撲殺王弟、初恋話。 (73)

冬を見送り、春を迎えるお祭りが終わった、ある日のことでした。
私は姉上・妹とともに、父上の待つ玉座の間に集められました。


クリステナ王「かくかくしかじかで、国を繋ぐ魔動鉄道を無事に完成させるため、銀姫にはデゴイチ王国に嫁いでもらうことになった」

銀姫「…はい?」

クリステナ王「おお、そうかそうか、承諾してくれるか。 では早速待機させている馬車に転移を!」

銀姫「待ってください父上! 魔動鉄道は分かりますが、何故私が嫁ぐのですか!」

クリステナ王「うむ、デゴイチ王の弟殿に花嫁が欲しいそうでな」

クリステナ王「その代わりに、魔動鉄道の車体ほぼ全てを担当してくださるそうだ」

クリステナ王「三女の銅姫はまだ四歳だろう? そして、長女の金姫はあちらの条件に当てはまらないのだ」

クリステナ王「そこで、銀姫。そなたがデゴイチ王弟に嫁ぐのが最適なのだ」

クリステナ王「もう、説明はこのくらいでよいかの?」

銀姫「…はい、わかりまs」

金姫「あら嫌だわぁ、デゴイチ王国の王弟っていったら、《撲殺王弟》のことではありませんの。」

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銅姫「う゛ぇぇぇええええん! あ゛ね゛さまぁぁぁ!」

銀姫「大丈夫よ、ちょくちょく戻りますからね。 姉上、銅姫をよろしく」

金姫「仕方ないわねぇ、お土産たくさん持ってくるのよ。それならちょっとくらい頑張るわぁ」

銀姫「ふふ。行ってきます。 母上、父上、いって参ります。」

クリステナ王「うむ、それでは転送!」

王妃「体に気を付けるのですよ!」






水晶馬(すいしょうば)のひく馬車は、木々をするすると避けていきます。
魔法の馬車ですから、ぶつかる心配もないので、御者はいません。

…結局、私は、魔動鉄道完成のために、対価として売られるようなものなのでしょう。
王族なのですから、いつか、こんな日が来るのはわかってはいましたが…
まさか、《撲殺王弟》の嫁とは、想像もできませんでした。

。。。デゴイチ王国。。。



デゴイチ王「ようこそ、クリステナ王国の姫。歓迎しますよ」

銀姫「クリステナ王の第五子、二の姫、銀でございます。陛下直々のお出迎え、恐縮でございます」

デゴイチ王「ふふっ そんなにかしこまらなくていいんだよー。もうご挨拶は終わったしね!」

銀姫「……はい?!」

デゴイチ王「年もそんなに変わんないし~、かたっくるしいのはもう終わりで! 弟を紹介するよ、衛兵、いくよ~」

衛兵達「「は!陛下!」」

中年衛兵「ささ、どうぞ。」

銀姫「は、はい。今参ります。」

中年衛兵「それにしても、御者もおらずたったお一人で…しかも、半日で到着とは!魔法はやはり、素晴らしいですな!あの水晶馬も美しい!」

銀姫「まあ、ありがとう存じます。 父に手紙を書きますわ。あの馬車と水晶馬は、父の魔法なのです。」



(撲殺王弟、恋愛記録  の修正版です。
前作をご存じの方、いろいろと忠告をくださった方々、どうもありがとうございました。
今度こそ、完結させます。
世界観は似てますが、全然別物です。
どうぞよろしくお願いします。
今日はここで打ちきりですみません…)

それが飛んできたのは、馬車から降りて、馬車と水晶馬の製造に使われた魔力を霧散させて消した直後でした。

       ガッ! ゴッ!
銀姫「!!」

常時展開する防御膜に守られて、私は無傷です。
投げつけられたものは、尖った石と割れたレンガ。
拾ってみると、強い恐怖がべったりと染み付いていて、思わず竦み上がりました。

  こわいまじょだ、わるものがきた

  あんなのがおうじょだなんて、おうさまは、だまされている

銀姫「うぅ…」

中年衛兵「姫様! お前達、何をしたか、分かっているのか!!」

青年衛兵「このお方を傷つけることは、王弟様に刃を向けると同じだぞ!」

新米衛兵「ひぃ!おおお、お怪我はございませんかぁ!?」


「魔女だ! 不気味な格好しやがって!」

「なんて恐ろしい!あんな白い髪、人間じゃないぞ!」

「陛下も殿下も騙されているに決まってるわ!追い出せ!」

「「魔女は出ていけ!出ていけ!」」


中年衛兵「何てことを! おい、全員一旦捕まえるぞ!」

青年衛兵「新入り、陛下と姫様を城内へ!急げ!」

新米衛兵「は、はい!」



わかっていたことです。
デゴイチ王国には、魔法が存在しません。

強い悪意を感じ取ってしまう姉上には、きっと耐えられません。
ええ、思いだしましたとも。
ここへ嫁ぐのが私でなければいけない理由が、これだったのです。
姉上には悟られていないと良いのですが…



