前作
【安価】絵里「色々な百合カップルの聖夜を邪魔しに行く」希「それを見守る」
【安価】花陽「色々な百合カップルの食卓を邪魔する」凛「ご馳走になる」
思いついたまま書きます
知らないカプは調べるので遅くなります
ファンタジック&エロ
穂乃果の部屋――
穂乃果「……ふああ」ノビー
妖精さん「……ふああ」ノビー
穂乃果「緑色の妖精さんが見える……」ゴシゴシ
妖精さん「……人間さんに、朝チュンを邪魔したり応援したりする力を授けるです」
穂乃果「え? ことりちゃんがどうしたって?」
妖精さん「エロイムエッサイム……etc」
パアア――ピカ!
穂乃果「……ひゃ!」
サッ
穂乃果「眩しいッ……」チラ
穂乃果「あれ?」
穂乃果「いない……」
穂乃果「夢だったのかな……」
穂乃果「もう一回寝よう……」スヤ
カンカン!
穂乃果ママ「穂乃果ー!!! 起きなさい!!」
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穂乃果「わ!!」
ガバッ
ガチャ――
穂乃果ママ「学校遅刻するわよ……!」
穂乃果「は、はい……今、起きます起きる!」
ゴソゴソ――
学校
HR前――
穂乃果「うーみちゃん! ことりちゃーん!」
ガバッ
海未「なんですか、穂乃果?」
ことり「どうしたの?」
穂乃果「今朝ね変な夢を見たんだけど……あれ」
ことり「うん?」
穂乃果「なんだったけ?」
海未「穂乃果……?」
穂乃果「忘れちゃった……」
放課後――
部室
にこ「……今朝さ、変な夢見たんだけど」
真姫「どんなの?」
にこ「それが思い出せなくて……」
絵里「……」じッ
花陽「……」じッ
にこ「なによ? 二人して」
絵里「にこ……これを」
にこ「何、この紙切れは」
絵里「あなたに行ってきて欲しい百合カプリストよ」
花陽「穂乃果ちゃんと頑張ってきてね」
にこ「はいい?」
絵里「これは、誰かが必ずやらなければならないの」
花陽「手始めに>>5 安価下で行ってきてください」
絵里「行けば、あとは穂乃果がなんとかしてくれるから」
にこ「……え、いやあの?」
ガチャ―バン!
穂乃果「お疲れー!」
凛「お疲れにゃー!」
希「お、にこっちおったおった」
にこ「……ええ?」
ひびみく(前作の続きから)
穂乃果「どうやら、私たち大きな使命があるみたいだね!」
希「穂乃果ちゃん、その調子やで!」
穂乃果「ちょっと部活お休みすることになっちゃうけど、誰かのためだもんね。頑張るよ」
絵里(なんだか、主旨を理解していないようだけど)
花陽(まあ、大丈夫かな)
凛「ほら、にこちゃんも」
にこ「でええ? なんで、にこが……」ぶつぶつ
穂乃果「一緒に頑張ろうね!」
にこ「……かったるーい」
絵里「このリストはにこに渡しておくから」
凛「部室の窓から行けるにゃ」
にこ「窓ってあんた達何言ってんの?」
花陽「使命を果たせるまで、帰ってこれないけど。二人なら大丈夫だよ!」
グイグイ―
にこ「……は? え? ちょ? 押さないでよ」
トン―(窓から突き落とされた)
希「行ってらっしゃい」ヒラヒラ
にこ「え?」
ヒュ―――
響達の部屋――
ピチャッ
響「……未来、ここ、いい?」
未来「……うんッ……」
響「凄いよ……とろとろだ」
未来「……ッ」カア
響「こっち……向いて」
未来「……」プイ
響「拗ねてる?」
未来「まだ、許したわけじゃないもん……」
響「ごめんね……でも、裸で怒ってる未来可愛いなあ」ニコ
未来「もうッ……ひびき、ばか」
響「私の方がメロメロなのに……どうして、未来ばっかり怒るのさ」
未来「私の方が好きだから……だよ。響よりもずっと……好きだから」
響「……」ゾクゾク
未来「響?」
響「指、入れていい……?」
未来「……響の好きなようにしてくれていいんだよ」
響「ありがとう……」
ツプ――
未来「んツ……」
響(最初ちょっと痛がってる未来……が可愛いなんて、言ったら怒られるよね)
未来「あ、のね、あんまり、上から見ないで……」
響「可愛いよ……未来」
天井裏――
OTONA「いい眺めだな」
NINJA「右に同じです」
響達の部屋――
響「柔らかい……未来の身体はすごく柔らかいなあ」
スリスリ―
響「白くて……綺麗」
チュプチュプ―
未来「ん……ツ……ふうんツ」
ジュプ―
響「気持いの我慢してる顔……してる。声、出していいんだよ。ほら、乳首、こんなに立ってるのに」
クリッ
未来「ひぁ……ンアッ」ビク
響「……もう少し大きく早くするから」
じゅぷじゅぷ――
未来「いッ……あ」ビクビク
響「顔、歪ませて……はしたないなあ」ニコ
未来「見ないでッ………いッ」バッ
響「……ッねえ、キスしてくれないの? 未来」
ぱちゅッぱちゅッ!
未来「む……り……ん……ッふうん」
響「して欲しいなあ……」ゾク
ぐぽッぐちゅッ
未来「……ああッああッ……ひびきッ」
未来は秘所の刺激に耐えながら、
ゆっくりと起き上がり響に口付ける。
響「いい子……エッチの時はこんなに素直になるのにね。ご褒美」
響の手の動きがさらに早まる。
未来「や、あッあッああああッ……いやッ……やッ…くッ…いくッ…い」ビクビク
シュン――
ドサッ!!
穂乃果「……あいったあ」
にこ「……げふッ」
にこ「……どこよここ」
穂乃果「……お、応援しないと!」キョロキョロ
にこ「いや、何をよ」
穂乃果「それは……」
トントン
穂乃果「ふぇ?」
響「あ、あの?」
穂乃果「あ……」
にこ(全裸なんですけど全裸なんですけど全裸なんry)
穂乃果「えっと……えっとファイトだよ!!」ニコ
未来「……」
パリンッ
未来「誰、その女」カクン
響「み、未来ッ!?」
未来「……あは」
にこ「な、なんかしらんが……穂乃果逃げるわよ!」
穂乃果「え、え?!」
ドタタタタ!
未来「ひびき……」ニコ
響「え、え、ええ?」
アーーーー!
タタタタ――
にこ「はあッ……はあッ…」
穂乃果「ふー……」
にこ「……窓から落ちたら濡れ場なんて……聞いてないわよ」グタッ
穂乃果「あ、にこちゃん」
にこ「なによ」
穂乃果「メモに新しいカップルの名前が」
にこ「はあ? まだあるわけ……」
穂乃果「応援全然してないのに、クリアしたのかな……」
にこ「……次は>>18?」
穂乃果「今度こそ、応援するぞー!」
アリスと忍
じゃあなのハルト
きんモザ見たことないので見てくる
時間かかるので、今日はここまで
マイナー、王道、一回でたカプでもなんでも安価楽しみにしております
アインハルトの強い人への憧憬に合致してるでしょうヴィヴィオに色々聞いてると思うし
なのははなのはでああいうくそ真面目ちゃんはフェイトを思い出して
それに何よりほら憧れの先輩を娘が連れてきて、そのお母さん(23)が手を出すって燃えるだろふへへ
>>25
ほお(ゲス顔)
安価楽しみにしてる
にこ「応援って……なんでにこがこんな目に」
穂乃果「乗りかかった船だよ!」
にこ「拉致られて、目が覚めたら出航してただけだけどね……」
穂乃果「まあまあ。さあ、行こう!」
穂乃果は右手を差し出した。
にこ「……へいへい」
忍の部屋――
アリス「忍? もう寝た?」
忍「すー……」
アリス「寝ちゃってる……」
アリス「今日寒いから……一緒の布団で寝たかったのに」
忍「……すー」
アリス「起こすのは悪いよね……」
のそのそ
アリス「……そーっと」
忍「……」
アリス「忍って、寝てる時……すごく幸せそう」
つんつん
忍「……ン」
もぞ
アリス「ひゃッ……」ドキドキ
アリス「……忍さん?」
忍「すー……」
アリス「む……」
アリス(そう言えば、いつも私ばかりヤキモチ焼かされたり、焦ったり……なんだか割に合わない気がする)
アリス「忍……ずるい」
むに―ぐにぐに
忍「……はうん」
アリス「忍のほっぺよく伸びる……面白い」ニコニコ
ガチャ
アリス「……はッ!」クル
勇「……」ニコ
ガチャ
アリス「……あわわわ」ガクガク
アリス(見られた見られたッ)アセ
アリス(しかも無言で笑われた!)アセ
アリス「触らぬ神に祟りなし……?」
アリス「何も言われなかったってことは……問題はないってことだよネ?」
ぐにぐに
忍「……ふむむ」
アリス「し、しまった無意識に引っ張ったままだった……」
忍「……」パチ
アリス「あ」
グイッ―
アリス「きゃッ……」
ドサッ
忍「……キンパツむにゃ」ニコ
アリス「……き、キンパツならシノは誰でもいいの?」
忍「すー……」
アリス(私、寝てる人に何言ってるんだろう……)
アリス「シノ……」
スリ
アリス「いい匂いがする」
忍「ッん……」
アリス「……お、オジャマシマス」ドキドキ
モゾモゾ
アリス(合法的に……入れた。私、悪くないよ)
アリス(あったかーい……)
アリス(だ、抱きつかれたんだから……抱きつき返してもいいよね)
ギュウ―
アリス「柔らかい……」
アリス「……」キョロキョロ
アリス(勇はいないね……)
アリス(手とか……握っちゃったりして)
ギュ―
忍「……うんッ」
モゾモゾ
アリス「……ッ」バクバク
アリス(楽しくなってきた……)
忍「巨塔!」くわッ
アリス「ひゃああ!?」ビクビク
忍「すー……」
アリス「ね、寝言?」
アリス(どんな夢見てるの……)
――――
カチコチ
カチコチ
アリス(時計の音がやけにはっきり聞こえるよ)
アリス「シノ……最近構ってくれないよね」
アリス「私……シノに構って欲しいのに」
忍「……すー」
アリス「シノ……私、シノにもっと……抱きつかれたい。撫でてもらいたいんだよ」
スリスリ
アリス「なんて……ね」
忍「お安い御用ですよ?」
アリス「え?」
忍「喜んで」
アリス「……わ、わ、わ、わ」
忍「……」ニコ
アリス「……ご」
忍「アリス?」
アリス「ごめんなさいッ!?」
ガタタッ――ギュッ
忍「せっかく暖まっていたのに、出ちゃったら冷えてしまいますよ?」
アリス「し、シノ……いつから起きて」
忍「ずっと起きてましたよ? あ、もしかして気付かれてませんでした?」
アリス「全くわかんないよ!?」
忍「そうなんですね、なんだか少し会話が噛み合わないかなとは思ったのですが」
アリス(会話してた気配すらなかったんだけど……)
忍「アリスは甘えん坊さんですね。ちょっとムラムラしちゃいます」ニコ
アリス「べ、別に甘えん坊じゃ……ん? ムラムラ?」
忍「アリスの可愛いお口におしゃぶりをくわえさせて、抱っこしたりミルクを飲ませたり……という所までは想像できました」
アリス「な、なに、にゃにを言っているにょ!?」
忍「……」ニコ
アリス「動揺のあまり、噛んじゃったッ」
忍「似合うと思いますよ」
アリス「いやだよッ」
忍「赤ちゃんみたいに愛らしいアリスも好きなんですが」
アリス「赤ちゃんはやだ……」
忍「何ならいいんですか?」
アリス「普通でいいと思うよ……」
忍「普通でいいんですか?」
アリス「いいよッ」
忍「でも、そもそも何についての普通なんですか?」
アリス「ええ?!」
アリス(どうして原点回帰しちゃったのそこで……)
忍「?」
アリス「私とシノの関係というか付き合い方というか……」
忍「寝食や勉学を共にする関係でしょうか」
アリス「……あ、あのそれはフウフ的なあれやそれやでもいいの?」
忍「そうですね。私達は人種を超えた絆で結ばれていますし」
アリス「ホント!? 嬉しい!」
ダキッ
忍「でも、私的には奥さんと奥さんの旦那さんの上司という関係でもかまいません」
アリス「いやだよッ、そんなドロドロなの!」
忍「イギリス人の人妻に近づくのも……ありかと」
アリス「し、シノ」
忍「ちょっと試しにやってみましょう」ニコ
アリス「え、ええッ?」
ガタッ
忍「……奥さん」
ギシッ
アリス「え、まッ」ドキ
忍「……ご主人寝てしまいましたね」
フー
アリス「はう……耳に息吹きかけないでぇ」ゾクゾク
忍「最近、あまり構ってもらえてないんですよね?」
ゴソゴソ――
アリス(ししししシノ?!)ドキドキドキ
忍「私なら……満足させてあげられますよ?」
アリス「……きゅう」プシュー
忍「あれ? アリス? 大丈夫ですか?」
アリス「そういうのいいッ、そういう大人な感じッ、いらないよッ」
忍「お気に召しませんでしたか?」
アリス「チョイスがマニアック過ぎるからね……?」
キイ―
アリス「はッ……また勇」キョロ
穂乃果・にこ「……」じッ
アリス「……」
穂乃果「ファイトだよッ!」
アリス「……き、き、きゃあああああ!?」
――――
にこ「唐突にバカップルのイチャイチャを見させられたと思ったら、これよ」
穂乃果「もう少しで、捕まる所だったね。あ、次のが出てる」
カサッ
にこ「……やっぱり、応援じゃなくて邪魔したらクリアなんじゃないの」
穂乃果「次は>>42だねッ」
にこ「ここまできたら、とことん邪魔してやる……そうしなきゃ帰れないんなら。ふへへへッ」
うみまき
どうでもいいが最初のスレではほのまきが付き合ってたがどうするのだろうか
>>44
どうしましょうかね
眠いので寝ます
そういえば
ことり×小鳥(事務員)
とか有りなんだろうか・・・
>>49
クロス作品で萌えるん?
