絵里「百万回の愛してるなんかよりも」 (24)

・初SS
・えりうみ
・超さっくり(多分10レスぐらい)
・地の文有り
・違和感はおやつでお願いします

拙い文章ですが、よろしければどうぞ

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海未「絵里、今日も生徒会の仕事を手伝っていただきありがとうございました」

絵里「ううん、たいしたことじゃないわ。穂乃果はお母様の調子が悪くてお店の手伝いが大変みたいだし、ことりは衣装作りでいそがしいし、しばらくはね」

海未「ふふっ、そう言ってもらえると助かります。―では、私はここで。また明日」

絵里「…ッ、海未!」

海未「はい、なんでしょうか?」

絵里「…あのね………」

絵里「いえ、なんでもないわ。また明日」

―――――――――――
絵里「はぁ…」

絵里「今日も、言えなかったわ…」

1人の帰り道になると、決まって自己嫌悪に陥ってしまう。
自分の意気地のなさに、ヘタレっぷりに。
いそがしい穂乃果とことりの代わりに生徒会の仕事を手伝うようになって数日が経った。
2人でする仕事は大変だったけど、私はとても幸せだった。
なにより、あなたに思いを伝える絶好のチャンスを手に入れることができた。

絵里「愛してる。」

    1人で何回呟いたのかももうわからないこの言葉。
隣にあなたがいるだけで、私はこの言葉を言えなくなってしまう。
隣であなたが聞いてくれなければ意味がないのに。

絵里「愛してる。愛してる。愛してる。…クスッ。そのうち口癖になっちゃいそうね」

絵里「そしたらあなたにも伝えられるかもしれないわね、なんて」

そんな伝え方を許さないのは私自身が一番わかっているけど
そして、2人で生徒会の仕事をする機会だって、もう後何回もないことだって、わかってるけど―

絵里「明日こそ、頑張りましょう…」

昨日も、一昨日も、その前の日も、同じことを言ったことを思い出し、深いため息をついて、私は自宅のドアを開けた。

―――――――――――

穂乃果「あ、もしもし、海未ちゃん? 今日はどうだったー?」

海未「今日も何もありませんでした…」

穂乃果「あー…やっぱり? 絵里ちゃんホントにヘタレだなぁ… 絵里ちゃんが海未ちゃんのこと好きなのなんてずっと前からみんなにバレバレなのに」

海未「待つほうの身にもなって欲しいものです」

穂乃果「もうさ、海未ちゃんから告白しちゃえばいいんじゃない?」

海未「…告白は、向こうからしてほしいです///」

穂乃果「…海未ちゃんって、意外と乙女だよねー」クスクス

海未「なっ…! 穂乃果ー!」

穂乃果「まあまあ落ち着いてよ。…ところでうちのお母さん、調子よくなってきたから、明後日から生徒会復帰するね!ことりちゃんも衣装作りの目処がついたから明後日から生徒会できるって!」

