祥鳳「私が轟沈・・・?」 剣崎「ウゾダドンドコドーン!!」 (69)

初めに

このSSは祥鳳提督のために書いた、アニメ版艦これ7話の補完SSです。
アニメがお好きな方にとっては不快な記述が含まれる可能性があるので、閲覧の際にはくれぐれもご注意ください。
書き溜めたものを投下していきます。

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その日も、何時ものように出撃した。
あの日のことはよく覚えていない。
唯一はっきり覚えているのは、いつものように出撃に向かう時の、あの子との挨拶。
「気をつけてね、祥鳳・・・」
不安げに見つめる少女の頭を優しく撫で、私は仲間と共に出撃した。

特に不安はなかった。演習通りやれば問題ない。そう信じていた。
でも、現実はそんなに甘くなかった。


その日は、突然の奇襲を受けた。予想だにしてなかった敵襲に私は孤立してしまい、集中攻撃を受けてしまった。
「危ない!!」
誰かの声が聞こえた気がした。でも、もう手遅れだった。
「きゃあぁぁぁぁっ!」
敵の砲撃を受け、私の身体は炎に包まれた。
熱を帯びた身体に気付いたときには、既に諦めかけていた。
周りは油に引火した炎に包まれていた。損傷も大きすぎる。もう助けが来てもどうにもならないだろう。
(もう、ダメだ・・・)
私は早々と自分の運命を受け入れてしまい、目を閉じてしまった。

ふと、あの子のことが頭に浮かんだ。
瑞鳳。
小さい身体なのに大人びた、大切な、かけがえのないかわいい妹。
卵焼き作りが上手な、軽空母の妹。
(みんなごめんね・・・。瑞鳳・・・。貴方は、生き残って・・・)
最後に目に浮かんだのは、妹の笑顔。
そして、身体のバランスが崩れ、私は海へと沈んでいった・・・。
水が身体を覆う瞬間、何処からか力強い鷲の鳴き声が聞こえた。
(あぁ、死神の声ってこんな声なのね・・・)

それから、私の意識は途切れた。

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