女「シチュエーショントークのスレだよ!!」(179)

男「シチュエーショントーク??」

女「そ」

男「なんだ、それ」

女「んん、簡単に言うと、ある状況や設定の中での会話劇、かな」

男「ふうん??」

女「アクションシーンや移動シーンよりも、会話に重きを置く、みたいな」

男「ダラダラと喋ればいいのか??」

女「そうそう、それも十分シチュエーショントークなの」

男「例えばファミレスで男女がダラダラ喋ってるのもありか」

女「そうそう」

女「登場人物に凝ってみてもok」

女「それから、シチュエーション自体をオチに使うってのもありよ」

男「どういうことだ??」

女「つまり、普通のカップルの会話に見せかけて、実は親子でした、とか」

男「人物誤認系か」

女「まあ、深く考えずみんな投下していけばいいと思うよ!!」

男「なるほど、楽しみだ」

女「あと、適当にタイトルつけてもいいんじゃないかな」

男「【博士とロボット】とか??」

女「【宇宙船にて】とか??」

男「長さは??」

女「一レス完結でもいいし、数レスに渡ってもいいけど、長すぎない方がいいよね」

男「だな」

女「他に質問は」

男「ねえ」

女「じゃあ、そういう感じで、よろしくね」

【執事と少女】


少女「痛ーい」グスグス

執事「おや、どうされましたか」

少女「転んだー」

執事「そうですか、そういうときは…」

少女「あ、あれね」

少女「痛いの痛いの…」

執事「そうそう」

少女「!!」ニヤリ

少女「じいやに、とんでけー!!」

執事「はっ」スッ

少女「な、なんでよけるの!!」

執事「私も痛いのはいやですから」

少女「ずるい!!」

少女「とんでけ!!」

執事「はっ」スッ

少女「とんでけ!!」

執事「はっ」スッ

少女「と、とんでけえええええ!!」

執事「はっ」スッ

少女「うふふ、追い詰めたわよう」

執事「し、しまった!!」

少女「覚悟はいいかしら、じいや」

執事「む、むむむ」

少女「とんでけえー!!」

執事「ぐ、ぐああああああああああああああああ」

少女「!?」

執事「い、痛いいいいいい!!頭が割れるうううううう!!」

少女「え、え」オロオロ

執事「し、死にたくないですお嬢様…私は…私はぁああああ!!」

少女「ご、ごめんねごめんね!!」オロオロ

執事「ぐ、ぐはあぁあっ」

少女「い、痛いの痛いの、私にとんでけー」グスグス

少女「とんで!!私にとんでえ!!」グスグス

執事「冗談です」

少女「もう!!」

執事「ときにお嬢様、お足の方は」

少女「治った」

執事「それはよかった」

執事「でも一応消毒しておきましょうね」

少女「はあい」

【世界の終わり】


男「はあ、なにか、思いのこしたことはない??」

女「んーあんまり思いつかない」

男「もうすぐ、日が暮れるな」

女「そうだね」

男「あ、こういうのはどう」

女「なあに??」

男「最後に観覧車に乗る」

女「……」

男「微妙??」

女「いいかも、それ」

男「誰もいないけど、運よく動いてたな」

女「よかった」

男「高いところ、平気??」

女「うん、全然大丈夫」



男「夕日が、綺麗だなあ」

女「ほんと」

男「ロマンチックっていうの??」

女「うん、最高にロマンチック」

男「なあ知ってる?? 日が暮れたあとの一時間が、一番世界が綺麗だっていう話」

女「知ってる」

男「なんだ」

女「私もその話、観たし」

男「なんだ」

女「でも、確かにそうかもなあって、思うよ」

女「実際綺麗だもんね」

男「ああ」

女「今日は、その景色が見れるのかなあ」

男「さあ、どうだろ」

女「ねえ、今日はどうして誘ってくれたの??」

男「ん、だって、最後はさ、やっぱ」

女「うん」

男「好きな人と、過ごしたいと思ったから」

女「……」

男「断られたら、一人で、どっか高いところで、叫ぶつもりだった」

女「あはは、なにそれ」

男「来てくれて、嬉しかった」

男「一緒に過ごせて、よかった」

女「うん」

男「どうして、一緒に来てくれたの」

女「……」

女「言わないと、わからない??」

男「いや、わかるよ」

女「それが答えよ」

男「直接、聞きたい」

女「男の人って、いつもそうよね」

男「そうって??」

女「証拠を欲しがる」

男「ん……」

女「好きよ」

男「……」

女「世界で、一番」

男「……」

女「これで満足??」

男「最後の一言がなければ最高だった」

女「あはは、残念でした」

男「世界が終わっても、好きだよ」

女「うん、私も、ね」

男「日が落ちるね」

女「うん」

男「観覧車が終わるのと、夕日が隠れるのと、どっちが早いかな」

女「さあ」

女「あ、夕日の方が早いわ、絶対」

男「どうして」

女「だって、この観覧車、止まらないでしょ??」

男「ああ、そうか」

女「どうせなら、一番高いところで、世界が終わるといいのに」

男「そうだな、確かにそれはそうだ」

女「ね、こっちに来て」

男「うん」



女「暖かい」

男「うん」

女「優しいにおい」

男「うん」

女「生まれ変わったら、また、逢えますように」

男「叶うよ、きっと」

【夫婦】

女「ねえ、覚えてる??」

男「何を」

女「小学校のときさ、あんたさ、私のこと好きだったじゃん」

男「ん、何の話かな」

女「私が誕生日に家に友だち呼ぶ話をさ、こっそり聞いてたじゃん」

男「黙秘権を行使するね」

女「バリアー」

男「いやバリアー使ってんのおれだし」

女「で、あんときみんな帰った後でこっそり家来てプレゼントくれたじゃん」

男「ん…そうだっけ」

女「手帳」

男「あー」

女「未だに大事に取ってあるんだよ」ゴソゴソ

男「いや使えよ」

女「あれからもう15年くらいかあ」

男「歳をとるのは早いもんだ」

女「ほら見て年号」

男「うわ、世紀末だ」

女「でも嬉しかったんだから」

男「んーうん」

女「えへへー」

男「ん、予定なんも書いてないな」

男「本当に使ってくれてないのか」

女「いや見てよ、私の誕生日のとこ」

男「うん??」

 『最高の誕生日でした』

女「えへへー」

男「照れるわ」

男「今年はなにがいい??」

女「何がいいと思う??」

男「え、この流れで言うと…手帳??」

女「ぶー」

男「なに??」

女「思い出がほしい」

男「はい??」

女「思い出」

男「思い出は…重いでえ」

女「なんで関西弁やねん」

男「あんたもや」

女「…」

女「小学校に連れてって」

男「入れるかなあ」

女「夜でもいいよ」

男「捕まるよ」

女「捕まりそうになったら私の盾になってね」

男「一人で逃げる気かこの鬼」

女「えっへっへ」

男「でもなんでいきなり小学校??」

女「なんだか懐かしい気分になりたいんじゃよ」

男「なんでババア言葉だよ」

女「ババアに謝れ」

男「ごめんなさい」

男「誕生日まだ先だろ」

女「そうだった」

男「おれの方が先だね」

女「…ハッ」

男「忘れてた??」

女「冗談じゃよ」

男「なんでまたババ」

女「ババアに謝れ」

男「ごめんなさい」

女「まあお楽しみに」

男「うん」

女「ふーんふふーん♪」

男「ご機嫌ですね」

女「ご機嫌なのです」

男「なに作ってんの」

女「シチュー」

男「…お前シチュー作れるようになったのか」

女「寒いでしょ、今日」

男「まあ、な」

女「だから一生懸命勉強したんだよ」

男「そりゃあえらい」

女「撫でて」

男「うむ」ナデナデ

女「幸せってなんだろう」

男「おててのしわとしわを合わせて」ピト

女「幸せ…」

女「でもあれってさ、実際『しわ合わせ』だよね」

男「言葉遊びだからいいんだよ」

女「じゃあおてての節と節を合わせて」ピト

男「不幸せ…ダメじゃん!!」

女「私との生活、不幸せ??」

男「んなわけねーだろ」

女「ほら、手を出して」

男「ん」ピト

女「ほらここに、幸せはあったよ」

男「もう一個」ピト

女「超幸せ!!」

【関西女と黒猫】


女「あ、黒猫や」

猫「…」トコトコ

女「可愛いなあ、あんた」

猫「…」

女「毛並みもええなあ、飼い猫かなあ」

猫「…」

女「…なんや、愛想ないなあ」

猫「…にゃー」

女「チーズとか食べる??」

猫「…ありがたく頂こう」

女「わ、喋るんやねえ、あんた」

猫「もう少し驚いたらどうだ」

女「なんであんた喋るん??」

猫「お前はどうなんだ、娘」

猫「お前はなぜ喋れるんだ??」

女「うち??うちはー昔から喋れるでえ」

猫「ならば私も同じだ」

女「ほうか」

猫「納得したか??」

女「まあ、なんとなく」

猫「で、チーズは」

女「ああ、はいはい」ゴソゴソ

猫「にゃー」

女「おいしい??」

猫「うむ、美味だ」モチャモチャ

女「そらよかった」

猫「ときに関西弁娘よ」モチャモチャ

女「関西弁ちゃう、大阪弁や」

猫「それはどう違うのだ」

女「なんとなくや」

猫「ならば大阪弁娘よ、なにか願いはないか」

女「はい??なんて??」

猫「チーズの礼だ、なにか叶えてやろう」

女「はー」

女「あんた神様かなんか??」

猫「まあ、そうだ」

女「へー偉いねんなあ、偉そうやなあ」

猫「えっへん」

猫「いや、偉そうとか言うな」

女「神様かあ、一回会うてみたかったんやあ」

猫「なぜだ??」

女「どうやって地球作ったん??」

猫「む…それは秘密だ、教えられない」

女「ほな神様が持たれへん岩作ってー」

猫「ははは、神が全能でない証明か、面白い娘だ」