海未「はい、わかりました。正直2人だといろいろ間にあわなそうだったので助かります。お母様に、お大事にしてくださいと伝えて下さいね」

穂乃果「うん、ありがとう、伝えとくね!明日こそ絵里ちゃんが勇気出してくれるといいねー! じゃ、おやすみ!」

海未「そうですね/// では、おやすみなさい。」ピッ

海未「愛してる」

そう、口の中で小さく呟いてみる。
なんだか甘美で、それでいてくすぐったくて、少し切ない。
切ないのはきっと、この言葉を聞いてくれる人が隣にいないからだろう。

海未「愛してる、愛してる、愛してる」

私が欲しいのは、唯一つ、貴方からの"愛してる"なんです
早く、気付いて下さい

海未「明日こそ、お願いしますよ、絵里」
 
昨日も、一昨日も、その前の日も、同じことを言ったことを思い出し、思わず苦笑いをして、私は眠りについた。

―――――――――――

海未「今日はこのくらいにしましょうか」

絵里「ええ、そうね。丁度きりがいいし、帰りましょうか」

海未「はい。明日からは穂乃果とことりが生徒会に戻ってこれるので、明日から3人で頑張ればなんとか期限までに書類を処理できそうです。」

絵里「…そうなのね。それはよかったわ」

海未「それでは私は鍵を返してきますね」

絵里「ええ、お願いするわ」

突然告げられた、2人きりの時間の終わり。あと、チャンスは帰り道の十数分だけ―

絵里「覚悟を決めなさい、絢瀬絵里。きっと、これを逃したら私に次はないわ」

自分のことは、自分が一番わかってる。多分、ここで言わなくちゃ私はもう無理だろう。
だから―

絵里「海未に、気持ちを伝える」

―――――――――――

海未「絵里、今日までありがとうございました。」

絵里「ううん。私もいい勉強の息抜きになったから」

結局言い出せないままいつもの分かれ道まで来てしまった。
ここで言わなくちゃ、たとえフられたとしても伝えなかったことをずっと後悔するだろう。 

海未「…それでは、私はここで。」

絵里「…ッ! 海未、待って!」

言わなくちゃ、想いを伝えなくちゃ。この時が終わってしまう前に。

海未「はい、なんですか?」

絵里「あのね…私……」

なのに。

絵里「私ね……」

続く言葉が出ない。想いはとっくに溢れているのに。
怖い。
あなたに想いを伝えるのが。
怖い。
あなたにフられることが
怖い。
あなたとの仲が壊れてしまうかもしれないことが。

絵里「…グスッ…」

涙まで出てきてしまった。
何をやっているのだろうか私は。
後輩を呼び止めておいて、何も言わないと思ったらいきなり涙ぐむなんて
想いを伝えるんじゃなかったのか。
なんかもう虚しくなってきた。

海未「絵里…?どうしたのですか?」

あなたが一歩こちらに近づいてきて。
その顔はただ純粋に私を心配してくれていて。
とても、美しくて。ただ、抱きしめたい―そう思った。
もう、頭の中がぐちゃぐちゃで、わけがわからなくて、考える前に、体が動いていた

スレタイAqua Timezか

絵里「海未ッ…」ダキッ

あなたを抱きしめた。相変わらず伝えたい言葉は出せないけど、伝えたい想いだけはしっかり込めて。
あなたは最初すこし驚いていたが、抱きしめ返してくれた。
ああ、なんだかあったかくて、心がぽかぽかする。

海未「本当に…絵里はヘタレですね…」

海未「でも、貴方の想い、ちゃんと伝わってますよ。」

絵里「海未…」グスッ

海未「私の想いだって伝わっているでしょう?」ニコッ

絵里「ええ…!」ニコッ

海未「言葉にするのがまだ難しいなら、また抱きしめてください。私の傍に居てください。絵里の想いは、それで十分私に伝わりますから」ニコッ

絵里「海未…ありがとう…」グスッ

絵里「もう少し…このままで。想いを伝えさせて。」ギュッ

海未「はい…!私も、もっともっと絵里に届けたいです!」ギュ‐

愛してる―結局この言葉は伝えられなかったけど、愛してるの想いは伝えることが出来た。
言葉にこだわる必要なんてなくて、ただ抱きしめあえば、想いは伝わって幸せになれるんだなって―

以上で完結です。

>>15さんの言うとおり、スレタイ、内容はAqua Timez さんの等身大のラブソングにもろに影響をうけてます。是非聞いてみてください

言葉じゃなくて行為で示す愛、を書きたかったのです。 

でもやっぱ文章書くのは難しいですね、精進します。

読んでくれた方(いらっしゃれば)に最大限の感謝です。

では、機会があればまたどこかでお会いしましょう

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年02月10日 (火) 23:33:25   ID: rh_xobgr

えりうみやっぱり超いいな。

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