
新人P「はいっ! お願いします!!」
ちひろ「それでは頑張ってくださいね。引き継ぎで何かありましたら、声をかけてください」ニコッ
バタン
新人P「……いやぁ、千川さんって美人でいいなぁ。先輩もそう思いませんか?」
武内P「え、あ、私はそのような目で千川さんを見たことがないので….…いえ、千川さんは美人な方だと思います」
新人P (堅い人だ)
武内P「早速ですが、アイドルの皆さんの様子を見て回りましょう。彼女達のメンタルケアも大切なプロデュースの一部です」
新人P「なるほど……ですけど、俺どうも避けられてるんですよね……」
武内P「すぐには信頼関係というものは築けません。彼女達は彼女達の立派な考えを持っています。……私もそれに気づくのに多くの時間がかかりました」
新人P (というよりこの人は堅すぎるからじゃなかろうか)
新人P「わかりました。では、行きましょう。ご指導よろしくお願いします」
武内P「はい」
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廊下
かな子「……」ハァ
新人P「お、あそこにいるのは……ええと、三村かな子さんだ」
武内P「……思いつめた顔をしていますね」
新人P「三村さん」
かな子「ふえっ! ……あ、プロデューサーさん。こんにちは」
新人P「こんにちは。三村さんの出てるお菓子会社のCM、見させてもらったけどとっても良かったね。俺あれ見てから即チョコ買ってきたわ」
かな子「そ、そうですか? あの時は緊張して真っ赤だったんですけど……」
新人P「えー、そうかな? 想いがこもってますよーって感じですごい伝わったけどなぁ」
かな子「えへへ、そう言われると少し元気出ます」
武内P (彼は私と違って素直に接することが出来ています。プロデューサーに向いている人でしょう)
新人P「……それで、失礼かもしれないけど何か不安とかあるのかな? 少し心配そうな表情してたから」
かな子「あ……ええと、不安とかじゃ、ないんですけど……」
かな子「……最近、どうしてか甘いものを食べる気が起きないんです」
新人P「甘いもの?」
武内「……三村さんはお菓子がお好きなので……」ボソッ
かな子「いつもおやつに食べてたものも、手に付かなくて……。昨日、思い切って何かあった時のご褒美にしてるお店のお菓子を買ってみたんです」
かな子「だけど、それも一口も食べれずに家族にあげちゃいました。それからご飯も少しずつ……」
新人P (……これは結構まずいな)
新人P「そうか。でも無理して食べることはないかな。こう、急に食べ物が食べたくないなーって時は起こるよ」
新人P「今は食べたくなくても、ある程度を心がけてご飯を食べる。そしたらそのうち自然とお菓子も食べたくなるよ。三村さんは最近仕事が多いから、それも影響してるのかもね」
新人P「もし辛かったら、休みとかの調節はするから遠慮なく俺に言ってね」
かな子「はい……ありがとうございます。でもお仕事は今のままで大丈夫です。頑張りますから」
新人P「……そっか、無理しないでね」
かな子「はい」
かな子「……でも」
新人P「ん?」
かな子「もしお菓子が食べたくなっても……前ほど美味しく感じないかもです」
新人P「……え?」
かな子「ご、ごめんなさいっ! 失礼します!!」タタタ…
新人P「あっ、ちょーー」
武内P「……多感な時期です。三村さん自身、何か答えが出てないのかもしれません」
新人P「……やっぱり俺が全員のプロデュース担当になったからかなぁ……」
武内P「そ、そういうことではないと思います。まだ日が浅いですから、すぐには受け入れられないのでしょう」
新人P「これから回っていく度にこんな感じかよ……」
武内P「……次に行きましょう。まずは話す機会を増やすべきです。私もそう教えられましたから」
新人P「ウィッス」
