・古澤頼子さんの再登場記念SSです
・Pは武内Pじゃありません
よろしければご一読ください
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某撮影スタジオ
モバP「頼子はそろそろかな…お、来た来た」
頼子「お待たせしました」
モバP「あ……」
頼子「あの…、Pさん?」
モバP「あ、ああ、すまんな(担当アイドルに見とれてた…なんて言えないよな)」
モバP「どうだ、頼子。今回の衣装の感想を聞かせてくれるか?」
子「はい…ドレスを着た貴婦人…絵画では何度も見たモチーフですが…」
モバP「うん」
頼子「自分がその立場になるとは思ってもみませんでした」
モバP「頼子によくあったモチーフだと思うよ」
頼子「そんな…」ブル
モバP「あ、すまん…ほら、汗臭いかもしれないけど」
頼子「あ、そんな…Pさんが風邪引いてしまいます…」
モバP「俺は大丈夫だよ、思ったよりスタジオが寒くてごめんな」
頼子「いえ…では、お言葉に甘えます」
頼子「(Pさんの香り…あっ、香水つけるんだ……ふふ)」
モバP「おーい、頼子?」
頼子「ああ、はい…あ、そうだ、セットの見学していいですか」
モバP「ああ、そうだな、まずPVの冒頭で降りてくる階段がこっちだ 」
頼子「はい…窓から月が……綺麗」
モバP「撮影用のセットだけどな、イイ出来だろ」
頼子「素敵です…、この月明かりをバックに降りてくる形ですね」
モバP「ああ、まだ時間あるし、ちょっと試してみるか?」
頼子「いいですか…では」
モバP「(俺の上着…ほんのり、頼子の体温が…)」ギュ
頼子「……?」
頼子「では…始めますよ」
モバP「お、おう、よろしく頼む」
頼子「光源を意識して…うん」
モバP「おお」
頼子「……」コツコツ
モバP「いいじゃないか、頼子」
頼子「ありがとうございます。テーマはエレガント、ですね」
モバP「ああ、まさにその通りだな」
頼子「美術展で見た、彫刻の構図が役に立ちました」
モバP「なるほどなぁ、趣味の美術館賞をそうやって仕事に活かしてるのか」
頼子「いえ、そんなに大それたものでは」
モバP「そうか?」
頼子「それに…このドレスを着てると…なんだか別人になったような気がします」
モバP「頼子…ほら、背筋伸ばして」グイ
頼子「きゃ」
モバP「また、ちょっと猫背になってたぞ」
頼子「あ…(猫背のこと、気がついたら教えてって…覚えてくれた……ふふ)」
モバP「それとな、頼子…ドレスよく似あってるよ」
頼子「は、…はい?また…嘘つくんですから、いけない人です」
モバP「嘘じゃないさ、本当に綺麗だよ」
頼子「………あ、……はい」
スタッフ「すみません、撮影開始します」
頼子「はい、よろしくお願いします」
モバP「あ…、じゃあ、頼子、後でな」
頼子「はい…(胸を張って、顔をあげる…)」
・・・
撮影終了後
モバP「今日の撮影も無事終了…さ、明日に備えてそろそろホテルに…ん?」
頼子「あ、Pさん…どうされました?」
モバP「どうされましたじゃないだろ、頼子…撮影衣装のままじゃないか」
モバP「寒くないのか?」
頼子「はい、撮影で体温まりましたので」
モバP「そうか…無理するなよ」
モバP「今日の撮影はどうだった、頼子?」
頼子「そうですね…「観られる」って大変ですね」
モバP「ん?観られるって撮影のスタッフくらいしか」
頼子「貴方が…いますから」
モバP「お、俺?」
頼子「はい…Pさんは美への感性が私よりも鋭いと思います」
モバP「お、俺が?それは買いかぶりすぎだよ、頼子」
頼子「そんなことは…階段から降りる時に髪をなびかせるアイディア素晴らしかったです」
モバP「ああ、あれは…だな、以前に頼子が、ほらお月見イベントの時に」
モバP「月明かりの下で、頼子の髪が月の光を浴びてすごく綺麗だったからさ」
頼子「は、はい…」ポッ