女「おもろい??」

猫「ああ」

女「えへへー」

猫「で、願いはあるか??」

女「んー」

猫「なんでもいいぞ、旨いチーズを食べたあとは気分がいいからな」

女「お腹減った」

猫「…ふむ」

女「美味しいもん食いたい」

猫「うむ、では」

ボワワン

女「わー551の豚まんやあ」

猫「ふふふ、どうだ」

女「…大阪イコール551っていう発想てどうなん」

猫「む、お気に召さないか」

女「いや別に、好きやけどさあ」

猫「たこ焼きの方がいいか」

女「いや、たこ焼きも好きやけどさあ」

女「まあ、ええか」モグモグ

猫「む、心外だな」

猫「他のものも出してやろうか」

女「あ、全然関係ないねんけどな」

猫「ん」

女「お上品な人は『お腹すいた』言うやろ」

猫「上品??」

女「雑な人は『腹減ったー』言うやろ」

猫「雑??」

女「でもうちは中途半端に『お腹減ったー』言うたやろ」

猫「…ああ」

女「でもさあ、『腹すいた』とは言わんよな、なんでなん??」

猫「知らんわ」

女「あれかなあ、逆、裏、対偶みたいな」

猫「…はあ」

女「逆と裏はオッケーやけど対偶はダメ、みたいな」

女「知らんけど」

猫「…正直私にはついていけない話だな」

女「あとあれやな、対偶て聞くとサガット思い出してまうよな」

猫「なんの話だ」

女「対偶対偶対偶アッパカット!!言うてな」

猫「おい話を戻せ、私にはついていけない」

女「あ、わかった」

女「ホモとレズはええけど男女カップルは爆発しろ、みたいな」

猫「わかっていない」

猫「お前の『わかった』は全然わかっていない」

女「大阪人はそうやねんで」

女「とりあえず最初に『わかった』て言うとくねん」

猫「なぜだ」

女「枕詞みたいなもんや」

猫「枕詞ね…よくわからんが」

女「ほんで最後に『知らんけど』てつけるねん」

猫「自信がないからか」

女「せや」

猫「どっちもつけなければいいじゃないか」

女「そういうもんやねんて」

猫「はあ、そうか」

女「どしたん」

猫「お前と喋ると少々疲れる」

女「あははーよう言われる」

女「おーす」

猫「また来たのか」

女「今日はなあ、なんとなあ、秋刀魚やでえ」

猫「!!」ピクッ

女「食いたいやろ??」

猫「秋刀魚!!秋刀魚だと!!」ピクピクッ

女「けどなあ、持って来られへんかったわあ」

女「うち来たら、あるで」

猫「む」ピクッ

女「秋刀魚食いたきゃあ、うちの子になりぃ」

猫「むむ、この私と取引をしようというのか」ピクピクッ

女「うちの子になってくれたら毎日願い叶えてもらえるしなあ」

猫「おっと、すまないが、最大でも3つまでだ」

猫「それ以上は叶えられない決まりでな」

女「あ、そうなん」

猫「ガッカリしたか??」

女「んーでも、まあ、そんなもんやろ」

猫「クールだな」

女「で、秋刀魚食いたいん??いらんの??」

猫「む…頂こう」

女「ほんなら、もううちの子やな」

猫「仕方ない…その願い、叶えてやろう」

女「えへへー」

猫「ほれ、早く連れて行け」

女「おう♪」

猫「嬉しそうだな」

女「なあ、名前なんにしよか」

猫「いらん」

女「やっぱタマかな」

猫「いらんて」

女「意表をついてポチ」

女「…も、すでに使い古されたネタやしなあ」

猫「ポチってメジャーなのか!?珍しくないのか!?」

女「まあ、なんでもええわ」

女「はよ帰って秋刀魚食べよ♪」

猫「ああ」

なんか思いついたらみんなも書いてねー

【エレベーター内】


男「参りましたね……」

女「ええ」

男「まあ、警備会社に連絡が行っているはずなので、そんなに時間はかからないでしょうけど……」

女「ええ」

男「しかし、こう真っ暗だと……」

女「真っ暗だと??」

男「不安になりますね」

女「ええ、それは確かに」

男「暗いところは苦手なんですよ」

女「私もですよ」

男「あんまり見えませんね」

女「私も、貴方の輪郭くらいしか……」

男「……」

女「……」

男「暑いですねえ」

女「ええ」

男「ああ、そういえば」

女「はい」

男「あ、えっと、こんな状況で話すような内容じゃないかもしれませんが……」

女「はあ、なんでもどうぞ」

女「暇が潰れますし」

男「でも、すみません、ふと思いついただけで」

女「いいですよ」

男「あの、『企画モノ』でですね、エレベーターに閉じ込められた女性はどうするかを取り扱ったものがあったんですが」

女「はあ、企画モノ……??」

男「こんな風に閉じ込められて、暗くて、2時間も3時間も」

女「はいはい」

男「で、周りの男女がおっぱじめるんですよ」

女「はあ、おっぱじめるんですか」

男「もちろんサクラなんですけどね」

女「……ふむ??」

男「で、その場の雰囲気に乗せられて、ターゲットの女性もおっぱじめちゃうんですよ」

女「はあ、おっぱじめちゃうんですか」

男「それを監視カメラで隠し撮りしてるんですけど」

女「はあ」

男「あれって、やっぱり、ヤラセですよね??」

女「……」

女「あの、一体なんのお話をされているのでしょう??」

男「あ、あの、まずかったですね、こういう話」

女「まずい話だったんですか??」

男「いえ、もうほんと、こんな時だからこそするべきではない話でした」

女「はあ」

男「あの、ただの猥談でした」

女「はあ」

男「……」

女「……猥談だったんですか」

男「すみません」

女「……」

男「ち、違う話をしましょう」

女「……」

男「あ、そ、そういえば、貴方はこのマンションに住んでおられるのですか??」

女「いえ、友人が住んでいるもので」

男「ははあ」

女「それがなにか??」

男「このエレベーターの噂、ご存知ですか??」

女「……いえ」

女「幽霊でも出るんですか??」

男「ええ、かなり有名な話で」

女「あなたはそんなマンションに住んでいて平気なんですか??」

男「僕はオカルトの類は、結構好きなんですよ」

女「はあ、変わった方」

男「夜中になると、真っ赤なワンピースを着た女性が後ろ向きに乗っているそうで」

女「後ろ向きに??」

男「決して顔はこちらに向けないそうです」

女「怖いですね」

男「髪がぶわーっと、長くて」

女「ありがちですね」

男「それから……」

女「赤いハイヒール??」

男「なぜわかったんです」

女「だって、大抵そうじゃないですか」

男「まあ、たしかに」

女「その手の怪談って、ごまんとありますよねえ」

男「お好きではなかったですか」

女「いえ、そんなことはありませんよ」

男「そうですか」

女「赤いワンピースのお話なら、私も一つ、知っています」

男「ほう」

女「その女は、赤いワンピースを着て、夜中にフラフラと徘徊するそうです」

男「はあ」

女「先ほどの貴方のお話と同じ、赤いハイヒールに長い髪」

男「はあ」

女「違うのは、彼女の通る道に赤い足跡が残ることだけです」

男「……」

女「うふふ」

男「それ、幽霊の話なんですか??」

女「あるいは違うかも、知れませんね」

男「……」

女「私が今日どんな服を着ているか、覚えてらっしゃる??」

男「え、えーと」

女「エレベーターが止まる前、一瞬でも見なかったかしら」

男「……白い……」

女「そう、白いワンピース」

男「それがなにか」

女「私ね、3年ほど前に、暴行されたことがあるの」

男「んっ」

女「どこの馬の骨かもわからない、下品な男だった」

男「……」

女「そして、夢中で抵抗しているうちに、相手が脅しに使ったナイフが手に当たったの」

男「まさか」

女「夢中で振り回して、振り回して、気がつくと」

男「……」

女「白かったワンピースが、真っ赤になっていたの」

男「……」

女「それ以来、男性が怖くてね」

女「夜になると、切り裂いて回っているの、男を」

パッ

男「……」

女「あら、電気がつきましたね」

女「復旧するのかしら」

男「……」

女「どうしました??」

男「いえ、その、背筋が、ぞーっとね」

女「楽しんでいただけたかしら」

男「怖かったですよ」

女「猥談のお返しですわ」

男「あれ、あの、君」

女「……あら」

男「成人式以来だね、久しぶり」

女「ほんと、気付かなかったわ」

男「声でわかりそうなものなのに」

女「ね、わからなかったわ」

ウイーン

男「お、動いた」

女「よかった」

ポーン

男「ん、おれはここなんだけど」

女「ね、どこかで飲まない??」

男「ん」

男「友だちのところに行くんじゃ……」

女「いいの、断るから」

男「ん、まあ、久しぶりだし……そうだな、行こうか」

女「うん」

ウイーン

男「ずっと暗かったから目がしぱしぱするな」

女「そうね」

男「さて、どこ行こうか、って」

男「おいおい、お前……」

女「え、なあに」

男「その服、タグがついたまんまじゃん」

女「あら、恥ずかしい」

男「はっは、そそっかしいところは治ってないな」

女「もう、いいじゃない」

女「おろしたてなんだから、仕方ないでしょ」

ネタ切れです

女「やったー、試験受かった―!」

男 アルイテクルー

女「あ! おーいおとこー、試験どうだった?」

男「」

女「私はねー! 無事受かりました! いぇーい!」

男「……落ちたよ」

女「」

男「」

女「……あっははっははっはははははーあーっはははあはははは、げほげほ……がは」あーはははははひーぃ、ひー はっははははっはっははっはっはあははははははっははははははははっははははは」