デゴイチ王「やれやれ、怖い思いをさせてしまったね。すまなかった」

デゴイチ王「周囲の警備を強化しておかなくては」

銀姫「大丈夫です、常時展開の防御膜があるので、怪我はありません。私達魔法使いを、恐れることはよくあることです」

銀姫「特にクリステナ国は国民の八割が魔法使い。残り二割も魔石を介すれば魔法を発動できますもの」

銀姫「ただ、違和感がありました。 私の髪を罵っていましたよね?魔女だ、と。 はじめてのケースです」

デゴイチ王「…先ほど、騒いでいたもの達は、魔法使いを魔族と同じように考えているらしい」

デゴイチ王「この国に魔法使いが全くいなかったことが原因ではあるが、それだけじゃない」

デゴイチ王「真っ白な魔族があらわれたんだ。 金属工場が、いくつか壊された」

デゴイチ王「そいつは、自身を魔族の姫と名乗った。 銀姫。君と同じように、薄紫色のローブを着ていた」



銀姫「あの…私は銀髪なのですが…」

デゴイチ王「色素の薄い髪を白い髪とよぶことはあるよ」

デゴイチ王「それにもしかすると、彼らの目には、あの魔族と同じように、真っ白に見えたのかもしれない」

銀姫「困りました…私は人間です」

デゴイチ王「勿論だ。 しっかし、タイミングが合いすぎる。あの魔族、姫を知っているかのようだったな」

銀姫「私、あちこちの国をいったり来たりしています。 どこかで見つかっていてもおかしくはないです」

銀姫「それでも、理由が見つかりませんね… なぜ私と似た姿の魔族に、デゴイチ王国を襲わせるのでしょう…」

  ガタンガタンッ

???「~~!#*+&¥$!!」

銀姫「あらっ何でしょう」

デゴイチ王「ああ、ようやく来たね。 弟だよ。」

銀姫「!」


とうとうきましたか…
《撲殺王弟》

まるで大鬼(オーガ)のようだ、とか
素手で殴った地面が割れた、とか
踵落としで崖に階段を作った、とか

一番多い情報は、戦場で武器を持った姿を見たものがいない というものでした。

私達も、いわれのない噂で怯えられることは多々あります。
同情だなんて言うつもりはないです。
きっと、私も怯えてしまうのでしょうから。

私は、弱いです。
あんな言葉で、泣きそうになるくらいです。
防御膜も、傷つきたくないから、ずっと貼りっぱなしなんです。

弱いんです。

撲殺王弟「兄貴!どういうことだ、半月後に婚儀って!」

デゴイチ王「えー、ちゃんと言っといたじゃない。 結婚が決まったよーって」

王弟「兄貴の話じゃないのかよ!何にも準備してねえよ!」

デゴイチ王「よかったなって言ってたじゃない」

王弟「兄貴の婚儀だと思ったんだよ!」

デゴイチ王「じゃあ、やめちゃう?傷つけちゃうんじゃなーい?」

王弟「決まっちまったもんはしょうがねーよ、大事にする。当然だ!」

王弟「でも、準備が何もないんだよ!花とか衣装とか!」

デゴイチ王「だそうだよー。銀姫」

王弟「へ?」



銀姫「ーーーーーっ」(真っ赤)

王弟「え、あ  い、いま、の、聞いて た」

デゴイチ王「そりゃそうだろうねー」

銀姫「(なんですかこの大男! ものすごくカッコいいんですけど!)」

王弟「う     うわぁぁぁぁぁぁっ!!」(逃走)

