満潮「うーん……終わった」ｸﾞｲｰ

提督「お疲れ様でした、満潮」

満潮「本当よまったくこんな大量の書類仕事……艦娘のやることじゃないわ」

提督「それでも手伝ってくれる満潮には感謝しなければなりません」

満潮「ふん……」

提督「お茶でもいれましょう、待っててください」ｽｯ

満潮「……うん」



提督「……」ｿﾛ~

満潮「……」

提督「とりゃっ」ﾜｼｯ

満潮「ひうあ！？」

提督「あっはっは、ついでに肩でも揉んであげましょう」ｸﾞﾘｸﾞﾘ

満潮「あたたたた！痛い痛い！な、なにすんのよやめなさいよばかー！」

提督「これだけ手伝ってくれた労いですよ、痛いのはこってる証拠です、あっはっはっは」ｸﾞﾘｸﾞ

満潮「ひぃぃぃぃ！な、なんでこんな痛いのよーーーー！！」

提督「……はい終わり」ﾊﾟｯ

満潮「あ゛ー……」ｸﾞｯﾀﾘ

提督「おやおや、脱力するほど気持ちよかったですか」

満潮「痛くて力抜けたのよばか……まあ、肩軽くなったけど」ｸﾙｸﾙ

提督「ではあとは自由にして良しです、この後の予定はありません。満潮のおかげで仕事も早く終わりましたし、私も趣味に時間を費やすとしましょう」ｺﾞｿｺﾞｿ

満潮「……趣味？」

提督「これです」ｽｯ

満潮「……オ、オカリナァ？」

提督「昔親から贈られたものです……では失礼」ｽｯ

～♪

満潮「……うまいじゃない」

提督「ふふ？どうも」

～♪

満潮「……」

～♪～♪

満潮(……私、なんでこんな歌いたくなってるのかしら……)



提督「……ふぅ、いかがでした？」

満潮「ま、まぁまぁ、ってとこ？なんて曲だったの？」

提督「嵐の歌です」

満潮「……？知らない歌ね」

提督「……小腹が空きました」

満潮「ふーん、で？」

提督「思えばずいぶん長く仕事してました。少し遅れた三時のおやつとしましょう。ご一緒にどうですか？」

満潮「……まぁいいけど」

提督「あっはっは、では行きましょう」



満潮「え？お菓子何にもないの？」

間宮「すいません、明日買い出しに行こうと思ってたら残ってた甘味を全て第一艦隊の皆さんが……」

提督「あぁ、彼女らは……その、まぁ、あれですね、元気ですものね……あ、あっはっはっは」

満潮「そんなー……」

提督「仕方ない、私が作りましょう。砂糖と小麦があればなんとかなります」

満潮「は？」



提督「できました、どうぞ」

満潮「……私、なんでこんな得体の知れないもの差し出されてるのかしら」

間宮「て、提督、それを食べるのは健康に……」

提督「そんなことありません、ほら」ﾊﾟｸｯ

提督「」ﾊﾞﾀｯ

間宮「て、提督！」

満潮「そりゃそうなるわよ……黒くてブヨブヨした焦げ臭い塊だもの……見かけからしてアウトじゃない」

提督「ほら、どうですか」

満潮「わ……カ、カチカチ」

陽炎「すごい……」

提督「もっと硬くなりますよ、ふっ」

満潮「わ、ほんとうに……提督の、なんでこんな硬いのかしら……」

陽炎「へー……ほんとうに……筋も走ってる」

提督「どうです私の上腕二頭筋は。私もしっかり鍛えているでしょう」

満潮「うう……ヒョロヒョロとか言って悪かったわよ……」

陽炎「軍人だもんねー！」

提督「ところでそこに隠れている青葉、その音声を変なことに使おうものなら大変なことになりますよ」

クローゼット「」ｷﾞｸｯ

提督「うん、どうですか？」

明石「バッチリですね、12.7cm連装砲の改修、完了です」

提督「よし……じゃあ、満潮」

満潮「う、うん……」

提督「これからもさらなる戦果と……なにより、怪我をしないで帰ってくることを……これを送ります」

満潮「……」ｼﾞｬｷｯ

提督「私も、一刻も早くこの戦いが終わるよう尽力します。どうか、よろしくお願いします」

満潮「は、はい……」

満潮(うぅ～、私、なんでこんな期待されてるのかしら……)ﾓﾔﾓﾔ

提督「おや……？」ﾎﾟﾌｯ

満潮「ひゃっ！？な、なに気安く頭に触ってんのよ！」

提督「いえなんかぁ……背ぇ伸びましたね」

満潮「へ？そ、そう？」

提督「……にしては体重があまり増えてないようですね、変なダイエットしてないでしょうね？」

満潮「いっ！？」

提督「……してるのですね？育ち盛りにそんな愚行、私は許しません！」

満潮「な、な、何！？なんで私、こんな躯体のこと把握されちゃってるのー！？」

提督「しっかり食べて大きくなりなさい。ダイエットなどまだまだ早いですよ」ｽﾀｽﾀ



満潮「……子供扱い、しないでよ」

満潮「ぅゅーーーー……」ｺﾛｺﾛ

提督「こらこら、執務室でだらけるんじゃあありません」

満潮「……だってあんたが書類全部やってるし……やることないもん……」ｺﾛｺﾛ

提督「だからといって転がるのはよしなさい、はしたないですよ」

満潮「うるさーーーい、私の勝手でしょー……」ｺﾛｺﾛ

提督「……」ｽｯ

提督「」ｶﾞｼｯ

満潮「うわっ！？」

提督「あっはっはっは」ｸﾞｲｯ

満潮「な、な、な、なになになになに！？」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

提督「とうっ」ﾄﾞｽｯ

満潮「あうっ……　　　　なにこれ」

提督「内職です。その紙を封筒に入れて封をなさい」

満潮「……何で私、こんな懈怠すら許されないのかしら」ﾑｽｯ

提督(でもやっちゃうんですねぇ)

提督「……満潮」

満潮「……なに」

提督「確かに、私の料理が下手なことは認めます」

満潮「……そうね」

提督「卵焼きを作れば焼けた卵になり、生姜焼きを作れば黒く粘つく何かになります」

満潮「うん……」

提督「そんな私を台所に立たせまいとあなたが料理をするといったのはありがたい、しかし、です……」



提督「この味噌汁というなの塊はなんなのですが」

味噌汁「……うぅ～～……何で私、こんな個体を作っちゃったのよぉ～……」