男「   」

女「あー、 ……ふぅ」

女「ごめん」

【博士と助手】

助手「ハカセ、生活費が足りません」

博士「むむ、そうか」

助手「このままだと来週には食糧が底をつきます」

助手「せっかく色々な発明品作ってるんだから、売れるものがあるはずです」

博士「むむむ、しかし最近は作ってないよ」

助手「昔のやつ!! 引っ張り出してくださいよ」

博士「じゃ、じゃあこれなんかどうじゃ」

助手「はあ」

博士「ジャカジャン!!」

助手「そのテンションいらない」

博士「手乗り犬!!」

手乗り犬「きゅーん」

助手「わーお、可愛い!!」

博士「あ、でもこれはダメ、可愛いから売れない」

助手「飼ってもいいわよ!!」

助手「ハカセ、生活費がさらに苦しく」

博士「むむむ、では次じゃ」

助手「ジャカジャンはいりませんよ」

博士「ジャ……っ」

博士「勝手にお掃除ロボ!!」

助手「おお、実用的じゃないですか」

博士「スイッチを入れると勝手にお掃除をしてくれます」カチッ

お掃除ロボ「……」ウイーン

助手「早速ゴミ袋を片付け始めましたよ」

博士「ハエもたかってたしね、最近ね」

お掃除ロボ「……」ウイーン

助手「次はハカセの部屋に向かいましたよ」

博士「言い忘れていたが、ロボは自動的に汚いところを察知するんじゃ」

博士「最も汚いところを優先的に」

助手「つまりハカセの部屋がこの研究所で一番汚いと」

博士「そういうことになるのう」

助手「……」

お掃除ロボ「……」ウイーン

お掃除ロボ「……」ウイーン

助手「ベッドの下に向かいましたね」

博士「ああ!! ダメ!! そこはダメ!!」

助手「なんですか、まさかいい歳してベッドの下にエロ本とか隠してあるんですか」

お掃除ロボ「……」ウイーン

博士「ダメ!! その本だけは!!」

助手「この研究所で最も汚い本なんですね」

お掃除ロボ「……」ウイーン

シュボボボボ

博士「燃やされたー!!」

助手「無慈悲ですねえ」

博士「明日からワシどうしたらいいの!!」

助手「危なっかしいですね、あれは、売れませんね」

博士「ワシの秘蔵本が……」

助手「元気出してください」

博士「じゃあ君が本の代わ……」

ドゲシッ

助手「いいことありますって」

博士「け、蹴りに対するコメントが一言もない……だと……」

―――後日―――

博士「パ、パソコンの中身まで掃除されてる!!」

助手「良かったじゃないですか」

博士「助手君の恥ずかしい写真フォルダとか!!」

ドゲシッ

博士「人妻の18禁サイトのアドレスとか!!」

助手「な、効いていない……」

博士「ち、ちくしょおおおおおお」

助手「ハカセの発明品じゃないですか」

博士「あ、あれ、『ウイルスを消去しました』だって」

助手「いいことありましたね」


【博士と助手】おわり

【博士と助手 2】


博士「じめじめするのう」

助手「梅雨ですからね」

博士「じゃあ今日のテーマは梅雨じゃ」

助手「テーマってなんですか」

博士「じめじめすると食欲もなくなる、そこで!!」

博士「ジャカジャン!! カタツムリ調理機!!」

助手「うわあ……」

博士「これを使えば食費も抑えられます」

助手「ハカセが先に食べてくださいね」

博士「むう、冷たいな」

モグモグ

助手「どうですか」

博士「じゃりじゃりする」

助手「殻は取れ!!」

博士「カタツムリは高級食材と聞いたが」

助手「日本の野生はダメでしょ」

博士「食べる??」

助手「いりません」

博士「ちぇ……」

助手「使えませんね」

博士「なんの、まだまだ!!」

博士「ジャカジャン!! 第二弾!! ナメクジ調理機!!」

助手「懲りろ!!」

博士「ナメクジなら殻もないよ」

助手「そういう問題じゃありません!!」

博士「……」ニュルニュル

助手「食べるんだ……」

博士「じゃりじゃりしない」

助手「そういうのはもういいですから、問題は味ですよ」

博士「結構いけるよ」

助手「マジですか」

博士「これで食費はしばらく安泰だね!!」

助手「え、梅雨の間ずっとこれ食べるの……??」

博士「梅雨といえば、紫陽花だね」

助手「ええ」

博士「綺麗だよねえ……紫色でさ……」

助手「そうですね」

博士「……」

助手「……」

博士「で、どうかな、カタツムリ調理機売れないかな」

助手「え、紫陽花は!?」

博士「好きだよ」

助手「そういうことじゃなくて!!」

博士「じめじめすると寝苦しい!! そんなときに!!」

助手「ジャカジャン!!」

博士「ジャ……っ、ちょっと!!」

助手「なんですか」

博士「台詞とらないでよ」

助手「いいから」

博士「安眠マスク!!」

助手「マスク??」

博士「こう……目につけます」

助手「アイマスクとどう違うんですか」

博士「なんかこう……デザイン??」

助手「……」

博士「おお……ひんやり……する……ような……」

助手「曖昧なんですか」

博士「おやすみ」

助手「おやすみなさい」

博士「……」

助手「……」

博士「ダメだやっぱ暑い」ベシッ

助手「白衣着て寝るからですよ」

博士「ええい!! 最終兵器!!」

助手「ここまでロクなの出てませんけどね」

博士「ジャカナ……っ」

助手「噛みましたね」

博士「わーお!! 季節変換マシーン!!」

助手「はい??」

博士「これを使えば、季節を進められるよ!!」

助手「え……それってすごいんじゃ」

博士「そーれ」カチッ

むわっ

助手「……」

博士「……」

 『あっつ!!』


【博士と助手 2】おわり

【博士と助手 3】

博士「いやー最近さー発明品売るためにはネーミングも大事って気付いたんだよねー」

助手「なんなんですか、そのエセ若者口調は」

博士「やっぱりー時代のー先端をーみたいな??」

助手「周回遅れ感が半端ないですね」

博士「という訳でえー今日の発明品はこちら!!」

助手「テレフォンショッピングみたいなノリやめてください」

博士「パッパラー!! ホンネデール!!」

助手「効果音が変わった!?」

助手「ていうかネーミング微妙!!」

博士「ウエエーイ」ドンドコドンドコ

助手「ハカセ、突っ込みきれません!!」

助手「で、これはなんなんですか」

助手「なんか光線銃みたいな形ですが」

博士「このビームに当たった者は、本音が出るという……」

助手「なんだ、そういう意味なんですか」

博士「ん??」

助手「私はてっきりホネが飛び出る破壊光線でも発射されるのかと」

博士「怖いこと言うね君」

助手「それなら喜んで引き金を引くんですけど」

博士「え?? あれ?? ワシのホネが見たいの??」ブルブル

助手「とりあえず試してみましょう」

ビビビ

博士「……」

助手「どうですか」

博士「あー助手君の乳首が見たいなあー」

ドゲシッ

助手「ちょ、それが博士の本音ですか!! ここ辞めさせてもらいますよ!!」

博士「『おっぱい』と言わないとこにこだわりを感じ取ってほしいなあー」

助手「そんなクソみたいなこだわりは捨ててください!!」

博士「クソって君……そんな言葉遣い……」

助手「ハカセに言われたくありません!!」

博士「助手君の本音も聞きたいなー」

ビビビ

助手「っちょ!!」

博士「ふっふっふ……」

助手「……」

博士「む、口を開かないつもりかな」

助手「……」

博士「助手君の最近の悩みはなに??」

助手「べ、便秘です」

博士「ほうほう」

助手「いやー!! なに言わせてるんですか!!」

博士「そんなあなたに!! ペッペケペー!!」

助手「また効果音が変わった!?」

博士「ツライ便秘もすっきり!! ホントデール!!」

助手「ネーミングかぶってますよ!!」

博士「ほら、これ飲んですっきり出しといで」

助手「は、はあ」

ゴクン

ジャー

ガチャ

博士「で、どうだった??」

助手「た、大漁でしたよ」

博士「具体的には??」

助手「あ、アトミック砲、みたいな……」

博士「ほうほう」ニヤニヤ

助手「いやー!! もういや!!」

博士「うむうむ、助手君がすっきりしているのを見ると気分がいいよ」

助手「私は嬉しさと恥ずかしさでもどかしいです」

助手「ハカセひどいですよねー」ナデナデ

手乗り犬「きゅーん」

博士「ああ、助手君が現実逃避を始めてしまった」

助手「手乗り犬可愛いなあー」ナデナデ

手乗り犬「くんくん」

博士「そ、そんなロボット犬より、ワシのほうが……」

助手「ワシの方が……なんですか??」

博士「か、かわっ……」

博士「役にた……っ」

博士「ダメじゃ、嘘は言えん」

助手「嘘っていう自覚あるんですか」

助手「ていうか、ホントデールってただの便秘薬じゃないですか」

助手「発明品って言うほどでもないですね」フン

博士「むむ、言ってくれるね」

博士「次はこれ!! オッペケペー!!」

助手「もう突っ込みませんからね」

博士「モギトレール!!」

助手「な、なにが、なにがもぎ取れるというんですか!?」

博士「これを飲むと、その人の最も『不要な部分』がもぎ取れるらしい……」

助手「伝承なんですか!? 不確定なんですか!?」

博士「どうかね、飲んでみるかね」

助手「怖すぎますよ!! どこがもぎ取れるかわからないとか!!」

博士「もぎ取れるほどの容量はなさそ」

ドゲシッ

博士「ど、どこがとは言ってないのに……」

助手「言わなくてもわかりますよ!!」

博士「おっぱ」

ドゲシッ

助手「これは危険すぎます!! お蔵入りです!!」

博士「ううむ、仕方ない、最終兵器じゃ」

助手「今回もロクなものが出てませんが……」

博士「ジャカジャン!! ジバクスール!!」

助手「また効果音が戻った!! なんか懐かしい!!」

助手「って、え?? ちょ、自爆??」

博士「このビームを浴びたものは問答無用で自爆するのじゃ」

助手「怖い怖い怖い!! なに作ってんですか!!」

博士「ふっふっふ、誰を自爆させようかなー」

助手「これさっき言ってた破壊光線よりも危険ですよね!?」

博士「ん??」

助手「こっち向けるな!!」

博士「そーれ」

ビビビ

助手「ぎゃー!! ちょっと!! 少しぐらいためらってくださいよ!!」ビリビリビリ

博士「……」

助手「……」

博士「あれ、そうか、自爆機能がある人にしか効かないんじゃった」

助手「そんな人類いるんですか!?」

博士「なんじゃ、残念」

助手「心臓止まるかと思いましたよ、もう」

博士「ちぇー」

ビビビ

助手「ちょっと、振り回さないでください」

博士「うひょー」

ビビビ

手乗り犬「きゅーん!!」ビリビリビリ

助手「あ、手乗り犬が!!」

ピピピピピピピピピピ

ズガーン!!!!!!!!!

