※このSSは主人公をできる限り生きながらえさせるスレです。
※なるべく安全な橋を渡りましょう。
※しんだらおしまい けっこんできない
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1425394051
アルカ「ねぇねぇ、>>直下してー」
男「ハイハイ分かりましたアルカ様。>>直下でございますね?」
アルカ「うん!お願い!」
男「ハイハイ分かりました、フェラですね?」
アルカ「うん!やってみたいの!」
男「ハイハイそれでは……」
男「(…………)」
男「(…………アレ?)」
男「す、すいませんアルカ様。もう一度言っていただけますか?」
アルカ「えーっとね、私に男のをフェラさせてー?」
男「(なん……だと)」
男「(これはもう>>直下しかない!)」
・させる
・させない
・自由
男「わ……かりました」
アルカ「やったー!じゃあズボンおろしちゃうねー?」
男「えっ、いきなりは――」
アルカ「えー、ダメー?」
男「う……」
――年端も行かぬ少女の自分の陰部付近からの上目遣い。唐突なフェラの要求。
――ロリコンの気がいくらかあり、なおかつ童貞だった男は、この状況と、アルカの可愛さ相乗効果によって、
アルカ「あ、男のココ、もうこんなになってるよー?」
男「くっ……」
――ナニが、スタンディングオベーションした。
――アルカは慣れた手付きで男のをズボンを脱がして行く。その手際の良さは、誰か他の人物にも行ったと容易に想像できるものだった。
――だが、男にそんな事を考える余裕はない。何故なら、今にも暴発してしまいそうなナニを抑え込んでいるからだ。
――この時、男はまだ気づいていなかったが、男は尋常ではなく敏感な体質なのである。
――それこそ自分の陰茎に、吐息がかかるだけで、
アルカ「じゃあしちゃ――きゃっ!?」
――射精してしてしまうほどに。
――勢い良く飛び出た精液はアルカの髪や服にかかり、更に淫靡な雰囲気を醸し出していた。
一瞬驚いたアルカだがすぐに気を取り直し、男のナニを口元に近づけ――
ナニに口が触れた瞬間、また射精しそうになる男を尻目に、アルカは陰茎から顔を遠ざけ、満足そうに言った。
アルカ「うん、おねだり聞いてくれてありがとー!」
男「ハァ…ハァ……」
アルカ「えへへー、あんまりお兄ちゃんにするなって言われてたけど何となくしたくなっちゃったんだー」
アルカ「フェラ」
男「(今のが、フェラ……だと?)」ハァ…ハァ…
――男は童貞である。しかし流石に性欲処理ぐらいは行った事はある。そしてその際、オカズに使っていた物からフェラなんたるかは知っている。
だが、アルカは陰茎に口を付けただけでそれをフェラと言った。
この思考の食い違いはなんだ……?
お兄ちゃん、寸止め、考えの違い……
その時、男の脳内に、電流、迸る!
男「(はっ!そうか!アルカ様は恐らく何らかの事情でフェラと言う言葉だけを知り、そしてそれがどんな事かを実践で知ろうとしたんだ!)」
男「(そして相手は、恐らくキルア様。キルア様はフェラの意味も内容も知っていた、だからこそ、間違えた知識を植え付けた)」
男「(アルカ様は純粋無垢、恐らく誰にでもやりたくなったら何となくでやってしまう。だから正しい内容は教えず、寸止めで終わるのがフェラなんだと教え込んだんだ)」
男「(そう、恐らくコレが真実……だけど)」
チラリとアルカを見る
男「(だからってこんな所で止めんなよちくしょおおおお!)」
ガチガチになっている男のナニも、男の心情も露知らず。アルカは早くも次のおねだりを考えていた。
アルカ「(うーん、次は>>直下しようかなー?)」
アルカ「(そうだ!何となくだけど、足を舐めてみたい!)」
アルカ「ねぇねぇ男ー?」
男「…あ、あぁ、はい。なんでしょう」
アルカ「足舐めさせてー?」
男「(なん……だと……?)」
男「あ、あの。アルカ様」
アルカ「んー、なにー?」
男「コレは、ちょっと……」
アルカ「えー、ダメなのー?」
男「くっ……!」
また上目遣い。それだけで立ちかける自分のナニ鎮めながら、男の出した判断は
>>直下
1.させる
2.させない
3.自由安価
おねだりを断った連続数、1
男「いいえ!今回はダメです!アルカ様をそんな変態の子にした覚えはありませんししません!」
アルカ「むぅー、だめぇー?」
男「だ、ダメです!」
アルカ「えーとねー、じゃあ>>直下ー」
男「え?>>直下ですか?」
アルカ「うん!お願い!」
男「(ベ ロ チ ュ ー だ と)」
その時、男の脳裏に記憶が蘇る。
そう、かつてAVのベロチューシーンで数十回抜いた記憶が。
正直童貞のこの男はベロチューしたい。未経験な訳だから憧れるのも当然だ。
だが、自分はこの一家に仕える者である。そして相手はAV女優などではなく、仕えるべき人物。
立場を考えれば、到底許されざる行為。しかしそれでも、ベロチューはしたい。
男「(俺は、俺は……)」
葛藤の末に出した男の答えは?
1.する。
2.しない。
3.自由安価。
男「だ、ダメです!そんなことは出来ません!ていうかしてはいけません!」
アルカ「えー?これもダメー?なんでなんでー?」
男「なんでもかんでもないです!良いですかアルカ様!こういうキスとかフェラとかはもっと大事な人にですね!」
アルカ「……んー、>>直下して!」
男「(聞いていらっしゃらない!)」
男「(いや、それより>>直下か……)」
男の金玉を私のお口の中でコロコロと舐めころがしたい
それと同時に男の男性器を白い汁が出るまで握り擦りたい
>>26
え、取り出してって事じゃないよね?玉
とりあえず寝ます。ぐっない。
アルカ「えへへ、ヤらせてー?」
指でOを作り、それを上下させながらアルカは無邪気に言い放った。
男の玉袋を舌で舐めながら、射精するまで竿を擦りたい、と。
当然認める訳にはいかない。
いかないが、男としてのどうしようもない性が男のナニをいきり立たせていた。
ズボンの上からでも分かるほど大きく膨らんだ男の物を見つめながら、アルカは可愛らしく小首をかしげる。
アルカ「ねぇ、良いでしょー?」
男「い、いや、コレは……」
アルカ「んー」
可愛らしく微笑みつつ、男の耳元に口を近づけて、静かに囁いた。
アルカ「ねぇ、ヤっちゃ、だめ?」
男「うっ……」
軽くイきかけながら、回転しない頭を必死に動かして考えを巡らせる。
そして考えた末、男は――
1.認める。
2.認めない。
3.自由安価。
>>直下
男「う……分かりました」
アルカ「えへへ、やっとおねだり聞いてくれたー」
アルカは男の顔を笑顔で見つめながら、器用にズボンを脱がして行く。
脱がされたズボンの下には、ギンギンの男のナニがあった。
既に先走り汁でテラテラ照っているナニを、アルカは恍惚とした表情で一瞥する。
男の顔を見つめ直し、アルカはナニを片手でこすり始めた。
しばらく見つめ合った後、アルカはしゃがみ、ナニと同じ目線になる。
大量の先走り汁によって、男のナニは擦る度に粘着質の卑猥な音を吐き出した。
元から限界寸前だった男のナニは、射精をしようとする。
しかし――
アルカ「えへへ、まだだーめ」
アルカはギュッとナニを掴み、射精を無理やり中断させた。
男「うっ……なん……で?」
アルカ「だってまだ舐めてないもん♪」
言うが早いか、アルカは口一杯に玉袋を頬張った。
また射精しかけるが、アルカにナニを握られていてそれは叶わない。
アルカは右手で男のナニの根元を押さえつけ、左手で優しくナニを擦り出した。
それから数度射精を中断され、男は思わず呻き声を洩らす。
男「う……」
その声を聞き、アルカ玉袋から口を離して男に尋ねた。
アルカ「……えへ、イきたい?」
男「…は……ぃ」
アルカ「うん、分かったー」
無邪気に笑って、アルカはスパートをかける。ぐちゅぐちゅと音が部屋に響き渡った。
急な加速に男は何度も精液を吐き出そうとするが、やはりできない。
そしてアルカはカウントを始める。
アルカ「ごー、よーん」
アルカ「さーん、にー」
アルカ「いーち」
アルカ「ぜーろ」
アルカが手を離した瞬間、大量の精液が勢い良く噴き出た。
噴き出た精液は大きく開けたアルカの口の中に飲み込まれて行った。
しばらく味わうように咀嚼してから、アルカは美味しそうにゴクンと飲み込んだ。
アルカ「うん、ありがとー!楽しかったよー!」
男「ハァ…ハァ……それは……良かったです……」
アルカ「うん、じゃあ次はねー」
アルカ「>>直下してー」
アルカ「えへへ、次はお尻の穴をなめさせてー?」
男「ハァ…ハァ…(なんで、今日はこんなにもアルカ様からエロ系のおねだりが多いんだっ!)」
男「(いつもなら、なでなでしてー、とか、だっこしてー、とか可愛いらしいおねだりなのにっ!)」
男「(なぜっ!なにゆえこれほど今日はディープなおねだりなんだっ!)」
男「(うん、流石にお尻の穴はマズイ!コレは断らなければ!)」
男「ハァ…ハァ……アルカ様、こればっかりは、やめておいた方が……」
アルカ「えー、ダメー?」
男「くっ……」
所々に精液のついたアルカは、尋常ではないほどの卑猥な雰囲気を醸し出している。男のナニはアレほど射精をしたと言うのに、既にまたムクムクと立ち上がっていた。
性欲が思考を曇らせそうになるが、それを振り払って男は考えた。
考えた末、男は――
1.させた
2.させない
3.自由安価
男「ダメですっ!汚い!」
アルカ「えー?なんでなんで」
男「き た な い っ !」
アルカ「うっ!?」
男「良いですかアルカ様!先程の行為はともかく!コレばかりはそう簡単にして良い行為ではないのです!」
アルカ「え、う、うん」
男「そう、何故なら汚いからです!良いですか?どんな生物にも排泄する器官は備わっています!」
男「排泄物と言うのは一部を除いて汚い物です!それを出す為の器官も然り!それを舐めようなんてそんな事はしてはいけないのです!」
アルカ「う、うぅ……」
男「分かりましたか!?」
アルカ「う、分かったよぅ……」
アルカ「あ!でもその代わりに>>二つ下してー!」
男「え、>>二つ下?」
アルカ「一緒にお風呂はいろー?」
男「(まとも……だと!?やった!)」
男「ハイハイ、分かりました!それでは水着を取って参りますので、少しだけお待ちくださ――」
アルカ「裸だよ?」
男「…………え゛?」
アルカ「え?だって、お風呂でしょ?」
男「いや、そうですが、しかし、」
アルカ「むー、またダメなのー?」
男「え、いや、当然>>二つ下ですよ!」
1.入る 生存
2.入らない 即死
3.自由安価
1.が選択されました。
生存します。
男「と、当然入ります!」
アルカ「やった!じゃあ早く行こー?」
男「は、はい。では準備を致しますので、少しだけ待っていてください」
アルカ「はーい」
準備をしにアルカの部屋から出た男は、内心気が気でなかった。
アルカの裸の姿を想像しただけで男のナニは立ちかけるが、その瞬間、ふと脳裏に疑問が過ぎる。
男「(あれ……アルカ様の性別って一体どっちなんだ?)」
お風呂にお湯を入れながら男はそんな事を考えていた。
男「(良く良く考えればアルカ様は結構に中性的な声と顔をしていらっしゃる。しかも幼い所為でその判別は更にしにくくなっている)」
男「(服から考えれば間違いなく女の子だ。だが、キルア様は弟と言う時が時稀に良くある)」
男「(……どっちだ?)」
そんな事を考えている内にアルカの部屋にたどり着く。
男「アルカ様、お風呂の用意が出来ました。」
アルカ「あ、ありがとー。じゃあ一緒に行こう?」
男「あー、その前に替えの服を持ってきてはいかがでしょうか。今の服だと些か問題があると思われます」
アルカ「え?あ、うん、わかったー」
そう言ってアルカは服を取りに行く。
戻ってきたアルカと手を繋ぎ、一緒に風呂へと向かった。
男「(あぁ、背後で布の擦れる音がする)」
アルカのあられもない姿を想像しただけで、男のナニは大きく膨張した。
しかし、先程の疑問は消えない。だが、それは大した事ではない。何故なら後僅かで性別が疑問を解消できるからだ。
それより今は――
男「(クソっ!鎮まれ俺!仮にも仕える主人に対して何を考えているんだ!)」
――ナニを鎮めるのが最優先だった。
様々な事を行なっている男に、アルカは遠慮気味に声をかけた。
アルカ「あの……」
男「はっ、はい。なんでしょう」
アルカ「あのね……あたしの身体見ても、驚かないでね?」
男「え、それはどういう」
アルカ「こっち向いて」
――主人に仕える者の端くれと言うべきか、男はほぼ脊髄反射で後ろを向く。そして、男の疑問は消えた。
アルカの性別は?