デゴイチ王「あ、おい、黒ー!」

デゴイチ王「ごめんねぇ、女の子に免疫ないんだよ、あの見た目だから怖がられる逃げられるでね」

デゴイチ王「…あれ?」

銀姫「綺麗な黒ですね…」

訂正です

× 銀姫「綺麗な黒ですね…」

○ 銀姫「綺麗な黒髪ですね…」

失礼しました


デゴイチ王「   くっ  あはははは!」

銀姫「!?」

デゴイチ王「あ、あの黒髪見て、綺麗だってぇ? あはははは!はじめて聞いた!」

銀姫「おかしなことを言ったつもりは無いのですが?」

デゴイチ王「うくくくっ あいつの黒髪は、魔王の色だって言われてる。不吉だってさ」

銀姫「ええっ、魔王は白髪ですよ?生まれつき代々真っ白だったとおっしゃってましたよ」

デゴイチ王「え?」


銀姫「………クリステナは遥か昔、魔王軍の侵略を受けました」

銀姫「けれど、その時代の王が、魔王とその配下たちの魔力に関心を持ち、激しい舌戦の末、ついに魔王が折れたそうです」

銀姫「あ、もちろん王の張り巡らせた結界は頑丈で、死傷者はおらず、家屋の損壊も魔王軍の手で修復されたと伝わっております」

銀姫「その魔王たちは皆一様に色が薄く、魔王は白髪に透き通るような肌をしていたそうで、側近は薄い金髪だったといいます」

銀姫「時代は流れて、現代の魔王軍は時折現れて、侵略の真似事をするようになりました」

銀姫「これは当時の王が求めたことで、魔法王国の緊張感と魔道の向上のため、大会形式にすることで互いに同意したとされています」

銀姫「魔王は、今のところ、私たち人間に敵対するものではないはずです」

銀姫「ただ…例の白い魔族の件があります、一度、会っておいた方が良いかも知れませんね」





デゴイチ王「ごめん、吐きそう」

銀姫「大丈夫ですか!」

デゴイチ王「頭が追い付かない、どゆこと、魔王、知り合いって」

銀姫「先祖代々、関係は良好であったそうです。」

銀姫「ただ、よその国には信用してもらえなかったので、もう、適当でいいや、と」

銀姫「知らせなかったわけではなかったのですよ。それは事実です。記録も残っています」

デゴイチ王「そりゃそうだねー、理解できないよー  うぷっ」

銀姫「す、すみません! どなたか洗面器を!」

デゴイチ王「やばい、頭痛い… ごめん、また明日、詳しく話そうね…ごめん、執事、案内してあげて」

執事「はい、陛下。 洗面器をどうぞ。メイドさんがた、お願いしますね。 姫様どうぞこちらへ」

銀姫「すすすすっすみません! こんなことになるとは!失礼いたしました!」



執事「こちら、桃宮が姫様のお部屋です」

銀姫「ええ、ありがとう」

執事「陛下と王弟殿下の黒宮へは、婚儀前にはご案内できませんのでご了承ください。」

執事「もちろん、陛下、王弟殿下の誘いがあってもダメです。というか、陛下にはどうぞお気をつけください」

銀姫「はい。 …て、え?陛下?」

執事「ああいえ、失礼しました。 姫様つきのメイドを紹介いたします。皆さん、こちらへ」

メイドたち「「はーい!」」

執事「彼女らは、日中は隣の部屋に待機しております。 夜間のご用命は、こちらの通信装置からご連絡ください」

執事「では、わたしはこれで。どうぞ王弟殿下をよろしくお願い致します。 …どうか、お願い致します…」

銀姫「はい!」

赤髪メイド「通信装置の使い方、説明いたしますー」

銀姫「ええ、お願いね」



・・・・・・


赤髪メイド「…はい、大体そんな感じです。 あとはなんとなくで大丈夫ですー」

銀姫「ありがとう。 とっても不思議な機械ね!魔力を感じないのに、魔法と似てるわ」

赤髪メイド「まあ、魔法と似てるだなんて。機械は決まったことしか出来ませんよ」

緑髪メイド「そうですよ、姫様。魔法って何でも出来るのでしょう?」

銀姫「…いいえ、魔法にも制限があります。 炎の魔法使いは、水の魔法が苦手です。 誰だって、出来ることと出来ないことがありますもの」

銀姫「私も、こういう種類の魔法しか使えないんです」

銀姫《香水晶》



  パキパキピキピキ……



赤メイド「きゃーすごーい!水晶がでてきましたー!」

青メイド「綺麗ですね!桃の香りだわ…」

銀姫「文字通り、香りを含んだ水晶です。…よかった、あなた方は怖がらないでくれそうって思ったんです」

赤メイド「あ。そうですねー、綺麗だったので怖くなんてなかったですー」

青メイド「私は元々怖くなんてありませんでしたよ」

赤メイド「ずるーい!」

銀姫「よかったらお好きな香りで作りますよ。三日くらいで魔力が切れて消えてしまいますけど、貰っていただけると嬉しいです」

赤メイド「わ、欲しいです!私はイチゴが大好きです!」

青メイド「では私も。ブドウが好きです」

銀姫「ふふ、お二人とも果物が好きなのですね。《香水晶》」

赤メイド「えへへー」

青メイド「でも、消えてしまうのは勿体ないですね…」

銀姫「固定できる魔法も有るそうですが、私はできなくって… はいどうぞ」

赤メイド「ありがとうございますー!」

青メイド「大切にします。ありがとうございます」

赤メイド「王弟殿下にはもう差し上げたのですか?」

銀姫「…いえ、逃げられてしまいました」

青メイド「ああ…そうなってしまいましたか」

赤メイド「んー、魔法が怖いってことはないはずですからー、やっぱりそうかな、青ー?」

青メイド「そうでしょうね」

銀姫「…ええと、何がそうなのか、聞いてもいいですか?」

青メイド「女性恐怖症、です」

銀姫「え…」

赤メイド「まあ、怖いと言うか苦手と言うか、極度の照れ屋さんですー」

青メイド「お嫁様は絶対ご苦労なさるでしょう、と」

赤メイド「でもでも!王弟殿下のおっかない噂は半分くらい嘘っぱちですから!」

赤メイド「ちょっと強面で怪力ですけど!意味もなく暴れたりなんてなさいませんから!」

銀姫「なんとなく、わかりました」



銀姫「とりあえず、嫌われた訳じゃないのでしたら、まだ余地はありますよね」

赤メイド「姫様?」

銀姫「まずは仲良くならないとお話になりませんよね、頑張ります」

青メイド「まあ!」

赤メイド「姫様…!」

銀姫「まずは、王弟様にお手紙を書きますわ、流行りの便箋などはありませんか?」

赤メイド「色々準備しておりますわ!すぐにもって参ります! いよっしゃぁぁぁあ!」

銀姫「あらまぁ」

青メイド「申し訳ございません、赤は言葉遣いが少々雑なもので…」

銀姫「元気いっぱいで嬉しいですよ」




お疲れ様です
◆lk.なんたらーです

本日仕事で右手指先を切断いたしまして
当分お休みすることになります
本当に申し訳ございません

痛みの弱い日を狙ってインターネットしたいと思っているので、たぶん、諦めずに続けたいです
もともと、パソコンが壊れて使えなくて、他の機械で手打ちしていたのでかなり鈍足でしたが
さらに遅くなると思われます

最低2ヶ月かかるようで、なんとかhtml化されないうちに、出来る限り
戻ってきたいと思っています

本当に申し訳ございません


なお、別名前で書いてるssと、同じ人間です
まさかこんなことになると思ってなくてはしゃいで二本も書こうとして
本当にごめんなさい
同じような文章があったらたぶんそれが自分です

失礼します

なんとか生きてますー
指は、細菌感染がなければ、生やせる可能性があります
頑張ります



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

王弟殿下、黒様

突然のお手紙申し訳ございません
驚かせてしまったことを謝りたく、ペンを走らせています

私も今日聞かされたばかりで戸惑っております
お互い突然のことに、動揺するのはもうしかたないと思っております
いきなり結婚、だなんて怒鳴りたくもなったでしょう

ですが、私は怖いとは思っておりません
大事にすると仰ってくださったこと、とても嬉しかったです
思わず叫んでしまった時のお姿に、感動してしまいました

あなたが旦那様でよかったと、きっといつか思えると信じております
どうぞ、まずはお話ができるようになれますよう、願っております

末筆ではございますが、魔法をひとつ、お渡ししたいと思います
災い避けの魔法黒雲水晶を同封いたしました
三日間程しかもちませんので、また作ります
どうか、次は直接手渡せますように…

               銀.