博士「……」

助手「……」

 『て、手乗り犬ぅー!!』


【博士と助手 3】おわり

【博士と助手 4】


博士「正月は餅がおいしいよね」

助手「ええ」

助手「……季節感ゼロですね」

博士「そういうことは気にするな」

助手「まあ、いいですけど」

博士「あけおめー」

助手「うわあ、やりづらい」

博士「助手君は餅にはなにをつける派??」

助手「私はきなこですね、王道ですね」

博士「ふふん、甘いな」

助手「む、ハカセこそどうなんですか」

博士「ワシはあれじゃよ、バター醤油と海苔じゃよ」

助手「砂糖は??」

博士「ナシじゃ」

助手「珍しいですね」

博士「ふふん」

助手「糖尿病ですか??」

博士「違う!!」

助手「でもお餅を喉に詰めて亡くなる人が毎年いますよねえ」

博士「うむ、特に老人にな」

助手「ハカセ、大丈夫ですか??」

博士「ちょ、ワシまだ若いよ!!」

助手「ワシとか言ってたら老人にしか見えませんって」

博士「髪の毛も……まだあるし……」

助手「フサフサとは言わないんですね」

博士「嘘はイカンからの」

助手「そういうときの発明品はないんですか」

博士「もちろんあるぞ」

博士「あ、餅だけに」

助手「ああ、いらない一言が……」

博士「ジャカジャン!!」

助手「あ、新年でもその効果音なんですね」

博士「餅取り機!!」

助手「響きがトリモチみたいですね」

博士「今どきの若い人はトリモチだなんて言ってもわからんぞ」

助手「や、やだなあハカセ、私もまだ若いですってば!!」

博士「餅を喉に詰まらせた人がいれば、これでガッポガッポと……」

助手「吸い出すと」

博士「うむ」

助手「……」

助手「あれ?? 発明品は??」

博士「これじゃが」

助手「これ、ホームセンターで似たようなのを見ましたが」

博士「そ、そう」

助手「……」

博士「すまん、本当は既製品を買ってきました」

助手「ていうかこれ、本来便器用ですよね」

助手「まあ、スランプくらいありますって」

博士「ううむ」

助手「お正月くらい気楽にいきましょう」

博士「そ、そうじゃな」

助手「いただきまーす」

博士「うむ、旨そうじゃ」

モチャモチャ

助手「ぱふっ」

博士「はっはっは、きなこを食べてると、時々そうなるのう」

助手「ゴホゴホ」

博士「大丈夫??」

助手「え、ええ、ちょっと急に食べすぎました」

博士「まったく……」

モチャモチャ

助手「うーん、美味しい♪」

博士「んぐっ」

助手「もう一個食べちゃお♪」

博士「んん、んぐぐ、ぐぐ」

助手「うひー、太っちゃう♪」

博士「む、む、むぐぐ……」

助手「あれ、ハカセ、どうしたんですか??」

博士「んぐんぐぐぐ」

助手「のどぼとけを??」

博士「ぬぐぬぐうう」ペチペチ

助手「叩いたら??」

博士「んぐんぐうう」バタバタ

助手「世界が変わった??」

助手「なに言ってんですか、ハカセ」

博士「んんんんんんんんん!!」

助手「冗談ですよ」

ガッポガッポ

博士「ぶはぁっ」

助手「早速役立ちましたね、餅取り機」

博士「助手君、ちょっと、焦らしすぎ……」ゼエゼエ

助手「すみません」

助手「ちなみにこれ、新品ですか??」

博士「ん?? ああ」

助手「そうですか」

博士「え、なに?? 便器に使ったあとでした、みたいなオチ??」

助手「いや、そのオチは今ハカセが否定したじゃないですか」

博士「あ、ああ、そうか、そうだな」

助手「ま、いいや、ハカセももう一個食べます??」

博士「ん、ワシはもういいかな」

助手「また詰まったら、困りますもんね」

博士「うむ」

博士「しかし、助手君よく食べるね」

助手「えっへっへ、今日だけはもう、カロリーとか気にすんのやめようかな、と」

博士「太ってるようには見えないけどなあ」

助手「見えないところが太ってるんですよ」

助手「ううん、やっぱりきなこ最高です♪」

モチャモチャ

助手「んぐっ」

博士「ん、どうした助手君」

助手「んぐんぐんぐうう」

博士「ほうほう、喉に、餅が、詰まったと」

助手「んんぐ、ぐ、ううん」コクコク

博士「つまりガッポンしてほしいんだね、ワシが使ったあとの餅取り機で」

助手「んぐ、ううん、ぐううう」フルフル

博士「そーれ」

助手「んんんんんんんんん!!」フルフル

ガッポン


【博士と助手 4】おわり

【博士と助手 5】


助手「ハカセ、髪伸びましたね」

博士「うむ、少し暑苦しいな」

助手「切ってあげましょうか」

博士「お、助手君、髪切れるんだ」

助手「ええ、まあ、多少なりとは」

博士「じゃあお願いしようかな」

助手「ハカセの髪、真っ白で綺麗ですねえ」チョキチョキ

博士「ふふふ、そうかい」

助手「紫に染めたら綺麗でしょうねえ」チョキチョキ

博士「え、ちょっと、ダメ……」

助手「大阪のババ……マダムみたいに綺麗に染まるでしょうねえ」チョキチョキ

博士「助手君、ババアなんて言葉を使うんじゃないよ」

助手「なんとか踏みとどまりましたよ」チョキチョキ

博士「言ったも同然だけどね」

博士「~♪」

助手「(あれ、てっぺんが薄い??)」

博士「~♪」

助手「(言った方がいいかな、気付かないふりした方がいいかな)」

博士「~♪」

助手「ハ、ハカセ」

博士「うん??」

助手「て、てっぺんがハゲてきています」

博士「ちょっと直球すぎるよね!?」

博士「もう少しオブラートに包もうね!?」

助手「最近の森林破壊の進行は恐ろしい勢いですよねえ」

博士「うん、え??」

博士「さっきのはナシの方向なのかしら」

助手「砂漠化現象も問題ですよねえ」

博士「……」

助手「ところでハカセ、ハカセの頭髪も破壊されています」

博士「よりひどくなってるよね!?」

助手「森林に囲まれた砂漠が見えてきました」

博士「それ地肌だからね!? むき出しにしないでね!?」

助手「お、オアシスが見えてきています」

博士「それ蜃気楼だね」

博士「うん、ワシもなに言ってるか分からなくなってきたね」

助手「で、ハカセ、どうしましょうこの砂漠」

博士「砂漠って言うな」

助手「どうしましょうこの地肌」

博士「うむむ……そんなときには!!」

博士「薄毛の人に朗報!! ジャカジャン!! ハゲカクレール!!」

博士「誰が薄毛だ!!」

助手「私でないことは確かです」

博士「このハゲカクレールは、薄毛地帯に塗ることで髪の毛のように膨らむ」

博士「薄毛地帯をこれで覆い、錯覚を起こさせるのじゃ」

助手「つまり誤魔化しですね??」

博士「……ま、まあ」

助手「今の時代、インチキくさいのも含めて発毛剤が山ほど発明されているんですよ」

助手「ハカセならもっとすごい発明が作れるはずです!!」

博士「ふふふ、ワシの発明がこれだけで済むはずがなかろう」

助手「や、やっぱりあるんですか、すごいのが」

博士「駆け引きが上手な策士は、まず捨て案を見せ、それから自信作を見せるのじゃ」

博士「ジャカジャン!! ジンルイミナハゲール!!」

助手「ほうほう、なんだか壮大な名前ですね」

助手「って、え??」

博士「これを川に流せば、たちまち雨となって降り注ぎ、人類みなハゲるのじゃ!!」

助手「ちょ、ちょっと!! なんてもの発明してるんですか!!」

助手「ヤバめの毒物じゃないですか!!」

博士「ふふふ……髪を切ってもらったら、その辺の川にすいっと流してこようかな」