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シンデレラプロジェクト 大部屋
コンコン
新人P「失礼します……あれ、1人しかいない」
武内P「……高垣楓さんです。隅っこで何を……」
楓「……」ボー
新人P「あ……失礼します、高垣さん」
楓「! ……プロデューサーさん、どうも」
新人P「あの、何してらっしゃるんでしょうか。見たところ体育座りなんですけど」
楓「その通りです。体育座りです」
新人P「……ええと、先日撮った温泉ロケのブイ、見せていただいたんですがとっても良かったです。あの、艶やかで」
楓「つややかでー」
新人P「……少し憂いを帯びた表情で」
楓「……うれいー……」スッ
新人P (急に立ち上がるのかい)
楓「……プロデューサーさん、私、憂いた顔をしてたんですか?」
新人P「へ? ええ、まぁ少し……大人の魅力な感じで先方にも好評でしたが」
楓「……そうですか」
武内P (……確かに、高垣さんのあのような表情は見たことありませんでしたが……)
楓「私、意識してそんな表情してないんですよ」
新人P「……どういうことですか?」
楓「私にも分かりません。偶然でしょうけど……そう、偶然」
楓「……私も大人です。いつかこういう日は来ると思ってましたが、いざ来てみると思った以上に何かが変わってしまうんですね」
新人P (……やっぱ、担当が俺になったからか)
新人P「……高垣さん。確かに俺はまだ変わったばかりです。ですが、俺は俺なりに武内先輩のように一生懸命頑張ります! 今はまだ口だけのように聞こえますが、必ずあなたに信頼されるようなプロデューサーになります!」
楓「……もちろん、私はプロデューサーさんのことを信頼します。ただ、今はすぐに心が切り替わらないんです」
武内P (……駄洒落が一度も出ない……)
楓「あ、すみません。レッスンの時間なので……」
新人P「は、はい。頑張ってください」
楓「……プロデューサー、心配しなくても、貴方は貴方ですからね? 私達のプロデューサーです」カツカツ…
新人P「……先輩の言った意味が分かりますね。すぐには信頼関係は培われないです」
武内P「あなたの思いをきちんと伝えられていますから、土台は出来てきていますよ」
武内P「では次です。そろそろニュージェネレーションの皆さんが帰ってくる頃でしょう」
新人P「担当じゃなくなっても完璧にスケジュール覚えてるんですね」
武内P「普通のことだと思いますが……?」
新人P「マジかよ」
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ロビー
未央「おー、プロデューサーだ!」バシバシ
新人P「い、痛い痛い。本田さん、それに島村さん、お帰りなさい」
卯月「ただ今帰りました!」
未央「いやぁ、今日のお仕事大変だったよ~。しぶりんが急にセリフ忘れたりしてさー」
卯月「み、未央ちゃん。それは言わなくても……」
新人P「あれ、それで渋谷さんは?」
未央「しぶりんここに着くなりすぐにどこか行っちゃったよ?」
卯月「プロデューサーさんのこと探してるみたいですけど……」
新人P「うわ、入れ違ったかー」
武内P「後で部屋に戻りましょう」
新人P「それで、今日の仕事はどうだった?」
未央「まーまーかな。プロデューサーさんが見つけたんでしょ、この仕事。楽しかった!」
新人P「そうか。良かったよ」
卯月「そんな友達みたいに……でも、楽しかったのは本当ですよ?」
新人P「こっちも用意したかいがあったよ。またぴったりの仕事見つけてくるから」
未央「うんうん! お願いねー。でも、私達も大分仕事増えてきたよね」
卯月「どんどん忙しくなってきました」
新人P「ニュージェネレーションの人気が上がってるからね。これからも増えていくと思うよ」
未央「うんうん! これからも私達でどんどん頑張っていこうね、しまむー!」
卯月「う、うん。そうだね!」
未央「だから、もうーー」
