桐生「龍が如く短編集」遥「その2」 (83)
桐生「龍が如く」遥「短編集」
桐生「龍が如く」遥「短編集」 - SSまとめ速報
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の続編
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【品田と谷村】
――ニューセレナ
谷村「こんばんは~」
ママ「いらっしゃい」
秋山「あれ?谷村じゃない、久しぶりだね?」
谷村「どうも」
秋山「なに?飲みにきたの?」
谷村「たまには上司に貢献しようかと思って」
ママ「今日はあの人居ないわよ?」
谷村「だから来たって言うか……」
秋山「まぁ…上司の前じゃ飲みづらいよね?」
谷村「それと……何か気まずいですよね?」
秋山「……確かに」
ママ「そうなの?」
谷村「何て言うか……お互い微妙な感じになりそうで……」
秋山「んじゃ今日は俺と飲もうよ」
谷村「……そうっすね、お付き合いします」
――
品田「こんちは~」
冴島「邪魔するで」
ママ「あらあら、品田さんと冴島さんまで」
秋山「こんばんは」
冴島「おう、秋山と谷村やないか」
谷村「お久しぶりです」
品田「あー!!秋山さん、奢ってください!!」
秋山「ちょっと……いきなりソレ?」
品田「だって冴島さんは奢ってくれないんですもん」
冴島「なんで俺が奢らなアカンねん」
品田「ね?秋山さん、いいでしょ?ね?ね?」
秋山「もー……しょうがないなぁ……」
品田「やった!!」
秋山「冴島さんは自分で……」
冴島「おおきに」
秋山「ちょっと」
谷村「ごちそうさまです」
秋山「えぇっ!?」
品田「……」
秋山「品田さん、どうしたの?」
品田「す……」
秋山「す?」
品田「凄いイケメンじゃないですか!!」
秋山「何を今さら……」
品田「秋山さん、こんなイケメンどこに隠してたんですか!?」
秋山「えっ?」
谷村「えっ?」
品田「うわー、こんなイケメン初めて見ましたよ」
谷村「……どうも」
品田「名前は?なんて言うの?」
谷村「……谷村…正義……です」
品田「谷村君かぁ……ん?……谷村?……どっかで聞いた事が……」
秋山「1000億事件の時に一緒に戦った仲間だよ」
品田「……あぁっ!!谷村君ってあの谷村君!?」
谷村「えぇ…まぁ……」
品田「あの殺し屋の挑戦をすっぽかした谷村君!?」
谷村「あー……何の話ですか?」
秋山「なにしらばっくれてんの、谷村の所にも挑戦状きたでしょ?」
谷村「……そんなのきてたかなぁ……」
冴島「お前はホンマ適当な奴やなぁ……」
谷村「そんな事より飲みましょうよ」
品田「そんな事って……」
秋山「どうせアレでしょ?面倒くさかったとかそんな理由でしょ?」
谷村「……それと、3人でも大丈夫かなぁ……って」
品田「代わりに俺が連れてかれたんだよ!?」
谷村「……どうも」
品田「いやいや、どうもじゃなくて……」
冴島「品田はビビりまくって大変だったんやで?」
品田「だから殺し屋が相手なんて普通はビビるでしょ!!」
谷村「まあまあ、いいじゃないですか」
品田「いやいやいやいや、俺は谷村君の代わりに……」
谷村「ほら、一杯奢りますよ」
品田「……いいの?」
谷村「……秋山さんが」
品田「いただきま~す♪」
秋山「……キミ達はなんなの?」
――
品田「あははっ、谷村君って面白いねぇ♪」
谷村「そうっすか?」
品田「ユーモアもあってイケメンなんてズルいよ~」
谷村「秋山さんもイケメンだと思いますけど?」
秋山「もっと言ってあげて」
品田「ん~、秋山さんはイケメンって言うよりチャラいよね?」
谷村「……確かに」
秋山「……」
谷村「じゃあ冴島さんは?」
品田「あははははっ、冴島さんはどう考えてもゴリ……」
冴島「ゴリ……なんや」
品田「ゴリ……ゴリッゴリの漢系ですよね?」
秋山「それはちょっと苦しくない?」
谷村「俺は男らしくてカッコいいと思いますけどね」
品田「ちょっ!?」
冴島「谷村……後で焼肉食いに行こか?」
谷村「喜んで」
ママ「なんか意外ね?」
秋山「なにがですか?」
ママ「ほら、谷村さんってわりとクールな感じだから……品田さんタイプは苦手なんじゃないかって」
秋山「品田さんはああ見えて人懐っこいですからね」
ママ「……そうね」
ママ(堂島会長もそうだけど谷村さんもか……)
ママ(あの手のタイプは品田さんに弱いのかしらね?)
今日は終わり
リンクは貼れねーわトリップはミスるわで散々だな
【神室町最強伝説】
――児童公園
秋山(……そろそろ会社に帰ろうかな?)
秋山(でもなぁ……仕事ダルいなぁ……)
秋山(ん?……アレは…冴島さんと……誰だ?)