助手「ここら辺一体、みんなハゲちゃいますよ!!」

博士「いやいや、まずは川の下流に流れていくから」

助手「そういう問題じゃありません!!」

助手「問題解決になってませんよハカセ」

博士「だって、毛が生える薬は作れなかったんだもん……」

助手「だからって周りみんなハゲさせることはないじゃないですか」

博士「家から出なかったら平気だよ」

助手「引きこもりだけフサフサの世界になっちゃいますよ!!」

博士「しかし社会復帰して家から出たらハゲる、と」

助手「最悪ですね」

博士「誰も家から出ない世界に……」

助手「恐ろしすぎます」

博士「ダメかな」

助手「却下です、却下すぎますよ」

助手「今度フサフサなカツラでも発明してください」

博士「か、カツラ……」

博士「それじゃ!! 助手君天才じゃ!!」

助手「え」

博士「天才少女じゃ!!」

助手「え、そうですか」テレテレ

博士「あ、少女っていう歳でもなかっ」

ドゲシッ

助手「これ捨てときますからね、ジンルイミナハゲール」

博士「ううむ、惜しい」

助手「はいはい、あ、ハカセの髪はもうとっくに切り終わってますからね」

博士「うむ、心なしか頭が軽くなったようじゃ」

助手「結構切りましたからね」スタスタ

博士「あ、ちょっと、それどこに捨て……」

ジャー

助手「え??」

博士「え??」

助手「す、水道で流しましたけれど……」

博士「……」

助手「まずかったですかね」

博士「なかったことにしよう」


【博士と助手 5】おわり

書く人がいないなあ……
スレタイが悪いのか書きにくい形態なのか……

【博士と助手 6】


助手「ハカセ、なに作ってんですか」

博士「む、これはな、次の発明の試作品じゃ」

助手「へえ」キョロキョロ

博士「うむ、もうすぐ完成じゃ」

助手「っていう割には、試作で終わってるものがゴロゴロ転がってませんか」

博士「う、痛いところを突くね」

助手「最後まで作ってくださいよう」

博士「ううむ」

助手「たとえば、これとか、なんですか」

博士「あ、それは次元転換装置……」

助手「え、次元転換!?」

博士「の失敗作じゃ」

助手「なあんだ」

博士「あと一歩なんだけどなあ」

助手「すごいじゃないですか」

博士「予算が……」

助手「ああ、うち、貧しいですからね」

博士「貧しいって言うな!!」

助手「なんかこう、すごい発明のアイデアみたいなのはないんですか」

博士「たくさんあるよ」

助手「実現できそうなものも??」

博士「もちろん」

助手「え、じゃあたとえば??」

博士「たとえば、そうじゃなあ」

助手「わくわく」

博士「インターネットができて、テレビが見れて、録画もできて、買い物もできる……」

助手「ほうほう」

博士「電話とか」

助手「……」

助手「ありますね、それね」

博士「あるの!?」

助手「ていうか持ってますね、それね」スイッ

博士「持ってるの!?」

助手「ハカセ、ちょっと時代に取り残されてませんか」

博士「マジで……」

博士「やべーマジやベー」

助手「取り残されてますね、確実に、ええ」

博士「やべー言葉他に思いつかねー」

助手「チョベリバとか言い出さないでくださいね、お願いですから」

博士「ほ、他にも思いついた発明はあるんだけど」

助手「ええ、ええ、聞きましょう」

博士「そこに乗るだけで、体重と身長が同時に測れちゃう……」

助手「ありますね、それも」

博士「待って待って最後まで聞いて」

博士「それでいて体脂肪率や身体年齢も測れちゃう……」

助手「だからありますね、それ」

博士「あるの!?」

助手「実家でお母さんが使ってました」

博士「マジかよー」

助手「だいぶ前からありますからね」

博士「マジかよーやられたわー」

助手「ハカセのをパクったみたいに言わないでください」

博士「え、じゃあこれは??」

助手「なんですか」

博士「蟹の風味を閉じ込めた、蟹の味そっくりな、カ」

助手「カニカマですよね」

博士「喰い気味で言われた!!」

博士「最後まで言わしてよ!!」

助手「今や本当に蟹そっくりで、外国人が間違えるほどらしいですよ」

博士「日本人もわからないんじゃないかな」

助手「そうかもしれませんね」モグモグ

博士「おいしい」モグモグ

博士「じゃあ次、焼きそばを」

助手「パンにはさんだやつですよね、ありますね、だいぶ前からね」

博士「早いよ!! 最後まで言わしてよ!!」

助手「もう面倒くさいんで、どんどんいきましょう」

博士「扱いが酷くないかい助手君」

助手「いいからいいから、ほらほら」

博士「ううむ」

助手「クソ発明どんどん消化しちゃって捨てましょう」モグモグ

博士「やっぱり酷いよね!?」モグモグ

博士「えーじゃあ次、焼きそばを」

助手「だからパンにはさんだやつですよね」

博士「と見せかけて、ご飯と混ぜた画期的な」

助手「そば飯ですよね、焼きそばパンより先にありましたよね」

博士「うそーマジかよー」

助手「ハカセ、もうちょっといいもの食べましょうよ」モグモグ

博士「助手君が作ってくれないから……」

助手「私、料理下手ですよ」モグモグ

博士「う、ううむ、そうか」モグモグ

博士「パソコンの前に居ながらにして」

助手「ふむ」

博士「自分では全く動かなくても、こった肩をほぐしてくれる、椅子」

助手「……」

助手「ありますよね、それもね」

助手「マッサージチェアという名前で超ロングセラーですよね」

博士「いやいや、ワシのは、強さも角度もお好みで……」

助手「だからその機能もだいたい付いてますよね」

博士「リモコンで操作……」

助手「それも基本的に付いてますよね」

博士「やせて見える鏡!!」

助手「凸面鏡ですよね」

博士「いや、やせて見える鏡、だよ」

助手「凸面鏡ですって」

助手「普通にカーブミラーとかにも使われてますよ」

博士「あんまり外出ないからわかんない」

助手「はいはい、そうでしたね」

博士「もういやじゃ、ワシの発明はことごとくパクられとる」

助手「いやいやいやいや」

助手「あれですね、ハカセはもうちょっと世間のことを知る必要がありますね」

博士「なんじゃ、酷いな」

助手「外に出て色んな刺激を受ければ、また凄いものをガンガン発明できるんじゃないですか」

博士「そういうもんかのう」

助手「ほらほら、ちょっと気分転換に外に出ましょう、今日はいい天気ですよ」

博士「ちょ、ちょ、押すな押すな」

助手「ほらほら、行きましょう」

ガチャリ

助手「……」

博士「……」

助手「……ハカセ、ここはどこでしょう」

博士「う、うむ、おそらく、異次元、じゃないかな、うん」

博士「次元転換装置が誤作動してしまったようじゃ」

助手「……」

博士「……」

助手「すごいですね、ハカセの発明は」

博士「じゃろ」

助手「で、どうやって帰るんですか」

博士「わからん」


【博士と助手 6】おわり

【博士と助手 7】


助手「ハカセ、肌寒い季節がやってきましたね」

博士「うむ」

助手「現実の季節感はこの際おいといて」

博士「うむ」

助手「前もなんかいきなり正月ネタでしたしね」

博士「助手君、その辺で」

助手「はあい」

博士「コタツもストーブも、そろそろ出しちゃおうか」ゴソゴソ

助手「ええ、いいですね」ゴソゴソ

博士「どこにしまったっけなあ」ゴソゴソ

助手「うーん」ゴソゴソ