未央「武内プロデューサーがいなくても全然平気だね!!」
武内P「……っ!!」
卯月「み、未央ちゃん……」
新人P「あ、あー、でもその言い方だと……」
未央「……あ、そうだね。いけないいけない。ごめんね武内プロデューサー」
卯月「……わ、私達休憩してきますね! お疲れ様でした!!」
未央「お疲れ様~」ヒラヒラ
武内P「……」
新人P「あ、あの、先輩。決して本田さんもわざとでは……」
武内P「……いえ、分かっています。戻りましょう。渋谷さんが探しているとのことですから」
新人P「……はい」
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プロデューサーの部屋
新人P「あー、疲れたっ!」
武内P「お疲れ様でした。この調子で明日も頑張っていきましょう」
新人P「マジっすか今日だけでかなり精神消耗しましたよ……」
武内P「……お言葉を返すようですが、これくらいではまだまだというところです。プロデュース業は奥深いですよ」
新人P「肝に命じておきます……」
コンコン
ガチャ
凛「……プロデューサー、ちょっといいかな」
新人P「あ、ああ。渋谷さん、お疲れ様。ごめんね、入れ違ったみたいでさ」
凛「ううん、大丈夫。それより、さ」
新人P「ん?」
ピラッ
凛「私、アイドル辞める」
武内P「なっ……!」
新人P「……本気か?」
凛「……」コクリ
新人P「……俺が原因だとしたら謝る。まだ日が浅いから渋谷さんの意にそぐわないことをしたかもしれない。それでも俺はーー」
凛「違うの。プロデューサーのせいじゃない」
凛「子供っぽいこと言ってるって分かってる。けど、けどっ……!!」
凛「ごめんっ……なさい!」ジワッ
ダッ
新人P「ま、待ってくれ渋谷さん! 凛!!」
バタン
武内P「……っ!」
新人P「くそっ……くそっ!!」
タッタッタッ…
凛「はぁ……はぁっ……」
タッタッタッ…
凛「……っ!」
タッタッタッ…
凛「……あっ……」ポロッ
タッタッ…
凛「……くうっ……!」ポロポロ
タッ…
……
凛「うえっ……うぇえええええんっ!!」ボロボロ
凛「ああっ! うあぁんっ!! ああぁあっ!!」
凛「なんでよっ! 私にも夢中になるものくれるんでしょっ!!」
凛「ねぇっ! プロデューサー!! プロデューサーっ!!」
凛「どうして、死んじゃったのっ……!!」ボロボロ
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居酒屋
ガヤガヤ
新人P「俺が思うに、先輩は頑張りすぎたんですよ」
武内P「……」
新人P「全員デビューが決まって、嬉しい反面、先輩だけの力ではまかないきれなかった」
武内P「……それでも、私は自分で皆さんをプロデュースしたかった」
新人P「それが、最後には心臓発作まで持っていってしまった……」
新人P「過労死。この場合、先輩が自分でブラックな環境まで持ち込んだんです」
武内P「その通りです。私は千川さん達の言葉にも耳を傾けず、ただ1人で出来ると信じていた……自意識過剰でした」
新人P「そこまで言うつもりはありませんが……あ、呑まないんですか?」
武内P「いえ、今の私は幽霊みたいなものですから呑めないみたいです」
新人P「じゃあ頂きますね。結局俺が払いますし」
新人P「……結局、三村さんの食欲の無さ、高垣さんの憂いを帯びた表情、本田さんの強がり、そして渋谷さんの辞職願い。全ては先輩が亡くなってしまったショックだったんですね」
新人P「きっと他の人も、そういう状態なのでしょう。千川さんだってそうだ」
武内P「……千川さんも?」
新人P「ええ。千川さん、俺のことをプロデューサーって呼ばなかったんですよ。深読みしすぎかもしれませんが、俺を認めてくれていないというより、先輩だけがプロデューサーと呼ぶべき相手、そんなことを考えてるんじゃないですかね」