カプになる経緯がなくても燃えれるの?
それとも、経緯を捏造しまくってオッケーな感じ?
ドロドロ書くのは心が痛むので平行世界でいきますのん
穂乃果「にこちゃん笑い方変だよ?」
にこ「笑ってないと、やってらんないのよ!」
ギュウ―
穂乃果「に、にこちゃん首しまって……タンマッタンマッ」
にこ「遊んでる場合じゃないわ。さっさと行くわよ」
穂乃果「次は、海未ちゃんと真姫ちゃんだからね。慎重にいかないと」
にこ(あの二人だと……後が怖いわね)
穂乃果「怒らせないように、応援しないとね!」
にこ(こいつ、もはや分かっててやってるんじゃないかしら)
――学校
放課後――
2年の教室
海未「……はあ」
真姫「……」
カリカリ
海未「ふう……」
真姫「……」
カリカリ
海未「は……うむッ!?」バタバタ
真姫「タメ息禁止」
海未「……ゴメンなさい。歌詞が、真姫の曲に合うような歌詞が……特に、このサビのッ……あ、邪魔してしまい申し訳ありあませんッ」シュン
真姫「悩むのは別にいいのよ。ただ、吐息がエロすぎてこっちが集中できないだけで……」
海未「そうだったんですか……」
真姫「うん」
海未「……」
カリカリ
海未「エロッ?!」ガタッ
真姫「うん」
カリカリ
海未「ごほッ……ッ……」カア
真姫「歌詞でもっと凄いこと書いてるのに、これくらいで恥ずかしがらないで」
カリカリ
海未(書くのと聞くのとでは違うんです……)
ガタ――ストンッ
海未(……NO、NO……YES、YES……♪)
海未「……真姫?」
真姫「なによ」
海未「ちょっとこれから質問することに、全部YESで答えてもらっていいですか。新しい歌詞が作れそうな気がするんです……」
真姫「また、変なこと思いついたわね」
海未「変なことって、失礼ですよッ……もお」
真姫「ごめんごめんッ……」クスクス
海未「じゃあ、いきますよ。あなたは、真姫ですね」
真姫「はい」
海未「あなたは好きな人がいます」
真姫「い……いいえ」
海未「ぶー……はいって言ってください」ジッ
真姫(この、詩人……何考えてんのよ! ぶー、じゃないわよ! 滅茶苦茶可愛いじゃない!)
真姫「は……はい」カア
海未「娘が一人います」
真姫「はい……」
海未「お姫様になりたい」
真姫「……ッ……は、はい」プルプル
海未「王子様に乗って、白馬に会いに行きたい」
真姫(……はあ?!)
真姫「はい……」
海未「楽しいことが好き」
真姫「はい」
海未「μ’sのメンバーといるのが好き」
真姫「はい」
海未「穂乃果が好き」
真姫「はい」
海未「ことりが好き」
真姫「はい」
海未「にこが好き」
真姫「はい」
海未「絵里が好き」
真姫「はい」
海未「希が好き」
真姫「はい」
海未「花陽が好き」
真姫「はい」
海未「凛が好き」
真姫「……はい」
真姫(この流れだと最後は……)
海未「歌が好き」
真姫「なんでよッ!」
海未「な、なんですか」ビクッ
真姫「なんで、あなたがいないわけッ」
海未「え、だって……恥ずかしいですし」
真姫「言わせてよッ……」
海未「え、えっと……じゃ、じゃあ」
真姫「……ッ」ドキドキ
海未「わ、私のこと好きですか?」
真姫「……い、いいえ」グッ
海未「ええ!?」
真姫「ふ、ふん」プイ
海未「真姫ったら、それは酷くありませんか?」
真姫「こんな恥ずかしい目に合わせてる海未に言われたくないからッ」
海未「だ、だって真姫にしか頼めないですから……こんなこと」
真姫「だいたい、それで何が分かるのよ」
海未「あの……本当のことを言った時と、違うことを言った時のその人の表情を知りたくて……」
真姫「……ふーん」
海未「真姫は顔にすぐ出ますから」
真姫「出ないわよッ」
海未「ふふ……」
真姫「なに、その私は知ってますよ的な含み笑い……」
海未「いえ、ご協力感謝します」クスクス
真姫「感謝しなくてもいいけど……で、歌詞は思いついた?」
海未「ええ……おかげさまで閃きました。対話形式で書いていこうかなと思います」
真姫「へえ」
海未「できたら、一番にお見せしますね」ニコ
真姫「当たり前よ……真姫ちゃんがこれだけ付き合ったんだから」ドキ
海未「ふん……ふふん……ふん……♪」
カリカリ
真姫「あの」
海未「はい?」
真姫「キスしていい?」
カリカリ――ピタッ
海未「……」
真姫「……」
海未「……い、いやです」
真姫「な、なんでよ」
海未「ハレンチ極まりないからです!」
真姫「したくなったんだからしょうがないじゃない!」
海未「わー、わーッ」
ガタガタッ
真姫「耳塞ぎながら机の下に潜らなくたって……」
海未「古来から身を守るには机の下にと言いますから……」プルプル
真姫(怯えてるのもイイわね……)ドキドキ
海未「それに、ここ学校ですし、公共の場ですしッ」
真姫「寿司寿司うるさいのよ……」
ガタッ
海未「ひッ」
真姫「そこにいたら、立ち上がれないでしょ?」
ガタタッ
海未「……ッんう」
チュパッ――
真姫「あとさ、パ、パンツ見えてるけど……」
海未「?!」
バッ――ゴンッ!
海未「……ッい」プルプル
真姫「ぷ、馬鹿ね。何、頭打ってるの」
海未「真姫、私でからかうのは止めてと……」サスサス
真姫「いやよ……んッ」
海未「……んッむ……はあッ」
真姫「さっきのゲームの続き……キスしてほしい?」
海未「い……いいえ」
真姫「ぶー……あむッ……ッ」
海未「ん……はッ……あッ」
真姫「はいって、言わなかったらキスするから……」
海未「そ、そんな」
真姫「ほら、机の下から出て……椅子座って」
ガタガタッ―
海未「じ、尋問を受けているような気持ちです……」ブルブル
真姫「教室でするのが好き」
海未「……い」
真姫「……」ニヤ
海未「……は……い」カアア
真姫「キスだけじゃ物足りない」
海未「……ちがッ」
真姫「どうしたの? 違うなら、動揺せずにはいって言いなさいよ」
海未「はい……ぅッ」
真姫「へー……物足りないの! そうなんだ!」ニヤニヤ
海未「これはッ……あなたが」
真姫「無理やりされるのが好き」
海未「……そんな……ことッ」
真姫「いいのかしら」
海未「はいッ……」
真姫「ふーん、そういう趣味があったのね」
海未「真姫! これ以上は、怒りますよ?!」
真姫「ごめんごめん。じゃ、最後……わ、私とキスするの嫌?」
海未「……は、はい」チラ
真姫「……うッ」グス
海未「泣くほど悲しいなら最初から言わないでください!」
真姫「べ、別に……」
海未「ほら、もう帰りましょう……ね?」
真姫「帰したくない……」
海未「ななな……なッ……い、いやそもそもここは学校ですッ」
真姫「固いこと言わずに、もうちょっとだけ……一緒にいてよ」
海未「真姫、まって、あの、あの……!」
真姫「なんで、こんなに可愛くて綺麗な真姫ちゃんと一緒にいて……何も感じないのよッ」
海未「感じるも何も……私は」
真姫「私が……ここまで、やってるのにッ」
海未「え……」
真姫は、海未を後ろへと押し倒す。
海未は座ったまま天井を見上げた。
後頭部に、後ろの座席の机がこつんと当たる。
真姫「帰りたくないのよッ……」
ギュウ――
海未「ま……真姫」ドキドキ
真姫「私ばっかり……子どもみたい……嫌になるわ」
海未「……そんなことは」
真姫「……ふん」
海未「……」クスクス
ナデナデ――
真姫「……なによぅ」
海未「ありがとうございます……」
真姫「何のお礼よ」
海未「私も真姫も素直じゃない……それに先輩として、私は真姫に甘えたりできないんです……だから、こうやってぶつかってもらえて幸せだなって……」
真姫「鈍感先輩にはこれくらいしないと何も進まないからね……」
海未「やり過ぎてる所もありますけど……」
真姫「迷惑……だった?」チラ
海未「……いいえ」ニコ
コソコソ――
穂乃果「私の知ってる……海未ちゃんじゃない!」
にこ「……するならさっさとすることしなさいよね。とろとろと……たくッ」
穂乃果「海未ちゃん……」
にこ「なに、嫉妬?」
穂乃果「ううん……娘を嫁に出すお母さんの気分」
にこ(娘はあんたの方だけどね)
真姫「……海未」
スルッ
海未「手……あの、胸に……当たって」ゾクゾク
真姫「当ててるの……」
スリスリ
海未「あ……ッ」ビク
真姫は海未と向かい合うように、彼女の太ももへ跨った。
ついで、唇を寄せる。
キスをしながら、海未のシャツのボタンを手早く外していく。
真姫「止めなかった海未が悪いんだからね……」
真姫の手が海未のお尻をなぞった。
海未「おひ……りは」ビクン
真姫「……ねえ、ちょっと場所交代しましょ」
その言葉に、海未は首を傾げながらも移動する。
果たして、真姫の太ももの上に、海未が両足を広げて座ることになった。
真姫「やらしー……」
シャツの隙間から、海未の小さな胸を包むブラが見えた。
それに気がついたのか、さっと両腕で隠す。
海未「……ッ」
真姫は再び、彼女のお尻を掴み上げた。
今度は下着の下から。
柔らかく、しっとりとしていた。
真姫「今、どんな気持ち?」
海未「……誰か、来たら……窓から飛び降りようかと思っています」
真姫「……物騒すぎるでしょ」
海未「だって、誰かが覗いたりでもしたら……あ」
真姫「……なに?」クル
――教卓の裏
カタッ―
穂乃果「ば、ばれちゃった……あはは」ニコ
にこ「あんたら、今、どんな気持ちよ」ニコ
海未「……あうッ」クラッ
ガタタッ!!
