短いですが宜しければ

ｶﾞﾁｬ

速水P「もどりましたーって誰もいないか」

速水奏「随分遅くなったわね」

P「そうだな、撮影押した上に渋滞とは」

奏「お疲れ様、Pさん」

P「奏こそお疲れさん」

P「家には遅くなるって連絡したのか？」

奏「帰る時間わからなかったからまだよ？Pさんはどうするの？」

P「電車もないから今日は泊まりかなぁ」

奏「なら、私もそうするわ」

P「いや、流石にだな」

奏「Pさん見張ってないと徹夜で仕事するでしょ？」

P「あははは……ごもっともで」

P「いつも俺が使ってるベットだけどいいか？」

奏「構わないわよ？それよりPさんこそこっちで寝ればいいのに」

P「俺はソファーで寝るから、奏は気にしなくていいよ」

奏「それならいいけど……こっそり仕事しないでね」

P「わかってるよ、おやすみ」

奏「おやすみのキスは？」

P「んなっ！？　しないよっ」

奏「つれないわね　おやすみなさい」

…
……
………

………
……
…

ﾁｭﾝﾁｭﾝ

ｶﾞﾁｬﾝ

奏「あら、ここにいたのね」

P「おはよう奏、眠れたか？」

奏「おかげさまで　それにしても寒いわね」

P「明け方はな、一番冷えるから」

奏「そっち寄ってもいい？」

P「え？ああ…」

奏「それじゃあ失礼して……」

奏「Pさんって暖かいわ」ｷﾞｭｯ

P「っておい……しょうがないな」

奏「タバコ吸ってたの？」

P「ん、ああ」

奏「なんで今隠したの？」

P「女の子いる職場の手前な、嫌がるのも居るし」

奏「私は嫌いじゃないわよ」

奏「ホントはPさんからタバコの匂いしてるの気づいてたのよ」

P「そうだったのか」

奏「他の人が吸ってるのは嫌いなんだけど、Pさんの匂いは好きなの」

P「そりゃどうも」

奏「吸ってもいいわよ？」

P「奏に匂いつくだろ」

奏「この後シャワー浴びるからいいわよ」

P「……じゃあ失礼して」ｼﾞｭﾎﾟｯ…ｼﾞｨｨ……

P「……ふぅ………」

奏「何吸ってるの？タバコ」

P「今はハイライト、前はラッキーストライクとかピースとか」

奏「ピースならお父さんが吸ってたわ」

P「今は？」

奏「お母さんに検診の結果見られて、今はもっと軽いの」

P「そうか」

奏「17ミリって、随分重たいの吸うのね」

P「すまんな、本数吸ってないから許してくれ」

奏「全くもう……」

奏「静かね」

P「そうだな」

奏「二人しかいないみたい」

P「普段は騒がしいからな」

奏「そうね」

奏「明るくなってきたわね」

P「そうだな」

P「この時間が一番好きなんだ」

奏「そうなの、徹夜の時はいつもこうして？」

P「そ、一服してからちょっと寝て」

奏「心配してるんだら」

P「すまんな」

奏「空が綺麗ね」

P「日が昇る前の少しの時間しか見れないんだ」

奏「星がまだ見えてる」

P「夜と昼の境目だな」

奏「ロマンチックね」

P「そうだな」

奏「ねぇ、もう少しこうしてていい？」

P「お気に召すままに」

奏「不思議ね」

P「何が？」

奏「夕焼けってよく見るけど、こうやって朝焼け見ることなんて少ないと思って」

P「まぁ、そうだな」

奏「だから特別なものに思えるのかしら」

P「明るいのに人が少ないってのもあるんだろうな」

奏「そうね、休みの日の朝とか」

………

P「ふぅ………」

奏「やっぱり寒いわね」

P「ほら、もっとこっち」

奏「あら？やっとその気になってくれたの？」ｷﾞｭｩ

P「ちがうっーの」

奏「私本気よ？」

P「あのな、奏はまだ17歳だろ？」

P「こんな悪い大人相手にしちゃダメだぞ」

奏「隠れてタバコ吸うような？」

P「ん……まぁそうだな」

奏「いいの、今は応えてくれなくても」

P「………きっとずっと先になるぞ？」

奏「あなたが耐えられればね」

P「ほれ、コートの中入れ」

奏「あら？積極的になったわね」

P「風邪引かれちゃ困るから」

奏「それはプロデューサーとして？」

P「ご想像にお任せするよ」

奏「そう、それじゃあ失礼して」

奏「やっぱりここが居心地いいわ」

P「そりゃなによりで」

奏「ねぇ？Pさん？」

P「ん？」

ﾁｭｯ……

P「って奏っ！」

奏「なぁに？」

P「さっき今は待ってろってっ」

奏「我慢するのはPさんよ？私は我慢しないわ」

P「どういう理屈だよ」

奏「ほら、Pさん戻りましょ？コーヒーでも入れてあげるわ」

P「まったく奏らしいっていうかなんというか」

奏「ファーストキスの味がタバコの味とはね」

P「へっ？！」

奏「責任とってくれるでしょ？Pさん？」

………
……
…

ｶﾞﾁｬ

千川ちひろ「おはようございますーってあら？また電気がつけっぱ」

ちひろ「まったくもう、もったいない……ってあら？」

ちひろ「奏ちゃんとプロデューサーさん、二人してソファーで寝ちゃって」

ちひろ「昨日のお仕事で疲れてるでしょうし、そっとしてあげましょ」

ちひろ「さてと、今日もお仕事、お仕事っと」