女「ねえ、盛りのついたオス犬くん」男「なに?もの欲しそうなメス犬さん」 (22)


女「あの…私、ずっと男君のことが好きでした」

男「うん、僕も女さんが好きだったんだ」


女「オトコの人を好きになるなんて、初めてで……」

男「お互い様だよ」

女「その……今までは…」モジモジ

男「いいよ、だいたい解ってる」クスッ

女「手とか繋いだ事もないの──」

男「あー、僕もだな──」


女「──踏みつけた事はあるけど」

男「──にっこり笑って叩き除けた事はあるけど」

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女「初めてよ……あなたみたいに、私に隷属しないヒト」

男「僕だってだよ、別に誰かれ構わず従属させようとしてるわけじゃないけど」

女「解ってるわ、勝手に好きになって勝手に犬と化していくんでしょう」

男「さすが女さん、話が早い」ニコッ

女「同じだもの」


男「もちろん僕に特別な感情を抱かない人も多くいるけど、女さん……君は違うよね?」

女「ええ、私はあなたが好き。どういうわけか、あなただけは例え私に恋をしても奴隷にはならない気がしたの」

男「素晴らしいな、僕と全く一緒だ。そしてそんな君をずっと見ている内に、確かに僕は君に恋をした」


女「だから、なんとしてもあなたという静かな暴君を……」

男「……女王様のような君を、僕だけの犬にしたくなったんだ」


女「とにかく、あなたを好きって気持ちに偽りは無いわ」

男「うん、女さんほど僕の心を捉えてはなさない人はいないよ」

女「私をあなたの彼女にしてくれる?」

男「喜んで、いつこっちから申し込もうかと思ってた」


女「先に根負けした分、今はあなたが一歩リードしてるわね」

男「心にも無い事を、僕を油断させるのが君の狙いのはずだよ」

女「お見通しだったみたい」

男「本心まで見通せてるかは解らないけどね」


女「一緒に帰ってもいい?」

男「もちろん、恋人同士でしょ」

女「……初めてよ」

男「うん?」

女「手を…繋ぎたいわ」モジモジ

男「いいよ」…ギュッ


女「私の命令、きいたわね?」ニヤッ

男「簡単に捻り潰せそうな手だね」クスッ


女「まだまだ寒いけど、少しずつ日が長くなってきたわね」

男「そうだね、もう二月も半分過ぎたし」


女「……上着、貸してくれないのね」

男「君の犬とは違うからね。むしろ去りゆく冬をもう少し感じてみたらどう? そんな暖かそうなマフラーなんかとってさ」

女「嫌よ、寒いのは嫌い」

男「ふうん……」ニヤリ


女(……しまった、嫌いな事を教えるなんて)


男「僕、女の子の鎖骨周りが好きなんだ。見せてよ」ニヤニヤ

女「マフラーを取らなくったって見ようと思えば見えるじゃない」プイ

男「じゃあ見せてもらってもいいのかな」

女「ちょっと恥ずかしいけど……いいわ」


男「失礼」グイッ

女「きゃっ…乱暴にしないで」ヨロッ


男「ふーん……素直にされるままなんて、意外とチョロいんだ」ボソッ

女「たかが胸元見るために必死になっちゃって、発情した犬みたい」フッ


男「いつも何時くらいに帰ってるの?」

女「まちまちよ、19時~20時くらいが多いかしら」


男「モスでも寄って帰る?」

女「今日、お金あんまりないの」

男「付き合い始めた記念日だもの、そのくらい奢るよ」


女「あら、いつも周りで尻尾振ってる犬と同じ事しようとするのね」

男「奴隷に餌をあげるのは主人の務めだからね」


女「………」

男「………」

女「素直にご馳走になるわ」ニコッ

男「うん、ありがとう」ニコッ

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