【新ジャンル】フランダースのわん娘(21)

ネロ「」

パトラッシュ(以下、パト子)「スー……スー……スーzzz」

ネロ(ok、落ち着けボク、これは思春期の男子特有の夢なんだ、目が覚めればいつものパトラッシュが枕元にいるはずなんだ……)

パト子「ふぁ~……朝……」

ネロ(パトラッシュと思われる女の子が起きた……いや、あれはパトラッシュじゃない、パトラッシュはもうちょっとモフモフしてて……)

パト子「…朝!ご主人起きる!!仕事行く!」ゆさゆさゆさ

ネロ(揺れまで感じる夢とは…現実で地震でも起きたのかな?アッハッハッハッ!小さなお手てだな!)

パト子「………ガウッ!」がぶっ

ネロ「痛い!?」ガバッ

パトラッシュ「あ!ご主人起きた~♪」

ネロ「夢じゃ……なさそうだな」

パト子「ご主人!おはよう!」

ネロ「しっかしこんな奇怪なことが起こるなんて……」

パト子「ご主人!おはよう!!」

ネロ「頼れるおじいさんは5日前から行方不明だしなぁ」

パト子「ご主人!!おはよう!!!」

ネロ「あ、ああ…おはよう」

パト子「挨拶大事、ちゃんと返事する」

ネロ「ごめんね」ナデナデ

パト子「わふぅ♪」ぱたぱた

ネロ「で、パトラッシュは何で自分がそういう風になったか分かる?」

パト子「分かんない、でも嬉しい!」

ネロ「はぁ…まあ、いっか」

パト子「ご主人、仕事行く!」

ネロ「そうだね、とりあえず牛乳運びに行くとするか」

ネロ「しまった、重大なことを忘れていた」

パト子「?」

ネロ「僕一人じゃ荷車は運べない」

パト子「パトラッシュ手伝う!」

ネロ「えっー、パトラッシュの見た目は僕より少し年下の女の子じゃないか、無理だよ」

パト子「大丈夫!任せる!」ふんすっ

ネロ「分かったよ、けど無茶しないでね」

道中

パト子「わふぅ♪わふぅ♪あっ!蝶々がいる!ほら、ご主人!」ガラッガラッ

ネロ「ちょっ、パトラッシュ…ゼェ…少しペース速…ゼェ……」ガラッガラッ

パト子「分かった!もっと速くする!!」ガララララッ

ネロ「違っ、痛っ!イテテテテッ!!ちょっ!引きずってる!引きずってる!」ズザザザザッ

アントワープ

ネロ「牛乳届けに来ましたよ」トントン

村人a「はいはい、いつもご苦労様、ってネロ、隣の子は誰だ?」

パト子「パトラッ…」むぎゅっ

ネロ「しばらく僕の家に泊まることになった従姉妹のパト子です」

パト子「こんにちは!」

村人a「おう!こんにちは!元気な嬢ちゃんだな!ほら二人分のパンだ」

ネロ「いつもありがとうございます」ペコッ

パト子「ありがとう!」にこっ

村人a「仕事がんばれよー」

帰路

ネロ「あー、やっと終わった」

パト子「ご主人、遊ぶ?」

ネロ「うん?うーん、今日は絵を描きたい気分かな」

パト子「パト子、ご主人の絵好き」

ネロ「それじゃあ今からモデルになるものを探しに行こうか」

パト子「出発しんこー!」

河辺

ネロ「ここら辺にしようかな…」

パト子「ご主人……眠い…」うとうと

ネロ「寝てていいよ、できたら起こすから」

パト子「…うん……」ごろんっ

ネロ「さーて、それじゃあ描きますかな」

数十分後

ネロ「パト子、起きて絵できたよ」ユサユサ

パト子「スー…スー…zzz」

ネロ「起きないな……困ったな、日も暮れてきたし…」

ネロ「仕方ないな、よいっしょっと…」

おい、とっと立て!!役立たずのグズめ!

パト子(疲れた…足に力が入らない……)

立てって言ってるんだ!この駄犬が!!

ドガッ バシッ ゴギィッ

パト子(痛い!痛いよ!!蹴らないで!叩かないで!)

働けないならお前に用は無い、代わりはいくらでもいるんだ使えない奴はそこで野垂れ死にな

パト子(………何で生まれて来たんだろう…)

パト子「!……わふぅ?夢?」

ネロ「あっ、やっと起きた」

パト子「ご主人……ごめんなさい…パト子迷惑かけた…」しゅん

ネロ「牛乳のタンクに比べれば全然軽いから、大丈夫だよ」ニコッ

パト子「………ご主人、パト子がもし働けなくなったら、パト子要らない?」

ネロ「君は僕がそういう風になったら僕から離れてのかい?」

パト子「ううん、そうなったらパト子、もっと頑張る、一人で働けるようになる」

ネロ「じゃあ僕も同じ……いや、君の2倍頑張るよ」

ネロ「実を言うと君がいなくなったら…、なんて想像するといつも泣きそうになるんだ」

ネロ「だからそういう質問は…」

パト子「……」こんっ

ネロ「のあっ!?」

ネロ「えっー、パト子さん?僕の頭からもうちょっと顔を離してもらっていいですかね?」

パト子「……いや」ぽろぽろ

ネロ「えっ?泣いてるの?」

パト子「……ぐすっ、ちがう…」ぽろぽろ

ネロ「じゃあ僕の頭はなんでだんだん濡れていくんでしょうね?」

パト子「雨……降ってる…」ぽろぽろ

ネロ「…そっか、君の顔のせいで上向けないから全然気付かなかったや」

ネロ「じゃあ、転ばないようにこのままゆっくり帰ろうか?」

パト子「…うん」こくり

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