幼馴染「偽物なんかじゃない!」(882)

男「俺の名前は男。性別はもちろん♂。体力抜群、知力最高、ただいま一押しのナイスガイさ」





友「っていう夢を見たのか」

男「う、うるさい。夢くらい見てもいいだろ」

友「夢見るのもいいけど進路決めねぇとな」

男「まだ一年の冬じゃんか」

友「二年には職場体験、進学のための準備。三年はもう受験と就活に追われる日々だぞ」

男「はぁ・・・・なんのための高校生活なんだかねぇ」

女「おはよう、二人とも。っていうどうしたの悟りを開いたみたいな顔して」

男「いや、なに・・・学生生活なんて灰色だったなぁって」

女「まだあと二年あるじゃない・・・というかウチのクラスに転校生が来るの知らないの?」

友「転校生ぇ?認められないわぁ!どうせ男なんだろ、もしくはもっさい女」

男「この時期に転校生か、あ、でも俺らって二年、三年もクラス替え無いんだよな」

女「うちの学科は特殊だからね。コロコロ変わるよりもその方が仲良くなれるしね」

友「はぁ・・・絶世の美少女とかが転校してくるんだったら良かったのになぁ」

男「絶世の美少女って・・・んな宝くじに当たるような期待なんてしてもしゃーねーよー」

男「ていうかうちにもわりと可愛い子はいるしな」


友「うーん、委員長に茶髪ちゃんにギャルちゃんくらいか?」

女「ほらほら、ここに可愛い子がいるよ♪」

友「あー可愛い可愛い、動物みたいで」

女「シャー!!!」


キーンコーンカーン


先生「では転校生を紹介する」

友「な・・・んだと」

ガヤガヤ

幼馴染「今日からこのクラスに転入します幼馴染といいます。よろしくお願いしますっ」

パチパチ

友「おいおい!男っ!俺たちの高校生活はまだ終わっちゃいなかったぜ!!へへっ」










男「な・・・ば、バカな・・・んなことあるわけ・・・」


友「目の前の女神が目に入らんのか!!そんなことがあるんだよ!」

男(バカな・・・彼女は・・・間違いなく今は日本にはいないはずなのに)




ーーーー


俺と幼馴染は
昔、同じ学区内に住んでおり幼稚園の頃からの幼馴染みだった。小学校でもずっと一緒で、よく遊んでいた。幼馴染は元気で明るい性格とは裏腹に体は病弱であまり激しい運動などできなかった。小学校に、上がってからも頻繁に学校を休むようになって
中学に上がる前に海外の大きな病院に入院することになったらしく、それ以後は連絡がとれなくなってしまっていた・・・


二度と会えないのかと
それが辛くて最初は立ち直ることができなかったが・・・周りの支えもあり
幼馴染がいない環境を受け入れられるようになっていった

ガヤガヤ

男「そしてこれか」

男「うーん・・・」

友「ちくしょー・・・みんな群がってるなぁ」

男(再会・・・)

男(なんだろう・・・込み上げてくるドキドキというか)

男(この落ち着かない感じ・・・)

男(一杯聞きたいことだってあるし、話したい)

男(よう!幼馴染!・・・いやあいつは俺のこと忘れてるかもしれないな)

男(久しぶりだな、忘れたろ?俺だよ。・・・うーんなんか違うな、気取りすぎかなぁ)


ーーーーー

ーー



幼馴染「へぇ?そうなんだー」

ガヤガヤ


友「下校時間になってもすげぇ人気。まぁ俺の知る限り最高の女の子だしな」

男「まぁまぁ、今すぐ関わることなんてないんじゃないか?ほら、転校生もそんなに相手できないだろうしさ」

友「先を越されたのは痛手だが、相手のこともかんがえないとな」

男(そうだな・・・慌てることはない。同じ学校で同じクラス。いくらでも機会はあるさ・・・)



自宅

男「でも話してぇぇぇぇ」

男「ぐぅぅぅ、どうしよどうしよ、なんだこの高揚感!!全然収まらないよ!!」

男「はぁ・・・一度座禅でも組むか」

男(けど・・・病気が治ったのならなんですぐにでも日本に帰ってこなかったのかな)

男(最近治ったばかりとか?いや・・・あんなに成長してたし、とてもベッドで寝たきりだとは・・・)

男(あああああ、いかん考えたら余計に悶々してきたじゃないかぁぁぁぁ!!)



翌日

友「よう!男・・・ってうわぁぁゾンビ!!」

男「やめろ・・ゾの付く言葉はやめろ」

友「どうしたんだよ・・・寝不足か」

男「まぁね・・・死にそう」

友「ああ、パッと見ゾンビにしか見えない」

男「だからゾの付く言葉はやめろっての」




???「・・・」コソコソ

ーーーーー

委員長「男2くんーおはよーございますー」

男2「ああ」

後輩「男2さんおはようございまーす!!今日も気だるそうですねー」

男2「ほっとけ」

ギャル「男2ーやっほー」ダキッ

後輩「なっ!ギャル先輩ずるい!」

委員長「あ、あなたたち!男2くんから離れなさい!」

男2「だーっ!もうほっといてくれっての!!」



友「ぐぬぬぬ、男2め、なんであいつはあんなにモテるんだ」






男(ふむぅ・・・幼馴染と何か話すきっかけでもあれば・・・)

友「顔だって普通くらいだし、むしろ俺の方がイケメンじゃないか?」

男(話すきっかけかぁ・・・何か委員会とかそういうのがあれば)

友「聞けよ人の話」

男「あ、ああ!イケメンがなんだって!?」

友「俺と男2、俺の方がイケメンだろ?」

男「男2??なんでまたやつの話を??」

友「アレだよ」

男「ん?」

キャッキャッ


男「あーあ、恒例のことじゃないか。というよりもすごいなぁ、あんなに女の子の取り巻き作って、軽い小説の主人公だな」

友「なんであいつはあんなハーレムを作れてるんだよ!!無気力というかいつも気だるそうにしてやがるのに」

友「なのになんでぇ!?女の子集まるのぉ!?」

男「彼女たちに聞けば万事解決だな」

友「顔赤らめて恥ずかしがる仕草し出したら俺は奴を葬るぜ」



男「返り討ちに合いそう」

友「なんでだよ!あんな中肉中背のやつに、総合格闘技舐めんなよ」

男「ほらなんか、こう主人公補正のような」

友「ホントにそんなものでなんとかされたら、俺人生卒業するわ」

男「格闘技をそんなことに使うなって言いたいんだよ」

友「わかってるよー。ていうかお前もジム通いつづけることができたらな・・・」

男「仕方ないって、母ちゃんのためさ。それに俺は俺で鈍らないようにしてるしな」

友「今度本気で喧嘩しようぜ」

男「喧嘩ってそういう風にやるもんじゃねぇだろ」

友「いいんだよ、気が向いたときにやるのが。それにお前とは試合ってのより喧嘩って方がしっくりくる」

男「ははは」




ーーーー

キーンコーンカーン
男「喧嘩かぁ・・・ずいぶんとしてないしなぁ」

男「体は鈍ってないとは思うけど、ぶたれるのはいやざんす・・・」


なぁ、いいだろ?付き合えよ

いやぁ・・・私はそういうことは・・・

男「ん?なんだなんだ」



不良「なぁ、付き合えよ。この辺じゃ結構顔利くしさ」

幼馴染「そ、そういうわけでは・・・というよりも、暴力とかは好きじゃ・・・ないかなぁというか」

不良「別にそんな喧嘩なんてしてねぇよ、この辺じゃ俺に喧嘩売ってくるやついねぇしさ」



男(はぁ・・・泣けてくる、いきなりあんなのに絡まれるとは、ポンコツなのは相変わらずなのか・・・)

男(ってそんなこと考えてる場合じゃなくて!)




グィ
幼馴染「いっ・・・」

不良「なぁ、良いじゃねぇかよ」

幼馴染「い、たいですよー先輩?、昨日少し話しただけじゃないですかー」

男「なにしてるのー」

不良「ぁあ?誰だお前」

幼馴染「!!!」

男「あ、こんなとこにいたのかよ幼馴染。探したんだぞ、今日はデートの約束じゃんか」

不良「あ?なんの話してるんだ?」




男「先輩勘弁してくださいよ。そいつ俺の幼馴染みでね中学の時から付き合ってるんですよ」(ええええええええええええ!!!なに言ってるの俺ぇええええ!!!死ぬの!?ねぇ、爆発するの!?)

不良「んなこと聞いてねぇぞ」

幼馴染「あ、ははは、ごめんなさい。転校してきたばかりだから、そんなこと言っても信じてもらえないかなって」

男「幼馴染、ちゃんと説明しないとだめだろ」

幼馴染「あはは、ごめんね」

不良「ちっ」


ーーーーー




男「・・・・・」

幼馴染「・・・・・」

男(・・・・・・・・空気が重すぎて胃が破裂しそおおおお)

男(どうしよ!どうしよ!成行であんなこと言ったけど・・・確実にドン引かれてるよな)

男(ああ・・・・幼馴染との再会がこんな最悪な形で終わるなんて・・)

男(・・・・嫌われたら・・・山に引きこもろう・・・)


幼馴染「・・・」じーっ

男「あ、ははは・・・えっとその、すみません、幼馴染・・・さん」

男「俺のせいでその・・・」

幼馴染「へぇ・・・再会なのに、ずいぶんと他人行儀だねぇ」

男「い、いえ!そんな!滅相もござぃましぇん!!」

幼馴染「はぁ・・・もう、普通に喋ってよ、男くん」


男「あ、ああ」(ああああ!!!幼馴染に男くんって言われたぁぁぁ!もう俺死んでもいいかも!今日から神様信じちゃう!)


男「えっと・・・久しぶりだよね」

幼馴染「4年振り・・・かな?」

男「そ、そうだよな。というか、海外とか・・・病気とか」



幼馴染「そうだよねー、男くんには黙って行っちゃったもんね」

男「いや・・・俺にいちいち話すってわけにもさ、いかないんじゃないかな、あ、はははは」

男「けど・・・元気になってくれて良かったよ」

幼馴染「男くん・・・」


幼馴染「ふふっ?ん、今じゃ、普通にスポーツ
だってできちゃうぞー」

男「ほうほう」

幼馴染との再会はこんな感じでほのぼの?
としたものだったけど・・・

翌日とんでもないことになっていた


ーーーー
翌日
男「はひぃぃ、遅刻するぅー」

ガヤガヤ

ヒソヒソ

男「え・・・なんだ?」

あいつが?
ほんとかよ

男(な、なんだなんだ・・・俺が何をしたっていうんだ??)

友「男・・・お前だけは俺の親友だと思っていたのに」

男「ひぃぃぃ、な、なんだ・・・友か。ど、どうしたんだよ阿修羅のような形相で」

友「貴様・・・俺にまで内緒で・・・あんな可愛い幼馴染さんと幼馴染みで、あまつさえ付き合ってるなんて・・・」

友「ひぐぅぎぃぎぃぃぃい、ぐぬぅぅぅ」

男「もちつけ!じゃないや、落ち着け!声になってないぞ!」

男「ちょ、ちょっと待ってくれ!誰からそんなこと聞いたんだよ!!」

友「学校中全員知ってっぞ!ゴルァ!!」

男(あれぇ?ど、どういうことだ!?いや・・・確かに昨日幼馴染を助けるためにそんなようなこと言ったけど)

男(どっから漏れた!?不良!?目撃者!?昨日の晩飯なんだっけ!?)

友「おめぇ!ほんとに付き合ってるのか!!」

男「・・・あ、ああ!つ、付き合ってるぞ」

友「!!」

友「な、・・・そ、それならなんで俺に言わないんだよ!」

友「そういうことなら、話してくれればクラスでだって話せたじゃないか!!」

男「いや、ほらさ、あんまバレたくないじゃんか」

男「みんなヤイヤイ言うしさ」

友「まぁそうだな。ったく、そうかぁ幼馴染みなのかぁ。羨ましいぞ」

男「ははは、まぁな」

幼馴染「あ、男くん!」
タッタッタッ

男「わ、幼馴染・・・ぃぃぃいいいい!?!?」
グィ
ダッダッダ




友「・・・・」

友「リア充め」

屋上


幼馴染「なぜだか、朝登校したら、なんとびっくり」

幼馴染「私が男くんの彼女さんということになってるじゃないですか」

男「は・・・はい・・・そ、そのようですね」小声
幼馴染「なに?聞こえない」

男「ひぃぃ・・・」

幼馴染「そんな立派な体格してるのに、そんな小声で」


男(こ、怖いよぅ・・・俺の幼馴染たんはどこへやら)

幼馴染「とまぁ・・・からかうのはここまでにして」

男「からかってただけかよ!!」

幼馴染「さてと、この状況をどうしたものか」

男「やっぱり、昨日のあれが原因かな」

幼馴染「あの先輩あたりかなぁ・・・」

男「はぁ・・・いくらなんでも周りにぶちまけなくてもいいのになぁ」

幼馴染「ちょっとイラつくし、シメとく?」

男「なにサラッと言ってるの・・・」

幼馴染「うそうそ♪でもまぁ、周りから結構男の子とか言い寄ってくる子多かったし」

幼馴染「さすがに、ここまで多いとちょっとなぁって思ってたところだったんだよね」

男「そうなのか?」

幼馴染「昨日だけでもあの先輩以外にも5人近くに告白されたんだよね」

幼馴染「他にもほとんどの男の子から連絡先交換しよって言ってきたし」

男「ま、まじかよ」

幼馴染「ちょっと困ってたからさ、これで少しはなくなるかな?」

男「どうだろうな?相手が俺だしな」

幼馴染「??なんで??男くんが相手じゃだめなの??」

男「だって、俺なんて大して目立つようなやつでもないよ?イケメンってわけじゃないし」(むしろ普通でも下のほうだと)

幼馴染「それはみんな見る目がないんだよ。顔で選ぶ人なんてだめだよ」

男「中々手厳しいな」クスッ

幼馴染「このまま、続ける?」

男「え?なにが??」

幼馴染「恋人」

男「え!?」

幼馴染「のフリ♪」

男「あ、ああ。そ、そうだな」

男「けど、幼馴染はいいのか」

幼馴染「私?」

男「転校してきて、恋人がいましたーってなると、結構周りも騒ぎ立てるだろうし」

幼馴染「良いよ全然。むしろ言い寄ってくる人がいなくなって、気が楽かな?」

男「気が楽って」

幼馴染「それの知らない相手じゃないしね♪」

男(なんだろうな・・・信用されてるのか、利用されてるのか)

男(幼馴染って・・・こんな子だったっけ・・・)

幼馴染「これから仮初めだけど、よろしくね」

男「おう・・・よろしくな」

ガシッ

男「はぁ・・・・」

友「リア充がため息か」

男「いや・・・それは・・・そうなんだけど、なんていうか」

友「なんだよ、歯切れ悪いな」

男(確かに幼馴染と関わることができるのは嬉しい)

男(はっきりいって心がぴょんぴょんする)

男(だけど・・・なんだか釈然としない)

友「なんだよ、素直に喜べないってのなら俺が寝取るぞ」

男「そうなったら、葬式あげてやるよ」

幼馴染「やっほーダーリン♪」

男「おぉっ!お、幼馴染」

幼馴染「お昼なんだからさ、一緒に食べよっ」

男「ああ、と言いたいけど」

友「・・・・・」

幼馴染「えっと、男くんの友達かな?私は幼馴染、よろしくねっ」

友「存じ上げておりますですぅー。俺友っていいますー。呼びずらかったらブラザーって呼んでくださいー」

幼馴染「あはははは」

屋上

ガチャ
幼馴染「んーーっ、良い天気っ、あらまぁ先客だね」

友「ん?ああ、あのラノベの主人公か」

男(誰なのか分かる自分が嫌になってくるわ・・・)



男2「~~」

ギャル・後輩・委員長「~~~」


幼馴染「すごいねぇ、三人の子に言い寄られるなんて」

男「あいつ中学のときは五人くらいから言い寄られてたな」

幼馴染「ほぇぇー」

友「顔も中、中肉中背、特別成績も良い訳じゃない。なのになんでかねぇ」

男「拳握りしめながら言うなよ」

男「三人にしかわからない魅力があるんだよ。俺だってあいつと関わったことあまりないし」

幼馴染「そうだねぇ、関わらないとその人の本質はわからないもの」

友「幼馴染さんは可愛い上に理解も良さそうっす!」

幼馴染「私はただのおバカだよー」

友「いつもならあいつをにらみの殺してるが今日は学園最強美少女幼馴染さんが一緒だから不思議と怒りが沸いてこない」

男「拳握りしめてたのはどこいったし」

幼馴染「そこまで言われると照れちゃうよ~、可愛い子は他にもいっぱいいるよー」

男(けど・・・確かにこの辺じゃ滅多に見ないくらい幼馴染って可愛くなったな)

幼馴染「ん?」

男「あ、いや、なんでもない」

幼馴染「なになにー?私の顔に何か付いてたー??」

男「いやいや、なんでもないよ」

幼馴染「むぅ、じゃあなーにぃ?なんでじっと見てたのー?」

幼馴染「見とれてた・・・とか?」

男「っ・・・!」


友「男、しばき倒せばいい?」

男「や、違う!これはそういうのじゃないから!!」

友「そういうの?・・・どういうの・・・かなぁ」

男「もちつけ!じゃなくて落ち着くんだ!」

ーーーー
翌日

ちゅんちゅん

タッタッタッ

男「ふぅ・・・よし、体は鈍ってないな」

男「感覚忘れない間にトレーニングはしとかないとな」


幼馴染「ん?あれは・・・」



男「んーっ・・・いい朝だな」

幼馴染「トレーニングは相変わらずだね」

男「おおっ!幼馴染、いつからそこにいたんだ」

幼馴染「さっき来たばっかだよ」

幼馴染「体はまだ鍛えてるんだね」

男「鍛えるというより、鈍らないよう維持してるって感じだね」

幼馴染「昔さ、学校で威張りん坊がいたの覚えてる?」

男「ああ、小学校のころだろ?なんか周りからもこいつだけは怒らせたくないって感じで」

男「みんないい顔してたよな」

幼馴染「なんか嫌な感じだったよねー、男くんがその子と大喧嘩してさ」

幼馴染「喧嘩で今まで負けたことないって感じのこと言ってたけど、男くんの背負い投げ見事に決まって一発だったよね」

男「畳の上じゃないから結構危なかったんだよなぁ」

幼馴染「しかも男くんはそれまで手を一切出してないのに、向こうが殴ったり蹴ったりしてきたけど、受け流すみたいにスルーしてたよね」

男「小学生は辺りどころによっちゃ下手すりゃ致命傷になるから殴ったり、蹴ったりはするなって先生から言われてたなぁ」

幼馴染「それから、男くん周りから避けられるようになっちゃったもんね」

男「今思い出しても、でしゃばらなければ良かったと思うよ」

男「おかげで小学校時代は幼馴染しか友達がいなかったよ」

幼馴染「中学上がる前には私も海外暮らしになっちゃったからねぇ」

男「俺あのときすげぇ落ち込んだんだぞ」

男「このまま帰ってこなかったらどうしようって」

幼馴染「あはは、ごめんごめん、でもちゃんと帰ってこれたよ?」

男「突然だったし、ほんとびっくりだったよ」

幼馴染「まさか、男くんがこの高校にいるなんて思わなかったんだもん」

男「地元から少し距離あるくらいだったからな、それに今は一人暮らしだし」

幼馴染「私も一人暮らしなんだよー」

男「大丈夫なのかぁ?ちゃんと料理とかつくれるのか?」

幼馴染「これでも女の子だもん、毎日自炊だよー」

男「ほう大した自信だな」

幼馴染「今度作ってあげようか?」

男「な、なんだと!!ほんとですか!?」

幼馴染「ガールフレンド(仮)だしねぇ~」

男「ゲームか、なんかかよ」

幼馴染「でもガールフレンドってよく考えたら、女友達ってことだよね」

男「ああ、そうだなぁ」

幼馴染「えー・・・なんかそれは普通でつまんない」

男「つまらんって・・・じゃあ恋人(仮)??」

幼馴染「表記が格好よくないよー」

男「ラバー(仮)?」

幼馴染「輪ゴムかなんかですか」

男「Loveの方だよ。ゴムって・・・」

幼馴染「・・・・」

男「・・・・」

幼馴染「・・・いやらしい」

男「まだ何も言ってないじゃないかー!!」

幼馴染「でも、私見てそっぽ向いたー」

男「いや、そうじゃなくて・・・というか幼馴染が先に変なこと言ったからこんな空気に」

幼馴染「幼馴染ちゃんはそんなこと考えてないもん!」

男「うそつけ!!」

幼馴染「・・・経験ないから、実物だって見たことないもん・・・」ブツブツ

男「な、なんだと!うちに一杯あるぅ!?」

幼馴染「そんなこと言ってないやい!」

幼馴染「それに露骨な下ネタは好きじゃないですー」

男「気を付けますぅー」

幼馴染「あーあ・・男くんはそういうこと言わないと思ってたのにな」

男「いや・・・露骨なのは言わないけど、男だしこの年になれば興味くらいは湧くよ」

幼馴染「男の子はみんなオオカミだねぇ」

ーーーーー
学校

ガヤガヤ

幼馴染さーん、あいつと付き合ってるってほんとうなのー!?

幼馴染「うん?さぁー?どうかなぁ」

なにー?その含みある言い方ー

幼馴染「それはご想像におまかせします♪」



男「しかし、目立つな」

男(あいつが元気で学校に通う姿なんて想像できなかったな)

男「・・・・」

幼馴染「?」

男「ん?」

幼馴染「♪~」フリフリ

男「あはは・・・」フリフリ

おい!幼馴染さんが俺に笑顔で手を振ってくれたぜ!

いや、明らかに今のおめぇにじゃねぇだろ

男(やめろ幼馴染、本気で勘違いするだろ・・・・・嬉しいけど)




ーーーーー

幼馴染「ふふーん♪」

パシャ

幼馴染「うい?」

・・・・・

幼馴染「あれ、気のせいかな。なんかシャッター音が聞こえた気がしたんだけどー?」

・・・・・・

幼馴染(人の気配はするんだけどね・・・まぁほっといても害はなさそうかな)



???「・・・・」

帰り

友「男ー、たまには一緒に帰ろうぜ」

男「いいぜ、どっか寄ってくか?」

友「カラオケとかどうよ?」

男「いいね。けどレパートリー増えてないんだよなぁ」

友「そんなの気にしないって、それにほら、あの辺ヤンキー連中が割とタムロするから妹が困ってるって言ってたんだよ」

男「あー・・・そうだったな。そいつも兼ねて行くかね。でも喧嘩はしないからな」

友「負けるもんな」

男「おうよ。痛いのは嫌ザンス」

カラオケ

友妹「いらっしゃいませー」

友「よう」

友妹「なんだ兄ちゃんか」

友「なんだとはなんだ、男も一緒だぞ」

男「やっほー妹ちゃん」

友妹「やっほー男さん。二人揃ってくるなんて珍しいよねー」

友「最近来てなかったし、またヤンキーがタムロし出すんじゃねぇかなと思って来たんだよ」

友妹「んー、たまに来るっちゃ来るけど。兄ちゃんたちに痛め付けられてタムロするってことはなくなったねー」

男「痛め付けられたのはこっちもそうなんだけどね」

友妹「いやぁあのときはどうなることかと」

友「俺らいなかったら間違いなくやばかったろ」

男「けどあの人数のヤンキー相手に態度変えない妹ちゃんも相当だけど」

友妹「拍車がかかると止められないタチなんですよ。ていうかあんなのヤンキーじゃなくてただのDQNですよ」

友「ヤンキーって意外と常識あるやつはあるしな。やることが大事なだけで」

友妹「というか立ち話も良いけど、部屋案内するよー」

男「よろしくねー」

友「ん?隣の部屋女子か」

友妹「そうね、二人組なんだけど一人すごい可愛い子でさ。おっぱいもすごかったね」

男「妹ちゃん・・・女の子がそう言うのはどうかと思うぜ・・・」

友「なにぃ!?巨乳で可愛い子だと!?・・・・・・あれ、でもどこかで見覚えありそうなスペック」

男(たぶん・・・間違いなく、十中八九どころか十中十であいつのような・・・)

ガチャ

幼馴染「あら、男くんに友くん、どったの?こんなところで」

友「巨乳の姉ちゃんだーやっほー抱きつかせてー」

幼馴染「えい」ベシッ

友「い・・・痛ぇ!!」

男「やっぱりそうか・・・」

幼馴染「やっぱりかって・・・噂でもしてた??」

男「そんなとこだね。というかここのバイトが友の妹ちゃんなのよ。それのよしみでね」

幼馴染「妹ちゃんってあの可愛い子かな」

友「元ヤンだけどね」

幼馴染「そうなの!?!?」

男「俺もぶっ飛ばされたことあるくらい、あの子強いよ」

幼馴染「ほぇー・・・人は見かけによらないってこっちゃね」

男「というかごめんな、今友達と楽しんでたとこだったんじゃないか?」

幼馴染「大丈夫大丈夫ー。むしろ二人も来る?」

男「いや、それはわる・・・」友「是非とも!!」

ボックス

幼馴染「お待たせー」

幼友「もう・・・おそいよー」

幼馴染「えへへ、ごめんごめん」

友「おっ邪魔しまーす」

男「お、お邪魔してすみません・・・」

幼友「あら、幼ちゃんの友達ー?」

幼馴染「うんっ、同じ学校の友達だよ」

幼友「ボーイフレンドだねー」

友「おいおい、もう一人の子他校の子だし、すげぇ美人」ヒソヒソ

男「お前はモチベ上がるかもしれんがこっちはガチガチに緊張してきたんだよ」ヒソヒソ

友「女子に対する免疫つけるいい機会じゃねぇか。大体お前幼馴染さんと付き合ってるじゃねぇか」

男「いや・・・まぁ」(そうだった、そういうことになっていたんだったな)

幼友「初めましてー、幼馴染の友達の幼友ですー」

友「よろしくお願いねー」

幼友「ごめんねぇ、幼馴染が強引に誘ったりして」

幼馴染「違うよー、二人に無理矢理・・・・うへへ、おい一緒に良いことしようぜ、げへへへ」

幼馴染「って感じにね」

友「うへへ、良いことしちゃおうぜ」

男「そんなこと言ってないよおーー!」

幼友「あはははどうせ幼馴染の妄想妄想ー」

男「というか二人はどういう経緯で・・・友達に?」

幼馴染「うーん・・・話せば長くなるけど、幼馴染みかな?」

友「ほう、女の子同士の?」

男(俺とは別の友達だった子かな)

幼友「そんな感じだよね~、もう随分長い付き合いだしね」

友「お二人は元々この辺に住んでて幼馴染みさんだけ遠くへ行って、また戻ってきたってことかな」

幼馴染「大体そんな感じだよー」

~~

~~

男「はぁ・・・女の子とカラオケなんていつぶりだろうか、まだ緊張してやがる」

男(我ながらチキンハートすぎて泣けてくる・・・)

男「ん?」

幼馴染「すみません・・・友達と遊びに来てるので・・・」

モブ1「いいじゃんいいじゃん、こっちで遊んだ方が楽しいって」

モブ2「可愛い上におっぱいも大きいよねー」

幼馴染「あ、ははは」(きもっ)



男(あの野郎・・・俺の密かな楽しみを下劣な口説き文句なんぞで汚しやがって)

幼馴染「あの・・・本当に友達待たせてるんで」

モブ1「待ってってば」

モブ2「せめて連絡先だけでも交換しようよー」

幼馴染「ルームにケータイ忘れてきちゃって」

モブ1「んじゃ、連絡先おしえっから連絡してよー」

モブ2「それかそっちの部屋に乗り込んじゃう?」

幼馴染「いや、それは出来れば・・・」(もう・・ほんといい加減にしてくれないかな)

男「ヨウ、幼ぁ、ナニヤッテンダヨー」(なんで片言になってんだ俺・・・)

幼馴染「うん?」

モブ1「あ?誰だお前は・・・」(か、顔怖っ!)

モブ2「なんか用かよ?」(ていうか・・・ガタイもいいぞこいつ・・・)

幼馴染「あぁん♪ダーリン、この人たちがしつこくてぇ~」ダキッ

男「お、oh、ソウカ~。コイツラナンパシテタノカー」(近い近い近いよ幼馴染さん。あと当たってます)

男「ヒトノオンナニ、ナニサシテクレンネン」

モブ1「な、なんだよ、彼氏持ちかよ、だったらそう言えっての」

モブ2「ったく行こうぜ」

トボトボ

幼馴染「・・・・50点かな」

男「なにがぁ!?」

幼馴染「だってなんか男くんわざとらしかったし、何よりひどい片言演技が・・・」

幼馴染「・・・・・・・ないわー」

男「助けに入ったのにひでぇ評価!!」

幼馴染「なに言ってるのさ!だから50点なの」

男「な、なにがよ」

幼馴染「ちゃんと助けてくれたことがですー」

男「それだけで50点も?」

幼馴染「ううん、90点はあったよ」

男「片言で40も減点!?」

幼馴染「だって・・・あまりにも酷かったから・・・」

男「いや・・・緊張してて・・・」

幼馴染「もう・・・」


幼馴染「さっと対応しようと思えばできる癖に前はすごいかっこよかったのに」

男「前のは学校内だし・・知ってる顔だったからさ」

幼馴染「もう大きな体が台無しだぞっ」バンバン

男「といっても180ちょい過ぎくらいだよ?」

幼馴染「また伸びたんじゃないかな」

男「どうだろう?幼馴染は160あるくらいだっけ?」

幼馴染「それくらいかなぁ、あんまり高くもないし低くもないって感じなのがコンプレックスなんだよね」

男「学園一の美貌持ってるんだからそれ以上望んだらバチ当たるぞ」クスッ

幼馴染「学園一か・・・うーん・・・」

男「うん?どうかした??」

幼馴染「男くんはさ、彼女が学園で一番可愛い子がいい?」

男「俺!?いや・・・俺は」

幼馴染「・・・」

男(なんでこんな真剣な顔で聞いてくるんだ・・・俺はただの男避けだろ・・・?)

男「まぁ、彼女が可愛いって言われると嬉しいって言えば・・・それが本音かな」

幼馴染「そっか」

幼馴染「まぁまぁ、男くんには確かに可愛い彼女が似合うかもね!ほら何て言うか男らしいから」

幼馴染「この人に守ってもらいたいって言ってくれるような可愛い女の子が合うかもしれない」ニヤッ

男「かもしれない!?なんでかも!?」

幼馴染「もしかしたら、北○晶さんみたいな鬼嫁さんとも相性合う可能性もあるしさ」

男「恐妻家はやだよぅぅ」

幼馴染「まぁ、男くん気が小さいもんね、図太い女の子とかが引っ張ってくれるよ、あははははっ」

男(相性・・・か)

休日
ちゅんちゅん


男「うーん・・・うーん」

男「う・・・最近寝付きと寝起きが酷いな」

男「寝る前にホットミルク飲んでるのになぁ・・・」

ピンポーン

男「はいはい、こんな朝から誰だろ」

ガチャ
幼馴染「おはおはー」

男「幼馴染??どうしたんだ?」

幼馴染「どうかした??じゃないよー、彼女が遊びに来たんだよー?」

男「いや、フリだろフリ」

幼馴染「もぅ、なーに?幼馴染みが遊びに来るの嫌?」

男「とんでもない。むしろどんどん遊びに来てほしいです」

幼馴染「ふふふっ、素直が一番っ♪」

幼馴染「へぇ、一応自炊はしてるんだねー」

男「見よう見まねだけどな」

幼馴染「ちゃんとご飯食べてる?」

男「食べてはいるけど、なんだか物足りなくてな」

男「お腹は一杯になるけど」

幼馴染「それでも物足りないの??」

男「うむ。食後にお茶飲んだりしてごまかしてるけど」

幼馴染「そかそか、うーん・・・・」

幼馴染「よっしゃ、じゃあ僭越ながらこの幼馴染ちゃんが男くんの食事を作ってあげましょう
う」

男「まじか、助かるっちゃ助かるけど・・・いいのか?」

幼馴染「なにが?」

男「いや・・・本物の恋人とかならまだしも、俺たちは偽物カップルだし」

幼馴染「幼馴染み同士だし、大丈夫大丈夫ー」

男「軽すぎるだろ!」

幼馴染「大体男くん以外に作る相手もいないしさー。実験台になってよ♪」

男「俺以外にいない・・・」ドキッ

男「ってちょっと待って、最後の発言が意味深です」

幼馴染「ほらほら、可愛い幼馴染ちゃんの手料理が食べられるんだから、お腹下しても文句いわないでね♪」

男「自分で可愛いゆっちゃったよ、ていうか腹下すようなもん作る気なんかい!!」

ーーーー

男「と言ったけどなんだかんだで美味しかった」

幼馴染「いくらなんでもそんなもの作らないよ」

幼馴染「相当食材が傷んでない限り大丈夫だからね」

男「ていうか・・・料理も作れるようになったんだな」

幼馴染「見直した?」

男「ああ勿論」(惚れ直したかな・・・)

幼馴染「ふふん♪私だって退院してから頑張ったもんね」

男「なぁ、聞きたかったんだけどさ」

幼馴染「うん?何々?」

男「退院後はどうしてたんだ?」

幼馴染「うーん・・・普通だったかな?」

幼馴染「手術の成功率そのものは10%にも満たないって言われてたからさ」

男「そ、そんな危険な手術だったのかよ!」

幼馴染「持ち前の運のよさでなんやかんやで今生きてるよー」

男「なんやかんやで済ませねぇだろ!本当に大丈夫なのか!?」

幼馴染「大丈夫だよー。もうほんとに平気なんだってば」

男「そんな生きるか死ぬかの瀬戸際だったのに」

幼馴染「うーん、死を覚悟するじゃないけどさ。もし死んじゃったらっていうことは考えちゃったかな」

男「幼馴染・・・」

幼馴染「死んじゃったらコース料理とかたべられないんだろうなぁって」

男「そんなときに食いもんのこと考えてたのかよ!」

幼馴染「だってー、小さい頃から病気がちでご飯だってお腹一杯食べられた試しがなかったんだもん」

男「そうだけどさ・・・いいよ、いくらでも俺が旨いもん食わせてやるよ」

幼馴染「太っ腹だね!男くんダイスキー」

男「わぁーうれしいなー」(感情籠ってねぇー・・・)

幼馴染「そうだなぁ・・・牛丼食べてみたいかな?」

男「そんなんでいいのか?牛丼なんて安いぞ?」

幼馴染「ほらほら駅前とかでさなんかビルの下に小さくまとまってるみたいにあるじゃん」

幼馴染「ああいうとこ行ってみたいなって」

男「安上がりな女になってしまいますぜ」

幼馴染「いいよー、安上がりってことは男の子にとってはラッキーじゃないか」

男「可愛い上に安上がりって、最高ですね」

幼馴染「経済事情に優しい女なのよ」

男「って話逸らされたけど、成功率が低いのにも関わらず、なんでそんな危険な賭けをしたんだよ」

幼馴染「そりゃなにもしないで死ぬくらいなら、どうぜ命掛けなんだから、やれることはやっておきたいって」

幼馴染「それに・・・死ねない理由もあったしね」

男「理由??」

幼馴染「それは秘密」

男「ぐぬぬ、幼馴染みの俺にも秘密か」

幼馴染「女のたしなみよ」

デート中

男「あそこにレストランがあって、あそこが美容院だな」

幼馴染「ほぇー・・・色々変わっちゃったねー」

男「まぁな、幼馴染がいたときはもっと田舎っぽかったもんな」

幼馴染「駅前なんて喫茶店と商店街だけだったよねー」

幼馴染「あとさ、図書館よくいったよねー!」

男「そうそう、外れに物静かそうに建ってたよな。今はあの辺も住宅が多いんだよ」

幼馴染「へぇー。いいなぁ!時間があるときに一緒にいこうよー!」

男「いいぜ、他に誰か呼んだりもする?」

幼馴染「むぅ・・・全く。女の子が一緒に行こうって言ってるときは二人っきりで行きたいって言ってるんだぞ」

男「二人っきりで!?いや、いいけど・・・」

幼馴染「んんーん?なになに、幼馴染ちゃん相手にドキドキしちゃってるの?」

男「ば、バカ言うないー。お、俺が幼馴染ごときに心を乱すなど」

幼馴染「男くんって誤魔化すときは決まって難しい言葉を使いたがるよねー」

男「あひぃっ!!」

ガヤガヤ

男(ていうか今気づいたけど幼馴染って目立つな)

男(あの見た目だから仕方ないけど)

幼馴染「へへへっ、なんかほんとに恋人同士でデートしてるみたいだねっ」

男「あ、ああそうだな!」(うぅ・・・偽物なんだけどな・・・)

幼馴染「ほらほら、あそこでたい焼き売ってるよー!」

男「ほぅ、まかせとけ買ってきちゃる」

幼馴染「わぁーい」


トコトコ

店員「へいへいへいへい・・・へいらっしゃっい!」

男「やかましいな、たい焼きふたつ」

男「ほほっ、なかなか美味しそうだな・・・ん?」


幼馴染「あの・・・彼氏待ってるんで」

いいじゃんか、彼氏より俺らと遊ぼうぜ

幼馴染「いや・・・そういうのほんとにいいんで・・・」

グダグダ言ってないでこいよ

幼馴染「ちょっ・・・いたっ・・・!」


男「ちっ・・・なんで断ってるのに絡んでくるかなぁ・・」トコトコ


バキィ
ボコッ

ぐわぁぁ!!な、なんだてめぇ!!
うぎゃぁぁああ

男2「ったく・・・嫌がる女の子を無理矢理連れてくか?大丈夫?」

幼馴染「へっ?あ、はい、大丈夫です」

男2「ま、気を付けなよ。この辺たまに変な不良とかいるからさ」

幼馴染「あ、はい・・・ありがとうございます」

男2「んじゃあね」
トコトコ



男「・・・・」

男「なんだこれ」

幼馴染「ほんとになんだこれよ」

男「っ!!!い、いたのか」

幼馴染「どういうわけだか、男くんじゃなくて、通りすがりの人に助けられたじゃん」

男「いや!た、助けには行こうとしたよ!な、なんていうか・・そのあれだよ」

幼馴染「あれってなによ」

男「・・・・間が悪い?」

幼馴染「間で済ましますか」

男「し、しょうがないぞ!今のはほんとにどうしようもないっす!」

幼馴染「まぁ・・・男くんがすごい形相でこっちに向かってくる姿は見えたけど」

男「見えてたんかい!」

幼馴染「なんだか・・・絶妙なタイミングだったよね、さっきの人」

男「間違いないな」

ーーーーー

友「なに?デートしてただと」

男「やめろ!露骨に足踏み踏みするのやめろよ」

友「うるさい。お前は幼馴染さんに踏み踏みしてもらったんだろ」

男「んなわけあるか!ていうかそこじゃねぇよ大事なところは!」

友「一番重要だろ、ていうかラノベの主人公に助けられたのがどうしたんだよ」

男「いや、どうしたってわけじゃないが。そういうことがあったんだって報告を」

友「そんな報告いらんわ!!自慢か!!コノヤロウ」

男「自慢じゃないわ!!自慢できるような状態じゃ・・・」

友「なんだよ、恋人同士のくせして自慢できる状態じゃないだと」

男(あぶねぇ・・'本当のこと話すところだったわ)

男「いや・・・まぁ・・・そうなんだけどさ・・・」(偽物ってのは近い距離にいるが一番遠いんだぞ・・・お前よりも)

友「ったく、まぁラノベ主人公のことだ、どうせ女のことなんてまともに相手にしないだろうし、そもそも幼馴染さんも気にしてないんだろ?」

男「本人はそう言ってるんだけどな」

ーーーーー

幼馴染「るんるんるーん♪」

幼馴染「ん?」

男2くーん
どこいったのー


男2「ったく勘弁してくれよ」

幼馴染「あ、男2くん、この前はありがとうね」

男2「ん?あんたこの前の?」

幼馴染「幼馴染です。転校してまだ日が浅いんだけどね」

幼馴染「なんで女の子から隠れてるの??」

男2「いや・・・隠れてるってわけじゃないけど」

男2「なんていうか・・・」

あーいたー!!
また違う女の子といるー!!