>>二つ下
1.女の子
2.男の子
――処女雪のように透き通るような白い肌。頬の部分は薄いピンクに染まっていた。ツヤツヤとした髪は微かに茶色がかかっていて、いつも束ねている前髪を解くと更に幼い印象を受ける。
顔のパーツ一つ一つが整っていて、それは美しいとしか言い表せなかった。
顔から目線を下げて行くと、そこには発育途中のなだらかな二つの丘。中心には桜のようなピンク。
身体の線は幼いながらも整っていて、少しだけ浮き出た鎖骨。くびれになりかけの腰から更に目を下ろせば、まっすぐに伸びる両脚。そしてその間には――
男「……ふつくしい」
アルカ「……なんか、出てるよ?」
男「……はっ!?」
アルカ「ティ、ティッシュ!」
男「あ、あぁ。ありがとうございます――アルカお嬢様」
その言葉に一瞬だけアルカの動きが止まり、そしてしばらくするとぷいっとそっぽを向いてしまった。
男は不思議に思い顔をよく見ると、ぷくーっと頬を膨らませていた。
男「(あ、可愛い……じゃない)」
男「あの、アルカお嬢様?何かお気に召さない事でも――」
アルカ「それ!あたしの事、また前みたいに呼ばないともう話さないもん!」
プンプンと言う音が似合いそうな表情をしながら男に背を向けてしまった。
男「え、あ、あの。も、申し訳ございませんアルカ様。どうかご機嫌を直し頂けないでしょうか?」
アルカ「……むぅー」
男「…………」
しばらくの静寂。
先に口を開いたのはアルカだった。
アルカ「……むぅー、まぁいいもん。一緒にお風呂入ろっ!」
男「あ、分かりました」
アルカ「うん、先行ってるね!」
ペタペタと足音を鳴らしながらアルカはお風呂に向かった。
その後を、男は追いかけて行った。
男「アルカ様ー?ちゃんと身体を洗って下さいねー?」
アルカ「だいじょーぶだよー」
風呂桶にお湯を汲んではそれを身体にかける。しばらくそれを行ったら、アルカは先に湯船に浸ってしまった。
アルカ「はーあ……きもちぃー」
男「ふぅー……そーですねー」
アルカ「えへへ、後でねー――」
男「ハイハイなんですかー?」
待てども待てども、後でね、言葉の先が聞こえない。軽く閉じていた目を開くと、目の前に、三つのウロがあった。
男「…………っ!?」ゾクッ
ナニカ「…………」
一瞬湯船から抜け出そうとしたが、ほんの僅かに逡巡してから「ナニカ」の存在を思い出す。
男「(……あぁ、何か要求しないと元に戻らないんだったっけ)」
男「(そうだな……じゃあ>>二つ下とかでいいかな)」
男「(俺は、このままで良いのか)」
男はナニカを目の前にして、ふと、そう考えた。知っている通り、男はゾルディック家に仕える者である。
――ゾルディック家はそちらの道の者には言わずと知れた暗殺一家だ。
ならば、そこに仕えるこの男は戦闘能力が高いのだろう。かと思ったらそんな事は全くない。
男は速度は持っている。やろうと思えばゾルディック家の人間に準ずる程の速度で動ける。洞察力も持っているし、技術もそこそこあるにはある。
だが、力が圧倒的に足りない。
それこそ成人を迎えた女性にも敵わないほどだ。
男「(もし、アルカ様が目の前で殺されそうになっても、俺はきっと逃げる事しかできない)」
目の前でアルカが何者かに殺害される瞬間を想像し、大きく身震いをした。
男「(それじゃ……ダメだ!)」
男「(俺は……>>三つ下のような念能力が、力が、欲しい!)」
※能力の種類と内容を書いてね。
※能力のそもそものレベルを書いてね。
※1〜10の範囲内で。
10に行けば行くほど代償が大きくなり、能力そのものも強くなります。
能力のレベルは>>四つ下
バリアを張る能力7
※申し訳ございませんが、この安価は同時に二つの物を採用しません。
最初の>>三つ下
と言った物で能力が確定し、
次の>>四つ下
と言った物でレベルが確定します。
よって、同時に二つの物が書かれた>>66さんのは不採用とし、自動的に安価下が行われます。
説明不足でごめんなさい。
できれば、引き続きお楽しみ下さい。
男「(そう、念じながら身体の部位に触れるとそこが敏感になる能力)」
男「(俺なら相手に気づかれず身体に触れるところまでは簡単に出来る。だが、今まではイマイチ決め手に欠けていた)
男「(だがこの能力で痛覚を増し、そこを攻撃すれば……!)」
男「(イ ケ ル !)」
数十分かけ数百回程の戦闘シミュレーションを行い、能力の有用性について確信を持った男は目を大きく見開き、ナニカをまっすぐ見つめ、オネガイをした。
男「お願いしますナニカさん!俺に、念じながら身体の部位に触れるとそこが敏感になる能力を下さい!」
ナニカ「……あい」
ナニカはまっすぐに手を伸ばし、男の頭に触れる。その瞬間、眩い光が部屋を包み込んだ。
光が収まって男が目を開けた時、目の前にはナニカから戻ったアルカがいた。
しかし、アルカに異変が起きていた。
その異変を、曲がりなりにも仕える者である男は感じ取る。
男「……アルカ様?」
アルカ「…………ぅ?なぁに?」
アルカの頬はいつにも増して紅潮し、真っ赤に染まっていた。そしてその両目は焦点が定まらず、フラフラと虚空を彷徨っている。
瞬時に男は理解した。
男「(アルカ様は……風邪だ!)」
男「(クソっ!おでこもかなり熱くなっている!相当に重症だ!)」
男は急いでアルカを湯船から引き揚げた。アルカの、文字通りに一糸纏わぬ姿に僅かに気を惹かれたが、そんな事を考えている余裕はない、と自分に言い聞かせる。
更衣室まで連れて行き、すぐさま身体中をタオルで拭く。
もう一度おでこに触れるが、熱は冷めるどころか寧ろ上がっているように男は感じた。
服を着せつつ、男は考えを巡らせる。
男「(クソッ、何が理由でアルカ様は風邪にかかったんだ)」
男「(俺は毎日うがい手洗いアルコール消毒に、アルカ様に会うたびに着る物を全て変えてから会っている)」
男「(原因が俺だとは考えにくい。しかしこの別館には基本的に俺しか近づかない。それに、前兆もなかったのに何故急に風邪になったのか……)」
――急な発病?
風邪になった前後の事を、男は思い出していた。そう、アルカが急に具合が悪くなったのは男がオネガイをした直後。
男「(……まさか、俺がこんなオネガイをしたからか?)」
俺「(……くそ、考えが浅かった!迂闊だった!……まさかアルカ様の事を思っての行動が、結果的にアルカ様を苦しめるなんて!)」
男は拳を強く握りしめた。だが、過ぎたことを後悔しても何も始まらない。布団にアルカを寝かせながら、男は高速で思考する。
男「(……ココから本格的な医療施設のある本館までは、アルカ様を抱きかかえながらの全力で二十五分弱。一応俺とアルカ様しかいないこの別館にもそれなりの医療器具が備わっている)」
男「(確実性を求めるならば間違いなく本館へ向かった方がいい。だが、アルカ様の症状は分刻みで悪化している。たどり着くまでに、どうなるか分からない。しかも、アルカ様にとって運ばれるのは恐らく体力的にキツイ)」
男「(だからと言って、ここに留まるのも少し避けておきたい。何より俺は医者じゃない。適切な処置を行えるかどうかが全く分からない。しかし、アルカ様の体力を考えればこちらの方が適切)」
男「(俺は……)」
1.本館にアルカを連れて行く
2.ココで処置をする。
3.自由安価
>>二つ下
※えー、1と言う方向でー
お休みなさい。
男「(……様々なメリットデメリットから考えたら、恐らく本館へ行くのが適切)」
男「(アルカ様には少し我慢してもらうことにはなるが…)」チラッ
アルカ「ハ……ァ……ハ…ァ……」
男「(見るからに症状は悪化している。猶予はない。一刻も早く本館の方に連れていかければ)」
――男はアルカをロール状に布団で包み込み、それを軽く縛って抱きかかえた。
アルカの容体は高速で悪化し、既に呼吸は安定のしないものになり、顔色は蒼白とし始めている。
男「……アルカ、様」
アルカ「………ぅ……?」
男「今から、本館の方まで連れて行きます。少し揺れますが、我慢を、お願い出来ますか?」
アルカ「……ぇへ……だ……い…じょ……ぶ……」
身体的にかなり辛いであろうアルカの、男に対して浮かべた微笑みは、男を責めるのには十分だった。
歯を強く噛みしめ、男は玄関の扉を開く。開いた先には庭。そしてその先に夜の森。
満月の下、男は駆け出す。
男「(……なるべく、アルカ様に負担をかけず、かつ最も速い速度を維持する!)」
男「(……アルカ様……アルカ様っ!)」
――全速力で駆ける男の脚と、アルカの身体にいつしか白いオーラが纏わりついていた。
男はナニカに能力を与えられる以前から既に念能力者だった。しかし、男の念能力者としての腕は決して優れているとは言えない。
――そんな男が、何故仮にもゾルディック家の一員であるアルカを任されたのか。
確かに、現当主のシルバ=ゾルディックがアルカを身内として扱っていないのもあるが、それでもより適任な執事は何人かいる。
だが、それでも男はアルカを任された。
その理由は、ゾルディック家では御法度とされる感情。
――愛だった。
男は紛れもなく、アルカに愛情を抱いていた。恋人同士が互いに抱くようなものではなく、母から子に対するような愛を。
だが、仕事に差し支えの出る余計な物を見逃す程、ゾルディック家は甘くない。
使用人の身分で主人にそのような感情を抱くのは言語道断。
再教育と言う名の拷問を、しばらくの期間男は受けることになる。
だが、男は何をしてもその感情が揺らぐ事はなかった。ひたすら真っ直ぐにアルカを愛した。
最終的に再教育する事を諦められるが、それと同時に、アルカの付き人に任命される。
――ゾルディック家当主のシルバが、男をアルカの付き人にしたのには二つの理由がある。
一つは、その乏しい戦闘能力であろうとも、身を投げ打ってでもアルカを守るだろうという信頼。
二つ目は、他の誰でもない、アルカ本人の要望があったから。
アルカは基本的にはキルアを最も好いているが、そこに唯一並ぶのがこの男である。
なんだかんだで恐らく一番長い時間一緒にいたのだから、情も湧くだろう。
――といった具合の。以上の二つの理由から、男はアルカの付き人に抜擢されたのである。
だが、男にはアルカの付き人をする上で一つの大前提があった。
アルカに危害を加えない、と言う物だ。
それを破った場合、男の立場は―――
夜の館の扉を開け放ったのは一人の男だった。息は乱れ、手元には何かを抱えている。
その場にいた二人の執事は一瞬にして臨戦体制に入った。
そして首元に刃を突きつけたところで、久しく見なかった同業者の顔であることを思い出す。
懐に得物を仕舞いながら、一人の執事は訝しげに尋ねた。
執事A「……おい、どうしたんだ男。ココに来る用事なんて――」
男「…ハァ…ハァ……今すぐ……」
執事A「……あ?」
男「ハァ………今、すぐ……医者を呼んでくれ!一刻を争うんだ!」
執事B「……いきなり来て、そりゃどういう事だ。説明しなきゃよ呼ぶにも」
男「良いから、呼べっ!」
執事A「っ!?分かった、呼んでくる。お前は話を聞いててくれ」
執事B「了解……で、どうしたんだ?わざわざ本館まで息切らして走ってきて」
男「……アルカ様が高熱を出している」
執事B「……あぁ、その布団にくるまれてるのがアルカ様か、顔が良く見えなかった」
執事B「だが、熱ぐらいなら別に別館でも対処は出来るだろ?」
男「……この熱は、恐らくおねがいの代償なんだ」
執事B「……はぁ?お前そんなヤバイ事おねがいしたのか?アルカ様は基本的に、自分に全く影響せずなんでも無条件で叶えられるんだろ?それをお前、高熱を出させる程とか……」ハァー
男「……うるさい」
シュルシュルと布団に巻かれた紐を解きつつ、男は言葉を返す。
布団の中心には、依然として苦しそうな表情をしたアルカが横たわっていた。
いや、依然として、ではない。
男「(……クソッ、悪化してる)」
症状は悪化していた。
額には大粒の汗が浮かび、呼吸は苦しそうで時折辛そうに咳をする。
それに対して男は、背中をさする事や、声をかける事ぐらいしかできずにいた。
執事B「(……あー、気まず)」
執事が医者を呼びに行ってから五分ほど。執事は担架を持った医者達と、その後ろに、シルバを連れて戻ってきた。
医者達はアルカを見つけるや否や、すぐさま担架にのせどこかに連れて行った。
それを見送る男に、シルバは静かに声をかけた。
シルバ「……来い。事情を説明して貰おう」
男「……はい」
男は、シルバに連れられ、どこかへと向かった。
※もぅマヂ(ry
ぐっない。
ごめんなさい。
シルバ「さて、ただ風邪になったから運んできた、という訳ではないだろう?……事の顛末を話して貰おうか」
――シルバの言葉から少し間を置いて、男は重々しげに口を開き、とつとつと出来事を話していった。