――
チンピラ「おっさん、どこ見て歩いてんだ?」
冴島「前や」
チンピラ「あぁ?ナメてんのか?」
冴島「……」
――
秋山(アイツ…冴島さんに喧嘩売ってんのか……勇気あるなぁ……)
秋山(あっ……)
秋山(あーあ……)
秋山(御愁傷様です……)
――
冴島「なんや、もう終わりか?」
チンピラ「」
秋山「いやー、相変わらず強いですね?」
冴島「……秋山か」
秋山「冴島さん、少しは手加減しないと……」
冴島「軽く小突いただけや」
秋山「冴島さんの軽くは普通の人なら即死レベルですよ?」
冴島「……」
秋山「……神室町で一番強いのって誰なんでしょうね?」
冴島「俺……と言いたいところやけど……」
秋山「……」
冴島「桐生もおるし……兄弟も強いで?」
秋山「もしかしたら他にもいるかもしれませんね……」
冴島「せやな」
秋山「……実は1人だけ…心当たりがあるんです……」
冴島「なんやて?」
秋山「神室町最強の人物……真の強者ですよ」
冴島「……」
――堂島邸
秋山「さぁ始まりました、神室町最強伝説のお時間です」
秋山「司会は私、秋山駿と」
遥「アシスタントの澤村遥です」
秋山「さて、ゲストをご紹介します」
秋山「まずは神室町と言えばこの人……桐生一馬さん」
桐生「……」
秋山「続きまして、桐生さんと双璧をなす男……冴島大河さん」
冴島「……」
秋山「そしてココ堂島邸の主……堂島大吾さん」
大吾「……」
秋山「最後はたまたま堂島邸に居た……品田辰雄さん」
品田「……」
秋山「以上のメンバーでお送りしたいと思います」
品田「あの……」
秋山「はい、品田さん」
品田「これは……何なんですか?」
秋山「あれ?品田さん?品田さーん?」
品田「はいはい」
秋山「あー、中継が上手く繋がってないみたいですね」
遥「後でもう一度呼んでみましょう」
品田「ちょっと!!俺ココに居るでしょ!!」
冴島「桐生」
桐生「なんだ?」
冴島「コレは何なんや?」
桐生「俺にも分からねぇ……」
冴島「なんやと?」
桐生「……遥が面白い事やるからココに来いと」
冴島「……俺も遥に言われたんや……お前が何か始めたんやと思ったら……」
大吾「俺も遥に頼まれたんです……広い部屋を貸して欲しいと」
品田「俺は堂島君と遊んでただけなんですけどね……」
秋山「それでは張り切って参りましょう」
遥「せーの」
遥 秋山「「神室町最強は誰だっつーの♪」」
秋山「まず最初のコーナーは?」
遥「はい、『東城会に聞きました♪』です」
秋山「コレはその辺に居た東城会組員に『あなたが東城会で強いと思う人』を引退、現役を問わず3人選んでもらいました」
遥「全部で30人なんで最高得点は30点です」
秋山「それでは発表します、第3位は……」
遥「真島吾朗、25点」
秋山「続きまして第2位は……」
遥「冴島大河、29点」
秋山「そして第1位は……」
遥「おじさん…じゃなくて……桐生一馬、30点」
秋山「桐生さん、おめでとうございます」
遥「おめでとうございまーす」
桐生「……あぁ」
秋山「さて、少数ですが面白い意見があったのでついでに紹介したいと思います」
秋山「まずは初代会長の東城真さん」
秋山「この人のDVDを見てあの堂島の龍が大変参考になったと言っていたそうです、どんなエグい喧嘩をするんでしょうかね?」
遥「私、気になります」
秋山「続きまして堂島弥生さん」
大吾「えっ?」
秋山「女性でありながら会長代行として東城会を守った……まさに女傑ですね」
遥「私、憧れちゃいます」
秋山「それでは次のコーナーに行きましょう」
秋山「次のコーナーは?」
遥「はい、『神室町って危なくね?』です」
秋山「コレは私と遥ちゃん、それと城戸ちゃんと馬場ちゃんの4人で神室町の住人にアンケートを取ってきました」
遥「アンケートの内容は『喧嘩が日常茶飯事の神室町、あなたが目撃した凄い喧嘩って何ですか?』です」
秋山「それでは発表します、まずは……」
遥「大型バイクを相手に叩きつけてた」
秋山「そして」
遥「配電盤を叩きつけてた」
秋山「そしてそして」
遥「担いだ相手を壁にめり込ませてた」
冴島「……」
秋山「どんどん行きましょう」
遥「倒れた相手を地面ですりおろそうとしてた」
秋山「そして」
遥「車のドアに相手の頭を挟んでた」
秋山「それから」
遥「酔ってるっぽいのに凄い勢いで体当たりしてた」
桐生「……」
秋山「まだまだ行きましょう」
遥「壁際の相手を執拗に蹴りまくってた」
秋山「その辺は読まなくて大丈夫です」
秋山「次に行きましょう」
遥「脚で相手の首を挟んで折ってた」
秋山「その辺も読まなくていいや、今居ないし」
遥「鉄パイプで相手を突きまくってた」
秋山「それから」
遥「ナイフでメッタ斬りしてた」
秋山「それからそれから」
遥「棒を槍投げみたいにして相手に投げてた」
品田「……」
秋山「神室町って怖いですね?」
遥「1人じゃ歩けませんね?」
秋山「さて、アンケート結果を東城会組員に見せてさらにアンケートを取りました」
遥「この中であなたが一番ヤバいと思うのは?……です」
秋山「発表します、見事1位に輝いたのは……」
遥「配電盤を叩きつけてた、です」
秋山「冴島さん、おめでとうございます」
遥「おめでとうございまーす」
冴島「……おぅ」
秋山「それでは以上の結果を踏まえて、神室町最強を決定したいと思います」
遥「ワクワクしますね?」
秋山「神室町最強は…………澤村遥ちゃんです!!」
遥「えっ?」
桐生「おい」
冴島「なんでや」
大吾「秋山さん?」
品田「どういう事ですか?」
秋山「はい?」
品田「この流れなら桐生さんか冴島さんが……ってなるはずでしょ?」
秋山「遥ちゃん、ちょっとこっち来て」
遥「はい」
秋山「あのね…………って言ってみて」
遥「……私が…ですか?」
秋山「うん」
遥「……分かりました」
遥「……おじさん、冴島さん」
桐生「……」
冴島「……」
遥「……2人共……大嫌い!!」
桐生「なっ!?」ガクッ
冴島「ぐぅっ!?」ガクッ
遥「おじさん!?冴島さん!?」
桐生「」
冴島「」
遥「ウ…ウソだよ!!嫌いじゃないよ!!」
遥「おじさん!!冴島さん!!」
桐生「」
冴島「」
遥「2人共しっかりして!!」
秋山(伝説の漢2人を一撃で倒すとは……)
秋山(まさに魔性の女……)
秋山(末恐ろしいねぇ……)
今日は終わり
【城戸ちゃんの成長】
――冴島組
城戸「俺がですか!?」
冴島「せや、お前がウチの若頭や」
城戸「……すいません兄貴……俺には無理です」
冴島「……」
城戸「俺なんかが若頭じゃ……」
馬場「城戸さん、俺からもお願いします」
城戸「馬場……」
冴島「今すぐに決めろとは言わへん……じっくり考えてから答えを出せばええ」
城戸「……はい」
――第三公園
城戸(俺が冴島組の若頭……)
城戸(どう考えても無理だろ……)
城戸(年も貫目も足りねぇし……冴島の兄貴は一体何を考えてんだ?)