真姫「穂乃果!? にこちゃん!?」
にこ「あんたらに、恨みはないけど邪魔させてもらうわうよ!」
真姫「ちょ、やッ」
にこ「にこちゃん特製、辛子れんこん!」
グポッ―
真姫「!?!?!」バタバタ
穂乃果「に、にこちゃん!?」
にこ「遺言があればどうぞ……」
真姫「……ぐむむうむむ!?!」モグモグ
にこ「何て言ってるかわからないわね」
真姫「からッ……す……ぎ」
トサッ―
海未「……は、離してください」グギギッ
穂乃果「早まらないで、海未ちゃん!」
にこ「……」
海未「こんな所を見られてしまったからには、生き恥にしかなりません!!」
穂乃果「ダメだよッ!! これから、真姫ちゃんとの素敵でハッピーな未来が待ってるんだから!」
にこ「……」
海未「真姫に伝えつくださいッ……先に行く、と」
穂乃果「海未ちゃん、なら、私も一緒に行くよ! 私と一緒に行っても何も変わらないかもしれないけど!」
にこ「……」
海未「だ、だめですッ……穂乃果は、穂乃果がいなくなったら色々な人が悲しみます!」
穂乃果「それは、海未ちゃんだって一緒だよッ。だって、私の最高の友達だからッ!」
海未「穂乃果……」
穂乃果「海未ちゃん!」
海未「ほのかあああ!」
穂乃果「うみちゃああん!」
海未「……所で、どうして教卓の裏にいたんでがはッ!?」
バタッ――
にこ「……やれやれよ」
穂乃果「ごめんね……邪魔するつもりなんて、なかったのに。ナンマンダブナンアンダブ」パンパン
にこ「叩くところじゃないから……」
穂乃果「どうして上手くいかないのかな」
にこ「いや、だいたい上手くいってるわよ」
穂乃果「ええ?」
カサカサ
にこ「なんか、どっと疲れたわね……さて、次のバカップルは……>>71」
東郷さんと園子
ちょっと抜けます
神樹の根本――
巫女「……それでは失礼いたします」
園子「ありがと~」
東郷「ありがとうございます」
巫女は一礼し、本殿へと戻っていった。
園子「……前は、有事の際にしか入れなかったのにね~。緩くなったね」
園子は神樹の幹を、まるでその辺りに生えてある杉やヒノキのように叩く。
東郷「そのっちが一度神格化された故の特別待遇なのではないかしら……」
園子「うーん、あ、ほら、ミノさんが通してくれたのかも~?」
東郷「……そうね」
園子「前に一度来た時は、緊張して手もぷるぷるだったっけ~……」
東郷「……そう言えば、私もとても緊張してたわ」
東郷もそっと、神樹に触れた。
何も感じないし頭にも入ってこない。ただ、少し暖かい。
園子「改めて見ると、迫力20パーセント割引……かなあー」
東郷「ぷッ……なによそれ」
彼女の前では、神樹様も何だか普通の樹に思えてしまう。
東郷は柔らかな思考に、口元が緩んだ。
園子「私たちが大きくなったからかも?」
東郷「考え方が変わったというのも多分に影響があると思うわ」
園子「ねえ、わっしー……」
東郷「なあに、そのっち」
園子「昔、……ミノさんは神樹様に抱かれて、私たちを見守ってくれてるって、担任の先生が言ってたの覚えてるー?」
東郷「……覚えてるわ」
園子「今も私たちのこと見てくれてるかなあ~」
東郷「もちろんよ……。ダメって言っても、『へっへっへ……良いではないか!』って見てるに決まってるわ」
園子「えー、似てなーい」
東郷「そう? 結構似てると思ったのだけど……そう、似てないのね、そう……」
園子「わっしーにおじさんは似合わないだけだよ~」
東郷「あなた、さらっと酷いことを言うわよね」
園子「でも、ミノおじさん好きだ~」
東郷「……うん」
東郷は園子を見た。
園子は神樹に自分の額を当てている。
何かを感じ取っているのか。
それとも、何かを感じ取りたいのか。
たぶん、それは――。
東郷「……そのっち」
東郷は思う。
己の記憶がなかった間、きっと彼女の心にいた三ノ輪銀が唯一の支えだったのではと。
園子「湯たんぽみたいだね~……」
五体に支障があった頃、彼女に会いに行った時、そんな話を一切してはこなかった。
大切な友を目の前にして、取り乱すことはなかった。
それが、乃木園子という人間。
園子「はーい、おすそわけー……ぴと~」
言って、額と額をくっつける。
東郷「暖かいわ……」
手と手を重ねる。
東郷美森は2つのひだまりを知っている。
それは、結城友奈であった。
そして、乃木園子であった。
園子「……ここは、なんだか平和だね~」
東郷「……でも、それを守るのが勇者」
彼女はきっと皮肉で言ったのではないのかもしれない。
東郷は、視線を落とす。
園子「わっしー……」
東郷の手に力が入る。
もし、もう一度、
あの戦いの場に出る日が来るなら。
このひだまりを守りたい。
乃木園子のあんな姿を、
もう一度だって、
見たくはない。
園子「怖い顔してるー……」
園子が東郷の頬を両手で挟み込む。
園子「わっしーは、抱え込みすぎるかなあー……あの時も、何もしてあげられなかったね……ごめんね。でもね、わっしーが……暴走してた時ね思ったんだー……きっと、私じゃない、新しい友達が助けてくれるって」
東郷は胸の奥がじわっと熱くなった。
東郷「そのっち……私」
園子「そうやって、順番こにね、支えられていくんだよ~。だからね……」
東郷「うん……」
園子「そのね……あの~……」
園子は言いよどむ。
手を離して、一歩二歩と、後ずさった。
東郷「どうしたの?」
園子「今度は、ずっとそばにいるからね~……」
そして、幸せを運んできそうな顔で笑った。
東郷は抱きしめられた。
そこには乃木園子がいて、
三ノ輪銀がいた。
東郷は目をつむって、受け止めた。
もっと早くに気がついていれば良かった。
忘れても、忘れられても、
無かったことになんてならないのだ。
目には見えない幸せというのは、
そういうものだったのだ。
風が木の葉を揺らす音。
近くの滝の音。
この世界の音。
そんなものに、やはりまだ未練を感じるのだ。
園子「……えへへへ」
東郷「?」
園子「動けるようになって、一番最初に抱きつきたかったんだ……」
東郷「これから、何度だって……できるわ」
園子「いいの~?」
東郷「遠慮してるの?」
園子「友奈ちゃんに……怒られないかなあー……」
東郷「……なんのこと?」
園子「もお~……ど・ん・か・ん」
と園子は東郷の頬に軽く口付ける。
東郷「……ッ!?」
東郷は飛び退いて、地面に盛り上がっていた根に躓いて後ろにひっくり返った。
見上げると、空に伸びる神樹の枝葉をバックにした園子のいやらしい笑顔。
園子「ミノさんナイスー……」
東郷「ええッ……? そんな、バカな」
園子「それでは……いただきまーす」
東郷「え? え? ええ?!」
園子は東郷に顔を近づけていく。
東郷「わ、な、わっしー!?」
東郷は目をつむった。
数秒固まる。
何も怒らない。
眼前で、
パシャッ―
という音。
東郷は恐る恐る目を開く。
携帯端末に、二人の姿が写っている。
園子「怯えてるわっしー可愛い~……みんなに送っておくねー」
と、手早く勇者部のSNSに流された。
東郷「こ、こら!」
園子はぱっと身軽に起き上がる。
園子「えへへー」
風のようにふわふわと逃げる。
東郷「も、もう、待ちなさい!」
園子「あ、みんなから返信きたよー……ぼたもち? ぼたもち? ぼたもちばっかりー?」
東郷「もー――!」
その後、二人ははしゃぎ過ぎて巫女に怒られた。
草葉の陰――
にこ「……」
穂乃果「……」
にこ「なんだろ……出れなかった」
穂乃果「よく分からないけど……穂乃果、涙が」
にこ「あんなの、邪魔できるわけないじゃない!」
ダン!
穂乃果「邪魔しちゃだめだよ!」
ダン!
にこ「……くそッ、このままじゃ帰れないってのに。かくなる上は、あの携帯を割るしか……」
穂乃果「に、にこちゃん……紙に次のカップルが出てるよ?」
にこ「……え、マジで? ラッキー……まあ、朝チュン未遂ってか、そこまでいってないしノーカン?」
穂乃果「次は……>>81」
ほむあん
ちょい質問
連続安価取りはどこまで可能?
あと>とあるシリーズではどれがおすすめのCP?
>>82
自分は、連続安価は基本何回でもいいです
誰かに指摘されたら譲ってあげればいいと思いますが
基本的に、このスレは安価に従います
とある?
みこイン一択です。
美琴佐天だろ何いってだ
>>83
そうですか
連続安価取り2回までの某安価スレ出身なので
僕はみこみさやアイテム派ですね
今日はここまでですのん
>>86
何だみさきち知らないのか
調べるとよいぞよ
美琴と食蜂さんのだ
あと、読まなくてもいい注意書き↓
CPと一緒に作品名を入れるとその作品のCPになりますが、
入れないと、1は同じ略称のCPの作品と間違える可能性があります。
間違っても面白いから確認は取りません。
間違って欲しくない人は、作品名も書いておいた方がいいですのん。
にこ「ほのまん……?」
穂乃果「違うよ、にこちゃん馬鹿だなあ。ほむあんだってば」
にこ「どっちでもいいわよ」
穂乃果「よくないよー!」
にこ「いいから、次行くわよ!」
ほむホーム――
夜―
ほむら「まどかあああ!!」
ガバッ
杏子「さやかあああ!!」
ガバッ
ほむら「はあッ……はあッ」
杏子「はあッ……ふうッ」
ほむら「あなた、うるさいわよ」
杏子「いや、その台詞そっくりそのまま返すわ」
ほむら「寝床を提供しているのは私なのよ?」
杏子「共闘してやってんだから、交換条件は満たされてるだろ」
ほむら「あなたが思い出せる範囲で思い出を語ろうとか言い始めるから……」
杏子「なんか懐かしくなって……けど、お前の寝言マジやばいだろ……『まどかあああ』って……くくくッ」
ほむら「何がおかしいの?」
杏子「いや、だってさ……」
ほむら「何が、おかしいの?」
杏子「え、あ……いや、なんでもないです」
ほむら「あなたこそよりにもよって『さやかあああ!』はないでしょ」
杏子「本当に、お前にだけは言われたくない!」
ほむら「目が冴えてしまったわね……」
杏子「……お、食うかい?」
ガサガサ――ポキッ
杏子「……」モグモグ
ほむら「……」
杏子「……」モグモグ
ほむら「はあッ……」
杏子「なんのため息だよ」
ほむら「また、あなたを歯医者に連れていかないといけないと思ったら」
杏子「は、歯医者?! い、いやだッ……行きたくない」
ほむら「じゃあ、食べるの止めなさい」
杏子「う……ぐ」
ほむら「貸しなさい、それ」
杏子「……うぐう」
スッ―ガサッ
ほむら「よろしい」
杏子「なんだよッ……何かにつけて歯医者歯医者って……お前はあたしのママかなんかか」
ほむら「私があなたの母親? 笑わせるわね。まあ、仮に私があなたの母親だったら、もう少し厳しくしつけてるけど」
杏子「犬扱いしやがって……」
ほむら「ほら、歯磨きしにいきなさい」
杏子「……ちッ」
ほむら「……」
杏子「……もう寝てやる」
ほむら「ダメに決まってるでしょ。あなたが虫歯になった時、お金を払うのは誰だと思っているの」
杏子「バイト……探すし」
ほむら「……」
カチン――
―
――
―――
杏子「お、おい」
ほむら「なによ」
杏子「なんで、身体が簀巻きにされてんだよ!」
ほむら「感謝しなさい。私が歯を磨いてあげるわ」
杏子「や、やめろおお!?」