新人P「……それほど、先輩はみんなに愛されていたんですね」クイッ
武内P「……私は、自分の思いを表現するのが苦手です。どうも言葉足らずになるというか……」
武内P「そんな性格のために、私は何度もアイドルの皆さんとすれ違うことがありました」
新人P「……」コトッ
武内P「何度も衝突する度に、私は多くのことを学びました。反省もしてきました。そうして、皆さんと私は徐々に前進していきました」
武内P「……それでも私は、常に自分の思いが伝わっていないのではないか、悩み続けました」
武内P「だけど……私の思いはっ……言葉に出ずとも……伝わっていたんですね……! ああっ……良かった……!」ポロポロ
新人P「先輩……」
武内P「何故だか……救われた想いがしますっ……皆さんが私のアイドルでいてくれて、本当に良かった……!!」ボロボロ
新人P「な、泣かないで、これハンカチ使ってください……ああ、使えないか……」
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武内P「……お見苦しい所をお見せしました」
新人P「いえ、いいんですよ。ハンカチ渡せなくてすみません」
武内P「……私が死んでからそんなことに気付くなんて、まだ私は本当に信頼しあえていなかったのでしょうね」
新人P「そんなことありません。先輩とアイドル達の信頼に、割って入ることができませんよ」
新人P「……いや、これから割って入らなきゃいけないんだよなぁ……無理だよこんなん……」グター
武内P「……そんなことありません。見ている限り、貴方は私と別の目線と角度から、新しい関係を結ぼうとしています。それは私にはできなかったことです」
新人P「でも今後どうやってシンデレラプロジェクト続ければいいんですか……渋谷さんも辞めるとか言うし、皆落ち込んでるしー……」ウダウダ
武内P「それを貴方が決めていくんですよ」
新人P「うぇー……」
武内P「……仕方ないですね」
新人P「へ?」
武内P「貴方に頼みたいことがあります」
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シンデレラプロジェクト 大部屋
みく「プロデューサーから大切な話があるって全員呼びだされた……けどにゃ……」
のあ「……何の話かしら……にゃあ?」
晶葉「おだやかじゃないな……まさかプロジェクトの解散の話か?」
蘭子「解胎の刻!?(解散ですか!?)」
加蓮「そんなっ……! 嫌だよここまで来たのに!!」
瑞樹「……けど、こうなってしまった以上、可能性はあるわね」
きらり「にょわー……なんだか皆まっくらくらなの……」
杏「……ねぇ、きらり」
きらり「にょわ?」
杏「杏さ、今までプロデューサーがくれたお仕事、たまにめんどくさいーだるいーって言ってサボってたでしょ? その度にプロデューサーは困った顔して『……特別ですよ?』って言ってくれたんだ」
きらり「杏ちゃんPちゃんのものまね上手にぃ」
杏「でしょ? プロデューサーの前でやったら『……そんなに苦い表情していますか?』って照れてたよ」
杏「……でもね、今は違うんだ」
杏「今はお仕事頑張ってる。面倒くさくてもだるくても、一生懸命アイドルやってる。でね、思うんだ」
杏「何でプロデューサーがいた頃にこんなに頑張らなかったのかなって」
杏「アイドル、やってみたらわりと楽しいよ。1人でゲームばっかしてるより楽しい。お仕事で一生懸命な杏の姿を見せたい。なのに、もうプロデューサーには夢の中じゃないと会えないんだ」
杏「プロデューサー、杏のために一生懸命になってお仕事探してくれたのに、杏はそれを……それをっ……!」フルフル
きらり「……にぃ☆」ムニッ
杏「……なんへ頬つねふの」
きらり「杏ちゃんはー、笑ってなきゃ可愛くないにぃ☆ Pちゃんもぉ、はぴはぴしてる杏ちゃんの方が、きっと好きにぃ!」
杏「……そっか、そうだね」
タッタッタッ…
バン!!