秋山「城戸ちゃん?」
城戸「えっ!?」
秋山「やっぱ城戸ちゃんだ、浮かない顔してどうしたの?」
城戸「……秋山さん……ちょっと相談に乗って欲しいんですけど……」
秋山「……別にいいけど……」
――スカイファイナンス
秋山「……なるほどねぇ」
城戸「俺が若頭なんて無理だと思いませんか?」
秋山「いやー、思わないよ?」
城戸「えっ?」
秋山「城戸ちゃんは腕っぷしも強いし頭も悪くない」
秋山「度胸もあるし情にも厚い」
秋山「若頭には申し分ないと思うけど?」
城戸「でも……」
秋山「城戸ちゃんの言いたい事は分かる」
秋山「自分はまだ若い、冴島さんや真島さんみたいなデカイ伝説を持ってるワケじゃない」
秋山「そんな自分が若頭じゃ他の組からナメられるかも……ってとこでしょ?」
城戸「……はい」
秋山「城戸ちゃんさぁ……あんまり自分を過小評価しない方がいいよ?」
城戸「……過小…評価……」
秋山「謙虚なのは良い事なんだけどさ、過ぎると逆に良くないモンだよ?」
城戸「……」
秋山「もっと自分に自信を持たないと」
城戸「……自信ですか……」
秋山「城戸ちゃんはさ、冴島大河と新井弘明に認められた男なんだよ?」
城戸「……」
秋山「あの2人が自分の弟分として認めてんだ……それだけじゃない、俺も桐生さんも城戸ちゃんを立派な漢だと認めてる」
城戸「……」
秋山「城戸ちゃん……今が正念場なんじゃないかな?」
城戸「……もう少し…考えさせてください……」
秋山「……納得できるまで考えるといいよ」
城戸「ありがとうございました……失礼します」
秋山「……」
秋山(城戸ちゃん……頑張れよ……)
――ミレニアムタワー前
城戸(……認められた……か……)
城戸(……)
城戸(新井の兄貴……俺はどうしたらいいんですか……)
遥「城戸さん?」
城戸「あ……遥ちゃん……」
遥「どうしたんですか?」
城戸「……ちょっと……悩み事って言うか……」
遥「……」
城戸「……」
遥「あの…よかったらウチに来ませんか?」
城戸「えっ……」
遥「今ならおじさんも居るし……力になってくれるかも」
城戸「……」
――桐生と遥の家
城戸「……すいません、突然お邪魔しちゃって……」
桐生「……話ってのは何だ?」
城戸「その…なんて言うか……」
遥「……おじさん、私ちょっとお買い物に行ってくるね?」
桐生「……分かった」
遥「少し遅くなるかもしれないけど……」
桐生「あぁ、気をつけて行ってこい」
遥「はーい」
城戸「……」
桐生「……」
城戸「……気を使わせちゃいましたかね……」
桐生「お前が気にする事じゃない」
城戸「……俺は……俺は本当に情けない男だな……」
桐生「城戸、ゆっくりでいい……落ち着いて話せ」
城戸「……ありがとうございます」
桐生「……なるほど…若頭か……」
城戸「正直言って……俺なんかには荷が重いと……」
桐生「……」
城戸「それに俺が若頭になったら他の組にナメられて……冴島の兄貴に恥かかせるんじゃないかって……」
桐生「城戸……肩書きってのはそんなに大事なモンなのか?」
城戸「そ…そりゃそうですよ、俺らは代紋背負って……」
桐生「俺の名前……知ってるか?」
城戸「えっ……」
桐生「俺の名前だ」
城戸「桐生……一馬さん……」
桐生「そうだ、俺の名前は桐生一馬だ……東城会四代目なんて名前じゃねぇ」
城戸「……」
桐生「城戸、お前の名前はなんだ?」
城戸「……城戸……武……」
桐生「あぁ、お前は城戸武だ……冴島組若頭なんて名じゃない」
城戸「桐生さん……」
桐生「肩書きなんてのは単なる記号だ、そいつ自身を表すモンじゃねぇ」
城戸「……」
桐生「笑われたっていいじゃねぇか、大切なのはお前自身がどう思うかだ」
城戸「俺自身が……」
桐生「お前ならやれる……冴島はそう思ってるんじゃねぇのか?」
城戸「……」
桐生「背伸びする必要は無い……お前はお前のままで……」
桐生「……城戸武のままで冴島組の若頭をやればいい」
城戸「俺のままで……」
桐生「……」
城戸「桐生さん……ありがとうございました」
桐生「あぁ、しっかりやれ」
城戸「はい」
――
城戸(そうだ……秋山さんと桐生さんの言う通りだ)
城戸(迷ってる場合じゃなかったんだ)
城戸(俺が俺のままで立派に若頭を務める……それが冴島の兄貴と新井の兄貴への恩返しになるんじゃねぇか)
城戸(……)
城戸(……よしっ、行こう)
――冴島組
冴島「そうか、やってくれるか」
城戸「冴島組若頭……謹んでお受け致します」
冴島「……城戸」
城戸「はい」
冴島「ええ顔になったな……漢の顔や」
城戸「……兄貴…前に言いましたよね……神室町の皆が家族だって」
冴島「あぁ、その通りや」
城戸「俺には……たとえ盃を交わしてなくても手本になる兄貴分がいる事が分かったんです」
冴島「……そうか」