ほむら「抵抗しなければ、痛くしないわ」
杏子「や、やだッ!? 自分でやるから!」
ほむら「叫んでも無駄よ。ここには私とあなたしかいないんだから」
杏子「や、やだやだ! さやかああ助けてええ!!」
バタバタ――
ほむら「ほら、口開けなさい」
ぐい
杏子「あががッ?!」
ほむら「私の家に住む以上、私がルールよ」
シャカシャカ――
杏子「あ……ッ……ふッ」
ほむら「全く、人の手を汚させて……」
シャカシャカ――
杏子「ひゃッ……はッ……ん」クテ
ほむら「……」
シャカシャカ――
杏子「やらッ……やめッ……んく」
ほむら「口の中にはね、性感帯があるって知ってる?」
シャカ―
杏子「ッ……」ビクン
ほむら「気持い?」
杏子「……ッ」ブンブン
ほむら「……そんな顔で否定されてもね」
杏子「はッ……ぁ……ッ」
ほむら「ほら、裏側もしっかり綺麗にしておかないと」
シャコシャコ―
杏子「……ッ」ゾクゾク
ほむら「擦れて、気持いんでしょ」
杏子「ッ…んッ」ビクビク
五分後――
ほむら「はい、終わり。うがいしなさい」
杏子「……ふぁッ……い」
フラフラ
ほむら「あら、弱いわね」
杏子「覚えてろ……よ」
ガラガラ――ペッ
ほむら「覚えないわよ。もう寝るんだから」
サラッ
杏子「口ん中が……ツルツルだ」ペロ
ほむら「それがマナー、それがエチケット、それが、セクシー」
杏子「ありがと……」
ほむら「礼には及ばないわ」
杏子「あの……さ」
ほむら「何」
杏子「おまえ、いい嫁さんになるよ」
ほむら「言われなくても、嫁ぎ先は決まってるから」
杏子「え、そうなのか? どこだよ」
ほむら「神様」
杏子「おまえ、死ぬのか……?」
ほむら「まあ、わからなくてもいいけど」
杏子「でも、まあ……祝福してやるよ」
ほむら「あなたのそう言う、大雑把な所嫌いじゃないわよ」
杏子「そいつは喜んでいいのか」
ほむら「友達が好きって言ってるんだから、喜べばいいんじゃないのかしら」
杏子「その意訳は……分かんないわ」
ほむら「でしょうね」
杏子「ほんと、可愛い性格してるよ」
ほむら「……」
杏子「お、照れたのか?」
ほむら「いえ、そんな皮肉で喜べる程、子どもではないわ……ただ、美樹さやかはチョロいなと改めて思っていたの」
杏子「おい、さやかのことを悪く言うなよ。私は、あいつのこと気に入ってんだから」
ほむら「可愛いってことよ」
杏子「なんだ、そうなのか」
ほむら(……)
ほむら「まどかには敵わないけど」
杏子「……あー、そのさやかもさ、ちょっと思い込み激しくて暴走するけどホント、いい奴でさ」
ほむら「まどかはキスをすると、身体を縮こまらせるの」
杏子「強引に押し倒した時なんか、子うさぎみたいにぷるぷるしたりして……」
ほむら「……」
杏子「……」
ほむら「会いたいなら、会いにいけば?」
杏子「おまえこそ」
ほむら「夜も遅いし、あなたで我慢してあげるわ」
杏子「なんだよ、それ……」
ほむら「ちょうどいい抱き枕さん」ニコ
杏子「へーへー……どうせ、私は代用品ですよ」
ゴソ――ギシッ
ほむら「……」
杏子「ほら、まどかがいなくて寂しいんだろ。もっとくっつけばいいじゃんか」
ほむら「杏子臭がするのよね」
杏子「おい」
ほむら「でも……嫌いじゃないわ」
杏子「……お、おう」
ほむら「嫌いではないのよ……」
杏子「そーかい……」
ギュ――
ガタッ―
にこ「……」
穂乃果「……」
にこ「また、入りにくい……」
トテトテ――
キュゥべえ「……」
穂乃果「……ね、猫?」
にこ「タヌキじゃない?」
キュゥべえ「なんてことだ」
にこ「しゃ、喋ってる……」
キュゥべえ「全く想定外だね。過去何度と繰り返された事象から、このような因果律を導き出すことは……不可能に近い。君たちは一体……どうして、存在しているんだい?」
穂乃果「な、何? どういうこと?」
キュゥべえ「今、初めて君たちという存在を認識した。これまで、認識できていなかったということかな。それとも、星の数のような確率のもとに、今、君たちはここにいるのかい?」
にこ「タヌキがわけわからんことを……」
ガチャッ――
にこ「はッ!」
ほむら「……」
ジャキッ―
杏子「誰だ!?」
チャキッ―
にこ「やばッ……」
穂乃果「……に、にこちゃん」
キュゥべえ「へえ、これは凄い。ここで消えるには、勿体ないね」
スタッ―
ほむら「あなたの仲間かしら? キュゥべえ」
キュゥべえ「いや、彼らは小石だ。因果という大河に、小石が流れ込めば……一体どれだけの現象が生まれるか、楽しみだよ」
杏子「わけわからんことを……!」
ほむら「消えなさい……」
チャキッ
にこ「穂乃果、次のバカップルは!?」
穂乃果「>>103だよ!」
みこみさ(とある)
ピカッ!
にこ「今度はなに?」
フヨフヨ――
妖精さん「人間さん……コッチー、こっちの水が甘いよー」
穂乃果・にこ「……」
妖精さん「早く来いなのー。光の中に飛び込むよろしー」
にこ「後ろも前もなんとやら……」
穂乃果「行こう、にこちゃん!」
ぐいッ
にこ「だあああ!?」
シュン――
学園都市――
第七学区
パリッ――
不良「おい、こいつホントにあの御坂美琴なんだよな」
不良2「いや、だって頭にカエル飼ってるし……電気だってビリビリ言ってるし」
ミサカ「……ゴホッ」
不良2「いや、でも二人がかりで倒せるわけないじゃんか?」
ミサカ「ミサカは……」くらッ
ドサッ
不良「ふ、不意打ちとは言え、あのレベル5の超電磁砲に、勝っただと……?」
不良2「や、やっぱ俺たちすげーよ!」
ピッ――
操祈「いやあね、こんな所に小汚いタヌキが……」
ミサカ「……うッ」
操祈「御坂さんてば……だらしないわねぇ。見てて、情けなくて、涙が出るわぁ……レベル5の名が泣くわよぉ? ちょっと、あなたたち」
ピッ―
不良「……こちらのお嬢さんをお運びすればよろしいでしょうか」
不良2「どこへお運びしましょうか」
操祈「まあ、こんな大きな磁石私の部屋には入らないしぃ。お家に戻してあげましょうか」
操祈「どうして、私がこんなことしなくちゃいけないのかしらぁ」
ビリリ――ドンッ
操祈「うん?」
ジャリッ―
美琴「あんた……食蜂……」ギリッ
操祈「……あら、あらら?」チラチラ
操祈(オリジナルじゃなかったの……)
美琴「うちの妹に……何したのよ……事と次第によっちゃあ」
ビリリ――
操祈(……えー、なんだか、メンドくさいことになっちゃった☆)
美琴「……はっ倒す」
操祈「あなただと思って、助けてみたけど、まあチンピラ二人にやられるようなたまではないか……」
美琴「はい……? 助けた?」
操祈「そうよぉ」
今日はここまで
8巻くらいまで
ちょっと読み返してみます
>>111
なるほど
とりあえず最新刊まで読むことをお勧めします
あるいは感想がのっているサイトでもOK
>>112
最高でした
美琴「寝言……?」
操祈「猜疑力に満ち溢れた目で見ないでくれるかしら」
美琴「そりゃ、クズみたいなあんたには……借りがあるし、あんたもそこまで人間のクズじゃないってことは知ってるけど。まさか、クズから女の子を守るとかって正義のヒーローがやりそうなことをあんたが……?」
操祈「3回もクズって言ったわねえ?」
美琴「いや、最後のはあんたに向けてじゃないし。あ、でもありがと」
操祈「取ってつけたようなお礼ねえ。寝覚めが悪くなっても嫌だから助けただけよ」
操祈(倒れてたのが別の人だったら放っておいたし……借りも作れるし)
ガタッ
ミサカ「……よいしょ、と立ち上がれミサカ! とミサカは己に喝を入れます」
フラッ
美琴・操祈「危ないッ」
ガシッ
ミサカ「すいません」
美琴「あんた、なんでボコられてたのよ?」
ミサカ「お使いの最中だったのですが、あまりにも空腹で、うっかり彼らの所持していたサンドウィッチにかぶりついてしまった所から、全ては始まってしまいました、とミサカは経緯を説明します」
操祈「……アホなのかしら」
美琴「はあッ……たく、あんたどこの施設よ。ちゃんとご飯もらってるの? 番号は? あー、いや番号は別に……いいんだけどさ」
ミサカ「機密事項なので言えません。他のミサカは口が軽すぎるのです、とミサカは胸を張ります」
美琴「珍しい、近年に希に見る責任感のある妹だわ……」
ミサカ「えへへ……それほどでも、とミサカは敬礼します」
操祈「どうでもいいけどお、大丈夫そうならもう行くから……」
ミサカ「あ」
ガシッ
操祈「何よ?」
ミサカ「ありがとうございます。良ければ、お礼をさせてください、ご飯くらいなら奢りますよ。お姉様が」
美琴「私かいッ」
操祈「結構よお。それに、あなたお使いとやらはいいのかしら?」
ミサカ「多少時間に余裕がありますので」
美琴「ちょっと、待ちなさいよ。私、まだ奢るなんて一言も」
ミサカ「え?」チラチラ
美琴「な、何よ」
ミサカ「奢ってくれないんですか?」
美琴「ず、図々しいのは……変わらないんかい。いいわよ、お姉ちゃんが奢ってやるわよ……」
操祈「……ぷッ……クスクス」
美琴「げえッ……あんたが笑う?」
操祈「御坂さんに似たんじゃないのお☆」
美琴「私は、もっと慎ましやかだっつーの」
操祈「あれだけ自分のやりたいよーにして、自分の意見を貫き通す癖にい?」
美琴「しょ、正直なのはいいことでしょ」
操祈「ホント、子どもよねえ」
ミサカ「そんなことより、ご飯食べましょう、とミサカは二人の間に入って両腕を拘束します」
ガシッ
ガシッ
操祈「……」
美琴「……」
ミサカ「……」ワクワク
操祈「なんで、ワクワクしてるのかしらあ」
美琴「たくッ……しゃーない」
操祈「……私、そんな妥協力高くないんだけどお」
美琴「いう割に、まんざらでもないって顔してるけど?」
操祈「そ、そんな顔してませんーッ」
ミサカ「どういう訳か、お二人と一緒にいると、とても幸福な気持ちになるのです、とミサカは心境を吐露します」
美琴「というわけで、3人でご飯食べに行くぞー!」
ミサカ「おー!」
操祈「勘弁してくださるかしらあ……」
――――
――
―
とあるファミレス
店員「お待たせしました。エビフライハンバーグセットになります」
ごとッ
美琴「ま、結局ここに落ち着くのよね」
ミサカ「おお、湯気の立つ食事、暖かいスープ……話には聞いていましたが素晴らしい」
操祈「こんなの普通でしょお。どんだけお粗末なもの食べて……」
ミサカ「いただだきます! と、手を合わせてミサカはエビフライに突撃します」
カチャカチャ
ちょっと抜けます
続きは夕方
店員「ミートスパゲティでございます」
コト
ミサカ「はい」
美琴「食べれるの?」
ミサカ「分かりません」
美琴「頼んだら残さないでよ?」
ミサカ「ミサカは食事を口からしたことがないので、自分の胃袋には一体どのくらい食べ物が入るのか、というのも確認したかったんです、とミサカはッ……うッ」
操祈「ちょ、ちょっとそれって……」
美琴「はッ……」
ミサカ「……うぐッ」
ドンドンッ
美琴「大丈夫?!」
ミサカ「つま、り……ま」
美琴「み、水ッ、いや、吐き出した方が」
ミサカ「……うッ……」
操祈「しっかり噛まないとお☆」
美琴「そんなこと言ってる場合か! ほら、ぺってしなさい、ぺって」
操祈「……」
ミサカ「……ッ」
ぺッ!
