このみ「ヤフーが壊れた」 (35)
プルルルル
P「はい」
このみ『あ、プロデューサー? お休み中にごめんね』
P「大丈夫ですよ。何かありましたか?」
このみ『えっと、て……ヤフーが壊れちゃって』
P「ネットワークに接続できないんですね」
このみ『うん。どうやったら直せるのかプロデューサーなら知ってそうだなーと思って』
P「えーっと、じゃあまずpingが飛ぶかどう……」
このみ『? どうしたのプロデューサー』
P「」
もんもん(友人「いいか? 女がパソコンのことについて聞いてきたらそれは家に上がってお茶していかない? って誘いだ! 乗れ!」)
P「乗るかー」
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このみ『? 何に乗るの? あ、インターネットサーフィンってこと?』
P「あ、違います。えっと、口頭で説明するのは難しそうなので自宅へ伺ってもいいですか?」
このみ『え? ……ちょ、ちょちょちょちょっと待って! あと一時間、一時間』
P「一時間後に伺えばいいですか?」
このみ『うん一時間後ね一時間後、フライング禁止! 絶対!』
P「そこまで言われるとフライングしたくなりますけど」
このみ『ダメ絶対!』
P「はい」
ピッ
P「一応何か手土産買っていくかー」
ピンポーン
このみ『はーい、どうぞー』
P「こんちわー」
このみ「はいこんにちは」
P「……」
このみ「……? どうしたの?」
P「あ、いや何でも無いです。あそうだ、これ、一応手土産です」
このみ「あら、何かしら」
P「なんかおいしいと評判らしいパンと安っぽいワインです」
このみ「私の用事で呼びつけておいてありがと。さ、上がって上がって」
P「お、おじゃましまーす」
P「おぉすごい綺麗」
このみ「もう、そんなお世辞いいわよ」
P「いや、なんというか……モデルルームみたいですね」
このみ「褒めてもなんも出ないわよ?」
P「お茶くらいは出して欲しいなー」
このみ「はいはい、準備するから適当に座って待ってて」
P(……まぁ一人暮らしだからあたりまえっちゃあたりまえだけど)
P(ベッドが近い! これ逆の立場だったら「あ、○○の匂いする」とかいって枕に顔押し付けちゃうやつだろ!)
P(自分がやったら事案だけどな!)
このみ「おまたせー……何で正座?」
P「修行僧の気持ちになるですよ」
このみ「そ、そう」
P「冗談です冗談」
このみ「はいどうぞお遍路さん」
P「忝い。御気遣い痛み入る」
このみ「どこの武士よどこの」
このみ「んっ。このパンおいしいわね。どこで買ったの?」
P「んー、適当に調べて近場にあったやつ買ってきました」
このみ「……それを素直に言っちゃうところが詰めが甘いわねぇ」
P「詰め?」
このみ「なんでもない。考えなさいプロデューサー」
P「はい……?」
P「あ、まったりしてる場合じゃないや。ネットワークにつながらないとおっしゃってましたよね」
このみ「うんそうなの」
P「ちょっとPC借りますね。……一応礼儀なので言っておきますけど」
このみ「なに?」
P「えっちいファイルとか履歴あったら今のうちに削除とか場所移動とか」
このみ「ないわよ!」
P「はい失礼しました。じゃあログイ……パスワードかけてないんですか?」
このみ「だって私しか使わないもの」
P「それでもつけときましょうよ。えーっとWindows+rでcmdっと」
このみ「わっ、なにこれハッカーみたい」
P「コマンドプロンプトですよ」
このみ「コマンドー……プレデター?」
P「PCとシュワちゃんが結びつきません」
このみ「肉体言語で会話しそうだからねシュワちゃん」
P「ping飛ばしてっと。……Request timed outっすかそうすか」
このみ「ぴん、何?」
P「えールータには飛ぶのか? コンフィグコンフィグ。デフォルトゲートウェイは」
このみ「うちのプロデューサーが何を言ってるのかわからない件について」
P「小鳥さんに漫画でも描いてもらいますか。えーと、ん? ルータにも行かない?」
このみ「るーたーってルートの親戚?」
P「めんどくさくて投げ出したくなるって意味では親戚です。……これさぁ」
このみ「? どうかしたの?」
P「まぁそうだよね。電源入ってないよね」
このみ「……プロちゃん顔怖い。このみちゃんおびえちゃう」