城戸「その人達の為、俺自身の為、そして兄貴の為……これからも頑張ります」
冴島「おう、頼むで?」
城戸「はい!!」
冴島(……)
冴島(桐生と秋山辺りやな……)
冴島(俺もアイツらに負けんよう気張らなアカンな……)
今日は終わり
【兄さんとデート】
――真島組
真島「暇や……」
西田(また始まったか……)
真島「退屈や……」
西田(仕事してくれないかなぁ……)
真島「西田」
西田「はい」
真島「仕事はやりたくないんや」
西田「えぇっ!?」
真島「ボケ、お前の考えとる事くらいお見通しや」
西田(怖ぁ……)
真島「なんかオモロイ事ないんかのぉ……」
西田「き…気分転換に散歩でもどうですか?」
真島「あぁ?」
西田「な…なんか面白い事がある……かも……」
真島「……まぁ、たまにはええか」
西田「ごゆっくりどうぞ」
真島「なんもオモロイ事がなかったらお前は焼き土下座やからな?」
西田「えぇぇぇぇぇっ!?」
真島「ほな行ってくるわ」
西田「……お気をつけて……」
――ミレニアムタワー前
真島(……なんもオモロイ事ないのぉ……)
真島(……こりゃ焼き土下座……おっ、アレは!!)
真島「遥ちゃぁぁぁぁぁぁん!!」
遥「えっ?」
真島「ワシや、遥ちゃんのスイートハニー真島吾朗や」
遥「……えっ?」
真島「遥ちゃん暇か?」
遥「……特に用事はないけど……」
真島「よっしゃ、ほんならワシとデートせぇへんか?」
遥「デート?」
真島「暇で暇で死にそうやねん」
遥「お仕事は?」
真島「仕事?」
遥「……うん……そうだね……」
真島「な?ええやろ?」
遥「あまり遅くならないなら……」
真島「大丈夫や!!ワシはこう見えても紳士やで?」
遥「……」
真島「遥ちゃんは行きたいとことかあるんか?」
遥「んー……カラオケ?」
真島「よっしゃ、ほな行こか」
――カラオケ館
真島「レェェェッッツ!!ゲット!!トゥザトォォォォッッップ!!!!」
真島「愛想笑い~ドタキャン土下座~♪」
真島「行き交う日常繰り返しやでぇ?」
真島「とって~つけた~よな言い訳じゃ~♪」
真島「言い訳ばっかしじゃ何も変わらへん!!アホかボケェ!!」
遥(えぇ~っ……)
真島「さぁ、次はどこ行こか?」
遥「ゲームセンターに行きたい」
真島「劇場前でええか?」
遥「うん」
――クラブセガ
遥「あっ、どでかわんこだ」
真島「欲しいんか?」
遥「取れる?」
真島「任しとき」
――
遥「……」
真島「何回落とせば気がすむんじゃボケェ!!もっとガッチリ掴まんかい!!」
遥「真島のおじさん……もうやめた方が……」
真島「アカン!!ここでやめたらワシの負けや……それだけはできんのや!!」
遥(……何がこの人をそうさせるんだろう……)
真島「おっ!!キタでぇ……」
遥(あ……けっこうガッチリ掴んでる……)
真島「よしっ…そのままや……そのまま穴の上へ……」
遥「……」
真島「ええで…ええ調子や…………そこや!!」
遥「やった!!」
真島「いよっしゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
真島「遥ちゃん見とった?ワシはやったで!!」
遥「うんうん、やったね♪」
真島「ヒーッヒッヒッ、この犬もよう頑張ったがワシの勝ちや!!」
遥「うんうん♪」
真島「ほんならコレは遥ちゃんにプレゼントや」
遥「真島のおじさん、ありがとう♪」
真島「礼なんていらんわ、ワシと遥ちゃんの中やないか……ヒーッヒッヒッ♪」
――
真島「けっこう暗なってきたな……」
遥「そろそろ帰らないと……」
真島「……ならワシも帰るわ」
遥「真島のおじさん」
真島「ん?…どないした?」
遥「……ウチで夕飯食べていかない?」
真島「……ええの?」
遥「今日は遊んでもらったし……」
真島(遊んでもらったのはワシの方なんやけど……)
遥「ダメ…かな?」
真島「いや、遥ちゃんからのお誘いや……お邪魔させてもらうで?」
遥「じゃあ一緒に帰ろう♪」
真島「よっしゃ」
――桐生と遥の家
遥「ただいまー♪」
桐生「おかえり」
真島「ただいまー♪」
桐生「帰れ」
真島「……ちょっと冷たすぎるんと違うか?」
桐生「アンタにはこれぐらいで丁度いい」
真島「桐生ちゃんのイケズゥ」
桐生「何しにきたんだ?」
遥「私が呼んだの」
桐生「遥が?」
遥「今日は真島のおじさんに遊んでもらってたの」
桐生「兄さん……まさか遥に……」
真島「な…なんもしてへんよ!?……なぁ?遥ちゃん?」
遥「真島のおじさんって意外と可愛いところがあるよね?」
真島「えっ?ホンマに?」
遥「本当だよ」
真島「そないな事言われたら……ワシ、ごっつ照れるわぁ♪」
桐生「真島ぁ……」
真島「せ…せや……メシにしよ?……な?…な?」
桐生「……」
――
桐生「……」
真島「……」
遥「……」
真島(空気重たっ!!なんやねん、ちょっと遥ちゃんと遊んだだけやないかい)