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



撲殺王弟「%#"<=&*{\$}!!?」

デゴイチ王「よかったねえ、はじめて女の子からお手紙だよ」

デゴイチ王「しかもプレゼントつき」

撲殺王弟「あ、あわわわ…」

デゴイチ王「可愛らしい文字かくね、姫ちゃんって」

デゴイチ王「…おいまて、なんでお前は仕事用の紙を用意している」

撲殺王弟「て、てが、手紙、返事手紙、手紙に返事を…」

デゴイチ王「いや、いやいやいや無いから!仮にも未来の花嫁だぜ!」

デゴイチ王「ありえないから!何こんな武骨な紙使おうとしてんのねえ!せめて便箋使って!」




   一時間経過。。。。



デゴイチ王「なんで蜜ろう封に王弟印の指輪使う!やり直し!」 ベリベリ

デゴイチ王「ほら、これ使って!星形の押し型があるから!」 (子供用の熱くならない安全素材でできてます)

撲殺王弟「そ、それじゃあ、誰からかわかんないんじゃ」

デゴイチ王「封筒に名前あんだろ!」

撲殺王弟「しょ、証拠にならな」

デゴイチ王「あーもー、わかった、星の真ん中に名前掘れ!それで姫宛専用の押し型にすればいいだろ!」

撲殺王弟「!!!!」 (目から鱗)(鳩が豆鉄砲くらった顔)

デゴイチ王「もうやだ、この弟…」

撲殺王弟「………」 カリカリカリ フーッ カリカリカリ



こんばんはです、作者です
何とか第一段階を越えました
指、生やせるかもしれません
頑張って治療します
どうぞよろしくお願いいたします

ありがとうございます
繋ぐことができないので、指の肉を増やす治療をするんです
なので、骨は生えませんが、形はもとに近づく予定です
つまり包帯の下は、まだ断面むき出しです



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クリステナ王国 二の姫 銀様

先日の手紙、確かに受けとった
私的な書類など書いたこともなく、無様な字面をさらすことになるが許していただきたい

突然の婚姻にも関わらず、デゴイチへ来てただけたこと、心より感謝する
イナホ大陸に在する国のうち魔法を持たぬ唯一の国ゆえガラクタ王国と揶揄される我が国だが
他国の追随を許さない我が国の機械技巧を信じていただきたいと思う
母国に劣らぬ生活を提供出来るよう、全力を尽くす所存だ

結婚については、正直に申し上げればものすごく不安だ
俺は見ての通り武道だけで頭もよくない、なんの取り柄もない武骨な男だ
女性を喜ばせられる言葉も贈り物も思い付かない
兄に助けを求めるのもあまりに格好がつかず、悩むばかりだ

あなたを大切にしたいのは偽りなき本心
一目会って逃げ出した男の言葉がどこまで届くか分からないが、あなたに会いたい
逃げてすまなかった、許してほしい
どうか、共に生きてほしい
そう真剣に思っている

長々と申し訳なかったが、同封した小物について説明させてほしい
太陽光と月光で蓄電して動く簡易護衛兵だ
邪魔にならないよう根付け型にした、使ってもらえると嬉しい
出来れば日中は腰などに下げて持ち歩いてほしい
微弱でも光があれば電力(そちらの魔力に代わるものだ)を貯められる
夜間は枕元に置いてくれ、ただし月光を取り込めるようカーテンは少し開けておいてほしい

水晶、大切に使わせてもらう
効力が切れる前に、必ず会いに行く 必ず


                              デゴイチ王弟 黒

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お待たせいたしました!
お疲れ様ですです
今日抜糸してきました
少しずつ指の組織が増えてきています、今のところ順調です
今後は古くなって黒ずんだ組織を剥ぎ取って、薬をスプレーして、また剥いで…を繰り返して
綺麗な肉を増やしつつ爪を伸ばして先端を整形する予定です
あとは指の間接を曲げ伸ばししないと固まっちゃうのでリハビリするかもです