P「ボケ老人かあんたは!」
このみ「るーたーとかわからなごめんなさい!」
P「えー故障かな? と思ったら。はい」
このみ「故障かな? と思ったら」
P「まず電源、スイッチが入ってるか確認しましょう。はい」
このみ「電源、スイッチが入ってるか確認しましょう」
P「よろしい」
このみ「よろしい」
P「そこはいいです」
このみ「そこはいいです」
P「昭和の漫才ですか」
このみ「ごめんなさいでした」
P「よろしい」
このみ「お詫びに夕飯作るから、ね?」
P「……非常によろしい」
P「そういえば、何しようとしてたんですか? 調べものならスマホでもできそうなもんですけど」
このみ「えーっと、その」
P「なんかオンラインのネトゲですか? 百合子が好きそうな」
このみ「ま、まぁそうかなー」
P「? 珍しく歯切れが悪いですね」
このみ「……引かない?」
P「吐瀉ってる姿も見たことあるのに今更引きませんよ」
このみ「ちょっと待ってなにそのときの記憶一切ないんですけどいつの話ですかどこの話ですかほかに誰がいましたかおしえてくださいこの世に生きとし生けるもののすべての生命に限りがあるのならば海は死にますか山は死にますか風はどうですか空もそうですかおしえてください」J○SRAC許諾番号:9011622001Y31015
P「いや許諾されてませんからJA○RACに訴えられかねないリスクをなぜ負うのかやめてください」
このみ「おしえて~」
P「ください~」
このみ「吹っ切れたからいいわもう。鬼打ちしようと思ってたのよ」
P「鬼、うち?」
このみ「そう鬼打ち。ネト麻よネト麻」
P「ニュアンスから察するにその”ま”は麻雀のまですね?」
このみ「そーいうこと。パソコン使って人と打てるやつよ」
P「あんまり自分は造詣がありませんが、麻雀ってなんかこう麻雀屋に行ってヤクザに囲まれながら「……きたぜぬるりと…」みたいにするもんだと思ってました」
このみ「バイアスまみれの偏見は捨てなさい」
P「頭痛が痛いみたいな言い回しですねそれ」
このみ「ふっふっふ、そんなことをのたまってられるのは今のうちよ」
P「のたまうの意味間違ってますけどね」
このみ「見なさい! この五段アカウントを!」
P「……五段?」
このみ「そーよ五段よ五段。すごいでしょ」
P「すごい、んですか?」
このみ「えーなんかリアクション薄いー。このみちゃんつまんなーい」
P「キャラ崩れてますよこのみさん」
このみ「そこは「やったなこのみ!」って抱きついてくれないと」
P「それはそのうちやってあげますから。五段の何がすごいんですか?」
このみ「はじめは級から始まってポイントをためると段位になるのよ。一段から始まって十段まで。まぁその上に天鳳位ってのもあるけど」
P「ふーん。五段ってそんなにすごいんですか」
このみ「6000人いないんじゃないの。偏差値で行ったら60くらい?」
P「人口が少ないだけじゃなくて?」
このみ「……よし、プロデューサー、そこに座る」
P「はい」
このみ「これから私の懐深ーい打ち回しを見て私を尊敬しなさい!」
P「あい」
P(というわけで後ろ見してるけど)
このみ「ぐぬぬぬっ」
P(すごくベタオリです)
このみ「な、何もない……とりあえず筋!」ロン
P「あっ」
このみ「……ま、まぁよくあるわよねプロデューサー?」
P「4p壁で3p安牌でしたよ?」
このみ「な・ん・で・い・わ・な・い・の・!」
P「イタイイタイ。いや、なんか卑怯かなと思って」
このみ「ポイントはプライドより重い!」
P「いやなゲームだなー」
このみ「ぐぬぬラス回避まで4900点」
P「えー5200出上がり1000-2000ツモ2600直ですね」
このみ「……プロデューサー詳しくない?」
P「気のせいですよ気のせい。ほら画面に集中集中」
オーラス 西家 ドラ5p
7順目
23456m4556p3456s ツモ4s
このみ「……何切る嫌いぃ」
P「豪勢な手じゃないですか」
このみ「あぁ時間が時間がぁ。えー何切ればいいのこれ?」
P「ほら、助言を求めない」
このみ「ぷ、ぷろでゅさぁ助けてぇ」
P「ほら泣かない泣かない。必要なのは3900か5200ですよね?」
このみ「うん……」
P「なら役は?」
このみ「メンピンドラドラ!」