博士「お、これは……」ゴソゴソ

助手「ないですねえ」ゴソゴソ

博士「ほりゃ」カチッ

ブイーン

助手「なんですか、それ」

博士「ワシが昔作ったストーブみたいなものじゃ」

助手「へえ」

助手「あんまり暖かくありませんねえ」

博士「それなら、これはどうじゃ」

助手「こ、これは??」

博士「ジャカジャン!!」

助手「なんか懐かしい効果音!!」

博士「反転半纏!!」

助手「はんてん……はんてん……??」

助手「半纏は確かに暖かそうですが」

博士「これを羽織るとじゃな」

助手「体中に斑点ができると」

博士「気持ち悪い想像しないで!!」

助手「疫病?? 呪い??」

博士「違うから!! 斑点とかできないから安心して!!」

助手「じゃあどういう発明なんですか」

博士「これを羽織るとじゃな、色々なものが反転してしまうんじゃよ」

助手「へえ、面白そうですね」

博士「とりあえず着てみてくれ」

助手「はあい」ゴソゴソ

博士「どうじゃね」

助手「んーあんまり変化はわかりませんね」

助手「ちょっと暖かいかな、ってくらいで」

博士「反転ということはじゃな、物事が反対になるわけじゃ」

助手「ほうほう」

博士「つまり普段小さいものは大きくなるのじゃ」

助手「つ、つまり……」

たゆん

博士「うひょー!! 巨乳じゃー!!」

助手「や、やったあー!!」

博士「すみませんでした……」ボロボロ

助手「おかしいですよね、真っ先にコレっておかしいですよね」

博士「反省しています……」ボロボロ

助手「大体ハカセはいつも胸の話ばかりしますけど、失礼すぎますよね」

博士「自重します……」ボロボロ

助手「まったくいつもハカセは……」

たゆんたゆん

博士「(巨乳の助手君も新鮮でいいなあ)」

助手「ハカセ、聞いてます??」

博士「は、はい!!」

助手「くどくど」

博士「ほ、他にも色々と反転するんじゃぞ」

助手「はあ、そうですか」

博士「例えばほれ、助手君はワシのこと好きかな??」

助手「は、はあ!?」

博士「好きかな、と聞いておる」

助手「な、なななななな」

博士「早く答えてくれないと右手が勝手に動き出して揉んでしまいそうじゃ」ワキワキ

助手「っ!!」

ドゲシッ

助手「嫌いです嫌いです!! セクハラなハカセは嫌いです!!」

博士「それも反転するのじゃ」

助手「え??」

……

助手「ハカセぇ~」イチャイチャ

博士「うひょー」

助手「ああん、もっとこっちに来てくださいよぉ~♪」スリスリ

博士「(こ、これは強烈じゃ)」

助手「皮を剥き剥きしてあげますよぉ~♪」

博士「(あ、それいいかも)」

助手「ほおら~♪」

博士「でもピーラーは置いてきてほしいなあ……」

助手「はっ!! 私はなにを!!」

博士「(危ない危ない、一線を越えるところじゃった)」

博士「なあに、剥き剥きごっこをしそうになっただけじゃ」

助手「な、なあんだ、それなら安心」

助手「……ん??」

博士「ほ、他にも反転するんじゃぞ!!」

助手「は、はあ」

助手「わ、私が男の子に!!」

博士「うひょーペロペロ!!」

助手「ハカセは美少女に!!」

博士「クンクンしたい!! でも自分ではできない!! もどかしい!!」

助手「ち、血が青色に!! 肌が変な色に!!」

博士「ひいいいいいいいいいいい」

助手「天井が床に!!」フラフラ

博士「おっぷ、酔うぅ……」フラフラ

助手「体の内側と外側が反転しちゃいましたよ!!」ズルン

博士「ぎゃああああああああああああああああ」ズルン

博士「と、このように色々と反転する発明じゃ」ゼエゼエ

助手「はあ、はあ」ゼエゼエ

博士「楽しんでもらえたかな??」

助手「あの、質問が」

博士「なにかのう」

助手「半纏着てないのに、ハカセも反転してませんでしたか??」

博士「うむ、メインはさっきスイッチを入れたあの装置でな、催眠効果のあるガスを……」

助手「え、ただの催眠だったんですか」

博士「そうじゃ」

助手「なーんだ」

博士「面白かったじゃろう??」

助手「ええ、とっても」

助手「でも、おかしいと思ってたんですよ」

博士「ふふふ、助手君も鋭くなってきたね」

助手「(反転しなかったものもありますからね、うふふ)」

博士「ん、どうした」

助手「なーんでもありませんよう」


【博士と助手 7】おわり

【博士と助手 8】


助手「テレビもマンネリですねえ」

博士「そうじゃなあ」

助手「使い捨てられていく『タレント』を見ていると、なんだか悲しくなってきます」

博士「この人もすぐ消えていくんだろうなあ、とか??」

助手「ええ」

助手「本当にすごいテクニックを持っている人とかは、消えていかないんでしょうけど」

博士「テレビに出てなくても営業とか公演とかで稼いでいるかもよ」

助手「まあ、そうですけど」

助手「マジックが一時期流行ったじゃないですか」

博士「ああ、あったねえ」

助手「ああいうマジシャンの人は、マジックショーをやって稼いでいるんでしょうか」

博士「そうじゃないかな」

助手「でも、タネをばらされたり、バラすところまでが芸の人は大変でしょうねえ」

博士「ああ、でも、タネは知りたいよね」

助手「『すごい!!』って思う前に、『え、どうやったの??』って気になりますからね」

博士「理系人間だねえ」

助手「理系人間ですねえ」

助手「ハカセ、なんかマジックできませんか」

博士「マジックかあ」

助手「ええ」

博士「こう……10円玉を2枚こすり合わせると……」

チャリチャリ

助手「すごい!! 3枚に見える!!」

博士「お金が増えまーす、いえー」

助手「って、完全に子ども騙しじゃないですか」

博士「こう、コップに水を入れます」

タプタプ

助手「ええ」

博士「ティッシュペーパーを上にかぶせ」

ファサッ

助手「はいはい」

博士「ひっくり返すと!!」

助手「おお!!」

博士「こぼれませーん、いえー」

助手「……」

助手「理科実験的な……まあハカセらしいですけれど……」

博士「机の上に100円があります」

助手「え、ええ、まだ続けるんですか」

博士「この帽子をかぶせると……」

フワッ

助手「な、なにが起こるんですか」

博士「んーと、多分、金額が倍に!!」

フワッ

助手「にひゃ……」

博士「猫になったー!!」

助手「え、え、え、なんですかこの猫」

猫「にゃー」

博士「ワシにもわからん!!」

助手「はい!?」

博士「ジャカジャン!! 名付けて!! ハットトリック!!」

助手「あの、話が見えてこないんですけど」

博士「なにが起こるかわからない不思議な帽子!! それがハットトリック!!」

助手「ああ、発明品だったんですね」

博士「反応が冷たい!!」

助手「ネーミング的には『トリックハット』のほうが正しいのでは」

博士「む、痛いところを突くね」

博士「でもほら、響きがいいでしょ」

助手「ええ、まあ」

助手「反転半纏といい、最近ネーミングに凝りだす傾向が」

博士「だって、ネーミングセンスが微妙とかいうからさあ」

助手「私のせいですか」

博士「そうだよ」

助手「あんまり進歩してませんけど」

博士「くっ」

助手「で、この猫どうするんです」

博士「飼っても……」

助手「ダメです」

助手「可愛いけど」

博士「くっ」

博士「涙を飲んで、ハットトリックをかぶせます……」

フワッ

助手「つ、次はなにが起こるんでしょう」

