曙「このクソ提督!」提督「うむ」 (55)
曙「書類仕事ほっぽりだしてどこに行ってんのよ!」
提督「いや、もう残り少ないし、気分転換に港をぶらっと……」
曙「全部終わらせてから行けばいいじゃない!」
提督「ははは、そう目くじら立てるな」
曙「くぅ~……!ってか!磯臭い!あんた磯臭い!」
提督「ははは、今日は潮風が強かったからな」
曙「こぉんの磯提督ー!」
提督「うむ」
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曙「ちょっと」
提督「うん?」
曙「これ、なに?」
提督「げっ」
曙「資材がまずいから大型建造はしばらくしないって言ったわよね。この書類なによ!何勝手にやっちゃってんの!?おかげで鎮守府の資材事情は火の車よ!」
提督「だって大和に来て欲しいんだよ」
曙「武蔵さんいるでしょ!」
提督「2人揃って欲しいじゃん」
曙「あんたのそのギャンブル癖のせいで資材は空っぽになって!代わりにドッグは船でいっぱいになるんでしょーが!」
曙「私と約束したじゃない資材たまるまでやらないって!それなのに、それなのに……!この!この嘘提督!」
提督「すまん」
曙「ぎゃー!?」
提督「お、おう、どーした」
曙「あ、あんた、その腕何!?」
提督「え、あぁ、ちょっと降ってきた鋼材が当たってな」
曙「黒根とかじゃなくてそれもう壊死してるわよ!!」
提督「痛かったけどほっとけば治るかなーって」
曙「どう見てもそういうレベルの怪我じゃないでしょ!」
提督「そ、そうか?」
曙「痛々しくて見てらんないわよ!とっとと病院行ってこいこの壊疽提督!!」
提督「むう」
提督「うぃーっす」
曙「おそい!今何時だと思ってんの!」
提督「悪い悪い、寝癖が直らなくてな」
曙「乙女か!その帽子の下に隠せばいいでしょ!」
提督「帽子が寝癖に吹っ飛ばされたんだよ」
曙「お、おう……」
曙「だとしても!早起きして身支度整えればいいでしょ!」
提督「うぐ」
曙「ったくだらしないわね!この遅提督!」
島風「おっそーい!」
曙「!?」
提督「!?」
曙「いま、島風いた……?」
提督「た、多分」
阿蘇山に遊びに行く阿蘇提督はいないのか
>>10
悩んだけど没にした、しっくりこなかったから
曙「……だーれもいないわね」
提督「うむ」
曙「こんな静かな鎮守府……漣と私しかいなかった時、以来ね」
提督「すぐに深雪が来たからな」
曙「……過疎……とは違うか」
提督「いいんじゃないか? で、曙はたまの休日、遊びに行かなくてよかったのか」
曙「いーのよ、別に」
提督「うし、出かけるぞ曙」
曙「は?何いきなり」
提督「温かいものを食べたくなった、奢ってやるから付き合え」
曙「……礼は言わないわよ」
提督「いらん」
曙「って!なんでこんな閑古鳥の鳴いてる過疎ったラーメン屋に連れてくんのよ!」
提督「知り合いの店でな」
曙「こんの過疎提督ーーー!!」
曙「あ、おいしい」
曙「新しい艦よ」
木曾「木曾だ、お前に最高の勝利を与えてやる」
提督「木曽?」
木曾「? あぁ」
提督「偶然か、俺の故郷と同じ名だ。多分漢字が違うがな」
木曾「あぁ、木曽か」
曙「え、どこそこ、過疎地?」
提督「張り倒すぞお前。長野県南部の地域さ、そこで生まれ育った」
提督「で、海軍に憧れて上京してきた」
曙「ふーん……つまりあんたは木曽提督なのね」
木曾「そしていま木曾提督になったな」
提督「ややこしい」
曙「……あんた何してんの?」
提督「ん?手紙をな、書いてるんだ」
曙「手紙?このSNSの時代にぃ?」
提督「おう、しっかりと字にして届けたいからな」
曙「ふーん、仕事関係じゃなさそうね、なんの手紙よ」
提督「……んー、たぶん、恋文、か?」
曙「は?!」
提督「ついでに日頃の感謝とかを込めて、送ろうかなー、と」
