穂乃果「えっきゅーさーん」絵里「チカー」 (22)
むかしむかしある音ノ木坂にそれはそれは賢いアイドルがおったそうな
みんなは親しみをこめて彼女を「えっきゅうさん」と呼んでいたそうな
絵里「今日もいい天気ね」
絵里「散歩に出たついでに亜里沙にほんまんでも買っていこうかしら」
絵里「えっと穂むらはこの角を曲がって…あら?」
凛「うわ~ん困ったにゃ~!」
花陽「ダレカタスケテェ!」
絵里「凛!花陽!どうしたの二人して」
凛「あっ!絵里ちゃ…じゃなかったえっきゅうさん!」
花陽「大変なの!これを見て!」
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ーこの橋わたるべからずー
絵里「これは…」
凛「穂むらの前の橋にこんな看板が立ってるの!」
花陽「凛ちゃんと穂むらに行こうと思ってたのにこれじゃ行けないよぅ」
絵里「いったい誰がこんなものを」
凛「ねぇ絵里ちゃ…じゃなくてえっきゅうさん、何とかして!」
花陽「タスケテェ!」
絵里「…よし!チョットマッテテ!」
絵里「う~~ん…」
チカ…チカ…チカ…チカ…
チカーーーーーー!
絵里「ひらめいたチカ!!」
ピポパポピ
prrrrrrrr
絵里「あっもしもし穂むらチカ?」
絵里「ほむまんを…そうチカ…3つお願いするチカ」
凛「すごいにゃ!さすがえっきゅうさん!」
花陽「橋が渡れないなら注文して持ってきてもらうんだね!」
絵里「これでもう安心チカ!亜里沙も喜ぶチカ」
絵里「あっ亜里沙の分も入れたらほむまん4つだったチカ」
見事なとんちを見せたえっきゅうさん
今日は街のお殿様矢澤様のところに招かれたそうな
なんでも先日のえきゅうさんの活躍を耳にした矢澤様が直々に招いたそうな
にこ「ふーん、あんた結構街じゃ有名みたね」
絵里「いえそんな」
にこ「別に謙遜しなくていいわよ」
にこ「むしろ今日はあんたの知恵が欲しかったから呼んだんだし」
絵里「私の?」
にこ「そっ街一番の賢さを持ってるっていうあんたのね」
絵里「はぁ…」
にこ(ぐぬぬこないだはよくも私の計画を邪魔してくれたわね)
にこ(予め穂むらの前の橋に看板を立てて置いてみんなが困り果ててるところに颯爽とにこが現れて)
にこ(看板を取り外しみんなの羨望と尊敬のまなざしを集めるこの完璧な計画を…)
にこ(最近アイドルグッズ買いすぎて年貢の取り立てを激しくしたから反発が高まってるっていうのに)
にこ(これじゃあにこの人気がどんどん下がっちゃうじゃない!)
にこ(ふふふ…今日はにこの邪魔をしてくれたお礼をたっぷりしてあげようじゃない!」
絵里「えっ?」
にこ「あっ!いや」
にこ「んっ、おっほん!」
にこ「今日あんたに来てもらったのはほかでもないわ…これを見なさい!」バッ
絵里「こっこれは!」
絵里「2013年7月24日発売ラブライブミニユニットBiBiの2ndシングル『Cutie Panther』!」
にこ「その通りよ」
にこ「って何よその説明…」
絵里「それでこのCDがいったい」
にこ「実はにこね、最近このCDにとーっても悩まされてるの」
にこ「これはにこが寝ているときのこと…」
ー夜ー
にこ「にこぉzzz」
ハァハァ
にこ「ううんっ」zzz
ハァハァニコチャンカワイイッ
にこ「うう~ん…何よぉ」
ハァハァペロペロチュッチュッ
にこ「うえっ!な、なに!?」ガバッ
ヴェッ!クッ!キョウハココマデネ!バイバイニコチャン、チュッ
にこ「な…何、いまの」
にこ「起きたら顔中よだれまみれ、服も乱れていたわ」
にこ「にこは確信したの…このCDから夜な夜なCutie Pantherがでてきてにこを食べようとしているって!」
絵里「ハラショー…」
にこ(ふふふなんてね…そんなことあるわけないじゃない)
にこ(まぁ確かに顔濡れたり服がはだけてたりしたことあるけどそれはきっと寝相が悪いだけよ…多分)
にこ「ふふっとにかく!あんたにこのCutie Panther退治をしてもらいたいってわけ」
にこ「確かに危険なことかもしれないけど」
にこ「街一番のとんちアイドルって言われてるんですもの、まさかできないなんて言わないわよねぇ?」
絵里「うーん」
にこ「お・ね・が・い・ニコ!」
絵里「ちょっと考えてみるわ…う~~ん」
チカ…チカ…チカ…チカ…
チカーーーーーー!