(自主規制)
店員「ありがとうございました……」ペコ
ウイーン
ピロピロピロ――
ミサカ「あー、やはりこうなってしまったか、とミサカはもったいないことをしたと悔しがります」
操祈「……酷いものを見たわ。自分の記憶改ざんしちゃおうかしら……」
美琴「食べれないなら、最初から言いなさいよ!? もらいゲロする所よ?!」
ミサカ「すいません。無理でも、無理を通せば、通るかと思いまして」
美琴「食道がもともと細くて短いなら、ちょっと考えりゃわかるでしょうが」
ミサカ「ミサカは最近目覚めたばかりで、あまり難しいことは。小学生のお遣いくらいしかできないのです」
美琴「目覚めたって……もともと、コールドスリープみたいな状態だったってこと?」
ミサカ「はい。1週間程前に目覚めました」
操祈「改めて量産されたってことではないの?」
ミサカ「それについても他言はできません。聞くだけ無駄かと」
操祈「どうにでもなるけど……」チラ
美琴「気になるけど、やらせないわよ」
操祈「はいはい☆」
ニャア
トテトテ――
ミサカ「にゃんこが……」
テコテコ
美琴「近づかないほうがいいわよ」
ミサカ「大丈夫ですよ、とミサカはゆっくりと近づき獲物を追い詰めます」
ナデナデ
猫「みゃあ……」
スリスリ
ミサカ「……へへへ」ニコ
美琴「あ、そっかあんたらは大丈夫か……て、そんなわけ」
美琴(あれ、でも……こいつの磁場、他の妹達よりもかなり小さい気がする。ううん、能力を持たない人間と同じくらい……どういうこと)
操祈「……」ニコ
トントン
美琴「言っとくけど……あんたには頼らないから」
操祈「ふーん……」
猫「にゃあ……」
操祈「ねえ、あなた」
ミサカ「何でしょう?」
操祈「さっきの喧嘩、どうやって戦ってたの?」
ピッ
美琴「やめ!?」
ミサカ「機密事項にあたります。ミサカの能力は出生後徐々に低下し、現在は補助器具を使って人工的に個体値を増幅させ、漸くレベル1として成り立っています」
ピッ
ミサカ「……よしよし」
ナデナデ
猫「にゃあん」
美琴「あんたね!」
グイッ
操祈「あれくらいいいでしょ」
美琴「良くないわよ。妹なんだから」
操祈「妹……ね。妹だったら、なおさら状況を把握しておかないといけないんじゃないのお」
美琴「あんたの親衛隊みたいに扱って欲しくないわねッ」
ビリ!
猫「にゃあ……ッ!?」
タタタタッ
ミサカ「おお、どこへ行かれる」
美琴「だいたい、あんたのやり方はいけすかないと……」
ブーーー!!!
ミサカ「にゃんこッ」
バッ
通行人「きゃあ?! 人が道路に!?」
美琴「やばッ!?」
ビリリリッ
操祈「……ッ」
ダダダッ
美琴「え」
キキキキィッ――!
美琴「ッだあありゃあ!」
ビリビリビリ!!
通行人「車が宙にッ?!」
ミサカ「わーお」
操祈「おバカッ。何、突っ立てるのお!」
グイッ
ミサカ「はい」
ギュ
タタタタ――
―――
――
美琴「馬鹿! 急に飛び出すやつがあるか!」
ミサカ「す、すいません。とミサカは平謝りします」ペコペコ
猫「にゃあ」
操祈「ミサカさんが猫の近くで電撃ぶっぱなすからでしょ☆」
美琴「それに関しては、完全に私が悪かったわよ! それに、食峰あんたも!」
操祈「何よ」
美琴「運動音痴が飛び出してんじゃないわよ! 私が走って助けた方が早いんだからッ! あんた、もし私が車止めてなかったらとか考えなかったわけ?!」
操祈「あなたは信用してないけど、あなたの野蛮力は定評があるし……それに」
美琴「それに?」
操祈「勝手に動いてたんだから……しょうがないわあ☆」チラ
ミサカ「ありがとうございます、とミサカは……あ」
美琴「今度はなに」
ミサカ「……」
サワサワ
ミサカ「頭のカエルが……ない」
操祈「これ、あなたのよねえ」
スッ
美琴「ゲコ太……」
ミサカ「おお、それです」
操祈「責任もって飼ってよねえ。カエルなんて触るのもイヤなんだから」
ミサカ「はい」ニコ
操祈「う……」プイ
美琴「あんた、もしかして……」
操祈「なにかしら」
美琴「それ拾うために……」
操祈「ななななんのことかしら☆」
美琴「目、むっちゃ泳いでるんですけど」
ミサカ「なんと、そうだったんですか。それは二重に感謝です、とミサカはその豊満なもちに顔を埋めるように抱擁します」
操祈「ちょ、ちょっと止めてくれるう?」
ジタバタ
美琴「あんた……脳みそでも書き換えたの? さっきから理解できないことばっかりなんですが」
操祈「……ちッ」
美琴「ちッ……て」
操祈「あなたがどうしようもないだけよお」
美琴「はあ?」
ミサカ「ああ、大変だ、とミサカはお遣いからそろそろ戻らねばならないことを告げます」
操祈「……明日も」
ミサカ「はい?」
操祈「ここに来るの?」
ミサカ「はい。この時間はここを通ります」
操祈「じゃあ、ここで待ってるから。海、行きましょう」
ミサカ「お遣いしながらでも構いませんか?」
操祈「ええ。御坂さんとここで待っているわねえ☆」
美琴「…………はい?」
翌日――
操祈「ごめーん、待ったあ☆?」
美琴「遅い!」
ミサカ「多少の遅れは大丈夫です」
美琴「たくッ……なんで、私まで……夕方はゲコ太のアニメが放映されるってのに……」
操祈「ださッ」
ミサカ「うわ、ださッ」
美琴「うっさい!!」
操祈「端末で見ればいいじゃない」
美琴「大きい画面で見たいのよ」
ミサカ「さて、まずは……」
美琴「……?」
ミサカ「自動販売機を蹴りに行きましょう」
操祈「……」
美琴「はい?」
ミサカ「あなたの日々の行動から学ぶべきものがあるはずらしいです、とミサカは機密をぺらぺらと話します」
美琴「……なんで、昨日は言わなかったのに……あ、ま、まさか食峰、あんた」
操祈「私たちだけに、機密を漏らすことができるよう書き換えておいたわあ☆」
美琴「また、勝手に……ッ」
今日はここまでですのん
みさみこ可愛いよみさみこ
用事無くなったのでもうちょい続けます
ミサカ「お二人とも、行きますよ」
操祈「はーい」
美琴「後で詳しく教えてもらうから」
操祈「やっぱり知りたいんじゃない」
美琴「あんたがどこまで知ったのか知っとく必要があるの」
操祈「私が言わなくても、いつか分かるわよ」
美琴「どういう……」
チェイサー!!
ボコンッ!!
美琴「……」クルッ
操祈「ぷくくッ……あなた、いつもこんな原始人みたいなことしてるのねえ……。お腹痛いッ……」
美琴「言っておくけど、私は……人のサンドウィッチをつまみ食いして喧嘩したことなんてないからね……」
ミサカ「それは、お遣いにはない行動ですので」
ぴょんぴょん
ミサカ「とてつもなく、足が痛いです、とミサカは涙目で訴えます」
美琴「蹴り方が下手なのよ。ここを、もっと鋭利に入れて……はッ」
ウー!
ウー!
美琴「逃げるわよ!!」
グイッ
操祈「ぐえッ……」
―――
――
ミサカ「なるほど、お姉さまはこうやって足腰を鍛えていたのですね、とミサカは感心します」ウンウン
操祈「どうりでえ」ウンウン
美琴「何が、どうりでなのよ!」
操祈「下半身が太いわッ?!」
美琴「もう一回言ってくれるかしらあ!?」
操祈「ひゃなしないさいよおッ!」
グググッ
美琴「あひゃまれえッ、わひゃしのかひゃんしんにあひゃまえ!」
グググッ
ミサカ「次は、彼と戦わないと……」
テクテク―
美琴「こ、こら、あんた、ちょっと、待って!」
タタタ―
操祈「ちょっと、置いていかないでくれるかしらあ☆」
―――
――
とあるスーパーの前
美琴「彼って、まさか……一方通行じゃ」
ミサカ「上条当麻ですよ。この時間帯はスーパーにいるはずです」
美琴「……」
操祈「あらあ、御坂さん嫉妬?」
美琴「ちが、そのッ……」カア
操祈「迷惑な中学生よねえ」
美琴「うッ」
ミサカ「あ、いました」
トテトテ――
上条「お、ミサカ妹」
ミサカ「いざ、尋常に勝負!」
上条「なにいいい!?」
ミサカ「問答無用!」
上条「じょ、冗談じゃない! 俺のバックには卵が1パック入ってんだぞ!!」
ダダダダッ!
ミサカ「待ちやがりなさい、とミサカは追いかけます」
美琴「……恥ずかしいから止めて欲しいんだけどッ!!」カア
タタタタッ
操祈「……あらあら、楽しそうにしちゃって☆」
上条「不幸だあああ!」
ミサカ「逃げるとは、勝負になりませんね!」
上条「やめてえええ!」
美琴「ほんと、うん、やめて……ッ」カア
操祈「痛いッ……はあッ……黒歴史……ねえッはあッ」
美琴「う、うわああんッ」ブワッ
操祈(も、もう走れないッ……)
ガクッ――ドサッ
美琴「何やってんのよ」
操祈「許可もなく、触らないで欲しいわあッ」
美琴「この虚弱女ッ。人の優しさを無下にするなっつーの」
操祈(……)チラ
上条「お前らあああ……助けてええ!」
ミサカ「わはははは」
ダダダダッ
操祈(楽しそうねえ……)
美琴「いつまでしがみついてんの」
操祈「……」
スクッ
操祈「言われなくてもお」
美琴「……」
操祈「土手を走り回って、まるで幼稚園児か小学生」
美琴「う……」
操祈「走るのもあんなに遅いしい。彼も、あえて合わせて逃げてあげてるし、ホントお人好しねえ」
美琴「ホント、お人好しのばかよッ」
操祈「……」
美琴「こらああ! アニメに間に合わなくなるんだから、さっさと海行くわよおお!!」
ミサカ「はーい! とミサカは両手を振ります」
上条「ほッ」
―――
――
シャアアア――
モノレールの中
美琴「……食峰」ボソボソ
操祈「なによ」
美琴「海って、言ってたけど……どこに連れてくのよ? 学園都市には」ボソボソ
操祈「そんなの分かってるわあ」
ミサカ「……すー」
操祈「次、降りるわよ」
ミサカ「ひゃ、はい……おっと、よだれが」パチ
とある駅
プシュー
ミサカ「よっと」
美琴「ここは……」
操祈「こっちよ」
―――
――
とあるスポーツセンター
インストラクター「いらっしゃいませ☆ ごゆっくりどうぞ☆」
美琴「顔パス?」
操祈「そうねえ」
美琴「……って、能力使ったわね!?」
ミサカ「おお、波の音が聞こえます」
美琴「はあ?」
ミサカ「海は近いです!」
タタタッ
美琴「こらッ、ばか。金払え!」
操祈「……入るわけじゃないわあ。ちょっと見学するだけよお☆」
美琴「どういう意味……?」
ガチャ
ギイ――
美琴「ここは……ただのプールじゃもごご」
ググッ
美琴「にゃにす」
操祈「……しッ」
ミサカ「……すごい。これが、海! とても広い! これが潮の香り! ミサカは興奮を隠せません!」
タタタタッ
美琴「……」
操祈「もう少し、いいでしょお」
美琴「なんで、わざわざ……海なんて嘘を」
操祈「楽しい思い出は多い方がいいじゃない☆」
美琴「どうして……」
操祈「……」
美琴「どうして、あの子にそこまでするの?」
操祈「説明しないと分からないのって、ホント面倒よねえ」
美琴「わかんないわよ」
操祈「御坂さんじゃなければ、口頭で言わなくても、脳に直接たたき込めたのに……はあ」
美琴「悪うござんした……ッ」
操祈(それに……ならそうしろって言うでしょうしねえ)
操祈「別に……海じゃなくても良かったけど。気まぐれよお」
操祈(ただの気まぐれ……私が見たかっただけ)
ミサカ「お姉さまー!」
パシャパシャ
美琴「あーあ、服が濡れてるし……」
操祈「あなたも行ってらっしゃい」
ケリッ――トン
美琴「へ?」
フラ
バシャアアアン!
ザバッ!
美琴「しょくほおおお!」
操祈「あはははッ!」
美琴「殺す!!」
バシャバシャ!
ミサカ「ほら、あなたも」
操祈「へ?」
グイッ
ドバシャアアアン!!
ザバア!