頼子「そんな時のことまで…覚えていて…嬉しいです」
モバP「俺なりに頼子を見てきた成果かな」
頼子「Pさん……」
頼子「(私も知らなかった私を、Pさんは見抜いたんですね)」
頼子「ありがとうございます」ボソ
モバP「ん?何か言ったか」
頼子「いえ、何も…」
モバP「そっか?それにしても…頼子がドレス姿でこんなセットがあると…」
頼子「まるで物語の舞踏会みたいですね…ふふ」
モバP「な、なあ」
頼子「は、はい…」
モバP「い、いや、何でもない…」
頼子「…あの、Pさん、いっ、一曲……」ボソ
モバP「(よし!)なあ、、頼子!」
頼子「は、はい!?」
モバP「一曲お相手いただけますか?」
頼子「…え?」
モバP「こういうのは男が言うものだろ」
モバP「ど、どうなんだよ、頼子。は、恥ずかしいだろ」
頼子「私でよろしければ…」
モバP「あんまり上手くないからな」
頼子「あ、はい…でもそんなことはまったく」
モバP「今回の頼子の撮影の内容を考慮して、予習したからな」
頼子「さすがです、Pさん」
モバP「頼子がいつもしっかり予習してくれるからさ、俺もって」
頼子「いえ、準備を万全にしておきたくて…Pさんの仕事だから」
モバP「ありがとう、頼子…俺も頼子のためにもっとがんば…おっと」
頼子「大丈夫ですか、Pさん」
モバP「いや、すまん、付け焼き刃じゃこんなもんだな」
頼子「そんなことは…」
頼子「(絵や彫刻と違ってアイドルは生きている…)」
頼子「(だから、日々成長していけるんですね)」
頼子「(昔の…自信が持てなかった私なら…きっとこんな勇気だせなかった……)」
モバP「頼子?」
頼子「これからも私に色々なことを教えてください」
モバP「ああ、もちろんだよ、頼子」
・・・
翌日・某ホテル
モバP「ふわぁ…、今日も朝早いなぁ」
頼子「おはようございます、Pさん」
モバP「ああ、頼子、おはよう」
頼子「ちょっと眠そうですね、夜も私たちのために…」
モバP「いや、すまん」パン
モバP「もう大丈夫だ…、それにしても頼子は朝からしゃきっとしてるな」
頼子「元々通学のために朝早かったですから」
モバP「そうか、それはいいな…えっとあとの二人は?」
頼子「舞ちゃん…もう中で食事を選んでます」
モバP「あ、ホントだ…元気だなぁ」
頼子「麗奈ちゃんは…その……」
モバP「まだ寝てるのか?」
頼子「は、はい、夜遅くまで何か作業を…」
モバP「まったく麗奈のやつめ、今日のイベントは長丁場だから」
モバP「朝ごはんしっかり食べろって言ったのに」
頼子「あの…」
モバP「俺は麗奈を起こしてくるから、頼子は先に食べててくれ」
頼子「………うん」
・・・
ホテルの一室
モバP「麗奈のやつめ、まったく…ああ、こんなあられもない格好で」
モバP「起きろ、麗奈ーーーーーーーーーーーーーー」
麗奈「グースーピー」
モバP「ちっ、起きないか…おっ、これは」
モバP「麗奈のバズーカか」ニヤリ
モバP「光、私からの手向けだ、麗奈と仲良く暮らすがいい」スドーン
麗奈「なッ、なッ、なにッ?!」
モバP「おはよう、麗奈」
麗奈「…え、Pッ?!」
麗奈「ア、アンタなにしてんのよッ!!」
麗奈「このレイナサマの安眠を妨害するなんて許さないわッ!!」
麗奈「それに、アンタ、それッ!!」
麗奈「アタシのアルティメット・レイナサマバズーカ2号じゃないのよーーッ!!」
モバP「今何時だと思ってるんだ」
麗奈「え、今…ああッ」
麗奈「あの…バズーカの改修で…その」
モバP「俺は頼子たちと朝食食べてるからな」
モバP「一般の方もいるから、ちゃんと身だしなみ整えてから降りて来いよ」
麗奈「わ、わかってるわよッ」
・・・
モバP「はあ、麗奈のせいで朝食は一人か」
頼子「あ、Pさん、舞ちゃんは部屋に戻りましたよ」
モバP「ああ、そうかって頼子、まだ食べてなかったのか?」