男2「ったく!!勘弁してくれよ!!」グイッ

幼馴染「へ?わっ、ちょ、ちょっと!!」

タッタッタ

ーーーー

男2「はぁはぁ、ここまで来れば大丈夫か」

幼馴染「はぁはぁ」(な、なんで私まで・・??)

男2「ってごめん、反射的に一緒に逃げて」

幼馴染「別にいいけど・・・ちょっとビックリしたかな」

男2「そういえば・・・あんたは転校してきたばかりなんだっけ」

幼馴染「あ、うん、そうだよー」

男2「周りが色々と噂してたね、可愛い子が転校してきたって」

幼馴染「まぁ・・・男の子ってみんなその話題ばっかだよねー」

男2「ほんとのことだから仕方ないんじゃないか?」

幼馴染「ほぅ、褒められてるってことでいいのかな?」

男2「どうとでも受け取ってくれていいさ」

幼馴染「ほいほいー」(ふーん・・・さりげなく褒めるか)

男2「というか・・・まずかったかな?」

幼馴染「んー?なにがー?」

男2「たしか、誰かと付き合ってるとかなんとか」

幼馴染「あら、よく知ってるね。それも噂?」

男2「まぁな」

幼馴染「けどそういう噂を気にしなさそうだよね、男2くんって」

男2「そうか?」

幼馴染「女の子たちが迫ってきても気にしてなさそうだったし」

男2「あれは・・・なんというか、周りが」

幼馴染「まぁさ・・・男2くんがどう思うかは勝手だけどさ」

男2「??」

幼馴染「あんまり、女の子に思わせぶる行動はしない方がいいんじゃない?」

男2「思わせぶるって・・・そんなことしたことないんだけど」

幼馴染「それは男2くんの主観なんじゃない?彼女たちからみたら多分そうじゃないと思うよ」

男2「んなこと言われても・・・」

幼馴染「まぁまぁ、相手の立場にも立ってみようよ。そうすればわかるよ。じゃね」
トコトコ

男2「・・・・」

男2「なんで俺は説教されたんだ??」

幼馴染「はぁ・・・会って間もないなんか偉そうなこと言っちゃったけど」

幼馴染「恋愛は自由だし・・・彼女たちが良いなら良いんだけどさ」

男「恋愛がなんだって?」

幼馴染「え、聞き耳立てるとか引くわー」

男「普通のトーンで喋ってたっすよー」

幼馴染「冗談だから」

男「で?恋愛がどうしたんだよ」

幼馴染「恋愛は自由だねってことを考えてたの」

男「自由ねぇ」(偽物は自由すぎるけどな・・・)

幼馴染「男くんの恋愛観はどんなのかなぁー?」

男「お、俺か!?」

幼馴染「優柔不断そうだしねー」ジトー

男「う、うるさいな」

男「俺は・・・」

男「・・・・たった一人、その子を好きでいられれば」

男「それでいいよ」

幼馴染「・・・・」

男「な、なんじゃらほい」

幼馴染「ふふーん・・・なるほど。そうかそうか」ニヤニヤ

男「な、なんですかい!?」

幼馴染「うん♪やっぱり男くんは男くんだね」

幼馴染「その気持ち、絶対に届くよ♪」

男「幼馴染に言われるとそこはかとない不安を感じずにはいられない」

幼馴染「なんだとー!!」

ワイワイ

ーーーー

幼馴染「え、紹介?」

友「お願いしやっす!幼友さんを俺にくださ・・・じゃなくて紹介してください!」

幼馴染「いや、そんな、土下座なんてしないで、顔あげてよ」

友(ふひひ、今顔を上げれば幼馴染さんの純白の肌着が・・・)

男「そのまま、顔埋めてようか」ゴリゴリ

幼馴染「あら、パンツがねらいだったの?」

友「紹介してほしいのは本音です・・」

幼馴染「紹介って言われてもなぁ」

友「も、もしかして・・・か、彼氏がいるとか」

幼馴染「彼氏?」

幼馴染「・・・・」

幼馴染「まぁ、ついてきてよ。そうすればわかるから」

男「だってさ?」

友「ここで引くほど俺はチキンライスじゃないぜ」

男「くだらねぇこと言ってないで行くぞ」

トコトコ

ーーーーー

ーーーー

トコトコ

幼馴染「うーんと、この辺りだったかな」

友「何があるの??」

男「駅前だな」



幼友「♪ー」



男「なんで隠れるんだ??」

幼馴染「まぁまぁ、いいからいいから」


幼友「!」

???「~~」

男「幼友ちゃんに謎の男が声をかけてるぞ」

友「な、なんか親しげなんですが・・・」

幼馴染「バレないようにあとをつけよう」

男「普通に会いに行けば良くないか?」

幼馴染「黙ってついてくる」

友「ふえぇ」

ゲームセンター

幼友「~~♪」

???「~♪」




男「ゲーセンに入ったな」

友「な、何を」

幼馴染「さぁ?デートじゃないかな?」

友「デートぉぉ!?!?じ、じゃああの野郎は・・・」

男「声がでけぇよ。だーってろ」

幼馴染「よし、入るよ」

トコトコ

幼友「~~~」

あの野郎「~~~」



友「ぐぬぅ…楽しそうにしておる」

友「幼馴染さん!!どういうことなんすか」

男「うおりゃあああ!!!」バコンッ!!!

ピピッ
282kg

幼馴染「すごっ!!パンチ力282kgだってさ!!」

男「初めてやったからわからんけどすごいのかこれ」

幼馴染「私殴られたら粉々になるね」

男「そんなことせんわ!!幼馴染もやってみ」

幼馴染「へへん♪きっと300kgとか出しちゃうよ」

友「何やってんですか」

カラオケ

友「個室に入っていきました」

幼馴染「これはつけられないね」

男「隣で待機だな。妹ちゃんとりあえずフリーで」

妹「あいよー。何やってんですか??」

男「一人の男の恋路が踏み踏みされてにじられるの観察」

友「張っ倒すぞ」

ちゃららー

幼馴染「えんだああああああいやああああ」

男「なんちゅう歌のチョイスだ…」

男「しかし、上手いな。もっとやれやれー」

幼馴染「♪」V

友「さすが学園のアイドル。歌も踊りも完璧でエンターテイナーにも長けてるとは」

男「ていうか、お前は幼友さんを見てなくていいのか」

友「俺も楽しみたい」

男「そっちをどうにかしてからな。幼馴染ーデュエットしようよー」

幼馴染「いいよ~♪ラブソング?ラブソングだよね?ラブソングでしょ?」

友「弾け飛べ、リア充どもめ」

公園

幼友「今日は楽しかったね」

あの野郎「そうだな」




男「なんか初々しいカップルみたいな雰囲気になってんぞ」

幼馴染「だねぇ。色々と危ないね」

友「ぐうぅぅぐぐぐ」

男「おい暴走するな、相手はしかもかなりのイケメンだぞ。お前に勝ち目なんて最初から」

友「舐めんな!!俺にだって意地がある!!略奪じゃ!!!」

幼馴染「略奪愛は長続きしないよ?」

友「それでも俺は行く!!」トコトコ

男「おいバカッ」

幼馴染「あらら、あわてなくてもいいのになぁ」

男「?どういう意味???」

幼友「~~~」

あの野郎「~~~」

友「~~!!」


男「うわぁ…ほんとに絡みに行ってるよ」

幼馴染「流石に止めに行こうか」

――――――



友「えっと…つまり…お二人は兄妹と?」

イケメン「はじめまして、幼友の兄です」

幼友「もう…幼馴染が普通に話せば問題なかったんだけどねぇ」

幼馴染「面白くてそのまま黙ってました」うへっ

男「てへっじゃないんだな」

幼馴染「うふっ♪」

友「けど…アレっすよね…お二人すごく仲良い兄妹っすよね」

イケメン「あははは、まぁね」

幼友「兄さんは色々と私の面倒もみてくれるから、それについつい甘えちゃって」

イケメン「俺が面倒見れるのも幼友が社会人になるまでだけどね」

幼友「そうだねぇ、私がどこかで旦那さんを捕まえてきたら別かな?」

男「まだ高校生だけどね」

幼馴染「まずは彼氏を作るところからはじめなきゃ♪」

幼友「簡単には見つからないかなぁ…」

イケメン「ははは、そうだねぇ、こいつに良い奴が見つかればいいけどね」

幼友「兄さんも良い彼女さん作ってねっ」

イケメン「はいはい」

友「……」

―――――――

友「付け入る隙がありませんっす」

幼馴染「うーん…まぁ二人は小さいころから仲良いみたいだしね」

幼馴染「私も最初はお互いブラコン、シスコンなんじゃないかなって」

男「いや、デートしてる時点で十分そうだと思うぞ」

友「しかもイケメンだから…あんな兄貴を身近で見てたら、俺なんかアウトオブ眼中じゃないっすかああ!!!」

男「けど、別にイケメンが好みって決まったわけじゃないだろ?」

幼馴染「ちなみに私はイケメン大好物です♪」

友「なのになぜ男と!?」

男「そうだったんすか!?!?」

幼馴染「もちろん!内面を磨くことに熱意を燃やす男子ほどカッコイイものはない!」

男・友(イケメンって…性格のことか)

幼馴染「だからさ、友くん。私の友達だからもう少し私の言うことも信用してほしいな」

男「兄妹の件黙ってたけどな」

幼馴染「お黙り」

幼馴染「ま、好みはともかくとして、そんな見た目だけで判断するような子じゃないし」

友「そうだよな。幼馴染さんが言うんだ間違いない」

友「俺頑張りやっす!」

幼馴染「ふむふむ。見事漢になってみせろ」

友「うっす!!」

男(完全に幼馴染の手のひらですわ・・・)

男「あんな調子の良いこと言って大丈夫なのかぁ?」

幼馴染「大丈夫大丈夫、友くんだったらちゃんと幼友っちと向き合おうとしてくれると思うよ?」

男「不安だ・・・欲望任せに彼女を傷つけないか」

幼馴染「それは男くんに当てはまることなんじゃないー?」

男「ははは、俺にはそんな相手いないじゃないか」

幼馴染「私は??」

男「嘘の恋人じゃないか」

幼馴染「嘘が本当になるかもしれないよ?」

男「そ、それは・・・」

男「俺にだってぷ、プライドがある!」

幼馴染「なんで、急にプライド??」

男「同情で付き合ってもらうほど落ちぶれちゃいない」

男「己の力で勝ち取ってこそ、恋ってのは燃えるのさ」

幼馴染「ふーん・・・相手から歩み寄ってあげようかなー?って感じでも、俺がお前を落とすって感じでもガンガン行くんだ?ふーん・・・」

男「ぁ・・・はい、うん・・そうです」

幼馴染「プライドねぇ・・・きっとポークビッツ並みのプライドっぽそう」

男「酷すぎる・・・それはいくらなんでも言い過ぎだろ」

幼馴染「アルトバイエルになれるのか!?シャウエッセンに化けるのか!?」

男「なんでソーセージに例えるんだよ、男のプライド=象徴とでも言いたいのか!?」

幼馴染「・・・・・」

幼馴染「ごめん・・ちょっと本気で引いた」

男「ごめんなさい、かなり調子に乗ってました。完全に失言です」

男「と、とにかく・・・なんだ、その」

幼馴染「なにさ」

男「もし・・・仮に好きなやつがいたら」

男「そいつと面と向かってちゃんと戦えるよう」

男「己を磨いてから・・・・決戦に挑むのだ」

幼馴染「好きな人いるの・・・?」

男「う、そ、それは・・・」

幼馴染「・・・・」

男「ま、まだ保留だ」

幼馴染「あれれ・・・」

男「けど、心を乱す奴はいる」

男「ちゃんとそいつとは向き合っていきたいし、どんな形でも好きになれば、想いだって伝えるさ」

幼馴染「・・・・絶対?」

男「ああ!勿論だ」

ーーーーー
男自宅

ピンポーン

幼馴染「うーんどうしたんだろ?まだ寝てるのかな」

ピンポーン

幼馴染「もうー・・・こういうときにおじ様とおば様がいないのがなぁ」

幼馴染「あ、親もと離れて一人暮らしだっけ男くん」

幼馴染「まいったなぁ・・・合鍵なんてないし、窓からヤッホーなんてリアルでやるわけにもいかないし」

幼馴染「lineで起こしてやる」ピピッ

ピロン

幼馴染「はやっ!起きてるんならちゃんと出てきてよ」ピッ

風邪引いた
死にそう

幼馴染「あれ、馬鹿はなんとかって言うけど」
ピロン

今馬鹿とか思ったろ、ほんとにちょっとしんどいから休むよ

幼馴染「むぅ・・・大丈夫かな」

学校

幼馴染(男くん大丈夫かな・・・私も休んで看病すれば良かったかな)

幼馴染さんおはよー
今日は彼氏は一緒じゃないのー?

幼馴染「あはは、実は旦那が風邪引ちゃってさー」

旦那って
夫婦みたいー

幼馴染「あははは」


友「よう!!ってあれ?男は??」

幼馴染「友くんおはよー。旦那様は体調を崩しております」

友「なんだあのやろう。頑丈なのが取り柄なのに情けないやつめ」

幼馴染「ま、こういう日もあるよねー」

ーーーーー

幼馴染「風邪って何が効くのかなぁ、ねぎとか?うどんとか消化の良いものよく食べるとは聞くけど」



男2「ごめん、そういうことは考えてないんだ」

委員長「なんで??泊まりに行ったりもしたし、なにが不満なの?」

男2「不満という訳じゃ・・・とにかく俺は誰かと付き合うわけじゃ」

委員長「でも・・・まわりであなたのことを気にかけてる人だって多くいるし、クラス中の女子があなたにアプローチしてる噂も」

男2「そんなことされたことないって!さすがにその噂は誇張しすぎだろ」

委員長「そんなことないわよ!現に最近転校してきた幼馴染さん!?あの人だってあなたに気があるって噂も」

男2「俺あの人に説教されたんだけど・・・」

幼馴染「あのー、私が何かしました??」

委員長「幼馴染さん!?い、いつから聞いてたの?」

幼馴染「凄い剣幕で駄々漏れだったよ」

委員長「そんなことないわよ!現に最近転校してきた幼馴染さん!?あの人だってあなたに気があるって噂も」

男2「俺あの人に説教されたんだけど・・・」

幼馴染「あのー、私が何かしました??」

委員長「幼馴染さん!?い、いつから聞いてたの?」

幼馴染「凄い剣幕で駄々漏れだったよ」

委員長「それは失礼・・・」

男2「な?委員長、考えすぎだって。それに俺は別に誰かと付き合いたくて助けたりとかしてるわけじゃないからさ」

男2「ただ・・なんていうか、ほっとけないというか、助けたいからそうしてるんだよ」

委員長「だから・・・あなたのことを好きになったのよ・・」

幼馴染(????なにこれ???)

男2「そんなこと言われても・・・俺は別に好意を向けられたくてやったわけじゃ」

委員長「だからじゃない。下心がないから・・誠実だから」

幼馴染(けど、それって裏を返せば気にも留めてないってことじゃ)

男2「とにかくさ・・・そういうのはいいんだよ。俺は気ままにやってる方が良いんだよ」

委員長「けど!」

幼馴染「あの・・・」

男2「ん?なに?」

委員長「なにか?」

幼馴染「いや・・・お二人の世界に割り込むのは大変恐縮なのですが」

男2「別に二人の世界とかじゃ」

委員長「悪いと思うならどこかへいってくれる?」

幼馴染「あははは・・・すぐに失礼しますぅ」(いたくているわけじゃないんだけど)

幼馴染「男2くんも断る理由を曖昧に濁すのはどうかと思うよ?」

男2「は?」

幼馴染「いや、断るならキッパリ断らなきゃだめだってことを・・・」

委員長「あなたね、自分が相手にされてないからって何勝手な」

幼馴染「迷惑なら迷惑。好きじゃないなら好きじゃない。曖昧に濁されても、期待しちゃうのよ」

男2「そんな風に言ったら相手も傷つくだろ」

幼馴染「そういうのが思い上がりなんだってば、わからないかな!?」

幼馴染「傷つくだの、傷つけられるだのさ、そんなのあって当たり前なんだってば」

男2「だったらあんたはどうなんだよ?いろんなやつに告白されてどうしてんだよ?そういう風に思われるってことは思わせ振りをしてんじゃねぇのか?」

幼馴染「いや・・・たった一日そこら話しただけで告白されても困るし・・・それに私は好きじゃないからって断ってるよ」

委員長「モテる自慢でもしたいの?」

幼馴染「ちょっと黙っててくれる?論点そこじゃないんだけど」

委員長「はぁあ!?あなたね!!」

男2「委員長!!」

委員長「うっ・・・」

男2「確かにあんたはそうしてるけど、俺はあんたじゃないし押し付けられても困るんだけど」

幼馴染「そうね、だから忠告ってことにしておいて頂戴。どうするかはあなた次第だし」

男2「そいつはどうも」

ーーーーー

幼馴染「はぁ・・・つかれた」(なんか、むかついたとかそんなんじゃなくて)

幼馴染「ただ、ただ疲れた」


パシャ

幼馴染「っ!!!」

幼馴染「そこだ!」

ひぃ!!
タッタッタ

幼馴染「待たんかコラァァ!!必殺ローファースロー!!」ブンッ

バキィ
ひぇぇ!!

ドサッ


幼馴染「よいっしょっと、最近こそこそしてたのはこやつか」

保健室

オタク「んんん・・・」

幼馴染「気がついたかな?」

オタク「あ、ひぃ!?お、お、幼馴染さんん」

幼馴染「私は化け物かなにかかな」

オタク「あ、えっと、すみません」

幼馴染「なんでこそこそ写真なんか?」

オタク「その・・・・転校してきたのを見て・・・その」

幼馴染「ん?なに??」

オタク「え、えっと・・・・」

幼馴染「男だろ!うじうじするな!!ハキハキ喋らんか!」

オタク「わひぃぃ!その、ひ、一目惚れして!ずっとあとつけてたんす」

オタク「けど、なんていうか、どちらかといえばアイドルのような存在で」

オタク「せめて、し、写真だけどもと・・」

幼馴染「それで、あんなこそこそと撮ってたのね?」

オタク「はい・・・・ほんとにすみません。もし嫌でしたら、全部データ消します」

幼馴染「全く・・・お馬鹿だな。言ってくれればいくらでも撮らしてあげるのに」

オタク「え?」

幼馴染「写真くらいなら、好きなだけ撮っていいよ。むしろ歓迎よ」

オタク「え、引かないんですか!?気持ち悪くないんですか?」

幼馴染「え?なんで??なんで気持ち悪がるの??」

オタク「いや・・・だって俺のやってたこと、盗撮っすよ?」

幼馴染「じゃあ今度からはちゃんとした撮影だね」

幼馴染「まぁ、君の好意に答えてはあげられないけど写真撮りたいっていうのなら、喜んで」

オタク「あ、ありがとうございます!!じゃ、じゃあ早速」

幼馴染「はいはいー。こんな感じにポーズとかとったり?それとも、自然な感じ??」

オタク「両方ほしいっす」




ーーーーーー

下校時間

幼馴染「今日はいろんなことがありすぎて疲れたよ・・・」

幼馴染「って・・・あれ靴箱に靴入ってない・・・?」

幼馴染「オタクくーん・・・」

オタク「な、なんでいるのわかったんすか!」

幼馴染「じーっ」

オタク「靴なんて隠してないっすよ!」

幼馴染「冗談冗談。ちょっとこういうノリをしたかっただけ」

オタク「靴がみつからないみつからないんすか!?」

幼馴染「そうなのよ」(ようやく嫌がらせがでてきたか)

幼馴染「むぅ・・・ないなぁ」

オタク「幼馴染さん、もう先生に報告しましょうよ」

幼馴染「はぁ・・・仕方ない今日はランニングシューズで帰るかなぁ」

オタク「自分のを貸してあげたいっすけど・・・汚いですし」

幼馴染「じゃあすぐにでも綺麗にするんだっ 」

ーーーーー

オタク「じゃあ俺こっちなんで・・・」

幼馴染「おう、じゃあまた明日学校でね」

オタク「幼馴染さん・・・」

幼馴染「うん?」

オタク「その・・・俺なんか相手にされないんじゃないかと思って・・・ほら、俺見た目がその・・・」

幼馴染「不細工?」

オタク「うぐぅぅっ!」

幼馴染「うーん・・・けど見た目で人付き合いとかするつもりなんかないし」

幼馴染「私が絡みたいから絡んでるだけだよ?」

オタク「お、幼馴染さん・・・」

幼馴染「じゃ、また明日ね♪」
タッタッタ

ピンポーン

男「んん・・・誰だろ、幼馴染だといいな」

ガチャ

幼馴染「やっはろーん」

男「お願い叶いました」

幼馴染「なんの話??」

男「いや、こっちの話。熱も下がってきたけど、大丈夫か?移らないともいえないし」

幼馴染「大丈夫大丈夫、意外と丈夫だしねー」

男「いや、元病弱だろ」

幼馴染「今は健康体だもん」

男「まぁ・・・たしかにスクスクと育ってますよね」

幼馴染「具体的にどこを指してるの?」

男「言ったら怒るじゃないですか」

幼馴染「怒らないよー、お粥に塩じゃなくて砂糖を混ぜるだけ♪」

男「ごめんなさい。熱が出てちょっと思考が変になってるだけです」

幼馴染「ふむ、しょーがないから普通のお粥にしてあげよう」

ーーーーー

男「はふはふ、中々おいしいです」

幼馴染「そーだろそーだろ。もっと誉めてもいいんだぞ。幼馴染ちゃんはね誉めると伸びる子なんだ」

男「前にも飯つくってもらったけど料理に関しては言うことないな」


幼馴染「この程度の女子力、天才幼馴染にかかれば容易いものよ」

男「わー、すごーい」

幼馴染「ていうかさ、男くんも料理してたんでしょ?そんなに違いなんてあるかな?」

男「うーん・・・俺が作ると炒めものとかに偏るんだよ」

幼馴染「それは良くないね、味付けも濃くなっちゃうし」

男「確かに濃いかなぁ」

幼馴染「じゃあ、私の味付け物足りないんじゃない??」

男「そんなことないぜ、ちゃんとした味付けだし、それでいてバランスも良いし。はっきりいって料理では勝てん」

幼馴染「そ、そこまで言われると本気で照れるからやめて」

男「なんだよ、いつもは俺のことからかうくせに」

幼馴染「もうーいいの!この話はおしまい。はいチュンチュン」

男「強引に終わらせやがったなこやつ」

幼馴染「はよはよ、たべなさい」

男「あいよ」

幼馴染「ふむふむ・・・えへへへ、美味しいかぁ」

ーーーーー

9時だおー

男「もうこんな時間か、幼馴染ーもう帰ったほうが良くないか?」

幼馴染「んー?今何時ー?」

男「いーま9時らんららん♪」

幼馴染「クジラの時計かい。そかそか、一人で帰るのも怖いし、泊まってこうかなー」

男「は?今なんと?」

幼馴染「え?お泊まりでもしようかなって。男くんまだ復調したわけじゃないし」

幼馴染「一応付きっきりで看病できる人いたほうが良いでしょ?」

男「そこまでしなくても・・・ていうか、いいのかよ」

幼馴染「なにがー??」

男「恋人って言っても偽物だし、しかも男の家、二人っきり。すなわちこれdanger!」

幼馴染「大丈夫大丈夫弱ってる男くんを叩き落とすようなことしないやい」

男「お前、俺が平常ならそんなことしようとしてたのか」

幼馴染「貞操の危機を感じたら♪」

男「いくら幼馴染みが相手でも付き合ってない子にそんなことせん!」

幼馴染「ほんとにー??」

男「あ、当たり前だ!見損なうなよ小娘」

幼馴染「ほう?怖いだけだろ?小僧」

男「ぐぬぬぬ」

幼馴染「んー・・・じゃあさ」

ピタッ

男「お、おい!!お、幼馴染!?!?」

幼馴染「こんな風にベッタリくっついても・・・しないの?」

男「な、なにをだよ」

幼馴染「ナニをだよ」

男「お、幼馴染・・・平常時ならともかく、俺今一応風で熱も上がってるんだが」

幼馴染「ごめんごめん♪ついつい」

男部屋

幼馴染「安心して、ちゃんと看病はするから」

男「ふぅ・・・ちょっと横になったらまた、熱っぽく感じるな」

幼馴染「今日はもう休まないとね」

男「みたいだな・・・」

男「・・・」

幼馴染「ゆっくりお休み」


男「ほんとはさ・・・・」

幼馴染「うん?何?」

男「ちょっと幼馴染に甘えようとしてたかもしれない」

幼馴染「ふふふ、いいんじゃない?別に・・・♪」

幼馴染「いつかとは逆の立場だね?」

男「今でもガキだけど、ガキの頃はよく俺がこうしてたっけ」

幼馴染「そうだねー、あのときはほんとに体弱かったからね」

男「今でも信じられないな・・・一緒にいて、今までと変わらない感じで接してたからさ」

男「時々忘れそうになるんだ」

男「幼馴染が病気だったことも」

幼馴染「・・・・今は元気だよ・・・?」

ピタ・・・

幼馴染「ん・・・うん?」

男「なぁ幼馴染。ほんとにもう・・・大丈夫なんだよな?」

男「無理とか・・・してないよな?」

幼馴染「・・・・ふふふ、大丈夫だよ・・・」

幼馴染「ねぇ、どうしてそんなに心配してくれるの?」

幼馴染「ただの幼馴染・・・じゃないの?」

男「それは・・・」

幼馴染「・・・・」

男「俺にとって・・・特別だから」

幼馴染「特別・・・?」

男「今までいろんなやつと友達になってきて、仲良くなったけど」

男「やっぱりお前だけは・・・特別なんだ」

幼馴染「どんな風に・・・?」

男「ごめん・・・まだ・・・言えない」

幼馴染「今じゃ・・・ダメなの?」

男「ダメと言うか・・・俺自身に問題があるんだ」

男「まだまだ、足りないんだ」

男「俺にまだ、足りないんだよ」

幼馴染「・・・・」

幼馴染「そっか、足りないなら仕方ないかな?」

幼馴染「じゃあ、その足りないピースを見つけてはめ込むんだ♪」

男「俺はパズルか」クスッ

幼馴染「簡単そうなパズルだね、四ピースくらいの」

男「ひでぇよ」

―――――

ちゅんちゅん

男「ん…、寝ちまってたか」

幼馴染「ん…ぅん…」
キュゥッ

男「ずっと手を握っててくれたのか。ありがと…」

幼馴染「ぅん…じゃぁ…カツ丼ん…おごってぇ」

男「小学生みたいな寝言言ってやがる」

幼馴染「んへへぇ…特盛りぃ…」

男「よっこいっしょ、ほらちゃんと寝るんだ」
ゴソゴソ

――――――

オタク「…」ソワソワ

見て…またあの気持ち悪い奴キョどってるよ
気持ち悪っ

オタク(はぁ…やっぱ調子に乗りすぎた…)

幼馴染「おっはよー!!オタクくーん」

オタク「あ、お、お、おはようごあいまう!!」

幼馴染「キョどるなきょどるな、ドンと胸張りなさい」

男「おい!!どういうことだ!!俺の知らん間に交流増えてるし!!」

幼馴染「あー、オタクくんのこと?彼は私のファンなのだよ」

オタク「ひっ…ど、どもっす」

男「あ、どうも、男っす」

男「じゃなくて!!」

男「お、幼馴染から誘ったのか!?」

幼馴染「んー??私はただオタクくんを発見して声かけただけよ」

オタク「あ、あの・・・俺迷惑でしたら・・消えますんで・・・」

男「あ、いや!そうじゃないんだ!!こいつポンコツだから、誰も彼も関係なく交遊持つもんで」

幼馴染「ポンコツじゃねぇぞこら、頭だって学年上位だぞ」

男「それに幼馴染にしちゃ珍しいタイプだったからさ!少しびっくりしただけなんだ」

オタク「そ、そうなんす」

男「ま、これから仲良くやろうぜ、確か隣のクラスだよな」

オタク「は、はい。誰もクラスには知り合いとか・・いないっすけど・・」

男(ね、ネガティブだなオイ・・・・)

教室
男「はろー!」

友「よう!くそガキ!風邪は治ったか?」

男「うるせーくそガキ!移すぞごらぁ」

委員長「おはようございます。朝から元気なのは結構だけど、あまりハメを外さないようにね」

男「ういっす」(なんか怖いな)

委員長「おはよう、幼馴染さん」

幼馴染「お、おはよぅ・・・ございます・・・」
ササッ

男(なんで俺の後ろに隠れるんだ、幼馴染よ。可愛いから良いけど)

委員長「あなたもあまり目立ちすぎないようにね」
ツカツカ

男「・・・・お前委員長と何かあったろ」

幼馴染「な、なんのことかな」

男「惚けるんじゃないの」

幼馴染「うぅ・・・ないと言えば嘘だけど・・・でも、あまり関わったわけじゃないよ? 」

男「委員長があんな冷たい態度とるなんてよっぽどだぞ」

友「まぁまぁ、その話は昼にでもしようぜ」

ーーーーー

お昼

男「男2に反論した?」

友「あの主人公に喧嘩売ったのか、中々のヒロインだな」

幼馴染「いや、そんな大層なものじゃないよ?なんていうかハッキリしない態度は良くないよ?って」

男「まぁ、年中女が周りにいるやつだしな。本人はそのつもりなくても寄ってきちゃうらしいよ」

友「女以外のうちのクラスの女子もあいつに惚れてるだのなんだの言ってるらしいぞ」

男「それは誇張しすぎだろ」

幼馴染「委員長さんが似たような話してたよ」

幼馴染「けどわかんないな」

幼馴染「助けられただけで好きになるとかって、本当にあるのかな?」

男「確かにな、フィクションとかだとあるけど、現実でそんなポンポンあるものかどうか」

友「実は特殊能力をもってるとかな」

男「惚れさせる能力とかか?」

幼馴染「案外暗示とかそういう類いかもよ?」

男「現実味が余計になくなってるぞ」

幼馴染「じゃあ、天性の魅力?」

友「あいつにそんなのあるか?」

男「いや、男子から見るのと女子から見るのとでは全然違うからな」

幼馴染「ちなみに私に言わせてみるとアウトオブ眼中です」

男「面食いの幼馴染が言うからには間違いなく、顔ではないな」

友「幼馴染さん面食いなんすか・・・」

幼馴染「嘘だから。そういう意味合いじゃなくて単純に相性として合わないかなって思ったからよ」

男(それでも男女共に仲良くなりやすい性格の幼馴染があまり好まないのは異常だな)

ーーーー
男2「ふぅ・・・今日は一人で落ち着けそうだな」

男「こんにちは」

男2「どうやら、今日もつかれる一日みたいだな」

男2「あんた、確か男?だっけ?」

男「改めて話すのはお互い初めてかな」

男2「まぁ、女子にまとわりつかれるよりはいいかな」

男「そいつはどうも。モテる男は辛いねぇ」

男2「望んでねぇのにな」

男「そう言うなよ、望んでも寄ってこない男だっているんだしさ」

男2「俺はその方が羨ましいね。静かに過ごせるし」

男「退屈と静かは全く別物だがな」

男2「あんたは知らないだけだよ、まわりに騒がれるのがどれ程迷惑か」

男「だったら直接言ってやればいい」

男2「言ったら泣かれたり、傷つかれるし、それは困るし、そんなことはしたくない」

男「いい顔でいたいそれでいて騒がれるのを避けたいか」(いいご身分だな)

男2「どうとでも受け止めてくれ」

男「まぁ、ここは一つハッキリ示せばいいさ。周りの顔伺うのもいいけど、相手に合わせて付き合う気もないんだろ?」

男2「それができれば苦労しないっての」

男「わかってないな?もっと簡単に考えればいいんだよ」

男「難しく考えるから余計にややこしくなる。うまくかわす方法を探すんじゃなくて、うまく受け止めればいいんだよ」

男2「受け止める?どうやって?」

男「方法はいくらでもある。まずは対象の子をよく観察するんだよ。あとはあんたの仕事だ」

男2「随分と投げやりだな」

男「投げやりかどうかはやってみてから言ってくれよ。外野はあくまであんたに方法を教えるだけ、実行の有無はあんたさ」

男2「簡単に言ってくれるな。まずはあんたで示してくれよ」

男「いいよ♪あんたが自分と同じ状況を俺にも作ってくれるんならな☆」

男2(こいつ・・・)

男「俺も同じ状況になればちゃんとやるさ、ま、俺はあんたみたいに賑やかな状況になるようなタイプじゃないみたいでね」

男「人にどうこう言うつもりもないから、俺が言ったことも忘れてくれて結構だよ。やるかやらないかはあんた次第だからさ」

男2「皮肉なら笑えないな」

男「ははは、そりゃそうだ。笑わすために言った訳じゃないからな」

男2(物言いが気に食わないな・・・)

男「悪かったよ、けどからかってるつもりはないよ。うまく立ち回るのは難しいけど、今のままだと確実に後々もっと厄介なことになりそうだなって」

男2「わかってるみたいな物言いだな?」

男「いや、単なる勘だ」

男2「いい加減だなオイ」

男「いい加減な男なものでね。それにあんたみたいに世渡り上手なわけじゃないしさ」

男「本音と建前が下手だからかもしれんな」

男2「今まで本音で話してたのかよ?」

男「もちろん!回りくどいのは嫌いだし」

男2「わかったよ、あんたの言いたいことはわかった。俺も別に好かれたくないわけじゃないし、女子に言い寄られるのも全部嫌な訳じゃない」

男2「ただ、恋人になりたいと思うような女子はいない」

男「だったらハッキリ言ってやれよ。相手が何をいってこようとも好きでもないのに付き合うよりはハッキリ振ったほうがダメージは少なくて済むと思うけどな」

男2「どうかな?」

ーーーー


男「はぁ・・・・いかんな、俺も説教っぽいこと言ってたな」

男「幼馴染のことどーとか言えんなこりゃ」

男「・・・・」

男(無気力で何事に対してもつまらなさそうにしている)

男(人に絡まれれば厄介事のような態度を振るう・・・か)

男「あんな生き方して、楽しいのかなぁ・・・・」

男「ん?よう」

オタク「あひっ!お、男さん・・・」

男「同級生なんだから呼び捨てでいいよ・・・。俺もオタクって呼ぶしさ」

オタク「う、うす・・・」

男「あのさ、幼馴染の写真撮ってるんだよな?」

オタク「あ、す、す、すみません!も、もう撮らないんでどうか・・」

男「いや・・・その、い、良く撮れてるやつとかある?」

オタク「よ、良く撮れてるやつ・・・?」

男「あ、ははは、もしあるんならさ、や、焼き回ししてもらおっかなって」

男「あ、ははは」

オタク「い、いいっすよ・・・それくらい」

男「まじか!今なんか参考になるのとかあるん??」

オタク「えっと・・・カメラあるからこれに・・・・」

下駄箱

幼馴染「うわぁ・・・・」

幼馴染(嫌がらせもここまでくると清々しいね・・・)

女「あ、幼っち。って・・ナニコレ」

幼馴染「遅めの洗礼かな?」

女「はぁ・・・・この手の嫌がらせはするやつって大体ブスばっかなんだよね」

幼馴染「どこからどこまでの範囲かはわからないけどねー」

女「あ、でも幼っちよりブスなら女子全員だわ」

幼馴染「あたしゃ、そこまでの評価されてるのーー?」

女「幼っちも見てる限りじゃホントバッサリ斬るからねー。逆にここまで僻まれるような類いでもないと思うけど」

幼馴染「万人受けってわけにもいかないもんだね。直接被害を受けてるわけじゃないし」

幼馴染「こんなこともあろうかと、予備の運動靴で凌ぐかな」ゴソゴソ

男「幼馴染ー」

オタク「あ、また・・・っすか?」

幼馴染「まぁまぁ、こういうことも学校の醍醐味だよ」

女「あら、珍しい組み合わせね?オタクくんと男くんなんて」

男「色々な♪」(あの件は内密に・・・)