アルカのおねだりを三つ叶えた事や、おねだりを三つ叶え、一つおねがいをした事など。
――幸い、おねだりの内容までは質問されなかった。
しかし、おねがいをした事が恐らく原因で熱を発している旨を伝えると、シルバは興味深そうに片眉を吊り上げた。
シルバ「つまり――念能力を要求するとアルカは発熱という代償を背負うことになる」
シルバ「それも、その発熱は何か特殊な性質や症状を持っているかもしれない……という考えだな?」
男「ハイ……恐らく、発熱はおねがいの代償で間違いないでしょう。述べました通り、私は自分への雑菌予防は怠っていませんし、食事管理も完璧です」
男「問題は、もし念能力の代償としての発熱ならば、それがただの風邪ではなく、何か普通でない特殊な性質を持っているかも知れない点です」
シルバ「…………」
シルバ「……そうか」
ふぅー、と一息吐いて、シルバは静かに立ち上がって扉の前に立った。
男に背を向けながら、シルバは伝える。
シルバ「……後で追って沙汰する。それまでここで待機しろ」
男「……はい、分かりました」
シルバは扉を開け、外に出て行く。
残された男は、部屋の隅でうずくまり、一人、アルカの事を考えていた。
シルバ「(なるほどな、おねがいに対し念能力と答えると、アルカは高熱になる、か)」
シルバ「(――念能力は本来、日々鍛錬して鍛え上げて行くものだ。そしてそもそも、一般人が普通に生活していて念を習得するのはほぼあり得ない)」
シルバ「(念を使える師を持ち、その下で鍛えるか、それか念の攻撃を与えられなければならない)」
シルバ「(前者は時間を使い、後者は危険を伴う)」
シルバ「(……その念をノーリスクで与えるのは、やはりアレにも無理だったか)」
シルバ「はぁ……」
シルバ「(……男の処分はどうするか。生憎と大抵の執事がアルカを恐れ、四六時中そばにいようなんて奇特な奴はそういない)」
シルバ「(だが――)」
シルバ「(それでも解雇を考えねばならないほど、今回の行動は不用意かつ危険だ)」
シルバ「(本来男は、アルカへのおねがいは常にローリスクの物を頼んでいる筈)」
シルバ「(それが今回、明らかにリスクの高い物をおねがいした)」
シルバ「(何故急に?ただの気まぐれか?ならば尚更、男を解雇せねばならなくなる)」
シルバ「(しかし、あいつの代わりなど恐らくいない。イルミが執事を洗脳しそれを送れば別だが、当然キルアはそれを許さないだろう)」
シルバ「(最悪、アルカを連れて家から逃げ出しかねない)」
シルバ「(そうなった場合の事を考えると、なおのこと男は解雇できない)」
シルバ「(……一体どうしたものか)」ハァ……
医者「……あの、シルバ様」
シルバ「あぁ……何だ」
医者「あ、えっと、アルカ様の症状が判明しました」
シルバ「そうか……それで?」
医者「え、はい、えっと」
医者「――アルカ様の症状は、上気道の炎症性の疾病及び、咳嗽、咽頭痛、鼻汁、鼻づまりの局部症状に加え、発熱、倦怠感、頭痛などの――」
医者「……つまり、風邪です」
シルバ「…………」
医者「……?……えっと、風邪です?」
シルバ「いや、聞こえてる……その風邪は、普通の物か?」
医者「……と言いますと?」
シルバ「……いや、良い……ありがとう。アルカの所に行ってくれ」
医者「え、あ、はい」
トテトテと走り去って行く医者の背中を見つめながら、シルバは決断した。
シルバ「(症状は特殊な物ではなく、ただの風邪。誰にも被害はない」
シルバ「(だが、それは結果論だ)」
シルバ「(もし感染しただけで即死するような病だった場合、男の責任は計り知れない)」
シルバ「(……男の不用意さと、人員不足を天秤にかけた場合)」
シルバ「(男は――)」
1.解雇しない 終わらない
2.解雇 終わり
3.自由安価
シルバ「(――この件は、保留だな)」
シルバ「(もう一度こんな事があった場合は流石に考えものだが、アルカの付き人は慢性的に不足しているからな、流石に簡単に解雇はできない)」
シルバ「(……男にアルカの症状と、さっき言った通り沙汰を伝えるか)」
――シルバは男を待機させた部屋の扉を開く。
部屋の隅に男がうずくまっていたが、視界にシルバを認めると、厳かにかしずいた。
シルバ「……アルカだが」
男「…………」ビクッ
シルバ「ただの風邪だったそうだ。恐らくしばらく安静にしていれば、体調は元に戻るだろう」
男「……そうですか」ホッ
シルバ「それとお前の処分についてだが、今回は特に無しだ」
シルバ「だが」
静かにシルバが発した言葉は、確かな怒気と殺気を孕み、男の全身を突き刺した。
シルバ「もう一度同じような事をして見ろ。お前はこのゾルディック家の敷地はおろか、半径数百キロに入った際に殺害の処置を取る……いいな」
男「……はい」
シルバ「以上だ……アルカの所に行け」
男「……失礼します」
沈んだ声を最後に部屋に残して、男は部屋から出て行った。
男「(俺は一体何をしているんだ)」
男「(アルカ様には風邪を引かせ、シルバ様からはまさかのお咎めなし。いっそ幽閉をされたいぐらいだ……)」
男「(――しかし、これはラストチャンス。もしもう一度でも同じような事があったら間違いなく解雇)」
男「(解雇ということはつまり、ゾルディック家に仕える事は最早一生不可能な事を表している)」
男「(もしそうなった場合、きっとそれ以降アルカ様に会うことなく、生涯を終える)」
男「(それだけは避けたい!というより避けねばならない!)」
男「(これ以降おねがいをする機会があったならば、今回のように軽はずみでなく、もっと熟考せねばならないだろう)」
――決意を新たにした男は、緊張した面持ちでアルカのいる病室の前に立った。
男「失礼します」
待てども返事はない。寝ていると考え、男は極めて静かに扉を開いた。
部屋の中では静かに寝息を立てるアルカがいた。男はその姿を見て静かに微笑むと、アルカの枕元の椅子に座って頭を静かに撫で、少しはだけている布団をかけ直した。
――夜は、更けて行く。
アルカ「えへへ、キャッチボールしよー」
男「あの、アルカ様。まだ病み上がりですので無理は余り……」
アルカ「えー、つまんないつまんなーい」
男「そんな事を言われましても……」
――アルカの発熱から数時間。ゾルディック家の医療技術により、その数時間でアルカは完治した。
シルバの指示により即刻別館に戻ってきた男に連れられ、アルカも別館に戻ってきた。
現在二人は別館前の庭で遊んでいる。
それは男による提案ではなく、アルカからのお願いだった。しぶしぶそれを了承し、今に至る。
アルカ「ねぇーおねがーい」
男「はぁ……良いですよ。じゃあボールを持って来ますので少しだけ待ってて下さい」
アルカ「やったー!ありがとー!」
数秒ほどで倉庫に到達した男は、無数にある玩具などの中からボールとミットを取り出した。
アルカの元に戻る途中、男はふと、今おねだりを叶えると三つ目だった事を思い出す。
視界の端に捉えたあるモノを手に取って、アルカの元へ走った。
――この別館に人間は二人しかいない。アルカと、その付き人の男だ。
ただの人間が二人。それならば問題はないだろうが、この二人の内、少なくともアルカは普通ではない。
ナニカになった際に、一度は男がお願いをする事が出来る。が、二回連続でお願いをすることは出来ない。
おねだりを三回消化して、ナニカになったアルカをどうしようもない訳である。
アルカに戻すために最低でも後一人は必要だが、アルカに近づこうという人間がそもそも少ない為『人間』を用意が出来ない。
そこでゾルディック家が用意したのが、一体の人形だ。
その人形に念を込めると、一言だけ発してまた普通の人形に戻る。完全にアルカの為だけに作られた人形なのだ。
アルカ「わーいキャッチボールだー!」
男「ハーイ、それでは行きますよー?」
アルカ「よーし、こーい!」
男「ぃよいしょ!」
アルカ「あはは、遅いよー」ポスッ
男「……ふぅ」
ナニカ「…………」
男「(ナニカになったか……さて、人形に念を込めて、っと)」
人形「……」ギ…ギギギギ……
人形「ナ、デナデ、シ、テー」
ナニカ「……」ナデナデ
男「(うーむ。いつ見てもシュールだな。ちょっと笑っちゃいそうだ)」
男「(さて、アルカ様に目視される前に物置に戻してっと)」
男「(で、数秒だけかかって戻って来ると……)」
アルカ「次はなにしよっかー?」
男「そうですねー。次は――」
男「(アルカ様に戻ってるんだよなー、いやー不思議不思議。いやマジで)」
アルカ「あ、そうだ!」
男「はい、何ですか?」
アルカ「えへへ、えっとねー」
アルカ「>>二つ下したい!」
男「はぁ>>二つ下、ですか?」
男「お昼寝ですか?でもアルカ様、お昼寝するといつも夜寝れなく……」
アルカ「えー、お昼寝だめー?」
男「えー……そうですねー」
アルカ「おねがいー」
男「……んー」
1.する
2.しない
3.自由安価
直下
男「(そう言えば風邪は完治したけど、昨日高熱を出した事に変わりはない。身体的にはまだ疲労が残ってるのかもしれないな)」
男「そうですね、じゃあお昼寝しましょうか」
アルカ「やったー!じゃあ今日はお外でお昼寝するー!」
男「しょうがないですね」クスッ
男「では、掛ける毛布ぐらいは持ってくるので、少しだけ待ってて下さい」
アルカ「分かったー」
男「では」ヒュッ
男「持ってきました」ヒュッ
アルカ「わー!やっぱりはやーい!すごいすごーい!」パチパチ
男「いえ、それほどでも……そうですね、では向こうに見える小さな丘に行きましょうか。日当たりも良いですし、草も綺麗に生えています」
アルカ「分かったー!……えへへ……一緒に手、繋ご?」
男「ハイハイ。それでは行きましょうか」
アルカ「うん!」
芝生の上で横になって眠るアルカを、その真隣で男が見ていた。
男は今、眠気に苛まれていた。
普段余り使わないオーラを二十五分間連続で放出した事に加え、昨日から一睡もしていないのもあり、その瞼は今にも落ちそうだった。
男「(……あぁ……眠い)」
男「(……寝ても良いかな。どうせミケが見張ってるし――)」
男「(ってダメに決まってんだろ。良いか俺、つい数十時間前シルバ様に警告されたじゃないか、この次はないぞ、って)」
男「(もしここで、アルカ様が攫われたり、考えたくないけど殺されたりしたら多分俺は複数の意味で死んでしまう)」
男「(そう、自分が後悔しないように全力を尽くすんだ)」
男「(…………)」
男「(……眠い)」ハァ…
男「(洒落抜きで今寝たらマズイんだよな……)」
男「(アルカ様には『一緒にお昼寝!』なんて言われたけど、いやー、そんなん無理だー)」
男「(いや待てよ?ココはアルカ様のお願いという事で一緒に寝たと言えば言い訳が……)」
男「(立つ訳ないですねハイ)」
――悶々と考えている内に太陽は傾き、既に一時間程経過した。
男「(……うーん。そろそろアルカ様起こそうか?もう少し寝ると多分夜寝れなくなるけど、今起こせば夜ちゃんと寝れるはず)」
男「(うーん……)」
男「(コイントスするか)」ゴソゴソ
男「(裏が起こすで表が起こさない)」
男「(よっと)」チンッ
クルクルと光を反射しながら落下してくるコインを、危なげなく男は手の甲でキャッチし、反対の手でそれを覆った。
手を開いた先には?
1.裏
2.表
3.自由安価
>>直下
横になってスヤスヤと眠るアルカを、その真隣で男が見ていた。
男は今、眠気に苛まれていた。
普段余り使わないオーラを二十五分間連続で放出した事に加え、昨日から一睡もしていないのもあり、その瞼は今にも落ちそうだった。
男「(……あぁ……眠い)」
男「(……寝ても良いかな。どうせミケが見張ってるし――)」
男「(ってダメに決まってんだろ。良いか俺、つい数十時間前シルバ様に警告されたじゃないか、この次はないぞ、って)」
男「(もしここで、アルカ様が攫われたり、考えたくないけど殺されたりしたら多分俺は複数の意味で死んでしまう)」
男「(そう、自分が後悔しないように全力を尽くすんだ)」
男「(…………)」
男「(……眠い)」ハァ…
男「(洒落抜きで今寝たらマズイんだよな……)」
男「(アルカ様には『一緒にお昼寝!』なんて言われたけど、いやー、そんなん無理だー)」
男「(いや待てよ?ココはアルカ様のお願いという事で一緒に寝たと言えば言い訳が……)」
男「(立つ訳ないですねハイ)」
――悶々と考えている内に太陽は傾き、既に一時間程経過した。
男「(……うーん。そろそろアルカ様起こそうか?もう少し寝ると多分夜寝れなくなるけど、今起こせば夜ちゃんと寝れるはず)」
男「(うーん……)」
男「(コイントスするか)」ゴソゴソ
男「(裏が起こすで表が起こさない)」
男「(よっと)」チンッ
クルクルと光を反射しながら落下してくるコインを、危なげなく男は手の甲でキャッチし、反対の手でそれを覆った。
手を開いた先には?
