P「安価でアイドル達にご褒美をあげる」 (59)


P「はぁ…」


小鳥「プロデューサーさん?どうしたんですか?溜め息なんかついて」


P「あ、音無さん…いえ、ちょっと…」


小鳥「なにか悩み事ですか?」


P「うーん…まぁ、そんな感じです」




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小鳥「アイドルの子達の事ですか?」


P「いや、アイドルの皆は良くやってくれてます。だからこそというか…」


小鳥「?どういうことですか?」


P「……ここ最近、みんな活動も軌道に乗ってメディアの露出も増えきたじゃないですか」


小鳥「そうですね〜テレビで見ない日は無いぐらいですよ」


P「はい、みんな凄く頑張ってくれてます」

小鳥「でもそれがどうしてプロデューサーさんの悩み事に…?」


P「いえ、もちろんアイドル達が活躍してくれるのは嬉しい限りですよ」


P「ただ…」


小鳥「ただ?」


P「ただ…その、俺がいる意味というか…プロデューサーとして…俺がしてやれることってもうないんじゃないかなぁって…」

小鳥「……」


P「……すいません。ただ最近思うんです。俺ってこの事務所に必要ないんじゃないかって…」


小鳥「ていっ」ペチッ


P「いてっ!…お、音無さん?」


小鳥「確かにみんな立派になりました…けど」


小鳥「みんなプロデューサーさんのおかげでここまで来られましたし、プロデューサーさんが気づいてないだけで今もプロデューサーさんに助けられてるんです。」


小鳥「プロデューサーさんが必要ないなんて…そんなこと、あるわけないじゃないですか」


小鳥「…アイドルのみんなが聞いたら怒りますよ?」


P「音無さん…」


小鳥「私だって…怒りますからね」プイッ

P「す、すいません」


小鳥「もうっ!プロデューサーさんさっきから謝ってばっかり」


P「すいません……」


小鳥「………」

小鳥(プロデューサーさん、そんなに悩んでたのね…)


小鳥(…そうだ!)


小鳥「…要はプロデューサーさんはアイドルのみんなに何かしてあげたいんですね?」


P「は、はい…俺に出来ることならなんでも」


小鳥「じゃあ、アイドル達にご褒美をあげてみてはどうでしょうか?」


小鳥「ご飯に連れてってあげたり、プレゼントをあげたり」

P「そ、そんなのでいいんですか?」


小鳥「プロデューサーさんからのご褒美ならみんな絶対に喜びますよ!」


P「は、はぁ…」


小鳥「まずは>>8ちゃんに>>11なんかどうでしょう?」

P「そ、そんなのでいいんですか?」


小鳥「プロデューサーさんからのご褒美ならみんな絶対に喜びますよ!」


P「は、はぁ…」


小鳥「まずは>>11ちゃんに>>14なんかどうでしょう?」

亜美

超高級おにぎり

小鳥「亜美ちゃんにおにぎりなんてどうでしょう?」


P「亜美にですか?美希じゃなくて…」


小鳥「はい。やっぱり贈り物と言ったら手料理は定番じゃないですか」


P「まぁ、そうですね」


小鳥「でも、プロデューサーさん料理なんて出来ないでしょう?」


P「ぐっ…は、はい」


小鳥「だからこそおにぎりなんです!」


小鳥「おにぎりなら料理の出来ないプロデューサーさんでも簡単に作ることができる…」


小鳥「それに!」



P「それに?」


小鳥「おにぎりとはまさに心…心で握るものなんです!」


P「心で…!!」


小鳥「日頃の感謝を伝えるなら、これ以上相応しい料理はありません!」


小鳥「プロデューサーさんの真心のこもったおにぎりなら亜美ちゃんもきっと喜んでくれますよ!」

P「なるほど!…でも、なんで亜美なんですか?」


小鳥「亜美ちゃん…最近あまり良い食事がとれてないみたいで」


小鳥「移動中にカロリーメイトとか…栄養食品で済ませることも多いみたいなんです」


P「そうか…竜宮小町の活動に加えて…最近は亜美個人の活動も増えてきた
な…」


小鳥「はい…だからこそ!」


小鳥「移動中にもすぐ食べられるおにぎりがいいんじゃないかと!」

P「わかりました…そういうことなら」


P「音無さん!」


小鳥「はい!」


P「俺…必ず作って見せます!」


P「亜美のために最高のおにぎりを!」ダッ


小鳥「……」


小鳥「プロデューサーさんなら絶対に出来ますよ…」


小鳥「最高のおにぎり…!!」

______________

それから俺は握り続けた


おにぎりを


ただのおにぎりじゃない


米は魚沼産コシヒカリ、塩はヒマラヤの岩塩


まさに超高級と呼ぶに相応しい逸品だった


でも…


それでも中々納得のいく品は出来なかった…

P「くそ…っ」ダンッ


駄目だ。何かが足りない


確かに美味い。美味いが何かが決定的に足りない


これじゃあ亜美に感謝の気持ちを伝えることができない


気持ち…?