オタク(了解っす)

男「で?またってのは?」

オタク「幼馴染さんの靴がなくなってるんですよ」

男「いじめか・・・誰にやられた?」

オタク「いや、なまえまでは」

男「いじめか・・・誰にやられた?」

オタク「いや、名前までは」

幼馴染「やっ、そんな大したことないよ!!ちょっとイタズラされただけだし!それに私は気にしちゃいな・・・くはないけど・・・」

幼馴染「ちょっとめんどくさいって思っただけだし!」

女「幼っちもこう言ってるし、あたしからも先生に報告するからさ。大丈夫だよっ」

男「そ、そっか」



ーーーーーー

友宅

友「ほう、俺の幼たんをいじめてる不届者がいるのか」

男「俺の幼馴染みだ。ぶちコロスぞ」

友妹「心当たりとかないんですか??」

男「聞いた限りだと、周りの女子の嫌がらせだって」

友「自分が劣っているって認めてるようなもんだよな」

友妹「確かに幼馴染さんこの辺の女の子じゃ比べられないくらい美人だけど・・・むしろ逆にめずらしがって、いじめとかの対象になるかなぁ」

男「そうなの??」

友妹「美人が転校してきても、よほどの・・・例えば逆にいやがらせを受けたとか、性格悪かったとか、あとは男関係ですね」

友「どれも当てはまらねぇだろ?」

男「いや、ひとつある」

友「なんだよそれ」

男「委員長だよ」

友「委員長??」

友宅

友「ほう、俺の幼たんをいじめてる不届者がいるのか」

男「俺の幼馴染みだ。ぶちコロスぞ」

友妹「心当たりとかないんですか??」

男「聞いた限りだと、周りの女子の嫌がらせだって」

友「自分が劣っているって認めてるようなもんだよな」

友妹「確かに幼馴染さんこの辺の女の子じゃ比べられないくらい美人だけど・・・むしろ逆にめずらしがって、いじめとかの対象になるかなぁ」

男「そうなの??」

友妹「美人が転校してきても、よほどの・・・例えば逆にいやがらせを受けたとか、性格悪かったとか、あとは男関係ですね」

友「どれも当てはまらねぇだろ?」

男「いや、ひとつある」

友「なんだよそれ」

男「委員長だよ」

友「委員長??」

男「男に」

男「男2関係で委員長と揉めてる様子だったな」

友「けどあれって幼馴染さんが煮えきらない態度の主人公に切り込んだわけだろ?どちらかと言えば委員長に味方してるはずじゃ」

男「まぁな、けど見方を変えれば余計な世話だと言われてしまうし、現に二人から快く思われてないみたいだな」

友妹「その男2さんってそんなにモテるんですか?」

男「うちのクラスの女子のほとんどが奴に惚れてるらしいよ」

友妹「うーん・・・聞く限りだとそんなにモテるとも思えなさそうなんですけど」

友「俺たち男から言わせてみればさっぱりさ」

男「昔からよく天性の魅力を持った人間はいるって言うじゃないか?それと同じなのかもな


友妹「うーん・・・それは違うんじゃないんかな?」

友「うん?」

友妹「天性の魅力って多分男女共に引き寄せるものだと思うんですよ」

友妹「だから女子だけから好意的に思われる。かといってイケメンというわけでもない」

友妹「男子といるところを全くみたことがないところを考えると少なくとも男性を惹き付ける。男気ってのがないんじゃないんでしょうか?」

男(男を惹き付ける魅力か・・・確かに一理あるな)

友「男は女以上に強いものに惹かれると言うしな」

友妹「男らしさというか、少なくともそれが欠けているという点ではおそらく魅力ではないと」

友「万人受けするってだけじゃなくて、単に局所的なものでも魅力じゃないのか?」

友妹「それ、多分魅力じゃなくて何かしらの行動をしてるか、極論女子に見る目がないなのどちらかだよ?多分」

ーーーー

自宅

男「魅力ねぇ・・・」

男「・・・・」

男「どうかな、最近筋肉落ちてきたかな・・・」

男「また追い込みしなきゃな・・・」

幼馴染「鏡の前で筋肉云々言うナルシストだったんだ」

男「うわぁあっ!!いたのか!というかどうやって入ってきた!?」

幼馴染「男くんが風邪で休んだとき、合鍵渡してくれたじゃん」

男「あ、そうだったな。それでも上がるなら連絡くれても」

幼馴染「サプライズ的な?」

男「他にどんなサプライズを?」

幼馴染「ご飯作ってきたから、一緒に食べましょうー」

男「やったねー!」

男「ご馳走さまでした」

幼馴染「お粗末様ー」

男「よし、洗い物はやっておくから、幼馴染は・・」

幼馴染「お風呂掃除してくるね」

男「え、風呂入ってくのか」

幼馴染「・・・嫌だった?」

男「断る理由はない、むしろ断りたくない」

幼馴染「回りくどいなハッキリ言えチキンめ」

男「一緒にいてほしいです。けど、衛生的まずくないか?」

男「年頃の男女なわけだし」

幼馴染「ふふふ、食べ頃の女子高生は制服着て歩いてるだけでも犯罪級のエロさだもんね・・・♪」

男「茶化すなよ」

幼馴染「冗談だよ。洗い物手伝ったら帰るからさ。と言っても目の前だけどね」

男「なぁ、幼馴染」

幼馴染「うん?」

男「嫌がらせ受けてるんだよな?心当たりとかないのか?」

幼馴染「ストレートに聞くね」

男「悪い・・・けど、うーん・・・うまく話題振れる自身ないし」

男「それに気になったから」

幼馴染「気にしてくれてるんだ?」

男「ダメなのか?」

幼馴染「質問で返すなおバカめ」ペチッ

男「・・・・」

幼馴染「・・・どうしたのさ?深刻な顔して。そんな気にするようなことじゃないよ?」

男「お前がいじめに遭ってるのにほっとけるか」

幼馴染「そんな深刻に考えるようなほどじゃないよ。ちょっといやがらせを受けたってだけ」

幼馴染「この程度で済んでるならそのうち飽きられるよ」

幼馴染「大丈夫だから、ね?」

男「・・・そっか幼馴染が言うならそうなんだろうな」

幼馴染「そうそう。大丈夫だから」

幼馴染「これは恋人の役割としての質問??」

男「っ!!そ、そういうわけじゃないやい!」

幼馴染「照れるなよー照れるなよー。なんか今の彼氏と彼女って感じだったじゃんかー」

幼馴染「恋人同士っぽくって良かったよー♪」

男(っぽい・・・か)

ーーーー

幼馴染「え?委員長が休み?代わりに委員長代理を?」

先生「すまんな、転校してきてもやっと馴染んできたところに急に仕事を押し付けるような形になって」

幼馴染「大丈夫ですよーようは委員会に出ればいいんですよね?」

先生「他にやってくれる女子もいなくてな・・・男子は男2に任せてあるから、彼に聞いてみてくれないか」

幼馴染「わかりました」(うわぁ・・・ドンピシャ)

男2「ん?なんだ?委員長の代わりがあんたか」

幼馴染「というわけでして、とりあえず、委員長が戻ってくるまでなのでよろしくねー」

男2「また面倒が増えそうだな、委員長にベッタリされるよりはマシだが」

幼馴染「ごめんなさいねー、面倒な事で」

男2「全くだな、俺に迷惑かけるようなことは勘弁な」

幼馴染「はいはいー」(あー・・・なんか大分慣れてきたかも、こいつの対処法)

ーーーーー

委員会

えーでは
クラスでのー・・・


幼馴染(うーん、転校してきてちょっと経ってるけど、さっぱりピーマンだわ)

それでこの案件なんですが

男2「はぁ・・・」ペラ・・・

幼馴染(だるそうに資料に目を通すか・・・)


だるいな・・・ヒソヒソ
早く終わってくれねぇかな

ヒソヒソ

幼馴染(なるほど・・・彼だけでなく、やる気のある人がほとんどいないのね・・・)

それでは
意見交換に移りますが
何かありますか?


男2(特にねぇよ、さっさと終わらせろ)

幼馴染「はいはーい」

ザワザワ

男2(おい、冗談だろ?)


誰あの子?
ていうかこの辺じゃみないレベルの可愛さじゃね?

代理らしいぜ


はい、どうぞ幼馴染さん

幼馴染「あのー・・・委員会っていつもこんな感じなんですか?」

ザワザワ

質問の意図が理解できないのですが・・・

幼馴染「あー、なんていうなか・・・自分本意な空気だなぁって」

ザワザワザワザワ

男2「すみません、ちょっと初めてなもので、色々彼女も興奮気味みたいで」

幼馴染「私は落ち着いてるけどね」


幼馴染さん、委員会に関係のないことなら発言さらましても・・・

幼馴染「いや、中身の話しても、この空気じゃ進まないと思うんだけど」

男2「あのな・・・!」

幼馴染「みんなもちゃんと話に参加しません?仮にも委員長として来てるんだからさ」

ザワザワ

なにあいつ?
代理で来てるだけなのにウザくない?

バンッ!!

幼馴染「き・こ・え・ま・せ・ん!!言いたいことあるならハッキリ言ってくんない?ウザいんだけど」

はぁ!?
勝手にごちゃごちゃ言ってきてるそっちじゃん!

幼馴染「文句があるなら、ちゃんと参加してからにしてくれませんかねぇ?」

幼馴染「こんなグダグダな委員会で今までよくやってこられましたね?」

代理できてるやつに言われても・・・
大体あんた委員長じゃないじゃん

幼馴染「ええ、私はただの代理ですね。だけど委員長のみなさんはただ椅子に座って愚痴りあいしてるだけじゃないですか」

幼馴染「そんな人たちに文句言われても説得力なんてありませんよ?」

あぁああ!?
ふざけんじゃねぇぞ!

お、落ち着いてください

男2(マジかよ・・・おい)
ガヤガヤ

ーーーーー

男2「盛大にやってくれたな」

幼馴染「ごめんなさい、ちょっと・・・大分調子に乗ってました」

男2「はぁ・・・また厄介事増えたよ。面倒は勘弁してくれってあれだけ言ったのに」

幼馴染「まぁまぁ、あの委員会の雰囲気にちょっとイラっと来てしまって」

幼馴染「だって自分達のことでもあるのに、どうでも良さそうにしてたんだよ?イラッと来るでしょ?」

男2「押し付けるようなこと言うなよ、たかが委員会だろ」

幼馴染「たかがねぇ・・・。選ばれて来てる以上は最低限ちゃんと取り組む姿勢を見せるべきなんじゃない?」

幼馴染「それでいざ、クラスのことや報告事項があって、聞いてませんでしたとか、わかりませんなんてもってのほかだし」

幼馴染「あの投げやりな態度が一番ムカついただけだから」

幼馴染(まぁ、私情を持ち込んだ私にも非はあるから、反論できないけどね)

男2「はぁ・・・めんどくせーことになるけど、あんた一人にどーこうさせるわけにもいかねぇし」

幼馴染「別にいいよ?責任は私にあるし」

男2「いいよ、しょーがねぇから俺も責任とるしかねぇだろ 」

幼馴染(うーん・・・どっちかと言えば関わってこなくてもいいんだけどね)

ーーーーー

男宅

男「盛大にやっちまったらしいな」

幼馴染「な、なんのことでしょうか・・・旦那様・・」

男「とぼけるんじゃないの。大体は聞いたぞ。代理で行っただけなのにそこまですることなかったろ?」

幼馴染「むぅ・・・そうなんだけど・・・」

男「学校でまた敵を作っちまったな」

幼馴染「男くんだってあの場にいたら多分暴走してたよー」

男「俺は小心者だからできないよーだ」

幼馴染「自慢できることじゃないやいー」ペチッ

男「とりあえず、飛び火が行く前に委員長には謝らないとな」

幼馴染「それだよね、明日お見舞いに行くからそのときにでもと・・・」

男「俺も一緒に行くよ、お前一人じゃ心配だしね♪」

幼馴染「子供か私は」

男「ははは!」

翌日


ガヤガヤ


男「すごい視線だな」

幼馴染「そこまで噂されるようなことしたかなぁ」

男「そもそも、俺ら付き合ってるって設定だしな」

幼馴染「あ、たまに忘れそうになるね」

男「那由多の彼方へ吹っ飛んでたろ」


昨日幼馴染ってやつが・・・
ガヤガヤ
頭おかしいんじゃないのー?

見た目は良くても中身がおかしいとか?

ガヤガヤ

教室

ガヤガヤ
幼馴染さん、昨日委員会でやらかしたんだってー?

幼馴染「いやー、そんなつもりはないんだけどねー」

いいんじゃない?
だって元々やる気ないみたいな雰囲気出てるしさ

それくらいの気概があったほうがクラスの人間としてはありがたいけどね

幼馴染(あら、結構好評価で意外ね)


男(ま、自分達は楽できるしな、そういうやつが委員長になってくれればあとは色々やってくれるってことなんだろうな)

友「幼馴染さん何したの?周りが結構色々言ってるらしいが」

先生「幼馴染、ちょっといいか?」

幼馴染「あ、はい」

おさ先生「委員会でのこと聞いたぞ」

幼馴染「申し訳ございません」

先生「まぁ・・・ああいう場だしな、選ばれた人間もやる気のあるやつなんてほとんどいないし」

先生「気持ちはわからんでもないが、少々やりすぎだ」

幼馴染「・・・すみません」

先生「担当教師は絶賛してたのは周りには内緒にしといてくれ」

幼馴染「え?そうなんですか?」

先生「注意しても反応すらしなかったらしいからな。同じ生徒という立場のやつに言われれば嫌でも反応するから」

先生「しかも相手が女子ともなればな」

幼馴染「いや、まぁ・・・やりすぎたことは反省してます。言いたいことぶちまけたんでかなり言葉使いも乱暴だったし・・・」

男2「止められなかった俺の責任です。彼女にも非はありますが、俺の責任でもあります」

幼馴染(え、どっから生えてきた?)

先生「ん?男2か。まぁあれだけの勢いがあったわけだし止められなくても無理はないだろ」

男2「けどそれで済まされるような問題でもないでしょ?現に以降の委員会活動にも影響があるわけですし」

先生「そこまで考えてるならなぜもっと必死に止めなかった?」

男2「は?」

先生「次の委員会のことまで念頭に置くくらいの余裕がありながら、なぜもっとちゃんと止めなかったんだ?」

男2「そ、それは・・」

幼馴染「あ、あの・・・先生?責任は私にあるわけですし、彼には何も・・・」

男2「いえ、俺の責任です。すみませんでした」

先生「別に私は謝罪の言葉を聞きたい訳じゃない。理由を聞いているんだ」

男2「・・・」

幼馴染「ま、まぁ!!ここは私が以後気を付けるってことでどうか一つ手を打ちましょう!本当にすみませんでした!!」

先生「・・・・そういうことにしておこうか」

男2「・・・」
どうしたのー?男2くん
元気だしてよー
男2くんの責任じゃないんでしょー?だったら気にすることないじゃない
ガヤガヤ


幼馴染(すごいな、あっという間に女子の人だかりが出来てる)

大体幼馴染さんが悪いんでしょー?
なんで男2くんが責任に感じるのさ

男2「それでも、俺が止められなかったことが悪い、なにもあいつだけの責任じゃないさ」

責任感強いねー
男2くんが落ち込んでるのになんであの人ヘラヘラしてるの?


幼馴染(ごめんなさい、こういう性格なんです)

屋上

男「やっぱりここか」

幼馴染「や、教室にいても空気悪くしちゃうしねー」

男「ったく、女子もひでぇもんだな、朝は絶賛してたくせに、男2が責任感じてだかなんだか知らねぇけど」

男「落ち込んでるところみたら、掌返しだな」

幼馴染「好きなものの味方をするのが人間だからねー」

男「お、そいつは真理だな」

幼馴染「男くんもだから私の味方なんでしょー??」ジトー

男「あん?俺はお前が間違ったこと言ってないから味方をしてんだぞ」

幼馴染「ほほうー」

男「とまぁ、それだけと言ったら嘘になるな」

幼馴染「正直者め」

男「それだけだったら格好ついたんだろうけど、いかんせん」

男「主人公みたいに格好いい役所は無理だな」クスッ

幼馴染「言わなきゃ良かったのに、おバカさんだなー」

男「うるちゃい」


友「格好ついたら男じゃないもんな。あと夫婦漫才なんざ男には100年早いわ」

男「だまらっしゃい!」

女「欲望に忠実なのがこの二人だし。格好ついたら逆に不安になるわ」

幼馴染「あら、二人とも」

男「もの好きがまた二人増えたな」

友「美人の味方は俺の専売特許」

女「数少ないハーレム除外要員よ」

幼馴染「えー、なんか嫌だなぁ、そんな肩書きの二人が味方って」

友「そんなぁー!つれないなぁー!」

女「えー、いいじゃんかー」

男「嫌そうな台詞を吐いてるのに顔はニヤついてますよ、幼馴染さん」

幼馴染「新手のツンデレよ」

男「毒デレってほうがしっくりくるような」

幼馴染「女の子つかまえて毒ゆーなよ」

女「なるほどねぇ…そんなことが」

友「見た目は女神、中身は猪」

幼馴染「女の子に向かってイノシシっスか」

女「いくら美少女でも一筋縄じゃいかないと嫌われるか…世知辛いわね」

男「カツ丼で揺らいじゃうくらいチョロいけどね」

幼馴染「…」イラッ

男「ご、ごめんなさい…言い過ぎました」

友「俺的にはアリッっすけどね」

女「あんたにはご執心中の幼友さんがいるでしょ…」

―――――

ヒソヒソ

男(しかし露骨だな…)

幼馴染「ふーんふんふん♪」


見てよ
自分が悪いって気がないの?

顔が良いからって調子に乗ってるんじゃないの?


グチャァ…

男「ひっでぇな…こりゃ」

幼馴染「あれまぁ…もう靴の原型がないね、こりゃ」

男「いくらなんでもやりすぎだろ…」

幼馴染「大丈夫大丈夫スペアはあるから。運動靴のほうが動きやすいしね♪」

男「だけど…」

幼馴染「いいの、いいの。こんなことくらいで大事にするわけにもいかないよ~」

男「…」

委員長宅前

幼馴染「うぅ…緊張する」(今日最大の鬼門だなぁ…)

男「どうする?俺も一緒に上がろうか?」

幼馴染「そんなのいいよー、私が一人でなんとかする」

幼馴染「そこの木陰で見てなさい」

男「あいよー」


幼馴染「…」ドキドキ

ピンポーン

幼馴染「…」ドキドキ


「はい、どちら様ですか?」

幼馴染「すぅ…」

幼馴染「同じクラスの幼馴染みです。委員長さんのお見舞いと、委員会に代理で出席させていただきましたので
その報告に参りました」

「はーい、わかりました」

幼馴染「ふぅぅぃ…」


電柱
男(なんとかうまくいったな)


ガチャ
委員長「……どうぞ、上がって」

幼馴染「あ、どうも」

委員長部屋

幼馴染「…」(部屋まで上げてもらったけど大丈夫かな)

委員長「お待たせ、お茶だけど」

幼馴染「あ、ごめんなさい。気を使わせてしまって…」

委員長「それで?委員会に代わりに出席してくれたみたいね」

幼馴染「あ、う、うん。まぁ代理で出たというか…なんというか」

委員長「報告とは?」

幼馴染「あ、あの・・・なんて言いますか…」

委員長「ハッキリ言いなさい」

幼馴染「…」

幼馴染「ごめんなさい」

幼馴染「代理で出たのにも関わらず・・・勝手なことして」

幼馴染「本当にごめんなさい」

委員長「・・・」

委員長「あなたとは色々とあったのに・・・それでも頭を下げるのね」

幼馴染「私の責任でしたことだから、個人間でのトラブルがあっても、謝るのが筋だと思うから・・・」

委員長「・・・はぁ・・全く、変なところで律儀ね」

委員長「あなたのしたことに対して怒ってなんかいないわよ」

幼馴染「へ?」

委員長「むしろ私は男2くんと色々とあったのかと思ってたから」

幼馴染「色々と言われるとまぁ、トラブルに巻き込んだという意味では・・・」

委員長「まぁ、それはこの際置いておくわ」

委員長「それで、委員会の連中どうだった?」

幼馴染「どう、とは・・?」

委員長「どういう反応だったの?」

幼馴染「いや・・・・そりゃまぁ、罵声に怒号にブーイングのオンパレードかな」

委員長「そう・・ふふふ」

幼馴染「い、委員長??」

委員長「ごめんなさいね、私が同じことをやっても彼ら反応すらしなかったから」

委員長「まぁ、あなたほどきつくは言ってなかったけど」

幼馴染「うぅ・・・」

委員長「けど、あの無反応の気だるい連中が罵声に怒号ね、見てみたかったわ」

幼馴染(え、もしかして楽しんでる??)

幼馴染「で、でも!私勝手なことして、これから委員長にとってやりづらい環境にしちゃったんだよ??」

委員長「やりづらい?むしろ逆よ、私に対しても反応するようになっただろうし、好都合よ」

幼馴染「好都合???」

委員長「委員会で話を聞かせられるきっかけになったのだからね」

幼馴染「でも、聞いてくれるかなぁ・・・一方的に罵声浴びせられそう」

委員長「先生もいるし、そんなことはないと思うわよ、それにそうなったらまたあなたを呼ぼうかな」

幼馴染「火に油注いじゃうよ」

委員長「ったく情けないわね。それであれだけのこと委員会でよく言えたわね」

幼馴染「あれは・・・なんというか、もうなんか取りついてたとしか、言い表せない状態だったというか」

幼馴染「でも・・あのやる気のない感じを露骨に出すのは気に入らなかった。任された以上、最低でも取り組む姿勢は見せるべきだと思う」

委員長「全くその通りよ。確かに嫌で選ばれたにしろ、与えられたことに取り組めない人間が能動的に何かをやることなんてできないもの」

委員長「これからやりたくないことなんていくらでもやらされるというのに」

委員長「学校はそういう訓練の場だという自覚がない人間が多すぎる」

委員長「遊ぶのも結構、楽しむのも良いことよ。学生だもの私だってそういう気持ちはあるわ」

委員長「けど、すべてがすべて自分の都合のいいことばかりじゃないわよ」

委員長「集団生活というのがどういうものかちゃんと向き合うべきよ」

幼馴染「・・・」

委員長「ん?どうかした??」

幼馴染「いや、委員長ってみたままの人だなぁって」

委員長「嫌みかしら?」

幼馴染「普通の人だったらそう言うかもね。でも私は良い意味で言ったつもり」

幼馴染「ちゃんとメリハリつけてるのは流石委員長って感じで」

委員長「そりゃ私だって人並みに楽しみたいわよ」

幼馴染「そりゃそうだよね、あはは、ごめんごめん」

委員長「私はあなたを誤解してたわ。マイペースに周りを巻き込むってイメージだったけど」

委員長「本質は私と変わらないのかなって」

幼馴染「いや、イメージ通りで割りと合ってたりする・・・かなー・・」

委員長「お節介焼きなところはそのままかもね」

幼馴染「なにをー!!」


ーーーーー


男「まだかな・・・大丈夫か??連絡入れようかな」

男「いや、それじゃ俺も着いてきたことがバレるな」

男「実際バレてもいいけど、幼馴染が一人で来れない根性なしみたいに思われるのは癪だしな」


幼馴染「なにぶつぶついってるのー??」

男「おおっ!!!幼馴染!!大丈夫か!?戦争してきたのか!?罵声に怒号の浴びせあいか!?」

幼馴染「そんなことしてないよー。委員長とはただお話してただけだよ」

男「対話という名の殴り合い?」

幼馴染「私は武闘家か」

幼馴染「そうじゃなくて、ちゃんとしたお話だよ。むしろ少し仲良くなったくらいだよ?」

男「仲良くなった??委員長と??あんなにビビってたのにか?」

幼馴染「もうそんなこともありませんー。この件はもう大丈夫だからっ!男くんは心配することナッシング」

男「昭和のババァか!」

幼馴染「可愛い幼馴染みに向かってババァだとコラァ」

男「ツッコミしただけじゃないかー」

ギャーギャー

翌日
学校にて

幼馴染「役員選挙・・・ですか?」

先生「そうだ。お前のことを学園長に報告したら、」

翌日
学校にて

幼馴染「役員選挙・・・ですか?」

先生「そうだ。お前のことを学園長に報告したら、それほどの上昇志向に単独で切り込むだけの度胸があるなら、生徒会役員に立候補してみないかということだ」

幼馴染「私なんか無理ですよー!!だってあれで反感買って人望なんて皆無ですよ!?」

先生「きっかけなら、私が作ってやる。あとどれだけの票を集められるかはお前次第ということだ」

幼馴染「相当難しいですよー?」

先生「挑戦してみることも社会に出ていくのに必要な経験だ。決して悪い話ではないと思うぞ」

幼馴染「むぅ・・・」



ーーーーーーー

授業中

えーでは
ここの問題を

幼馴染「…」
ソワソワ


男「何やってんだあの娘は」

友「幼馴染さん何してんの?」

男「俺が知るか」(新手のヨガかなんかか?)

幼馴染(むぅ…生徒会かぁ…そこまでのことをしようと思ってなかったんだけどなぁ)

幼馴染(性格だけで生徒会に推薦されるのもなんか違う気がするし…)

幼馴染「うぅーー」

―――――

男「どうしたんだよ?授業中ずっと上の空だったろ」

幼馴染「そう見えてたよねぇ…」

男「なんだよ、真剣な悩みか?」

幼馴染「悩みってほどのことじゃないんだけどねぇ」

男「委員会の件か?」

幼馴染「そんな感じかなー」

男「委員会は委員長に許してもらえたんじゃないのか?」

幼馴染「それはそれなんだけど、他にもね」

男(他に悩みとなると…男2絡み・・・か?)

ーーーー

幼友「幼馴染の?」

男「何か悩みとかそういうこと聞いたことないかな」

幼友「私はないけどなぁ・・・・同じ学校の男くんの方がよくわかるんじゃないかな?」

男「俺も観察はしてるけど、悩みまでは」

幼友「いっそのこと本人に直接とか?」

男「そうしてみたけど返事が生返事なんだ」

幼友「あらまぁ」

幼友「あーでも・・・最近lineでも返事が雑になってるかな」

男「まじか」

ーーーーー
ピロリン

幼馴染「ん?誰からだろ」


男2です
明日下校時間に
体育館裏で待ってます

幼馴染「男2くん??しかも体育館裏??なんのこっちゃ??」

幼馴染「何か用があるならそのまま学校で普通に話しましょう・・・っと」


ピロリン

幼馴染「返事が早っ」


人には聞かれたくない内容なので
お願いします

幼馴染「聞かれたくない内容?なんだろ」

自宅

ピロリン

男「ん?幼馴染からか?」

明日一緒に帰ろ


男「ん?なんだどうしたし。わざわざそんなこと言うためにlineを?」


なんだかわからないけど
男2君から呼び出された

男「!!!なんだと!?!?」


体育館裏で待ってますって
こないだの委員会のことまだ根に持ってるのかな


男「それはちがうと思うぞ・・・呼び出しって・・・けど、あれだけ険悪なのになんで急に呼び出しなんか?」


不安だから
男くんをいざってときに召喚できるようにしておきたい!

男「俺は魔石かなんかか」

幼馴染「おっ、返事きたきた」


俺はどの辺で舞ってればいいんだ?


幼馴染「舞うな、うーん」

幼馴染(話が聞かれるのはさすがに男2くんに悪いし・・・)

幼馴染「私たちが見える辺りで待機しててもらえるかな」

わかった
体育館裏なら第2校舎の二階から見えるしそっちからは気づかれない

幼馴染「そんな便利な場所があるのか」

わかった
期待してるぞ
男くんよ


男「してるがよい」

ピッ

男「はぁ・・・呼び出しか」

男(なんなんだろうか・・・まさかと思うが告白ってのはないだろう)

男(男2自身特定の誰かを好きになってるってこともないだろうし)

男(幼馴染自身も嫌ってるとまではいかなくても、あまり好きという印象を持っていない)

男(けど、片やクラス女子を虜にしてる男、片や転校してきた美少女)

男(引き合わないわけがない)

男(・・・・これは)

ーーーー
翌日

幼馴染「よし、いってくるよ」

男「おう!何かあったらすぐにアクションしてくれよ」

幼馴染「なにー?二階から飛び降りてでも、駆けつけちゃう?」

男「着地失敗しなけりゃな♪」

幼馴染「大丈夫大丈夫、ただの話し合いだから」

幼馴染「男くんが心配してるようなことにはならないよ♪」

トコトコ

男「おうよ」

男「そうだともさ」

男「大丈夫だよな、幼馴染・・・」

幼馴染「・・・」キョロキョロ




男「こっちは配置についたが・・・」

男(・・・やっぱりあいつ可愛いな。遠目から見てもわかるくらい美人だし)

男「というかさっきからなにクルクル回ってるんだ?」(頭おかしい子に思われるぞ・・
)



幼馴染「おそいなぁ・・・」

ツカツカ

上級生1「初めましてね、幼馴染さん」

上級生2「あなた男くんと付き合ってるって噂よね?」

幼馴染「???えっと・・・どちら様でしょうか」

上級生1「質問に答えなさい」

幼馴染「えっと・・・はい」(え、もしかして呼び出した相手ってこの人たち?)

上級生2「それなのに男2くんに呼び出されてノコノコ来ちゃうなんてねぇ」

幼馴染「でも、私話があるなら普通にしましょうって言いましたし・・・」

上級生2「そうね、けどあなたは来たと」

幼馴染「・・・」(何をどうしたいのか全くわからないのだけど)

上級生1「このこと、彼氏くんが知ったらなんていうでしょうねぇ」

幼馴染「脅しのつもりですか?」

上級生2「はぁ?」

幼馴染「そもそも、何をどうしたいのか全く話が見えてこないんですけど?」

上級生1「態度の悪い後輩ねぇ、目上に対するものとは思えないのだけど」

幼馴染「先輩だったんですか、てっきり程度の悪さといい同級生だと思ってました。すみません」

上級生2「あんたねぇ!!」



男「ほう、なにやら言い争ってるな、女同士の修羅場か」(さしずめ男2のおっかけってところか)

男2「おいおい、後輩相手に二人で責め立てるなんて随分な先輩ですね」

幼馴染「ん?」

上級生1「あら、男2くん。何しにきたのかしら?」

男2「どうもあんたたちがこいつを呼び出もんで」

上級生2「どいつが喋ったんだか・・・・」

幼馴染「???」(この人たちは何?男2くんのおっかけなの??それで私を呼び出してなんの関係があるの??)

上級生1「それにあなた、彼女と随分と仲が良いみたいね?彼女には彼氏がいるのよ?」

男2「そんなじゃないっすよ、何かと絡むことがあっただけっスよ」

幼馴染「そうですね」

上級生2「そんなの信用できるわけないでしょ?二人で口裏合わせればいいだけの話だし」

男2「生憎俺はこいつの連絡先すら知らないんでね。何があるか知らないっすけど言いたいことがあるなら直接言え」

上級生1「・・・っ!」

ツカツカ

ーーーーー

男2「悪いなあんたにまで迷惑かけて」

幼馴染「あ、まぁ、そういうこともあるよ」

男2「ったく・・・めんどくせぇな、直接言えば良いだけの話を間接者を巻き込んでなんの意味があるんだか」

幼馴染「よーするに、あの先輩たちは男2くんが好きで、それで私があなたに好意を持ってると勘違いしてると?」

男2「だろうな、全くはた迷惑な話だよ」

幼馴染「それは言い過ぎなんじゃない?やり方はアレかもしれないけど、人の好意にとやかく言うことはできないと思うのだけど」

男2「あんただってわかるだろ?色んな連中に好意を向けられてうんざりするような話なんて」

幼馴染「私はあなたみたいにうやむやにするのは嫌だからバッサリ斬ってます」

男2「そーかそーか、すごいですねー。俺には真似できませんよ」



男(あ、いたいた!ていうか雰囲気悪いそうだな・・・)


バシッ!!

男2「っ・・・!?」

幼馴染「・・・」



男(お、幼馴染が・・・殴った?)


男2「な、なにすん・・・」
ガシッ
幼馴染「甘えたこと言ってんじゃねぇぞ・・・!」

幼馴染「本気で向き合う覚悟もねぇのにうやむやにしてんじゃねぇよ・・・!」

幼馴染「相手には本気でお前に好意を持ってる奴だっているんだぞ」

幼馴染「それに本気で向き合えないなら、期待を持たせるようなことをすんな」

幼馴染「ぐたぐだ、愚痴を吐き続けるのは心の中だけでやってろ。口に出して言うな、聞きたくもないのに聞かされてるこっちは反吐が出るんだよ」

幼馴染「・・・・」

男2「・・・・」


幼馴染「失礼、助けてくれたことには感謝します。けど」

幼馴染「今言ったことを撤回するつもりはないので。そのことをよく考えてみてください」

幼馴染「あなたのことを本気で想ってる人の気持ちを踏みにじるようなことをしないでくださいね。自分で同じ境地に達すれば、自ずと彼女たちの気持ちが嫌でも思い知らされるとおもうので」

幼馴染「失礼します・・・」
ツカツカ

男2「・・・・」




男「あ、お、幼・・・」

幼馴染「さっさと来る!!」

男「あ、!は、はいぃ!!」

男「・・・」

幼馴染「・・・・」

男(・・・・気まずい)


幼馴染「・・・」チラッ

男「??」

幼馴染「・・・・・・・ご、ごめんね・・・」

男「へ?」

幼馴染「だ、だから!・・・男くんに当たり散らして・・・ごめんね・・・」

男「・・・・」

幼馴染「・・・・うぅぅ」

男「幼馴染、もう一回今のトーンで言ってくれる?死ぬほど可愛かったから録音する」

幼馴染「うがぁぁーーー!!こっちは真面目に超恥ずかしかったけど言ったのにぃーー!!」



男「けど、よくあれだけタンカ切ったな」

幼馴染「気に入らなかった、それだけだよー・・・」

男「まぁな、俺もあそこまで卑屈的にならなくてもいいんじゃねぇかと思ったよ」

幼馴染「でしょー?あの人に好意を持ってる人には悪いけどさ、私は魅力的には感じないかなー」

男(言ってた言葉は悪かったけど間違ってはいなかったしな)

男「けど今日は幼馴染の別の顔が見れて面白かったかなぁー?」

幼馴染「やめてよぅ・・・普段は大人しくてか弱い女の子なんだぞー」

男「か弱い子が「甘えたこと言ってんじゃねぇぞ」とか言わないだろ」

幼馴染「むぅ・・・」

男(ちょっと拗ねとるな、言い過ぎたかな)

幼馴染「男くんも、物腰柔らかくて、包容力のあるおっとりとした女の子が良いんだ・・」

男「そこまで言ってないじゃないか・・・悪かったよ」

幼馴染「むぅ・・・・」

男「機嫌直してよ、幼ちゃんー」

幼馴染「・・・」

幼馴染「じゃあ、頭撫でて」

男「え?」

幼馴染「機嫌・・・・直したくないの・・・?」

男「そりゃ・・ニコニコしてる幼馴染の方が・・・」

幼馴染「じゃあ、頭撫でる!そしてさっきみたいに幼ちゃんって呼ぶ!曲りなりにも恋人だろ!ヘタレめ!」

男「ヘ、ヘタレじゃないわ!!」(恋人って・・・偽物じゃないか・・)

男「よ、よし、ほら・・・こっちおいで」

幼馴染「ん・・・」チョコチョコ

男「よし・・・機嫌直してください幼ちゃん」
ナデナデ

幼馴染「んっ・・・・」

幼馴染「ふぁ・・・・ん♪」

男(こうすると、小動物みたいでちっこいな・・俺の身長が幼馴染と比べて高いだけなんだが・・・)

男「っていうかこんな現場見られたらまた学校で色々言われるんじゃないか?」

幼馴染「むー・・・男くんは嫌なの?」

男「そんなことあるわけないだろ、ただ・・・」

男「・・・・」

幼馴染「私のイジメのこと?」

男「・・・いや、あれはイジメじゃねぇ、嫌がらせだ」

幼馴染「ふふふ、イジメとは言わないんだね」

男「お前がイジメられてるなんて口にしたくない」

男(俺自身認めたくないからなんだけどな・・・)