1.裏
2.表
3.自由安価
>>直下
男「(うん、起こそう。寝過ぎは肌の大敵とかってツボネさんが言ってたし)」
男「アルカ様……アルカ様」
アルカ「…………んぅ……」
男「起きて下さい。夜に寝れなくなりますよ」
アルカ「ぅ……もうちょっと……」モソモソ
男「ダメです、早く起きましょう?」
アルカ「……ぅう………いっぷんー」
男「……はぁ」
男「私がアルカ様を抱っこしていきますから、着くまでにはしっかり起きて下さいね?」
アルカ「……ぅん……ありがとー」
男「(あんまり甘やかしすぎちゃいけないんだけどな……っと)」
アルカ「……ん……」
アルカ「ぁー……えへへ……男の匂いだぁ……」スリスリ
男「(……ちっくしょう!可愛い!なんでこんなに可愛いんだ!こんなん美術品なんかよりよっぽど価値あるわ!生きててよかった!万歳!)」
男「……ふぅ。アルカ様、着きましたよ」
アルカ「…………」
男「……アルカ様?」
アルカ「…………」スー スー
男「(寝てる……だと?)」
この後滅茶苦茶夜更かしした。
アルカ「昨日は夜更かししちゃってごめんね……」アサゴハンパクー
男「はっはっは。いえいえ、全く全然問題ないですよ、いやホントに」メノシタクマー
アルカ「(うぅ……いつも丁寧語しか使わない男が変な口調に……)」
アルカ「(こうなったのも昨日の夜更かしのせいに決まってる!)」
アルカ「(こんな時は>>二つ下!)」
※お医者さんごっこ(がち)了解です
それはエロですかがちですか
ぐっない。
アルカ「……」スッ
男「……えっ?」
男「(あの聴診器は一体どこから……いや、それよりもその手招きは一体どういう……?)」
アルカ「……」スチャ
男「(え、白衣に着替えましたけどいつの間に?というより、それもどういう……)」
男「(……)」
男「(お医者さんごっこ?)」
男「(いやコレは)」
1.してあげる
2.してあげない
3.自由安価
アルカ「……」スッ
男「……えっ?」
男「(あの聴診器は一体どこから……いや、それよりもその手招きは一体どういう……?)」
アルカ「……」スチャ
男「(え、白衣に着替えましたけどいつの間に?というより、それもどういう……)」
男「(……)」
男「(お医者さんごっこ?)」
男「(いやコレは)」
1.してあげる
2.してあげない
3.自由安価
男「(ココは、一緒にお医者さんごっこをしてあげよう。多分気まぐれだし、それを断ったらなんか申し訳ない)」
男「ハイハイアルカ様、それで私は――」
アルカ「えー、まずは舌を出して下さい」
男「……えっ」
男「(いや、そのメガネと、舌を調べる時に使う棒と、なんかお医者さんが頭に着けているよく分からん奴はどこから?)」
男「(……まぁ良いか、アルカ様だ)」
男「えっと、はい」ベー
アルカ「……ふんふん」
男「う゛っ……」
男「(思ったより突っ込んで来るな、まるで本当の病院みたいだ)」
アルカ「あー、少し腫れてますねー。風邪気味ですかね。処方箋を出しますので飲んで見てしばらく様子見をして下さい」
アルカ「薬は食前食後の二回ずつ、朝昼夕で六回です。飲んでみてもし何か変化があったらもう一度来て下さいねー」
男「(……もう何も言うまい)」
男「(まぁ、これでアルカ様の気が済んだって言うなら全然問題ないんだが)」
アルカ「ハイ、では最後に」
男「(お、まだ何かあるのか)」
アルカ「膝枕をしましょう」
男「」
アルカ「ほら、早く」ポンポン
男「え、あの、アルカ様。コレは一体」
アルカ「アルカ先生です!」
男「あ、ハイ……で、アルカ先生。その膝枕にはどのような意味が?」
その言葉を聞くと、アルカはおもむろに身につけていた白衣などを脱いで、先ほどとは打って変わって少し沈んだ声で話始めた。
アルカ「あのね。男、昨日も一昨日もあんまり寝てないんでしょ?」
男「……はい」
アルカ「だからね、少しでも身体を休めて欲しいの。お願い」
男「……」
お言葉に
1.甘える
2.甘えない
3.自由安価
男「すいません、こんな事をして頂いて」
アルカ「ううん、いいの。ホラ、早く来て?」
男「うー、本当にすいません。お言葉に甘えさせていただきます……」モソモソ
アルカ「えへへ、全然――」
男「…………」
アルカ「…………」
男「……はい、全然?」
アルカ「……」
男「…………アルカ様?」
真横に向いていた顔をアルカの方に向けると、例によって黒い穴が三つ、男を覗き込むようにしてそこにあった。
男「(……あぁ、またか)」
男「(今度はどうしよう。前回はアルカ様に迷惑をかけた上に不用意過ぎた)」
男「(そうだな……今度は>>二つ下だな)」
男「(何だろうか……とても変質的な考えが脳裏を過ぎった気がする)」
男「(確かに、人間のする生理現象だからそれをさせても余り負担はかからないだろうけど……)」
男「(だけどそんな事をさせたらアルカ様が可哀想すぎる)」
男「(そうだな……)」
男「(じゃあ)」
1.させる
2.させない
男「(……アレ、可笑しいな。それ以外の考えが浮かばない)」
男「(いくら考えてもさっきのお願いが頭の中をずっと巡ってる……)」
男「(……考えても浮かぶ気配がない)」
男「(しょうがない。さっきのお願いをアルカ様、もといナニカにしてもらいましょう)」
男「ナニカ。えっとですね、オナラをして下さい」
ナニカ「……あい」
ナニカ「……」プー
男「(あぁ……なんか、ごめんなさい)」
アルカに膝枕をしてもらった昼下がり。時刻は十三時を回っていた。
男「(うーん、ご飯をそろそろ作ろうかな。頭も幾らかスッキリしたし、少し豪華な物でも)」
アルカ「ねー、男ー」
男「はい。どうかしましたか?アルカ様」
アルカ「えっとねー」
男「はい?」
>>二つ下
男「ハンバーグ、ですか」
アルカ「うん!食べたいの!」
男「んー……」
男「(ハンバーグの材料はないわけじゃないだろうが、実は既に昼食の料理の仕込みはしてある)」
男「(まぁ冷蔵庫に入れればどうにでもなるだろうが……)」
男「(さて)」
1.作る
2.作らない
3.自由安価
男「(ま、作らない理由がないからね)」
男「分かりましたアルカ様、少しだけですから待ってて下さいね」
アルカ「うん、待ってるー」
小走りでトテトテとダイニングルームに向かうアルカを見送り、颯爽と男はエプロンを身につけた。
男「(……材料はこんなもんだろ)」
男の目の前に並べられたのは、ハンバーグと付け合わせの材料だ。
それぞれ一つ一つに目を通して傷んでいる箇所がないか確認をする。
男「(…まずは玉ねぎをみじん切りにしてっと)」
若干目に染みるがそれに耐え、玉ねぎをみじん切りにした。手つきは慣れていて危うさは全くない。
みじん切りにしたそれをフライパンの中に入れ、火をかける。
男「(……あー、いい音)」
パチパチと弾ける音を聞きつつ、上に手を伸ばして換気扇を回した。
しばらく炒めると特有の食欲をそそる香りとなり、次第に玉ねぎが透明に近づいて来た。
ほぼ全ての玉ねぎが透明になると、男はそれを用意してあった皿に移した。
玉ねぎが冷めるまでの間、水を張った小鍋を用意し、そこにバター、砂糖、塩こしょうを加えて、切っておいた人参を入れる。
小鍋をコンロの上に乗せて火をかける。
沸騰するまでの間、もう一つの付け合わせのマッシュポテトを作る。
それ用のジャガイモは既に蒸かしてあり、それを専用の器具で潰し、多少の調味料を加えたら付け合わせは一品完成。
男「(……冷めただろ)」
フライパンをコンロの上に置き直し、今度は透明なボウルにひき肉を入れ、パン粉、溶き卵。適量の塩とこしょう、そして冷ました玉ねぎを入れて良くこねる。
ほとんど均等に混ざり合ったら、三つのタネにちぎり分け空気抜きをする。
男はコンロの火を点けフライパンを加熱する。
フライパンにある程度熱が加わったらサラダ油を敷き、空気抜きをしたタネを置いた。
熱した鉄を水につけるのに似た音と共に、肉汁とサラダ油の混ざり合った匂いが辺りに漂う。
男「(うーん。我ながら美味そうだ)」
片面に軽く焼け目がついてからそれをひっくり返し、中まで火を通す。頃合い見計らって爪楊枝で突き刺すと、中から透明な肉汁がこぼれた。
フライパンのコンロの火を止めてから、少し煮詰めたグラッセを取り出し皿に盛り付ける。
そしてハンバーグを盛り付け、
男「完成っと……アルカさまー」
アルカ「わ、良い匂いするー」
男「アルカ様の分も私が運びましょうか?」
アルカ「ううん、大丈夫ー」
男「分かりました」
男「(ま、作らない理由がないからね)」
男「分かりましたアルカ様、少しだけですから待ってて下さいね」
アルカ「うん、待ってるー」
小走りでトテトテとダイニングルームに向かうアルカを見送り、颯爽と男はエプロンを身につけた。
男「(……材料はこんなもんだろ)」
男の目の前に並べられたのは、ハンバーグと付け合わせの材料だ。
それぞれ一つ一つに目を通して傷んでいる箇所がないか確認をする。
男「(…まずは玉ねぎをみじん切りにしてっと)」
若干目に染みるがそれに耐え、玉ねぎをみじん切りにした。手つきは慣れていて危うさは全くない。
みじん切りにしたそれをフライパンの中に入れ、火をかける。
男「(……あー、いい音)」
パチパチと弾ける音を聞きつつ、上に手を伸ばして換気扇を回した。
しばらく炒めると特有の食欲をそそる香りとなり、次第に玉ねぎが透明に近づいて来た。
ほぼ全ての玉ねぎが透明になると、男はそれを用意してあった皿に移した。
玉ねぎが冷めるまでの間、水を張った小鍋を用意し、そこにバター、砂糖、塩こしょうを加えて、切っておいた人参を入れる。
小鍋をコンロの上に乗せて火をかける。
沸騰するまでの間、もう一つの付け合わせのマッシュポテトを作る。
それ用のジャガイモは既に蒸かしてあり、それを専用の器具で潰し、多少の調味料を加えたら付け合わせは一品完成。
男「(……冷めただろ)」
フライパンをコンロの上に置き直し、今度は透明なボウルにひき肉を入れ、パン粉、溶き卵。適量の塩とこしょう、そして冷ました玉ねぎを入れて良くこねる。
ほとんど均等に混ざり合ったら、三つのタネにちぎり分け空気抜きをする。
男はコンロの火を点けフライパンを加熱する。
フライパンにある程度熱が加わったらサラダ油を敷き、空気抜きをしたタネを置いた。
熱した鉄を水につけるのに似た音と共に、肉汁とサラダ油の混ざり合った匂いが辺りに漂う。
男「(うーん。我ながら美味そうだ)」
片面に軽く焼け目がついてからそれをひっくり返し、中まで火を通す。頃合い見計らって爪楊枝で突き刺すと、中から透明な肉汁がこぼれた。
フライパンのコンロの火を止めてから、少し煮詰めたグラッセを取り出し皿に盛り付ける。
そしてハンバーグを盛り付け、
男「完成っと……アルカさまー」
アルカ「わ、良い匂いするー」
男「アルカ様の分も私が運びましょうか?」
アルカ「ううん、大丈夫ー」
男「分かりました」
皿をダイニングまで持って行き、真っ白なテーブルクロスの敷かれた円卓で二人は食事を始めた。
――男はアルカの付き人ではあるが、決して教育を任されたわけではない。しかし、最低限のテーブルマナーは教えている。
それでも治らないものの一つや二つはあるだろう。アルカの場合は、食事中の会話だった。
アルカ「……」モッキュ モッキュ
男「……」モグモグ
アルカ「……あ、そうだ」
男「……はい、何ですか?」
アルカ「あのね、>>直下の話なんだけどね」
アルカ「えへへ、昨日あたしエッチなお願い一杯したでしょ?」
男「はい……は……」ピタッ
アルカ「……」
男「……」
アルカ「したでしょ?」
男「……い、いえ、聞こえてます。えーっと、なんでまたそんなお話を?」
アルカ「男がちょっと気になってるかなって」
男「いえ……まぁ、はい」
アルカ「えへへ、じゃあ聞きたい?」
男「えー……はい」
アルカ「あのね、あの日の前あたしね」
アルカ「>>直下」
男「えー……お赤飯、炊きます?」
アルカ「えっとね、実はもっと前に生理来てたの」
男「え゛?(……いや、まぁ、アルカ様は年齢的には全く不思議ではないが、今までなぜ俺が全く気づかなかったんだ)」
男「(生理だったらアレやコレや出るはず。別館の管理は俺がしている、アルカ様からは基本目を離さないし、アルカ様が別館から出たとは考え難い)」
男「(……この別館にいるのは俺とアルカ様だけ。可能性があるなら時々来るキルア様だが――)」
キルア『アルカ、くれるか?』
アルカ『うん!どーぞ、お兄ちゃん!』
キルア『ありがとうアルカ!』
男「(――考えないでおこう)」
男「……いや、整理は分かりましたけど、それは一体先日の件とどのような関係が?」
アルカ「うん、あのね」
アルカ「>>直下」
※ゴメンネ。書き込んでる機器が絶賛絶不好調中なんだ。
アルカ「だから、色々調べて、男に試してみて本当かなって」
男「はぁ、そんな理由でございま――」
男「(……いや待てよ?調べたって?何を?エロい事を?インターネットで?)」
男「(んなバカな!)」
男「(別館のコンピューターには某国防衛省さえ戦慄するほどの監視システムを巡らせている。もしアルカ様が某掲示板やRー15でも見ようものなら即座に俺の携帯に警告がくるように設計されている)」
男「(ならばどうやって?俺がエロい事に使った物の証拠など残すはずもないし、別館には誰も……)」
男「(……)」
男「(キルア様か……)」
男「あの、アルカ様。調べた、と言いましたがそれは何を用いてですか?」
アルカ「え?お兄ちゃんが渡してくれた本にね、沢山載っててそれを覚えれば大人だよって」
男「……その本には何が?」
アルカ「えーっとね」
アルカ「画像付きしじゅうはっ」
男「すいません、少し席を外します。食べ終わったお皿は私が洗うので、流しに」ヒュッ
アルカ「……」
アルカ「……?」
男「戻って参りました」ヒュッ
アルカ「あ、男どこに行ってたの?」
男「いえ、少し……ハイ」
アルカ「……?」
男「……あー、アルカ様、お皿、洗いましょうか」
アルカ「あ、じゃあ手伝うー!」
男「ハイハイ、ではそちらの食器を運んでくれますか?」
アルカ「うん!」
――数分前
キルア「ちょ、ゴメン!悪かったって!アルカにもうこんな事しねーから!」
男「ゆ゛る゛し゛ま゛せ゛ん゛!」
キルア「いや、俺だって悪気は」
男「良いから反省文を書いて下さい!四百字詰め三枚!明日まで!良いですね!?」
キルア「え……」
男「良いですね!?」
キルア「う……はい」
男「では!」ヒュッ
ツボネ「(……ま、今回は完全にキルア様が悪いし、兄妹の話だからねぇ。口は挟まないでおこうか)」スッ
キルア「……あー、なに書けば良いんだろ」
キルア「……ま、男は甘いし大丈夫か」
――次の日、鬼の形相の男とマンツーマンで文章を書かされるキルアの姿があったという。
男「さ、お腹も一杯になりましたし、次は何をしましょうか?」
アルカ「んー……」
アルカ「じゃあ暇だし、>>直下でもしよっか?」
男「……アルカ様、昨日……いや、今日の三時までの出来事を忘れましたか?」
アルカ「忘れてないよ!」
男「では何故」
アルカ「えへへ、二人で抱き合いながら寝ればきっと気持ちよく寝れ……じゃなくて、多分寝ないと思うの!」
男「アルカ様……」
アルカ「うー……だめー?」
男「う、うーん……」
1.ダメじゃない
2.ダメ
3.自由安価
※アイヤー、誰もいなくナタヨー
アイヤー、だーじゃーわんあん。みんてぃえんざいらい。
※アイヤー、九時三十分になったらやるヨー
男「(正直、一緒に寝るという要望に答えるのは俺じゃ難しいだろう。いつなんどき何が来るか分からない)」
男「(……しかしまぁ)」
男「(何というか、俺も大分眠いからなぁ。寝はしなくとも横になるぐらいしないとコレからの行動に支障が出かねない)」
男「(そうだな……)」
男「(多分抱き合うと色々アレがソレしてそうなったりああなったりしかねないし、心身ともに休まらない)」
男「(少し距離を取って、腕枕でどうにかアルカ様に手を打ってもらおうか)」
男「あー……分かりました。一緒にお昼寝しましょう」
アルカ「わー!やったー!」ピョンピョン
男「……但し!今回は野外ではなく館内で、そして抱き合うのではなく私の腕枕で……と言う条件付きです」
アルカ「えー、腕枕ー?」
男「それがダメなら、止めても全然私は構わないんですよ?」
アルカ「むー……いじわるー」プクー
男「ほっぺを膨らませても駄目です。今回ばかりは私と言えど譲りませんよ?」
アルカ「むー……」
男「……」
アルカ「……むー。男がそういうんならしょうがないね。じゃあ早く行こ?」
男「……」ホッ
男「ハイ、では、行きましょうか」
アルカ「うん!早く行こ!」
駆けて行くアルカの後を、男は少しだけ苦笑を浮かべながら追った。
男「(さて、アルカ様の部屋に着いたが、問題はココからだろう)」
男「(腕枕をする、と言ったが、それはあくまでアレがアレしてソレしない為の対策、決して俺の眠りの対策じゃない)」
男「(そして俺は疲労困憊。つまり眠ってしまう可能性がある)」
男「(ココが山場にして分水嶺。もし寝たりでもすれば確実に寝覚めが悪い)」
男「(今こそ俺の忠誠心が試される時!頑張れ俺!)」
アルカ「……なんでずっと立ってるの?」
男「はっ……いえ、少し考え事を」
アルカ「……?」
アルカ「……まいっか。男ー、早く隣に来て腕枕してー」
男「ハイハイ。今すぐ行きますよー」
男「(寝るなよ!俺!)」
直下
1.寝た
2.頑張った
男「……」
男「……」パチッ
男「…………」
男「……っ!?」バッ
男「(窓からは月明かり!僅かな室温の低下!身体の疲労の回復!つまり!)」
男「(や っ ち ま っ た !)」
男「(……しかしアルカ様は無事。良かった……)」
男「(いや、無事どころか)」
アルカ「スー……スー……」ギュッ
男「(何故、なにゆえがっしりと俺の身体に抱きついているんだ……)」
男「(……あぁ、アルカ様が呼吸する度に未発達な、しかししっかりとした弾力を持ったおっぱお胸がががががが)」
男「(……)」
男「(じゃなくて!どーすれば良い!アルカ様はがっしり掴んで離しそうにないし、気持ち良さそうに寝てるから、起こすのは申し訳ない!)」
男「(……いやしかし!今起こさねば確実に夜更かしコース!と言うかもう既に夜更かしコースは確実!)」
男「(今起こすか、起こすまいか!)」
1.起こす
2.起こさない
3.寝る
男「(うー……一体どうすれば……)」
男「(……はっ!)」ピコーン!