P「まぁそれでいいんですけど、タンドラドラでもツモ条件ですが条件は満たしますし」
このみ「うん」
P「あとあれがあるでしょ? あれが」
このみ「なにが?」
P「三色」
このみ「?! ほんとだ!」
P「そう考えるとヘッドをどうするかが問題ですよね。つまり」
このみ「つまり!」
P「ラス回避を重視しあー!」
このみ「あー! ツモ切られたー!!」
P「……」
このみ「……」
P「…………」
このみ「…………泣く準備してもいい?」
P「胸は貸します」
このみ「……」
オーラス 西家 ドラ5p
8順目
23456m4556p3456s ツモ5rp
このみ「……ほ?」
P「なんだこの王者の才のツモは」
このみ「ひかえおろー! ラス目リーチじゃー!」打3sリーチ
P「リーチしちゃ駄目ー!」
3順後 ツモ4m
このみ「おっしゃらぁ! ツモ! メンタンピンツモ三色ドラドラドラ赤ぁ!」
P「このみさんがこわいぼくのしってるこのみさんじゃない」
このみ「裏裏裏ぁ! 8000-16000の10枚オールじゃい! 一万もって集合ぉ!」
P「歌舞伎町ルールじゃねぇか」
このみ「げひゃひゃあひゃあじゅっあぶ。痛いじゃない」
P「よかった戻った」
このみ「はっ、私はいったい何を」
P「そんなんだから吐瀉って記憶無くすんですよ」
このみ「またさだまさしディナーショーするわよ」
P「防人の歌のアンサーソング作るぞこのやろう」
このみ「海は?」
P「死なない!」
このみ「山は?」
P「死なない!」
このみ「なにその歌楽しそう」
P「まぁ冗談はおいといて。さっきのオーラスは鉄ダマでしょ」
このみ「なんで?」
P「なんで? ってかわいく聞かれても。
あの局面天鳳で一番重要なのはラス回避。五段のポイント配分でもラス≧トップ+二着なんだから。
でその条件がダマで満たせる手だったでしょ? ダマならいくらでも出る1mをわざわざ止めさせるリーチは悪手としか言えないです」
このみ「……結構前から思ってたんだけどさぁプロデューサー?」
P「なんですか?」
このみ「詳しいね」
P「あっ」
このみ「牌理も詳しかったし、鉄ダマとか天鳳用語よね?」
P「ソンナコトナイデスヨ」
このみ「五段のポイント配分記憶してるとか」
P「……」
このみ「やってるでしょ?」
P「やってません」
このみ「ラス目には?」
P「厳しく打つ」
このみ「親リーには?」
P「ベタオリ」
このみ「安そうな下家には?」
P「アシスト」
このみ「比嘉?」
P「秀仁」
このみ「つのだ?」
P「死ね」
このみ「やってるでしょ」
P「はい」
このみ「何段」
P「えー鳳凰民とだけ言っておきます」
このみ「……え? じゃあさっきの五段うんぬんのくだりって」
P「……五段とか誰でもなれるじゃないですか」
このみ「そういう意味で”すごくない”だったの! このっこのっ!」
P「イタイイタイイタイ」
このみ「かまととぶりやがって!」
P「アイドルが言っちゃいけない台詞が聞こえた気がしますが」
このみ「Pのバカ、もう知らない!」JAS○AC許諾番号:9011622001Y31016
P「それはJASR○Cではない」
このみ「あーもープロデューサーを家にあげてからいろいろ起こりすぎよ今日」
P「そうっすね。普段見れないこのみさんのいちめ、いやあれは一面とは認めない、断じて」
このみ「なによ。あれも私の一面よ。たぶん」
P「やっぱり天鳳は人を駄目にするんですね」
このみ「まぁ初代天鳳位からしてあれがあれだからね」
P「一応フォローしときますけど、このみさんが言ってる初代は初代じゃないですよ厳密には。四麻初代って意味ではあってますけど」
このみ「ふーん。まぁどうでもいいわ。今日は疲れた」
P「夕飯は?」
このみ「もううごきたくなーい」
P「こら」
このみ「あーよし、きあいいれる」
P「字面に気合が一切ありませんが」
このみ「はい起こして」
P「はい」
このみ「はいキッチンにつれてって」
P「はい」
このみ「はいそこに立ってて」
P「はい……はい?」
このみ「いいから立ってる」
P「いいですけど……」
このみ「何食べたい? 冬だからシチューとかがいい? もらったパンもあるし」
P「シチューいいですね。クレアおばさんも大賛成ですよ」
このみ「じゃあシチューね。エプロンエプロンっと。はい後ろ結んで」
P「えー……はいな」
