あかり「あかりたちの一年だよ」 (16)
ゆるゆり
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2月17日
京子「さてさて、今日で今年の13%がすでに終わったわけですが!」
京子「皆さん充実した13%を過ごせましたでしょうか」
あかり「ええーっ、もうそんなに終わっちゃったのぉ?」
京子「年をとると時がすぎるのが早いですなー」
結衣「何歳だよ」
あかり「どうしよう…あかりまだ今年なんにもしてない気がしてきたよぉ!」
京子「そんなんでいいのかあかりー。もたもたしてると気がついたらおばあちゃんにになっちゃうんだぞ、早く何かしなきゃ!」
あかり「ふえええぇ、そんなぁ~」
結衣「京子、あかりをいじめるなよ」
京子「いじめてないってー。結衣はどうなん?今年はなんかした?」
結衣「え?私?そうだな……たまってたゲームをクリアしたり……」
京子「代わり映えしないなー」
あかり「結衣ちゃんゲーム好きだもんね」
京子「ゲーマーめ」
結衣「うるさい。そういう京子はどうなのさ」
京子「私ー?ええーっと、ミラクるん研究だろ?同人誌にー、コスプレ衣装作りにー」
あかり「京子ちゃんの同人誌、今度見せてねー」
京子「おっけー。感想よろー」
結衣「京子こそあいかわらずだな」
京子「お?つまり結衣は変化が欲しいと?」
結衣「いや、別にそんなこと言ってないけど…」
京子「えへん、おほん。実はわたくしもですね、常日頃思ってたわけですよ、私達に足りないのは変化!」
あかり「へんか?」
京子「そう!だからさー、三人でなんかデッカイことしようぜー。ばばーん、と盛り上がっちゃうような!」
あかり「ばばーん?」
結衣「なにを抽象的な」
京子「この一歩は船見結衣にとっては小さい一歩だが、人類にとっては大きい一歩だ」
結衣「どんなことだよ。ていうか私を使うな」
あかり「あ、あかり何をすればいいのかなぁ。デッカイこと、デッカイこと……うーんと」
結衣「あかりもまじめに考えなくていいから」
京子「まじめに考えろよー。結衣はこのままでいいのかー」
結衣「うん」
京子「おろ」
結衣「そんなに急いで変わろうとしなくていいだろ。毎日ってそんなに変わったりしないものだよ、きっと」
結衣「たぶん、明日もあさっても、一年後も、こうやって集まってバカやってるだろ、私達」
結衣「だから、なんていうか、急いで特別なことしようとしないでもいいと思う」
結衣「私はそれでいいっていうか……」
京子「おお、なんかイイコトバ風のやつだ」
結衣「うるせ」
あかり「そっかぁ…特別なことしなくてもいいのかぁ…すごいね、結衣ちゃん!」
結衣「(あかりは人の言葉にすぐ感化されるな……)」
京子「ふーむ。なるほどなー」
京子「じゃあ私がこないだ結衣の部屋から勝手に借りたナモクエも変化させずに現状維持ってことで…」
結衣「それは返せよ」
終わり
2月18日
京子「Hello.」
あかり「はろー」
京子「This is a pen.」
あかり「じす・いず・あ・ぺん!」
京子「I am Kyoko Toshino.」
あかり「あいあむ・きょーこ・としのー?」
京子「Kyoko Toshino is very cute!」
あかり「きょーこ・としのー、いず・べりい、きゅーと!」
結衣「なんだそれ……」
京子「お分かりにならぬか」
結衣「ならねえよ」
京子「フッ、優秀な京子ちゃんがあかりに英語を教えてるのさ」
あかり「えへへぇ」
結衣「へー。それはいいけど、どうせならもっとまともなことを教えたら?」
京子「ふむふむ、それもそうだな!よし、あかり、ノートを出すのだ!」
京子「ABCからハリウッドっぽい小洒落た会話までみっちりレクチャーしてやろう、ありがたく思えー!」
あかり「ははー!……えっと、ノート、ノート」
京子「ああーっ、なにそれーっ!?それ、あかりのカバンについてるやつっ」
あかり「ん、これ? ミラクるんダーク・プラチナ・ピンク・レモンイエロー・フォームのミニフィギュアつきストラップだよ」
京子「わっ、わっ、わっ、それは5巻でミラクるんがカツオノエボシと空中決戦を繰り広げたときのあの……!」
結衣「なんだそれ」
あかり「えへへ、昨日ガチャポンで手に入れたんだぁ。かわいいよねっ」
京子「かわいい!くれ!」
あかり「いいよぉ」
結衣「こら京子!なんでもすぐに人のものを欲しがるな!」
結衣「あかりもすぐにあげちゃダメ、餌をやるとついてきちゃうぞ」
京子「私は野生動物か」
あかり「いいんだよぉ、もともと京子ちゃんに一つあげようと思ってたから。」
あかり「実は何度かやってたらダブっちゃって」
京子「あかりー、心の友よー!愛してるー!」ぎゅー
結衣「ジャイアンかお前は」
あかり「えへへっ」
京子「Thank you very much, Akari-chan!」
あかり「えっ、あっ、さんきゅー!」
京子「ちがうちがーう!サンキュー、と言われたら返事はノーウェルカム!」
あかり「のーえるかむ!」
結衣「英語の勉強も続いてたのか」
あかり「あかり、結衣ちゃんや京子ちゃんに早く追い付きたいから」
結衣「そっか。まあ、ほどほどにがんばってね」
あかり「うん、あかり頑張る!七森中は今年から英語が公用語なんだもんね!」
結衣「ん?」
京子「ふふふ」
2月19日
ブロロロロ…
あかり「……」あっかりあっかり
結衣「(あ、あそこ歩いてるのあかりだ。ヘッドホンで音楽聴いてるのか?)」
結衣「おーい、あか」
あかり「……」ズンズンズンズン!