幼馴染「ありがと、気を使ってくれて♪大丈夫だよ、どんなことがあっても、男くんさえ味方で居てくれれば、私は何されても平気だよ?」

男「何されてもは俺が嫌だ、周りに合わせろとは言わないけどさ、予防線は張っといてくれ」

男「何かされてからじゃ遅いから。俺もできる限りのことはしたいし」

幼馴染「えへへ、なにさー、これじゃまるで本当に恋人同士のやりとりじゃんか」

男「そ、それは・・・うっ・・」

男「・・・・純粋に心配なんだよ」

幼馴染「うん、わかってるよ」

幼馴染「ありがとっ」

男「・・・・・」


その日はお互い家につくまで話すことはなかった
自分のヘタレさにもウンザリしそうだったが、何よりも幼馴染への嫌がらせをなくせない、自分の無力さを思い知らされていた

異端者はいつの時代も疎まれる。そんな人々の空気に嫌気がさしていた・・・

一人を除いては・・・・




ギャル「男2くーん一緒にお昼食べようよー」

男2「悪い今日は別の用があるんだ」

ギャル「えーそんなこといわないでさー、なんならあたしがおごっちゃうよー?」

男2「悪いけど、本当に無理なんだよ。じゃあな」
トコトコ

ギャル「え?ちょっと!」




ーーーーーー

ーーーー
友「あん?ラノベの主人公が?」

女「最近ハーレムやってないみたいでさ、何かと一人でいるみたいなんだー」

友「単純に女子が離れていってるだけじゃないのかー?」

女「それが、彼自身からハッキリ断ってるみたいなんだってさ」

男「へぇ・・・」

女「おかげでクラスの女子はどんよりしてるってわけだけど」

友「ピリピリしてる感じだもんな、けど委員長はやけに生き生きしてるような・・・」

女「もしかして、男2くん、委員長と?」

男「あんまり噂したらまた委員長に睨まれそう」


委員長「誰が睨むのかしら?」

男「い、い、委員長!?!?」

幼馴染「陰口なんて男くんらしくないよー」ジトー

男「ちゃうわい!友と女さんに注意しただけだぞー」

友「ていうか珍しいよな、委員長から俺らのとこにくるなんて」

委員長「あまり歓迎されていないのかしら」

幼馴染「珍しがってるだけだよ、委員長」

幼馴染「私が誘ったんだよ」

女「そういえば二人最近仲良いわよね」

委員長「まぁ色々とね・・・」

男「そろそろあいつも戻ってくるころだけどな」

オタク「お、遅れてすみません・・・・」

幼馴染「おっ、オタクくんやっほっほーん」

下校時間

幼馴染「委員長ー、委員会終わったら一緒に帰ろー?幼友も誘ってカラオケいこうよー」

委員長「いいけど、時間かかると思うし無理に待たせるのも悪いわ」

幼馴染「気にしなくていいよー、男くんとポーカーやってるからさー」

男「また渋いチョイスだな」

委員長「いいのかしら・・・」

男「気にしないでよ、幼馴染もこう言ってるからさ」

委員長「そう、わかったわ。終わったらすぐに連絡するから」

委員会

それではここの担当は・・・

男2「それは俺がやります」

委員長「!?」

そ、そうですか
では男2くんにお願いします

男2「わかりました」

委員長「・・・・」



ーーーーー

委員長「珍しいわね・・あなたが自分から何かをしようとするなんて」

男2「そんなことない。やりたいことは今までやってきたつもりだよ」

委員長「やりたいこと・・・?」

男2「そうさ。やりたいことができるようになってきたから。ただそれだけだよ」

委員長「・・・・」

カラオケ

幼友「へぇ・・・その男2くんって人と委員長はいい感じなの??」

委員長「そういうわけじゃないわよ・・・以前まで私の一方通行だったわ」

委員長「今ではあきらめてるし」

女「えーでもさ、諦めきれないって感じじゃない??」

委員長「否定は・・・できないわね・・・」

委員長「けど私は相手になんかされてないみたい」

幼友「その男2くんって人、そんなにモテるの??」

女「ウチのクラスの女子が群がるくらいね。見た目は普通よりちょい上くらいよ?」

幼友「ふーん・・・わかんないなぁ」



幼馴染「あのー・・・私歌ってるのそっちのけで話盛り上がるのやめてくれませんかねぇ・・・一人で悲しいです」

女「けど、男2くんにあれだけズバズバ言ってるのは幼馴染さんだけよね」

幼馴染「みんなも言えばいいのに」

女「あたしは興味がない」

委員長「私はとくにないですし」

幼友「けど、幼がそこまで本気になる人がどんな人か見てみたいなぁ」

幼馴染「本気って・・・そんなんじゃないよー・・・」

幼友「もしかしたらそれは好意だったりとか」

女「え?まじで!?」

委員長「ほぅ」

幼馴染「いやっ、それはないからっ」

ーーーーー



男「よぅ」

母「なんだー、あんたか」

男「なんだとはなんだよ、久々に見舞いにきたんだからさ」

母「あんたの顔より孫の顔の方がみたいわよ」

男「無茶言うなよ。まだ17だぞ」

母「幼馴染ちゃんが帰ってきたんじゃないのー?」

男「どこ情報だよそれ」

母「お袋の知恵袋なめんなよ」

男「うまいこと言ったつもりか」

男「大体なんで幼馴染なんだよ」

母「あんたのこと貰ってくれる子なんてあの子以外いないでしょ」

男「滅茶苦茶言いやがるなこの母親」

母「まぁ、あの子も苦労したけど、病気も治って万々歳だねぇ」

男「まぁな」

母「どっかのイケメンな金持ち引っかけて幸せに暮らしてほしいものね」

男「そ、そういうこと言っちゃうかな」

母「ウチのゴクツブシじゃ、釣り合いが取れないし」

男「ゴクツブシ・・・・」

母「かわいい子の幸せを願って何が悪いのさ」

母「ゴフッ!ごほっ、ごほっ!!」

男「おいおい、調子に乗って無茶するからだよ」

男「もう寝てろって」

母「母は強し」

男「今にも死にそうな顔してなにいってんだよ。ちゃんと寝てろ」

母「あんたが思ってるほど柔じゃないわよ」

母「あんなに病弱だった、幼馴染ちゃんが元気になっだんだ。私にだってワンチャンあるさ」

男「そう思うんなら、ちゃんと寝て、体を休めろって」

男「幼馴染だってそうやって治したのかもしれないだろ?」

母「ただ寝てるだけじゃダメさ、活力溢れてないと、どんだけ治そうとしても本当の意味じゃ良くならないわよ」

男「母ちゃん」

母「あんたにも言えることよ」

母「そんなしょぼくれた顔してんじゃないわよ」

母「自分の想ってることがあるならぶちまけなさい」

母「男なら本気でぶつかれ!」

男「母ちゃん・・・」

母「自分の芯を通せない男が男なんか名乗るんじゃないわよ?あんたは曲りなりにもあたしが惚れた男の息子なんだから」

男「かっこつけるなよ」(格好いいじゃねぇかよ・・・)

母「だから、どっしり構えてればいいんだよ。あんたの想ってることは間違っちゃいないんだから」

母「ごふっ!ごほっごほっ!ぅっ」

男「おい!母ちゃん!大丈夫か!?」

ーーーーー

男「ったく・・俺が慰められるなんてな」

男「情けねぇ」

トコトコ

友「よう」

男「友か、なんだ?どうかしたか?」

友「いや、お前の様子がおかしかったからな。もしかして幼馴染さんに振られたんじゃないかと思ってな」

男「喧嘩売ってんのかコラ」

友「・・・・」

友「だったら?」

男「・・・」

友「この前の言ったしな・・・・・喧嘩しようぜ」

男「・・・・ああ」

ーーーーー

男「はぁ・・・はぁ」

友「いってぇ・・・くっそ、結構本気でやってきたなコノヤロウ・・・」

男「お前が・・・やるっつったんだろうが」

友「・・・はは、ちげぇねぇ」

男「はぁ・・・・はぁはぁーっ・・」

友「お袋さん・・・・どうなんだよ」

男「・・・なんだよ、そのことかよ」

友「もう長くないんだろ?」

男「ああ、本人もわかってるよ」

友「大丈夫なのか・・・?」

男「母ちゃんはそんな弱くねぇよ、けど、死ぬことが怖くないはずねぇ・・」

友「ちげぇよ・・・お前だよ」

男「俺?」

友「お袋さんがあんな状態で尚且幼馴染さん絡みでもさ」

男「確かにな・・・」

友「どうするつもりだよ?」

男「俺がどうしていくわけじゃないさ母ちゃんのことは医者に任せるしかないし、幼馴染も子供じゃない。二人を支えることしか俺にはできない」

男「結局どうにかしていくのは自分次第なんだよ」

友「そりゃあ・・・そうなんだけどさ」

男「だから俺自身のモチベーションや心身は俺がなんとかしなきゃならん」

男「そのへんは分かってるよ。心配すんな」

友「心配じゃねぇよ。慰めだ」

男「そいつはどうも」

ははははは

ーーーーー

オタク「・・・」(ちょっとイメージチェンジしてみたけど変に思われてないかなぁ)

あれ・・・だれ?

うちにあんな人いたっけ?


ね、ねぇ?もしかして
オタクくん?

オタク「あ、や、その・・・」

そのキョドりかたオタクくんだよねー?

どうしたの髪型変えたりしてさー

へぇ、悪くないじゃん
そっちの方が似合ってるよー

オタク「あ、ありがと・・・」


オタク(髪型変えただけなのに・・・こんなに反応変わるなんて)

オタク「・・・」トコトコ

女「よっ!オタクくん?だよね?」

オタク「あ、幼馴染さんの友達の・・・」

女「女だよー。よろしくね。ていうか髪型変わったねー。そっちの方が好青年って感じでいいじゃんー!!」

オタク「そ、そうっすか・・?」

女「あとは自信としゃべり方が身に付けば完璧だね。まぁそのへんは自然とマスターするよ」

オタク「そ、そうかな・・・」

女「男の子なんだからさ、下ばっか見ないで真っ直ぐ前見なきゃ」

オタク「けど・・・恥ずかしいというか・・」

女「乙女か!!ほら、ほらこっち向く!」

グイッ

オタク「っ!」

女「うん。いい顔してんじゃん。これから話すときはちゃんと目を見てね」

オタク「う、うっす・・・」

昼休み

ガヤガヤ

女「ほら見てよーオタクくんイメージ変わったでしょ?」

友「たしかに前まで髪の毛隠れてて暗いやつって感じだったからな」

オタク「そ、そうなんすか・・・」

友「話すようになる前ってことだよ」

委員長「もう少し優しい言い方してあげなさいよ」


幼馴染(ん?あれれ、男くんは??)
トコトコ

女「幼っちー?どこいくのー??」

幼馴染「ちょっと失礼・・・」


トコトコ

中庭ベンチ

男「はぁ・・・なんか食欲出ねぇな・・・」

男「最近体調も良くねぇし・・・なんか変なもんでも食っちまったかな」

幼馴染「拾い食いでもしたのー??」ジトー

男「お、幼馴染か。いや、なんか調子悪くてな」

幼馴染「大丈夫?また熱とかない?」

男「熱はないかな。気だるいというかなんというかなぁ」

幼馴染「シャッキリできない?」

男「朝の鍛練は欠かさずやってるんだけどな」

幼馴染「んー・・・じゃあたまにはだらけるだけだらけてみるとか?」

男「だらけるか・・・そういえば最近色々あって、緊張しぱなしたったかな」

幼馴染「体がちょっと休みたいって悲鳴をあげてるのかもね」

男「けど、だらけるととことんだらけるから・・・出来る限りしっかりしていたいんだよな」

幼馴染「たまには息抜きも必要だよっ」

幼馴染「体にその兆候が顕著に出てるなら尚更」

男「幼馴染がそこまて言うなら少し手を抜いてみようかな」

幼馴染「そーだそーだ、ホラホラおいで♪」ポンポン

男「なんで膝をポンポンさせてるんだ」

幼馴染「ベンチで女の子が膝をポンポンさせてたら・・・あれしかないでしょ?」

男「アルプス一万尺?」

幼馴染「あれ両手で合わせて、お互いの手を合わせ合うだけじゃん。膝なんてつかっちょらんわい!」

男「ちょっとふざけただけだい」

幼馴染「おふざけとかなしで・・・・・ほら・・・おいで?」

男「・・・・」ポリポリ

幼馴染「ふふふ、どーして目を逸らすのー?」

男「さ、察してくれよ・・・」

幼馴染「膝枕・・・嫌?」

男「そんなわけあるか・・・いいのか?こんなことして」

幼馴染「私たち恋人同士なんだよ?していても不思議に思われないよ。ちょっと騒ぎになるくらいかな」

男(偽物なのに・・・いいのかよ?噂されたら他のやつと付き合うチャンスだってなくなるのに)

男「なぁ・・・幼馴染」

幼馴染「うん?なにかな??」




トコトコ
男2「ん?あれは・・・男
と幼馴染?」

幼馴染「ふふふ、どーして目を逸らすのー?」

男「さ、察してくれよ・・・」

幼馴染「膝枕・・・嫌?」

男「そんなわけあるか・・・いいのか?こんなことして」

幼馴染「私たち恋人同士なんだよ?していても不思議に思われないよ。ちょっと騒ぎになるくらいかな」

男(偽物なのに・・・いいのかよ?噂されたら他のやつと付き合うチャンスだってなくなるのに)

男「なぁ・・・幼馴染」

幼馴染「うん?なにかな??」




トコトコ
男2「ん?あれは・・・男
と幼馴染?」

男「お前はこの関係どう思ってるんだ?」

幼馴染「どう・・って?」

男「偽物の恋人同士の関係だよ」

幼馴染「んー・・・・私は別に悪いとは思わないよ?当事者同士がお互い理解しあって節度をもってしてるなら」

男「理解・・・か」

幼馴染「あ、でも男の子はやっぱりドキドキしちゃう?本当の恋人みたいで」

男「幼馴染」

幼馴染「ごめん、冗談だってば。でも悪い関係とは思わないよ?」

幼馴染「まぁ言い方はあれにしろ。お互いの関係性は付き合いたての恋人同士って感じだと思う」

男「どっちかっつうと兄妹みたいな関係じゃないか?」

幼馴染「私が妹なのー?」

男「えー、だって幼馴染だし、ちっこいし」

幼馴染「男くんがでっかいだけだよぉー。ちっこくもでかくもない中途半端な身長なのがさ・・・」

男「美人でスタイル良いんだから、さらに身長も欲したらバチが当たるぞ」

幼馴染「天罰が下るのかな」

男「そこまでは言ってないけど・・・欲に目が眩むと大変なことになっちまう」

幼馴染「ふふふ、高望みはしないよー。ほしいものは手に入れちゃうからね♪」

男「幼馴染さんの手にはいるものって割りと手短にありそうなもんだもんねー」

幼馴染「チョロイ子みたいにゆわないでよー」

男「チョロインめ」

幼馴染「むっ、ちょっとイラッてきたかも」



男2「二人は・・・偽物の恋人同士・・・?どういうことだ?」

幼馴染「でもさ・・・真面目な話しちゃうけど」

男「なんだ?」

幼馴染「ホントに欲しいものってさ、中々手に入らないか・・・手に入らないかのどちらかだよね」

男「・・・・」

男「けど」

幼馴染「?」

男「お前は今こうしてここにいるじゃないか。こうやって元気になって学校生活を送る。これはお前が望んでいたことじゃないのか?」

幼馴染「・・・うん」

男「だったら手にはいったじゃないか。幼馴染の望みはちゃんと叶ったじゃないか」

幼馴染「・・・・」

幼馴染「そうだね」ニコッ


そういう幼馴染の顔は笑顔でいたけど、内心はどうだったのか・・・わからない表情だった

ーーーーー

お願い幼馴染さん!

幼馴染「いや・・・お願いって言われても・・私彼氏いるんだけど」

代わりでいいからさ!
じゃないと成立しないし!

それに向こうは滅多にセッテイングできない附属高校なのよー!

幼馴染「うぅん・・・他の女の子とかじゃ、だめ?女っちとか」

女さんは今日は部活だし、あの子来ちゃうとあたしらも地がでちゃうし

幼馴染(頼ってくれるというか・・・そういうのは良いんだけど・・合コンって言うのがネックだなぁ)

幼馴染「わかった。私はただの数合わせってことでいいんだよね?」

ありがとうー!!助かるわ!


幼馴染「はいはい、じゃ、放課後またね」

ーーーー

男「合コン!?なんでまた?」

幼馴染「二人が言うにはね、数合わせでしかも男の子受けしそうな子を連れてきたいみたいよ」

男「それで幼馴染か。けどほとんど話したことのない連中だろ?そんなやつらの言うこと聞く必要ないと思うけどなぁ」

幼馴染「女っちの友達みたいだったしさ、まぁやり方は小賢しいけど合コン成功させたいみたいだし」

男「なるほどねぇ・・・お人好しだな」

幼馴染「ほんとね、自分でも良いように利用されてそうだと思うよ」

男「けど、いつもならきっぱり断るだろうと思ったんだが渋ってるのは珍しいな」

幼馴染「まぁまぁ、幼馴染ちゃんにも色々悩みがあるんだよ」

男「悩みか・・・・」

幼馴染「んー・・・」

男「ん?」
ポンポン

幼馴染「どうしたの?そんな不安そうな顔して」

男「合コンで幼馴染がやらかさないか心配するのは当然だ」

幼馴染「なにもやらかさないよっ」デシッ

男「あんまりはしゃぐなよ」クスッ

幼馴染「大丈夫だよっ。男くんのところに帰ってくるから」

男「ほう、それは今日の晩御飯を期待してもいいということかな?」

幼馴染「食材調達は任せます。調理は私がね♪」

男「よっしゃよっしゃ、たくさん買っておくよ」

幼馴染「冷蔵庫開けたらびっくりドンキー♪」

カラオケ

遅れてごめんねー

待たせちゃって


待ってましたー
みんなかわいいねー

(最後に入ってきた子レベル高いなぁ)

(連絡先だけでも交換してやる)


幼馴染(ほうほう・・・がり勉くんをイメージしてたけど、普通な感じ・・・)

イケメン「・・・」

幼馴染(あらら、イケメンさんもいたんだ)

イケメンさんは
どんな人がタイプなんですかー?

教えてくださいー

イケメン「あははは・・タイプと言われても」



幼馴染さんかわいいよねー

俺実は一人暮らししてて、実家が会社を経営してて・・・

幼馴染(思った以上に露骨に二分されたなぁ・・・)

幼馴染(こういうのが嫌だから断ろうかとも考えたんだけど・・・我慢するかな・・・)


ーーーーー
ガチャ
幼馴染「はぁ・・疲れちゃうな」

イケメン「まさか、幼馴染ちゃんが相手だとは思ってなかったよ」

幼馴染「イケメンさんも大変ですね、というかお二人とは?」

イケメン「二人は俺の後輩でね。もう一人がどうしてもいけなくなったから、その代打で指名されて・・・」

幼馴染「うわー・・・なんかデジャブ」

イケメン「まさか妹の友達が相手だとは思ってもいなかったよ」

幼馴染「バレたら幼友に怒られちゃいますー?」

イケメン「怒られはしないけど・・・幼馴染には手を出さないでねーって念を押されてるよ・・・」

幼馴染「あははは」

イケメン「そもそも、女の子を口説いたこともないのに・・」

幼馴染「イケメンさんの場合は寄ってきちゃいますからねー。なにもしなくても困らないんじゃないですかー?」ジトー

イケメン「そんなことないよ。本当にちゃんとお付き合いしてくれるような人は今までいたことないんだ」

幼馴染「それは意外ですね・・・」

あ、ああの・・すみません

すみませんじゃなくてさー
少しくらい良いじゃん

店員さんでしょー?客の要望に答えてよー

あ、あの・・一緒にカラオケをするというような業務は行っていませんので・・・


良いじゃん、客が注文してんだよ?


友妹「」

あ、ああの・・すみません

すみませんじゃなくてさー
少しくらい良いじゃん

店員さんでしょー?客の要望に答えてよー

あ、あの・・一緒にカラオケをするというような業務は行っていませんので・・・


良いじゃん、客が注文してんだよ?


友妹「あの、そういったことは業務内容に含まれておりませんので、どうかご理解お願い致します」

あ、友妹さん・・


いやそんなの知らないから
客のオーダーに応えるのが店員でしょ?

友妹「ええ勿論です。ですが常識の範囲内でならできますよ」ニコリ

常識の云々とかいいから
注文に応えろっていってんの

マニュアル通りにやってますってのはバカのすることなんだよ


友妹「申し訳ございません、何分まだ未熟なものでして、ただいまこういう場で教養をつけさせていただいおります」

だったら俺たちが教えてやるよ

だから部屋に来てよ


友妹「いえいえ、すでに色々と学ばせていただきましたよ?こういう非常識なことを平気でする人もいるのだということを」


あぁ!?
どういう口聞いてんだ!!!

ガシッ

友妹「!!」


イケメン「その辺にしたほうが賢明だと思いますよ?客はあなた方だけではないですし」

ぁあ!?なんだてめぇは!?

イケメン「ここに楽しみに来ている客だよ」

イケメン「あと、客が君たちだけだと思ったら大間違いだ」

んだと!
ゴルァ!!

幼馴染「てぃ」
バキッ

ぐほぉ!

イケメン「っ」
バキィ!

ぐぼぁぁ

ドサッ


イケメン「さてと、邪魔だから帰ってもらうか」

ーーーーー

ーーーーーー


友妹「ありがとうございました!幼馴染さん」

幼馴染「いやぁ・・・お礼ならイケメンさんに言ってあげてよ」

イケメン「あんなに物事ハッキリ言える人なんて久しぶりに見たよ」

友妹「うっ・・すみません。わざわざ助けていただいて・・・ありがとうございました」

イケメン「いえいえ、楽しむために来たいからね」

友妹「は、はいっ!!ありがとうございます!」

友妹「・・・・」

友妹「イケメンさん・・・か」

ーーーーーー
帰り道

幼馴染「結局、うまいことまとまらずに解散になったなぁ」

幼馴染「合コンなんてはじめてだったけどあんなグダグダで終わるものなのかな」

幼馴染「ん?」


委員長「」トコトコ

幼馴染「いいんちょ・・・っ!!」


委員長「~~」

男2「~~」



幼馴染「男2??なんであの人が委員長と??」

幼馴染(委員長の想いが通じたのかな?)

幼馴染「なんにせよちょっと気になるかな・・」

ーーーーー

男宅


男「で?どうだったんだよ?」

幼馴染「なにが?」

男「合コンだよ。他に何があるだよ」

幼馴染「うーん・・・ハッキリ言うとね、つまんなかった」

男「あらら・・・好みの男がいなかったとか?」

幼馴染「それもあるね。けど驚いたのはイケメンさんがいたことかな」

男「ほう?幼友さんのお兄さんの?けどまたどうして?」

幼馴染「後輩に誘われて断れなかったんだってさ」

幼馴染「それでさカラオケで合コンをしてたらさ変な客が友妹ちゃんに絡んでてさ」

男「あの子もよく絡まれるなぁ」

幼馴染「バイトの後輩ちゃん助けるためにタンカ切ってたらさ、友妹ちゃんにつかみかかってきてね、それをイケメンさんが止めたってことなのよ」

男「うわーフラグだー」

幼馴染「イケメンさん格好いいしねー、中身もイケメンさんだし」

男「ずいぶんと褒めるんだな」

幼馴染「んー?もしかして焼きもち?」

男「ははっ、まさか」

幼馴染「そんなに強がらなくてもー」

男「まぁ・・・イケメンさん相手じゃ勝ち目がないしな」

幼馴染「あきらめちゃうんだー?」

男「お互いが惹かれあってるならな。俺のつけいる隙がないだろうし」

幼馴染「ふーん・・・そっか」

男「ん?どうした??」

幼馴染「別にー、なんでもない」

男「言ったろ?お互いが惹かれあってるならって。幼馴染はイケメンさんのこと好きなのか?」

幼馴染「好きだよ」

男「だろ?だから惹かれあってないなら・・・・・・え?」

幼馴染「だから好きだよ?」

男「え・・・あ、そうなんだ」

幼馴染「幼友のお兄さんとしてね♪」

男「・・・・」

幼馴染「あ・・・・怒った?」

男 「・・・・いや」

男「悪い風呂入ってくる」

幼馴染「あ、男くん」

幼馴染(ぅぅ・・・ちょっとからかいすぎたなぁ・・・)

幼馴染(男くん結構イラついてたよね今の)

男部屋

男「ふぃー・・・・」

男(ちょっと大人気なかったかな・・・)

男「幼馴染もあんなこと言わなくてもいいのに・・・」

男(けど・・・俺たちは偽物の恋人だから、幼馴染が他の誰かを好きになっても文句は言えないんだよな)

男「・・・・・」

男(だからかもな・・・)

コンコン

幼馴染「男くん?今大丈夫?」

男「ああ、どうぞ」

ガチャ

幼馴染「・・・お邪魔します」

男「どうした?」

幼馴染「あ、うん、その・・さっきはごめんね・・・」

男「あ、ああ、まぁ、俺も大人気なかったし・・・あんま気にするなよ」

幼馴染「私もちょっと調子に乗ってて・・・」

幼馴染「あんまり気分の良いものじゃないよね」

男「・・・・」

幼馴染「・・・・」

男「お、幼馴染」

幼馴染「うんっ!?なにかな??」

男「あ、いや・・・えっと」

幼馴染「・・・・」

男「そ、そうだ、用はそれだけだったのか?」

幼馴染「え、あ、う、うん・・・そうだけど・・・」

男「・・・・そかそか、じゃあそろそろ」

幼馴染「・・・う、うん、ごめんね。」

トコトコ

男「お、幼!!」
ガシッ
幼馴染「ふぇ・・・!?」

幼馴染「お、男くん・・・?」

男「え、えっと、夜も遅いし・・・今日は・・・泊まっていったほうが・・・いいんじゃないかな」

幼馴染「え?」

男「ほらほら、家が目の前って言っても何があるかわからなしさ!」

男「それに・・・」

幼馴染「それに・・・?」

男「お前に・・・何かあったら・・・嫌だし・・・」

男「・・・・・」

幼馴染「・・・・・」

幼馴染「・・・いい・・・の?」

男「な、なにしおらしなってんだよ。ガキの頃なんかしょっちゅう泊まってたろ」

幼馴染「子供の頃と今とじゃ全然違うよ」

男「ま、まぁそうなんだけどさ」

幼馴染「それに・・・・ちょっといじわるしちゃったし・・・」

男「いいよ、そんなの」

幼馴染「ありがと、じゃあお風呂借りていいかな?」

男「おう」

ーーーーーー

幼馴染「えへへへ・・・」

ーーーーー

男「完全に勢いで泊めちまったな」

男(偽物だとわかってても・・・・やっぱり意識しちゃうよな)

男(俺だって・・・出来ることならあいつの本物に・・・)

コンコン

幼馴染「男くぅん・・・」

男「わざとやってるだろ」

幼馴染「あはは・・・なんでわかったし」

男「幼馴染見てればわかるわい」

幼馴染「じゃあ、なんでやってきたかもわかるかな?」

男「それは・・」

男(ぐぬぬ、あえて答えられないような言い返しをしてきたな)

幼馴染「一緒にさ・・・・寝ちゃダメ?」

男「・・・・・・・」

ーーーーー

男「・・・・」

幼馴染「・・・・」

男「なぁ・・・・いいのか?」

幼馴染「ん?なにが・・・?」

男「だって・・俺たちはさ、校内で付き合ってるってだけで・・・・」

幼馴染「うんうん」

男「実際には・・・付き合ってないんだぞ?」

幼馴染「そうだねぇ」

男「恋人でもないやつのベッドで・・・二人で寝るなんて」

幼馴染「昔はよくしてたのに」

男「昔って・・・小学校の時じゃんか・・・」

幼馴染「それが何か問題?」

男「お前は良いのかよ・・・それで」

幼馴染「ねぇ?」

男「うん?」

幼馴染「本物の境界線ってさ、どこで決めるものなのかな」

男「境界線・・・?」

幼馴染「本物なのか偽物なのかって・・・簡単に区切っちゃうけど」

幼馴染「それってどこからどこまでが境界線なの?」

男「そりゃ・・・偽物だって断言してれば・・・」

幼馴染「けど、私たちがそうしたのって・・・周りからの押し付けだよね?」


男「俺がそうしたのが原因だよ」

幼馴染「経緯はどうであっても、結果がみんな先行しちゃうから、そうなっちゃうんだよね」

男(・・・・)

幼馴染「それを差し引いてもあのとき男くんが助けてくれなきゃ今の私はないしさ」

幼馴染「男くんには感謝してるよ」

男「そんなのいいって、俺が幼馴染みの男だったから上手いこと流れたって感じだしな。そうじゃなかったら幼馴染と会話すらできてないほど気まずくなってたろうし」

幼馴染「そうなの??」

男「俺とお前に面識がなかったらきっと、今の関係も成り立ってなかったんじゃないかな」

男(いつ崩れてもおかしくないほど、脆い関係だしな・・・)

幼馴染「どうかな・・・たしかに否定はできないけど」

幼馴染「助けてくれたことに対する感謝はしたと思う」

男「そんな大袈裟なものでもないけどね」

幼馴染「そんなこと・・・ないよ」スッ

男「幼馴染・・?」

幼馴染「どういう形にしろ・・・ね?」

男「っ・・・」

男「やめろ」

幼馴染「え・・・?」

男「俺はそんなもの望まない 。感謝されるつもりでたすけるなんてことしない。仮に思っていても、助けた本人に絶対に求めない」

男「それが俺の流儀だ。幼馴染が知り合いでもそうでなくても。俺はそんなもの望みたくない」

幼馴染「・・・」

男(だって・・そんなことで、気持ちを伝えたり、相手の気持ちを尊重できなかったりするなんて、嫌じゃないか・・・・)

男(そんなんじゃ・・・無理矢理付き合おうとしてた奴よりも性質悪いだろ)

男「いや、流儀なんて良いものじゃないな。ただの俺の意地だな」

幼馴染「ううん。それを大事にしてほしい」

男「幼馴染?」

幼馴染「そういう何かゆずれないものがあるって・・・良いことだと思うから」

幼馴染「男くんのその気持ち。大事にしてほしい」

男「幼馴染・・・」

幼馴染「ごめんね、男くんが恩を着せようと助けたわけじゃないって」

幼馴染「私もわかってたけどね。でも何かしてあげたいって思ってさ」

幼馴染「身の回りのお世話とかそういうことしか思い浮かばなくて」

男「飯作ってくれたり、起こしに来てくれたり、十分すぎるくらいしてくれてるじゃないか」

男「俺が助けたことと、もう釣り合いが合わないよ」

幼馴染「どうかなぁ」

幼馴染(そうだね・・・きっとそれを言い訳にして・・・)

幼馴染「・・・っ」キュッ

男「お、幼・・!」

幼馴染「男くん・・・これは恩とかそういうことじゃなくて・・・」

幼馴染「私がそうしたくて・・してることだから」

幼馴染「だから・・・・男くんは気にしないで欲しい・・・」

男「幼・・」

幼馴染「私のわがままだから・・・・」

男「・・・・・」

キュッ

ーーーーー
委員会


ではそのようにまとめます

委員長「わかりました」



男2「仕事が増えたな」

委員長「そうね・・けどその分私が」

男2「あとはフォローするから、委員長はメインを進めてくれ」

委員長「え、ええ・・・」

男2「よし、サクッと終わらせてしまおう」

トコトコ

委員長「・・・・・」

職員室

幼馴染「はい、それじゃあよろしくお願いします」

先生「ああ、わかった。けどいいのか?生徒会選挙に出なくて」

幼馴染「あはは・・・まぁ私じゃ引っ掻き回しそうですし、第一内申点稼ぐだけで入るのもどうかと思って」

先生「清掃活動のボランティアの参加申請しにきておいて、今さらそんな風に思うわけないだろ」

幼馴染「清掃活動はしたいなぁって思ったから申請しただけですよー」

先生「成績も優秀で地域の活動にも参加するのに・・私から言わせてみれば勿体ない」

幼馴染「やりたいことを積極的にやろうかなって、そう思っただけです。そんな誉められるような生徒じゃないですよ」

先生「そこまで言うなら私からはなにも言えないな。わかった、しっかりやれよ」

幼馴染「はいっ」

>>358

を訂正

学校裏の坂道

男「はっはっはっ・・・」
タッタッタ

男(体力はなんとか戻せてきたな・・・あとは身体の動きをどうにかしないとな)

よう
こんなとこでなにしてんだよ?

男(転校したての幼馴染にしつこく付きまとってたやつか・・・)

こいつが例の転校生の彼氏ってやつか??

なんかあんま強そうにもみえねぇけどな

それで鍛えてるつもりなのか?あんまり筋肉ついてるように見えねぇな

男(落ちた分を取り戻そうとしてるんだけどな・・・)

男「なんですか先輩。今更俺になにか用でもありますか?」

別にー
なんかちょっとムカついたからさ

幼馴染って女もずいぶん周りに敵作ってるみたいだしなぁ?

男「そうなんですか」(勝手に周りが目の敵にしてるってのが原因だけどな)

男(しかも今は嫌がらせ自体減ってきてるし)

俺と付き合ってりゃ
そんなこともねぇのに
馬鹿な女だよな

男「負け惜しみ・・・ですか?」

あ?

男「自分の校内の評価を棚にあげて・・・自分と付き合えば今のように敵なんていなくなるなんて・・・・そんな根拠どこにあるだよ?」

男「校内じゃ避けられてるような人間が言っても説得力がありませんよ」

すげぇなこいつ
タメ口きいてんじゃん

なめられすぎだろww

うるせぇよ
調子のらねぇほうがいいんじゃねぇか?

男「別に女の前だから見栄張ってたわけじゃないんすけどねぇ?」(思いっきり虚勢だったけどな)


こいつ内心はビビッてんじゃねぇの?

ちげぇねwwww

男「どうっすかねぇ」(それで消えてくれるなら儲けもんだ)


ビビッてんなら都合いいじゃん
とりあえず土下座して詫びろや

あと彼女まわそうぜ
こいつの目の前でぐちゃぐちゃにしてやったほうが良いじゃん

やめろっての最初に俺がヤるから

男「やめてくださいよーそんなことしたら笑い話じゃすまいっすよー」(やめろっての・・・・ムカつくだろうが)

もう笑い話じゃすまねぇんだよ

こっちは恥かかされてる上にてめぇみてぇなガキに好き勝手やらされてるんじゃ面白くねぇんだよ

男「知らないっすよ、あんまり無茶なことしたらみんな面白くないじゃないですか」

別に周りなんて知らねぇって

俺らが楽しみたいだけだし


そういうことだから、あの女呼べよ


男(どこの世紀末だよ・・・こんなアウトローまだいるのかよ)

男「生憎今日は別の用事で一緒に過ごすわけじゃないんですよ。別の日にして・・」
バキィ!!

男「っ!」

てめぇのことなんか聞いてねぇよ
黙って呼べや

男「すみません、呼んだら俺が怒られますしー」

なにヘラヘラしてんのこいつ?

ビビりすぎて反撃できないんじゃね?

情けねぇー、こんなクソに付き合う女ってどんなやつなんだよww


男(だからやめろっての・・・・)


バキィ!!

ぐほぁっ!!

な、なんだてめぇ!?

男2「多対一は好きじゃないんでね」

なんだこいつ

なにこんなひょろっちぃやつにやられてんだよ


男(わー、みんな大好き男2さんじゃないですかー)

男(ていうか・・なんでこんなとこに?)


ヤロゥー!!

バキィ!!
ボコボコ

ーーーーーー

男(・・・見た限り喧嘩慣れしてるわけでもない、なにかやってるような動きでもないのに)

男(ノーダメで一撃で相手を沈めるとは)

男2「ふぅ・・大したことねぇな」

男(ほんとに主人公補正でもはいってんじゃないのかこいつ)

男2「こんなとこでなにしてんの?」

男「ちょっとね。それよりあんたこそ何してたんだ?」

男2「同じくちょっとね」

男(同じく返しかい・・・)

男「それよりもあんた委員会なんじゃないのか?」

男2「仕事は終わらせたよ、委員長も先に帰したしね」

男「へぇ・・自分から一手に引き受けたのか」

男2「委員長を遅くまで残すわけにもいかないしな」

男(気遣いまで考えるようになったか・・・)

男「まぁ、けと委員長は一緒に帰りたがったんじゃないか?」

男2「家は逆方向だしな」

男2「仕事を終わらせないといけないし、かといって彼女を遅くまで残すわけにもいかない」

男2「俺が送っていくのも考えたが委員長に余計な気を使わせるのも気が引けたしね」

男「確かにな・・・」

男2「あんたの方こそ、幼馴染のこといいのか?」

男「?」

男2「これだけいろんなやつに絡まれて、嫌がらせだって受けてんだろ?まぁ多少心当たりあるから、そういうやつらは切ってるけど」

男「そうだな、少なくともお前さんが心配する必要はないよ」

男2「やけに冷たいな?付き合ってんだろ?」

男「あまり過保護すぎると幼馴染に怒られるからね」

男2「偽りだから・・・じゃないのか?」

男「っ・・!」

男2「あんた・・周囲に偽って幼馴染と付き合ってるって言ってるんだよな?」

男2「偽物の恋人同士」

男「誰から聞いたデマカセかは知らないが、偽物の恋人って・・・漫画の読みすぎだろ?現実でそんなものが成り立つわけ・・・」

男2「お互い面識があっまのなら成立しうる可能性だってあるだろ?」

男(どこまで知ってるんだこいつ・・・?)

>>375
訂正

男2「お互い面識があったなら成立しうる可能性だってあるだろ?」

男2「あんた以前俺に言ったよな?曖昧な態度は取るなって」

男2「その挙げ句が偽物とは・・・呆れるね」

男「なんの証拠があって偽物だと言い切ってるのか知らんが、勝手な憶測を並べ立てないでくれるか?」

男2「中庭で話してるのを聞いたんだよ」

男「他に誰か聞いたという第三者はいるのか?」

男2「詭弁にしか聞こえないぞ」

男「証拠がない言い分ほど効力のないものはないけどな」

男2「子供の言い訳だな」

男「どっちにも言えることだろ?」

男「仮にそうだとしても・・・無関係のお前にとやかくいえるようなことか?」

男2「見てみぬ振りをしろと?」

男2「それに無関係なのに関わってきたのはお前らも同じことだろ?」

男「だが単に意見を言っただけだな。まぁ幼馴染は別だけど」

男2「あれだけ文句も言われたんだ、俺もそれなり言わせてもらわないと気が済まない」

男「だったらどうするんだ?」

男2「幼馴染にやめさせる」

男「はぁ?」

男2「こんな関係を続けてるほうがよっぽどどうかしてるだろ?それともこの関係に浸ってるのか?」

男(正論だな・・・だがそれを許容するかどうかは幼馴染次第だぞ)

男「幼馴染に説教でもかますつもりか?」

男2「事と次第によってはな」

男(でしゃばり過ぎだろ・・・)

男「だったら俺に言えばすむ話だろ」

男2「俺がさんざん絡まれたのは幼馴染だからな。お前に絡むのも筋違いだろ」

男(筋の通し方がちげぇだろ・・・)

男2「お前は単に優越感に浸って、自慢したいだけにしか思ってないんじゃないか?」

男「・・・」

男2「だから、幼馴染に対しても軽い態度を示す・・・違うか?」

男(何を言っても聞いちゃくれないだろうな)

男(だったら・・・)

男「だったらなんだ?それが悪だとでも言うのか?」

男2「少なくとも善ではない。お前のやってることは幼馴染に対してエゴをぶつけてるだけだろ!」

男「そのエゴを容認してるのだから、そこになんの問題があるんだよ」

男2「本気で言ってるのか?」

男「そうでもなければ言わないだろ?」

男2「・・・・」

男「だからもう関わってくるなよ・・」

男2「わかった。あんたがそういうならこっちにも考えがある」

男「考え?」

男2「覚えておけ」
トコトコ



男(うーん・・・ああ言えば奴の性格上絡んでこなくなるだろうと逆手にとったんだが・・)

男(かえって裏目に出るとは・・・・)

男(まさかあいつ・・・・本当に幼馴染の影響で変わった・・・のか?)