博士「ぱっぱらー!!」

フワッ

助手「ね……」

博士「虎だあ!!」

助手「きゃあああああああああ」

虎「……」のしのし

助手「い、行っちゃいましたね」

博士「ここには食糧がないって本能的に察知したんじゃないかな」

助手「私たちに見向きもしませんでしたね」

博士「美味しくなさそうだったからかな」

助手「ハカセはともかく私は……」

博士「……ドンマイ」

助手「く、悔しくないですし!! 別に!!」

博士「カビの生えたパンにかぶせると……」

助手「ま、まさか食べられるようになるのでは!?」

フワッ

博士「……」

助手「ネジですね……」

博士「……」ガリッ

助手「無茶です!!」

博士「歯が痛い」

助手「当たり前です!!」

博士「手袋にかぶせると……」

助手「ううん、予想がつきません」

フワッ

博士「中身入りになったあ!!」

助手「ぎゃあ!! ぎゃあああああ!!」

助手「早く!! 早くもう一度かぶせてください!!」

フワッ

博士「両手になったよ!!」

助手「ぎゃああああああああああああああ」

博士「次はなににかぶせてみようかなあ」

助手「い、いらない物にかぶせると一石二鳥では!?」

博士「助手君ナイスアイデア!!」

助手「ではさっそく……」

フワッ

博士「ぎゃー!! ぎゃー!!」

助手「ハカセうるさい」

博士「ワシどうなるの!? ワシの頭どうなるの!?」

助手「ハカセうるさい」

フワッ

博士「……」

助手「……」

博士「え、どう?? ワシの頭どう??」

博士「フサフサになってたりする??」

助手「あんまり変化はありませんね」

博士「そ、そう……」

助手「よかったですね」

博士「く、くそう、脅かしやがってえ!!」

フワッ

助手「ちょ!! どこに当ててるんですか!!」

博士「うるさい!! ワシと同じ恐怖を味わえ!!」

フワッ

助手「きゃー!! きゃー!! ってあれ??」

博士「大きさはさして変わっていないね」

助手「ていうか事あるごとに胸をネタにするのほんとやめてもらえませんか」

博士「まあまあ、お約束だって」

助手「……!?」サワサワ

博士「ん」

助手「な、ない……!?」

博士「もとから」

ドゲシッ

助手「違います!! 先っぽが!! 先っぽがありません!!」

博士「なんと!? とりあえず見せて!!見せ」

ドゲシッ

助手「ちょっと!! どうしてくれるんですか!!」

博士「う、ううむ」

助手「元に戻してください!!」

博士「ううむ」

ガチャガチャガチャ

ドスン

助手「!?」

博士「とりあえずこのニップレスを貼って誤魔化しておきなさい」ポイ

博士「ワシはこのタイムマシンで未来に行き、乳首を生やす技術を学んでくる」

キュイーン

助手「行っちゃった」

キュイーン

博士「ただいま」シャキーン

助手「ハカセ、一体どうしちゃったんですか」

助手「タイムマシンを一瞬で作り上げちゃったり」

博士「うむ、なんだか頭がすっとするような」

助手「さっきのハットトリックのせいですかね」

助手「てっきり私はアホになるオチかと思いましたが」

博士「逆に賢くなったようだね」

助手「笑えませんね」

助手「で、その、ち、乳首を生やす技術は……」

博士「うむ、まずこの人工乳液を身体になじませるところから……」ワキワキ

助手「手つき!! 手つきがアウト!! エロい!!」

博士「ん、なにがかな」ワキワキ

助手「自分でやりますから!!」

博士「そう」シュン

助手「あれ、やっぱいつも通りのハカセですね」

助手「ねえハカセ」ヌリヌリ

博士「ん??」

助手「こっち向かないでくださいね」ヌリヌリ

博士「うん」

助手「さっきのタイムマシン、あれ発表したら、ハカセもハクがつくのでは??」ヌリヌリ

博士「う、うん、そうだね……」

助手「なんですか、歯切れの悪い」

博士「あれねえ、2回しか乗れない作りにしちゃったんだよねえ」

助手「え!!」

博士「とりあえず行って帰って、と思って急いだからねえ」

助手「……」

助手「ハカセ、私のために……」

博士「あ、そうそう言い忘れてたけどねえ、その人工乳液ねえ、いい香りがしない??」

助手「え、ええ」

助手「いい香りって言うか食欲を刺激する匂いって言うか」

博士「未来の最先端技術でねえ、豚肉を調理した時の煙からできてるんだってさ」

助手「豚肉の煙で乳首が!?」

博士「面白いよねえ、未来の技術は」

助手「ハカセも似たような発明をしてると思いますが……」

博士「いやあ、しかしほんとにいい匂いだねえ、焼き肉がしたくなる」

虎「ぐるるるるるる」

助手「……ん??」

博士「……ん??」


【博士と助手 8】おわり

【博士と助手 9】


博士「助手君、なんか元気がないねえ」

助手「昨日のカレーがちょっと古かったみたいで……」

博士「お腹壊したのかね」

助手「ちょっと痛いんですよう」

博士「ふうむ、心配じゃのう」

博士「ところで助手君、幽霊とか信じるかね」

助手「幽霊ですか?? 見たことがないのでいないと思いますが」

博士「そっか……」

助手「なんですか、ハカセ、まさか信じてるとか」

博士「よく見るんだよ……」

助手「見えるんですか!?」

助手「科学に携わっている者として、それはどうかと!?」

博士「いやあ、でもねえ、見ちゃったからなあ」

助手「み、見たって、それどうせ見間違いですよう」

博士「昨日もねえ、夜散歩してたら……」

助手「夜は徘徊しないでください!!」

博士「最近のマイブームなんじゃよ、散歩」

助手「はあ」

博士「でね、電信柱の所から、こっちを窺っている人がいるんだよ……」

助手「怖い怖い!! ほんとっぽいからやめてください!!」

博士「なんかね、怖いからさっさと通り過ぎようと思ったら……」

助手「……」

博士「その人がすっと音もなく近づいてきてこう言うんだよ……」

助手「ひい!!」

博士「『身分証明書、出してもらえるかな』ってね……」

助手「……」

助手「警官じゃん!!」

博士「しかもなにが怖いってね、身分を証明できるものが何一つないってことなんだよ」

助手「不審者じゃん!!」

博士「いやあ、最近の幽霊は言うことが怖いね」

助手「オチが酷い!!」

博士「冗談はおいといて」

助手「どうせならもう少し面白い話をしてくださいよ」

博士「元気のない助手君を励まそうと思ってだね」

助手「怪談もどきは逆効果ですよう」

博士「そうかね」

助手「で、なんでしたっけ、幽霊の話でしたね」

博士「あ、それはおいといて」

助手「それもおいとくんですか!!」

博士「こんなものを作ってみたんだけどね」ドスン

助手「なんですか、これ」

博士「ジャカジャン!! 自動怪談マシーン~!!」

助手「児童階段??」

博士「no チャイルド no」

助手「ワンモアプリーズ」

博士「自動・怪談・マシーン~!!」

助手「自動階段??」

博士「no エスカレーター no」

助手「つまり??」

博士「これを起動させれば、怖い出来事が起こるという不思議な……」

助手「ハカセ最近発明がアバウトすぎやしませんか」

博士「そうかね」

助手「ハカセにも効果がよくわかってないものが多いですよね」

博士「スランプだからねえ」

助手「自分で言っちゃった!!」

博士「ほーれ、スイッチオン」カチリ

ウィンウィンウィン