操祈「……」
ぽたぽた
美琴「ふえへへ!! いい気味よ!」
操祈「……っくしゅ」
ミサカ「そおい!」
バシャッ
操祈「きゃッ!」
ミサカ「わははははぶあ!?」
バシャシャ――
操祈「よくもやったわばふ!?」
バシャシャ――
美琴「こっちも、忘れないで欲しいわね?」
操祈「ふーん?」
美琴「はッ……」
客「……」
客「……」
美琴「ちょ、お客さん使うのはひきょぶあふ!?」
キャッキャ
バシャバシャッ
――――
―――
――
操祈「……ッつ」
美琴「疲れたああ」
ミサカ「みなさん、今日はありがとうございます。いい思い出ができました、とミサカは振り返ります」
美琴「普通に遊んだだけよ。礼なんて必要ないわ」
ミサカ「ふふ……さて、帰るか、とミサカは腰をあげます」
美琴「私も、ゲコ太見ないと……って、やばもうこんな時間なの!?」
ミサカ「お気をつけて、お姉様」
美琴「……ん、またね」
タタ、タ、タタタタ――
ミサカ「……」
フラッ――ポス
操祈「……どうだった、今日は?」
ミサカ「機密事項です。ミサカはお姉様と同じように振舞ったとしても、レベルをシフトすることは不可能。ミサカはレベル1として最終登録された後、廃棄処分予定です。心臓、胃、肺等、臓器にもいくつか問題があり、廃棄は時間の問題です」
操祈「……」
ミサカ「ですが……」
操祈「なによお」
ミサカ「他のミサカ達が言っていたように、お姉様というのはとても暖かいのだと知れて良かった」
ピッ―
ミサカ「……あなたも、今日は宝物が増えました。ありがとうございます。ミサカ史に残る最高の記憶です」
操祈「さようなら」
ミサカ「はい、さようなら」
テクテクテク――
操祈「記憶力なんて……邪魔なだけよぉ」ジワ
ツー
ポタポタ――
コソコソ――
穂乃果「……う、うう」ポロポロ
にこ「なに……泣いてんのよ」ポロポロ
穂乃果「にこちゃんこそ……」
にこ「泣いてなんか……」
穂乃果「こんなのって、ないようッ」
にこ「しッ……」
ザッザッ――
操祈「盗み聞きなんて、趣味悪いわぁ☆」
ゴシゴシ――
美琴「……どうして教えてくれなかったの」
操祈「教えた所で、何ができるの?」
美琴「それはッ」
操祈「……」クルッ
美琴「ッ……」
操祈「あなたが私の能力効かないのが悪いのよぉ」
スタスタ――
美琴「食峰……ッ」
グイッ
操祈「……」
美琴「あんた、なんでそんな顔……」
操祈(ほら、邪魔なだけ……)
コソコソ――
穂乃果「にこちゃん……」
にこ「あによ」
ゴシゴシ
穂乃果「次のカップルが……」
にこ「……おうよ。もう、邪魔とか応援とかへったくれもないわね」
穂乃果「次は>>145だよ……でも、邪魔も応援もできない時もあるんだね」
宇佐美奈々子と小日向縁(ろこどる)
>>1知らなかったらst
にこ「なにゃゆかね……あ、噛んだわけじゃないから」
穂乃果「……よし、次の人達には幸せになって欲しいよ!」
にこ「……そうね。邪魔しなくてもいいなら……いや、全てのカップルは何も考えなくても妬ましいけど」
穂乃果「行こう!」
にこ「ええ」
シュン――
流川市役所
奈々子「縁さん、明日の訪問の衣装……これで」
縁「なにゃちゃーん……サイズが合わない」
バンッ
奈々子「……うわあ!? 前から自己主張が激しかったのに、さらに主張しすぎるほど、しすぎてびっくりしました……」
縁「脱げないの……引っ張って?」
奈々子「何やってるんですか……もお」
グイッ
縁「きゃッ!?」
奈々子「あふッ!」
ドサッ
縁「あいたた……ホコリが、ごほごほッ」
奈々子「在庫の管理酷すぎです……」
縁「別のサイズのはどこかしら……」
奈々子「あ、これTって書いてあるので、Tシャツじゃないですか?」
縁「あ、そうかもしれないわね」
ヨジヨジ
奈々子「気をつけてくださいね……」
縁「ええ、大丈夫よ」
グラッ
奈々子「……縁さん!?」
縁「あ……」
奈々子「危ない!!」
縁「きゃああ?!」
ドササッ
今日はここまで
なにゃこの声がタマリマセンワー
縁「いったあ……」
奈々子「ッ……つ」
菜々子は苦悶の表情を浮かべた。
縁「奈々ちゃん!?」
奈々子「う、手首がぁ……」
縁「大丈夫?! 見せて?!」
縁は奈々子の手首に触れる。
奈々子「いッ……おほッ!? ほほッ?!」
痛みのせいか、菜々子は奇妙な声で鳴いた。
縁「……腫れてる」
奈々子「や、やってしまいました……」
縁「すぐに冷やしましょう!」
奈々子「だ、大丈夫ですよッ……捻挫だとッ……それより、イベントが」
縁「涙が出るくらい痛いんでしょ!? 大丈夫なわけないじゃない!」
奈々子「は、はい……」
その剣幕に押され、菜々子はこくりと頷いた。
痛みは酷かった。動かそうにも、手が震えて上手く曲がらない。
折れてはいないと思う。
たぶん。
縁「はい、乗って!」
奈々子「え、で、でも」
縁「いいから!」
自分の怪我したのは手首なのだが、
奈々子は縁の言葉に従って背中におぶさった。
その後、縁の呼んだタクシーですぐに近くの総合病院に連れていかれた。
病院に着いてからもおんぶしようとしてくれるものだから、
奈々子は縁を傷つけないように丁寧にお断りした。
奈々子「縁さーん、お待たせしました」
縁「ど、どうだった?」
奈々子「ただの捻挫でしたよ。一応レントゲンも取ってもらいましたけど、骨にも異常ないっててて?!」
縁は奈々子の肩を掴む。
縁「ほんと? ダンボールも上から降ってきたのよ? 頭とか、CTとかMRIとかそういうの大丈夫?」
奈々子「おおげさですって……もお」
縁「あッ!」
奈々子「?」
縁「ほっぺた、ちょっと擦り剥けてるじゃない……ッ」
奈々子は頬に左手を置いた。
奈々子「え? あ、いてッ……ほんとだ」
縁「……ほら」
奈々子「私、ホントドジで……縁さん?」
縁「あれは私のせいだったわ。ごめんなさい。この償いは一生かかって」
奈々子「ぶッ……何言ってるんですか。こんなの1、2ヶ月もあったら完治しますって」
縁「するの! させて? ねえ? お願いよ」
縁は奈々子を抱きしめる。
甘い香りに、奈々子は鼓動が早まる。
奈々子「で、でも不幸中の幸いで利き腕じゃなかったですし……気にしないでくだ」
縁「……もし、奈々ちゃんが私だったらどうする?」
奈々子「……えっとお」
奈々子は言いよどむ。
縁「そういうことよ……ね」
奈々子「縁さん……」
縁「そうと決まれば、奈々ちゃん家に住み込む準備をしないと……」
奈々子「……ま、待ってくださいって、き、聞いてない」
縁は顎に手を置いて、ぶつぶつと呟いている。
奈々子(……お、想いが重い、でも、こんな風に縁さんに心配されるのって……ありがたいことなんだろうなぁ)
奈々子「あのお」
縁「なあに?」
奈々子「良ければ、私が、縁さん家に……居候してみたいなあ、なんて……あ、迷惑じゃなかったらなんですけど」
奈々子(はッ、でも、縁さんのことだから、また……気を遣いすぎるくらい気を遣われて、至れりつくせりしてもらって……私、ダメ人間になってしまうかもしれない……)
奈々子「なーんちゃって……」
縁は携帯で素早く番号を打ち込んでいた。
奈々子「え? え?」
縁「あ、もしもし……私小日向縁と申しますが宇佐美奈々子さんのことで……あ、ええ、はい」
――――
―――
―
縁「奈々ちゃん! 大丈夫だって! 良かったわね!」
奈々子(じょ、冗談だったのに……うちの親ってば何考えてるの!?)
縁「理解のあるご両親でとても嬉しいわ……さて、さっそく荷物を取りにいきましょう」
縁は奈々子の左手を握る。
奈々子(わあー……どうしよう。もう、断れる雰囲気じゃないよ……)
奈々子はゆかりを見た。
縁はいたって真面目な顔だった。
奈々子(……そんな風に、一生懸命だと……何も言えないじゃないですか)
――――
――
縁「ごめんなさいね……」
病院を出てから、タクシーの中で縁が言った。
奈々子「なにがですか?」
縁「ホントは、かなり強引なのわかってるの……」
奈々子「縁さん?」
縁「あの、でも……奈々ちゃんのお世話ができると思ったら、嬉しくて……あの、つい……こんなこと」
彼女は顔を背けた。奈々子は視線を向ける。
窓ガラスには外の景色が流れていくだけ。
けれど、彼女の表情は奈々子には容易に想像がついた。
赤く染まる頬を思い浮かべ、少し可笑しくなった。
奈々子「ふふッ……騙されちゃいましたね」
縁「騙すなんて……そんな」
奈々子「ふつつかものですがよろしくお願いします」
縁がこちらを向いた。
やはり、想像通りだった。
夜になり、荷物も一通り運び終えた頃。
奈々子「……やっぱ広いなあ」
奈々子は縁の部屋で一緒に寝ることになった。
人が一人増えたというのに、荷物も余裕をもって収納できた。
部屋の扉を叩く音。
縁「ななちゃん、お夕飯にしましょうか」
奈々子「はい!」
縁「お口に会えばいいのだけれど……」
奈々子「縁さんの作ったものなら、美味しくないわけが無いですって」
縁「それはさすがに言い過ぎよ?」
奈々子「でも、手伝わなくて良かったんですか?」
縁「だって、食べるまでは秘密にしておきたいじゃない、ね」
縁は人差し指を唇に添えた。
奈々子(ほんと、可愛い人だなあ)
奈々子「でも、匂いでバレバレでしたよ」
縁「ええ?!」
奈々子「ハヤシライスですよね?」
縁「……ふ、ふふんどうかしらね」
奈々子「正解ですか? ハヤシライスですよね?」
縁「食べてからのお楽しみですーッ」
彼女は足早に部屋を出て行った。
奈々子「あ、縁さんってば、待ってくださいよーッ」
奈々子も後に続く。
―――
――
縁「ご飯、これくらいでいい?」
奈々子「ありがとうございます。でも、あの、自分でつげますから……」
縁「正解したから、ついであげます……」
奈々子「……匂いで分かっちゃたんですって」
奈々子は深々と頭を下げる。
縁「ごめんごめん、ちょっと拗ねてみただけ……ごめんなさい。変なの、舞い上がってるのかもね」
深い色の瞳が、細められた。
ふわふわのレースがついたエプロン姿の縁は、妙に扇情的だった。
奈々子は感じたことのない昂ぶりに、戸惑っていた。
奈々子(縁さん……人妻って感じだ。さしずめ、私は……娘?)