遥(ちょっとやり過ぎたかなぁ……)
桐生「……」
遥「あ…あのね……」
桐生「……なんだ?」
遥「ほら、どでかわんこだよ?」
桐生「……確か同じのがウチにあっただろ?」
遥「種類が違うよ、おじさんに取ってもらったのはチワワでコレはフレブル」
真島「それ取るのごっつ大変だったんやで?」
遥「そうなんだよ、真島のおじさんったら3万円も……」
桐生「……」バキィ
真島(箸が……)
遥(砕けた……)
桐生「……すまん……代わりの箸を持ってきてくれ」
遥「う…うん」
桐生「……他には何をしたんだ?」
遥「カ…カラオケとか……」
桐生「……」
遥「プリクル…とか……」
桐生「……見せてみろ」
遥「はい……コレ……」
桐生「っ!?」
遥「お…おじさん?」
桐生「ま……真島ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
真島「はい!!」
桐生「……フレームがハートじゃねぇか……どういう事だ……?」
真島「そ……それは…せっかくやから……」
桐生「表に出ろ……」
真島「き…桐生ちゃん?」
桐生「心配するな…すぐに楽にしてやる……」
真島「へ?」
桐生「1発だ……1発で楽にしてやる……」
遥「おじさん!!私がハートにしようって……」
桐生「お前は黙ってろ」
遥「……」
桐生「来い」ガシッ
真島「ヒイッ!!」
遥「真島のおじさん!!」
真島「遥ちゃん!!助けてや!!」
桐生「見苦しいぞ」ズルズル
真島「遥ちゃん!!……遥ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
遥(真島のおじさん……)
真島「ギャアァァァァァァァァァッ!!」
遥(…………ごめんね?)
今日は終わり
【冴島組のシノギ】
――東城会本部
桐生「なぜ俺が呼ばれたんだ?」
大吾「実は桐生さんに相談がありまして……」
桐生「相談?」
大吾「冴島組のシノギの事なんです」
桐生「話してみろ」
大吾「……今のところはみかじめや賭博でなんとかなってますが……このご時世ですからね……」
桐生「……真っ当なシノギが必要って事か」
大吾「ええ、真島建設みたいな会社を起こせれば良いんですが……」
桐生「冴島が社長か……」
大吾「……冴島さんは…その……少し浮世離れしていると言うか……」
桐生「……」
大吾「なので飲食店を任せようかと思いまして」
桐生「それなら…まぁ……冴島でも……」
大吾「そこで桐生さんにアドバイザーをお願いしたいんです」
桐生「アドバイザー?」
――桐生と遥の家
遥「おじさんがアドバイザー?」
桐生「あぁ……東城会が差し押さえたラーメン屋と焼肉屋があってな、それを冴島組のシノギにするみてぇだ」
遥「なんでおじさんが?」
桐生「冴島組の立ち上げには俺も関わってるからな、見過ごすワケにはいかねぇ」
遥「……大丈夫なの?」
桐生「遥……お前にも手伝って欲しい」
遥「私に!?」
桐生「アルバイトみたいなモンだ」
遥「別にいいけど……」
桐生「それにアイツが必ずしゃしゃり出てくる……お前が居ればそれほど無茶はしないはずだ」
遥「アイツ?」
――ラーメン東条
真島「ヒーッヒッヒッ、兄弟……ワシに任しとけばバッッッッチリやで?」
冴島「ドアホ、お前なんかに任せられるワケないやろ」
真島「ワシ…社長さんやで?」
冴島「ほんなら自分の仕事しとれや」
真島「兄弟のシノギの為や、こっちが優先に決まっとるやろ」
冴島「遊びにきただけやろが」
真島「ちゃんと働くわ……ヒーッヒッヒッ♪」
冴島「……」
遥「おじさん…アイツって……」
桐生「あぁ、アイツだ」
――
桐生「冴島、ラーメンの作り方は知ってるか?」
冴島「それくらい知っとるわ」
桐生「言ってみろ」
冴島「茹でる」
桐生「……よしっ、俺が教えるから城戸と馬場は厨房に入れ」
冴島「俺は?」
桐生「お前は注文を取れ」
遥「ラーメン東条、本日開店でーす♪」
市民A(あんな可愛い子が店員なのか……入ってみよ)
ガラガラ
冴島「らっしゃい」
市民A「う…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
冴島「注文は?」
市民A「こ…殺さないでください!!」
冴島「なんやと?」
市民A「すいませんでした!!お金はココに置いときます!!」
冴島「せやから注文……」
市民A「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
遥「あっ!?……逃げちゃった……」
冴島「……一体なんやねん」
遥「おじさん……」
桐生「あぁ、冴島は下がらせよう」
真島「注文は?」
市民B「えっと……醤油ラーメン……」
真島「トッピングは?」
市民B「えっ……」
真島「チャーシュー100枚くらいでええか?」