曙「……あっきれた!仕事の時間中にくだらないことしてないでよ!ふんっ!」
提督「なんだよ、俺の仕事は終わらせただろう」
曙「しらないわよこの懸想提督!フンッ!」
提督「なんなんだよ、ったく……よし書けた」
提督「んじゃお届けだ。ほれ曙」
曙「私にそれを届けろっての!?」
提督「お前宛だよ」
曙「……」
曙「こ、このクソ提督ぅ……」
提督「ん~♪んん~♪」
曙「なにやってんの」
提督「見ての通り、水をあげてる」
曙「植物に?あら、案外整った花壇じゃない。あんたにしてはいい趣味だわ」
提督「そうか?ははっ。みろよ、もう芽が出てるんだ」
曙「なに育ててるのよね」
提督「紫蘇の葉だ」
曙「花じゃないの!?」
提督「食べたらうまいだろう」
曙「食いしん坊か!?こんの紫蘇提督!!」
曙「……」
曙「……はぁ」
提督「なぁーにやってんだ」ピトッ
曙「ふひゃっ!?な、いきなりなにすんのよクソ提督!!」
提督「なんだその反抗的な態度は。寒そうな海辺に佇むお前を思いあったか~いココアを買ってきてやったというのに。いらんなら俺が飲むぞ」
曙「……いる」
提督「で、何考えてたんだ?」
曙「……私たちはいつまで戦わなくちゃいけないのかなって」
曙「深海棲艦がいついなくなるかなんて誰にもわからない、明日かもしれないけど、もしかしたら一生いなくならないかもしれない」
曙「仮にあいつらが消えたとして、その後は?私たちはどうなるの?また別の敵と戦うの?普通の暮らしを送れる保証はあるの?って」
曙「……海を見てたら、考えちゃった」
提督「……そりゃ、誰にもわからねえだろな」
提督「世間にはあんまりお前らの存在は知られてない、受け入れられるか、拒絶されるかは俺にはわからん」
提督「世界は残酷だ。この国を守るお前達を国民は罵詈雑言を浴びせて非難するかもしれん」
提督「だが、それを考えたって仕方がない。俺たちは明日を生きるために今は戦うしかねえのさ」
曙「……ふん」
曙「似合わないこと言ってんじゃないわよ、世相提督」
曙「提督、入るわよ」ガチャ
曙「ってあっつ!?この部屋あっつ!?」
提督「おう曙」
曙「おう曙、じゃない!なによこの部屋!ヒーターにストーブにこたつ!?おまけにどんだけ厚着してんの!」
提督「海に面して寒いんだ」
曙「限度があるわよ!脱水症状や一酸化炭素中毒で永遠にあったかいとこ行くつもり!?」
曙「こたつとはヒーターは認めるからなとりあえず脱げ!その威厳のないドラ◯もん体系から抜け出せ!」スポポーン
提督「なにをするきさまー」
曙「クッソー!一体何枚重ねしてんのよこの布だるまはー!この!この多層提督ーーー!!!」
曙「第二艦隊帰投したわよ!」ガチャ
提督「おうおかえり」
曙「……なにこの部屋」
叢雲「ハァー……執務室はいつから中華料理屋になったのかしら」
提督「いつも遠征頑張ってるお前らにご馳走してやろうと思ってな、知り合いに頼んだ」
曙「あぁ、例のラーメン屋の……」
満潮「間宮さんと伊良湖の料理のほうが美味しいにきまってるじゃない」
霞「なんで無駄な出費ばかりするのかしらこのクズは……」
不知火「司令に落ち度はありません」ズルズル
満潮「不知火……」
曙「はぁ、ったくこの馳走提督」
提督「どうでもいいが早く食わねえと第1艦隊の大和たちが帰ってくるぞ」
全員「いただきます」
不知火「落ち度はありません」ムシャムシャ
提督「おはよう」
曙「はいおはようクソ提督。今日は早いわね」
提督「うむ、少し行事もあるからな。ほれ」ドン
曙「……酒?朝っぱらから酒飲もうっての?」
提督「こいつは屠蘇酒だ」
曙「と、そ……?」
提督「一年の邪を祓う、屠蘇を漬け込んだ酒、だと聞いた。詳しくは知らん」
曙「いい加減ねぇ屠蘇提督」
提督「お前それが言いたいだけだろ」
提督「さて、と」トクトク
提督「ほれ」
