幼女「ごはんは?」おっさん「今作ってます」 (43)

幼女「あと何分かかる?」

おっさん「油を温めるので、そこから20分程度かと」

幼女「にじゅっぷんって何分?」

おっさん「1分はわかりますか?」

幼女「指一本で1分」

おっさん「では、幼女さんの左手と右手で10分です」

幼女「じゅっぷん」

おっさん「そして、私の左手と右手で10分です」

幼女「じゅっぷん」

おっさん「合わせて20分です」

幼女「本当に?」

おっさん「本当ですよ」

幼女「いーち、にーい、さんー、ななー…」

おっさん「一緒に数えましょう」

おっさん「手を出してください。いきますよ?」

おっさん「いち」

幼女「いち」

おっさん「にぃ」

幼女「にぃ」

……

おっさん「じゅうはち」

幼女「じゅうはち」

おっさん「じゅうく」

幼女「じゅうく」

おっさん「……二十」

幼女「にじう」

おっさん「ね?にじゅっぷんです」

幼女「うん」

おっさん「二十分、待っていてください」

幼女「うん。ごはんは?」

おっさん「…」



.



幼女「みてみて」

おっさん「なんですか?」

幼女「ほらっ」

おっさん「……お花だ」

幼女「かわいいね」

おっさん「かわいいです」

幼女「これね、おおぬぐりって名前」

おっさん「……オオイヌノフグリ?」

幼女「おおぬぐり」

おっさん「オオイヌノフグリですか?」

幼女「………おおぬぐりだよ」

おっさん「………おおぬぐり、かわいいですね」

幼女「かわいいね」



幼女「あなた、おかえりなさい」

おっさん「はい、ただいま」

幼女「今日はね、あなたの好きなトマトのサラダよ」

おっさん「わあ、嬉しいなあ」

幼女「はい、あーん」

おっさん「もぐもぐ、おいしい」

幼女「食べてないじゃん」

おっさん「はい?」

幼女「トマト、食べてよ」

おっさん「トマトさん、おもちゃですよ」

幼女「食べてー」

おっさん「……わかりました。では」

おっさん「ちょっと目を閉じていてください。綺麗に食べますので」

幼女「おめめ?」

おっさん「はい、僕がいいよって言うまで閉じていてください」

幼女「うん」

おっさん「まだですよー」
服ゴソゴソ

幼女「まだ?」

おっさん「まだですー」
ゴソゴソ

幼女「もういい?」

おっさん「どうぞ」

幼女「………あ、ない!」

おっさん「はい、綺麗に食べました!」

幼女「もう遊べないじゃんー」

おっさん「………」


.