市民B「い…いや……その……」
真島「なんや、100枚じゃ足らんのか?」
市民B「いや……多すぎ…って言うか……」
真島「かぁーっ、情けない奴っちゃのぅ……ワシの若い頃はチャーシュー3キロは食べたモンやで?」
市民B「あ…えっと……」
遥「おじさん……」
桐生「あぁ、兄さんも下がらせよう」
桐生「城戸、冴島と兄さんを頼んだぞ」
城戸「えっ?」
桐生「馬場は注文を取ってくれ」
馬場「分かりました」
城戸「ちょっと、桐生さん」
桐生「なんだ?」
城戸「俺1人じゃムリっすよ!!」
桐生「……お前ならやれるさ」
城戸「えぇっ!?」
城戸「兄貴!!なにやってんすか!?」
冴島「なにって……」
城戸「……そのお玉に山盛りの味噌をどうするつもりなんですか?」
冴島「味噌ラーメンやろ?」
城戸「そんなに入れませんよ!!それじゃ味噌ラーメンじゃなくて単なる味噌っすよ!!」
真島「兄弟はホンマにアホやのぅ」モグモグ
城戸「……何を食ってんですか?」
真島「チャーシューや」
城戸「ちょっ!?それ売り物じゃないっすか!!」
真島「腹が減ったんや」
城戸「だからって食っちゃダメっすよ!!」
冴島「城戸」
城戸「……なんすか?」
冴島「醤油ラーメンには醤油は何本入れるんや?」
城戸「一本も入れねぇよ!!」
城戸「味付けだよ!!そんなにドバドバ入れたら醤油飲んでるのと同じじゃねぇか!!」
遥「おじさん……」
桐生「あぁ、頑張ってもらおう」
――
城戸(……スゲー疲れた……)
遥「城戸さん」
城戸「あぁ…遥ちゃん……」
遥「お疲れ様でした」
城戸「……うん」
遥「あの……これ飲んでください」
城戸「……タフネスライト……」
遥「気休め程度ですけど……」
城戸「ありがとう……俺の味方は遥ちゃんだけだよ」
遥「そんな事は……」
真島「な…なんやてぇ!?」
冴島「桐生、どういうこっちゃ」
桐生「どうもこうもねぇ、今日の売り上げはマイナスだ」
真島「なんでやねん、客はぎょうさん入っとったで?」
桐生「……本当に分からねぇのか?」
真島「……ワシのつまみ食いか?」
桐生「それと冴島が材料を無駄遣いしたせいだ」
冴島「……」
桐生「お前らにラーメン屋は無理だ、明日以降ココは他の組員に任せる」
城戸(……マジかよ……俺の苦労は……)
遥「つ…次は焼肉屋で頑張りましょう?」
城戸「……」
ラーメン編終わり
焼き肉編はたぶん明日投下します
――焼肉東條
秋山「……」
谷村「……」
桐生「なんでお前らが居るんだ?」
遥「私がお願いしたの」
桐生「お前が?」
遥「だって……おじさんと私と真島のおじさんが接客だと……」
秋山「……」チラッ
真島「なんや?」
谷村「……」チラッ
桐生「なんだ?」
秋山「……いくら遥ちゃんが居るとは言え……」
谷村「……この2人に接客されるなんてちょっとした拷問ですよね……」
遥「……ごめんなさい」
谷村「秋山さん、どうするんですか?」
秋山「どうするって……やるしかないでしょ……」
谷村「……残念なんですけど俺は公務員なんでバイトは……」
秋山「亜僑会……」
谷村「えっ?」
秋山「ちょこちょこ小銭を稼いでるみたいだね?」
谷村「……」
秋山「今日だけ頑張ろうよ」
谷村「……分かりましたよ」
――
遥「いらっしゃいませ、こちらの席へどうぞ」
谷村「はい、カルビ3人前ですね」
秋山「ありがとうございました、またのご来店をお待ちしてます」
桐生(秋山、谷村、遥は大丈夫だな……)
桐生(問題はアイツか……)
真島「あぁ?なんやて?」
男「あの…カルビを2人前……」
真島「兄ちゃん…お前なんぼや?」
男「えっ……」
真島「年や、年はなんぼや?」
男「……20歳です」
真島「かぁーっ、アカン…アカンで兄ちゃん」
真島「ワシが二十歳の頃は軽く50人前は食ったモンやで?」
真島「若い内はガンガン食わんとなぁ、ヒーッヒッヒッ♪」
男「いや…そんなには……」
真島「……ほんなら半分…25人前でどないや?」
男「……」
真島「男やったら肉をガッツリ食わんとアカンで?お姉ちゃんもそう思うやろ?」
女「えっ?」
真島「彼氏にはぎょうさん食べて欲しいモンやろ?」
女「あ……はい……」
真島「決まりやな、25人前で……」
桐生「真島、ちょっと来い」
真島「ん?なんや?」
桐生「いいから来い」
真島「イタタッ!!桐生ちゃん、耳を引っ張ったらアカンて!!」
桐生「大人しくしねぇとこのままぶっちぎるぞ!!」
真島「……はい」
桐生「遥、あとは頼んだ」
遥「……うん」
――
桐生(……)
桐生(……客の入りも上々、兄さんは厨房に閉じ込めたし……)
桐生(このままなら今日は期待できそうだな……)
城戸「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
桐生(……)
――厨房
桐生(アイツら何をやってんだ?)