縁「……って、奈々ちゃん聞いてるの?」
奈々子「あ」
奈々子はいつの間にか、縁の腰のラインを見ていたことに気がつき、
さっと目をそらした。
奈々子(娘は……そんな所意識しないから)
縁「いただきます」
奈々子「いただきます」
縁「はい、あーん」
奈々子「って、なんで横に座ってるんですか!」
縁「食べさしてあげようかと」
奈々子「右手でも食べれるんですって」
縁「ええ……」
奈々子「あからさまに、がっかりしなくても」
縁「奈々ちゃんに甘えて欲しいのに……」
頭を垂れる。
今日はここまで
誤り
奈々子「右手でも食べれるんですって」
→奈々子「普通に食べれますって」
奈々子「あの、甘えるとか……その恥ずかしいじゃないですか」
縁「私と奈々ちゃんしかいないじゃない」
奈々子「だから、余計に気恥しいんですって!」
縁「……むう、分かったわ」
奈々子「ほッ」
縁は自分のお皿に視線を移す。
奈々子・縁「いただきます」
縁「あむっ……」
奈々子もスプーンでご飯とルーを半分ずつ乗せる。
奈々子「あん……んぐ……んー!すっごくマイルド!」
縁「ほんと!? 良かったあ……」
縁が笑う。
奈々子「……あ」
縁「どうしたの?」
奈々子「い、いえ。つ、ついついおかわりしたくなりますねー」
誤魔化すように奈々子は口の中に次々とかき込む。
縁「奈々ちゃん、ゆっくり食べないと」
奈々子「んぐ?!」
詰まった。
助けを求めるように、奈々子は左手で宙をかく。
縁「はい! お水!」
奈々子「……ごくっ! ごくっ! ぷはっ! た、助かりましたっ」
縁「もう、心配させないでよね」
奈々子「えへへ……」
縁「……そ、そんなに美味しかった?」
奈々子「え?」
奈々子(あ、なにか勘違いを……していらっしゃる……けど)
奈々子「は、はい! 縁さんの手料理すごく美味しいです!」
縁「わーい! 奈々ちゃんに褒められちゃった……っ」
彼女は子どものように喜ぶ。
奈々子(嬉しそうだなあ……)
縁「ふんふん……っ」
奈々子(鼻歌まで歌いだした)
縁「なに?」
奈々子「いえ」
縁「口、ついてるわよ?」
奈々子「え? どこですか?」
縁「もっと左」
奈々子「えっと」
縁「じっとしてて」
立ち上がって、ティッシュで口元を拭われる。
奈々子「あう」
奈々子は一瞬固まってしまった。
縁「はい、これでよし」
奈々子「こ、子ども扱いしてっ」
縁「してないわよ?」
奈々子「うそだあ」
縁「……どちらかというと、大人扱いしたんだけど」
奈々子「どういう意味ですか?」
縁「だから、その」
奈々子「縁さん?」
縁「こ、こいび……ごにょごにょ」
奈々子「え? 今、なんて?」
縁「奈々ちゃん、わざとなの?」
縁が顔を真っ赤にして睨んでくる。
奈々子(な、なに?)
縁「わ、私は、好きな人にされたら嬉しいなって思うことをしてるだけよ……」
聞こえるか聞こえないかという音量で、縁が言った。
奈々子は瞬時に自分の頬が熱くなったのを感じた。
奈々子「そ、そうですか」
縁「って、本にも書いてあったの」
奈々子「その本まだ使ってたんですかっ」
縁「だって、奈々ちゃんが何したら喜ぶかよくわからないんだもんっ」
奈々子(ど、ド直球にきたっ)
奈々子「いいですよ、自然にしてもらって」
縁「やだっ、もっと奈々ちゃんに構いたいもんっ」
奈々子「駄々っ子ですか」
奈々子(くす……どっちが子どもなんだか)
縁「奈々ちゃんは……ホントに鈍感なんだから」
縁は困ったように奈々子をじっと見つめた。
そして、小鳥のように小首を傾げる。
その仕草が愛おしくて、奈々子は目が離せなかった。
―――
――
就寝の時間となった。
奈々子「お風呂、手伝ってもらわなくても大丈夫だったんですよ?」
縁「着替えとか時間かかるじゃない」
奈々子「楽しんでましたよね?」
縁「なんのことだか分からないわ~」
奈々子「もお」
縁はベッドの下に、布団を敷いていく。
奈々子(あ、別々なんだ……)
縁「ん? あ、だめよ、私がやるからね」
奈々子「あ、はいっ」
奈々子(普通、別々だって……もー、何考えてるの私)
お風呂上がりの縁の匂いが、鼻をくすぐる。
柔らかな髪が、いつも以上にふわふわと目の前で踊っていた。
きっと、抱きしめたら柔らかくて気持ちがいいのだろう。
甘えてしまいたくなる。
奈々子「ゆ、縁さん……布団は」
ぷるるる――
縁「あら? 沙織さん……はい、もしもし。あ、はい、そうなんです。すいません。今週のは、ええ、そのように」
奈々子(……)
ふらりと、奈々子は縁に近づく。
香りにつられるように、ゆっくりと彼女の背後からお腹周りに腕を回した。
縁「ひゃっ、 あ、なんでもないですよ」
奈々子「……あったかい」
縁「っ……ん……さ、沙織さんっ、用件は以上ですか?」
奈々子は頬を縁の背中に当てた。
触れるたびに、自分の中に甘い痺れが生まれる。
縁「っで、ではおやすみなさいっ……奈々ちゃん!」
奈々子「は、はい!?」
驚いて、奈々子はぱっと離れた。
奈々子「にゃ、にゃんで……しょ」
縁「それは、私のセリフよ……?」
奈々子は目を泳がせながら、
奈々子(なぜか……沙織さんと話してると、寂しいというか……なんかやだなあって思って)
奈々子「抱き心地良さそうって思って……」
縁「奈々ちゃん、変態さん?」
奈々子「ひ、人のこと言えないですね……」
縁「湯冷めしたら風邪ひいちゃうから、もう寝ましょう」
奈々子「あ、あの……」
奈々子(……一緒にね)
奈々子「さ、沙織さんなんて?」
奈々子(も、もお、ばかっ)
縁「怪我のことで、ちょっとね。無理そうなら他のスタッフでカバーできそうだって」
奈々子「そうですかっ。ありがとうございます」
縁「いいえ。さ、電気消すわね」
部屋が暗闇と静寂に包まれる。
奈々子は、縁の方を向いていた。
奈々子「縁さん、今日は……いえ、いつもありがとうございます」
縁「こちらこそ、ありがとう」
少し眠たそうな声。
けれど、奈々子はついつい縁に話し掛けたくて、
いらぬ話しばかりをしてしまう。
奈々子「……それで、その人がすごく面白くて、私絶対縁さんにも見てほしかったんですよ……」
縁「そっかあ……」
奈々子(縁さん、眠そう……私も、寝ないと)
奈々子「縁さん、もう眠いですよね。ごめんなさいうるさくて……」
縁「……いいのよ。私ね、奈々ちゃんの声すごく安心するの……だから、いいのよ……」
奈々子(優しいなあ……)
縁「まだ……痛む?」
奈々子「あ、手ですか? こんなのもうへっちゃらですよ! りんごだって潰せちゃいます!」
縁「それは……すごーい……」
奈々子「……あの」
縁「んー……?」
奈々子「眠れないので、そっちに行ってもいいですか?」
縁「……あ、えっと」
布団の衣擦れの音。
目が暗闇に慣れてきて。縁がこちらを向いているのが分かった。
奈々子は上体だけを起こす。
縁と目が合った。
奈々子「だ、だめですか?」
縁「……ね、寝るのよね?」
奈々子「寝ますか……?」
縁「ね、寝ないの?」
奈々子「……寝るには寝ますけど」
縁「……あ、あの奈々ちゃん?」
縁は、奈々子が言わんとしていることが分かっているようだった。
だが、あえて明言を避けているように奈々子には思えた。
奈々子「なにも……しませんから。甘えて欲しいって、言いましたよね」
縁「言ったけど……私、あの」
奈々子「甘えていいですか」
縁が黙る。
少し経って、
縁「ど、どうぞ」
と彼女は言った。
心臓の音がうるさかった。
二人横になるには少し狭いため、
自然お互いの体がぴたりとくっつく形になった。
奈々子「布団、大丈夫ですか?」
縁「うん」
奈々子「抱きついてもいいですか……」
縁「え、ええ」
是か非かよく分からない返事だったが、奈々子はもぞもぞと体を動かす。
抱きしめると、縁の体が少し強張っているのが分かった。
緊張しているのだ。
奈々子は自身の緊張をほぐすように、笑った。
縁「奈々ちゃんのせいで……暑くなってきちゃった……」
ぽつりと言った。
奈々子「そうですか……?」
縁「も、もお」
奈々子「あったかくて、ちょうどいいです……」
縁の呼吸が耳をくすぐった。
彼女のあごの下あたりに頭を寄せる。
胸へと耳を当てる。
奈々子「どきどきしてますね」
縁「当たり前ですっ」
奈々子「えへへ……私もですよ」
縁「眠気がふっとんじゃったんだから……」
奈々子「すいません……」
奈々子は左手を支えに、少し体を起こす。
縁「な、なにかしら」
奈々子「……キス、したいです」
縁「え、えとえとえっとね……」
奈々子「嫌ですか?」
縁「そ、そんなこと」
奈々子「嫌ならしませんよ」
縁「い、嫌じゃないわっ」
奈々子「じゃあ」
縁にそれ以上何も言わせない。
彼女の湿った柔らかな唇は最初から一つだったかのようだ。
奈々子のそれと重なり合う。
縁「……っ」
と、縁が両手を自分の体に巻き付けた。
恥ずかしさに必死に耐えているのか。
人のことを言えた立場ではないが、それがあまりにも可愛いくて、奈々子は何度かついばむ。
奈々子「んっ……む」
ゆっくりと離す。
呼吸が少し乱れた。
縁が思ったより強く引っ張るので、奈々子は態勢を維持できずに、
彼女の上へ覆いかぶさるようになった。
奈々子「す、すいません。重たくないですか?」
柔らかな胸が当たっている。
こちらの胸が押しつぶされていた。
奈々子「……」
縁「だ、だいじょうぶ……っう、うん」
奈々子(片手だと、ちょっとしんどい……)
奈々子「あの、縁さん私の上に乗ってもらってもいいですか?」
縁「駄目よ……お、重たいわ」
奈々子「いいから」
強く言うと、縁は申し訳なさそうに奈々子の上に跨った。
奈々子「顔、近づけて」
縁は言う通りに動く。
さすがにキスは自分からできないようだった。
奈々子「……ここ、唇よせてください」
縁「はい……」
奈々子は幸せを噛みしめながら、キスをした。
縁もそれに応え始めていた。
舌先を恐る恐る、こちらと絡めてくる。
始めからもっと素直に甘えていれば良かった。
こんなに、可愛らしい縁が見れるなら。
奈々子「縁さん……可愛いです」
縁「それ……私のセリフなのに……っんぁ」
奈々子「っ……ふ」
縁「ひゃっ……ん……ちゅぱっ」
片手だけ、指を絡め合う。
いつもおっとりして天然な縁が、自分の
上で必死に頑張っている。
嬉しかった。
奈々子「触るのは……ありですか?」
縁「ど、どこを」
奈々子「こ、こことか」
ゆっくりと縁の脇腹や下腹を撫でた。
縁「ゃあっ!?」
縁がびくつく。
奈々子「ここも……」
胸の膨らみに手をかける。
触れるだけ。
縁「あのっ……あのっ」
あぷあぷと、縁が喋る。
奈々子「あ、ゆっくりで大丈夫ですからね……?」
縁「な、なんでそんなに落ち着いてるの、奈々ちゃんっ」
奈々子「縁さんに安心してもらいたいから……ですかね」
縁「そんな、そんなの……私、何も断れないっ」
奈々子「気を遣わなくても……」
縁「奈々ちゃんに、触ってもらうと……安心するのっ、き、気持ちいいのよっ」
奈々子「……ホントですかっ。私、嬉しいっ」
勢いのまま、奈々子は彼女の服越しに双丘を揉みしだく。
大きいほうが感じやすいのか、
縁「いっ……んっ……」
縁の喘ぎ声が奈々子の興奮をかき立てた。
奈々子「ふにょふにょ……」
奈々子は微笑む。
縁「奈々ちゃんだって……」
奈々子(私よりも何倍もふにょふにょ……くっ)
奈々子の手に力が入る。
縁「あああ!?」
奈々子「ご、ごめんなさいっ?!」
縁「はあっ……いえ、だ、だいじょうぶ」
奈々子「き、気持ち良かった?」
縁「……は、はい」
素直な縁に、奈々子は喉を鳴らす。
奈々子「……直接、触りたいです」
縁「だ、だめそれは……」
奈々子「なんでですか」
縁「私、今、汗かいちゃったし……」
奈々子「かまいませんよ……怖いですか?」
縁「怖くはないの……でも、あの本にこれ以上のことは……」
奈々子「私が教えるから……大丈夫ですよ」