曙「え?なに?私も飲むの?」
提督「お互い今年も無事でいられるように、てな」
曙「……ふんっ、クソ提督のくせに……」チビ
曙「まっず!?」ブバァ
提督「こっち吹き出すんじゃねぇきたねぇな!!」
提督「……ぅ、ん……」ゴロン
曙「……」
提督「ぬ……」ゴロゴロ
曙「……」
提督「むぅ……」ゴロリン
曙「……ふふ」
曙「相変わらず寝相悪いわね、寝相提督」
提督「……うーむ」
曙「おはよう、って、あんた部屋に何飾ってんの?」
提督「馬装だ」
曙「あっそ、馬装提督」
提督「ついに適当だなお前」
曙「で、なんで陸軍の馬飾りをあんたが持ってんのよ」
提督「知り合いの陸軍のやつがいらねえからって」
曙「馬装いらないからやるってどんな状況よ」
提督「わかんねぇ。どうするか、俺は馬なんてなぁ……」
提督「売るか」
曙「いいのかそれで」
提督「それでうまいもん食おう」
曙「その話乗った」
曙「新しい艦よ」
扶桑「扶桑型戦艦扶桑です……」
提督「扶桑ねぇ……ふむ」
扶桑「ど、どうしましたか?」
提督「……扶桑っていうのは、中国に伝わる、東方の果てにそびえる巨木、扶桑木というものからとった名前らしい」
曙「へえ」
提督「古い、山海経に見られ、はるか東海上に立つ伝説上の巨木、そこから太陽が昇るとされていたそうだ」
提督「その名に恥じぬ、活躍を期待すーーー」
扶桑「」メソメソ
提督「なぜ泣く!?」
扶桑「不幸でごめんなさい、欠陥でごめんなさい……」フソフソ
提督「な、泣くな!俺なんか悪いこと言ったか!?ほれ!泣きやめ!飴ちゃんあげるから!」
扶桑「うえええぇん……」ボロボロ
曙「……なによ、この扶桑提督」
提督「へそ」
曙「は?」
提督「へそってあるじゃん、へそ」
曙「お腹の?」
提督「そう」
曙「それが?」
提督「舐めたい吸いたいしゃぶりたい」
曙「この変態クソ提督」
提督「変態でいいから吸わせてくれ」
曙「ざっけんな!ありえないから!」
提督「ありえなくてもいいから」
曙「こっちがよかない!!」
提督「……そうか」
曙「そうよ!」
提督「……」ポロポロ
曙「泣くな!アホか!?」
提督「いやしかしだな」ポロポロ
曙「あんたそれでも提督かー!ったく……しょーがない」
提督「!」
曙「み、み、みるだけなら、いいわよ」
提督「……見るだけ?」
曙「それが限界!」
提督「……」ボロボロ
曙「こーんのヘソ提督!そんなにお臍が好きかぁー!」
提督「ただいまー」
曙「はいはい出張お疲れ様」
潮「お、お疲れ様です」
提督「ったくつまんねー会合だった……ほれ、お留守番のお前らにお土産だ」
漣「マジですかご主人様!」
朧「おぉ~、なんですかなんですか!」
提督「はい、まずは名物赤味噌」ドン
曙「間宮さん行き」
提督「白味噌」ドン
潮「ま、間宮さん行きです」
提督「あまり聞かない淡色味噌」ドン
漣「あっ(察し」
提督「ねさし味噌」ドン
朧「知ってた」
提督「以上!」
曙「この味噌提督!!」
潮「み、味噌だけ……?」
漣「流石にがっかり」
朧「うん、まぁ、うん」
提督「うむ」
曙「うむじゃない!」
曙「くそっ、こいつ……!!」
レ級1「愛シテルンダァァァキミタチヲォォォォォ!!」ズガガガン
榛名(別鎮)「演習に乱入してくるとは……とんでもないやつです、勝手は榛名が許しません!」
レ級2「ア、ソウナンダ、デ?ソレガ何カ問題?」
ヲ級「レ級!貴様何ヲスルツモリダ!?」
レ級3「イヤイヤ、チョットシタオ手伝イヲ……」
曙「くそ、こんなところで死ねるか、死ぬもんかぁ……!!」
ザッ
曙「!? あんた……」
榛名「あら?あれはあなたの鎮守府の」
ザッ
レ級×3「ン?」
提督「匪賊には、誇りもないのか?生きやすいものだな、ふらやましいよ(笑)」
提督「イヤーッ!」バキッ
提督はレ級=サンにミサイルめいた飛び蹴り!