皆様も怪我には充分お気をつけください
痛みはもうないのですがずーっとしびれたままなんですよ…
これつらいんです、まじで
それではまた次回ですー



銀姫「きゃぁぁ!お返事きたわ!キャーキャー!」

赤メイド「よかったですね、銀様!」

青メイド「おめでとうございます、銀様! (…あちゃぁ、ひっどい文字ね…)」

銀姫「これが根付けね、綺麗…銀の花…」

青メイド「素敵な贈り物ですね、安心しましたわ」

赤メイド「これで文鎮とか同封してたら、ひっぱたきにいこうと思ってましたよ!良かった!」

青メイド「ちょっと赤!」

赤メイド「だってぇーあの王弟殿下ですよ?あるかもしれないじゃない」 ムスー

銀姫「……(熟読中)…」



コンコンッ

青メイド「はーい…執事様でしたか」

執事「ええ、先程ぶりで」

執事「銀様に朗報でございます、お夕食をご一緒できるよう陛下が(強制的に)王弟殿下をつれていくと宣言してくださいましたよ」

銀姫「まぁっ!」

赤メイド「ちょっとまって!流石に殿下が固まってしまうのでは!?」

青メイド「荒療治ですか、これは大変ですよ…」

執事「ええ、何としても手を繋ぐくらいはマスターしていただかなくてはいけませんからね」

執事「愛らしいお子様を見るまでは死ねませぬのでね、まだまだ後輩に譲れません!」

銀姫「こ、ここ、子供っ…!」

執事「ええそうですとも!老後はお子様の遊び相手をして過ごすと決めておりまして」

赤メイド「まだお若いじゃないですかぁ、むしろ後輩くんの出番無いくらい張り切ってらっしゃるのに」

執事「げっふんげっふん! 赤、青、御支度をお願いします」

青メイド「はい」

赤メイド「あー逃げるー! はぁーい! ちえっ」

銀姫「は、はわわわ…どうしましょう、いきなりお食事をご一緒だなんて!」

青メイド「きっと大丈夫ですわ、陛下もおられるはずですから」

赤メイド「最初からうまくいくはずもありませんわ、どうせ殿下が何かしらやらかしますもの!」

赤メイド「それをフォローして差し上げて、好感度をギュンギュン上げてしまうのですよ!」 ドヤッ

青メイド「あら、珍しくいい案を出すじゃないの、赤!」

銀姫「助けて好感度アップ…そうね、それなら頑張れそうですわ!」

赤メイド「機敏に動けるよう、コルセットはややゆるめで…髪はきちんとまとめなくっちゃ…だとすると…」

青メイド「さあ、御夕食のお時間まで、全力を尽くすわよ! 銀様、どうぞこちらへ!」

銀姫「は、はい!!」

お待たせいたしました
でも、今度はインターネットの接続機が異常な熱を発しています
怖いので、買い換えるまでちょっと更新頻度下がります
申し訳ございません



デゴイチ王「やーごめんごめん、おまたせー」

銀姫「いえ、とんでもございません」

銀姫「それよりも…王弟様は、ご無事ですか…?」

デゴイチ王「ああ、大丈夫大丈夫、ちょっと怖がらせただけだから」

撲殺王弟「………っ」 ビクビク

銀姫「あの、王弟様…」

撲殺王弟「っっっ は、はいっ!!」 ビクーーンッ

銀姫「お手紙と根付け、ありがとうございました」

撲殺王弟「あ…」

銀姫「とても、嬉しかったです…ちゃんと、お顔を見てお礼を言えて良かったですわ」

デゴイチ王「(ほら、前に出ろ、返事!)」

撲殺王弟「あ、あの…う…」

銀姫「はい」

撲殺王弟「………あなたへ贈った物は、つかう事態が来ない事を願う」

デゴイチ王「おいいぃぃぃっ!?」 スパーンッ

撲殺王弟「いっでぇ!」

銀姫「ありがとうございます!」

デゴイチ王「え」

銀姫「つまり、もしもの時は守ってくださるのですよね?嬉しいです!」

王·王弟「「…………」」

銀姫「(ご、強引な解釈だったかしら…でも、このくらいしないと、またうつむかれてしまうわ!気合いよ私!)」



デゴイチ王「なんか、心配してたのがバカバカしくなってきた…」

銀姫「え?」

デゴイチ王「こんなのでよかったら、どうぞ守られてやってくださいな」

撲殺王弟「兄貴!?」

銀姫「あ、ありがとうございます!」

デゴイチ王「さあ、食事にしよう 緊張溶けたら一気に腹減ったな」

デゴイチ王「そうそう、こいつのことは『黒』って呼んでやって」

銀姫「黒様?」

撲殺王弟改め黒「%#+&¥$*~=!!!」 ガターーンッ

銀姫「だ、大丈夫ですか、黒様!」

黒「うぁわわわ、は、はいっ!」



デゴイチ王「やべえ、当分退屈しないぜコレ…!」 ニヤニヤ




お久しぶりでございます 無事、治療終了となりました
左手と比べると5ミリくらい短いままですが、右手だけを見れば見た目はほぼ元通りです
仕事復帰できましたが、体はついてこれませんでした なまりきっちゃってます
なんとかがんばります
それでは、続きいきます