新人P「皆そろったか!?」
千枝「プロデューサーさん! ……わたしたち、どうなるんですか?」
卯月「本当に解散するんですか……?」
新人P「……」
新人P「どうもしない!!」
愛梨「へっ?」
美波「……?」
アナスタシア「それは……どういうこと、ですか?」
新人P「だから、どうもしない! 今のままシンデレラプロジェクトは続けます!!」
美嘉「でもっ、プロデューサーはーー」
新人P「……先輩は、皆にきちんとガラスの靴を残しているよ」
新人P「これ……なんだか分かる?」スッ
凛「……それ」
新人P「先輩が大切にしていた手帳だ。ここには先輩のプロデュースの全てが詰まっている」
新人P「面白いぞこれ。皆の全てと言っても過言じゃないくらいことが事細かに書かれてる。特に途中にある蘭子語録はなかなか役に立ちそうだ」
蘭子「失われし聖書か?(私の……言葉?)」
新人P「ああ、きちんと書き込まれてるぞ。先輩、苦労しても理解しようとしたんだな」
新人P「でもなんと言っても大切なのはーー1枚目のページだ」
新人P「ここにはシンデレラプロジェクトの道標が全て書かれている」
未央「……!」
新人P「『①アイドルを全員CDデビューさせる』……うん、これは先輩が成功させたな。『②同じく、全員ライブデビューさせる』……これはまだしてない人がいるか。あと一歩だったんだな」
新人P「『③全員で同じ舞台に立つ。日本武道館がベスト』……いやぁ、アイドルの最高峰日本武道館か。夢だなぁ」
杏「……」
新人P「『④アイドル全員で全国ツアー。海外だと尚良し』……全国だって、壮大だな。ここまで来ればトップアイドルか」
新人P「『⑤海外進出。④より先になる可能性は十分にある』……海外かー。アメリカ? フランス? いや先輩は全部を狙ってるはず。いやぁ、すっごい計画だわ。まるで夢みたい……」パタン
新人P「……夢で終わらせる訳、ないだろ」
新人P「先輩が立てたシンデレラプロジェクトは夢か? 12時になったら全てが現実に戻る、そんな夢を先輩が立てる訳がないだろ!! これは先輩が、皆のことを信じてるからこそ立てたリアルの魔法だ!!」
新人P「惜しくも先輩はその計画を途中で止めてしまうことになった! だからってこのプロジェクトが終わるはずがない! 俺が終わらせない!!」
新人P「先輩はアイドル1人につきこーんな分厚いファイルを4冊も作った! でも俺は違う!! 1人につき10冊は書いてやる!! 手帳にだって書ききれないくらい皆のことを書き連ねてやる!!」
新人P「どんなことがあっても俺は皆をプロデュースする。今はまだ信用できなくても構わない、先輩の影を見ても構わない!
でもな、俺は必ず先輩の成し遂げられなかったプロジェクトを成功させる!! 皆を立派なトップアイドルにしてやる!!」
新人P「だから……だからっ!!」
新人P「着いてきて、くれないか……?」
晶葉「……プロデューサー……」
新人P「頼むっ……! 俺はまだ新人で、何にも知らないかもしれないけど、頑張って信頼されるプロデューサーになるから……俺に皆をプロデュースさせてくれ……」ペコッ
新人P「これが先輩が遺した、俺への最期のお願いなんだ……!」
「「「……」」
新人P「……」
杏「しっかたないなぁ、杏が着いてってあげるよ」
新人P「……双葉さん」
杏「プロデューサーが、代わりに連れてってくれるんでしょ? 杏の印税生活に」
杏「だから、着いてってあげる。頑張ってね?」
新人P「……ああ」
楓「……私も、貴方に連れてってもらおうかな」
かな子「わ、私も、よろしくお願いします」
瑞樹「まだまだひよっこさんみたいだけど、エスコートしてもらおうかしら」
未央「……うん、お願いね。今はまだ分からないけど、プロデューサーなら信じられるよ」
卯月「私からもお願いしますっ!」
新人P「あ、ありがとう皆っ……!」
ワイワイガヤガヤ…
凛「……プロデューサー」
新人P「……渋谷さん」
凛「……辞表、出して」
新人P「こ、ここにっ」パサッ
凛「……」スッ
凛「……ん」ビリビリ…
新人P「渋谷さん……!」
凛「……まだ整理できてないけど、あんたがプロデューサーなら、信じてあげられると思う」
千枝「プロデューサーさん♪」
「「「これから、よろしくお願いしますっ!!」」」
新人P「ああ! 皆を絶対トップアイドルにしてみせるからな!!」
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ーーーーーーーーーーーー
幸子「ふふん、プロデューサー! どうですかこの衣装? 可愛い僕がさらに可愛くなってますよね?」