小鳥『おにぎりとは…心で握るものなんです!』

それから俺は再び握り始めた


心をこめておにぎりを


亜美のためにおにぎりを


P「亜美…!!亜美……!!!」ニギニギ

____________

雪歩「ふぅ…」ガチャ


小鳥「あら、雪歩ちゃん。お疲れ様」


雪歩「あ、音無さん。お疲れ様ですぅ」


小鳥「今日はもう仕事はないの?」


雪歩「はい。今日は早めに終わったので久しぶりに事務所に来たくて…えへへ」


小鳥「ふふ、そう…あ、お茶入れてくるわね」


雪歩「あ、お茶なら私が…」


雪歩「最近新しい茶葉を買ったので…良かったら音無さんも飲んでみませんか?」


小鳥「そ、そう?じゃあ、お願いしようかしら」


雪歩「はい…っ」タタッ


小鳥(………)


小鳥(何か…忘れてるような)


雪歩(新しい茶葉のお茶…プロデューサーにも飲んでもらいたいなぁ)


雪歩(そういえば今日はプロデューサーはどうしたんだろう…お仕事かな?)


「……!!……ぃ!!」


雪歩「!」ビクッ


雪歩(な、なんだろう…台所の方から…)ビクビク


雪歩(プロデューサーの声…かな?ど、どうしたんだろう…)


雪歩「プ、プロデューサー、いるんですか?」


雪歩「………」ソーッ

P「んああああああ亜美ぃ!!!!亜美ぃいいい!!!!!!!」ニギニギニギニギニギニギ


P「可愛いよ亜美ぃいいいいいいあああ!!!!!!!!!!」ニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギ


P「おおお俺の想いよ亜美に届けぇえええええ!!!!!!!!!!!!!!」ニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギ


P「うおおおおぉおおおおお亜美ぃいい!!!!!!!!!!!!!」ニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギニギ



雪歩「」

すいません飯食ってきます

______________

P「で、できた……」


P「…っ!」ダッ


P「音無さん!!!」


小鳥「は、はいぃっ?」ビクッ


P「亜美は…亜美はどこに…!」


小鳥「あ、亜美ちゃんですか…?亜美ちゃんはえーと……今は○○TVで竜宮小町の収録ですね」


P「ありがとうございます…!」ダッ


タッタッタッ……


小鳥「な、なんだったのかしら…」

小鳥「そういえばプロデューサーさんが手に持ってた包み…もしかして…!」


小鳥「……ふふ、出来たんですねプロデューサーさん…」


小鳥「究極のおにぎり…!!」


小鳥「………」


小鳥「あれ…?何か…忘れてるような」


_________________


雪歩「」


雪歩「」

-都内 某テレビ局-

亜美「ふぅ…」


伊織「亜美…?どうしたのよ、元気ないじゃない」


亜美「いおりん…いや→ちょっとね〜」


あずさ「あらあら…亜美ちゃん…無理しちゃ駄目よ?」


亜美「無理なんかしてないYO!ちょっと昨日遅くまでゲームし過ぎてただけだって→」


伊織「それならいいんだけど…って、よくないわね」


亜美「んっふっふ〜…もしかしていおりん、心配してくれてる?」


伊織「んなっ!そ、そんなわけ……っあら?」


亜美「ん?」


「………!!……!!」


伊織「何か…あっちの方から…聞こえない?」


亜美「ほんとだ。男の人の声?」


「通せ……!!通せぇ!!!」


あずさ「警備員の人におさえられてるみたいね…」


「亜美に……!!亜美に会わせろぉ…!!!」


伊織「……あんたのファンかしら?」


亜美「…でもなんか聞き覚えのある声だよ?」


亜美「あれ……?」




P「ああああああ亜美ぃ!俺だぁああ!!!」



亜美「兄ちゃん!?」

____________

伊織「普通に身分明かして正面から入ってくればいいのに…何やってるのよ…」


P「す、すまん…」ハァハァ


伊織「はぁ…まぁいいけど。それで?」


P「え?」ハァハァ


伊織「えって…何か大事な用があった来たんじゃないの?」


P「そ、そうだ!!亜美!」ガシッ


亜美「うぇっ!?に、兄ちゃん?」


P「お、お、お前に…わわわ渡したいものがある…」ハァハァ


亜美「う、うん…と、とりあえず落ち着いてよ…」

P「………」スゥーー


P「………」ハァーー


P「亜美」


亜美「な、なに?」


P「最近のお前は…本当によく頑張ってくれてると思う」


P「初めて会った時から比べると…本当に…本当に立派になったと思うよ」


亜美「や、やめてよ…は、はずかCよ」


P「俺は…日に日に成長していくみんなを…亜美を見て何が出来るか精一杯考えてみた」


P「………」スッ


亜美「えっ…に、兄ちゃん?」


P「受け取ってくれ」

亜美「う、うん…」


亜美「………」ガサゴソ


亜美「…おにぎり?」


P「それは俺からのご褒美…なんて言うと図々しいかもしれないが…」


P「とにかく、俺の気持ちだ」


P「亜美のために…精一杯握った」


亜美「あ、亜美のために…?//」


P「…そうだ。……良かったら…食べてみてくれないか」


亜美(兄ちゃんが…亜美のために…)


亜美「……うん!」

亜美「………」パクッ


亜美「………」モグモグ


亜美「………!」


亜美「お、美味しい…!」ポロポロ


亜美「あれ…っ亜美……っなんで泣いて…っ」ポロポロ


P「亜美…お前最近ロクな飯食えてないんだってな」


亜美「……!」ポロポロ


P「音無さんから聞いたよ」


P「そんな生活続けてたら…いつか本当に体壊すぞ?」


亜美「で、でも…!」


P「分かってる。忙しくて食事の時間が全くとれないことも」


亜美「………」


P「だから…おにぎりでいいなら…いつでも俺が作ってやる」

亜美「兄ちゃんが…!」


P「あぁ、いつでも言ってくれ」


亜美「でも、いいの…?」


P「いいもわるいもあるか。…俺はお前達のプロデューサーなんだからな」


亜美「……っ」


亜美「………」ゴシゴシ


亜美「ありがとう!兄ちゃん!」


P(よかった…亜美には喜んでもらえたみたいだ…)


P(……ん?)


伊織・あずさ「………」ジトーッ


伊織「ちょっとアンタ!いつまで見せつけてくれんのよ!」


あずさ「私も…プロデューサーさんのおにぎり食べてみたいです。」


P「え、えーとですね…その今日は…亜美用のしか…持って来てなくて…」

伊織「……私達には何もないっての?」


P「そ、そういうわけじゃあ…」


亜美「やめなよいおりん!あずさお姉ちゃん!いくら兄ちゃんが『亜美のためだけに』おにぎり作ってきてくれたからって!」


P「あ、亜美!お前…!」


伊織「…プロデューサー?」


あずさ「…プロデューサーさん?」


P「……ぐっ」


伊織・あずさ「……」ジーッ


P「……ぐぐぐ…」


伊織・あずさ「……」ジーッ

____________
________
_____


結局俺は亜美に加えて伊織、あずささんの分のおにぎりを作ることになったのだが…



まず伊織から話を聞いたらしい美希にせがまれ美希の分を作るようになってからは早いものでどんどん話が広がっていくうちに事務所のアイドルほぼ全員のおにぎりを作ることになっていた




そう…ほぼ全員。1人を除いて


P「えーと、これが真の分、これが貴音の分と……」


小鳥「プロデューサーさん、お疲れ様です」


P「あ、音無さん。お疲れ様です」


小鳥「す、凄い量ですね。これ全部プロデューサーさんが作ったんですか?」


P「はは、いやまぁ。おかげで今日は4時起きですよ」


小鳥「そ、それは大変ですね」


P「いや、これもアイドルのためですし!」

P「音無さんも食べますか?飯が中途半端に残ったんで余分に作ってきたんです」


小鳥「いいんですか?ふふ、じゃあいただきますね」


P「はい、えーとじゃあこの… 雪歩「おはようございますぅ」ガチャ


P・小鳥「あ」


雪歩「プロデューサー、音無さん、お疲れ様でs……


雪歩「……………あ」


P「雪歩、違う。落ち着くんだ。」


雪歩「お…………」


雪歩「お………お…………」



雪歩「おにぎりいいいいいいいいいい!!!!!!!」ビエーン



P「雪歩おおおおおおおおおおお!!!!!!!!」





おわり


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