城戸「あ…兄貴……鹿が……」
冴島「おっ、届いたようやな」
城戸「えっ?」
冴島「奥寺はんに頼んでおいたんや、時間があったら自分で狩りに行きたかったんやけどなぁ……」
城戸「……」
冴島「ほな早速……」
城戸「ちょっと!!……包丁持って何するつもりですか?」
冴島「捌くに決まっとるやろ」
城戸「今!?ここで!?」
冴島「せや」
城戸「待ってください!!いきなり目の前で捌くとか……」
冴島「自分が生きる為に他の生き物の命を奪う……そこから目をそらしたらアカンのや……」
冴島「城戸……生きるってのは……そういう事なんや……」
城戸「いやいや…言ってる事は分かるんですけど……」
馬場「アニキ、こっちは俺がやっときます」
冴島「おう、頼んだで」
馬場「よっ…と」ドサッ
城戸「待て待て待て待て」
馬場「なんすか?」
城戸「なんすか?…じゃねぇよ、その兎どうすんの?」
馬場「捌きます」
城戸「お前もかよ!!いい加減にしろよ!!」
城戸「厨房で解体ショー始める焼肉屋なんてねぇよ!!何の罰ゲームだよ!!」
馬場「城戸さん……生きるってのは……そういう事なんすよ……」
城戸「うるせぇよ!!被せてくんじゃねぇよ!!」
真島「城戸、少しは落ち着けや」モグモグ
城戸「……何を食ってんですか?」
真島「チャーシューや」
城戸「焼肉屋にチャーシューなんかねぇよ!!どっから持ってきたんだよ!!」
真島「城戸……生きるってのは……そういう事なんや……」
城戸「意味分かんねぇよ!!全然繋がってねぇよ!!」
桐生(……城戸…頑張ってるな……)
――
城戸(……疲れた……俺は……もう……)
遥「城戸さん」
城戸「遥ちゃん……」
遥「あの…これを……」
城戸「スタミナンロイヤル……」
遥「……頑張ってください」
城戸「……ありがとう、遥ちゃん……」
桐生「よしっ、今日の売り上げを発表する」
真島「今日は働いたからのぉ……ごっつ儲かったんやないか?」
冴島「せやな、ええ汗かいたわ」
桐生「……残念だがマイナスだ」
真島「……なんでや!!」
冴島「計算が間違っとるんやないか?」
桐生「奥寺って奴から70万近い請求書が来てる」
冴島「……」
桐生「……メニューに載ってないモンがいつの間にか発注されていた」
桐生「鹿、兎、テン、熊、チャーシュー」
冴島「……」
真島「……」
桐生「……お前らには焼肉屋も無理だ、ココは他の組員に任せる」
城戸「あの……」
桐生「なんだ?」
城戸「こうなる事は最初から分かってたワケで……なのに…どうして俺達にやらせたのかなぁ……って」
桐生「城戸……生きるってのは……そういう事なんだ」
城戸「……そうっすね」
城戸(……)
城戸(……俺が間違ってんのかな?)
城戸(……生きるって何なんだろう……)
今日は終わり
【龍の逆鱗】
――劇場前広場
谷村(暇だなぁ……)
谷村(何か派手な事件でも起きないかな……)
谷村(お?アレは……秋山さんと…遥ちゃん?)
――
秋山「だからさ、たまには俺とも遊ぼうよ?」
遥「でも…お仕事があるんじゃ……」
秋山「あぁ~……大丈夫だよ、ウチには優秀な秘書がいるから」
遥「秋山さん……」
谷村「逮捕する」ガチャ
秋山「えっ?」
遥「あっ、谷村さん」
谷村「こんにちは」
秋山「ちょっと、なんでいきなり逮捕なの?」
谷村「いたいけな女子高生に言い寄る不審者……かと思ったんで」
秋山「ヒドッ!!……こんなナイスミドルに向かって……」
谷村「まあまあ、それより何してるんですか?」
遥「ナンパされてたんです♪」
秋山「遥ちゃん!?」
谷村「……やっぱり署までご同行を……」
秋山「谷村、誤解だってば!!」
谷村「……マズイんじゃないですかね?」
秋山「なにが?」
谷村「桐生さんに内緒で遥ちゃんと遊んだりしたら……」
秋山「まさか、そんな器の小さい男じゃないでしょ?」
谷村「……そうですかね?あの人は遥ちゃんが絡むと……」
秋山「蒼天堀で遥ちゃんと蟹食べた事知っても怒らなかったよ?」
谷村「……」
秋山「それに真島さんだって遥ちゃんと遊んでるんだし……ね?」
遥「そう言えばそうですね」
秋山「じゃあ今日は俺達と遊ぼうよ」
谷村「俺達?」
秋山「谷村も行こうよ」
谷村「いや…俺は……」
秋山「どうせ雀荘行くくらいしかやる事無いんでしょ?」
谷村「……まぁ」
秋山「よしっ、んじゃ3人でパーッと盛り上がろう」
――バンタム
谷村「ダーツですか……」
秋山「遥ちゃんと谷村の対戦だよ」
谷村「俺が?」
秋山「遥ちゃん、いいかな?」
遥「はい……」
谷村「まいったなぁ……」
秋山「勝負は01の501、先行は遥ちゃんで」
遥「……お願いします」
谷村「……お手柔らかに」
――
谷村(ま…負けた……)
遥「あの……」
秋山「遥ちゃん上手だね?」
遥「たまに…おじさんとやってて……」
秋山「さぁ、お待ちかねのごほうびルーレットだ」
遥「えっ?」
秋山「さあさあ」
遥「……えいっ」シュッ
谷村「……」
遥「あっ……」
秋山(キター!!)
谷村「ほほに……キス……」
秋山「谷村、ラッキーじゃないの……遥ちゃんにキスできるなんてさ♪」
谷村「マ…マズイですよ!!こんな事がバレたら……」
秋山「なに?遥ちゃんじゃ不満なの?」
谷村「そう言う問題じゃなくて!!」
遥「あの…えっと……」
秋山「……どうすんの?」
谷村(考えろ……どうすれば切り抜けられる……)
谷村(…………そうだ!!)