助手「震えてますよ」

ドロドロドロドロ

博士「効果音つきじゃ」

助手「ほんとにドロドロ言うんですか」

……

パチン!!

博士「お、ラップ音というやつじゃな」

助手「普通に電球が切れただけかと」

助手「ハカセ、予備の電球がありません」

博士「おっと、買い置きがなかったかな」

助手「物置を探したんですけれど見当たらなくて……」

博士「そうか、じゃあちゃちゃっと作ってみるか」

助手「お願いします」

ガチャガチャ

博士「うん、これを付けておいてね」

助手「ハカセ、街の電気屋さんとかやった方が儲かるのではないでしょうか」

ジャーゴボゴボ

博士「ん、なんの音かな」

助手「トイレでしょう」

博士「……」

助手「……」

博士「誰が流しt」

助手「やめてください!! 怖い怖い!!」

博士「この研究所にはワシら以外に誰も」

助手「うわああああああああああああああ」ゾクゾク

博士「む、窓の外に人影が!!」

助手「ひゃあ!!」

博士「壁のシミが人の顔に!!」

助手「いやいやああああああ!!」

博士「ワシの顔、綺麗??」

助手「んなわけないじゃないですかあああああああああ」

博士「コックリさんコックリさん……」

助手「それ一人でやる遊びじゃないですから!!」

博士「ベートーベンの肖像がこっちを向いたぞ!!」

助手「怖い!! こんな貧乏な研究所に肖像画が飾ってあることが怖い!!」

博士「と、このように色々と起こります」ゼエゼエ

助手「い、今のは結構怖かったです」ゼエゼエ

博士「そうじゃろう」

助手「ふう」

博士「あ、足元にゴキブリが!!」

助手「ぎゃあ!!」

博士「そっち行ったぞ!!」

助手「新聞!! 新聞!!」

ベシッベシッ

博士「……」ゼエゼエ

助手「……」ゼエゼエ

博士「こ、怖いじゃろ??」

助手「え、これも自動怪談マシーンのせい!?」

博士「どうじゃったかな、自動怪談マシーンは」

助手「っ!! もう終わりですか」

博士「ページの都合というものがあるからのう、そろそろワシの散歩の時間じゃ」

助手「留守番してないとダメですか、私??」

博士「元気になったじゃろ??」

助手「んなわけないでしょう、まだちょっと怖いんですけど」

博士「がっはっは、まあいいじゃないか、それじゃあ行ってくるぞう」

助手「ああ、行っちゃった……」

ガチャリ

ガチャリ

博士「ただいま」

助手「あれ、ハカセ、忘れ物ですか」

博士「ん、いや、夜の散歩に行って来たんだよ」

助手「いやいやいや、さっき出て行ったばかりじゃないですか」

博士「さっき??」

助手「自動怪談マシーンで遊んで、それで、ついさっき」

博士「ワシ、1時間ほど前に出て行ったんじゃが」

助手「え??」

博士「助手君、君、誰と喋ってたんだね??」

助手「え??」

助手「そういえば今日はあまり会話がかみ合ってなかったような……」

助手「……え??」


【博士と助手 9】おわり

ちなみに>>159をよーく読むと……ブルブル

探し物屋さんの人?

>>162
はいな
探し物はなんですか♪

やべぇわからん

>>164
博士がいつもと違う笑い方をしているところにも注目

【博士と助手 10】


助手「ハカセ!! 水道が止められました!!」

博士「なんじゃと」

助手「水道料金払ってませんでしたっけ」

博士「ううむ、どうじゃったかな」

助手「曖昧なんですか!?」

博士「通達が来ていたような……来ていなかったような……」

助手「なんにせよ止まってます!!」

助手「非常事態です!!」

博士「まずい、朝の歯磨きができない」

助手「いや、そこはそんなに……」

博士「顔も洗えない!!」

助手「いつもそんなに気を使ってましたっけ」

博士「むむむ、お風呂も入れない……」

助手「ハカセは二日にいっぺんじゃないですか」

博士「そうだっけ」

助手「そうですよ」

博士「ご飯……炊けない……」

助手「そうですよ、ご飯がピンチです!!」

博士「朝は白米とみそ汁以外認めないぞ!!」

助手「パン派な私は平気ですが」

博士「白米!! 白米!!」

助手「でもご飯でパンを作る炊飯器も発明されていますよね」

博士「あれはあり!!」

助手「ありなんだ」

博士「今日の朝ご飯は??」

助手「水が使えないのでトーストとスクランブルエッグです」

博士「わーお、貧乏な研究所にしては素敵な朝食」

助手「ハカセがもっともっと発明してくれたら生活も楽になるんですけどねえ」

博士「……」

助手「なんですか??」

博士「いや、助手君、お母さんみたいだな、と思ってさ」

助手「誰がお母さんですか」

博士「お母さん、ケチャップとって」

助手「誰がお母さんですか」

……

助手「ハカセ、今度はガスが止められました」

博士「なんと!!」

助手「昨日はお風呂をなんとか我慢してやり過ごしましたが、ガスまで止まると……」

博士「ご飯が炊けない!!」

助手「ええ、それは昨日からです」

博士「みそ汁が沸かせない!!」

助手「ええ、それも昨日からです」

博士「むむう、これはピンチじゃ」

助手「発明でなんとかなりませんか??」

博士「あれは出したくなかったが……」

助手「え、なにかあるんですか!?」

博士「ワシの……人生一回きりの最終奥義じゃ!!」

助手「そんな最終回っぽく言われても!!」

博士「ジャカジャン!!」

助手「いつもより迫力がある!!」

博士「パンでご飯が作れる炊飯器!!」

助手「内容はいつも通りだった!!」

博士「つまりこれにパンを入れて炊くとご飯になるという……」

助手「逆バージョンですね」

博士「これはワシが初めて作ったんじゃ」

助手「まあ……そうでしょうね」

博士「というわけで助手君、ご飯を炊いてくれ」

助手「え、ええ、食パンしかありませんが」

ピーッ ピーッ

博士「どれどれ」パカ

助手「……確かにご飯ですね」

博士「うむ」

助手「ちょっと茶色いのが気になりますが」

博士「この際仕方ない」

助手「ちょっとパサパサしてます??」

博士「水が出ないから仕方ない」

助手「みそ汁はどうしますか」

博士「ジャカジャン!! 集水湯沸かし器!!」

助手「ほう」

博士「これを使うと、空気中の水分を集めて、湯が沸かせるという寸法じゃ」

助手「へえーすごいじゃないですか」

博士「じゃあこれで早速みそ汁を……」

助手「ん??」

博士「ん??」

助手「これ使えば、普通にお米が炊けましたよね」

博士「……ソウダネ」

助手「まさかわかってなかったのでは」

博士「……」

助手「図星ですね」

博士「ま、まあいいじゃないか」

博士「とりあえずスイッチオン」

ピッ

助手「どれくらいかかるんですか」

博士「ううん、実験してないから、よくわからないんだよねえ」

助手「まあ、気長に待ちましょう」

博士「それにしても、助手君、喉が乾かないかね」

助手「水が止まってますからねえ」

博士「肌もなんだかカサカサしてきたねえ」

助手「唇もカサカサに……」

博士「……」シオシオ

助手「……」シオシオ

助手「は、早く止めてください!!」シオシオ


【博士と助手 10】おわり

とりあえず区切りのよい10本でいったん終了ということで

とある状況下における会話劇を、誰か書いてほしいなあ(チラッ

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