P「ああ、超可愛いマジ可愛い結婚してくれ」
幸子「ふにゃ!? ぼ、僕があんまりにも可愛いからってそんなーー」
P「よーし仁奈、雑誌の取材来てるぞ! ……って、楓さんこんなとこにあひる隊長出航してますよ!! ニュージェネはレッスン行ってくれー!」
未央「きたよ!」
凛「よし、行こうか」
卯月「行ってきますね、プロデューサー!」
P「おー、いってらっしゃ……みく達何してんの今日はリハの日だろ!!」
みく「うそっ! 大変にゃあ!!」バタバタ
のあ「……大丈夫……にゃ」
P「大丈夫なわけあるかはよ行け!! ちひろさん、会場の資料は?」
ちひろ「はい、ここに!」
P「全く、忙しすぎて困るわ……先輩の二の舞にならないように早く新人もらおうか……」
ちひろ「ふふふ、でもプロデューサーさんも板につきましたね♪」
P「ははは、俺なんてまだまだですよ」
P (あれから月日が経ち、来月にはついに武道館でのライブが決まった)
P (あの日からしばらくは先輩の言った通り、何度も衝突したし、その度に知らない大切なことを学んでいった)
P (そして信頼関係というカタチの無いものは、少しずつ築けてきたと思う)
P (だが、俺はまだまだ先輩の背中には追いつけない。今頃先輩は何をしているのだろうか)
P (……きっとあっちでも三白目で可愛い子をスカウトしてプロデュースしてるのだろう)
P (俺は俺で、先輩の積み上げてきたモノをさらに輝かせる努力をしている。それこそが、先輩との新人研修で学んだモノだと信じて)
P「そうですよね、先輩?」
武内P「はい、その通りです」
武内P「…新人研修、ですか」
終わり
武内Pが愛された話。
武内Pが亡くなったことを踏まえてもう一度読みなおしてもらうのが理想。新人研修してない? 細けぇことはいいんだよ!!
あっ、過去作です。一瞥していただけると幸い。シリアスも好物なんです。
モバP「修羅場」
モバP「修羅場」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425740824/)
モバP「算数の勉強をしよう」 千枝「まってください!」
モバP「算数の勉強をしよう」 千枝「まってください!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425910185/)
一夜明けて、皆さんのレスを読ませて頂きました。意外性のあるものを、と思って書いたものでしたが蓋を開けてみると皆様の仰る通り、読んでて良い思いをする作品ではありませんでした。批評は残当です。
武内Pのキャラありきで思いついたものでしたが、設定、キャラクター等に穴があったため、武内Pファンの方々には不愉快な思いをさせてしまったことをお詫びします。
皆さんのレスを真摯に受け止め、反省し、次回からの作品に繋げていきたいと思います。大変自分勝手ではありますが、酉も変えず、過去作にこの作品も自戒として入れつつ書いていきます。未熟さ故の失敗も含めて、今後面白い作品を見てもらえれば…と願います。
また、毎話ごとに全くノリも空気も違うPを書いているつもりなので、メアリー・スーと切り捨てないで、この作品のPはここだけ、と考えて過去作を読んでいただけるとありがたいです。
最後にこのスレをまとめられることは無いと思いますが、他の武内Pファンの方が不愉快な思いをなさらないように、このスレは転載禁止させていただきます。既にまとめられた方は、記事の削除をお願いします。
大変失礼いたしました。幼稚ではありますが、これからもよろしくお願いします。
結局メンバー替えてたのは>>1の好きなメンバーってだけだったんだろうか
>>116
そうです。出てるメンバーはただ自分が出したいから出しただけです。本来ならアニメ版に準拠すべきであった所が曖昧になってしまったことで混乱させてしまいました。
>>115
不愉快な思いって、要するにあんたが叩かれるのが嫌なだけだろ
素直にそう言えよ
>>120
不愉快な思いをされたから批判されるのではないでしょうか。本スレで批判・批評されるのは当然ですが、まとめサイトなどでこんな駄文見せつけられて不愉快な思いをされる方が増えるのは私個人としても苦しく思います。
結果として糞SSであった訳ですので、ここで叩かれるのは当たり前です。ですが、本スレ以外でこのようなことが起きてしまうのはお門違いだと考えています。
このSSまとめへのコメント
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