菜々「αρχη」 (12)

・とある曲をモチーフにしたモバマスSSです。

・短めです。お茶でも飲みながら時間つぶしにどうぞ。

・書き溜め有りです。順次投下していきます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1423134793

鏡の中の目をじっと見つめるように

不思議おかしな世界に迷いこんだ




ウサミン星からやって来た歌って踊れる声優アイドル、安部菜々17歳!です!

夢だったアイドル生活……もちろん大変な事も沢山ありますが、満喫しています!

けれど最近、悩みがあるんです。



私は、このままでいいのかなって。

君はだれ

何のため

ここに「いる」ってこと




私、恋をしました。

お相手は事務所のプロデューサーさん。

もちろんアイドルに恋愛はご法度で、片思いのまま伝えられずにいますけれど。

それでも彼の声に、彼の香りに、彼の横顔に。

どんどん惹かれていってしまう私がいるんです。

ほんとの場所はどこなの

謎は続く




これは単なるわがままなのです。

アイドル安部菜々は永遠の17歳。この「路線」でやっていくと決めたときに、

私はステージの上で死ぬ覚悟を決めました。

だから恋愛はしない。私は一人で余生を過ごすことになっても構わない。

でも。好きになってしまったものは仕方が無いんです。

惚れたら負けとはよく言ったものです。

とおい宇宙は色を手に入れて

追いかけても届かないもの




事務所にはたくさんのアイドルが所属していて、

私と同じ様に、声には出さないものの彼に恋心を抱いている人は少なくありません。

けれど彼は「アイドルとは付き合えないよ」の一点張り。

アイドルになったことを少し後悔したりもしました。

ぼくが住んでるのは

お月様じゃない

だけど決めつけるのも

違うのかも




アイドルを辞めれば、彼は私に振り向いてくれるだろうか。

私と人生の苦楽をともに歩んでくれるだろうか、なんて。

頭の中で辞めてしまえという自分と、夢を諦めるなという自分がせめぎあいます。

でも今日はライブ。小さな会場ではありますが、

ひとまずは頭を切り替えて、ファンの皆さんにアイドル安部菜々として

元気な姿を見せてこなくちゃですね。

太陽に恋する花綺麗で悲しくなる

ゆっくりと覗いたよ ふわふわのしっぽから



ぶわあっ。

サイリウムの光の津波が、ナナを飲み込みます。

ファンの皆さんの声援が、ナナを包み込みます。

ああ……ごめんなさい、プロデューサーさん。

私は、やっぱりアイドルという恋人のことを捨てられないみたいです。

うみ かぜ そら あお

くも とり はね しろ



嬉しい、楽しい、気持ちいい。

ファンの皆さんと飛び跳ねる一体感。

見せつけて、魅せつける存在感。

本当の年齢の事なんか忘れて、身体に羽根が生えたかのように。

ナナはステージの上を飛び回るのです。

ぼくにも不思議な手紙が来るかな

もう二度とない

時間にさよなら

今の願いを込めて



ナナは、ずるい女でしょうか。

思いを伝えてすらいないプロデューサーさんに一方的に別れを切り出し、

アイドルという恋人と添い遂げるのです。

だからこの恋心とはお別れ。そもそも、浮気はいけませんからね。

そう考えたらなんだか、気分が軽くなりました。

ありがとうございました、プロデューサーさん。

願わくば貴方に、そしてナナに。幸せな未来が訪れますように。

以上となります。

歌詞の元ネタとしては音ゲーの曲、「αρχη」よりお借りしました。

途中で菜々さんの一人称が「私」から「ナナ」に変わっているのは

意識の移り変わりを示しているつもりです。

元ネタの曲が幻想的で、自分がさまざまな音ゲーを始めるきっかけの曲で

どうしても書きたくなりました。

「αρχη」というタイトルが決まる前は、「うさぎとイデアのパズル」というタイトルだったらしく、

モバマスより菜々さんを使わせていただきました。

少しでも原曲のふわふわした感じ、何となく伝わる物悲しさが表現できていれば幸いです。

お風呂に行ってから、HTML依頼を出させていただきます。

短いスレではありましたが、ご覧くださってありがとうございました。

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