ーーーーーーー
ボランティア当日


幼馴染「んーーっいい天気っ!」

幼友「ほんとだねぇ。こんなに晴れたなら友くんも来てくれればよかったのに」

友妹「だめだめ、バカ兄はこういうの面倒臭がって絶対こないですから」

女「妹からもこう言われるって・・・あの子大丈夫なのかねぇ」


委員長「それでは各自担当エリアへの案内を行いますのでー・・・」

イケメン(俺も一般参加のほうが良かったんじゃないかな・・・)

男2「おはようございます」

イケメン「あ、おはようございます」

ーーーーー
学校

男「そうですか・・・幼馴染が」

先生「ああ、そう言っていたな。私も勧めたんだが本人にその意思がなかったようだ」

男「わかりました。あと例の件なんですが」

先生「うむ・・・対策を打ったのが良かったのか一応効果はあったな。まぁそれでなくても時間経過で減りつつあったようだしな」

男「ありがとうございます」

先生「ふむ・・・そこまで心配してやることもないだろ?幼馴染も子供ではないのだし」

男「いや、こういう問題以外は下手に首突っ込んではいませんよ」

男「むしろ・・・徐々に俺が幼馴染離れしなきゃダメなんですよ」

先生「お前たちは校内では付き合ってるって噂だったが・・・」

男「あー・・話すと長くなっちゃうんですが・・」

先生「話さんでいい。当面の問題は片付いたからあとはお前の件だな」

男「俺の?」

先生「スポーツ推薦枠のことだよ」

男「・・・・」

職員室前

友「あー・・・補習終わったぁー」トコトコ

友「幼友ちゃんに誘われてたけど補習なんて言えないもんなぁ」 トコトコ



俺はもう総合格闘はやめたんです


友「ん?今の声は男?」

先生「怪我今は大丈夫なのだろ?部はなくなってしまったが・・・一年の時の実績を内申に加えれば」

男「進学するとしたら自力で行こうと思ってます」

先生「嫌気がさしたのか?」

男「そうじゃないですよ。友からも誘われたんですけどやめたんです。確かに今も身体作り直してますけど」

男「全盛の頃と比べるとどうも動かないというか。自分自身心あらずって感じで今道場に戻っても逆に迷惑かけそうで」

先生「幼馴染と再会したことでそれがより顕著になったか?」

男「幼馴染は原因じゃないですよ」

男「自分をちょっと、違う視点から見ようかなって」

男「幼馴染が病気を克服出来たように、俺も何かやってみようと思ったんです。自力で何かしてみようって」

先生「そうか・・・」



友「・・・」(総合格闘じゃダメなのか・・・男)


男「それに道場通ってたら母ちゃんに顔見せにいかなくなりそうですし」

先生「マザコンか」

男「筋金入りですかね?母ちゃんには頭上がらないんですよ」

先生「わかった。確かにここ最近成績も上がってきてるし、友共々補習組の常連が減って清々してると担任は言ってるしな」

男「さすがに補習なんて嫌だし・・・」

公園エリア


幼馴染「ふぅー中々大変だねぇー」

女「幼っちに付き合ってあげてんだから、ジュースでも奢ってもらわないも割りにあわないわ」

幼馴染「二本までならいいよー」

幼友「そっかぁ・・・友妹ちゃんが友くんの」

友妹「イケメンさんの妹さんが幼友さんだったのにはなんか納得しました」

幼友「友くんにこんな美人さんの妹さんがいるなんて」

友妹「幼友さんに言われると私なんてナメクジですよ・・・」

女「それは卑下しすぎだろっ、目の前にいる最強と比較しちゃうと」

幼馴染「うい?」

友妹「幼馴染さんはもう別次元ですよ」

幼友「今までにもかなりの男の子が告白してるもんねぇ」

幼馴染「よくいうよ。みんなそれぞれ何気に男の子に言い寄られてるくせに」

友妹「ヤンキー時代に姉御って言われてただけっす」

幼友「小学生や中学生からは好かれるほうかなぁ・・・?」

女「全くない私はどうすればいいのよ」

幼馴染「言わないだけで全くないわけないでしょ」

女「あったら速攻付き合って大人の階段上ってますー!!」

友妹「え、もしかして処・・・」
幼友「妹ちゃん淑女としてそれ以上は・・・」

女「悪いかー!大体妹ちゃんや幼友っちもじゃないの?」

妹「私はまだ高校成り立てですし・・・ヤンキー上がりですし」

幼友「女子校だからあまり男の子と接点がなかったからかな・・・?」

女「ふふん、幼っちは当然あるのよね!?」

幼馴染「へ?私??」

友妹「そういえば男さんとお付き合いしてるんですよね」

女「男くんに毎日教われてるんー??それとも幼っちの方から??」ニヤニヤ

幼友「あまり詮索するのも・・・ねぇ?」

幼馴染「あー・・いや、その。ま、まだだけど・・」

一同「え?」

幼馴染「え、いやまだだけど・・・え?何かおかしなこと言った??」

女「い、一度も?チューも?胸触らせるとかも?」

幼馴染「ないよ・・・」

友妹「えっと・・・付き合ってどれくらいなんですか?」

幼馴染「うーん・・・一月いくかいかないかくらいかな・・・」

幼友「でも男くんとは長い付き合いなんだよね」

幼馴染「ま、まぁ・・・そだね」

女「幼っちが厳しすぎるとか??」

幼馴染「いや、そんなこと・・・ない思う・・・けど」

友妹「アプローチはかけてるんですか??」

幼馴染「うぅん・・・少しは」

幼友「ということは男くんと関係は発展しようとしてるんだ?」

幼馴染「いや、わ、私のことよりもみんなのことの方が」

わいわいガヤガヤ


男2「・・・・」

お昼

それでは本日は終了します

女「ふぅー終わったぁー。このあと打ち上げしようよー」

友妹「いいですねー!」

幼友「疲れちゃったしファミレスでお昼がてらに休憩でもしようか」

幼馴染「あー、ごめん!今日はちょっと男くんと約束してて」

女・友妹「デート?」ニヤッ

幼馴染「うーん。そんな感じかな?」

女「帰りには大人の階段上るためにホテルに」

幼馴染「いかないから」

幼馴染「大体男くんと私にも自分達のペースがあるから。二人の関係はそっと見守っててくださいー」

友妹「たしかにちょっと下世話でしたしね」

幼友「じゃあねー、男くんによろしくね」

幼馴染「はいはーい」フリフリ

幼馴染「っと、こっちは終わったよ」ピピッ

ピロリン
「わかったー、今向かってるよー」


幼馴染「はいはいっと」

幼馴染「ふぅ・・・二人の関係・・・か」

幼馴染「男くんはどう思ってるのかな・・・」

幼馴染(一緒にいたらやっぱり意識しちゃうし・・・それに私がここに戻ってきたのも・・・)



男2「よう」

幼馴染「・・・・なにか用ですか?」

男2「随分な挨拶だな。あんたには色々突っ掛かられたのは俺なんだがな」

幼馴染「それなのに自分から絡んでくるなんて、ドMなの?」

男2「どうかな、あんたも割りきってるとはいえそんな関係でいるなんて」

幼馴染「・・・なにそれ?」(っ!!どういうこと!?なんでこの人が知ってるの!?)

男2「惚けるなよ、周りは付き合ってるって思ってるけどあんたたちの行動自体不自然だろ」

幼馴染「不自然って・・・具体的にどう不自然だったのかしら?」

男2「身内同士の会話なのになんで遠慮する必要があるんだよ?」

男2「さっきの会話聞いてる限りじゃあんた、恥ずかしがって隠すというよりも後ろめたさがあってのように見えたんだがな」

幼馴染「どうかな?けどそれって君の主観でしかないよね?」

男2「それと・・・さっきの発言」

幼馴染「発言?」

男2「付き合ってるなら、わざわざ相手の気持ちを気にするような言い方はしないだろ?」

幼馴染「付き合ってるからこそ、相手のことを気遣うのはむしろ自然なことだと思うのだけど?」

男2「気遣う・・・とは言い得て妙だな」

幼馴染「どうとでもとってもらって良いけれど、私と男くんとのことにあなたに入り込む余地はないと思うのだけど?」

男2「おんたは不安じゃないよかよ」

幼馴染「不安・・・?」

男2「男との関係がどうであっても、あんた自身はどういう心境なのか」

男2「不安に思うことがないわけないだろ?」

幼馴染「人って生きていく上で不安というものは憑き物だと思う」

幼馴染「でも、それで相手を信用しなくなるほど私は疑い深くないし、男くんも不安定じゃない」

男2「なぜ言いきれる?」

幼馴染「付き合いが長いから?」

男2「幼馴染み・・・か」

幼馴染「それを差し引いても、信用はあるかな」

男2「説得力に欠けるな」

幼馴染「私たち身内のことだし、外野から見ればそう見えるのかもね」

幼馴染「けど、これだけは言える。あなたよりは男くんの方が私にとって魅力的」

幼馴染「これは私にとって不動のもので一番信じられることのひとつよ」

男2「そいつあと約束があるから」トコトコ

男2「けど、あんたもあいつのすべてを知ってるわけじゃないよな」

男2「その腹まで探るなければはあんた自身が抱える迷いは消えないと思うぜ」


幼馴染「・・・・」トコトコ

>>398
訂正
男2「あんたは不安じゃないのかよ?」

>>399
訂正
幼馴染「それとあと約束があるから」トコトコ

男2の台詞になってたみたいで
訂正を

幼馴染「はぁ・・・・」

パサッ

男「だーれだ?」

幼馴染「んー・・・私の王子様?」

男「残念野獣様でした」

幼馴染「あらあら、じゃあ私はその獣さんに襲われちゃうのかな?」

男「野獣は思いの外紳士なんだぞ?知らなかったのか?」

幼馴染「臆病者の間違いかな?」

男「真理を突きつけないでくれ・・・」

幼馴染「チキンハートの男くんはいつものことー」

男「う・・・俺そんなにチキンかな・・・」

幼馴染「そういうかんけいではね」

男「女の子との付き合いがないんだから勘弁してくれよ・・・」

幼馴染「だから私がリードしてあげてるんじゃんか」

男「それについては何も言えません・・・」

幼馴染「・・・私といるの嫌?」

男「それはない」

幼馴染「そこは断言するだ?」

男「それは絶対にない、というか・・・俺の方がお前といたいって思ってるし」

幼馴染「そう・・・なの?」

男「うっ・・・」

幼馴染「・・・・」

男「上目使いで詰め寄るのは反則だ・・」

幼馴染「あ、ご、ごめんごめん・・・」

幼馴染「・・・」

男「・・・」

男(今日は妙にしおらしいな。会話に詰まっちまうじゃないか・・)

幼馴染「ちょっとは意識してくれた?」

男「へ?な、なにがだい?」

幼馴染「ちょっとは動揺したかなーって」

男「これからデートでもっと凄いことするのにこ、この程度で狼狽えるなんて・・・」

幼馴染「凄いことしちゃうの?」

男「そ、そうだ」

幼馴染「例えばー?」

男「て、手を握っちゃうとか・・・」

幼馴染「・・・」

商店街

幼馴染「ったく・・・手を繋ぎたいならそうやって言ってくれればいいのに」

男「は、恥ずかしいじゃないか。男の俺から言うのも」

幼馴染「男も女も関係ありませんー。気持ちは言葉にして伝えないと相手に伝わりませんー」

幼馴染(私も繋ぎたかったし・・結果オーライかな?)

男「人間中々それができないんだよなぁ」

幼馴染「ほんと人間ってコミュニケーション手段をたくさん持っててさ、その代表が言葉なのにそれをしようとしないってのもねぇ」

男「日本人は特に本音と建て前を使い分けるからな」

幼馴染「世知辛いよねぇ。せめてお互い信頼し合える間柄はさ、そういうことを伝えあっていきたいよね」

男「・・そうだな」

幼馴染「あ、あれ昔の駄菓子屋だよね!まだあるんだー」

ガヤガヤ

駅前

ガヤガヤ

幼馴染「へぇ・・・駅付近になるとこんなに栄えてるんだね」

男「とはいっても駅付近だけで少し離れるともう田舎っぽさが出てくるんだよ」

幼馴染「違和感が半端ないね。なんだか無理矢理都会に見せたいって頑張ってる感じが否めないね」

男「無理しなくても良いのにな。地元のよさを出していけば、無理に都会化なんてしなくても人は来るのにさ」

幼馴染「むしろ出ていく人の方が多そうだもんね」

チラッ

チラッ


幼馴染「ほぇ・・・お洒落なお店も並んでるねぇ」

男「・・・」

幼馴染「ん?どしたの??」

男「いやなんでもないよ」

男(どこいっても幼馴染は見られるな・・・どいつもこいつも狙ってるのは男っぽいが・・・)

幼馴染「あ、みてみてー。少し前に流行ったパンケーキがまだメインで出てるお店もあるよー」


男(早々に駅前から離れたほうがいいかもな)

トコトコ

都心の外れ


幼馴染「この辺まで来ると田舎だねぇ」

男「駅前が集中しすぎてるからな。けど俺はこの雰囲気の方が好きだよ」

幼馴染「えへへ、私も」

幼馴染「こうやって、二人っきりでのんびり歩くのって良いね~」

男「へへへ、そうだな」

幼馴染「なんかさ、夫婦が寄り添って歩いて・・・おじいちゃんおばあちゃんになっても二人で歩ける感じで」

幼馴染「若いカップルで歩いても自然な感じでいられるもんね」

男「ああ。そういうのいいよな」

男「騒がしいところとかロマンチックな夜景の見える高層ビルとかも良いけどさ」

男「こういうところいくつでも来ることができる」

幼馴染「えへへ・・・・」

男「・・・・」



幼馴染「男くんも・・・好きな女の子とこういうところでデートしたい?」

男「そ、そりゃあ・・・まぁな」

幼馴染「そかそか」

男「幼馴染も同じだろ?」

幼馴染「私は・・・・」

幼馴染「・・・・・・・・・・・・・・・もういいかな」

男「え?」

幼馴染「今は・・・もういいかなっ」

男「そうなのか?」

幼馴染「うんっ。なんだかモヤモヤしちゃいそうだしさ」

男「モヤモヤって・・・」

幼馴染「なんだろうね・・・うまく言えないや」

男「・・・・なぁ幼馴染」

幼馴染「さてとっ!おうちに帰ろっ」
タッタッタ

男「幼馴染っ!?」
タッタッタ

学園

幼馴染「・・・はぁ」

女「どうしたのよー溜め息なんてアイドルのすることじゃないわよ」

幼馴染「だったらアイドルやめるよー」

女「ほんとにどうしたの?」

幼馴染「ううん、なんでもないんだけど・・」

女「けど?」

幼馴染「うーん・・・」

幼馴染「うーーーーー」

女「にゃーー?」

幼馴染「懐かしいネタだね・・ってそうじゃなくてさ」

幼馴染「女ちゃんって気になる人とかいる??」

女「え、何急に」

幼馴染「いる??」

女「気になるっていうか・・・友達としてほっておけない異性とかならいるけど、恋愛がどーとかって人はいないかなぁ」

幼馴染「そうなの??」

女「周りの子はさ、彼氏とかでかっこいい人だったり頭がいい人だったりスポーツ万能な人だったり色々言ってるけど私から見るとどうもそれが魅力的に感じないんだよね」

幼馴染「それは私もわかるよ」

女「私の見る目がないとか言われたらそれまでなんだけど」

女「ほんとに誰か気になる人とかって多分自分と対照的な人なんじゃないかな」

幼馴染「対照的・・・?」

女「そもそも異性って時点で対照的な存在なわけだからさ、自分とは違う・・・もっと別の何かを持ってる人とか」

幼馴染「へぇ・・・そこまで考えたことなかったなぁ」

女「幼っちと男くんなんて良い例じゃない。二人とも全くタイプ違うし」

幼馴染「私と男くんが??」

女「学園のアイドルと体格の良さで野獣とよばれ損してる男くん」

幼馴染「野獣はチキンハートだけどねー♪」

女「あらら、男くんチキンなんだ?」

幼馴染「私としてはそこら辺も野獣で良いのになぁ」

女「男くんに襲われたいの??」

幼馴染「襲われたいというか・・・・積極的に来ても良いと思うんだよね」

女「それが男くんに対する不満かな?」

幼馴染「不満じゃないよー」

女「男は彼だけじゃないよー?」

幼馴染「え、浮気??」

女「幼っちなら同時に20人くらいと付き合っても釣り合い取れるんじゃない?」

幼馴染「いやいや、複数人と付き合えるほど器用じゃないし、好きな人以外と関係持つなんてやだよ・・・」

女「まぁそれは私も嫌かな・ ・・ごめん言い過ぎたね」

女「だからこそ男くんと幼っちはバランス取れてるのかもねー」

幼馴染「バランスかぁ」

ーーーーーー
幼馴染「私は別にバランスで男くんと一緒にいるわけじゃないけどなぁ・・」

幼馴染「釣り合い・・か」

幼馴染(確かになんでこの人と?って感じるカップルもいるといえばいるけど)

幼馴染(でも、そんな人たちばかりじゃないし、美男美女カップルもいるといえばいるしその逆もあるし)

幼馴染「そもそも・・・私自身が男くんのことをよく知ってたら・・・」

幼馴染(・・・・・'#)

委員長「幼馴染さん」

幼馴染(・・・気にしても仕方ない!どんな風に言われても、自分を貫き通そう)

幼馴染(それに私は・・・・)

委員長「幼馴染さん!」

幼馴染「わっ・・・びっくりしたぁ」

委員長「さっきから呼んでいたのだけど」

幼馴染「ちょっと考え事してて・・ごめんね」

委員長「いえ・・・それと今度の日曜日空いてるかしら?」

幼馴染「空いてるけどどしたの??」

委員長「バーベキューでもしようとギャルさんから誘われてね、あなたを含めあと何人か誘いたいのだけど」

幼馴染「いいよーじゃあ私の知り合いから片っ端に・・・」

委員長「それと・・・男くんも誘ってほしいの」

幼馴染「え?」

委員長「あ、深い意味はないのよ。あなたとお付き合いしてるそうだし、どうせなら二人で来た方が男くんも余計な心配をしなくてもいいでしょうし」

幼馴染「そういうことか、大丈夫だと思うけど私も誘おうとしてたし丁度いいや」

委員長「よろしくお願いするわ」

トコトコ


幼馴染「けど・・・わざわざ誘うように言うなんて珍しいなぁ」

ーーーーー

ーーーーー

友「せぁ!!はぁ!」


友妹「うらぁぁあ!!」

ま、まいった
友妹つえぇよ・・
お前ほんとに女かよ

友妹「あんたら普通に失礼だな・・・」

友「最近バイトバイトで忙しそうだったのに急にどうした?」

友妹「別になんでもないよ、オラァァァアア!!」バキィィ

ひぃいい!!


友(絶対なんかあっただろ妹よ・・・)

ガラガラ

男「たのもー」

友「!!」

友「どうしたんだよ!道場に顔出すなんて」

男「例の件だよ。あと道場破りの気分になってみたかっただけだよ」

友「ああ、そっちのことか」

友妹「二人して何の話ー??」

男「秘密ってことで」

友妹「えーーー教えてよぉ、男兄ぃ~」

友「きもいぞ」

友妹「ちょっとこっち来いクソ兄。野生の力思い知らせてやる」

男「色仕掛けしてもだめだよ、友との秘密なんだ」

友妹「むー・・・まぁ男さんが言うなら」

男「それで例の件頼めそうか?」

友「俺は良いけど・・・道場でやるのはダメなのか?」

男「それ一時は考えたけどやっぱいちどやめて迷惑かけてるしな」

男「戻ったら戻ったで幼馴染そっちのけになりそうで怖いし」

友「そうか・・・たしかにそうなるのは避けたいな」

男「友には付き合わせて悪いな・・・すまん」

友「全くだな、今度焼き肉奢れよ」

男「それで済むなら安いもんだ」

友「それで幼馴染さんの方はどうなんだよ?」

男「幼馴染?」

友「・・・・・最近噂で聞いたんだけどな、男2がやたらと幼馴染さんに近づいてるらしい」

男「そうか・・」

友「大丈夫なのか?」

男「なにが?」

友「幼馴染さんもああは言ってたけど男2に靡かない可能性だって0じゃないんだ」

友「下手すりゃこのまま・・・・」

男「はははは、仮にそうなっても俺からどうこういうことなんて出来ないよ」

男「それに・・・このまま黙って良いようにされるつもりもない。野獣には野獣のやり方で迎え撃つ」

友「ほほぉ・・・えらく強気に出たな?それに野獣ねぇ、パッと見そういうわけでもないのに、周りが華奢な男が多すぎるからそう言われるよな」

男「お前だってそうじゃないか?昔のあだ名がコングだもんな」

友「やめろよ・・・女子に言われたのは結構凹んだだぞ・・・」

男「それなのに・・・幼友さんとはねぇ

友「ま、まぁ・・・俺の誘いに応じてくれるところは単なる付き合いも含めてってのもあると思う」

男「付き合いでそんなことあるかね?」

友「そういうことにしてくれ」

男「あいよ」


コソコソ
友妹(ふーん・・・まぁ、二人とも早く手を打っておかないも痛い目みるかもしれないから)

友妹(早いとこ本気出しなよ、ダブル兄)


ーーーーー

ーーーーー
帰り道

男「今日は久々に動いたからちょっと疲れたなぁ・・・・・ん?」

幼馴染「よっ」

男「なんでうちの前で待ってたんだよ。連絡してくれれば合流したのに」

幼馴染「いやいや、今日は話があっただけだから気にしないでっ」

男「ったく・・・ほらほら上がった上がった」

幼馴染「へへへっ」

ガチャ

男「バーベキュー??」

幼馴染「そ、委員長と他に何人かが幹事をやってるらしいよ」

男「幼馴染はわかるが、あまり関わりが少ない俺まで呼ばれて大丈夫なのか?」

幼馴染「まぁ、委員長のご指名だし」

男「委員長の??」

幼馴染「そそ、けど私が誘う予定だったんだけどもねー」

男(男2じゃなくて、なんで俺なんだ?)

幼馴染「それでどうするー??予定とかあるなら断るけど」

男「お前は行ってこいよ。せっかく誘われてるんだし」

幼馴染「男くんは行かないの・・・?」

男「うーん・・」

男(まぁ・・・人手の関係もあるし、飯も食えるしな)

男「そうだな、せっかくだし俺も参加するよ」

幼馴染「そうこなくっちゃ♪」

幼馴染「あとは友くんに幼友と友妹ちゃんにイケメンさんも誘っちゃおうかな」

男(オプションみたいだなぁ・・・俺って)

幼馴染「かたちはどうであれ男くんとバーベキュー♪」

男「そういえばガキの頃は全然幼馴染とアウトドア的なことできなかったもんな」

幼馴染「そそー!だから結構楽しみなんだよー」

男「そいつは良かった」

男(幼馴染が楽しんでくれればそれでいいかな?)

幼馴染「ねぇねぇ、夏休みとかさ、海に行って泳いだりバーベキューやったりしようね」

男「今から夏休みの話するのかい、気が早すぎるぞ」

幼馴染「良いじゃんー。だって男くんと行きたいんだもん」

男「うぐぐ」(お、俺と・・・意識してしまうだろこの小悪魔め)

男「海と言えば水着だな」

幼馴染「ほぅ・・・女の子を前に水着の話をしますか」

男「泳ぐんだろ?」

幼馴染「泳いじゃうよ」

男「泳ぐのなら服は脱いじゃうよな?」

幼馴染「脱いじゃうね」

男「なら水着だな」

幼馴染「さっぱりパー子よ」

幼馴染「そんなに見たいのー?水着」

男「違う!俺は水着姿の幼馴染が・・・」

幼馴染「・・ほぅ」

男「お前・・・誘導尋問上手いな」

幼馴染「だまらっしゃい、勝手に自爆しておいて」

男「まぁ水着とかもいいけどさ、あんま無理するなよ」

幼馴染「まだ心配してるの?」

男「いくら治ったからって・・・無理は禁物だろ?慎重くらいがちょうどいいさ」

幼馴染「男くんは慎重すぎるけどねー」

男「ほっとけ」

幼馴染「ふふふんっ・・・でも」

幼馴染「ありがと・・・」ギュッ

男「・・・当然だろ」(だってお前は俺にとって・・・)


ーーーーー

バーベキュー当日

サラサラ

ガヤガヤ
それでは各自準備をして・・・

そういうのいいからー
はやくやろーぜー

男「川と山か、中々良いところじゃないか」

友「あの橋からダイブするやつとか絶対出てきそうだな・・・」

イケメン「俺までお呼ばれして良かったのかな」

男「気にしないでくださいよ」

友「けど気に入らんのはクジで決まった分担だな」

男(案の定、幼馴染、友妹ちゃん、幼友ちゃんは男2と同じ。ほぼハーレム状態なのは相変わらずか)

友「・・・やりきれねぇよ、くそっ」

イケメン「あはは・・けど他の分担の女性まで彼に付き添うような形になってるのはスゴイ人気だね」

女「おいこら、私は蚊帳の外か」

男「うちの貴重な紅一点だもんな」

友「小学生かと思ったわ」

女「シャー!!!」

イケメン「まぁまぁ」

ーーーーー

男2くーん
ねぇねぇこれやってー

男2「わかったからちょっと待てって」



友妹「なんであーまで寄ってくるですかねぇ」サクサク

幼友「さぁねぇ・・・」(兄さんや友くんのほうが格好いいと思うけどなぁ)

友妹「分担したのにこの有り様っすからね。もう私たちも兄ちゃんたちのところに合流しません?」

幼馴染「ふぅ・・・こんな感じかな」

男2「俺も手伝うよ」

幼馴染「それよりもあっちのほうやってもらえない?」

ワイワイキャイキャイ

男2「大丈夫だ、向こうはある程度落ち着かせてきた。こっちの手伝いをしたほうがいいだろ?」

幼馴染「じゃあ、そっちをお願いします」



友妹「幼馴染さん大丈夫なんですか??」

幼友「確かに少し他の女の子に対する接し方と違うね」(明らかに好意的な態度ね・・・)

ワイワイガヤガヤ

ジュージュー

友「はふっ中々うまいなー」

女「どんどん焼いてこうかー」

友妹「お願いしまーす」



ワイワイ

男「よいしょっよいしょっ。予備の水も持ってかないとあっという間になくなるな」

委員長「私も手伝うわ男くん」

男「委員長?いやぁ、女の子に持たせるのも」

委員長「これくらいの重さなら私でも持てるわよ。そるとも女子だから力が弱いとでも?」

男「そんなこと言わないけどさ。じゃあ手伝ってもらおうかな」

委員長「ええ。じゃあこっちを持つわね」

男「けど、珍しいな委員長から俺に声かけるなんて」

委員長「そうかしら?わりと話しかけてるけど?とくにここ最近は」

男「幼馴染も一緒にいるから、自然に感じてたのかもな」

委員長「・・・・」

委員長「ねぇ、男くん」

男「うん?なんすか?委員長」



幼馴染「えっと男くんは・・と」
トコトコ

幼馴染み(あれ・・・男くんと委員長?)


委員長「好きな人とかいないの?」

男「へ?」

幼馴染(!!)

男「な、なに?急に」

委員長「少し気になったものだから」

男「好きな人も何も・・・俺は幼馴染と付き合ってるわけだし」

委員長「けれど他に好きな人ができることだってないとは言えないでしょ?」

男「そいつは・・・その人個人次第じゃないか?俺はそこまで器用じゃないし・・・」

委員長「人間関係においてはドライと親密とを使い分けてるようにも見受けられるのだけど?」

男「気のせいじゃないか?そこまで露骨かなぁ俺」

委員長「もう本当のことを話したら?二人は恋人ではないのでしょ?」

男「それは考えすぎだって、大体幼馴染が俺とそんな関係を続けるのになんのメリットがあるんだよ?」

委員長「男子避けという意味ではあなたほど適任者もいないのでは?」

男「そうだとしても、本当に好きな人ができた場合はどう言い訳するんだ?」

委員長「だからこそ、その関係をやめるべきなんじゃないかと思うのよ」

男「やめるもなにも・・・そんな関係もないしなぁ」

男「委員長、考えすぎだよ。あいつは俺にとって大切な存在だし大切な幼馴染みなんだ」

委員長「それを彼女に言ったことはある?」

男「っ!」

委員長「ちゃんと彼女に伝えたことはあるの?」


男「それは・・・・」

男2「委員長やめろよ」

委員長「っ!男2くん」

男「・・・」(タイミング良いな・・・主人公)

男2「男の言ってることが本当だったら、どうするつもりなんだ?」

委員長「そ、それは・・・」

男2「謝って済まされる問題じゃなくなるぞ。他人のプラベートな部分に土足で踏み込もうとしてるんだからな」

男「あのな、それは・・・」委員長「ごめんなさい、少し踏み込み過ぎたわ。失礼します」トコトコ

男「お、おい!委員長!?」

男2「あんたも平気で嘘つくのやめたほうがいいんじゃないか?」

男「土足で踏み込んでるのはお前のほうだがな」

男2「それが間違ってるからだ。どんな形にしろそんなごっこ遊びの馴れ合いにまともな感情なんか生まれない」

男「放っておくほうが利口だと思うけど」

男2「俺は間違いを正そうとしてるだけだ。例えどんな謂れを受けようともな」

男「謂れが怖くてやってんだったらぶん殴ってるよ。お前もそれ相応の覚悟をしてやるんだろ」

男2「あんたに覚悟をどうこう言われる覚えはないな。女一人受け止められない臆病者が何を偉そうに」

男「万年面倒くさがりで達観していた高二病が今度は熱血漢気取りか?」

男「自分の理想や考えを語るのは別に構わない。けどそいつを他人に享受させようとするのはただのエゴイストだぞ」

男2「自分達の関係を棚にあげてよく言うな」

男「なんでそこまで俺たちに絡んでくるんだ?幼馴染が以前絡んできたにしても、単に俺たちの関係に突っかかるにしても、動機が曖昧すぎる 」

男「なんでそこまで絡む?言ってみろ」

男2「それをお前に言う必要は・・・」

男「ないなんて言い分が通用すると思うなよ」

男2「・・・・」

男(ここまで言えば、さすがに引くだろ・・・。逆にこれで
引かなければただの異常者かもしくは・・・)

男2「幼馴染に間違わせるわけにはいかないだろ」

男「・・・」(やはりこいつの狙いは幼馴染か)

男「幼馴染に気があるのか?」

男2「だったらなんだ?」

男「他人の女に手を出すにまで成り下がったのか?」

男2「気持ち悪い関係にずるずると巻き込んだお前に言われたくないね」

男「だから言ってるだろ?あいつが望んでるんだって、まだわかんないかな?お前がいくらモテようがハーレムを作ろうがあいつは靡かない。媚びない。」

男「俺のものだからな」

男2「確かに今はな。だが・・・いつか後悔する日が来るぞ。覚悟しておけ」
トコトコ

男(とは言っても・・・幼馴染が靡かないなんて100%ありえないとは言えない)

男(虚勢でなんとか誤魔化したが、確実に取られないと誰に言えるんだよ・・・。バカか俺は)

男(けど・・・幼馴染があいつに惹かれるのを黙ってみてるような情けない人間になるつもりはない)

男(なんとかして、感覚を早く取り戻さないとな・・・)

男「俺は簡単にやられるような雑魚キャラじゃないぞ」
トコトコ




コソコソ
幼馴染「・・・」(男くん・・)

ーーーーー
サラサラ

友「よいっしょっと・・・これで片付けは終わったな」

男「だな、あとは・・・」


女「ご苦労様、お二人さん」

男「お、女さん!?な、なんで水着に!?!?」

女「だって川があるって聞いてたからさー」

友「俺たちは今日来て知ったんだぞ」

女「女子はみんな持ってきてるんじゃない?」

幼友「水着なんてあまり着ないけど・・・恥ずかしいなぁ」

友妹(むー・・・幼友さん胸大きいなぁ・・・)


男「こりゃ随分と目の肥やしに・・・」
ドドドドドッ

三人とも可愛いね!!
俺らと遊ばない!?

ねぇねぇ!!

友「てめぇらは引っ込んでろ」

男「ま、まぁまぁ」

イケメン「こっちのほうは流れも弱いし、浅瀬だから水浴びくらいはできるよー」

女「はいはーい」


男「・・・」キョロキョロ

友妹「ん?男さん?どうかしました??」

男「あ、いや・・・なんでもないよっ」

友妹「幼馴染さんなら後から来ると思いますよー」ニヤニヤ

男「年上をからかわないの」

友妹「はいはいー」トコトコ

男「全く・・・・・」

男「それにしても幼馴染遅いな・・」


ーーーーーー

幼馴染「はぁ・・・みんな楽しそうだなぁ」

男2「あんたは遊ばなくていいのか?」

幼馴染「生憎、水着を買い忘れてね」

男2「残念だったなそりゃ」

幼馴染「残念だったね、私の水着姿を見れなくて」

男2「なんで俺がそんなことを?」

幼馴染「さぁ?けど私の直感がそう告げるから、てっきりそうだと思ったのだけど」

男2「アテにならない直感だな」

幼馴染「あなたこそ遊んでこなくて良いの?ご自慢のハーレムが待ってるわよ」

男2「そういう言い方は気に入らないな。別に好きで出来たハーレムじゃないし」

幼馴染「はぁ・・・・なにも変わってないのね。ハッキリ言ってあげれば?」

男2「拒絶はしてないが、意思表示はしてる。だからこうしてあんたの近くに俺から寄ってるんじゃないか」

幼馴染「私に寄ることが意思表示なの?」

男2「そうだな」

幼馴染「・・・・」

男2「幼馴染こそ、男に意思表示しなくていいのか?」

幼馴染「どういう意味かしら?」(名前で呼び捨てですか・・・)

男2「男はかなり焦ってるみたいだぞ」

幼馴染「焦る?なんのために??」

男2「あんただって本当はわかってるんだろ?男がこっち側の人間になりかけてることを」

幼馴染「っ・・・!」

男2「男にも人を惹き付けるものがある。最近委員長も男に近づいてるしな」

幼馴染「委員長・・・が?」

男2「元々、友妹、女も近くにいる。幼友も怪しいものだな」

幼馴染「彼とあなたを一色単にしないで!!男くんは!!」

男2「なんで言い切れるんだよ?あんただけをあいつが見続けるなんて誰に言えるんだ?」

男2「そこまであんたは自信を持ってるのか?もしそう思ってるのなら・・・・それは大きな間違いだ」

男2「男なら大丈夫、私だけしか見ていない。そんな幻想にすがってるのは本当はあんたの方なんじゃないか?」

幼馴染「・・・・」

男2「自分の殻にだけこもってないで周りをよく見回してみろよ?自分にとって相性の良い奴なんてたくさんいると思うぞ?」

男2「一筋でいくのも結構だ。だけど世界を知ることも大切だ。それをよく考えてからでも良いんじゃないか?」

幼馴染「・・・・」

男2「もっと自分の視野を広げろよ。あんたは可能性の塊みたいな人なんだからさ」


幼馴染「・・・・・・・」


ーーーーーーー

ーーーーーー

男「幼馴染ー?幼馴染ー?」

幼馴染「ふぇ?男くん?」

男「大丈夫か?ボーッとしてたから」

幼馴染「あ、ううん!なんでもないぞっ。いつもの元気な幼馴染ちゃんだぞ」

男「そうかい」(無理してるように見えるけどな・・・)

男(あまり聞きすぎるのもかえって良くなさそうだな。少し様子を見るか)

幼馴染「あははは、ごめんねぇ、水着持ってきてなくてさ」

男「気にするなって、むしろ他の男に幼馴染の肌を見せずに済む」

幼馴染「うわー・・・ちょっと引くわー」

男「幼馴染の肌は俺のものじゃぐっへへへへ」

幼馴染「ひぃぃ」

幼馴染「わっ!とととっ」

男「幼!!」ドサッ

幼馴染「きゃっ・・・」

男「大丈夫か?」

幼馴染「う、うん。ありがと・・・」

男「・・・・」

幼馴染「・・・・」

男(幼・・・簡単にやられるほど俺は落ちぶれちゃいない。せめてお前の頭の片隅に残るくらいの印象はつける)

男(お前の隣にいるのは俺じゃないかもしれないけど・・足掻くだけ足掻いてみるよ)

幼馴染(また・・・・あのときと同じ顔してる・・・)

幼馴染(私の知らないところで・・・どうして歩いていっちゃうの?君の隣で歩きたいよ・・・)

幼馴染「男くん・・・」

男「幼・・・」

女「あのー・・・イチャイチャ最中失礼なのですが」

男・幼馴染「!?」

女「もうすぐ帰るよー」

男「あ、ああ、わかったよ!準備しなきゃな」

幼馴染「そ、そだねっ。あ、はははは」

女「あ、いや、そんな慌てなくていいからっ。二人はゆっくりしてて」


そろそろ帰りますよー

男・幼馴染・女「・・・・・」

女(あー・・・ほんとごめん)

ーーーーーー

友「ぁぁああああ!!終わらねぇ!!テスト範囲広すぎんだろおおお」

女「我慢しなさいよ・・・あたしだって必死なのよ」

友「ていうか・・・男のやつ最近妙に一人でいることが多いよな」

女「そ、そうね・・」


委員長「じゃあこれをお願いできるかしら」

幼馴染「はいはいー」

男2「手伝ってもらって悪いな」

幼馴染「いえいえー」


友「幼馴染さんは委員長と絡んでるから、男2との接触も多いし」

男「ありがとな、というかこないだはついてなかったな」

オタク「補習でバーベキューにいけなかったっすからね・・」

男「まぁ、でも幼馴染は水着になってなかったし、そんな大したイベントでもなかったよ」

オタク「そうなんですか・・?」

男「まじだ、まじ。また海とか行くときは俺らの身内だけで行こうぜ」

オタク「う、うっす。ぜひ誘ってください」

男「ああ、約束だ」

女「こんなところにいたのね」

オタク「あ、お、女さん」

女「さん付け禁止。同級生なんだから普通に呼んでよ」

男「どうしたの?」

女「どうしたのー?じゃなくて幼っちが男2くんと最近よく絡んでるじゃないの」

男「うん?そうなのか?」

女「あのねぇ・・・あんたの彼女でしょうが、幼っちまでハーレム入りしちゃったらどうすんのさ」

男「幼馴染が嫌がってないなら俺がとやかく言えないじゃんか。束縛男とか思われたくないし」

女「危機感くらいは持つべきでしょー。幼っちだって、本当は俺の幼に手を出すなーとか言われたいのかもよ」

男「そこまで頭お花畑じゃないだろ・・・」

女「そこまではいかないにしてもさ・・・構ってあげるくらいしてあげても」

男「そこら辺はわかってるよ。あまり干渉しすぎるのはかえってお互いの関係を悪くするしさ」

男「けど譲らないときは退かないよ。そこんところはわかってる」

女「女ってのはみんな構ってちゃんなのよ。口にしなくても、好きな男の子には見てほしいって願望を誰でも持ってるんだからね」

男「肝に命じておきますとも♪」

女(心配だけど・・・二人の問題にあまり首を突っ込みすぎるのも良くないわね)

ーーーーー

委員長「幼馴染さんちょっといい?」

幼馴染「うん?なにー?」

委員長「今度男2くんと他に数人で勉強会でもしようかと思うのだけど、あなたも来てほしいの」

幼馴染「勉強会・・・」

委員長「あ、なんなら男くんも一緒・・・」
幼馴染「いいよ、私一人で」

委員長「え?そう?でも大丈夫なの?」

幼馴染「大丈夫もなにも単なる勉強会でしょ?心配する要素がないじゃない」

委員長「まぁ・・・確かにそうね・・・」

幼馴染「それでいつするのー?」

委員長「明後日の放課後、図書館で」

幼馴染「はいはいー、現地集合ってことにしとく」

委員長「ええ。少しだけ委員会があるから先に行っててくれると助かるわ」

幼馴染「んじゃそういうことにしとこうかー」

下校時間

男「オタクー一緒に帰ろーぜ」

オタク「あ、男さん。幼馴染さんと帰らなくていいんすか?」

男「今日はまぁ・・・約束があるみたいでね。フラれちまったよ」

オタク「そうですか・・」

男「うまいラーメン屋があんだけどさそこよってこうぜ」

オタク「いいっすね」

友「なんだ?男まみれの面子でラーメン食いにいくのか?」

男「おお、お前も行くか」

友「たまには悪くないだろ?」

オタク「ラーメンの味はどんなやつなんすか?」

男「それが・・・」
ヴーンヴーン

男「電話?はいもしもし」

ーーーーー

図書館

幼馴染「今日は男くんを振っちゃったなぁ」

幼馴染(ちょっといじわるしちゃったかな・・・)

幼馴染「いやいや、これくらいしないとあの子ははっぷん」

ーーーーー

図書館

幼馴染「今日は男くんを振っちゃったなぁ」

幼馴染(ちょっといじわるしちゃったかな・・・)

幼馴染「男くんは待っててって言ってたから、発奮かけるお膳立てのつもりなんだけど」

幼馴染「男くんはそうやって受け取ってくれてるか心配・・・」

幼馴染「男くーん、幼馴染はあなたのお迎えを待ってますよー」

幼馴染「なーんてね・・・ん?」


タッタッタ
男「はぁはぁ!」


幼馴染(男くん・・・?というかすごい青ざめた顔してたけど・・・なにかあったのかな)

委員長「幼馴染さーん」

幼馴染「・・・・」

委員長「幼馴染さん?」

幼馴染「あ、委員長。みんなも来たんだ」

それでさー
男2くーん
男2「・・・?」(幼馴染の様子が変だな)

タッタッタッ

男「はぁはぁ!」

医師「ああ、男くん」

男「先生!母は!?母の具合は大丈夫なんですか!?」

医師「今のところは・・・と言ったところか」

医師「はっきりいうとかなり危険な段階だ。こちらも最善は尽くすが、お母様の体力がもつかどうか・・・」

男「・・・そうですか・・・」

医師「・・・私もできる限りのことはする。約束・・・は出来ないが、お母さんの命をみすみす見殺しにはしない」

男「・・・母を・・お願いします」




トコトコ

男「・・・・母ちゃん」

男(まだ・・・もう少しだけでいい。まだ逝かないでくれ・・まだここにいてくれ・・・母ちゃん・・)

図書館

それでー

ここがこうでー


幼馴染「・・・・」カキカキカキ

ねぇー男2くん
ここってこの公式で良いのよね?

