兄「? バレンタインじゃなくて??」
義妹「…もっと舌を絡めて。ヴァ」
兄「ヴぁ、ヴぁん=アレン帯…」
義妹「こーら。地球をドーナツ状に取り巻く二層構造には興味ありませんわ」
兄「…ヴァ、ヴァ」
義妹「そうそう。Vaginaのヴァ」
兄「??!お、おまっ!!」
義妹「あら?兄さんなんですの?そのDT臭いリアクションは?」
兄「……」
義妹「それともなにかしら?『おまっ』は女性k」
兄「はーいストップ」
兄「…なんだこのシナリオ。書いたやつ頭おかしんじゃないか?」
義妹「そ、そうですね///」
兄「こう...露骨に卑猥なのはな。他にシナリオとか無いのか?」
義妹「え、えっと今度の出し物で選ばれちゃったから...」
兄「はぁ?!お前のとこの演劇部、本当に健全なのか??ヤリサーとかじゃないの??」
義妹「い、いえ...そんな、こと、ない、です」
兄「いやいやいや、義妹よ。うら若き高校生にこんな卑猥な文章を読ませてニヤニヤしようとする団体が健全なわけがないだろう」
義妹「…………」
兄「で、このシナリオ書いたのは誰だ?怒らないからいってみ」
義妹「……ちゃん」
兄「ん?すまん、聞こえなかった」
義妹「こ、後輩ちゃん...」
兄「...あいつか」
義妹「」
兄「あー...すまん。なんかお兄ちゃん急に素振りがしたくなってきた」
義妹「こ、こんな時間に?!」
兄「ん?こんな時間にって、ははは...ほんの午前3時15分じゃないか。さーてちょっと出るかー」
義妹「待って、兄さん待って!目が笑ってない!!」
兄「イヤーソンナコトナイヨ」
義妹「で、でも皆で次の公演はこの禁断の兄妹愛をテーマにしようって決まってしまって...」
兄「つまり、高校を爆破しろということだな」
義妹「兄さん!!!」
兄「...あー分かってる分かってるって。怒鳴るな怒鳴るな」
義妹「ふしゅーふしゅー」
兄「どうせあれだろ?主犯:先輩さん、シナリオ:後輩ちゃんという筋書きで、他の部員が悪乗りして...じゃないのか?」
義妹「わ、当たりです」
兄「先輩さんかー...あの人かー...そっかー」
義妹「に、兄さん?」
兄「んにゃ、なんでもないよ。ほら、夜も遅い。そろそろ寝れ寝れ」
義妹「そう...ですね」
兄「おう、寒いからあったかくしろよ」
義妹「...兄さんこそ」
兄「じゃーな。出てくときドア閉め忘れるなよ?おやすみ」
義妹「...はい、おやすみなさいです。兄さん」
ーーーーーーーーーーーーーーー
【翌日】
後輩「ぎっまぁぁぁぁいちゃぁぁぁぁぁぁん!!!」
義妹「あ、後輩ちゃん。おはよ」
後輩「おはよおはよ!ね!ね!どうだった?!兄先輩堕とせた?!夜中にベットでうっふんあっはんいやんあへぇ出来た?!!」
義妹「………」
後輩「むぅ...その様子だとまたダメだったのかぁ」
義妹「後輩ちゃん、やっぱり無理だよ...こんなの絶対おかしいよ」
後輩「ばっか!義妹ちゃんのばか!」
義妹「で、でも...」
後輩「あのね!恋にデモもシュプレヒコールもないの!ストライキしたらそこで負けなの!」
義妹「…………」
後輩「うーん...それにしても『ドキッ☆深夜の演劇練習~濡れ場もあるよ~』作戦も失敗かー」
義妹「なんなの?その絶望的に頭の悪いネーミングセンス...」
後輩「いいのよ別に作戦名なんて。肝心なのは兄先輩が義妹ちゃんに立派に手を出すかどうかなの!」
義妹「て、手を出すって...」
後輩「あのね!ここは女子校なの!百合百合しくも裏で足蹴しあってる純白の花園で異性と接点があるってだけでもう半分勝ち組なの!!」
義妹「う、うん...」
後輩「それだけに!皆この季節は必死なの!そんな消極的な姿勢だと敗北必至なの!」
義妹「は、敗北って、後輩ちゃん...?」
後輩「皆、クラスメイトのお兄さんや弟さんを狙って虎視眈々と股ぐらを湿らせてるの!」
義妹「…え、えっと、もう少し直接的な表現は」
後輩「ばか!それでも女子高生か!薔薇に囲まれて優雅にお茶してるのは童貞の妄想の中だけなの!牙を研ぎつつ色恋の話をしながら自分に合うバイブの大きさを語らうのが一人前の女子校生なの!」
義妹「う、うーん...絶対違うと思うけど...」
後輩「もう!そんなこと言ってたら、将来大好きな兄先輩盗られてマンカスまみれのチーズくさい手でピザ焼くくらいしか楽しみ無くなっちゃうから!」
義妹「…………」
後輩「じゃあ放課後!部室でもっかい作戦会議ね!」
義妹「う、うん...」
後輩「よしよし。あ、そうだ!義妹ちゃん!」
義妹「?」
後輩「…私、お昼ご飯にピザ焼いてきたんだけど...義妹ちゃん、食べる??」
兄「よう、おはよう」
友「おう、おはよう」
兄「……」
友「どした?疲れた顔して...どっか悪いのか?」
兄「いや、体調は悪くない」
友「かといって、悪いもの食ったって感じでも無し」
兄「……」
友「となると、原因は義妹ちゃんか」
兄「そう、義妹の演劇サークルの話なんだが」
友「ん?なんだ、サークルが解散の危機とか??」
兄「…いや、そうじゃない。メンバーも集まったし、今度発表会もするらしい」
友「お、それはめでたい」
兄「…………」
友「と、いうことは、夜中遅くまで練習に付き合ってた、という感じか」
兄「半分正解」
友「むぅ? 話が見えんな」
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