結衣「(うわっ、音漏れすごっ!?)」
あかり「……」ズギャギャギャギャギャーガービビビビビザー
結衣「(お、音楽なのかこれは…?)」
あかり「ちゃちゃちゃちゃー」ギャギャギャギャ
結衣「(エアギターしながら歩いてる……)」
あかり「ふんふん」ジャジャッジャー
結衣「(めっちゃノリノリだし。こんなあかりはじめて見た)」
あかり「いえー!!!」ぴょんぴょん
結衣「うわっ、びっくりした」
あかり「!? え、え!?結衣ちゃん!? いつからいたのぉ!?」
結衣「いや…さっきあかりが歩いてるの見かけて」
結衣「なんかすごい音してたけど、音楽……?聴いてたの?」
あかり「うん、そうなんだぁ。えへへ、ロックンロールだよっ」
結衣「ロック……?さながらこの世の終わりみたいな音だったけど」
あかり「いいえてみょうだよぉ」
結衣「あかりはそういう音楽が好きなの?」
あかり「うん。あかりはうるさくてノリがいい音楽ならなんでも好きなんだぁ」
結衣「へぇ。変わってるね」
あかり「えへへぇ///」
結衣「なぜ照れる」
結衣「……車とか危ないから、外では音量は控えめにしときなよ?」
あかり「そうだね。気をつけるよ」
結衣「それにしてもあかりにそんな趣味があったなんて意外だな」
あかり「恥ずかしいからこのことはないしょにしてねぇ」
結衣「うん」
2月20日
あかり「はうどぅーゆーどぅー。お元気ですか」
あかり「あいむ・ふぁいん、せんきゅー。私はげんきです、ありがとう」
めり「あかりちゃん、消しゴム借りていい?」
あかり「いいよぉ、はい」
めり「あ、これミラクるんの消しゴムだ」
ゆき「好きだねぇ、ミラクるん」
あかり「うん。かわいいでしょぉ」
ゆき「消しゴムといえば、消しゴムに好きな子の名前を書くおまじない流行ったよね、昔」
めり「あー、あったね。もはや消しゴムとして使用不可能なレベルで書きまくってたよね、ゆきちゃん」
ゆき「あかりちゃんも誰か名前書いたりした?」
あかり「あかりはそういうのわかんないからやらかなったなぁ」
ゆき「えー、好きな子とかいないの?」
あかり「うーんと」
ゆき「(結衣ちゃんと京子ちゃんが大好きって言えよ)」←幼なじみ百合厨
あかり「ゆきちゃんめりちゃんが好き!」
ゆき「あ、ありがとう…///」
めり「(ゆきちゃん照れてる!!)」←あかゆき厨
あかり「あっぽう。りんご」
あかり「とめいとう。トマト」
あかり「ばなーな。バナナ」
ゆき「……ねーねー、それさっきからなにやってるの?」
あかり「英語の勉強だよ」
ゆき「英語?なんでまた?」
あかり「だって七森中は4月から英語が公用語になるんだよ。あかり英語話せないから…」
ゆき「は?」
めり「んん?」
あかり「え?」
2月21日
あかり「ちょっと~、春から七森中の公用語が英語になるって嘘だったの~!?」
京子「え?あかり信じてたの?」
結衣「あかり…そんなの京子のでまかせに決ってるだろ…」
あかり「ひどいよぉ京子ちゃん!あかり、あれからずっと英語の勉強してたんだよ!!」
あかり「あかり、いっしょうけんめい覚えたのに、だましてたなんて~」
あかり「うぅ……」
京子「だますとは人聞きの悪い。いやいや、あれはあかりのためにやったんだぞ」
あかり「え?そうなの?」
京子「そう。私はあかりが将来勉強に苦労しないように、心を鬼にして今のうちからがんばってもらおうと…」
あかり「京子ちゃん…!」ウルウル
あかり「あかり、あかり…京子ちゃんの気持ち知らないで…」ぐすっ
あかり「あかりのこと、そんなに思ってくれてたのに……!」
京子「うんうん、私に感謝せい!」
あかり「京子ちゃ~ん、ありがとう!あかり、もっとがんばるから、たくさん勉強教えて!」
京子「よしよし、いい心がけだぞ、あかり!」
京子「でももうぶっちゃけめんど……もとい、息抜きにゲームでもしよう!」
あかり「うんっ」
結衣「(完全にあかりをからかって遊んでるだけだと思うけど…まあ、あかりが幸せそうだしいいか)」
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