翌日。。。


赤メイド「銀様、おはようございます!」 コンコンッ

銀姫「んぅ… おはようございます、どうぞ…ふぁ…」

赤メイド「昨日は結局、王弟様が逃げずに最後まできちんと食事の席についていた事しか、進展がありませんでしたね…」

銀姫「うーん、前途多難です」 ザブザブゴシゴシ

青メイド「タオルをどうぞ」

青メイド「今日はお庭を散歩でもしてみますか?」

銀姫「え゛」

赤メイド「いいですね~、お花を愛でる姫君とその姫君を見つめる王弟…」

青メイド「いいわ、とても絵になりますわ!!」

赤メイド「絵師をこっそり呼んで、スケッチ画を描いてもらおう!」

青メイド「賛成だわ!」

銀姫「え、え、えええーーーっ」




王弟私室。。。


デゴイチ王「よく頑張った方だとは思うけどさぁ…」

黒「……う、うん…」

デゴイチ王「夕飯が終わったら一気に走っていっちゃって、そのまま部屋から出てこない」

デゴイチ王「嫌われてないといいね」

黒「うぅ……」

デゴイチ王「さすがに今回は、どうやってフォローしていいのかわかんねえよ…」

デゴイチ王「じゃ、仕事してくる 今日は訓練休んでいいから姫さんのところ行きなよ」

デゴイチ王「隊長に色々頼んでくるから気にしなくていいからな」

黒「え、あ、はい…」



デゴイチ王「はぁぁぁ…どうしたらいいんだか…ちょっと考えないとなあ…」



中庭。。。

黒「うーん、うー…」 ウロウロ

銀姫「あらっ、黒様!」

黒「!?」 ドヒュンッ

銀姫「ま、待ってくださいまし!」 バタバタバタ

赤メイド「ああっまた逃げる!」

青メイド「捕まえますよ!」

赤メイド「って、銀様意外と早い!?」




            銀姫「捕まえましたわーーー!」 ガッチリ

            黒「うわぁぁぁっ?!」 ジタバタ



銀姫「黒様!お願いですから逃げないでくださいまし!」

黒「う、うぅ…」

銀姫「私のこと、まだ怖いですか…?」

黒「ちが…っ違う!」

黒「あなたに嫌われるのが怖いんだ…っ!」

銀姫「嫌うもなにも…まだお互いなにも知りませんわ、第一!」

銀姫「そうやって逃げられては悲しいです、そんなこともわかりませんか?」

黒「でも…」


銀姫「私、あなた様の黒髪が好きです」

銀姫「兄君様を慕っているところが好感をもてます」

銀姫「すぐにお手紙にお返事をくださったこと、とても嬉しかったですわ」

銀姫「でも、それしかまだ無いのです」

銀姫「もっと沢山、好きなところを探したいですわ」


黒「…あなたは、俺を怖がらないんですね…」

銀姫「怖いあなた様を、まだ見ておりませんもの」

黒「……噂は…」

銀姫「沢山聞いて参りましたわ、でも…」

銀姫「真っ赤になって逃げていく姿を見てしまったら、全部吹っ飛んでしまいましたの」

黒「……」

銀姫「黒様、周りを気にしすぎて目の前も見えなくなってしまいましたか?」

銀姫「私は逃げたりしません、振り払ったりしません」

黒「……っ…!」




黒「……戦は嫌いだ、人が死ぬのを目の当たりにするのが悲しくてしかたない」

黒「でも俺は弟で…兄をたてるためには強くならなければならないって鍛えられてきて…」

黒「わかっているけど、辛いんだ… 戦うより、機械いじりしてるほうが好きなのに…!」

銀姫「黒様…」

黒「そんなときに、結婚に話だ」

黒「会ったこともない女性を巻き込めない…俺の嫁になったりしたら、どんな危ない目に遭うか…!」

黒「でもっ あなたが俺を怖がってなかったのが嬉しくて…!」

銀姫「黒様は、私に嫌われるのが怖いとおっしゃいましたよね?」

銀姫「でしたらもう大丈夫ですわ、こんなに優しいかたが、怖いわけありません」

銀姫「それに、身を守るのは魔法がありますし、黒様の根付けがありますし」

銀姫「なにより…黒様のお側が一番安全ですよね?」

黒「う…」

銀姫「とりあえず、最初の一歩です」 ギュ

黒「!!」

銀姫「まずは手をつないでお散歩がしたいですわ、お庭を案内してほしいです」

黒「わ、わか…わかった…」

すいません、名前欄間違えました
こっちです

すいませんでした…
喘息と肺炎で寝込んでおりました
ちょっとずつ再開します
よろしくお願いいたします

赤メイド「おおおおお…!」

青メイド「ああ、す、すごい…!銀様と王弟様が…手をつないでる!」

赤メイド「よかったよーー!やばい、泣けてきた!」

青メイド「右手と右足、一緒に前に出てるけど大進歩ですよ!」

赤メイド「銀様の笑顔が見れただけで、もうお腹一杯胸一杯です…!」


お待たせいたしました
いきます




黒「な……なんとかのりきった…」

デゴイチ王「おーぅ、お疲れさんっと」

黒「なんか吐きそう…」

デゴイチ王「はいはい、トイレいくぞー」 ズルズル

黒「うう……あのさ、兄貴」

デゴイチ王「んー」

黒「ありがとうな」

デゴイチ王「げふっ!?」

銀姫「あああぁぁ、き、緊張しました…」

銀姫「でも、手をつないでしまいましたよ手を!頑張りましたよね、私!」

銀姫「……まあ、今誰もいないんですけどもね…」



     黒「ありがとうな」

     デゴイチ王「げふっ!?」


銀姫「陛下と黒様ですね今の声…ふふ、仲良しさんですね」



   赤メイド「よっしゃぁああーーっ 次の作戦考えるわよ、青!」

   青メイド「無理にイベント起こす必要もないと思うんですけどね…」

   赤メイド「何かやっておかないと何も起こらない気がするのよ!」



銀姫「…なんだか申し訳ありませんね、がんばりませんと」

面白いです
敵国へ嫁ぐ話が好きっていってた作者さんかな

遅くなりました
>>52
すみません、おそらく別人かと思います
別の小説サイトでは書いたことありましたが、ここでは書いていませんので

それではいきます

銀姫「黒様~」 トテトテ

黒「ぎ、銀姫っ」 ビクン

銀姫「あら、黒雲水晶!使っていただけてるんですね」

黒「う、うん  勝手に加工してしまってすまない」

銀姫「いいえー!あ、ブレスレットになさるんでしたら、もうちょっと丸く加工しましょうか?」

黒「いや、このままがいい …これがいい」

銀姫「…ふふ、ありがとうございます」




王宮工房の一角にて。。。


銀姫「黒様、この機械は何ですか?」

黒「これは研磨機、金属や石を削ってこうやって滑らかにするものだ」

銀姫「まあっ綺麗なコップですね!とても薄い金属だわ!」

黒「まだ加工途中だ、フチで手を切らないようにな」

銀姫「ええ… あら?この小さなビーズは…いえ、ビーズじゃないわ、何かしらこれ」

黒「それはネジだ、おそらく世界最小サイズだろうと言われている」

銀姫「ネジ?!」

黒「こっちの顕微鏡で見てごらん、このシャーレにネジが入っているから動かしながら探して」

銀姫「ここをのぞくのね…わあ、すごい!螺旋がちゃんと見えるわ!」



    赤メイド「…こ、工房の見学…」 ガーン

    青メイド「う、うん…いいんじゃないかしら、これも一歩前進だわ、うん」


銀姫「…はふー、暑かったですね」

黒「次はこっち、ガラスが…」



     ドゴォォォオオオオオンッ!!


銀姫「!?」

黒「銀!」 ボスッ

銀姫「わ、あ、わわ…」 ギュー

黒「今の…どこからだ!?」 ガシャガシャ

黒(内線)「巡回中の者!だれか応答しろ!」

(内線)『ガッッガガーーーザピーーー』  ブツンッ

黒「くそっ 通信回線がやられたか、電気がイかれたのかも…」

黒「銀、おいで!城に戻ろう」

銀姫「はい!」

赤メイド「王弟様!」 バタバタ

青メイド「階段が崩れています、迂回するよりいっそこちらから降りてしまった方が早いです!」

銀姫「え、ここからって…思いっきり崖なんだけど?!」

黒「君らは大丈夫か?」 靴ガチャガチャ

赤メイド「問題ありません!」

黒「よし、降りよう」 ダダッ

銀姫「え、え、ひゃぁああああ!?」

黒「舌噛まないようにな、歯を食いしばってろ!」



機械音声『緊急時救命胴衣起動イタシマス』

銀姫「!? (靴が喋った!?)」

機械音声『緊急エンジン逆噴射マデ、5-4-3-2…起動』 ドシューーーーーーッ

機械音声『地表接近、着地準備ニ入イリマス』 ガシャンッ



機械音声『着地成功確認、緊急装備ヲ終了イタシマス』

黒「ふー、銀、大丈夫か」

銀姫「」 ボーゼン

赤メイド「よっと!」 ドシューーン

青メイド「んしょっと」  ボシューン

黒「! 機獣兵長!いいところにっ」

機獣兵長「王弟様、ご無事でしたか! 電送塔が一部破壊されました、今、映像と逃走方向を確認、追跡いたします」

黒「わかった、俺もいく 赤たちは銀を頼む!」

赤・青メイド「「はい!!」」

銀姫「く、黒様!?」



赤メイド「んもう!いったい何事でしょうね!」

青メイド「人間の襲撃なら大丈夫でしょうけど…もし、それ以外では…」

銀姫「それって…」



デゴイチ王「姫!こっちだ、急いで!」

銀姫「陛下!」

デゴイチ王「防護システム全開!妨害電波と圧縮振動装置の電源は確保できてるか?!」

兵「蓄電池は充分です、ただ…」

兵「機獣兵長より伝令!一部の機獣が充電不良のため出動できませんっ!」

兵「大変です!パワードスーツの半数が配線切断されていますーー!」

黒「兄貴!技術者が足りない、来てくれ!」 (作業着姿)

