海未「バスケですか」凛「にゃ!」 (9)
海未の手元にボールが差し出された。それは周囲74cm重量540g、女性用に製造された天然皮革のバスケットボールである。
海未「えっと、これを私に?」
凛「うん! 一緒にバスケするにゃー」
愛も変わらず高いテンションのまま凛は、ぐぐっと海未の胸にボールを押し付けた。
それを手に取り、受け取った海未は溜息混じりに呟いた
海未「…仕方ありませんね。お相手致します」
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バスケットのコート上、その中心に二人の少女が相対していた。
一方は清楚を体現したかのような黒髪の大和撫子。もう一方は幼子のように無邪気で天真爛漫な少女。
園田海未と星空凛。
海未は溜息をつく。
海未「……人数が集まらなかったので、1on1でいいですよね」
それに対して凛は元気いっぱいに答えた
凛「うん! 負けないにゃー!」
海未「それでは行きますよ」
海未はその手にあるボールを地に落とした。ボールは重力に逆らえず、地面まで落ちていく
そして、地面まで落ちたボールは、途端に重力に抗い出した。まるでビデオを巻き戻してるかのように落下したボールが海未の手元まで戻る
先攻は海未、後攻が凛で試合は始まった。
凛は腰を低く落とし、身構える。
海未(…まずは軽く様子見です)
海未はボールをバインドさせる手を入れ替え、まずは右方向から抜きに走る。が、それと同時に凛も動いた。まるで海未の動きに合わせるかのように凛も動く。
海未(反応が早いですね。ですが、これなら)
海未は踏み込んだ右足とその直線にある左足の合間にボールをバインドさせて通す
海未(どうですか!)
そのまま足の間を通したボールを左手で取り、体の向きを捻って切り替え、凛の意識の向いてない逆方向から攻める
凛「甘いにゃ!」
海未「!!」
凛の手に遮られ、海未の手元に戻ってくるはずだったボールは彼女の意図せぬ方向に弾かれた。
ああ、すまん。バウンドの間違い
パズドラのやりすぎか
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