このみ「そこにじゃがいも置いてあるから取って」
P「ここですか? ……なんでりんごと一緒においてあるんですかじゃがいも」
このみ「勉強なさいプロデューサー」
P「じゃあ勉強ついでに。なんで自分ここに立ってるんですか?」
このみ「考えなさいプロデューサー」
P「想像もつきません」
このみ「…………」
P「……」
このみ「……ちょっと新婚さん気分を味わってみたかったのよ」
P「……」
このみ「……」
P「…………」
このみ「…………」
P「………………」
このみ「………………」
P「……あの、戻っていいですか? まともにこのみさんの顔見れないので」
このみ「うん、私もプロデューサーの顔まともに見れないから戻っていいよ」
このみ「はい、お待たせ」
P「あーいい匂いですね」
このみ「ふふっ、キッチンから何度もおなかの音聞こえてたわよ?」
P「腹の虫が討ち入り寸前でしたよもう」
このみ「討伐しないとね」
P「今の家庭的なこのみさんとその台詞のギャップがすごいです」
このみ「家庭的でしょ?」
P「家庭的ですね。思わず母さんって言いたくなりますよ」
このみ「……」
P「……またクールダウンの時間が」
このみ「ほら、食器出して」
P「はい」
このみ「プロデューサー用に多めに作ってあるからたーんとお食べ」
P「いただ」
このみ「こら」
P「腹の虫を退治しないといけないんですが、なんですか?」
このみ「はい、まずちゃんと座る」
P「はい座りました」
このみ「両手を合わせる」
P「合わせました。あぁあれですね」
このみ「そうよあれよ」
このみ「いただきます」
P「天にまします我らが神よ……あれ違いました」
このみ「取り上げるよ?」
P「ごめんなさい」
P・このみ「いただきます」
このみ「んーっ。このパンなんにでも合うわね~」
P「うん。めちゃくちゃうまいですねこれ」
このみ「ね。また買ってきてよ」
P「あ、自分が言ったのはパンじゃなくてシチューの方なんですけど。まぁまた買ってきます」
このみ「あ、そ、そう。ありがと」
P「料理、お上手ですね」
このみ「ありがとう」
P「……」
このみ「……」
P「た、食べましょうか」
このみ「そ、そうね。あっ! ワイン! もらったワインも飲んじゃいましょー!」
P「お、おー!」
このみ「あー美味しかった」
P「ご馳走様でしたこのみさん」
このみ「いえいえ~。美味しそうに食べてくれる人がいるとこっちもうれしいわ」
P「今度は自分がおごりますよ。作れはしませんけど」
このみ「あら、教えてあげるのに」
P「自分の家はキッチンが物置になってますから」
このみ「なーんか典型的なダメ人間の部屋っぽいわねそれ」
P「まぁダメ人間ですから」
このみ「そうねぇ。ダメ人間だからねぇ」
P「そうですねぇ」
このみ「……でも優しい。それで十分よ」
P「……」
このみ「……黙らないでよプロデューサー」
P「あ、いえその。とりあえず笑って誤魔化すって選択肢はありですか?」
このみ「なしよなし。しっかり受け止めなさい」
P「おもいですね」
このみ「んーっワイン美味しい」
P「舌に合いますねこれ」
このみ「ワインなんてやつは安い方が美味しいのよ」
P「いいますねそれ。高いの飲んだことないのでわからないですけど」
このみ「高いのは高いので美味しいのよ」
P「なんでもいいってことじゃないですか」
このみ「美味しければなんでもいいのよなんでも」
P「ただの酒飲みがここにいる」
このみ「あら、私の隣にもただの酒飲みがいるじゃない」
P「否定はしませんけど」
このみ「でも私まだプロデューサーが酔ってるところ見たことないのよねー」
P「奇遇ですね。自分もこのみさんが酔ってるところしか見たことありません」
このみ「なんでかしらねー」
P「そりゃ単純に強さの違いだと思いますけどね」
このみ「わかってないわねプロデューサー」
P「何がですか?」
このみ「私はね、他の子の前じゃ酔っ払ったことないのよ?」
P「? そうですか」
このみ「そうなのよ」
このみ「ねぇプロデューサー」
P「なんですか?」
このみ「たぶんだけど……その、近いうちにまたヤフーが壊れちゃうから、よろしくね?」
五段です。ネマタ本が覚えられないとです。五段です。
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