デゴイチ王「ったく、住民の避難状況はどうだ?」

黒「ほぼ終わってる!地下シェルターは電力も確保できてる、大丈夫だ!」

デゴイチ王「よし、私もいこう」


銀姫「!!?」 キューンッ

黒「どうした、銀?」

銀姫「(働く王子さまのお姿、素敵すぎます!戦闘要員じゃなくて技術者でした!ひょぁぁああ!!)」 ドキドキ

赤メイド「あ、たぶんニッチな萌えかたしてますね、姫様」

青メイド「良い傾向だわ、状況がこうじゃなければだけどね…」


銀姫「わ、私も行きます!使ってください!」

赤メイド「姫様?!」

黒「ダメだ、危険すぎる!」

銀姫「ええと、壊れてしまった物なら直前の状態に一時的に戻すことくらいなら出来ます! あと、防御壁も作れます!」

黒「そうはいっても…っ」

デゴイチ王「よし、来てもらおう!」

黒「兄貴!?」

デゴイチ王「どうせおとなしく待っているなんて出来ないだろうし、そばにいたほうが守れるだろ?」

黒「んぐ…」

銀姫「黒様、お願いします!」

黒「…わかった、頼む」

銀姫「はい!」

兵「格納庫はこちらです、お願いします!」



???「みーっつけた」

銀姫「!?」

???「王弟クンもいるしー、目の前で切り裂いちゃうのが一番かなー」

     ドシュゥッ!

黒「銀!!」

銀姫「……ぶっはぁ!ギリギリ!」 結界ひび割れ

赤青メイド「「銀姫様!」」

???「うーん、さすがは水晶に愛されてる姫ちゃんなだけあるかー 一筋縄じゃいかないわねー」

黒「白い髪と角…貴様か!! 工場と民の暮らしを壊した魔族の姫!」

魔族姫「そうよー、そこにいる二の姫ちゃんが気にくわないので、再び来ちゃいましたー」

魔族姫「あ、ちなみに、機獣とか変なロボットとかを壊したのは私じゃないわよー」

魔族姫「待っててあげるから急いで直して迎撃した方がいいわよー アイツラは、私たちの管轄じゃないもの」

黒「どういう意味だ……!」



デゴイチ王「黒!パワードスーツの修理は終わってるぞ、さっさと着て先に行け!」 

黒「兄貴!?」 ムリヤリ ガションッ

デゴイチ王「強制起動、発進!」 ポチッ

黒「ちょ、まだ話の途中ぅぅぅぅ……」 ドドドドド…

銀姫「あわわわ…」

魔族姫「あら、意外ー」

デゴイチ王「さ、残りも急いで修理だ!」

赤青メイド「「はい!!」」

銀姫「え、あの、ちょ、いいんですか!?」



。。。修理中。。。

魔族姫「……」 ジー

銀姫「(お、落ち着かない…)」 ガサゴソ


     こっち終わりましたー
     これ持っていってー
     次もってこーい

銀姫「配線に《接続水晶》、《水晶板防御膜》、それから《水晶液溶接》!」 パキパキパキ…!

工兵「は、早い…!魔法、とんでもない…!」

銀姫「次はどれですか!」

青メイド「銀様、こちらです!」




魔族姫「…しかし、困ったわー…」 ポツリ

魔族姫「悪役とかなれてなくてこの後どうしたらいいのかわかんないー…」 ボソボソ


銀姫「?」

今更なんですが、14の中で、緑髪メイドになってましたが、青髪メイドの間違いです。
さっき気がついて、すみませんでした。
なお、以降の赤、青メイドさんは書かなくてもわかると思ったため、髪の文字を抜いてました。
重ねて謝罪します、すみませんでした。
それでは、続きをどうぞ。



。。。。。


銀姫「な、なんとか終わりましたね…」 ゼーゼー

デゴイチ王「第一、第二部隊共に出撃できたな 姫もよくやってくれた」

銀姫「恐縮です…」

   ギシャァァァ!