谷村「遥ちゃん、手でいいかな?」
遥「……手…ですか?」
谷村「そう、手だったらほっぺたよりマシじゃないかな?」
遥「……そうですね」
秋山(……スクープショットのチャンスだったのに……)
――Cuez BAR
谷村「次は秋山さんの番ですよ」
秋山「遥ちゃん、ビリヤードの経験は?」
遥「おじさんと…たまに……」
秋山(本気でやった方がよさそうだな……)
――
秋山「……」
谷村「遥ちゃんの勝ちですね?」
遥「……ごめんなさい」
谷村「それじゃ、ごほうびバンクショットやろうか」
遥「……はい」
――
秋山「マ…マジで!?」
谷村「……秋山さんの女豹ポーズとか誰得なんですかね?」
遥「あの…狙ったワケじゃ……」
秋山「それは分かってるんだけど……」
谷村「……とりあえずやってみましょうよ」
秋山「……マジ?」
谷村「マジです」
秋山「……分かったよ」
――
谷村「秋山さん」
秋山「ん?」
谷村「雀荘に行きませんか?」
秋山「雀荘?」
谷村「俺……麻雀なら遥ちゃんに勝てると思うんです」
秋山「谷村……」
谷村「2人揃って女子高生に負けっぱなしで悔しくないんですか?」
秋山(これが若さか……)
秋山「分かった、そういう事ならもう1人呼ぼう」
谷村「もう1人?」
――堂島邸
品田「ソニッブー!!ソニッブー!!」
大吾「波動拳!!波動拳!!」
品田「今だ!!サマーソルト……」
大吾「甘い!!昇龍拳!!」
品田「あぁっ!!」
大吾「……辰雄、俺の8連勝だな」
品田「堂島君……もう一回お願いします!!」
大吾「辰雄……もういい加減に……」
品田「あと一回だけ!!……ね?」
大吾「……分かったよ」
品田「よ~し、次はエドモンド……ん?……秋山さんから電話だ」
品田『はーい、秋山さんのスイートハニー品田辰雄です』
大吾「えっ?」
秋山『どうも、スイートダーリン秋山です』
品田『あははっ、相変わらずノリがいいっすね♪』
秋山『品田さん、俺の奢りで飲みに行きませんか?』
品田『ホントに!?行きます行きます!!』
秋山『じゃあ六蘭荘の前で待ってます』
品田『すぐに行きまーす♪』
大吾「秋山さん、なんだって?」
品田「奢るから飲みに行こうだって、堂島君も行く?」
大吾「俺はけっこう忙しいんだぜ?」
品田「またまたぁ……波動拳を出してたクセに♪」
大吾「……お前が遊んでくれって言ったんじゃねぇか……」
――六蘭荘
品田「……騙したんですね?」
秋山「騙してないよ、麻雀終わったら飲みに行こうよ」
品田「……じゃあさっさと終わらせましょう」
谷村「遥ちゃん、麻雀の経験は?」
遥「おじさんがやってるのを見てたくらいで……」
谷村(よしっ、勝てる…勝てるぞ……)
秋山「谷村」
谷村「なんですか?」
秋山「あくまでも遊びだからね?」
谷村「分かってますよ」
秋山(ホントかなぁ……)
品田「んじゃ始めましょうか」
谷村「遥ちゃんの親からだね」
遥「えっと……」
秋山「ゆっくり考えてもいいからね?」
遥「あの……」
品田「どうしたの?」
遥「……揃ってます」
谷村「えっ?」
遥「最初から…揃ってます……」
秋山「……ちょっと倒して見せてくれる?」
遥「はい……」パタッ
品田「テテテ…天和!?」
秋山「うわぁ……」
谷村「マジかよ……」
遥「……ごめんなさい」
――
谷村(そんな……イカサマ使っても勝てないなんて……)
秋山「……仕方ないよ、俺達は人間だもん」
谷村「……」
秋山「しょせん人間は龍の子供には勝てないよ……」
谷村「……そうですね」
冴島「お前ら何やっとんのや?」
遥「あっ、冴島さん」
品田「今から飲みに行くんですよ、冴島さんもどうですか?」
冴島「……ええな」
品田「じゃあ一緒に……」
桐生「残念だが飲みには行けねぇぞ……」
秋山「なっ!?」
谷村「ききき…桐生さん!?」
桐生「ずいぶんと楽しそうだな?」
秋山「ななな…なんでココに!?」
桐生「お前らが遥を連れ回してるって話を聞いてな……やっと見つけたぜ」
谷村「あ…秋山さん……」
秋山「あぁ…ヤバいな……あの目は本気の目だ」
桐生「秋山」
秋山「はい!!」
桐生「蒼天堀では遥が世話になったな?」
秋山「えっ?」
桐生「それに免じて蟹の事は見逃してやった……だが今回は見逃せねぇ!!」
秋山「あ…あぁ……」
桐生「谷村」
谷村「お…俺は秋山さんに無理やり……」
桐生「黙れ……一緒に連れ回してりゃ同罪だ」
秋山「桐生さん、俺よりも谷村の方が重罪ですよ!!」
桐生「なに?」
秋山「遥ちゃんの手にキスしたんですよ!!」
谷村「ちょっと!?」
桐生「谷村ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
谷村「秋山さん!!」
秋山「死なばもろともだよ」
品田「お…俺はさっき来たばっかで……」
桐生「黙れと言ったはずだ」
品田「えぇっ!?」
桐生「もういい……4人まとめてかかってこい!!」
谷村「秋山さん、どうするんですか!!」
秋山「こっちは4人だ……冴島さんもいるし力を合わせれば……」
冴島「桐生、俺は関係無いで?」
桐生「なんだと?」
冴島「俺は偶然ココで会っただけや」
桐生「遥、本当か?」
遥「……うん」
桐生「そうか…なら死ぬのは3人でいいな……」
秋山「冴島さん!?」
冴島「ホンマの事やろ」
桐生「覚悟はいいか……」
谷村「秋山さん……」
秋山「あぁ…もうやるしかない」
品田「俺は巻き込まれただけなのに……」
秋山「死にたくなかったら桐生さんを倒すしかない」
谷村「……望みは薄いっすよね……」
品田(ムリじゃないかなぁ……)
桐生「手加減はしねぇ……3人まとめてかかって来い!!」
遥「おじさん……」
冴島「遥、危ないから俺の後ろに隠れとき」
遥「うん……」
冴島(……)
冴島(……いつになくエグい喧嘩しよるわ……)
冴島(そんなに頭きたんか?)
冴島(遥は最大の弱点であり同時に逆鱗でもあるっちゅーことか……)
冴島(……俺も気をつけなアカンな)
これで終わり
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