男2「ああ、そこはそれでいいだろ」

幼馴染(・・・男くんがあんな青ざめた表情してるの初めて見た・・・一体何があったの・・・?)カキカキカキ

幼馴染(そういえば気になってたけど男くん・・・おじさまとおばさまはどうしてるのか聞いてない・・・)カキカキカキ

幼馴染(もしかして・・・お二人に何かあったとか・・・?)カキカキカキ

委員長「幼馴染さん?」

幼馴染「え?あ、なに?」

委員長「そこの穴埋め間違ってたから・・・」

幼馴染「え?うそ?」

委員長「大丈夫?やっぱりみんなで集まったから身に入らない?」

幼馴染「や、違うよっ。今日の夕食どうしようか考えてて・・・あははは」


へぇなんか意外ー
幼馴染さんって痩せてるイメージあったけど
今から夕食のこととか
どんだけ腹減ってるのよw

手足は細いけど胴回りは
かなり太ってるとかー?

そうだよねー
その細さで胸だけでかいってのもなんか不自然だし

男2「・・・」

委員長「ちょっとあなたたち」
幼馴染「あはははは、そうなのよー。食い意地だけはすごくてさー」

幼馴染「だから、服装で誤魔化してさ、この前もバーベキューのとき水着姿に自信なくてさぁー。第二次成長期がまだこないのよねー」

幼馴染「あ、でも第二次成長期がきたら胸はこのままで胴回りは痩せるってことだよね?そうなったら水着にも自信が持てるかなー」

へ、へぇ・・・そうなんだー・・・

男2(なるほど・・・自信が持てない女ほど他人に矛先をむけるのを上手いこと利用したな)


ーーーーー

ーーーーー

男2くん
一緒に帰ろー

送ってってよー

男2「わかったわかったから」

委員長(幼馴染さんは・・・?)



幼馴染「・・・」ピッ

幼馴染(lineの返事来てない・・・男くん・・・何かあったの?)

幼馴染(電話で確認・・・いや、既読になってないところをみるとケータイすら見れてない)

幼馴染(・・・・)

委員長「幼馴染さん?一緒に帰らない?」

幼馴染「あ、ううん。みんなで帰ってて私は寄るところがあるから」

男2「なんならそこまで送ってくぞ?」

幼馴染「人と会う約束だから、そこまでしてくれなくていい」


男2くんいいじゃん
本人がああいってるんだから

そそ
帰ろー

委員長「・・・ほんとにいいの?」

幼馴染「うん、ありがと委員長。みんなと帰って、そこまでしてもらうのも悪いし」

幼馴染「それにそんなに遅い時間じゃないからさ」

委員長「・・・そう、あなたがそう言うのなら」

幼馴染「今日は誘ってくれてありがとね♪」


男2「・・・・」

ーーーーーー

ーーーーーー
帰り道


幼馴染「・・・・結局返事こなかったなぁ」

幼馴染(電話・・・・したい)

幼馴染「・・・・」


男2「なにが人と会うだ」

幼馴染「!!」

幼馴染「なに?ストーカー?」

男2「自分から声かけるストーカーがどこにいるんだよ」

幼馴染「送り迎え頼んでないんだけど」

男2「気になったんだよ」

幼馴染「ま、お礼だけは言っておくわ」(勝手についてきただけなのにね)

トコトコ

男2「で?男とは連絡取れたのか?」

幼馴染「なにそれ?」

男2「惚けるなよ。あるだけ気にする相手なんて男以外いるのか?」

幼馴染「さぁねぇー」

男2「ま、なんにしても・・・それだけしきりに連絡しても返事がないのはよっぽどのことなんだろうな」

幼馴染「単にケータイ見てないだけじゃない?」

男2「それはそれでひどいな?彼女からの連絡を見てないとは」

幼馴染「単に用があって見れないという可能性には触れないのね」

男2「不安にならないのか?」

幼馴染「不安?」

男2「そこまで連絡がないのは異常だぞ」

幼馴染「嫌につっこんでくるのね?」

男2「深い意味はないけど問題だろ」

幼馴染「それは・・・・ん?」




男「・・・・」トコトコ

幼馴染「男っ・・・」

幼馴染「くん・・・?」

男2「・・・・」

幼馴染(様子が・・・おかしい??)

男「・・・・ん?あ、幼馴染。それに・・・」

幼馴染「よっす、line見てくれなかったのー?」

男「line?え、まさか送ってた?」

幼馴染「こやつ、全然見てなかったのか」

男「あ、えっと・・・悪いな、実は昔の友達と偶然会ってさそいつとずっとゲーセンで遊んでたんだよ」

幼馴染「げ、ゲーセンかい・・」

男「それで出られなく・・・」
ガシッ
男2「お前・・・!幼馴染がどれだけ心配してたかわかってんのか!?」

男「おいおいおい、落ち着けっての、大体なんでお前がキレるんだよ」

男2「お前がムカツクからだよ、こいつはしきりにお前への連絡を見て・・」
幼馴染「あー、ありがとね男2くん。わざわざ家の近くまで送ってくれて」

幼馴染「あとは男くんが送ってくれるから!それじゃ」
ぐいぐい

男「幼っ!?」


男2「おい!」

タッタッタ

男「お、幼馴染!」

幼馴染「ととっ・・・あははは、ごめんね急に引っ張ったりして」

幼馴染「あー、男2くんが言ったことは気にしないでねっ」

男「ごめん・・・なんか心配させたみたいで。というかそんな心配かけるようなことした?」

幼馴染「あーいや、そうじゃないよ。というよりも・・・むしろ私のこと心配してないのかなーって」

男「今日の勉強会か?」

幼馴染「ハーレムの一員にされるんじゃないかなーって心配してないかなと」ジトー

男「ビンタした相手のことを好きになるって?」

幼馴染「ビンタから始まる恋とか?」

男「そこから好感度が上がるとしたすげぇ努力がいりそうだな」

幼馴染「お互いマイナスからのスタートだもんねー」

幼馴染「それで?」

男「うん?」

幼馴染「それで、本当はなにがあったの?」

男「本当もなにも・・・」
ドンッ

幼馴染「本当のこと・・ちゃんと話して」

男「あ、いや・・・・」

男「・・・・」

幼馴染「・・・・私にも言いたくない・・?」

男「・・・・幼馴染だから」

男「尚更言いたくない・・・かな」

幼馴染「・・・そんなに信用ないんだ・・・私」

男「違う!!そうじゃない」

幼馴染「・・・?」

男「・・・・」

男「お前の前でくらい・・・格好つけたかったんだ」

男「はぁ・・・だめだな」

男「実はさ・・・母ちゃん今入院してるんだ」

幼馴染「え?」

男「心臓が悪いらしい・・・助かる見込みも難しい」

幼馴染「心臓・・・・」

男「そう、お前が幼少期から悩まされ続けてきたものと同じ」

男「だからっていうのもあったから・・・母ちゃんのことは今まで話さなかったんだ」

幼馴染「それで一人暮らしだって・・・」

男「ああ、けど」

男「幼馴染が元気な姿で帰ってきたのを見て・・・一緒に過ごしていくうちにもしかしたら、母ちゃんも元気になるんじゃないかなって」

男「幼馴染みたいにまた元気に台所でご飯つくってくれるんじゃないかって」

男「期待してたんだ」

男「けどまぁ、そんな現実は甘くないよな」

幼馴染「男くん・・・」

男「はーーぁ・・・・話しちゃったな」

男「ごめん、黙ってて」

男「こんな弱っちいところ・・・見せたくなかったんだよ」

幼馴染「私は見れて良かったよ」

幼馴染「昔も今も・・色んな男くんを見てきたけど」

幼馴染「今ほど素直な男くん・・・はじめて見た」

男「・・・」

男「ほんとは・・怖くて怖くてたまらないんだ」

男「母ちゃんがいなくなったらどうしようって・・・」

男「俺には誰も残らなくなって・・・ ほんとうに独りになってしまう」

男「どうすりゃいいんだろうって・・・・そんなことばかり頭の中で過って・・・」

男「・・・・」

幼馴染「男くん・・・」

幼馴染「独りなんかじゃないよ」

幼馴染「学校にはあなたのことをちゃんと待ってる人がたくさんいるんだよ?」

幼馴染「それに・・私も」

男「え・・・」

幼馴染「私も・・君のことを待ってる一人」

幼馴染「君が私を待っていてくれたように・・・私も待ってるよ」
キュッ・・・・

男(幼馴染・・・!)

男「はは・・・ははは、だから言ったろ・・かっこ悪いから言いたくなかったんだよ・・・・」

幼馴染「カッコ悪くなんかないもん。人を大切に想う気持ちを表面に出すことのどこがカッコ悪いのさ」

男「ははは・・・ 恥ずかしいじゃないか・・・」

幼馴染「ふふふ・・」

幼馴染「こういう可愛い男くんも良いの♪」

男「勘弁してくれよ・・・」クスッ

幼馴染「ふふふ・・・ねぇ?」

男「うん?」

幼馴染「今日泊まりにいってもいい?」

男「うぅ・・・ホントは紳士的に断りたい」

幼馴染「けど?」

男「・・・・・・・・一緒にいてほしいっす」

幼馴染「偉い偉い、よくできました♪」ナデナデ

男(幼馴染・・ )



男(ありがとう・・・)

ーーーーー
ササァー・・・・


男「・・・・」

幼馴染「・・・・・」

男「幼馴染?」

幼馴染「・・・・・・」

男「寝たかな」

幼馴染「起きてる・・・」

男「なんか二人で並んで寝るのも当たり前みたいになってきたな」

幼馴染「倦怠期?」

男「まさか、こんなシチュエーション飽きないよ」

幼馴染「私はちょっと退屈」

男「え・・・そうなの?」

幼馴染「次のステップを想像してます」

男「次のステップ?」

幼馴染「男女が一緒に寝てるんだよ?」

男「次か・・・手を繋ぐとか?」

幼馴染「小学生かっ」

男「レッツ子作りタイム!」

幼馴染「最終段階やないかい」

幼馴染「ていうか・・・出きるのー?」ジトー

男「すみません、出来ません。まだブレイブポイントが足りなくて・・・」

幼馴染「私だってちゃんと段階踏んでほしいもん」

男「大体・・・付き合ってもない女の子とできるわけないだろ」

幼馴染「偽恋という名のもとにやっちゃう人はいそう」

男「そこまで底辺じゃないよ」

幼馴染「わかってるよー」(相思相愛なら・・・いいんじゃないかな)

幼馴染「じゃあさ・・・ちょっと次のステップの練習していい?」

男「練習?」

幼馴染「そそ」

そそっ

男「お、幼馴染?」

幼馴染「練習だからさ、大丈夫だよ♪」

男「ナニが大丈夫なのかな」

幼馴染「ナニがかなー?」

男「卑猥ですー」

幼馴染「女子高生だもん」

キュッ

男「スカートも短いです」(ううっ・・・)

幼馴染「自慢ではないけど胸もかなりボリューミーですね」
クグッ

男「押し当てるのは反則金が発生します」

幼馴染「ふーん?ど・ん・な反則金が発生するのかな?」

男(えっと・・・金的みたいな?・・・・なんて言えるわけねぇ)

幼馴染「ふふふ・・・緊張してるの?男?体が固いよ・・・?」

男「筋肉が硬直してるのかなぁ・・?」(やべぇ・・・我慢できなくなってきた)

幼馴染「ん・・もっとほぐさないとね・・・・力を抜いて、高ぶりを少しだけ抑えてね」

幼馴染「大丈夫だよ・・・優しくしてあげるから」

幼馴染「男くん・・・」

男「お、幼・・・」

幼馴染「っと・・・練習はここまで♪」

男「っ・・・・」

幼馴染「次のステップはこんな感じかな?まぁ私のイメージだけどね」

男「この次はどうなるんだ?」(もっとすごいのか・・・)

幼馴染「うーん?どうかな。実はあんまり考えてないんだ」

男「続きを体験できる奴が羨ましくなるな」

幼馴染「おっ、それは嬉しいねっ♪誉めてくれてるのかな?」

男「エロいよーって注意してるのー」

幼馴染「えっちなのが好きなくせに♪」

男「ぐっ」(否定できねぇ・・・)

男「もう寝るぞ!」

キュッ
幼馴染「・・・・すぅ」

男「え?寝てる?」

幼馴染「んっ・・・男くぅん・・ ・とんかつぅ・・」

男「・・・どんな夢を見てんだ」クスッ

男「・・・・ 幼、色々と落ち着くまで待ってて」

男「迎えに行くからそれまで待っててほしい」

男「・・・幼」


幼馴染「・・・・・・」






幼馴染「待ってるよ・・・・」

ーーーー


幼馴染「夏祭り?」

女「夏休み頭にあるからさーどうかなー?」

友「なんだ?作戦会議?」

女「夏祭りどうするって会議よ。あんたは幼友ちゃん誘うの?」

友「へへん、まぁねー」

女「幼っちは男くんだとして」

幼馴染「お決まりになっちゃってるね」

女「最近よく話オタクっち誘おっかなぁ」

幼馴染「あら、いい感じなのー?」

女「あはははどうかなー」

委員長「あら、みんな。なにか相談でも?」

幼馴染「あ、委員長ー実は夏祭りの予定をたてるとこなのよー」

委員長「ああ、確か花火大会も同時にあるという」

女「そそ、みんなで当日は合流してワイワイやろっかなって」

委員長「面白そうね」

幼馴染「委員長も一緒にどうー?」

委員長「ごめんなさい先約があって・・・」

男2「なんの相談だ?」

友(うげぇ・・・・一番絡んでほしくないやつがきちまったよ)

幼馴染「夏祭りの相談してただけだよー」

男2「相談?」

委員長「ええ・・・当日合流して楽しみましょうってい相談だったのだけど・・」

男2「ほぅ」

何々ー?なんの相談?

夏祭り一緒に楽しむのー?

男2くんが行くならいきたいー
一緒にいこうよー

男2「おいおい・・・って落ち着けよ」


女(委員長を誘ったのになんでこの人がナチュラルに入り込もうとしてるのかしら・・・)

男2「とりあえず騒ぐなって・・・みんなで行こうぜ。その方が楽しいじゃんか」

まぁ
男2くんが言うならねー
仕方ないねー

男2「委員長もその方が良いだろ?」

委員長「え・・あ、うん。そうね」

幼馴染(もしかして委員長の先約相手って・・・・)

男2「というわけだからさ、よろしくな」

女「あ、ははは」(何がどういうわけなのかさっぱりだわ)

委員長「・・・・・」

ーーーーー

男「はぁはぁ・・・す、すみません。遅刻しました・・・」

先生「まぁ・・・連絡は貰ってたし、ご両親のことだろう。仕方がない」

先生「具合はどうなんだ?」

男「まぁ、話は出来てますし、相変わらず憎まれ口は叩いてますよ」

先生「そうか、だが予断を許さないような状況なのだろう?」

男「遅かれ早かれこうなることはわかってましたし。だから今はできることをやってくだけですよ」

先生「とにかく今は一緒にいられる時間をつくることだな。テストも近いが・・・ご両親のことを第一人に考えなさい」

男「すみません。先生にまで心配かけてしまって」

先生「私ら教師はこういうとき何もしてやれないからな・・・助言をするくらいしか出来ん」

男「言ってもらえるだけでも俺は恵まれてますよ」

先生「教師としてできる最低のことだがな」

先生「そういえば、幼馴染とは最近どうなんだ?」

男「へ?ど、どうなんだとは??」

先生「向かい同士で幼馴染みなのだろ?最近どうも幼馴染の元気がないというか」

先生「前ほど生き生きとしていないというか」

男「え、どういうことですか?」

先生「心当たりはないか?」

男「心当たり・・・」

先生「そういえば最近委員長グループとよく交流しているそうだな」

男「委員長は幼馴染のいい友人ですよ」

先生「問題はその取り巻きだな」

男「とりまき・・・ですか」

先生「男2か・・」

男「・・・・・」

先生「生気がないというよりも・・・不安に感じている」

先生「そんな気がする」

男「たしかに女にモテる男2ですけど奴が問題みたいな言い方は教師としてまずくないですか?」

先生「・・・・少し昔話をしていいか?」

男「?」

先生「昔な・・・ある男子高校生がこの学園に通っていたんだ」

先生「男子高校生は成績、容姿、運動神経ともに並みよりも上と言った本当にごく普通の男子だった」

先生「しかしその男子は異常に女にモテてな、助けた、もしくは優しくしたといった単純なもので惚れられていたらしい」

男「・・・・」

先生「やがてその男子を取り巻く環境が大きく変化し、取り巻きの女子との距離が縮む」

先生「多感な年頃の男女間が密接な関係になれば当然その間に生じる出来事も起こる」

男(肉体関係・・・か)

先生「まぁ・・・男女間での交際に教師が口を挟む余地などないし、実際にどういったことが起きたのかなんて当事者にしかわからない」

先生「けど、その男子はあろうことか・・・取り巻きの女子全員と関係を持っていた」

男「・・・・嘘だろ・・・」

先生「現実だ。確かにその男子は贔屓目で見ることもなく、誰にでも分け隔てなく優しいという噂は聞いていた」

先生「だがそれは裏を返せば優柔不断ということだった」

男「そいつの・・・誰か一人を選べないということが・・・全員と関係を持つことに至ったと」

先生「一度や二度ではない。何度もあったそうだ」

男「なんで・・・そこまでして」

先生「女子たちがそれでもその男子を望んでいたから・・・か」

先生「しかし、決定的な亀裂を生んだのは女子の一人が懐妊したことだった」

男「なっ・・なに・・!?」

先生「あとから聞いた話だが、男子は女子との行為の際避妊もしなかったそうだ」

男「バカな・・・それくらいこと・・・考えられる歳だろうに」

先生「それを知った男子はあろうことかその現実から逃げ出し、孕んだ女子は取り巻き女子からの集団いじめに遭い自殺した」

男「・・・・・」

先生「その後その事件はまるでなかったことにされ、卒業後も進学した大学でサークル内で取り巻き女子を形成していたらしい」

男「・・・・」

先生「どこからかの話でその男子は今海外に渡ったそうだ。取り巻きだった女子たちは全員その男子の子供を身籠ったとかなんとか」

男「・・・男子はどうなったんですか?」

先生「さぁな、病気で他界したとも聞いたことはあるが真相は定かではない」

先生「自分自身で取捨選択ができず、流されることしかできない人間の末路は破滅しかない」

先生「男が女に対して責任を持つということはその人を守り抜くことだ」

先生「複数の女と関係をもって妊娠させている時点で相手のことなど考えていないようなものだ」

先生「リアルでハーレムなんて破滅でしかない」

男「けど・・・そんな大事なら在学中になんで問題にされなかったんですか!?」

先生「自殺は問題になったがその子が妊娠していたのは全員が卒業してから発覚したんだ」

男「・・・・ひどい話ですね」

先生「結末はともかくとして似てるだろ?」

男「男2にですか?」

先生「うむ・・・私もあいつを第二のあの男子にしたくはない」

先生「奴が腹では何を考えているかは知らんが、場に流されやすいあの性格は危険だ」

か男「そこまで奴がなるとは・・・・」

先生「お前も決断を迫られるときにちゃんと選ぶことができるかな」

男「決断はともかくとして、俺には複数の女の子を好きになれるほどの器量はありませんよ」

先生「そうか・・・」

先生(幼馴染が影響を受けなければ良いが・・・)

ーーーーーー

ーーーーー

幼馴染「というわけなのさ」

男「なるほどねぇ」

幼馴染「で?男くんは一緒に夏祭りに行けそうかい?」

男「あー・・・それが」

幼馴染「お、幼馴染ちゃんの頼みを断るというのか!!」

男「俺だって断りたくねぇよぅ・・・その町内会役員だからさ・・・夏祭りの手伝いと出店の手伝いを任されて・・・」

幼馴染「ばつが悪いことで・・・」

男「すまない、悪かったよ」

幼馴染「こればかりはどうしようもないよね」

男「埋め合わせはちゃんとするよ」

幼馴染「出店の食べ物奢ってくれるなら♪」

男「出店のおっちゃんに話つけるよ」クスッ

幼馴染「それも良いけどさ、おば様はどうなの?」

男「今は平気だよこの前も普通に話せたし」

幼馴染「それも良いけどさ、おば様はどうなの?」

男「今は平気だよこの前も普通に話せたし、面会もできるからさ」

幼馴染「そかそか」

男「あー、そういえば幼馴染に会いたがってたな」

幼馴染「へ?私に??」

男「学校のこととか、交流関係とか話してたらさ、幼馴染とも話がしたいって」

幼馴染「男くんの取説でも頂けるのかな」

男「俺は人工知能で動いてるのか?」

幼馴染「人工知能の方が学習力高そうー」

男「俺の脳みそはチンパンジー並かよ」

男「今度二人で見舞いにもで行くか」

幼馴染「いいの?」

男「大丈夫だよ。会えるなら会った方がいいしさ」

男「それに・・・会えるうちに会っておいた方がいい」

幼馴染「・・・・・」

幼馴染「そうだね」

ーーーーーー

ーーーーー
病院

幼馴染「おば様と会うのひさしぶりだなぁ」

男「昔と変わらないけどな。ファンキーでただのヤンキー上がりだけど」

幼馴染「美人だった覚えはあるね。あと男くんをグーでぶっ飛ばしてた記憶も」

男「今じゃ虐待だとか騒ぐ輩がいるだろうけど、母ちゃんが手をあげるなんて滅多になかったよ」

幼馴染「しょっちゅう殴ってたらそれこそ虐待だしね」

ガチャ

ーーーーー

幼馴染「・・・・っ」

母「久しぶりねー幼ちゃん。いい女になったわね」

男「いきなりそれかよ。女同士なんだからもっと華々しくだな」

母「うっさいな。ほらほら女同士華々しく話すからあんたは水かえでもしてきな」

男「ひでぇ母ちゃんだ」トボトボ

ガチャ


幼馴染「・・・・」

母「久しぶりだね。ビックリしたでしょう。あたしの姿見て」

幼馴染「お久しぶりです」

母「長く一緒にいる人ほど変化に気づかないものよ」

母「ほんと元気になって・・・・良かったね」

幼馴染「おば様・・・」

母「なんだかそれババァみたいで嫌ね」

幼馴染「あ、ごめんなさい」クスッ

母「向こうでの話とか色々聞かせてくれる?」

ーーーーー

幼馴染「ーーーーー」

母「ーーー?」

幼馴染「ーーーーー」

母「!!」


母「・・・そうだったのそんなことが」

幼馴染「今じゃ普通に生活もしてますよ」

母「そういえば風の噂で良くないことを聞いたのだけど」

幼馴染「ああ・・・ある男子生徒のことですか?」

母「名前なんていうの?」

幼馴染「男2って名前ですが」

母「!!!!」

母「今・・・なんて?」

幼馴染「男2っていう名前・・・」

母「そう・・・・そういうこと」

幼馴染「どうしたんですか?何か知ってるんですか!?」

母「気にしなくていいのよ」

母「幼ちゃん。うちのお馬鹿のこと信じてあげてくれる?」

母「何があっても」

幼馴染「お、おば様?」

母「あんな男になんか・・・」

母「・・・・」


ガラガラ
男「水変えてきたよー」

幼馴染・母「・・・・ 」


男「え、なんでそんな嫌そうな顔してんのよ」

母「空気の読めない坊主・・・」

幼馴染「エアコン以下・・」

男「泣きわめいていいかな」


ーーーーーー

男「んじゃ、また来るよ」

母「あいよ、次は結婚報告のときにでも来な」

男「だから飛躍しすぎたっての」

幼馴染「その次は赤ちゃん報告だね♪」

男「幼馴染も乗っかるなよっ」

ガシッ

母「男」

男「な、なんだよ母ちゃん」


母「幼ちゃんの手ちゃんと握ってあげなさい」

男「小学生じゃないんだから!」

母「いいから」



男「・・・・」ポリポリ

キュッ

幼馴染「・・・・」モジモジ

母「絶対離すんじゃないよ」

男「母ちゃん?」

母「何があっても・・・守り抜きなさい」

男「・・・・」

それ以上なにも言えず
俺と幼馴染が偽物の恋人関係だとも打ち明けられず
帰路についた。

きっと母ちゃんは何もかもをわかっていたのだと思う

ーーーーー

友「いぃぃよっしゃー!!終わったぜー!!」

女「部活じゃあぁー」

幼馴染「デーートーーー」

男「アライブ?」

幼馴染「そういうボケいらん!デートすっぞ!」

男「今日先生に呼び出し食らってるんだろ?いいのか?」

幼馴染「男くんは待っててくれるもんねー♪」

男「ですよねー待つの前提だよねー」

幼馴染「可愛い幼馴染みのお願いだぞっ」

男「あんまり待たせるなよっ♪」

友「お前らもデートか」

男「お前もか」

友「幼友ちゃんを待たせてるからな」

男「うまくいってるのか?」

友「どうかな・・・俺としては結構本気で向き合いたいって思えたはじめての女の子だな」

男「可愛い子には目がないお前が珍しいな」

友「そりゃイケメンさんに比べたらナメクジみたいなもんだけどさ」

友「けど俺は本気だ。出し惜しみするつもりもないし、全力でぶつかる」

男「あまり飛ばしすぎて息切れすんなよ?」

友「お互い様だろ?」

男「ちがいねぇ」クスッ

友「ああ、それとイケメンさんから聞いたはなしなんだけどな」

男「うん?」

ーーーーー
幼馴染「失礼しましたー」

幼馴染「ん?あれは」




委員長「・・・・」

幼馴染「委員長ー」

委員長「あ、幼馴染さん・・・職員室に何か用があったの?」

幼馴染「進路のことで少しね♪委員長は?なにか用事があるの??」

委員長「私は・・・あ、えっと・・・私は」

幼馴染「委員長?」

委員長「ごめんなさい・・・なんの用があったのか忘れてしまって・・」

幼馴染「???大丈夫ー??ボケるにはまだ早いよー」

委員長「そうね・・・じゃあまた明日ね」トコトコ

幼馴染「あ」

幼馴染「・・・・」(やっぱり委員長・・ 様子がおかしい)

幼馴染(絶対何かあったに違いない・・・・けど何が・・・?)

ーーーーーー


正門

友「幼友ちゃんは・・・っと」

友「ん?」



幼友「そうなんですか・・・」

男2「そうそう、あと・・」

友「おい・・・・なにしてんだ?」

幼友「友くんっ」

男2「?何って会話だけど?」

友「悪いな彼女は俺が先約入れてるんでな。女口説くなら他をあたりな」

男2「ったく・・・ただ会話していただけだってのに・・・あいつの知り合いは変なやつが多いな」

友「個性が何分強いんでねぇ。無個性無気力よりはよっぽど活力ありそうだけどね」

男2「聞かなかったことにしとくよ。じゃあな」
トコトコ



友「大丈夫だった?」

幼友「私は平気だよ友くん」

友「やつとなに話してたの??」

幼友「話というよりも一方的な質問ばかりだったよ」

友「質問?」

幼友「そうそう、どの辺に住んでいるの?とか、友達はいるの?とか」

友「そっか・・・」(なに考えてんだあいつは・・・)

ーーーーー
幼馴染「うーん・・・」

男「どうしたんだよ幼馴染。せっかくのデートで考え事かー?」

幼馴染「あ、うん。実は委員長のことなんだけどね」

男「委員長??」

幼馴染「なんか上の空っていうか心あらずっていうか」

幼馴染「すごくボーッとしてるときがあるんだよね」

男「委員長が??何か心当たりはないのか?」

幼馴染「心当たりっていったらもう・・・ひとつしかないでしょ?」

男「またあいつか・・・」

幼馴染「なんかね、最近幼友っちにまで声かけるようになったみたいなんだって」

男「幼馴染が狙いじゃなかったのか?」

幼馴染「知らないー。ホントに何が目的なのかわからないのよ」

男(俺と幼馴染の関係を壊すと言ってたが・・・交遊関係から潰す手に出たのか・・・?)

幼馴染「もしかしたら、私を救いだそうとかしてるのかね」

男「俺の魔の手からか?」

幼馴染「らしいよー?別に私たちの関係なんだからそっとしておけばいいのにね」

男(主人公としてはほっておけないって感じなんだろ・・・。学園一の美少女が奴に対してとはいえあんなゲスなこと言ってる俺の毒牙にかかるのが)

男(まぁそれは口実で実際には幼馴染に惚れてるからなんだろうけどな)

幼馴染「最近は男くんといたり、委員長たちといたりするからナンパとかそういう絡みないから良いけどさ」

男「幼馴染の場合ナンパ相手に殴りかかりそうだしね」

幼馴染「そこまでアウトローじゃないわよ」

男「そうか、まぁ奴の動きに気を付けないとな。隙あらば幼馴染を・・・って感じになるかもしれんし」

幼馴染「そうなったら焦らすだけ焦らして、そのあと全力で抵抗して、社会的にも男的にも抹殺してやる」

幼馴染「女が誰でも靡くと思ったら大間違いだ」

男「どうしたんだ?やけにムキになるんだな」(あのときちゃんと理性が勝ってホントに良かった・・・・)

幼馴染「なんとなく・・・・ムカつく」

男「幼馴染?」

幼馴染「・・・・」

幼馴染「じゃっ男くん今日は家に帰るね」

男「つっても目の前だけどな。めずらしいな」

幼馴染「うんっ。ちょっと・・・ね」

男「ほぅ・・ 」

幼馴染「気になっちゃう?」

男「どうして?」

幼馴染「偽物とはいえ恋人が隠し事してるし」

男「秘密なら誰にだってあるから仕方ない」

幼馴染「あ、気にならないんだ?」

男「けど気になっちゃうと素直に言っちゃうのが男くん」

幼馴染「へへへ、もう少しだけ待っててくれる?」

男「俺も待たせてるのにか?」クスッ

幼馴染「ほんとだよ、ばーか」

キュッ

幼馴染「ねぇ・・・男くん」

男「うん?」

幼馴染「内緒にしてることがさ、解決したらなんだけどね」

男「・・・・・幼馴染、俺も伝えたいことがあるんだ」

幼馴染「え?」

男「それが解決したらさ、幼馴染に話したいことがある」

幼馴染「私も・・・・」

幼馴染「それまでは・・・待っててくれる?」

男「おう、待ってるよ」

幼馴染「うん、ありがとう・・・」

ギュッ

ーーーーー
幼友「ありがとー、ここまででいいよー友くん」

友「ホントに大丈夫?最近不審者の噂も聞くし」

幼友「大丈夫ー。いざとなったら叫ぶからさ。以外と声出るんだよ?」

友「そっか、気を付けてね」

幼友「あ、それからね。夏祭り合流したあと話したいことがあるんだ」

友「話したいこと?」

幼友「楽しみにしててね。それじゃばいばい」
タッタッタ

友「あ・・・」

友「楽しみにしててね?もしかしてもしかしなくてももしかするかも!?」

友「いっやっほぉーい」



・・・・・・・

ーーーーーー
友妹「はぁ・・・イケメンさんとデート・・・」

友妹「元ヤンのあたしなんか相手にもされないと思ってたけど・・・」

友妹「いやぁ、食らいつきにいけばなんとかなるもんね。あっはははは」

友妹「とまぁ・・・一緒にいると緊張しぱなしなんだけど・・・」

友妹「ん?あれは・・・幼馴染さん??」


幼馴染「・・・」
トコトコ

友妹「幼馴・・・っ!!」ササッ

男2「ーーーー」

幼馴染「ーーーー」


友妹(どういうこと!?男2と幼馴染さんがなんで?)

友妹(密会?それとも・・・・)

友妹「あ、どっか行っちゃった」

友妹(楽しげに話してたけど・・・まさか・・・)

当日

男「町内会での手伝いっつっても・・・しんどいな」

男くん今度はこっちをお願いできるかね

男「あ、はいはーい」


友「よう、やってるな」

男「なんだ?邪魔しにきたのかー?」

友妹「そんなこと言っていいのー?差し入れもってきたのにー」

男「友妹ちゃん、マジエンジェル」

友「お前の女神は幼馴染さんだろ」

男「そうでした」

友妹「!・・・あ、あのさ、そのことなんだけど」

幼馴染「やっほーん」

男「もうきたのか?まだ準備してる最中だぞ」

幼馴染「いーのいーの、どうせ一人でも暇だし。委員長たちと合流はまだまだ先だもん」

友「幼友ちゃんも始まってからじゃないと合流できないって言ってたし」

幼馴染「あ、そうだ!友妹ちゃんもイケメンさんと合流するんだよね?」

友妹「・・・・」

幼馴染「友妹・・ちゃん?」

友妹「あ、え、ええ。そうです」

幼馴染「じゃあ、みんなで行動しようよ。合流してから少し経ったら個別行動もできるしね」

友妹「そうですね・・・イケメンさんと相談しますね」

幼馴染「そうだねぇ、イケメンさんの意見もあるしね」

友妹(どういうことだろ・・・昨日のアレは一体?というか男兄ぃと合流するってことは昨日のはあたしの見間違いかな・・・)

ーーーーー

幼友「遅れてごめんねー」

女「やっほー、待ったー?」

オタク「こんばんはっす・・」

幼馴染「遅かったねー先に焼鳥買っちゃったよー」

友「おおー!浴衣まで来てくれたんすか!!」

友妹「兄ぃ・・・・」

サッ
友妹「っ!?!?」

イケメン「だーれだ・・?」
バキィィ

イケメン「ゴフォッ!!」

友妹「へ!?イケメンさん!?ご、ごごめんなさい!!」

幼友「に、兄さん!?大丈夫!?」

友(背後からだーれだ?ってやりたかったんだろうけど・・・妹は背後から迫られると反射的にボディに肘打ち、もしくはブローをいれちまうからな)

イケメン「ガフッごふっ・・・いや、ふ、普通の反応だよ・・俺の方こそごめんね・・・・」

友妹「うぅぅ・・・ごめんなさいぃ・・・・」

ワイワイ


男(みんな楽しそうだなぁ)

男くーん焼きそばもっと焼いてくれー!!