絵里「ひらめいたチカ!!」
絵里「割るチカ」
にこ「は?」
絵里「CDを割ってしまうチカ」
にこ「……」
絵里「CDを割ってしまうチカ」
にこ「あのねぇ…それは屏風の虎退治に屏風を燃やすってことよ」ヒクヒク
にこ「とんちも何もないじゃない!」バンッ
絵里「いやチカ怖いチカ」
絵里「急にCutie Pantherが飛び出して来たら危ないチカ」
にこ「にこぉ…」
CDは割られずえっきゅうさんはすぐに城を追い出されたそうな
えっきゅうさん今日は街のみんなと一緒に海未ちゃんさんの家にお呼ばれされたそうな
なんでも海未ちゃんさんがおいしい料理でおもてなししてくれるとかで
えっきゅうさん朝からお腹を空かせてやってきたそうな
絵里「ふふふ海未の料理楽しみね」
穂乃果「海未ちゃーんまだー?」チンチン
凛「お腹減ったにゃ~」チンチン
海未「食器を叩かない!お行儀が悪いですよ」
花陽「うわぁぁ!ごはん真っ白だよぉ」
ことり「この卵焼きもおいしそう~」
穂乃果「トーストもある!海未ちゃん流石!」
凛「お魚もあるけど…こっちのお肉はおいしそうにゃ!」
絵里「ダメよ凛、せっかく作ってもらったんだから全部食べないと」
凛「うぅ、は~い…」
海未「ふふっさぁ皆さん遠慮せずに食べてくださいね」
「「「いただきまーーっ海未「その前に」
海未「皆さんには少し頭を使ってもらいましょうか」
海未「適度な頭の疲労は食事をおいしくするとかしないとか」
穂乃果「ええー普通に食べさせてよぉ!」ブーブー
凛「そうにゃそうにゃ!」ブーブー
ことり「それで何をするの?」
花陽「うぅご飯が冷めちゃうよぉ」
海未「安心してください、他の物は普通に食べていただいて結構です」
海未「ただしこのお吸い物、これの食べ方に1つ条件を加えます」
絵里「条件?」
海未「はい、簡単なことです」
海未「ただこの蓋を開けずに食べればいいだけです」
「「「ええーー!!」」」
凛「そんなの無理に決まってるよぉ!」
花陽「蓋を開けずに食べるなんて…」
ことり「どうすればいいの?」
穂乃果「…」スッ
穂乃果「だって可能性感じたんだ~」
海未「ちなみにお残しは許しませんからね」ニコッ
穂乃果「ぐふ!」
絵里「うーん」
凛「こんな時こそえっきゅうさんの出番にゃ!」
ことり「えっきゅうさんお願ぁい!」
絵里「うーーん」
チカ…チカ…チカ…チカ…
絵里「う~ん」
凛「えっきゅうさん…」
チカ…チカ…チカ…チカ…
花陽「えっきゅうさんっ」
チカ…チカ…チカ…チカ…
ことり「えっきゅうさん!」
チカ…チカ…チカ…チカ…
海未(どう出ますか…)
チカ…チカ…チカ…チカ…
穂乃果「えっきゅーさーん!」
チカーーーーーー!
絵里「ひらめいたチカ!!」
絵里「ズルズル」
穂乃果「…」
絵里「グビグビ」
ことり「…」
絵里「ゴクゴク」
凛「…」
絵里「ズビズバ」
花陽「…」
絵里「プハッ蓋をしててもこうして傾ければ隙間から汁が漏れてきて飲めるチカ!」
海未「…」プルプル
絵里「ちょっと飲みにくいし具も食べられないけどおいしいチカ!」
海未「料理で遊ぼうとした私が悪いのでしょうか…」
ことり「あはは…」
凛「ちょっと頭ヤバくないかにゃ~?」
絵里「?みんな食べないチカ?」
花陽「わ、私はごはんだけあれば…あのっ」
穂乃果「穂乃果もパ、パンあるし!」
絵里「それじゃあ私がもらうチカ!」
絵里「ゴクゴク」
海未「…絵里、食後に話があります」
この後えっきゅうさんは海未ちゃんさんにたっぷりと食事マナーについて叱られたそうな
今日は季節感ないけどお正月
絵里「いい天気でよかったわね」
希「せやね、せっかくのお参りやし晴れてんとな」
絵里「希ったらいつになく上機嫌ね」
希「お正月の神社にはこの上なくスピリチュアルなパワーが溜まってるんよ」
希「えりちもそれを感じんといかんよ」
絵里「ふふっそうね」
絵里(今年もこうして無事にお正月を迎えられてよかったわ)
絵里(…でも待って)
絵里(今年もお正月を迎えたということは去年から1年という月日が流れたということ)
絵里(1年…それは確かに短い時間だけど…)
絵里(1年生きたということは1年死にも近づいたということじゃないの?)
絵里(そうよ、お正月とはいってもいいことばかりじゃないのよ)
絵里(お正月はまさに…そう…冥土への…)
希「えりちー?何考えてるん?」
希「お参りしたら帰ってお節がまっとるよー?」
絵里「!お節?食べるチカ!」
希「ふふ、えりちが喜んでくれたら作り甲斐があったよ」
希「ところでえりち、さっき何考えてたん?」
絵里「さっき?えーっと…」
絵里「忘れたチカ!」
希「えりちらしーなー」クスクス
絵里「笑っちゃダメチカ!」
おわり
このSSまとめへのコメント
これはpke