頼子「え…はい、このホテルのビッフェ、和食も洋食も美味しそうで…悩んでいたら」
モバP「時間がかかったと…(俺の事待っててくれたんだな、カワイイやつめ)」
頼子「はい…それに、玉子焼きとスクランブルエッグかぶってしまいました」
モバP「あ、本当だ、ふふふ」
頼子「ふふ、今朝の私は食いしん坊さんですね…」
モバP「ぷっ、はははは」
頼子「Pさん…」
モバP「だって頼子が食いしん坊って、ははは」
頼子「もう…」
モバP「そういえば、晶葉と一緒の時にクレープで、ふふ」
頼子「………」ぷい
モバP「た、食べ終わってからで…だもんな」
頼子「……」ムス
モバP「(あ、これは面倒くさいやつだ)」
モバP「でも、俺は嬉しいよ」
頼子「はい?」
モバP「出会った頃の頼子は食も細くて、体力面が不安だったからさ」
モバP「成長してるなって、実感するよ」
頼子「……うん」
頼子「Pさんには色々な事教えてもらってるから、学んだ事を活かせればって…」
モバP「そうだな、よろしく頼むよ、あ、俺も取ってくるよ」
モバP、「玉子焼きとスクランブルエッグにしようかな」
頼子「……」ぷい
・・・
頼子「お料理、美味しいですね」
モバP「ああ、本当だな、特にこの玉子焼きとスクランブルエッグ」
頼子「でしょう、ふふ」
モバP「それにしても、頼子は盛り付けかたも綺麗だなぁ」
頼子「そうですか?お料理番組にでるようになって気にするようになりましたね」
モバP「確かに、綺麗に盛りつけてもらうと美味しそうに思えるもんな」
頼子「Pさんに会ってから興味の幅が広がりました…」
モバP「うん、そうだな、そうやって色んなこと吸収してくれよ」
頼子「…はい、食事といえば、古代ローマの料理に関する面白い文献を読みました」
モバP「お、おう…(17歳の高校生が文献って…さすが頼子)」
モバP「ん(あれは…)」チラ
頼子「あの、Pさん、私の顔に何かついてますか?」
モバP「そ、その…ひ、紐がさ」
頼子「紐…Pさん、これはキャミソールですよ」
モバP「何だ、いいい、いや、それくらいわかっているさ」
頼子「本当ですか?」
モバP「もちろんだとも…」
頼子「(Pさんに驚いてもらおうと思って…思い切ったんです)」
頼子「(文香さんもバレンタインにあんな格好をされてましたし…)」
頼子「(褒めてもらいたいな…)」
頼子「……」チラ
モバP「(な、何か言ったほうがいいんだろうな…)」
モバP「(でも、第一印象の鎖骨が色っぽいなんて言ったら…)ジー
モバP「(バッドコミュニケーション待ったなしだな…よし)」ジー
頼子「(Pさんに見られてる…意識すると恥ずかしい…)」
モバP「うん、いつもの清楚な感じもいいけど」
モバP「今日は一段と大人っぽくて素敵だな」
頼子「…へ、、変なお世辞言わないでください」
モバP「そうか?感じたままを言ってるだけだから、それに…」
??「ちょっとアンタたち、何朝から公衆の門前でイチャついてるのよ」
頼子「イ、イチャついてなんて…」モジ
モバP「なんだ、麗奈か」
麗奈「なんだとは何よ」
麗奈「ほら、アンタ、アタシが料理とるの手伝いなさい」
モバP「あ、ああ、仕方ないな、頼子、すぐ戻るからな」
頼子「はい、いってらっしゃい」
頼子「(Pさんがいるとひとりの時より食事が楽しい…)」
頼子「(これからもずっと、朝の食卓を一緒に囲めるといいな…なんて)」
頼子「(いつか直接伝えたいな…でもその日までは…こういう騒がしいのも楽しいな)」
頼子「(想いは一緒だと…信じてますよ、プロデューサーさん)」
おしまい
久しぶりのSS投下になります
前回の頼子さん再登場時と同じように
クラシカルエレガント特訓前後の台詞を穴埋めする形で作成いたしました
頼子さんの飛躍を願って
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