男「はいはいー!ただいまー!」

男2「ったくあんまり祭りだからってはしゃぐなよ」

女「あら、随分遅かったわねー」

友(主役は遅れてくる・・ってか)
イケメン「彼とも行動するのかな?」

友妹「そうしようかなって相談してたんですよ。無理にとは言いませよ」

イケメン「いや、折角だし俺は大丈夫だよ」

幼友「わたしたちも一緒に行動する予定だったしね」

オタク「昨日突然女さんに誘われて・・何がなんやらてんわやんわですよ」

幼馴染「まぁまぁ、せっかくの祭りだし楽しもうよ」

男2「幼馴染の言う通りだな揃い次第出店回ろうぜ」

友妹「・・・・・」

友妹(この人と幼馴染さんはどういう繋がりは一体・・・)

委員長「こんばんは」

>>589
訂正
男2「ったくあんまり祭りだからってはしゃぐなよ」

女「あら、随分遅かったわねー」

友(主役は遅れてくる・・ってか)
イケメン「彼とも行動するのかな?」

友妹「そうしようかなって相談してたんですよ。無理にとは言いませよ」

イケメン「いや、折角だし俺は大丈夫だよ」

幼友「わたしたちも一緒に行動する予定だったしね」

オタク「昨日突然女さんに誘われて・・何がなんやらてんわやんわですよ」

幼馴染「まぁまぁ、せっかくの祭りだし楽しもうよ」

男2「幼馴染の言う通りだな揃い次第出店回ろうぜ」

友妹「・・・・・」

友妹(この人と幼馴染さんはどういう繋がりで・・・)

委員長「こんばんは」

幼馴染「おおー!委員長!浴衣姿可愛いー!!」

友「ほう委員長も浴衣か」

友幼「綺麗だね・・・落ち着いた感じですごくいい」

幼馴染「男2くーん委員長もきたよー!浴衣着てるよー!」

男2「わかったから、ほら幼馴染が呼んでるから」

ええーいいじゃんー二人でいこうよー

あたしもいきたいー

幼馴染「ほらほら浴衣着てるんだよ?」

委員長「ちょっと・・・幼馴染さんっ」

男2「ん?ああ、そうだな。っつうわけで揃ったし行くか」

幼馴染「え?それだけ??」

男2「ん?いやみんな揃ったんなら行こうぜ」

ほらーいこうよーいこうよー

へへん、男2くんの左腕どくせーん

あーずるいー!あたしは右腕ー

男2「わかったからやめろっての」

友妹「・・・」(なんなのアレ・・・)

幼馴染「あー・・まぁ気を取り直していこいこっ!」

女「そ、そうね!あっちで金魚すくいやってるし行こーよ」

幼馴染「委員長もいこいこっ!」

委員長「え、ええ・・・」

幼馴染「最近はすごいねー、ポテトとか、ハンバーガーまでやってるなんて」

友「ファーストフード店で食えるもんまで出てきだすのは滑稽だな」

委員長「栄養が偏りそうね」

女「祭りの食べ物に栄養なんて求めちゃだめよ」

友妹「というか・・・・」


男2「ーーー」

わいわい
ガヤガヤ

幼友「あ、ははは、ま、まぁ彼らには彼らのペースがあるし」

イケメン「自己が強いというか・・・」

友妹・オタク「自己中ですね」

幼友「ふ、二人とも」

女「向こうから提案してきてアレだもん」

男2「ーーーー」
やーやー


幼馴染「・・・・」

友妹「幼馴染さん、どうかしました?」

幼馴染「うん?別になんでもないよ?」

友妹「・・・そうですか」

女「ありゃあ、もう一緒に回る気なさそうだね。みんな各々で行動しよっか」

賛成ー

ガヤガヤ

幼馴染「委員長ー」

委員長「うん?」

幼馴染「一緒にまわろー?」

委員長「いいけれど」

幼馴染「じゃあいこいこっ」



男2「ったく、引っ張るなよ・・・・って」

男2「あれ?あいつらは?」

しらなーい
どっかいったんじゃないー?

男2「ちっ・・・勝手な行動しやがって、一緒に回るって言っただろうが。ちょっと先にいっててた」タッタッタ

あ、男2くーん!!

ピロリン

幼馴染「ん?ふむふむ」

委員長「男2くんから?」

幼馴染「うんにゃ、男くんからだよ」

委員長「そう・・・今ごろ彼らどうしてるかしら」

幼馴染「さぁね。どう?踏ん切りつけそう?」

委員長「どうかしら・・・何て言えばいいのか・・・言い表せない」

幼馴染「気持ちを押さえ込んでも辛いだけだよ」

委員長「方向が違ったらどうしようもないわよ」

幼馴染「・・・・」

ガヤガヤ

幼馴染「!!」

委員長「どうしたの?」

幼馴染「委員長!ついてきて」タッタッタ

委員長「わわっ!ちょっと!」

ガヤガヤ
ザワザワ

男2「っと・・・どこだよ」

男2「ん?あれは」


幼馴染「ーーー」

委員長「ーーーー」

男2「っ!」タッタッタ


ガシッ

タッタッタッタッ

わっ!ちょっと!!

ーーーー

タッタッタ


男2「ったくほんとに世話のやけるやつだな」

男2「あんな人混みにいたら目立って変なやつにナンパされるだろ?」

男2「ただでさえお前の見た目は目を惹くってのに・・・」

「私の見た目が・・・?」

ガヤガヤ

タッタッタ

男「おかしいなぁ、ここで合流しようって連絡したのに幼馴染いないなぁ」

男「lineしても既読にならない・・・」

友妹「男兄ぃ!!」

男「友妹ちゃん、どうした?イケメンさんと一緒だったんじゃ」

友妹「幼馴染さんは!?」

男「それが連絡してるんだけど繋がらなくて」

友妹「もしかしたらあの人と・・・」

男「男2のことか?」

友妹「男兄ぃ、あたしの勘違いかもしれないけどもしかしたら幼馴染さんは男2と関係があるかも」

男「・・・どういうことだ?」


友妹「じつは・・・・前に公園で二人が会ってるのを見たの。そのときの雰囲気が楽しげだったから」

男「・・・・そうか、ありがとうよく話してくれたね」

友妹「ごめん・・・本当はどうしていいかわからなくて、でもあたしの勘違いかもしれないし、どっちなのかわからない」

男「そいつは俺が直接確かめる。とにかく俺は幼馴染を探すよ!」

友妹「あたしもみんなに呼び掛けるよ!」

男「いや、俺一人でいいよ。大事にするわけにもいかないだろ」

男「まぁ、只では終わるとは思ってないよ」

タッタッタ

友妹「男兄ぃ・・・」

ツカツカ


男「ん?あの浴衣は・・・委員長?」

タッタッタ

男「おーい!委員・・・」


人混みのなかで近づいていく
内にあの後ろ姿に見覚えがあった

何度も見た後ろ姿だから
それが委員長でないとすぐにわかった

それは・・・


男「幼・・・?」

幼馴染「っ・・・」


幼馴染「・・・・」

男「・・・・・」

幼馴染「・・すごいね。さすが男くん」

男「幼・・・・?」

幼馴染「ちゃんと私だってわかるなんて・・・」

男「忘れられないからな。お前の後ろ姿は」

男(俺の・・・幼馴染との最後の思い出で、一番の・・・トラウマ)

男(小学生のころ、最後にみた幼馴染の姿で、それ以来二度と会えないと思ってたからな・・・)

男(でも・・)

幼馴染「男くん?」

男「俺が幼を忘れないでいた証しだ」

ギュッ

幼馴染「わっ・・・ちょっ・・・男くんっ!は、恥ずかしいよ・・・み、みんな見てるよ」

男「幼・・・」

幼馴染「・・・男くん」
ギュッ

ーーーーー


男2「なんで・・・」

委員長「驚いた・・・わよね」

男2「なんで委員長が幼馴染の服を着てるんだよ」

委員長「さっきのはぐれた間に幼馴染さんの機転でね」

男2「なんのためにだ?」

委員長「全部話したわ、彼女に、ことの次第とあなたと関係を持ったことも」

男2「っ!!なんでそんなこと話したんだよ」

委員長「・・・・最初は彼女に相談しただけだった」

ーーーー

幼馴染「男くん!委員長を探さないと!!」

男「委員長を?」

幼馴染「さっき男2が私と間違えて委員長を連れていったのよ」

幼馴染「服を入れ換えてるからわからなかったんだろうけど」

男「あ、そうだ、なんでお互いの服を換えたんだ!?」

幼馴染「説明はあとでするから!とにかく委員長を見つけなきゃ!!もしかしたら決着をつける気よ」

男「決着??な、なんのことかわからんがとにかく委員長だな!」

幼馴染「この人混みだし、お互い別々に探しましょ!」

男「っ!だめだ!一緒に探すぞ!」

幼馴染「男くん!?」

男「男2は本来お前を狙ってたんだろ!?だったら一緒に」

幼馴染「はぁ・・・『あいつは俺のものだからな』って言ってたのに誰かに取られるのが心配?」

男「なっ!き、聞いてたのかよあれを」

幼馴染「ぜーんぶね♪」

男「あ、いや、そのあれは・・・」

幼馴染「あれだけのこといっておいて誤魔化すんだ?」

男「~~~っ!だーっもう!!わかった!全部終わったらお前に伝えることがある!!」

男「約束だ。」

男「約束だ。」

幼馴染「・・・」クスッ

幼馴染「ゆーびきりげんま、うそついたら・・・」

幼馴染「去勢?」

男「えぇ!?」

幼馴染「約束ねっ。これで信用してくれる?

男「最初からずっとアテにしぱなっしだよ」

幼馴染「そこは信頼っていいなさいよ」

男「探すぞ!!」タッタッタ

幼馴染「全く・・・」

幼馴染「ありがとう・・・男くん。大好きだよ・・・。待っててね委員長」

タッタッタ

ーーーーー
委員長「そう最初はただの相談だった」

彼が
男2くんが変わったのは
幼馴染さんと関わってからだった

委員会の件以降私は幼馴染さんと頻繁に話すようなっていた

気さくで前向きで、
それでいて成績も良かった
更に彼女は学園で類を見ないほど綺麗な人だった
妬ましいとさえ思うほどに

けれど私はそんな彼女の内面に惹かれた
何事にも怖じけず、まっすぐと見据えた強い目
何かに向かって突き進むことの出来る精神力に

自分とシンパシーを感じ
そのまっすぐさに私も惹かれてしまった

そして彼も


多くの男子が彼女の見た目に惹かれ、アイドルのような存在になっていたけど

彼は自分に寄ってくる女性にはないものを彼女に感じ
惹かれていたのだと思う

多くの女子が振り向かせようとし、お互いを下らない陰湿な行為で貶し合う。そんな女子たちが振り向かせようとした彼を

転校してきてわずか数ヵ月
幼馴染さんにすべてを持っていかれたのだから

それを女子が面白いと思うわけがない

けれど
私はむしろ…
彼女が相手なら納得もできた

でもある日彼は私を求めてきた

切羽詰った表情で、今まで見たこともないような
弱弱しさを見せて…


委員長「それに押されてしまった私にも責任がある…」

委員長「だからよ」

男2「委員長。お前とは確かに他の女子とは関わりも深かった」

男2「だから信用していたんだよ」

委員長「そう…ね」

幼馴染「利用していただけの間違いじゃないの?」

男2「幼馴染っ!お前」

幼馴染「私はあなたに呼び捨てされる覚えも、ましてや名前で呼ばれるような関係にもなった覚えはないのだけど」

男2「ここ最近好意的に接してきたのも俺を嵌めるためか…」

幼馴染「最初に委員長を利用したのはあなたでしょ…」

幼馴染「委員長と私が友人関係になったのを良いことに、私に近づくために委員長との交流増やしていった」

幼馴染「今まで女の子に追いかけられてた自分が、今度は女の尻を追いかけるようなことをする」

幼馴染「けどそれまでやってきた癖なのかあなた自身の性格なのか」

幼馴染「かったるそうな言動や自分は達観していてるような態度を見せられてもねぇ」

男2「お前に俺のことをどうこう言われる覚えも…」
幼馴染「それでも委員長はあなたのこと信じてたのよ」

男2「何…?」

幼馴染「委員長は私に全てを打ち明けても、あなたのことを想ってた」

委員長「…」

幼馴染「私に出来ることもしたけど…結局あなたは私を追いかけてきた」

男2「人の好意の向きなんて誰かにとやかく言う覚えなんてないだろ」

男2「誰を好きになろうと…そいつを想う気持ちを貶すようなこと言われる覚えはない!」

幼馴染「あなたに委員長の気持ちを利用する権利なんてものもないわよ」

男2「俺はそんなつもりはない。受け取り手による誤解から生じた結果でしかない」

幼馴染「誤解で済まされるような…自分のしたこと分かってて言ってるの!?」

男2「結果論を持ち込むなって言ってんだよ」

幼馴染「そもそもの問題がなんなのか理解できてないのに何言ってるの?」

男2「全ての原因はお前たちの偽物ごっこだろうが!!!」



幼馴染「偽物なんかじゃない!!!!」


委員長「!!」

男2「!!」



幼馴染「…確かに私たちの関係はあなたから見れば偽物の恋人かもしれない」

幼馴染「でも私の気持ちや……『彼』と過ごした時間は偽物なんかじゃない!!」

幼馴染「私の身体と記憶と心に刻まれた本物の気持ちだ!!」

幼馴染「人の気持ちを貶すような真似?やっているのはあなただ」

幼馴染「委員長の気持ちも男くんの気持ちもあなたには否定できない!!」

男2「本物・・・?そんなもの誰にいえるんだよ?誰に決められるんだよ?」
グワッ

委員長「っ!!幼馴染さん!!」

幼馴染「っ!!」


友妹「当事者にしかできないよ」
バキィィ!!!

男2「っぅう!!!」ドサッ

幼馴染「っ…友妹ちゃん…」

友妹「女の子相手にムキになるのはいいけど…力で押さえつけようとするのは男としてどうよ…」

友妹「なんでこんなのがモテるのかさっぱりピーマンだわ」

友妹「ダブル兄ぃの足元にも及ばんわ」

幼馴染「あははは…」(すごい吹っ飛んだけど…まぁ男くん曰く主人公補正?があるみたいだし大丈夫か)

友妹「ごめんなさい幼馴染さん…あたし幼馴染さんがこの人と関係があるんじゃないかって」

幼馴染「うん?あー…まぁないと言えば嘘になってたけど、周りから二股かけてんじゃないかって噂は元々言われてたしね」

幼馴染「今更何言われても平気よ」

友妹「幼馴染さん…」

委員長「…」

幼馴染「委員長…ごめんね」

委員長「いいのよ。私の気持ちも本物だった、それが確認できただけで良かったわ」

幼馴染「委員長…」


友「おーい」タッタッタ


男「はぁはぁ・・・」タッタッタ

友「よう、主人公。遅れすぎだな」

幼馴染「友妹ちゃんの方が主人公っぽかったよー」

友妹「タイミングが良かっただけですよ」

幼友「いいんちょさんも幼馴染も無事で良かったよ」

イケメン「友妹ちゃんの勇姿俺も見たかったなぁ」

友妹「やめてくださいよぅ・・・」

男「そっか、良かった」

男(決着もついたのかな・・・?)

女「みーんなー花火買ってきたぞー」

オタク「みんなでやるっすよー」

ーーーーー

バチバチー

友「ツインファイヤーフラワー」

友妹「絶対やると思ったわ」

女「蛇花火って割りと面白いよね、ていっ」
バチバチッ

ぎゃーぁーー


委員長「ふぅ・・・私まで良かったのかしら」

幼友「いいんじゃないでしょうか?」

委員長「幼馴染さんのお友だちの・・」

幼友「幼友です。私も幼馴染も出会いは良いものじゃなかったですよ」

委員長「そうなの?」

幼友「お互い入院患者でしたから」

委員長「入院!?ふ、二人が!?」

幼友「私は大したことじゃなかったんだけどね。幼馴染は少し重い病だったの」

委員長「そうだったの・・・」

幼友「でも幼馴染はいつも元気になることを前提に色んな話をしてたよ。何が食べたいとか、どこにいきたいとか」

幼友「そして一番したいことは、大切な人との大切な約束を果たすこと」

幼友「元気になって、その人と再会することだって」

委員長「・・・」

幼友「でも幼馴染が今も元気でいるのはそれだけが理由じゃないんだよ」

委員長「それだけが?」

幼友「幼馴染は・・・もう一人の分まで生きようとしてるの」

委員長「もう一人・・・ってどういうこと?」

幼友「私たちの他にもうひとり女の子がいたの、その子は元々幼い頃事故で脳にダメージを負っていたの」

幼友「言語に少し影響はあったものの特に生活に支障はなかったのだけどね」

幼友「成長してから、少しずつ体が動かなくなっていって、私たちと同じ病室で入院することになった」

年も近いということがあって
私たちはすぐに打ち解けあってた

自分達の悩みや趣味、好きなこと、やりたいこと

たくさん話し合った

お互いにお互いが弱っていくのも日に日に目に見えてきながらも

生きようとしていた


でもそんな中
その女の子がある日から目を覚まさなくなった

最初はただ寝てるだけなのかなって
私たちにはそれがどういうことなのかわからず、大人たちの間で交わされる言葉の端々に深刻さかわ伝わってきた

その頃幼馴染もよく発作を起こすようになっていて
幼馴染も別の病室に移されてしまっていた。

それから月日が流れて

私は程なくして退院した


退院前に
女の子のお母さんから
今まで仲良くしてくれてありがとう。元気でいてね

って言われ、そのときは退院を一緒に喜んでくれていたのかなとしかわからなかった

それから数ヵ月して幼馴染も退院していた。見違えるように元気で、動くとすぐに息切れを起こすような子が元気に走り回れるようにまでなっていた。

まるで別人のように・・・

委員長「それって・・まさか」

幼友「あははちょっと話しすぎちゃったかな」

幼友「そういうことがあったから私たちはお互いに生きようとしてるのかな」

幼友「幼馴染もその生きようとするところがどこからきてるのか・・・ちゃんと自分の人生を歩んでほしいんだ」

委員長「・・・・」


ーーーーー

じゃーねー
またなー

男「はぁー、楽しかったなぁ」

幼馴染「そうだねぇー」

幼馴染「いやぁ、今日一日が無事に過ぎてよかったよかったー!」

男「なぁ、幼馴染。少しいいか?」

幼馴染「私も男くんに用があるから」

男「おう・・・」


トコトコ


リリリリ・・・

幼馴染「夜になるとこの辺いいねぇ」

男「」


リリリリ・・・

幼馴染「夜になるとこの辺いいねぇ」

男「月の光で結構明るいな」

幼馴染「虫の鳴き声も静かで心地良いね」

男「幼馴染・・・・」

幼馴染「男くん。私が以前入院して、離れなきゃいけなかったって話したよさね?」

男「ああそうだな」

幼馴染「そこで幼友ちゃんともうひとりの女の子と出会ったんだ」

幼馴染「期間は短かったけど、すごく楽しかった。男くんの話もしたんだよ」

男「女子三人に話のネタにされるなんて夢のようだな」

幼馴染「私の心臓が悪かったのは男くんも知ってたよね」

男「ああ、」

幼馴染「ほんとはね私は助かるはずじゃなかったんだ」

男「え?」

幼馴染「発作が酷くなって、一度死にかけたの」

幼馴染「それでも生きたい、死にたくない、男くんとまた会いたいって強く頭のなかでそればかりが駆け巡ってた」

幼馴染「気がつくとたくさん管が巻かれていて、色んな人が駆けつけてくれてた」

幼馴染「幼友も退院して駆けつけてくれた」

幼馴染「元気になってもうひとりの女の子に会いに行こうって、そう思いながら」

幼馴染「歩けるようになってから彼女のいた病室を訪れたけど」

幼馴染「そこに彼女はいなかった。彼女のいたベッドに別の患者さんがいた」

幼馴染「どういうことなのか全くわからず、先生に聞き回ると一通の封筒を渡してくれたわ」

男「・・・」

幼馴染「彼女からの手紙だった。私たちとの思い出私たちと学校に行くこと。元気になってからしたいこと」

幼馴染「たくさん書かれていたよ」


幼馴染「最後の一文に」

幼馴染「『私が眠ったら、幼馴染に生きる希望をあげてください』」

幼馴染「・・・・」

男「・・・まさか」

幼馴染「そう、私は今ここに立っていられるのは彼女が私に生きる力を残してくれたから」

幼馴染「自分が目を覚まさなくなることも、私が危険な状態だったことも全部わかってて」

幼馴染「私に望みを残してくれた」

幼馴染「だからかな?私がこんなに生きようと出来たのは」

幼馴染「彼女の心もあるから・・なのかな」

男「・・・・・」

幼馴染「ありがとう、黙って聞いていてくれて・・・」

男「幼」

幼馴染「うん・・・・?」

男「確かに幼は結果的に彼女から生きる力を与えてもらった」

男「だから心も彼女かと言われたら、そうじゃない」

男「今お前が生きているのは誰かの代わりでもなければ」

男「偽物なんかじゃない」

男「幼が生きているのは幼の人生だ。彼女じゃない」

男「彼女が残したものは生きる力だけでなく、自分がいきられなかった分まで幼自身の人生を生きてほしいとい願いだよ」

男「その命も、生き方も幼なんだよ。幼はお前一人だけなんだ」

幼馴染「男くん・・・・」

男「だから俺も自分の人生を・・・生きようと思ったよ」

男「誰かの当て駒じゃない」

男「幼を誰かに取られるのをただみてるだけの傍観者じゃない」

男「そんなのまっぴら御免だ」

幼馴染「・・・・」

男「ふさわしい男じゃないから、俺といても幸せになれないとかそんな言い訳じみたことで身を引くんじゃなくて」

男「自分からお前の隣に並べる男になる」

男「誰かに任せるなんてそんなの嫌だ」

幼馴染「・・っ・・」

男「俺は幼の・・・・お前の隣にいたい・・!」

男「幼の本物になりたいんだ・・・・!!」


幼馴染「あ、・・男・・・くん・・」ポロポロ




男「お前が好きだ!!」
幼馴染「私もあなたの本物になりたぃ・・・!!」

ギュッ

幼馴染「大好きぃ・・・おどごぐん・・・・大好きなの・・・」

男「な、なんだよ・・・・お互い・・・大泣きしてんじゃ・・ないか」

幼馴染「だっでぇ・・・だってぇ・・・」

男「幼・・・俺の恋人になってください・・・」

幼馴染「・・・」グスッ

幼馴染「はい・・・喜んでぇ・・・」

キラキラキラ・・・・


幼馴染「わ、わぁ・・・すごい・・ほだるがいっぱい・・・」

男「涙声になっててよくわからないぞ」

幼馴染「おどこくんも・・・人のこと言えないよぅ」クスッ

男「ほんどだな・・・」クスッ

男「ホタルなんて・・・今じゃほとんど見ないのにな・・・」

幼馴染「えへへ、ほんどだね・・・わわっ・・・」ヨロヨロ

男「ととっ!大丈夫かよ」

幼馴染「えへへ、泣きすぎて・・・力抜けて」

男「よっと」

幼馴染「わぁっ・・・すごぃ」

男「伊達に鍛えてたわけじゃないからな・・・ととっ」

幼馴染「わわっ、だ、大丈夫!?」

男「ははは、ドキドキと嬉しすぎて、テンション上がって、もうなにがなんだかわからないような状態になってる・・・あははは」

幼馴染「一緒に支えながら歩こっ・・か♪」

男「肝心なときに決められないな俺は」

幼馴染「それが私の男くん・・・♪」

男「やっぱり幼は最高の女の子だ」

幼馴染「新妻には持ってこいだよ・・・?」

男「大歓迎だな♪」


ーーーーーー

幼馴染「あーあ、おうち着いちゃったね」

男「もっと一緒にいたいな」

幼馴染「・・・なんかね、いざ本当の恋人になると意識しすぎて・・その」モジモジ

男「うん、わかるよ。俺も気軽に寄ってく?なんてね。言えない」

幼馴染「恋ってすごいね」

男「ああ、恐ろしいな」

幼馴染「・・・」ギュッ

男「・・・」にぎにぎ

幼馴染「・・・・」にぎにぎにぎ

男「・・・」にぎにぎにぎにぎ

幼馴染「手繋いだまま、いつまでにぎにぎするの」

男「いや、まぁその」

幼馴染「ほら、はい」

男「なにそのポーズ」

幼馴染「ハグアピール」

男「抱いてほしいのか」

幼馴染「・・・抱いてくれるの?」

男「そんないきなりすぎること出来るか」

幼馴染「だよねー」

男「・・・・どうする?」

幼馴染「何がさー」

男「うち・・・・・くる?」

幼馴染「・・・来て欲しい?」

男「・・・言わせんなバカ」

幼馴染「へへんっ、一緒にいてあげる」

男「一緒にいたいくせに」

幼馴染「悪いかばーか」ギュッ

ーーーーーー

ーーーー

男「ふぅー・・・夏はあついから汗がすごいなぁ」

男「汗だくで幼を抱き締めたのはちょっといただけないな・・・」

幼馴染「男くーん、シャンプーの換えあるかなーー」

男「あー、もうなかったかな」トコトコ


男「幼ー新しいやつもってきたぞー」

男「あれ?幼ー?」

ギュゥッ

幼馴染「えへへ・・捕まえた♪」


男「な、なにしてんのよ」

幼馴染「うんー?一緒に入ろうかなって誘い込んだの」

男「ってお前今服着てないだろ・・・」

幼馴染「男くんの逃げ道全部奪うためかな・・・?」

男「馬鹿・・・」

幼馴染「こうでもしないと入ってくれないじゃん・・・」

男「それは・・・・お前を襲っちまいそうになる自分が怖いから・・・」

幼馴染「いいよ・・・男くんになら・・・・何されても」

男「幼・・・」

ーーーーー
ちゃぷ・・・

男「・・・」

幼馴染「もう・・・なんで黙りこむのさ」

男「いや・・・その、幼さんを直視できないというか」

幼馴染「真っ直ぐ見る」

男「は、はい」

幼馴染「君が好きな女の子の全部を見て」

男「・・・・・」

ちゃぷ

幼馴染「ふぁ・・・ん・・・」

幼馴染「抱き寄せることもできるのに、何が恥ずかしいのさ」

男(本当綺麗だな・・幼は・・・ん?)

男「ここ・・・」

幼馴染「そう・・・これが私が生きた証し。今も私の胸のなかで脈打ってくれてる」

幼馴染「普段は谷間で目立たないけどね」

男「谷間っておいおい」

幼馴染「谷間ができるほどのモノですよ」

男「ばか・・・。そうか、これが幼の生きた証しか」

幼馴染「これを他の誰かに見られたくなかったから、水着着なかったんだ」

男「それで、バーベキューのとき」

幼馴染「君に最初に見せたかったからかな?」

男「なんでも初めて尽くしで頭が上がりません」

幼馴染「キスは初めてじゃないよね」

男「え!?そうなの?」

幼馴染「だってちっちゃい頃に二人でしたもん」

男「あれ、カウントしちゃうのか」

幼馴染「そりゃあ・・・ねぇ」

幼馴染「でも、大人のキスはまだだよね・・・?」

男「幼以外に相手なんて俺にいると思うか?」

幼馴染「私も ・・・♪」

ちゃぷ・・・




幼馴染「んっ・・・あっ・ ・・んぅんっ」

幼馴染「んんぁ・・」

幼馴染「はぁ・・はぁ・・」

男「幼・・・」

幼馴染「ふふふ・・・男くん・・・」

バチャッ・・・

ーーーーーー
男部屋
男「・・・なぁ幼」

幼馴染「どうしたのー?」

男「その・・結果的に委員長の件はどうだったんだ?」

幼馴染「あ、男くんは全然知らなかったよね」

幼馴染「うーん・・・話すとながくなるんだけどね」

幼馴染「結果から言うと、委員長の件はかたついたよ」

幼馴染「きっかけは私のお節介が引き金だったのかな」

男「幼の?」

幼馴染「そもそもあの人が私に好意をもったのがどの段階からなのかわからなかったし」

幼馴染「私自身は異性として言動したつもりは全くなかったのだけどね」

男「まぁ・・・たしかに終始見てたら、好意的というか、仲良さげに絡もうとしたところはほとんどみたことなかったな」

幼馴染「他の女の子から突き放されるようなことを言われたことがなかったからなのか・・・それとも単に私に一矢報いたかったのか」

幼馴染「今となっては正直どうでもいいかな」

男「幼がやつにベタ惚れしだしたらまたどうなってたのかわからんもんだな」

幼馴染「それはないよ。同時に二人を好きになるほど器用じゃないし」

幼馴染「けどはっきりいって性格も容姿も全然好みじゃないから那由多の彼方も可能性ないじゃないかな?」

男「まるで物質と反物質だな」

幼馴染「相性は最悪だからね。男くんと大違い」

男「俺はやつほどモテないからな」クスッ

幼馴染「男くんはなにかに向かってひた走れるもん」

幼馴染「決めたらとことん突っ走る、そんな真っ直ぐさで私を堕とすくらいだし」

男「誉められてるのかそれ」

幼馴染「大絶賛♪」

幼馴染「それともなにー?女の子にモテモテのハーレムがよかったのー?」ジトー

男「ハーレムでなくても、女の子から言い寄られるシチュエーションは想像しちゃうかな」

幼馴染「ふーん」

男「それが好きな子なら尚更。たった一人大好きな女の子から言い寄られる、それで満足だ」

幼馴染「その大好きな女の子が言い寄ったら、興奮しちゃう?」

男「歯止めが効かなくなるな」

幼馴染「ふふふ・・・歯止めがきかなくなった男くんを見てみたいなー?」ススッ

男「誘惑したがりだな」クスッ

幼馴染「今度は嫌がらないんだね」

男「あのときは恋人同士じゃなかったからな。責任とれないのになし崩しなんて御免だね」

幼馴染「ふふふ、ほんと馬鹿真面目」

幼馴染「でも・・そんな男くんなら大切にしてくれるからいろんなことしてあげたい・・・」

男「幼・・・」キュゥ

幼馴染「・・・そういえばずっと幼って呼んでくれてるよね・・・」

男「ずっと呼びたかったからさ・・」

幼馴染「なんかね・・・そうやって呼ばれると昔を思い出してね」

幼馴染「そういう愛称ってすごく特別な感じがして・・きゅんきゅんするの・・・」

男「俺にとっても幼は特別だ」

幼馴染「私もだよ・・・」

男「幼・・・」

幼馴染「男くん・・」

幼馴染「ん・・・・・」


抱き合うようにお互いの温もりを感じながら
幼とずっとキスをしていた・・・

翌朝まで・・・・

時は戻って
花火解散後


友「結局幼馴染さんは男を選んだってわけか」

幼友「選んだと言うよりも、最初から決めてたんじゃないかな?」

友「元々二人は恋人同士だったしな」

幼友「それなんだけどね」

友「うん?」

幼友「あれ、偽物だったみたいだよ?」

友「はい?」

ーーーーー

友「ということは、不良に絡まれてるところを助け、そのときのデマカセから来たと」

幼友「概ねその通りだね」

友「ったく、俺にも伝えてくれりゃ融通利かせて助けられた場面だってあったろうに」

幼友「あはははけど私もさっき知ったんだよ」

友「え?そうなの?」

幼友「それまで誰一人として話してなかったんだってさ」

友「幼友ちゃんにまで話さなかったなんてよっぽどだな」

幼友「大事にしたくなかったってのもあるんじゃないかな?それに幼馴染も男子からの絡みがなくなって良かったって言ってたしね」

友「あいつは男避けかい」

幼友「あと、私の予想なんだけどね」

幼友「二人だけの秘密にしたかったんじゃないかな」

友「秘密?」

幼友「二人だけが唯一共有できる。二人だけの秘密、いわば二人にしか入れない領域」

幼友「ある意味恋人よりも深い関係だったのかもしれないね」

友「二人だけの・・・か」

友(そうだな・・・あいつ、幼馴染さんのために頑張ってたもんな)

友(たった一人の大切な人のために)

ーーーーー

ーーーーー

幼馴染「今日は久々の登校日だねー」

男「そうだな」

男(よく考えたら恋人になって初めての学校か)

幼馴染「男くん、恋人同士ですることといえば」

男「え?なにいきなり」

幼馴染「いいから答えてー」

男「なんだろうデート?」

幼馴染「それは恋人じゃなくてもできるよー」

男「性交渉?」

幼馴染「朝からネジ緩みすぎだぞ。大体エッチのエの字もできなかったくせに」

男「う、うるちゃい!」

男「き、キスとか・・・?」

幼馴染「うーん・・・したいけど、そうじゃないよ」

男「したいのか・・・じゃあ、手を繋ぐ・・・とか?」

幼馴染「正解♪」

男「手を繋いで登校か、小学校以来だな」

幼馴染「関係性は恋人だけどね」
にぎっ

男「そうだなっ」
にぎっ

幼馴染「えへへ」

男(幼の隣で歩く・・・か。ほんと夢のようだな)

幼馴染「ふふんっ♪良いねっ、こうやってるとなんというか純愛というか、甘酸っぱいというか」

男「初々しいバカップルだな」

幼馴染「バカじゃないやいー」

ーーーーー
ひそひそ

ガヤガヤ


男「うん?なんだあの人だかり」

幼馴染「なんだろ?」

男「おーい、なんかあった・・」
友「こっちこい!」

男「ぬおっ!?」
幼馴染「わわっ!?」


ーーーーーー

校舎裏

男「なんだよ一体」

幼馴染「なんかあったの??」

友「なんかあったじゃないぞ。なぜかわからないが、校内でこんなものが出回ってやがる」
ピラッ

男「なんだこれ・・・」

幼馴染「え?なにこれ」

友「よくはわからんがお前らの件が外部に漏れてどうやら二人で男2を陥れたってことになってやがる」

男「陥れるって・・・なんでそんなことに」

幼馴染「大体あの件はもう終わったはずでしょ?なんで今更蒸し返すのよ」

友「俺も詳しいことはわからねぇんだよ。ただ男と幼馴染さんが悪党に書かれてるところ見ると、男2本人か、取り巻き女子が広げたのか、または別の第三者か」

男「馬鹿馬鹿しい・・・たかが、失恋の話だろ。なんでこんな誇張されてんだよ」

友「とにかく、男もそうだが、幼馴染さんが一番危険だ。男2の好意を抱いてた女子全員敵に回ってるとみていい」

幼馴染「敵って・・・」

男「必然的に俺も標的か」

友「学園のアイドルを堕して洗脳した男ってことになってるらしい」

男「洗脳って俺はサイキック能力でもあるのか・・・」

友「幼馴染さんも振られた男共が恨みを持ってるのもある。とにかくお前らは今日は帰れ、学校にいたらどうなるかわからん」

男「いくらなんでも、先生たちが止めるだろ・・・」

友「はぁ・・学校でいじめがなくならない理由がどうしてかわかるか?」

男「うん?なんだ急に?」

幼馴染「・・・そういうことね。いつでも教師がみてるとは限らない」

友「そういうことだ、見つかってない今なら学校を抜け出して逃げるのも容易だ」

男「見られた状態じゃ、尾られて追い詰められる・・・か」

友「裏手も表ももうだめだ。地下から出るしかない」

男「地下?どうやって出るんだよ」

友「地下一階の脇道通路つかってくと部室の近くに出られるショートカットがあるらしい」

男「部室ってまずくないか」

友「大丈夫女子の更衣室だからな、あそこは女にみんな頭が上がらない連中ばかりだ」

幼馴染「そこからは?」

友「駐車場に行きつく。そこからはこいつを使え」

男「おっと」パシッ

男「お前のバイクか」

友「一緒に免許取りに行っても乗らなきゃペーパーになるぞ」

男「ご親切にどうも。使わないことを祈るよ」

幼馴染「なんだかスパイ大作戦みたいだね」

ピロリン

男「ん?なんだ?こんなときに」

男「はい?もしもし」

先生「私だ」

男「誰だ?」

先生「・・・・お前の担任だ」

男「いや、わかってました」

先生「ふざけてる場合か、今どこにいる?」

男「えっとそれは・・・」

友(相手が誰でもやめとけ)ブンブン

先生「友と幼馴染もいるだろう」

男「だめだバレてる」

友「あらら、相手は?」

男「先生だよ」

男「どうすりゃいいですか?」



先生「とりあえず玄関に来い。私たちも付いてるから、安心しろ。一部生徒が騒いでただけで他の生徒は興味がある程度のものだったらしい」

男「そんな大きな騒ぎでもないってことですか?」

先生「さほどな」

男「わかりました二人でいきます」ピッ

男「大きな騒ぎでもないらしいぞ」

幼馴染「そうなの?」

友「そうなのか?俺は周りが騒いでたからてっきり」

男「とにかく、事態を収めるために行くぜ」

ガラガラ

男・幼馴染・友「失礼しまーす」

先生「こっちだ」

男「たしかにそんなに話題にはなってないみたいっすね」

先生「大分沈静化させたからな、うちのクラスも相当あれるかと思ったが」

幼馴染「荒れてないんですか?」

先生「いや実は女子の半数以上が欠席してるんだ」

友「なんすかそれ、ボイコットですか?」

男「俺たちのアレがばら撒かれたのが原因で?」

先生「それはない。大体このことは学校に来た連中しか知らん」

男(どういうことだ??女子が半数以上が休み??集団的に流行り病か食中毒とか?)