奈々子は、縁の服の下に左手を入れる。
両腕を支えにして、跨っていた彼女はくたりと腰から折れた。
縁「くすぐっ……」
地肌が指に吸い付く。
胸の突起を見つけ、奈々子は内心はやる気持ちを抑えて、それを指の腹で転がした。
縁「っぁ……はっあ」
跳ねる。
彼女の唇を舐めながら、
もう一度転がすように乳房を揉みこんだ。
縁「っひ……」
奈々子「下も……触りますね」
縁「下は……だめっ……っ」
奈々子「……そうですか」
縁「あ、あの……いま、大変なことになってるからっ……ごにょごにょ」
奈々子「……どう、大変なんですか」
縁「だから……う」
奈々子「自分で……したこととかあります?」
縁「……な、何を」
奈々子「指、入れたりとか……」
縁「……あ、あの……あり、ま、す」
奈々子「正直ですね……誰のこと想って?」
縁「な、奈々ちゃんに決まってる……は、はしたない子だって……思ったわよね」
奈々子「ううん、そんなことない。嬉しいです」
縁の頭を撫でてやる。
恥ずかしそうに身を捩っていた。
奈々子「触ってもいい?」
縁「……ダメって言っても、奈々ちゃん触っちゃうんでしょっ……?」
奈々子「そんなことしませんから、安心してください」
縁は一呼吸置く。
縁「ダ……ダメじゃないよぉ」
甘えた声。
背中がぞくりとした。
奈々子「……指も入れちゃいますよ?」
彼女は何も言わず、一度だけ首を縦に振った。
奈々子「下、脱いでもらっても?」
縁「あ……」
縁は恐る恐る下半身に身に着けていたものを脱ぎ始めた。
暗がりでよく見えない。
奈々子は、自分のお腹の位置あたりに縁の柔らかい下半身を感じていた。
左手をまさぐり、茂みをかきわけて、すでに濡れそぼったそこにつぷりと指を埋め込んだ。
縁「……っ」
ぬるぬる。
2本ほど一気に入った。
指が締め付けられる。
奈々子「すご……あの動かしますね」
縁「……な、奈々ちゃん、ま」
奈々子「え」
上下に揺さぶる。
縁「あっ……ぁ……ぁ!?」
ぱちゅんと何度か蜜壺が弾けた。
奈々子「ご、ごめんなさい。いきなりでしたよね」
縁「……ちが、あの……変で」
奈々子「?」
縁「入れただけで……もう、だ、め……」
奈々子「……」
縁「も、抜いて……くれる?」
奈々子「あ、えっと」
奈々子は指を動かした。
縁「ひいんっ……っ?! な、奈々ちゃんっ!? だ、あっ、あっ」
奈々子「だめっ……て、ちゃんと何がダメが言ってくれないと分からないですよ」
ぐちぐちと、ひだに絡みつくぬめりをほじくり返す。
縁「あっ……いっ……やっ……くっ……」
奈々子「入れただけでイっちゃいそうだったんですか……? すごい、淫乱ですね」
縁「言わないでっ……あんっ」
奈々子(……あ、これけっこうしんどい……ゆ、腕がどんどん動かなく)
縁「……あ、やっ」
奈々子「え?」
奈々子がスピードを緩めるのと同時に、
縁の腰の動きが加わった。
彼女は自分で淫らに腰をくねらせる。
縁「や……こんなっ……奈々ちゃんに見られてるのに……っあンぐ」
もはや奈々子はほとんど動かさず、代わりに指を3本に増やしていた。
奈々子「縁さん……すごっ」
縁「奈々ちゃんっ……奈々ちゃん!」
自分の名前を呼び、一心不乱に快楽を求めている。
奈々子「縁さん……エッチ過ぎです」
縁「奈々ちゃんがっ……ぐちょぐちょって……してるっ……ンアっ!」
奈々子「縁さん、服を上にあげてくれませんか……」
彼女は動きながら、いう通りにする。
大きな胸がぷるりと姿を現した。
揺さぶるたび、腰を打ち付けるたび、それがぶるんとたゆたむ。
縁「い……っ……つぁ」
奈々子「イきそですか……」
縁「うんっ……ななひゃ……ななひゃあ……わたしっ……」
ゴドドン――!
ガタタ!!
にこ「あいった……また、このパターンっ……着地くらいどうにかならないのっ」
穂乃果「にこちゃん、立てる?」
縁「んあああ?!」ビクンビクン
奈々子「えええ?!」
にこ「……あんたら、そこまでよ! ぐへへ、こんな所で幸せそうに乳繰り合ってんじゃないわよ」
穂乃果「な、なんか顔がゲスいよにこちゃん!?」
にこ「おらおら!」
奈々子「……」
縁「……」
穂乃果「固まっちゃってる」
フリフリ
にこ「……珍しい反応ね」
奈々子「……」
縁「……」
にこ「運が悪かったわね」
穂乃果「あ、あの、どうぞ続けてください! 穂乃果達は、応援にきただけなんです!」
にこ「お、次のやつが……ん?」
『おめでとうございます。次でラストです』
穂乃果「あんまり応援できなかったなあ」
にこ「こ、これで帰れるの……や、やったあ」
穂乃果「次は>>188だよ!」
調と切歌
今日はここまでです。
これでこのシリーズはいったん休憩です。
ありがとうございました。
宣伝込みですが、たぶん「イメージプレイ 百合ver」と
「昼下がりの中学生 百合ver」の続編が終わったら再開します
そちらを読んでくださってる方も、ありがとうございます。
ではでは
にこ「穂乃果、あんたとの旅も長かったような短かったような」
穂乃果「私はまだ、にこちゃんと色々な所に行ってみたかったよ。楽しかったもん」
にこ「そ。私はもう懲り懲りだわ」
穂乃果「えー、そんなこと言わないでよお」
ギュウ―
にこ「絡みついてくんな!」
穂乃果「えへへ」
にこ「もう行くんだから、しゃきっとしなさいよ」
穂乃果「はーい」
とある更生施設――
――図書室
トタトタ―
切歌「調、こんなに天気がいい日に読書デスか……」
調「マリアは?」
パタン
切歌「出かけたデエス。保護司さん付きデスけど、二課の仕事を手伝いに行っちゃいましたよ」
調「そう」
パラパラ
切歌「……冷たい」
調「そんなことないけど」
切歌「調は前より、ちょっと大人しくなりましたデスねえ」
調「いつまでも子どものままではいられないから」
パラパラ
切歌「そんなにちっこいのに?」
調「安っぽい挑発には乗らない」
切歌「別に挑発したわけじゃ……あーあ、調は私より本の方がいいんデスねえー」
調「そんなこと言ってない」
切歌「いいんデスよいいんデスよ……私は寂しく、ボールペンでも組み立ててますから」
調「……なにそれ」
切歌「内職デェス」
調「面白そう」
切歌「やりますか?」
調「うん、やる」
パタン
切歌(こういうところ、ちょろいというか……可愛いデスよねえ」
調「きりちゃん」
切歌「なんデス?」
調「私、もっと勉強して……偉くなって、きりちゃんが幸せに生活にできるようにするから」
切歌「えーっと……」
調「言ってる意味、分かる?」
切歌「なんとなく……」
調「今度は私が守るから。いつか、二人で一緒に暮らそうね」
切歌「マリアは?」
調「……やっぱり、分かってない」
切歌「ふえ?」
調「別に、困るのはきりちゃんだからいいか……」
切歌「デエス?」
調「ふふ、教えてあーげない」
切歌「調のくせに、生意気な……ッ」
ギュウ――
調「くすぐったいよ」
切歌「ハグの刑デスッ」
グリグリ――
調「ッ……あははッ」
バタバタ
切歌「調は私には敵いませんデス。いわゆる常識デスね」
調「むッ……」
グイッ―
切歌「お? 私を投げ飛ばそうなんて、5年くらいは早……わあ?!」
グル――ズダン!!
切歌「った……」
調「……自分より小さい人間に押し倒される気分はどう?」
切歌「お嬢様は気が強いデスねえ……一体、図書室になにが置いてあるのか気になってきましたよ」
調「色々あるよ……それと、きりちゃんはちょっと、隙がありすぎるよ」
切歌「調?」
調「だから、こんな風に組み敷かれちゃうんだ」ニコ
切歌「し、調さんコワイデスよ……」
眠いのでいったんここまでデエス
調「どう料理してあげようか……」
切歌「あのぉ、こんな廊下のど真ん中だと……」
調「え?」
カツカツ
職員「きゃあ!? あ、あなたたち何してるの?!」
切歌・調「……」
―――
――
切歌達の部屋――
切歌「ほら、怒られたじゃないデスか」
調「ごめん」
切歌「いいデスけどねー」
調「びっくりしてたね、あの人」
切歌「というか……むしろ」
調「怖がってた」
切歌「……国連の保護観察官って言ってもただの人間だし、テロリストの『疑い』があった少女だなんて……何をしでかすか分からない……って感じデスよね」
調「切歌……」
切歌「別にあれが普通の反応デス。暖かい部屋と、作りおきじゃないご飯、清潔な服……こんな暮らしきっとあり得なかった……うんん、私たちにはあっちゃいけなかったとさえ思いますデスもん」
調「そんなことないよ」
切歌「……」
調「私たちが救おうとしたものの中には、私たちも含まれていたんだよ」
切歌「調……」
調「あの子たちが教えてくれたじゃない」
切歌「うん……」
調「切ちゃん、忘れちゃいけないものばかりだけど……切ちゃんと私が覚えてる限り、無くならないよ。思い出も、命も……綺麗なものも怖くて汚いものも」
切歌「でも、恐ろしいんデス……」
調「なにが?」
切歌「夢にも現れない、ここの施設で昔話をすることも無くなった……誰もが優しい。優しくて、甘くて、このまま、本当にいつか無かったことにしてしまったら……将来、何かのきっかけで思い出したとき……それが、幸せのど真ん中にいるときだったら……耐えられるかなって……」
調「……そう」
切歌は自分の身体を抱きしめる。
切歌「自分のこときっと許せないデス……」
調「……きりちゃんは、罰が欲しいの?」
切歌「……」
調の問いに、切歌は黙って頷いた。
調「じゃあこうしよう。忘れないように耐え続けることや、もし忘れてしまった時に、悲しい想いをするかもしれない。それに対して、自分を保ち続ける……それが私たちの罰」
切歌「それは、すごく大変そうデスね」
調「私がいるよ。ずっと。いつまでも、切歌の隣にいる……時々、マリアもいる」
切歌は両手で目元を拭う。
彼女の汚れの落ちた白い腕に、透明な涙が筋をつくった。
それを、調は『綺麗』だと思った。
コンコン――
切歌「わわわ……は、はい」
ガチャ
職員「面会者が来てますよ。えっと、立花響さんと――」
調「めんどくさいのがきた」
切歌「デス……」
職員「それから、お届けものも……」
切歌「?」
職員「……カップラーメン?」
調「誰から?」
職員「送り主は『ほのにこ』……?」
切歌・調「……誰?」
施設の受付――
響「いやー、昨日はびっくりしたねー」
未来「夢だったのかしらね……」
響「未来、もう怒ってない?」
未来「どうでしょう……」
響「み、みく……」
未来「うそ。もう怒ってないよ」
響「みくさああんッ」
ガバッ――
未来「きゃッ!?」
施設の外――
にこ「……まさかあの二人がいるとは」
穂乃果「……びっくりした」
にこ「長居は無用だわ」
パアアア!
妖精「人間さん。ご苦労様です。これ、少ないですけど、とっといてくださいです」
ガサッ
にこ「……給料袋」
穂乃果「わあ、帰ったらみんなでご飯食べにいこ!」
妖精「1、2、3でそのマンホールに飛び込むです」
にこ「げええ……!?」
穂乃果「よおおし! せーの」
がしッ
にこ「や、いや、乙女として!」
穂乃果「1、2、ジャンプ……!」
バッ!
部室――
絵里「にこ、大丈夫?」
にこ「あいたた……」
凛「穂乃果ちゃん、起きるにゃ」
パンパンパン!
穂乃果「あう!あう!あう!」
絵里「どう、良かった?」
にこ「良いわけあるか!」
フワッ
妖精さん「……次は誰を雇いますかねえ」
おわり
今回も色々書けて楽しかったです
なのハルトごめんよ。ちょっと書いてみたかった
他の安価とれなかった人達もどんなカプを知ってたのか
非常に興味あるけどいったん終わりです
ありがとうございました
ナディとエリス(エルカザド)とか
マリアとカナン(CANAAN)とか
バルクホルンとエーリカ(パンツ)とか
読みたかった……
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