男「(……)」
男「(……)」
男「(……この部屋にくる前に警報装置は作動させた。窓は防弾どころか念を込めて殴ってもしばらくは割れない代物)」
男「(廊下には、どうあがいても念能力者さえ対処しきれない程の罠が多数)」
男「(そして、夜に別館半径百メートルに入ったら作動する警報)」
男「(……)」
男「(……大丈夫……だとは思う)」
男「(…………)」
男「(寝よう……)」
アルカ「(うぅ……ど、どうすれば良いの?)」
ゾルディック家長女、アルカ・ゾルディックは困惑していた。現在自分の置かれた状況についてだ。
話を切り出す前に幾つか述べるならば、アルカ・ゾルディックは決して怠け者でも、物事を考えない質でもなかった。
――アルカ・ゾルディックは、自らに仕える男より早く起きた事がなかった。
繰り返すが、彼女は怠け者でも物事を考えない質ではない。男より早く起き、男を起こそうとした事は一度や二度ではない。
しかし彼女が起きるより前に、確実に男は早く起床している。
――故に、男の寝顔を見た事がない。
――更に、危ないから、と言う理由で、アルカ・ゾルディックは一度も料理をした事がない。
――空腹。
毎日ほぼ定時に食事を摂っている彼女が感じたことのない感覚。それが今彼女の全思考を奪っていた。
アルカ「(うぅ……気持ち悪い…)」
アルカ「(お腹痛いよぉ……)」
アルカ「(どうしよう……男起こそうかな?でも、寝てる男なんて初めて見るし、多分相当疲れてる……)」
アルカ「(……どうしよう)」
直下
1.起こす
2.起こさない
3.自由安価
アルカ「(なんだろ、凄く変な考えが頭を過ぎった気がする……)」
アルカ「(……確かに、本当にちょっとだけイタズラしてみたいかもしれないけど)」
アルカ「(でもそんな事したら男が可哀想……)」
アルカ「(うー……)」
1.する
2.しない
二つ下
※ゴメンネ、過疎ってる所でこう言うのもなんだけど、連取は無しなんだ。
すまぬ。
※てな訳で二つ下
※アイヤー、分かたヨー。
ゴメンネー、もう寝るヨ、また明日ヨー
アイヤー、十二時十分ぐらいにやるヨー。
アイヤー、十二時十分ぐらいにやるヨー
アルカ「(うん、そんな事をするのは止めておこうかな)」
アルカ「(……)」
アルカ「(うぅ……それは良いんだけど)」
アルカ「(どうしよ……気持ち悪いのが治まらないよ)」
アルカ「(男……起こそうかな)」
1.起こす
2.起こさない
>>直下
アルカ「(……起こさない方が、良いよね?昨日も私の所為で夜更ししちゃったんだし)」
アルカ・ゾルディックは天蓋付きの自らのベッドから音を立てずに下りた。
――アルカは今現在、自身が空腹であるという事を理解していない。今まで空腹を感じた事がないからである。
しかし本能的に、アルカの足はキッチンへと向かっていた。それが今自分に必要であると分かっているからだ。
しかし、
アルカ「(あれ?開かない……)」ガチャ ガチャ
扉、開かず。
この扉は念を込めないと鍵穴が回らない仕組みになっている。
扉は開かなかったが、今回の場合はむしろそれが幸運と言えただろう。
もし扉が開けば、廊下にある無数の罠でズタズタにされかねない。
自らの命の危機だったとは露知らず、アルカは自らの空腹を満たす為部屋の中を歩く。
アルカ「(うぅ……のど渇いちゃった)」
アルカの部屋には衣装用の部屋と、トイレとバスルーム、そして人形や遊び道具のある部屋がついている。
洗面所の水はコップに入れれば飲めると以前男が言っていたのをアルカは思い出した。
アルカ「(……うー)」
ヨタヨタと覚束ない足取りで洗面所に向かい、棚の中のコップを取り出した。
だが力のが入らず、思わずコップは手元から滑り落ちてしまう。
1.割れる
2.マットがあった
ゴト、と鈍い音を立てて床の上にコップが落ちる。幸い床に直接、ではなく、マットがあったため、割れはしなかった。
アルカ「(よ、よかった〜)」
アルカ「(あのコップ、男が誕生日にくれたんだぁ。えへへ、マット敷いてて良かったぁ)」
アルカは胸を撫で下ろし小さく息を吐くと、床に落ちたコップをそっと拾い上げる。
コップを一度水で洗ってから、中に水を入れた。六割ほどで止め、アルカは小分けに水を飲んだ。
アルカ「ふー……」
アルカ「(うん、喉はもう渇いてないかも。それに気持ち悪いのも治まったし)」
アルカ「(……うぅ、でも全然眠くない。どうしよう……)」
アルカ「(……)」
アルカ「(うー……遊ぶ部屋があるんだし、そこで遊ぼうかな)」
1.人形遊び
2.テレビゲーム
3.一人チェス
>>直下
アルカ「(そうだ、前に男が買ってきてくれたテレビゲームをしようかな)」
アルカ「(いつもは男と遊んでたからやったことなかったけど、やってみようかな)」
アルカ「(うーん……)」ガサゴソ
アルカ「(……あ、これ、やろうかな)」
1.呪怨
2.ダークソウル
>>直下
アルカ「(ダーク……ソウル……?)」
アルカ「(かな?)」
アルカ「(もう一個の方はなんかパッケージが怖いから、やらないようにしよっと)」
アルカ「(えっと、ここに差し込むのかな?)」
テレビ「……」ブゥーン
テレビ「……」op中
アルカ「(……)」カチ カチ
アルカ「(わ、わ、凄い!本当の景色みたい!ただのテレビの画面なのに!)」
アルカ「(ちょっとだけ怖そうだけど、やってみようかな!)」
アルカ「(……)」カチ カチ
〜数分後〜
アルカ「あっ……」
アルカ「(死んじゃった……)」
アルカ「(いや、でも大振りだから後ろに回り込んで戦えば多分……)」
アルカ「(……うん、やってみよ!)」
〜数時間後〜
アルカ「(うぅ、み、道が分からない!……あ、もしかしてアイテムをあそこに置けば……)」
アルカ「(……)」カチ カチ
アルカ「(……)」カチ カチ
アルカ「(……)」カチ カチ
アルカ「(……)」カチ カチ
アルカ「(……)」カチ カチ
――男は目を覚ました。
窓から射し込む朝日によってだ。
男「(……あぁ、身体が軽い)」
男「(外は……朝か)」
男「(俺、寝ちゃって……)」
男「……」チラッ
男「(良し、アルカ様はいつも通り……)」
男「……!」バッ!