レ級1「アバー!?」
さらにその反動を活かし別の敵に飛び蹴り!
提督「イヤーッ!」
レ級2「グワー!?」
さらにその反動を活かし別の敵に飛び蹴り!
提督「イヤーッ!」
レ級3「ンアー!?」
提督「wasshoooooooooi!!!」
レ級「アイエエエエエエエエ!?!?」
曙「……む、無双提督」
提督「うーむ、燃料が足りねぇ」
曙「なにしたらこんなに減るのよ、もう二桁しかないわよ」
提督「出撃するたびに大和が大破してな、流石にイベント海域」
曙「あぁ、だから大和が死にそうな顔で入居風呂に浮かんでたのね」
提督「死んでないかそれ」
曙「で、どーすんの?」
提督「……買うか」
曙「マジ?」
提督「うむ」
提督「買いました」
曙「買い過ぎ」
燃50000鋼23525
弾20167ボ110000
曙「買いすぎ」
提督「大は小を兼ねる」
曙「限度があるわ、この油槽提督。あんたこの先暮らしていけるの?」
提督「……うむ」
曙「はぁ、馬鹿ね……」
提督?「私は絶対辛い思いをさせないよ」
曙「……」
提督?「君たちを戦わせなんてしない」
曙「……」
提督?「私の力で奴らは倒してみせる」
曙「……」
提督?「そう、君たちはただのヒトに戻れる」
提督?「だから、私と……」
曙「……」
曙「……んぅ」パチ
提督「……お、目が覚めたか」
曙「……クソ提督」
提督「寝覚めの一言がそれかよ。ぐっすり寝てたぞお前」
曙「……この布団は?」
提督「艦娘っつっても人だろ、風邪引いちまうからな」
曙「……あっそ、礼は言わないわよ」
曙「……理想提督」ボソ
提督「あん?」
曙「なんでもない」
提督「どうだ、似合うか」
曙「馬子にも衣装って、昔の人はいいこと言うわね」
提督「張り倒すぞお前」
曙「ふんっ……どう?」
提督「……似合ってる」
大淀「お二人とも、そろそろ」
提督「あぁ、ありがとう。おい、いくぞ曙」
曙「はいはいったく……似合わないわよ、和装提督」
提督「お前大衆の面前に出る直前に言うか」
曙「フンッ!」
曙「第二艦隊、帰投したわよ」
提督「おうお疲れ。他の奴らは?」
曙「絶賛補給中」
提督「そうか。で、結果は?」
曙「大成功よ。私に感謝しなさい」
提督「はいはい、よく頑張ったな」
曙「なにそのテキトーな返し、このダメ男」
提督「仮にもケッコンしてんのにお前……」
曙「つーんだ……」
提督「……ありがとな、曙」ナデナデ
曙「ん……そうそう」
曙「私にジューブン感謝しなさいよね、このクソ提督っ♪」
艦
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ボノやん!ボノやん!