赤青メイド「「姫様!」」 ダダッ

銀姫「え、わっ!?」


魔族姫「ったく!」 タンッ

  ドゴッズバァッ!!  ギャォァァァ…  ズズーーンッ

魔族姫「ふん」

銀姫「あ、ありがとう、ございます…」

魔族姫「かっ勘違いしないことよ! あなたがただの人間だったら助けなかったわ!」

魔族姫「普通、魔物が魔力の無い人間を襲うことなんか無いんだから!魔族や魔法使いの人間くらいしかーーー…あ」

銀姫「…魔力があると、魔物に狙われるのですか…?」

魔族姫「……はぁ、うっかり喋っちゃったわ… そうよ、魔物は魔力を食べて生きているの」

魔族姫「魔族や魔法使いの心臓と脳には沢山の魔力が詰まってるわ、魔物はそこを狙って噛みついてくるの」

魔族姫「昔は純血を尊ばれていたけど、現代の魔法使いの血はもう、普通の人間と混じっちゃってるのよ」

魔族姫「デゴイチにだって魔法使いの血の薄ーーーーーーーいのが居るでしょうね」

魔族姫「よその国でも、学者や研究者なんかは間違いなく狙われるもの」

デゴイチ王「そんな訳がない!デゴイチから魔法使いが生まれた記録など…!」

魔族姫「魔法が使えなくても、研究者の脳は魔物にとっちゃ魅力的らしいわよ?知識と魔力って似てるのか、根っこが同じなのかしらね」

デゴイチ王「そんな、では、国の防護システムは…」

魔族姫「エネルギーを狙って魔物が続々集まっちゃうわねぇ、私でも分かるもの、源にほんのわずかな魔力を感じたわ」

魔族姫「人間相手なら効果的でしょうけど、魔物には逆効果だわ あの電気とかいうエネルギーは魔力とそっくりよ」

魔族姫「だって雷を模して作られたエネルギーと自然界の魔力よ? 似てないわけが無いわ」



黒「おいこらくそ兄貴」 ボロッボロ

デゴイチ王「あ、おかえり」

黒「強制起動はダメだろうが!特にパワードスーツはフル装備じゃねえと危ねえよ!投げ出されるかと思ったぞ!!」

デゴイチ王「あ、すまん」

黒「俺抜きでなんか重大な話してんじゃねえぞ、魔族の姫」

魔族姫「えー」

黒「とりあえず説明よこしやがれ、魔物がエネルギーを食いにくるって?」

。。。しばらくお待ちください。。。




黒「あーー…つまりあれか、危機意識を持たせるためにあえてやった、と」

魔族姫「ごめんなさい」

黒「志願兵も増えたし効果はあったが…もう少しましな方法は無かったのかよ…」

銀姫「……魔力…あの、もしかして、私がここにいるから余計魔物が集まってしまうのでしょうか…」

魔族姫「人一人くらいでどうなるわけでもないけど、王族だし、魔力多目だけどどうかしらねぇ」

デゴイチ王「つまり、毎回追い払うしかないわけか…」

魔族姫「魔力もそうだけど、有益なほど厄介も増えるのよね」

すいません、名前欄またまちがってました

魔族姫「とりあえず応急処置だけど、国から少し離れた場所に電力を消費し続ける物を用意するといいわ」

銀姫「例えば光る柱とか、音のでる箱とかですか?」

魔族姫「そうね、魔界の城でもそういう分かりやすいものが主流よ」

魔族姫「で、だんだん人間の住まない地区に向けて強い電力を発する物を置いていけばいいわ」

魔族姫「それらをたどってそのうち魔力の豊富な魔界に戻ってくるから」

デゴイチ王「しかし、それでは魔界は…」

魔族姫「魔界には濃すぎる魔力を放出する沼があるわ、魔物が生まれる場所であり、いずれ戻ってくる場所」

魔族姫「小難しいことは研究者が考えればいいことだから省くけど、そういうものなの」

魔族姫「人間界に出ていってしまうのは想定外だったけれど、もうすぐ正式な討伐隊が派遣されるわ」

魔族姫「電気っていうものが安全に使えるようにするためにも、ちゃんと魔物の出現ルートを把握して塞ぐから安心していいわ」

黒「…あんた、いいやつじゃないか」

黒「なんで工場を壊したり、銀を攻撃したんだ」

魔族姫「…いいやつだって思われたくないからよ」

銀姫「え、それはどういう…」

魔族姫「だって魔族よ!?あたしは違うけど、人間しか食べられない種族とかもいるのよ!」

魔族姫「人間と仲良くなんて今さら出来ないわよ!」

黒「それは…」

銀姫「でも、あなたは違うのでしょう?それなら、堂々としてくださな」 背中バンッ

魔族姫「いったぁ!!」

銀姫「私が攻撃されたことは全然気にしないでくださいね、お国のことはデゴイチ王が判断されます」

デゴイチ王「ん、ああ… 損害賠償とかはもう全部終わっているからな、私のポケットマネーで」

銀姫「えぇっ 大丈夫なのですか!?」

デゴイチ王「心配いらん、小さい頃から副業のガラス細工で稼いできた分さ」

魔族姫「ほ、本当に申し訳ありません…」

デゴイチ王「うむ、謝罪は受け取った」

魔族姫「うぅ…」



それからーーー


銀姫「……というわけで、お嫁入りしてからしばらくの間は、激動だったわけでして、ええと…」

銅姫「(むっすー)」

金姫「まあ、大体は分かりましたわ」

金姫「とりあえず、銅姫の機嫌が治るまで、相手をしてあげてちょうだいな」

銀姫「はい、金姉様」

銅姫「(じー)」

銀姫「なんですか、銅姫?」

銅姫「…なんでもないわ、銀姉様」


黒「銀、ちょっといいか」

銀姫「黒様」

黒「三人とも見事に色分けされてるな、髪の色…」

銀姫「クリステナの王族は、なぜか生まれた順で髪色が決まるそうなので、三人いるお兄様たちも金銀銅ですの」

黒「はー、そういうもんか…」

銅姫「お話し中失礼いたしますわ、デゴイチの王弟様ですわね」

黒「え、ああ」

銅姫「銀姉様を大事にしていらっしゃいますか」

銀姫「こら、銅姫!」

銅姫「大事なことです、銀姉様」

黒「勿論だ、こうして妹ぎみと姉ぎみをお招きしても、逃げずにいられるようになったのも、銀のおかげだ」

黒「大事にしなかったら、罰があたる」

黒「なにより、銀に嫌われたくない…格好悪いところばかり見せてしまったんだ、挽回しなければならん」

銀姫「く、黒様?」

銅姫「…本心のようですね、安心しました」

銅姫「金姉様、今日はもう帰りましょう」

金姫「あら、もういいの?」

銅姫「ええ」

銅姫「銀姉様、この男に苛められたらいつでもかえってきてくださいな、すぐに報復いたします」

銀姫「怖いこと言わないで!」





おわりです。
ものすっごくやり残しが満載なのですが、体力がもうありません
たぶん、執筆活動はとうぶん出来そうにないです
隔月投稿でしたが、読んでいただいてありがとうございました

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