男「(居ない!?)」
――男はその瞬間、全身にオーラを漲らせ部屋中を疾走した。
バスルーム、洗面所、着替えの置いてある部屋、そしてノックしてから入ったトイレ。全てを巡るのにかかった時間は僅か数秒。
最後の部屋に入ろうとした瞬間、男は扉の隙間から漏れ出るアルカの気配を感じる。
男「(良かった!誘拐はされていない!)」
安堵の溜息。
それと同時に、男は疑問を感じた。
男「(……隣の布団は冷たかった。それに俺の身体からは余りアルカ様のかほりがしない。コレはつまりアルカ様は大分前に抜け出したことになる)」
男「(だが、それだと俺が寝た直後にアルカ様はベッドから抜け出した計算になる。そしてそれは)」
男「(アルカ様がずっとベッド外に居た事を意味する。アルカ様の部屋で時間を潰せる場所と言ったら目の前のこの部屋のみ)」
男「(……まさかずっと部屋に居たのか?一人でチェス?将棋?人形遊び?馬鹿な、そんなの相手がいなければ即座に飽きる)」
男「(テレビゲームに置いていたのは呪怨とダークソウル……)」
男「(呪怨はアルカ様の性格上、朝起きたら隣で縮こまっている筈)」
男「(つまりアルカ様は今!)」
――嫌な予感を感じつつ扉を開けると、そこには。
アルカ「……」カチカチ カチカチ カチカチ
部屋に入った男にさえ気付かぬほど、一心不乱にゲームをするアルカがいた。
目は充血し、その下には隈。僅かに痩けたその横顔は、男を責め立てた。
男「(馬鹿なああああ!そんな、こんなのって!畜生!俺が寝たばっかりに!)」
男「(もうラスボス寸前!)」
男「(そんな馬鹿な!ダークソウルはそんなに甘いゲームじゃ……)」
男「(……!って!その所持金!ステータス!二週目!?)」
男「(……)」
男「(……じゃなくて!)」
男「(くっ、ご飯を食べる前に眠ってしまったから少しこけていらっしゃる。しかもその目の下の隈、徹夜でゲームをしたと言う事か!)」
男「(クソっ!俺が起きてればこんな事には!)」
アルカ「……アレ?男、起きたの?」
テレビ画面からアルカは目を離し、ようやく男がいる事に気付いた。
男「……あ、はい。つい、先ほど」
アルカ「えへへ、男」
男「……はい、何でしょうか」
アルカ「ゲームって楽しいね!」
――瞬間、男はアルカを抱き上げ部屋の外に置いた。
瞬時に鍵を掛け、入れないようにする。
アルカ「……アレ!?男!今弓使いになる為にステ振りしようと」
男「ゲームは一日一時間!」
アルカ「えー!そんなぁ、それじゃ全然ステータスが上がらな」
男「い ち じ か ん !」
アルカ「うっ……!?」
男「それ以下にはまかり通りません。ここは譲りませんからね!」
アルカ「えー……」
男「……」
アルカ「……むー」
男「……」
アルカ「……」
アルカ「……男と遊んでる方が楽しいから、別に全然いいよ?」
男「あ、アルカ様……」
アルカ「……うぅ、それよりね、今思い出したけどずっとお腹が痛くいし、時々気持ち悪いの」
その言葉で一瞬で外に出た男は、アルカに幾つかの質問をした。
男「アルカ様、それはもしかしてキリキリするような痛みですか?」
アルカ「……うん」
男「それと、気持ち悪いのは今も?」
アルカ「うぅん。今は全然大丈夫」
男「……それは、空腹、ですかね」
アルカ「空腹?」
男「はいないご飯を長い間食べないとなるんです。いわゆるお腹が空いた、って奴ですね」
男「……今日はご馳走を作るので、歯を磨いて下さいね?」
そう言ってどこかに男は消えた。
アルカの目は一瞬ゲームのある部屋に向けられたが――
アルカ「(……歯磨き、しよっかな)」
アルカは以前よりシッカリとした足取りで、洗面所へと向かった。
男「(いやー、アルカ様がゲームに取り憑かれる前に止められて良かった)」
男「(もしアルカ様がダークソウルをキッカケにミルキ様のようにでもなってしまわれたら)」ベキッ
男「(あ、菜箸が……まぁ予備が幾らかあるから問題ないけど)」
男「(……うん、今回みたいな事がもうないように、不必要な時は絶対に寝ないようにしよう)
新たな決意を胸に、男は朝食を作り終えた。
ご飯とシャケの塩焼きと自家製の漬け物、豆腐の味噌汁に納豆だ。
男「(……うん、以前ゼノ様に教えて貰った時から腕は落ちてないな)」ツマミ ツマミ
男「(アルカ様には初めて見せるが……納豆、大丈夫かなぁ)」
男「(ま、食べられなかったら俺が食べよう)」
男「アルカ様ー、ご飯ですよー」
アルカ「わー」
男「今日は新しい物に挑戦してみました」
アルカ「………男」
男「はい、何でしょうか」
アルカ「この、凄く臭い豆は大丈夫?食べられる物?」
男「私は食べれますが……アルカ様はどうであようかねぇ」
アルカ「むっ、私だって食べれるもん!」
可愛く頬を膨らませて、アルカは自分のお盆を持って小走りでダイニングへと向かった。
男「(うーん、大丈夫じゃないと思うんだけどなぁ)」
その後を男は歩いていった。
1.食べれる
2.食べられない
直下
――予想と反し、アルカは納豆を問題なく食べることが出来た。それもどうやら、好物らしい。
アルカ「このナットウって美味しいね!独特の食感が好きなのかな」
男「……まぁ、気にいって頂けたのならなんの問題もないのですが」
アルカ「うん、私多分これ大好き!」
美味しそうに納豆を食べるアルカだが、ある時ピタッとその手が止まり、急に話を切り出した。
アルカ「あ、そう言えばね」
>>直下
※アイヤー、人居なくなたヨー
三時まで誰もこなかたら寝るネー
アルカ「駄目、かな」
男「あー……もう二度と徹夜でゲームをしないと言うなら良いですよ?」
アルカ「徹夜はもうしないよ?」
男「(ゲームはするんだな……)」
男「(どうしたものか。アルカ様は徹夜などには全く慣れていない。身体的な疲労は相当だろう)」
男「(しかしマッサージなんてしたら、確実にその最中に寝てしまう。そしたら夜更かしは確定、昨日も一昨日も夜更かしをしている)」
男「(それはまずい、夜型の人間になりかねない。だがアルカ様が今かなり辛そうなのも事実。できることならマッサージで癒したい)」
直下
1.する
2.しない
3.自由安価
男「……」
男「あー……仕方ないですね。今回はマッサージをしましょう」
男「でももう一度徹夜でゲームをしたら、マッサージどころかお説教を覚悟しててくださいね?」
アルカ「わー!男のマッサージだー!」
男「(聞いてらっしゃらない!)」
アルカ「ホラ男!早く行こ?」トテトテ
男「あぁハイハイ」
アルカ「……でもどこでマッサージすれば良いんだろ?」
男「あぁ、それはですね」
二つ下
※アイヤー、思たより時間かかるヨー。今日で終わらないネ、みんな寝て欲しいネ。
ところで余り上手じゃないエロは大丈夫ですか皆様方。
※分かったネー。ちょっとソッチの勉強して頑張って書き溜めるヨー。
お休みネー。
※アイヤー、長々待たせてゴメンヨー。
あしたぐらいには多分出来るヨー、でも待たせた割にそんなに書けてないネ、期待しないで欲しいヨー。
また明日ネー
男「アルカ様の寝室でよろしいでしょう。何かオイルを使うわけでもないですし」
男「(多分寝てしまうだろうし)」
男「(あぁ、にしても大丈夫だろうか、アルカ様の行く末が心配だ。ミルキ様のようにならなければ良いんだが)」
アルカ「……大丈夫?」
男「……あ、あぁ、すいません」ガチャ
男「どうぞアルカ様、お部屋にお入り下さい」
アルカ「ありがとー」タタタ
男「ふぅー……」
男「(うん、不安は一旦置いておこう。にしても、勇んでマッサージをする事を決めたのは良いが……)」
男「(正しいマッサージのやり方なんて知らない!どうしよう!)」
男「(あー……昔ゴトーさんに教えられたマッサージ方法で良いかな)」
男「ハーイアルカ様ー。うつ伏せになってくださーい」
アルカ「ハーイ」
男「(んーと。そこそこ遅く、触れるか触れないかのタッチを指四本以下でやるんだっけ)」
男「(えっと確か足裏からだっけな?)」スッ
アルカ「あっ……ちょ、男。くすぐったいよー」
男「あー。すいませんアルカ様、このマッサージしか知らないんです。嫌なら止めますけれど……」
アルカ「んー……頼んだのあたしだしね。むしろやってくれてありがとー」
男「あはは、ありがとうございます」
男「じゃ、始めますよー?」
アルカ「うん、おねがい」
男「(良し……先ずは足裏からかな。時計回りに円を描くように、絶妙な加減で)」
男「アルカ様どうですかー?」
アルカ「うっ……やっぱ、り……く、くすぐっ、ひっ!」ビクンッ
男「あぁ、大丈夫ですよ、足裏はすぐに終わります」
アルカ「うっ……ひゃっ」ビクッ
男「(うーん。恥ずかしそうに身をよじるアルカ様……イイですね。でも、ここから段々上に位置を動かしていくのがこのマッサージの要。ココをずっとやるわけにはいかない)」
男「段々と上に行きますからねー」
アルカ「(あ、足の裏から離れた)」
――さながら美術品でも扱うような手つきで、男の手はふくらはぎから太もも。上へ上へとゆっくり動いて行く。
うつ伏せになっているアルカの臀部までいくと男は僅かに躊躇った。しかしゴトーに、
ゴトー『良いか、コレはリズムを保つのがポイントだ。動きを一定の速度に保つ事を一番に考えろ。もし途中で止まったら、やられてる側も気持ち良くなれないからな』
そう言われていたのを思い出し、ゼロコンマ数秒の逡巡を経て、男の手はなだらかな丘に向かう。
アルカ「……んっ」ビクッ
アルカは一瞬驚いたように身体を震わせるが、すぐさま力を抜き、男に身を委ねた。
手は背中、そして肩甲骨まで向かうと、次は首筋に向いた。
扇情的とも言えるその首筋を、至極滑らかに、しかしゆっくりと滑っていく。
アルカ「……っ……」
くすぐったいのか恥ずかしさ故か、アルカの頬は薄く染まる。
男の手は耳まで移り、優しく耳たぶに触れるとまた足裏へと戻った。
男「(……あれー?っかしーなー。確か相手を気持ち良くするマッサージだったはずだけど、反応薄いなぁ……)」
男「(遅効性かな?まぁ気長にやろう)
――手が身体に触れる時間に比例するように、アルカの身体からはじっとり汗が染み出していた。
アルカ「(……このマッサージ、絶対変だよ。だって普通揉んだり叩いたりするのに、そんな事しないし。それに……)」
アルカ「……ハァ……ンッ……」
アルカ「(男が触る度、段々変な気分になってくる……)」
――アルカの身体は今までにないほど昂ぶっていた。
滲んだ汗で透けて見える薄く赤い肌が、しっとりと濡れるような色気を醸している。
アルカの手は、自然に下腹部へ向かう。
――秘部の周辺にアルカは指を這わせる。下着は既に濡れていて、グショグショだった。
アルカ「(もう、こんなになっちゃってる……)」
最初は周囲をなぞり快楽を得ていたが、それでは満足できなくなったのか、次第に中心へと向かっていく。
アルカ「(……少しだけなら……ばれない……よね?)」
おそるおそる秘部に触れた瞬間、電流のような激しい感と共に、ドロリと蜜が溢れ出る。
アルカ「……ハッ……ハッ……ハッ…」
まるで犬のような呼吸。
それでも男に悟られないように理性が働き声を殺す。
だがその頭の中は快楽と背徳感で埋め尽くされ、上手く回転していなかった。
――絶頂しても気付かれない。
頭が上手く動いていない故の思考、しかしそれに従い、指の動きが早くなる。
アルカ「…ハッ…ハッ……アッ……」
息は荒くなり、目は焦点が合わずぐらついている。惚けたように開いた口からは唾液と熱い息が溢れた。
アルカ「…ハッ……ハッ……んっ…」
僅かな声と共にアルカは達した。今まで感じたことがないほどの快感に、ビクビクと身体が痙攣する。
アルカ「……ハァ……ハァ…」
男「ど、どうしましたアルカ様?」
アルカ「ハッ……ハッ……だいじょぶだから……ハッ……続けて……?」
男「いや、しかしアルカ様」
アルカ「おね、がい……ハァ…ンッ…」
二つ下
1.やめる。エロパート終了
2.やめない。エロパート続行
男「いえ、そういう訳にはいきません」
アルカ「……なん、で……?」ハッ…ハッ…
男「いや、アルカ様どうみても様子が……」
アルカ「……」
男「……アルカ様?」
アルカ「……」スゥ…スゥ…
男「(寝て、る?)」
男「(…………まぁ分かってた事だし、別に良いか。掛け布団は、っと)」
――どこか抜けている所が幸いしたのか、男はアルカに起こった事に気づかぬまま布団をかけ、その隣で静かに目覚める時を待った。
目覚めたアルカは夜更かしをし、そして更に身体に疲労を溜めた事は言うまでもなかった。
アルカ「えっと……」
男「いえいえ、大丈夫ですよ?マジで、ホンマ問題ないですアルカ様、私は元気です」
アルカ「(なにも言ってないのに……)」
アルカ「(昨日はなんだか変な気分になっちゃって一人で……したけど……)」
アルカ「(その後一人で寝ちゃってしかも夜更かししちゃった……)」
アルカ「(うー……どうしよう。なにか男に出来ないかな……)」
>>直下
つい数秒前までヘラヘラと緩んだ表情をしていた男の顔が一瞬にして硬直する。
男「なん……」
アルカ「えっとね、素股したい!」
男「(言い終わってないのに先を読まれた!?というかどこでそんな言葉を!?)」
アルカ「ねー男ー。素股したいー」
男「え、いや、アルカ様それは」
アルカ「えー、またダメなのー?」
男「いや、それは……」
直下
1.する
2.しない
男「いや、それは……その」
男「(くっ、ここ数日立て込んでて処理できなかったせいで、色々溜めてしまった)」
アルカ「えへへ、恥ずかしがらなくて良いんだよ?……ほら、苦しそう」スリスリ
男「えっと、あの、それは別にそういう」
アルカ「じゃあどういう事情?もうこんなに大きいよ?」
男「いや、ですから」
アルカ「……むー、まどろっこしいよ!男!」
男「ちょ、アルカ様、ズボンを――」
男「(……いや、待てよ?もしかしてこれも数日前のフェラの時みたいにキルア様に既に実行していて、違う知識を教え込まれているとしたら?それだったら擦り付けただけで終わ――)」
アルカ「えへへ、やるのは初めてのだけど頑張るね!」
男「(らない!マズイ、コレは非常に)」
アルカ「男、横になって?」
男「あっ、ハイ」