幼女「………」うつらうつら

おっさん「…幼女さん、眠いですか?」

幼女「………ねむくないよ」

おっさん「お布団入りますか?」

幼女「………ねむくない」うつらうつら

おっさん「本当ですか?」

幼女「うん…」

おっさん「……あの、僕とても眠いんです」

幼女「え?」

おっさん「眠くて仕方ないんです。でも一人で寝るのは寂しいなあ」チラ

幼女「うん…いいよ」

おっさん「はい?」

幼女「……いっしょに……寝てあげる…」うつらうつら

おっさん「本当ですか、ありがとう」

幼女「……へへ」

幼女「……すー、すー…」カクン

おっさん「お布団まで行きましょうね」



幼女「あのねこちゃん欲しい!」

おっさん「ああ…あのぬいぐるみ」

幼女「ねーえ、いいでしょ?ほしいほしいほしい!!」

おっさん「いやあ、けどこの前に誕生日プレゼントで大きなくまさんを買ったじゃないですか」

幼女「いいじゃーん!これくまさんよりちっちゃいよ?」

おっさん「しかし…」

幼女「買ってよぉお~」グイグイ

おっさん「……」

おっさん「……だめです」

幼女「なんでえ?」

おっさん「さっき特別におやつのドーナツを買ったじゃないですか」

幼女「じゃあドーナツいらない!ね?ね?買って買って買って!」

おっさん「だめです」

幼女「いいーーじゃあん!!!買ってぇ!!」

おっさん「…だめです」

幼女「がっでよぉぉお!!ねえ!!おねがいいい!」

おっさん「グフッ……だめです」

幼女「ケチ!石頭!とんちんかん!いいじゃん!!」

おっさん「だめなものはだめです!」

幼女「ぶぇえ……ぐすっ…うわああああん」エグエグ

おっさん「さあ、立ってください。行きますよ」

幼女「やだぁぁあ…買ってぇえ…うわああああ」

おっさん「…」

幼女「やだやだやだ!買ってよおおお!」ジタバタ

おっさん「……ここで待っていてくださいね、お手洗いに行ってきます」

スタスタ

どーナツ(する)んだろう

5分後


おっさん「戻りましたよ」

幼女「うぇぇえん…ううぅ…」ぐすんぐすん

幼女「買ってよぉ…」

おっさん「…おや、誰かから電話だ」
ピルルル、ピルルル

おっさん「すいませんが、幼女さん。電話に出てもらえますか?」カチカチ

幼女「……ん?」チラ

幼女「……もしもーし」

?「幼女ちゃん!僕だよ!(おっさん裏声)」

幼女「?」

?「幼女ちゃん!僕だよ!この間、お友達になった僕だよ!(裏声)」

幼女「……くまさん?」

くまさん「そうだよ!」

幼女「くまさん!どうしたの?」

くまさん「幼女ちゃんがいつまでも帰ってこないからお電話しちゃったんだ。寂しいなあ」

幼女「ほんとに?ごめんね」

くまさん「幼女ちゃん、早く帰ってきて遊んでよ!寂しいよお」

幼女「うん!わかった。ごめんね、待っててね」

プツ、
おっさん「誰でしたか?」

幼女「くまさんからお電話だった!」

おっさん「そうですか…」ササッ

幼女「早く帰ろ!くまさんが待ってる!」

おっさん「わかりました」

幼女「早く早く!」

おっさん「待ってください、走らないで」


.

ミス
誤 どーナツ(する)んだろう

正 どーナツ(なる)んだろう




幼女「おうた考えた」

おっさん「おお、そうですか。歌いますか?」

幼女「うん!」

おっさん「では……あった」

幼女「ダンボル?」

おっさん「いいえ、これはステージです。ささ、どうぞ」

幼女「うんっ!」のし

おっさん「そして、これ」

幼女「……えんぴつ?」

おっさん「いいえ、マイクですよ」

幼女「マイクじゃないよ?」

おっさん「本当ですか?」

幼女「マイクじゃないもん!えんぴつだもん!」

おっさん「そこまで言うなら、じゃあえんぴつに魔法をかけてマイクにしましょう」

幼女「ええー?まほう?」

おっさん「はい。僕が魔法をかけたらこれはマイクになり、ステージから離れていてもちゃんと幼女さんの声が聞こえてきます」

幼女「すごい!!」

おっさん「では一緒に唱えましょう。ちちんぷいぷい~」

幼女「ちちんぷいぷい~」

おっさん「マイクになれ!」ビッ

幼女「なれ!」

おっさん「……はい、なりました」

おっさん「では僕はステージから離れますので、幼女さんは僕が手を振ったら元気な声で僕の名前を呼んでください」

幼女「うん!わかった」

スタスタ
おっさん「………いいですよー」ブンブン

幼女「……さん!!!」

おっさん「……はい、聞こえました」

幼女「ほんとに!?すごーい!」

おっさん「でしょう?これはやはりマイクです」

おっさん「では、おうたをどうぞ」パチパチ

幼女「……っ!」

幼女「……えへへ」

幼女「やっぱりやあだ!」

おっさん「どうしてです?」

幼女「……はずかしぃ」ボソ

おっさん「そうですか…ではまた別の機会に」

勢いで建てたスレなのにこんなに読んでくれて嬉しいw
もう読んでる人いなければ落とします

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