アルカ「じゃあ行くよ男ー」
男「でもアルカ様、服をまだ……」
アルカ「……えへへ、今日パンツ履いてないの」ピラッ
男「(……何故ノーパン!?しかもなんだか少し濡れて……)」
アルカ「……あのね、昨日男にマッサージされてからずっと変な気分なの。ずっと濡れるのが止まらないから、パンツ履かなかったんだー」
男「」
男「(あれ、いつの間にこんな変態さんに)」
アルカ「ちょっと我慢できなくなっちゃって……えへへ、あたし頑張って気持ち良くするからね?」
男「え、あの、やっぱり」
アルカ「もうダメだよ?……ンッ…」クチュッ
アルカ「ハッ……ハッ…ほら、男、気持ちいい?」クチュッ クチュッ
男「いや……もう正直、出そうで……っ」ハァ…ハァ…
アルカ「だーめ」グッ
男「(根元を押さえ……!?)」
アルカ「気持ち良くするって言ったけど、もうちょっとだけ……男ちょっと早すぎるよー?……ンッ」クチュッ クチュッ
男「そ、そんな事言っても……」
アルカ「アハハ、ガチガチだー、出したいー?」
男「ぅ……はぃ……」
アルカ「じゃああたしがイっちゃう、まで……ンッ……ちょっとだけ、待ってて?」グチュッ グチュッ
男「アルカ、様……そんな急に早くされたら……」ハッ……ハァ…
アルカ「もうちょっと……ハッ、ンッ……もう、ちょっとだけ」グジュッ グジュッ
男「あ、の。もう、無理です……」ハァ…ハァ…
アルカ「ハッ…ハッ……前みたいに、しよっか……?」グチュッ グチュッ
アルカ「さん」
アルカ「にい」
アルカ「いっ……!」ビクッ ビクッ
男「……っ」ドプッ ドビュッ
アルカ「ハァ……ハァ……」
アルカ「ハァ……ハァ……」
アルカ「掃除……しよっか」
男「…………はい」
ナニカ「……」
男「……」
ナニカ「……」
男「……」
男「(……あぁ、なんで乗ったまま動かないのかと思ったら……ナニカになってたのね)」
男「(しかも今回は人形の番……倉庫までの距離が……もう)」
男「(いや、アルカ様に戻すためだ。頑張ろう、俺)」
人形「ナ、デナデシテー」ギ…ギギギギ
ナニカ「……あい」ナデナデ
男「(うーむ。やはり何度見てもシュールというかなんというか……あれ、なんだか段々どちらとも可愛らしく見えて……)」
男「(いや、さっさと人形を戻そう)」スタスタ
アルカ「あ、男ー」
男「ハイハイなんですか?アルカ様」
アルカ「あのねー」
>>直下
男「……」
アルカ「……? せっく」
男「言わせませんよ!?聞こえてます!」
男「(ど、どどどどうしたというんだ今日のアルカ様は!やけに性的なお願いばかりだ!まるで数日前のあの日のようだ!)」
男「…………」
男「(あの日?)」
男「(えちょまさかそれが理由で……ってそんな短期間にサイクルしないよね、
流石にないか)」
アルカ「男ー」
男「……ハッ……はい。なんでしょう」
アルカ「ねぇ、一緒にしよー?」
男「いや、流石にコレは……」
>>三つ下
1.する
2.しない
※アイヤー、人居なく(ry
三時まで来なかったら寝るヨー。
因みにコレは安価に含まれないネー
※安価に含まれないっていうのは要するに数に含まれないって意味ネ。
詰まる所
コレの
>>直下
ね
※アイヤー、分かたよー、また明日ネー
男「ダメです。コレはしませんよ」
アルカ「えー、なんでー」
男「ふー……あのですねアルカ様!こう言う行為はですね、然るべき年齢然るべき場所然るべき相手と然るべき雰囲気でするものです!こんな安易に行なっていいことじゃないんです!」
アルカ「ぶーぶー、男のケチー」
男「ケチでも結構です。他のおねだりなら聞きますよ?」
アルカ「えー、じゃーねー」
>>直下
男「え゛、えー」
アルカ「えへへ、舐めてほしいのー」
男「いやいやアルカ様、それは」
アルカ「だめー?」
男「え、えー」
直下
※少し落ちるヨー
男「あー……舐めますよ、舐めます」
アルカ「わーい、やったー!」
男「(ま、コレでアルカ様がさっきのような要求をしないなら安いもんだ。足でもどこでも問題ない)」
男「じゃ、舐めますよー」
アルカ「うん、おねがい!」
――透けるような透明な肌はスベスベで汚れなど一切ないように見える。
男は躊躇もせずアルカの足へ舌を伸ばした。
ザラリとした感触に少し驚くアルカだが、それにも気づかず執拗に舐め続ける。
本来舌が触れた時点でおねだり達成なのだが、それでも男は休むことなく舐め続ける。
アルカはビックリして声が出せないでいたが、やがて冷静さを取り戻し男に止めるように声をかけようとする。
しかし数秒早く、男の右手はアルカの左足へ、舌は指先から足裏へと移った。
アルカ「ちょひっ、あはっ、あははっ!あははは!止めひゃっ!ひははっ!」
男「……もうコレから軽々しく性行為をするなどと言わないと、そう約束すればやめます」
アルカ「いひっ、いははっ!いはなひあはははっ!」
男「……本当ですか?」コチョ コチョ
アルカ「ほんっ、ほんとっ!ほんひあははは!」
男「……では止めます」
アルカ「……ハァ……ハァ…」グデー
男「良いですかアルカ様、不用意にあんな言葉を色んな人に言ったら今のよりもっと非道い事をする人もいます。あんまり言っちゃダメですよ?」
アルカ「……ハァ……ハァ…」コクッ
男「分かっていただけましたか……では、布を持ってまいります」
――男が戻ってきてから、アルカはやり過ぎだと男に数十分抗議したそうな。
※ゴメンヨー、
無理そうネ。また明日か明後日ヨー。
ゴメンヨー
※アイヤー、久しぶりヨー。
コレから土曜の夜だけ周いいっかいの更新になるネ。ごめんヨー
男「あー、アルカ様」
アルカ「んー?」モッキュ モッキュ
男「そんなに気に入りました?和食」
アルカ「んー」モッキュ モッキュ
男「(あぁ、好きなのね、和食)」
昼下がり。朝食を兼ねた夕食。
前日に続き、今日も味噌汁や納豆などの食事がテーブルに並んでいた。
本来アルカを飽きさせないように毎日毎日、数百にも及ぶ食事が入れ替わって出されるはずなのだが、今日ばかりは違った。
違った理由は、飽きさせぬようにされている当の本人、アルカのお願いによってである。
アルカ『ねぇー。ナットウナットウー!』
男『あの、アルカ様。私は納豆に合う料理は昨日の物しか作れないのですが』
アルカ『それでいい!ううん、それがいいからナットウー!おなかすいたー!』
――覚えたてのお腹すいたを連呼するアルカに対し、男は渋々首を縦に振った。
男「(……あぁ、仕方なく今日だけ作ったけど、また明日も、いや、今日中にも納豆は要求されるだろう。納豆に合う物を俺は焼き魚とか味噌汁とかしか作れない。だが毎日同じものを出せば栄養が偏ってしまう)」
男「(……バリエーション増やしとこ……)」
さてシルバ様にでも教えて貰おうか。などと考えを巡らせる男に、買ったばかりの使い慣れない箸を置き、アルカが唐突に話し始める。
アルカ「あのねー男ー」
>>直下
男「え゛っ。いやあのアルカ様」
男がアルカの発言した瞬間、視界に捉えたのは箸についたネバネバした物。
――納豆である。
男「(そんな、納豆食べた直後にベロチューなんて!キスの味は納豆でしたってか?いやいや青春が納豆味だよそれじゃあ)」
男「いや、アルカ様。それは……」
アルカ「えー!したいしたいべろちゅーしたーい!」
男「えっ、えぇー……」
>>直下
男「あー、では、全部食べ終わって歯磨きし終わってなら良いですよ?」
アルカ「えー、今すぐしたいのにー」
男「納豆味のチューは結構です」
アルカ「……ナットウ美味しいのに」ブツブツ
なにかブツブツ言いつつも、アルカは先ほどよりも早いペースで食べ始める。
――数分の内に完食したアルカは、すぐにキスをしたいとでも言いたげに洗面所へと走っていった。
男「……皿洗うか」
流しに立ち、男は丁寧に皿を洗い始める。
男「(後は皿を拭くだけか)」
皿拭き用の布を手に取り皿に手を伸ばすと、男は背中側にアルカの気配を感じる。
戻ってきたのかー。などと考えている男の背を、アルカは指で数度つついた。
男「? なんですかアルカさ――」
振り向いた男は、言葉を唇に奪われた。
男に抱きつくようにしながらアルカは舌を男の口腔に侵入させる。
トロトロとアルカの唾液が流しこまれ、男は否応無しにそれを飲み込む。
負けじと男は舌を器用に動かし、アルカの舌の裏側やアルカの舌を舐め回す。
しばらくそのような応酬をすると、アルカの舌は段々と動かなくなった。
頬を上気させ、目をトロンとさせながら、アルカは口の中をなされるがまま凌辱される。
後半一方的になったディープキスを終えて、男は口を離した。
さみしがるように、唾液が二人の口と口の間に伸びる。
だが当然それはすぐに無くなった。
男はアルカを下ろし、その頭を優しく撫で、どこかへと向かった。
アルカ「男ー」
男「ふぁ……なんですか?アルカ様」
アルカ「ううん!呼んだだけ!」
男「あー、そうですかぁ……」
アルカ「…………」
男「…………ふぁ」
アルカ「……」
男「……」
アルカ「男ー」
男「はい、なんですか?」
アルカ「あのねー」
>>直下
男「……アルカ様。なんだか最近舐める系のお願いが多いような……と言うよりも。少しエッチと言いますか、エロいお願いが多い気がするのですが」
アルカ「えー、ダメなの?だって男も気持ちいいでしょ?」
男「それはまぁ……男ですし……? どうしても流されてしまうと言いますか……」
アルカ「じゃあいいでしょー?耳舐めたーい!」
男「……あー。えー、っと」
二っつ下
※アイヤー、機械調子悪いヨー
男「……あー、じゃあ良いですよ?どうぞ舐めてください」
男「でもその前に、少し耳を洗って来ます。アルカ様も汚い耳を舐めたくないでしょう?」
アルカ「えー?あたしは別に汚れてても男のだから舐めちゃうけど」
男「あー、訂正します。ただアルカ様に汚れた耳は舐めて欲しくないだけです。なので洗ってきます」ヒュッ
アルカ「あ、行っちゃった。洗わなくても良かったのになぁ……」
※寝落ちヨー。
グデグデヨー。十二時ぐらいにやるヨー
ゴメンヨー
アルカ「じゃあ舐めちゃうよー」
男「はいどうぞー」
――アルカは無言で舌を伸ばす。
目の前では目を瞑って横を向いている男。
その耳に向かって、まっすぐ舌が伸びる。
アルカの舌は耳のふちに触れると、次の瞬間。まるで蹂躙するかのように激しく動き始め――
アルカ「……」ピタッ
男「……」
アルカ「……」
男「?………あの、アルカ様」チラッ
ナニカ「……」
男「はっ……?」
ナニカ「……」
男「(あぁ……ナニカになったのね。少し慣れたからあんまり驚かなかったけど)」
男「(あー、お願いごとは)」
>>二っつ下
男「……あー。じゃあじゃんけんしましょうか」
ナニカ「……!」
ナニカ「あい!」
男「(うーん?……何でそんなにニコニコに?)」
男「えーと、じゃあ行きますよー」
男「最初はグー。ジャンケン」
男「ポンっ!」チョキ
ナニカ「……」グー
男「ありゃ、負けちゃった。でもお願いは叶えて貰えたし――」
ナニカ「……」ヒトサシユビー
男「……もう一回?」
ナニカ「……」コクリ
男「……分かりました。じゃあもう一回。最初はグー、ジャンケン」
男「……」チョキ
ナニカ「……」グー
男「あれ。また負けちゃった」
ナニカ「……」ヒトサシユビー
男「あはは、じゃあ私が勝つまでやりましょう。行きますよー?最初はグー、ジャンケン――」
ナニカ「……」ニコニコ
男「……」ガタガタガタ
男の「(ば、バカな!凝まで使って色々見てるのに勝てない!もう三十回は連続で負けたぞ!)」
男「あ゛ー……もう一回!もう一回!」
ナニカ「あい!」ニッコ ニッコ
男「良し!最初はグー!ジャンケン――」
男「やっぱりナニカには勝てなかったよ……」
アルカ「……」スゥー スゥー
男「(あの後一時間ぐらいやっても勝てなかった……少し悔しいけど楽しかったから良いかな)」
男「(あー、段々俺も眠く……)」
男「(……)」
男「(あれ?まさか今日も夜更かし?)」
この後メチャクチャ夜更かしした。
※アイヤー。また土曜日ヨー
鳥のさえずりが聞こえ始める朝の六時頃。窓から射し込む光によって、アルカは目が覚めた。
天蓋付きのベッドにて。
半身を起こしたアルカの隣で。
男「……」スー スー
アルカ「(どうしよう……)」
アルカ「(普通に、男より早く起きちゃった……)」
――連日の夜更かしに続き、何かと神経のすり減る思いをしたことによってか。心身共に疲弊しきった男は未だ目を覚まさなかった。
アルカ「(……男が言うには、この部屋から出る事はあたしじゃできないみたいだし)」
アルカ「(ゲームは……昨日男と一杯やったしなー)」
アルカ「(男を起こすのは申し訳ないし)」
アルカ「(えーっと)」
アルカ「(>>直下しようかな!)」
アルカ「(キス、したいかな)」
アルカ「(私だったら朝起きた時男にキスをされたら嬉しいもん。男は分からないけど……)」
アルカ「(まぁ私がしたいからするんだけどね!)」
アルカ「(……うん、だったら歯磨きしないとね!歯磨き歯磨き〜)」
――アルカの起床から数分遅れて、男は目を覚ました。
男「は……」
男「……」
男「(朝か……アルカ様は……洗面所で顔を洗ってるな)」
変態ちっくな勘を働かせ、男はアルカの無事を確認する。
男「(……今日も、納豆かな)」
男「(どうしよう……レパートリーなんて全く増えてない……)」
男「(いや待てよ?確か卵かけご飯とかいう納豆に合ってなおかつ作りやすい料理があるとかゼノ様が……)」
起床僅か数秒にして、朝食をどのようなものにするかという悲しい思案をする男の背後。
そこに、影が忍び寄っていた。
熟考するあまり、男はその影に気づけない。
そして――
アルカ「おはよ!男ー!」ギュッ
男「ぅお……あー。アルカ様?どうかされましたか?」
アルカ「……全然驚かないんだね、男って」
男「そりゃあ……」
アルカ「……」
男「……」
アルカ「……ん」
男「……え」
男「……アルカ様、それは一体」
アルカ「ちゅー!」
男「……」
男「……」スッ
アルカ「んっ……」
重なった二つの影はしばらくほどけず、互いを確認するかのように重なり続けていた。
だがそれは、アルカがパタリとベッドに倒れ込んだことによって終わりを迎える。
男「……あー」
アルカ「……」スー スー
男「(寝てしまった……最近ザラに三時まで起きてるからなぁ。このまま寝かせてたらアルカ様が負のスパイラルに……)」
アルカ「……」スー スー
男「(……二度寝ぐらいなら大丈夫のはず……うん)」
男「(はぁー……朝ごはん作るかー)」
男「どうぞアルカ様」
アルカ「……男」
男「はい、なんでしょうか」
アルカ「たまごとご飯をどうすればいいの?あとなんでその横に納豆が……」
男「……あー、コレはですね、卵かけご飯と言いまして。卵をご飯にかけて混ぜるだけのシンプルな料理です」
アルカ「それもう多分料理じゃないよ?……あとこの黒い液体、っぽい何かは食べもの?」
男「コレは醤油と言いまして。コレを卵かけご飯に……」
男「……いや、見せた方が早いですね。良いですかアルカ様、一度しかしませんよ?」
男「まず卵を割ってご飯に乗せます、そこですかさずこの黒い液体、もとい醤油を適量かけ、そして混ぜます」
男「……」グッチャ グッチャ
アルカ「……」
男「……」グッチャ グッチャ
アルカ「……」
男「完成です。更にココに納豆を乗せて箸で掻きこめばそれはもう大変美味な――」
アルカ「美味しくなさそう!?」
男「……アルカ様、食べ物に偏見を持ってはいけませんよ?前回の納豆だって食べてから好きになったじゃないですか」
アルカ「うー……それはそうなんだけど。でもコレは流石に」
男「まぁまぁ。とりあえず一口だけでも召し上がって下さい」
アルカ「うぅ……い、頂きます」パクッ
アルカ「……」モグモグ
>>直下
1.好き
2.嫌い
アルカ「お い し い !」テーレッテー
男「おー。やっぱりアルカ様は案外和食系ならなんでいけそうな感じで……」
アルカ「……」モグモグ モグモグ
男「(あぁ、そんなに好きなのね、その組み合わせ……)」
男「(……俺も食べよう)」
男「……」モグモグ
アルカ「……」モグモグ モグモグ
男「……」モグモグ
アルカ「……」モグモグ モグモグ
アルカ「……」
アルカ「あ、そう言えばね!」
>>二っつ下
アルカ「ご飯食べたらお散歩に行きたいの!」
男「えーと、特に問題はないですけれど、どこを散歩したいですか?」
アルカ「えーとね」
>>直下
※アイヤー、今日の夜に倒れるヨー。
もはやいつも通りヨー。
また今晩ヨー
男「分かりました。とりあえずご飯を食べてしまいましょう」
アルカ「……」モッキュ モッキュ
男「(言わずもがなだった……)」
男「(なんやかんやであの後二三回はアルカ様お代わりしたなぁ……やっぱりレパートリー増やさないとな)」
男「(ま、今はアルカ様とのお散歩についてだけ考えよう)」
男「アルカ様、準備は出来ましたか?」
アルカ「うん、いつでも大丈夫だよー」
男「戸締りは確認しましたか?コンロの火は消しましたか?」
アルカ「男……あたしはそんなに子供じゃないよ?戸締りは全部できたもん」
男「そうですか?じゃあ信じますよ?信じて出かけちゃいますよ?」
アルカ「……」ピク
男「あー、確か知り合いに、戸締りをし損ねたらいつの間にか女の人が家の中に住み込んでた奴がー」
アルカ「う……」
男「……そいつがお風呂にいる時背後になんだか視線を感じたらしいんですよ。それで後ろを向いたらそこには――」
アルカ「ひ……ぅ。と、戸締りもう一回見てくるね!」タタタタ
男「……」
男「(良し。コレで将来も安心だ……!)」グッ
男「さて、戸締りは確認しましたし、行きましょうか。それにしても久しぶりですね食後のお散歩なんて」
アルカ「……う、うん」キョロ キョロ
男「……アルカ様、まさかさっきのお話の女が怖いんですか?」
アルカ「えっ!?ぜ、全然そんな事ないよ!?大丈夫!」
男「……」
男「あ、女の人がこっち見て」
アルカ「ヒッ!」ヒシッ
男「……」
アルカ「……」
男「……」
アルカ「……怖い」ジワッ
男「アルカ様……あんなのタダの冗談です。別に本当にあったわけじゃないですよ?」
アルカ「ほ、本当?」
男「えぇ、本当ですよ?ですからほら、安心して一緒に行きましょう?」
アルカ「う、うん」
アルカ「お、男。さっきの女の人の話嘘だって言ってたよね?」
男「え、まぁそうですが」
アルカ「じゃ、じゃあアレなに?」ユビサシ
男「え、アレって」
人影「……」ユラユラ
アルカ「……ひん」
男「ちょ!?アルカ様!?」
男「(……。ビックリしてショックで倒れたのか。にしてもあの影は一体)」
人影「……」ユラユラ
男「(……アレ?)」スタスタ
男「(……コレ、洗濯物を干してる時に飛んで行ってしまったアルカ様の服じゃ……)」
アルカ「……」グデー
男「……うん、帰ろ」
――その後、帰ってすぐにアルカは目を覚ましたが、数時間ほど男のいう事を一切信じなかったとか。
※ゴメンヨー、後ろ倒しになるヨー。
もうテンプレ乙!って感じヨー
また明日ヨー
アルカ「嘘つき」
男「ぐっ……」
アルカ「男の嘘つき」
男「うぅ……」
アルカ「……ふんっ」プイッ
男「ちょ、ちょっとした冗談じゃないですかぁ。そんなに怒らなくても……」
アルカ「……」ツーン
男「……何をすれば許してくれますか?」
アルカ「……ゆるさないもん」プクー
男「(あら可愛い)」
男「(……)」
男「(じゃなくてさ!)」
男「(どうしよう、アルカ様がほっぺたをぷっくり膨らませたままあまり目を合わせてくれない。正直可愛いから今のままでもいいけど、ストレスは身体の不調の元!早急に解決せねば!)」
男「(うーん……)」
男「(そうだ!>>直下だ!)」
男「……アルカ様」
アルカ「……むん?」
男「……でした」
アルカ「……え、今なん」
男「すいませんでしたああああ!」ドガッ
アルカ「え」
アルカ「えぇええええ!?」
男「すいませんでした!すいませんでした!」ドガッ ドガッ
アルカ「お、男!どうしたの!?なんでいきなり頭を床に……」
アルカ「(って床にひびが入ってる!?嘘!?男の頭って一体……)」
アルカ「(じゃなくて!どうしよう……このままじゃ(男の頭が)割れちゃう!)」
アルカ「お、男!止めて!(男の頭が)割れちゃうよー!?」
男「……」ピタッ
男「(……バカな!)」
男「(止めて!(床が)割れちゃうよ!だと!?)」
男「(こっ、ここっここっコレは!完全に、全く!全然!微塵たりとも!これっぽっちも!謝罪の気持ちが伝わっていない!くっ、気持ちをもっと伝えなければ!)」
男「す、すいませんでしたあああ!」バゴン
アルカ「えっ!ゆ、床に穴が……!」
アルカ「いや、それよりも男の頭からどんどん(血が)出てるよー!?大丈夫ー!?」
男「頭からどんどん(煩悩が)出てる!?」
男「(そうか……謝罪の気持ちが少しだけアルカ様に伝わったのか!良し!もっと心を込めて……!)」
男「土下寝じゃあああ!」ゴロン ゴロン
アルカ「え、ええええ!?もうしっちゃかめっちゃか……!」
アルカ「(……うん?土下寝?)」
アルカ「……あれ?えっと、男ー」
男「はい!なんですかアルカ様!」ゴロゴロ ゴロゴロ
アルカ「えっと。もしかして、謝って、くれてる?」
男「え?」ピタッ
アルカ「……え?」
男「え……え?」
アルカ「え、え?」
男「……むしろ、他に私が何をしているように見えますか?」
アルカ「…………破壊活動」
男「」
アルカ「えっと、ごめんね?あたしがこんなにぐちぐちしてたから……」
男「い、いえっ!アルカ様は決して!」
アルカ「あ、ありがとう……」
アルカ「……うん」
アルカ「だからさ」
アルカ「壁とソファーの間から出ようよ、男……」
男「……」ヒザカカエー
アルカ「……男ー」ツンツン
男「……」プニッ プニッ
アルカ「(あ、ほっぺた柔らかい……)」ツンツン
男「……」プニッ プニッ
アルカ「……」ツンツン
男「……」プニッ プニッ
アルカ「……♪」ツンツン
男「……アルカ様。ちょっと楽しんでますね?」
アルカ「……むっ!?」
アルカ「……」
アルカ「……ゴメン」ショボーン
男「……」
男「いい加減、立ち直ります。まぁ後片付けは済んでますしね」
アルカ「お、おー!男が立ち直ったー!いつもはもっとウダウダしてるのに!」
男「……うっ」グサッ
男「……え、えーと。アルカ様。次に何かしたいことありますか?」
アルカ「え?えーっとねー」
>>直下
男「アルカ様……いや、もういいです」
アルカ「え?何がー?」
男「いや、もういいです……」ハァー
アルカ「……?」キョトン
男「(これが思春期か……アルカ様が成長するのはいいんだが、知識が偏ってしまうのは……)」
>>二っつ下
男「(うむ、良くない!歳不相応の知識は良くない!情に流されず今回ばかりはまともに言わなければ!)」
男「ふー……よいですかアルカ様!」クワッ!
アルカ「ひ、ひゃっ!?」
男「あのですね、良くない!良くないんですよ!その……なんというかエッチな知識と行為は!いつか大変な事になっちゃいますよ!?」
アルカ「うっ……で、でもえっちな事は気持ちいいよ?」
男「その発想がすでにダメです!その場だけ気持ちよければ……というのはダメな考え方なのですよ!」
男「それに、エッチな事をしすぎると思考が鈍る(ゴトー談)んです!」
男「……分かりましたか?しすぎはダメです」
アルカ「……」
アルカ「……時々は?」
男「……まぁ、ある意味健全ですし。適量ならば」
アルカ「じゃあ明日しよう?」
男「え?う……」
アルカ「健全なんでしょー?」
男「ま、まぁするかしないかは、やぶさかではございません……」
男「……そ、それより!何か他にしたい事はありますか?」
アルカ「えーっとねー?」
>>直下
男「ぽ、ぽっきー?」
アルカ「……もしかして男、知らないの?」
男「……あー、はい」
アルカ「えっとね、ポッキーっていうのは棒にチョコを塗ったお菓子の事で、ポッキーゲームっていうのは向かい合って一緒に端っこからポッキーを食べることだよ?」
男「いや……もう深くは言いませんが……うーん」
>>直下
1.する
2.しない
男「あー、分かりました。じゃあしましょう……ところでお菓子とゲームを教えたのは……?」
アルカ「え?お兄ちゃん!」
男「(キルア様……ほんともう……)」
男「あーっと、では、お菓子を持って来ますので場所を」
アルカ「大丈夫!いつも持ってるから!」サッ
男「(流れるような動作で懐から菓子が……)」ホロリ
男「グスッ……え、えっと。それで、どうすればいいんでしたっけ?懐からお菓子を流れるように出すんでしたっけ?」
アルカ「……な、なんで泣いてるのかわからないけど、ポッキーを私が咥えるから、端っこを男が咥えて?」
男「……はい」
男「(……あれ?待てよ?頭が回らなくて軽く了承したけど、これ不健全な遊びじゃね?)」
男「あ、アルカ様、ふはへはひたけどどふすれば?(咥えましたけどどうすれば?)」
アルカ「……」
男「……は、はふははま?(あ、アルカ様?)」
アルカ「……」サク
男「……」
アルカ「……」サクサクサクサクサクッ!
男「(め、めっちゃサクサクしてるっ!?)」
男「ひょっ、はるははま!(ちょっ、アルカ様!?)」
アルカ「……」ブッチュー
男「……」ブッチュー
アルカ「……」
男「……」
アルカ「……もう一本」スッ
男「やりませんっ!」
アルカ「むー!男のケチー!」
男「はいはい。ケチで結構です。それで、他に何かしたい事はございますか?」
アルカ「えっとねー」
>>直下
男「髪、ですか」
男「(まぁ時間も時間で、日が落ちてそろそろだから寝る準備のついでに髪をといて差し上げようかな)」
男「はい。分かりましたアルカ様。しかし、先にシャワーを浴びてからの方が良いのでは?」
アルカ「え?うーん、と」
>>直下
浴びる
浴びない
男「髪、ですか」
男「(まぁ時間も時間で、日が落ちてそろそろだから寝る準備のついでに髪をといて差し上げようかな)」
男「はい。分かりましたアルカ様。しかし、先にシャワーを浴びてからの方が良いのでは?」
アルカ「え?うーん、と」
>>直下
浴びる
浴びない
アルカ「分かった!浴びてくるねー!」
男「はい。戻ってきたら髪を梳かしますからねー」
アルカ「うん!」
笑顔で走り去っていくアルカをほのぼのとした気分で見送りつつ、男はある事に気づく。
男「(あれ?櫛、ないじゃん!?)」
男「(いや待て、確かこの前アルカ様が櫛を大事にしてると言ってた!だったらアルカ様の部屋の物を拝借させて頂こう!)」
アルカ「お、おとっ、男ー!」
唐突に聞こえてきた声に男は何も考えず振り向いた。背後には、何故だか濡れに濡れそぼってるアルカその人が艶めいた髪で立っていた。それも全裸で。
男は一瞬で顔を背けるがその瞼の裏には克明にアルカの姿が映っていた。
男「あー。アルカ様、何故裸なんですか」
アルカ「何時間か前、お、男が怖い話をしたでしょ?それが怖くて怖くて髪も洗えなかった…」
男「えー…」
>>直下
髪を洗いに行かせる
行かせない
男「……アルカ様。髪を洗わないのはダメです。もう一度洗いに行きましょう?」
アルカ「怖いぃ……」
縮こまるアルカを横目で見つつ、男は
>>直下
一緒に行く。
一人で行かせる。
男「もー。じゃあ洗いに行きましょう?」
アルカ「やったー!男に洗ってもらうの久しぶりだー!」
にぱー。と輝くような笑顔に、一瞬見とれたがすぐさま全裸である事を思い出しさっさとアルカを風呂に先に行かせた。
男「(風呂に入ったのはつい最近あったけど。髪は何年ぶりだなー。)」
男「(髪伸びたしさぞ撫で心地が良いんだろうなぁ)」
さて。と気を入れ男は扉をガラリと勢いよく開けた。
男「さぁアルカ様!髪を洗う時間ですよー!」
アルカ「……男」
男「はい?」
アルカ「目隠しつけてどこにいるか見えるの?」
男「フッフッフッ、私はアルカ様の付添い人ですよ?気配と匂いでどうにでもなります!」
アルカ「(……やだ、なんだか男が変態ちっく!)」
男「ふふふ!まさか私が姿を見て恥ずかしがるなんて展開はありませんよ!」
男「はい、ではアルカ様そこに座ってください」
アルカ「はーい……」
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