幼馴染「委員長は来ていますか?」

先生「出席してるぞ、あのビラを率先して撤去していたのも彼女だ」

幼馴染「そうですか」

先生「まぁなんにせよ、問題になった以上お前たちにもなんらかの処分が与えられることにもなりうる」

友「けど、問題なのは男2の方が」

先生「私も現場を見ていない以上どちらかも擁護できない」

先生「教師ってのはいろんな意味で融通の利かない職業なものでな」

男「まぁ・・・俺らの噂自体あまり良いものじゃないみたいですしね」

先生「少なくとも直接関わってる時点ではお前も幼馴染も悪い生徒という認識はない」

幼馴染「世間の目は割と盲目なのは今に始まったことじゃないですし、ね?」

男「俺たちは大丈夫ですよ」

先生「すまないな」

友「しかし気に入らねぇ」

男「仕方ねぇって、先生も寛大な措置をとってくれたと思うよ」

幼馴染「良い悪いはどっちにしろ原因の一つである私たちにも責任はあるしね」

友「ていうか奴は今日出てきてるのか」

男「さぁ?出てきてたらさすがに確信犯とされるだろうし、いないんじゃないか?」

友「だよなぁ・・・」

幼馴染「まぁまぁ、これ以上私たちからは首を突っ込まないようにしようー」

幼馴染「なんていうか興味も沸かないし、私の人生とあの人の人生が交わることもないだろうし」

男「結構すごいこと言うね」

友「気を付けて帰れよ、闇討ちなんてシャレにもならねぇからな」

幼馴染「返り討ちにしてやんよ」

男「そいつは頼もしい」

幼馴染「男くんが♪」

男「俺かよ」

ガラガラ

友「ちーっす」

ざわざわ
ガヤガヤ

委員長「おはよう友くん」

友「おう、委員長!」

委員長「ちょっといいかしら?」

友「え?お、おう」

トコトコ

ーーーーー

委員長「そう・・・やっぱり二人は・・・」

友「二人は納得してたみたいだが俺はどうにも煮え切らねぇ」

委員長「男2・・・くんはとりあえず今日は見ていないけど、彼の仕業でもないと考えにくいわね」

友「どうやってあのビラを張り回したかってとこか」

委員長「それと気になってるのが、今日の欠席者なんだけど」

友「おう、それだよ一番気になってたのは」

委員長「やはり、男2くんと特に仲が良かった女の子たちが休んでるみたいよ。今出席してる子でも男2くんと仲が良かったけど、今は関わりが少ない子たちばかりね」

友「主人公マジックが解けかかってきたか」

委員長「嫌にしっくりとくる言い方ね・・・」

委員長「けどその通りで実際に男2くんとなにかしらトラブルがあったか、彼の言動に疑問を抱きはじめた子達が離れてるのは事実ね」

友「今まで散々、女子の気持ちを手玉にとるような言動をしてきたツケが回ってきたんだよ」

委員長「そうね、私も客観的に見るようになってから彼の言動に違和感があるように思えてきたもの」

委員長「なんていうのかしらね、自分を達観してるというか」

友「乱暴な言い方をすると自分は別の場所にいて、相手との土俵にいない。軽く見下したような態度してるだよ」

委員長「今まで女の子に言い寄られた結果かもしれないわね」

友「とにかく、そっちの欠席者のほうをしらみつぶしに調べよう」

委員長「それなら女さんがすでに動いてくれてるわ」

友「さすが・・野次馬魂全開女」

ーーーーー

ーーーーー
男「こんな昼間っからいいのかねぇ」

幼馴染「良いの良いの、制服デートってのもオツじゃない?」

男「してみたかったけどさ」

男「・・・」

幼馴染「ほらほら、あそこのファミレスでお昼にしよっ」

男「わっととと、幼ーーー」




「・・・・・」

いらっしゃいませー
お客さま二名様でしょうか?

幼馴染「はいっ、あと禁煙席で御願いしますー」

かしこまりましたー
ご案内いたします


男「俺ら高校生なのに喫煙席ってのはないだろ」クスッ

幼馴染「だからこそちゃんと言っておかないとさ。だって高校生相手だと分かってても聞かなきゃいけないんでしょ?」

男「私服なら確かに聞かれるけど、制服で入ったのは初めてだからなぁ」

幼馴染「ふふふ、じゃあ私と初めての経験だね♪」

男「たしかに初体験だな」ヒソヒソ

幼馴染「この会話だと声のトーン下げないと節操ないカップルに思われるもんね」ヒソヒソ

幼馴染「でもここに帰ってきて男くんと経験したことほとんどが初体験だよ?」

男「そんなにあったかな?」

幼馴染「偽物の恋人から始まって、デートとかバーベキューとか、カラオケのデュエットも♪」

男「病院生活が長かったもんな」

男(そうだよな・・・一度は生死をさまよって、友達に救われて)

男(こっちに戻ってきてもトラブル続きで・・・)

幼馴染「でも一番、私にとって大切な経験は男くんと恋人になれたこと」

男「幼・・」

幼馴染「偽物から始まった関係だから、結ばれることはないのかなって」

幼馴染「本当のところ言うとねそう思ってたんだ」

幼馴染「小さい頃からの想いは・・・そのままだから、美しい思い出のままだから良いものだって」

幼馴染「そう言う人もいるけどね」

幼馴染「私はどんなに泥臭くなっても、その想いを思い出だけにできるほどおしとやかじゃないからさ・・・」

男「いや、それが人間だよ。ちゃんと生きてる証拠だ」

男「俺だって同じだったよ。男は過去にすがって、女は未来を生きるって」

男「誰かに言われたことがあってさ、幼と再会したとき訳がわからないくらい嬉しくて」

幼馴染「そんなに嬉しかったの??」

男「当たり前だろ?だってもう二度と会えないものだと思ってたから」

男「美人になったとか、元気になったとかじゃなくて、幼と再会できた。変わらない面影というか、幼だって一発でわかったことが嬉しくて」

男「それと同時に、幼も俺と同じ思いだったのかと不安が込み上げていたんだ」

幼馴染「そのときはお互いがどう思ってるのかなんて知り得ないもんね」

幼馴染「でもね、私は男と再会するためにここに戻ってきたんだよ」

男「ああ、たがら前に聞いたときは本当に驚いた」

幼馴染「過去にも拘ってたから?」

男「とくに幼は前へ前へと突き進むタイプになってたからさ」

>>696
訂正
幼馴染「でもね、私は男くんと再会するためにここに戻ってきたんだよ」

幼馴染「ふふふ・・・私ほど未練がましい女なんていないよ」

男「けど俺はその幼に救われた」

男「幼が戻ってこなければ多分誰とも付き合うなんてことなかったと思う」

幼馴染「どうしてそこまで私のことを想ってくれたの?」

男「俺がそうしたかったからさ」

男「多分そういう男なんだろうな・・・俺は」

幼馴染「お馬鹿さんだねぇ・・幸薄女って馬鹿にされてた女を好きになるなんて」

男「今ごろそうやっていってたやつらは後悔してるさ。今や学園のアイドルだからな」

幼馴染「そんな肩書き要らないよ。男くんだけのアイドルだから♪」

幼馴染「ふふふ・・・私ほど未練がましい女なんていないよ」

男「けど俺はその幼に救われた」

男「幼が戻ってこなければ多分誰とも付き合うなんてことなかったと思う」

幼馴染「どうしてそこまで私のことを想ってくれたの?」

男「俺がそうしたかったからさ」

男「多分そういう男なんだろうな・・・俺は」

幼馴染「お馬鹿さんだねぇ・・幸薄女って馬鹿にされてた女を好きになるなんて」

男「今ごろそうやっていってたやつらは後悔してるさ。今や学園のアイドルだからな」

幼馴染「そんな肩書き要らないよ。男くんだけのアイドルだから♪」

ーーーーー

幼馴染「えへへーお腹いっぱいー」

男「男さんのお財布は空腹だよー」

幼馴染「もう、割り勘にしようって言ったのに」

男「ちょっとくらい格好つけたかったんだよぅ・・・」

幼馴染「ファミレスで見栄を張るのも可愛いけどね」

男「学生なもんで」

幼馴染「まぁまぁ、今度は私が奢るよ。いくら恋人になっても男くんに甘えすぎるのは良くない」

男「甘えていいのに」

幼馴染「甘えない、」

ーーーーー

幼馴染「えへへーお腹いっぱいー」

男「男さんのお財布は空腹だよー」

幼馴染「もう、割り勘にしようって言ったのに」

男「ちょっとくらい格好つけたかったんだよぅ・・・」

幼馴染「ファミレスで見栄を張るのも可愛いけどね」

男「学生なもんで」

幼馴染「まぁまぁ、今度は私が奢るよ。いくら恋人になっても男くんに甘えすぎるのは良くない」

男「甘えていいのに」

幼馴染「そのかわり、別の意味では甘えん坊になっちゃうから♪」

ギュッ

男「う、腕組!?」

幼馴染「えへへ、こうすれば男くんと密着できるし」

男「ご、ご、ご自慢の巨乳も当てられますね」

幼馴染「柔らかいからクッションみたいになるよ?」

男「夏祭り後はたくさん触らせていただきお世話になりました」

幼馴染「全部男くんのものなんだよ?」

幼馴染「私の唇も・・・髪も・・・胸も・・・お尻も・・・」

幼馴染「それから・・・私の」
男「お、幼っ・・・我慢できなくなるから、か、勘弁してくれ」

男「理性と全面戦争で・・・必死なんだよ・・」

幼馴染「ふふふ、少しは焚き付けられたかな?」

男「家についてからならバッチコイ、いつでも襲ってやる」

幼馴染「できるかなー??」ニヤニヤ

どんだけ幼馴染が寝取られる展開を期待してんだよ…

男「あんまり俺をバカにするなよ、俺だってその気になれば」ピピッ


ピロリン
幼馴染「あ、ごめんね、lineだ誰からだろ」

line
男『話を合わせながら聞いてくれ、何人かに尾けられてる』

男『複数の男だ。たぶん男2ではない。別の男子たちだな』

幼馴染「馬鹿にはしてないよー?ただ私を抱けるほどの勇気があるのかなって」

ピピッ

line
幼馴染『男子が複数ってことは・・・私が振った相手かな』

男『俺に恨みをもってるやつか』

男『どっちにしろ、このままだと人気が少なくなったところを不意打ちされかねん』

幼馴染『撒こうか』

男『上手いこと切り出してみる』

ピピッ

男「勇気は持ってるが、敢えて使わなかったんだよ」

幼馴染「ほうー?なんで??」

男「お前の気持ちを知るためだよ、そしてお前を焦らすため」ジリジリ

幼馴染「こんな人通りの良いところで、迫ってくるの?」

男「場所なんてどうでもいいさ、ようは俺の気持ち次第なんだよ」ジリジリ

幼馴染「私の気持ちは無視?」

男「恥辱で悶えるお前も見てみたい」


幼馴染「私はそこまで変態じゃないよ」

ジリジリ

男「俺が変態にしてやるよ」

幼馴染「そんなの無理」

男「あんま俺を侮るなよ?俺はやるといったらやる男なんだよ」ジリジリ

スッ


「!!追え!!」
タッタッタ

「!!っくそっ!どこにいきやがった!!」

「ちぃ!!」
タッタッタ


ーーーーーー

男「な、なんとうまいこと機転利かしたな」

幼馴染「あそこカーブは逃げ道とパターンが半端ないもんね」

男「これで連中も追ってこれないだろう」

男(けど二度も同じ手は通用しないだろうし、俺らの自宅もいつかはバレそうだな)

幼馴染「まぁ、家まで乗り込んでくるってことはさすがにないだろうし、私たちがヒッキーになれば良いだけかな?」

男(なんで俺たちがこそこそしなきゃならないんだろうな・・・・)

幼馴染「♪~」

男(やっと幼と恋人になれたのに・・・)

幼馴染「いやーいい湯だったー」ホワホワ

男(なんとかして幼馴染のことだけは守り通さないとな・・・)

幼馴染「むふふー」ギュッ

幼馴染「どうしたのー?怖い顔して?」

男「ちょっと考える人になってたんだよ」クスッ

幼馴染「明日は幼友たちと海じゃんか。大丈夫だよ」

幼馴染「ほっておけば向こうだって飽きるだろうし」

男「幼に振られたことを引きずってる、または俺に恨みを覚えてるような連中だぞ?」

男「今の今まで引きずる奴らが簡単に飽きるとは思えないんだ」

幼馴染「そしたらまた逃げ通せばいいよー。逃げるのは幼ちゃんの十八番よ」

男「むしろ戦うのはだろ?男2と対峙したときだって真っ向から挑んでたし」

幼馴染「そんなに強くないのに、強がっちゃうのは性格かな」

男「むしろその姿勢は大事にしてほしいよ。けど、無茶だけはしないでくれよ」

男「お前にもしものことなんてあったら・・・」

幼馴染「いっそ今処女を奪っちゃう?」ニヤニヤ

男「そうしたいもんだな」クスッ
ポンポン

幼馴染「しないくせに」クスッ

男「なんか後悔しそうで怖いな」

幼馴染「そのためにも頑張って死守してますー」

幼馴染(早く捧げたいけど・・・今はそれ以外にもおば様のこともあるものね)

幼馴染(きっと大切に想うが故のジレンマがそうさせないのかな)

幼馴染「・・・・ねぇ、おば様のお見舞いまた行こうね」

男「うん?ああ、そうだな。そういえば、まだ付き合ったこと報告してないもんな」

幼馴染「そんなことよりも孫見せろとか言われちゃいそうだねっ」

男「はははさすがに早すぎるわ」

幼馴染(・・・・・)

ーーーーー

母「そうか・・・やっぱりあの男から逃れられないのかね」

幼馴染「え・・?」

母「男には話したことないけどね、私は旦那と付き合う前は誰かから必要とされたことがなかったのよ」

母「弟を抱えながら生きることで必死だった」

母「けどある日旦那と知り合って、自分の境遇も理解してもらって助けてもらった」

母「後にも先にもそんなことしてくれたのは旦那だけだったわ」

幼馴染「すごく良い人だったんですね」

母「初めてだったわね・・・人を好きになったのは」

母「けど丁度そのころ、学園である男のことが問題になってた」

母「なんの取り柄もなく優柔不断で、けど女子にモテる」

母「いろんな女子とついには関係を持つようになってたそうよ」

母「そしてその男は・・・」

母「いろんな女子を抱くことで快感を覚えていったそうよ」

母「とにかく良い女を抱きたいとね・・・」

幼馴染「・・・・良い女・・ですか」

母「これでも昔はあたしはモデル体系だけど出るとこ出ててたのよ」

幼馴染「ちっちゃい頃から変わりませんもんね」クスッ

母「まぁ・・・自分の身体をよく見せたいって思うようになったのも旦那と付き合うようになってからなんだけどね」

母「それまでは、どうでもいいって思ってたからねぇ・・・けどそれがかえって良くなかったのかな」

母「奴はあたしに目をつけてたらしくてね、あたしは旦那以外眼中になかったから、そっけない態度をとってたわ」

母「絡みがエスカレートするようになってから旦那と一緒にいる時間を増やして守ってもらう形になったかな」

母「そのことをあーだこーだ他の連中に言われて、ついムキになってさ」

母「旦那に負担をかけたくないって思うところもあったから一時期旦那から離れたのよ」

母「それがあたしの人生最大の後悔になるとも知らないでね」

母「幼ちゃん」

幼馴染「はい・・?」

母「あんたまだ、男に抱いてもらったことないでしょ?」

幼馴染「えっ!?あ、いやその・・・・」

母「そんな反応になるってことはまだね?」

幼馴染「・・・」コクッ

母「あのヘタレのことだからね、あんたのこと想いすぎるが故に手を出せないってこともありうる」

母「あたしのことを気遣ってってのだったらとんだ大馬鹿だよ」

母「後悔だけはしないようにしなさい」

幼馴染「・・・・」

母「相手を想うが故のことなんてのは、自分と一緒にいるのだから。自分と同じ気持ちなのよ」

母「ちゃんと言葉を介して伝えなさい」

母「自分と男との想いの壁をぶち壊しなさい」

幼馴染「・・・・・はいっ」

幼馴染「けどさっきあの男から逃れられないって・・」

母「・・・・あの男が最初に妊娠させた女の子があたしの親友でね」

母「あたしと同様よ」

幼馴染「そんな・・無理矢理・・?」

母「親友は子供を生んで他界したわ」

母「その子供は一時期施設で育てられ、その後学園で面倒を見てもらうことで生活してるそうよ」

幼馴染「まさか・・・その子供って・・・」

母「ここまでいえばもう誰かわかるわよね・・・」

母「幼ちゃんにはあたしと同じ轍を踏んで欲しくない」

母「自分の気持ちを・・思いっきりぶつけなさい」



ーーーーーー

ーーーー
幼馴染「・・・・」

男「幼?大丈夫か?」

幼馴染「あ、ううん!大丈夫大丈夫」

男「海が楽しみすぎてワクワクしてたとか?」

幼馴染「私は小学生か」

男「冗談だよ。それとも・・・」

男「なにか不安か・・・?」

幼馴染「ううん、平気だよ。いろいろ思い出しながら考え事をしてたんだ」

男「考え事?」

幼馴染「うん。でももう決めたよ」

男「なにか決断したのか?」

幼馴染「うんっ。男くんの隣にいるって」

幼馴染「いようって決めた」

男「それは告白したときに決めたんじゃなかったのか?」

幼馴染「そうだけどー、違う意味でもとなりにいようって決めたのー」

男「違う意味で??」

幼馴染「そう♪」

幼馴染(そう・・なにがあっても・・・)


ーーーーー

ファミレス

幼友「そっか・・・じゃあやっぱり二人は」

友「一応形だけの処分だけど、まぁ反省文だけで済んだのは先生が善処してくれたんだと思う」

幼友「でも、変だね」

友「ああ、あんな信憑性のない張り紙なんてなんの効果も・・・」

幼友「それもそうだけど、そんなもの流したら逆に男2くんの周囲の見方が変わっちゃうじゃない?」

友「変わる?」

幼友「確かに振られたのは彼だけど、それって男2くんから告白したって意味でしょ?」

幼友「幼馴染が二股かけてた疑惑が回りに浸透していたとしても、幼馴染が男2くんに絡んでいた場面っていうのは学校じゃなかったわけだし」

幼友「どう考えても男2くんの自虐にしか見えないと思うんだよね」

友「本人じゃないってこと?」

幼友「むしろ彼に強い恨みをもちつつ、男くんと幼馴染の付き合いに好意的ではない人物な気もする」

幼友「あんな達観して、めんどくさがってた人がそんな遠回りなことするとも思えない」

友「確かに・・・女子からの同情を買うにしても、同時に全校男子もしくは気にしていない女子たちにも知られるし、マイナス要素のほうが計り知れないな」

友妹「あ、いたいた」

イケメン「やぁ、二人でなんの相談?」

女「もしかして今日のこと?」

オタク「あれっすか?幼馴染さんと男さんの・・・」


友「よう、みんな。そんなところだな」

幼友「張り紙の話をしてたところだよ」

女「あー、あれね。うちの部員に調べさせたところ、男2の取り巻きの一人が流したみたいよ」

友「え!?そうなのか?」

女「ええ、しかも頼まれてだってさ」

友妹「それってまさか、男2の?」

女「それがね、取り巻きとは関係ない女の子から封筒で渡されたんだって」

イケメン「無関係の女生徒から?なんでそんな子が??」

オタク「その子実は、うちのオタク仲間からそれを渡されたって言ってたんですよ」

友「え、じゃあ、幼馴染さんのファンが犯人??」

オタク「オタク仲間を絞り上げたら吐きましたよ、男2の取り巻きの一人から頼まれたって」

友「結局取り巻きが元凶だったのか」

女「でもその女子は、休みだったのよ」

友妹「え、じゃあどうやって、その封筒を渡したんですか?」

オタク「実は・・ゲーセン帰りに頼まれて、色仕掛けにやられたと」

イケメン「あらら・・・」

友妹「うわぁ・・・」

オタク「や、じ、自分はそんなことしないっすよ!!」

女「そんなわけでさ、その女子が犯人かどうかはともかくとして、ここまで影響を与えた男2をどうするかっていうことが教職員たちの間で持ち上がったそうよ」

友「やっとか」

幼友「本人の周りの人たちが起こしたとはいえ、渦中の人物だからね・・」

友「謹慎程度で済まされそうな感じでもありそうだな」

女「そうねぇ、ゴシップ並みの内容の張り紙をただ張り回しただけだしね」

女「これが複数の女の子と関係を持ってたとかが明るみになったんなら退学くらいまでいきそうだけど」

イケメン「その渦中の人物は今は?」

女「さぁ?休みだったからね、幼っちに振られてよっぽどショックだったのかしら?人生初の失恋で失意の底なんじゃないかな」

友「今までちやほやされてたツケが回ってきたんだよ」

友妹「でもなんであそこまで幼馴染さんに拘ったんでしょうか?」

女「まぁ・・・あの子この辺じゃ敵無しなくらいの容姿だしね。タメはれるのなんて幼友っちくらいか」

幼友「いや・・・私はあんなに元気で明るく振る舞えないよ」

友(そういうおとなしいところに惚れたんですけどね)

友妹「たしかに見た目はそうですけど、それだけであそこまで執拗になれるもん?」

イケメン「俺はあんまり共感できないかな」

友「俺は第一印象はそこから入るけど、それだけだったら今ごろここにはいない」

友妹「性格もとても一致していたとも思えないし」

オタク「・・・・あ、憧れ・・・とか」

一同「へ?」

オタク「え、あ、いや、ほら眩しいものを見るとそれに惹かれるというか」

オタク「主人公みたいになりたいとかそういう風に思ったりするとか・・」

一同「・・・」

オタク「あ、その・・・」

イケメン「いや、案外的を得てるかもね」

女「あー・・・うん、なんとなくわからないでもないよ、それ」

ーーーーー

友「主人公みたいになりたいか・・・」

幼友「うん?どうしたの??」

友「いや、オタクの言ったことがガキの頃の俺みたいだなって」

幼友「オタクくんのこと馬鹿にしてる?」

友「あはは、ちがうよそうじゃないよ」

友「いや、いつから俺は自分が脇役だって思うようにひねくれたのかなって」

友「昔は主人公に憧れてたのにな・・・」

幼友「それはもう主人公になったからじゃないかな?」

友「主人公?俺が??」

幼友「だって君はもう私の主人公だもの」

友「え?」

幼友「いつもデートに誘ってくれるときも、みんなで遊びにいくときも」

幼友「まずは私たちのことを考えて動いてくれてたよね?」

友「あれは・・・俺がそうしたかったし自分から動かなきゃ・・・」

友「君に振り向いてもらえなかったし・・・」

幼友「それが大事なんだよ」

友「それ?」

幼友「自分からまずなにかをしようと、能動的になれるようになったから」

幼友「想うだけじゃ伝わらない・・・誰かのためでも自分のためでも、動き出すことができた瞬間」

幼友「君は脇役なんかじゃないよ」

幼友「だから・・・ね」

幼友「えっと・・・・」

友「幼友ちゃん・・?」

幼友「私が友くんの・・ヒロインじゃだめ・・・かな?」

友「・・・・ 」

幼友「・・・・」


友「なに言ってるんだよ


友「俺が主人公になる前から君はヒロインだよ」

ーーーー
そして海へ・・・・


一同「う・みだーー!!!!!」

ザパーン

友「しかし暑い・・・」

イケメン「砂浜も・・・熱っ!」バタバタ

オタク「そして・・・」

男「女子の水着も熱い!!!」


・・・・・・


友「誰もいやしねぇぇ!!なんでだよ!?」

イケメン「まぁ・・・着替えるのに時間掛かっちゃうからね」

オタク「海洋生物も熱いっすから気を付けてくださいね。貝に刺されて死ぬなんて笑い話にもならないっすから」

男「食いもんとして食ってる貝に殺されるとか冗談じゃないな・・・・」

イケメン「岩場あたりは要注意しなきゃね」

男「まぁ、ヴィーナスたちが来る前にビニールシートひいてパラソル建てるか」

友「クーラーボックスのドリンク足りるかな?」

イケメン「足りなさそうなら買ってくるよ」

男「水分塩分適度に取らないとこりゃ死ぬな」

おお、やってるやってる
男共ー

男「おお、女さん。なかなか早いね」

女「やっほー、しかし暑いね」

友「さすが、期待通りの普通具合」

女「悪かったなゴルァ。普通なのがかえって妙にリアルなんだよ」

オタク「暑いから、こっちのパラソルに入ってください」

女「優しいのはオタクっちだけよ」

友妹「やっほー」

友「帰れ!!」

友妹「張った押すぞ」

友「妹の水着姿なんかみてもなんも感じないし」

友妹「別におめぇに見せるためにきてるわけちゃうわ!」

男「ほぅ、また成長したね」

友妹「ちょっとだけね♪」

男「よく似合うよ、ビキニを着こなせるようになったね」

友妹「同じ兄ぃでも男兄ぃは違うねぇー」

男「俺よりもイケメンさんに誉めてもらうといいよ」

友妹「イケメンさんは?」

オタク「ドリンクの追加買い出しに行ってるっすよ」

幼友「あんまり妹ちゃんいじめちゃだめだよ」

友「っ!!!!」

男「ほぅ・・これは」

オタク「グラビアモデルっすか・・・」

友妹「や、まー・・・どうやっても勝てないでしょこんなの」

幼友「む、昔は全然だったよ?元々病気してたから、ガリガリだったし」

男「今は程よい肉付きに、立派なものを持ってるね」

友「お前に評価されるとなんか腹立つ」

男「悪かったよ」

幼友「あははは」

友「そんなことより、パラソルの下においでって!熱中症になるから」

幼友「あははは、大丈夫だよー」

男(あとは幼だけか・・・)

イケメン「お、揃い始めたね。みんな綺麗だね」

女「そこはまとめちゃだめですよー」

幼友「そんなことよりも友妹ちゃんをみてあげてよ」

友妹「や、あ、あたしは・・・」

女「見せるって言ってたじゃない、ホラホラ」

友妹「っーーー!・・・・」

イケメン「綺麗で、友妹ちゃんの恥ずかしがる仕草も可愛いよ」

友妹「あ、うぅ・・・ありがとぅ・・・ございます」

オタク「リア充っすね・・・」


友「男、幼馴染さんは?」

男「うん?そうだな、少し遅いな様子を見てくるよ」

友「覗くなよ?」

男「馬鹿言うなっての」
タッタッタ

男(まぁ、ここまであいつらが追ってくるなんてこともないだろうし)

男(ましてや男2が来るなんてこともないだろうし)

男「あれは・・・」


ササァ

幼馴染「・・・ふぅ・・・ちょっと落ち着いたかな」

男「なにが落ち着いたんだ?」

幼馴染「お、男くん!?」

男「水着の女の子がこんなところでノロノロ歩いてたらナンパされるぞ」

幼馴染「ふふふ・・・もうすでにナンパされちゃってるね?」

男「このまま、次のランデブーを二人っきりで相談するかい?」

幼馴染「それは名案。だけどみんなを待たせちゃ悪いからいこっか♪」

男「おうよっ」

男「それがこの前いってた水着?」

幼馴染「そうそう、真っ先に男くんに見せられてよかった♪」

男「誘惑に負けた」クスッ

幼馴染「心配してくれたんでしょ?」

男「ちょっとせっかちだったかな。ごめんな」

幼馴染「そのせっかちのお陰で男くんに先に見せられたから結果オーライだよ」

男「ははは、そいつはついてたな」

男「ははは・・・・」

男「・・・・・・」

ピタッ

幼馴染「ん・・っ」

男「よく似合ってる・・・綺麗だよ幼」

幼馴染「ありがと・・・君に誉めてもらうのが一番嬉しい・・・・」

ヨロヨロ

幼馴染「わ、っとと・・」

男「大丈夫か?」

幼馴染「へーきへーき、だいじょーぶだよ」

男「夏祭りのときも、同じ感じだったよな」

男「もしかして体が・・・」

幼馴染「大丈夫だよー、夏祭りのときは緊張と嬉しさもあってのことだよ」

男「今は暑さか?」

幼馴染「そういうことだよ」

男「・・・・」

男「幼、俺に話してないことがあるだろ」

男「幼」

幼馴染「大丈夫だよ。ちょっと感情の起伏というか、落ち込んだときと嬉しいときに調子が左右されやすいだけ」

幼馴染「まだ体が出来上がってないからさ、心臓もそれに合わせてくれようと今頑張ってるんだと思うから」

男「気持ちの持ち次第ってことか?」

幼馴染「うん」

幼馴染「だからね調子を維持するためにも、マイナスなことをは考えないようにしてきたの」

幼馴染「けど男くんと再会して、生活してってるだけで良いこと尽くしなんだけどね♪」

男「そう言われると本気で照れるな」ポリポリ

幼馴染「私の生きる原動力だからねー」

幼馴染「心臓も今は不安定だけど、維持できないことはないから」

幼馴染「ね?」

男「わかった。ありがとうな話してくれて」

幼馴染「ふふん、幼ちゃんの秘密をまた知れたね?」

男「知って損はない秘密だな」

幼馴染「あ、そそ、心臓でおもいだしたけど、実はまた胸が大きくなってたみたいで水着結構ギリギリなんだよね」

男「なんて繋げ方してんだ」

幼馴染「夜とか男くんに揉みしだかれてるからかな・・・」

男「そ、そんなしょっちゅうしてないよーーー」


ーーーーー

ーーーーー

夕方

オタク「魚市場いきましょーよ」

イケメン「おみやげも買っていきたいしね」




女「ねぇねぇ、これとか可愛くない?」

幼友「あははは、ナニコレー」

友(女はともかく、幼友ちゃんもゲテモノ好きなのか・・・・)


こうして楽しく時間だけが過ぎていき・・・・




友妹「花火っ花火っ」

男「打ち上げ花火をみんなでみるのもいいけど、こうやってやるのが一番楽しいな」
ジュー

幼馴染「あ、男くん、火頂戴ー」

ザザー
パチパチ

友「夏祭りのときもやったし、今年二回目のツインファイヤーフラワー!!」

幼友「おお、蛇花火可愛い~」



幼馴染「ねぇ?男くん」

男「どうした?幼」

幼馴染「言葉で伝えるって、いつから難しいことになっちゃったのかな」

男「急にどうしたんだよ?」

幼馴染「いろんな動物はさ、意思疏通をどうやってやってるかわからないけど、触れあったり、特殊なリズムだったり」

幼馴染「人ってそれもできるけど、言葉っていうコミュニケーションツールを産み出したよね」

幼馴染「これってすごいことだと思うんだ」

幼馴染「人はどこまでいっても、人のままだから。言葉で伝えるってすごく大事なことなんだよ」

幼馴染「相手の気持ちを理解したり、空気を読んで動いたり、そんな先読みの行動をどうしてもしがちだけど」

幼馴染「本当に大切なことは、自分の意志と、相手の意志をお互い伝え合うことなんだよね」

男「幼・・・・」

幼馴染「私ね、男くんと過ごしてて、男くんの好意に気づいてたよ」

幼馴染「仕草や動き方、目線とか。でもそれは私の主観でしかないし、男くんも意識をしていたのかもしれないけど」

幼馴染「意志を伝えないと、それは理解にまでは発展しない」

男「・・・・そうだな」

幼馴染「だから、男くんの言葉で気持ちを伝えてもらったときは本当に・・嬉しかった」

幼馴染「私は馬鹿だから言葉をそのままの意味で受け取っちゃうから、深読みしたりとかそういうことは出来ないんだ」

男「俺は相手の動向を探れるのかと思ってたよ」クスッ

幼馴染「そんなエスパーじゃないよー」クスッ

幼馴染「だからさ・・ ・誤解なく理解する力が本当に必要なんじゃなくて」

幼馴染「誤解させることなく意志を伝えるのほうが人にとって一番大切なことなんじゃないかな?」

>>754訂正

幼馴染「誤解させることなく意志を伝える力の方が人にとって一番大切なことなんじゃないかな?」

幼馴染「伝えることの難しさに比べたら理解することはすごく簡単なことだよ」

男「伝えること・・・か」

幼のその言葉は今でも忘れることがない

人が手に入れた、他の生き物にはない力

それはきっと人が持ってる本質なのかもしれない

伝えることが難しい、思っていても伝えられないジレンマと戦いながら人は生きているのだから

しかし・・・

それでも
伝えることができる人はいる


本当に純粋に「人」であろうとしていたからこそ自分の意志を伝えることができるのだと・・・・

チュンチュン

幼馴染「ん…むにゃむにゃ…思いのほか快適に寝れたなぁ…」

ドンドン!!

幼馴染「んー?もう朝からテンション高いなぁ、誰だろ」

ガチャ
幼馴染「あら、女っち、どしたの??」

女「大変なのよ!!」

幼馴染「落ち着いてって、何が大変なのよ」

女「お、男くんがいないのよ!!」

幼馴染「いない??散歩とかじゃなくて?」

女「荷物も全部なくなってて、朝呼びに行ったら夜中にチェックアウトしたって…」

幼馴染「え…?」

それから
程なくして男くんからのメッセージきたのだけど…
それは彼にとって一番辛い内容だった…

>>760
失礼名前を入れ忘れました

―――――
タッタッタ

幼馴染「はぁはぁ!!」

ゾロゾロ…

男「~~~」

「~~~~~」




幼馴染「…」

―――――

――――

男「…」


幼馴染「…」(男くん…)


男「お疲れ…母ちゃん」

男「後のことは何にも心配しなくていいから」

男「だからゆっくり休んでくれ」

男「……」トコトコ

男「っ!!」

幼馴染「男くん…」

男「戻ってきちまったか」

幼馴染「その…なんというか」

男「大丈夫だよ幼。気を使ってくれなくても」

男「明日は葬儀だし俺は準備があるから。幼も母ちゃんに会ってやってくれないか?」

幼馴染「うん…」


―――――

――――

それから時間が経ち…


幼馴染「よいしょっと…こんな感じでいいのかな」

男「どういうことですか?」

幼馴染「うん?男くん?」

男「この家を売り払えと!?」

『君も一人で生活していくのは難しいだろ』

『それに相続してもそんな大金を学生の君が一人で管理していくのはあまりに無防備すぎる』

男「お言葉ですが、母が入院生活をしている間あなた方は見舞いどころか…」

男「連絡の一本もよこさなかったでしょう!?」

『私たちは仕事をしている身だ、社会人なんだよ』

『学生の身分で甘えている君にとやかく言われる覚えなんて…』
ブチッ

男「おとといきやがれ」

幼馴染「もしかして・・親戚の?」

男「ああ、全く。金ほしさにこの家売ってこっちで暮らせとさ」

幼馴染「はぁ・・・どこの世界にもいるのね。そういう人って」

男「親族とは思いたくないわ」

幼馴染「これからどうするの?」

男「今まで通りだよ。母ちゃんがいない間から一人だったんだ」

男「今さらどうってことないよ」


幼馴染「・・・・」

男「ん?どうした?幼」

幼馴染「ねぇ、男くん・・・」

ーーーーー

それから
月日が流れた

学校

友「男ー一緒にゲーセン寄っていかねぇか?」

男「悪いな友!今日もバイトなんだ。また遊ぼうぜ」
タッタッタ

友「またか・・・まぁお袋さんがいなくなってから妙にやる気というか」

女「清掃活動にもこの前は参加してたわよ」

友「それにしてもあのバイトのやりようは異常だよな」

女「そうねぇ・・体壊さなきゃいいけど・・・」

幼馴染「大丈夫大丈夫。無理なんかしたら絶交だよって言ってあるからそれはないよ」

友「うん。幼馴染さんに言われるとすごい説得力を感じる」

女「そりゃ無理なんかできないわね」

委員長「幼馴染さん、先生が呼んでるわ」

幼馴染「うん?はいはーい」

先生「これが例の資料だ」

幼馴染「ありがとうございます!どうでしたか?」

先生「まぁな、手頃なところを割りと探したつもりだ」

先生「そっちはどうなんだ?」

幼馴染「男くんはすごく頑張ってますよ。無理のない程度にですけどね♪」

先生「このこと・・・あいつらには言わなくても良いのか?」

幼馴染「受験シーズンですし・・・今言って困惑させるわけにもいきませんから」

幼馴染「シーズンが終わったら話すつもりです」

先生「そうか・・・」

ーーーーー

幼友「じゃあ、またあとでね兄さん」

イケメン「分かったよ。あまり一緒にいると友くんに悪いしね」

幼友「友くんはそんなこと気にしないよー」


トコトコ
幼友「ん?あれは・・・」


男「ありがとうございましたー。いらっしゃいませー」


幼友(男くん頑張ってるなぁ。元気をなくして、落ち込んじゃうくらいなのにそれにもへこたれたいなんて・・)

幼友(なにかあるのかな・・・)

幼友「・・・っ!?」

幼友「え、あれって・・」

ねぇー
男2くーん

えへへ
また抱いてね・・・・


なんでこんなことになっちまったんだろ・・・
俺は今自分が何をしているのかもわからない

好きな女を抱くこともなく・・・

男2「・・・くだらない」

そもそも俺の出生自体ろくなものでもなかった

父親はロクデナシ
母親は俺を産んだあと蒸発

施設で育てられた俺は愛情もなにもなく育った

俺には帰るところも守りたいものもない


いや守りたいと思った人はいたんだ・・・・

男2「・・・ん、あれは」



男「いらっしゃいませー、あ、おばちゃん、また来てくれたのー?」

「ここのお惣菜おいしいからねー」

男「今はね・・・こっちの唐揚げとチキンカツが出来たてだよー」

幼馴染「ほうほう、じゃあこっちの天ぷらはー?」

男「・・・なにしてんのよ」

幼馴染「彼女が買い物に来たんだぞー」

男「いか唐ならまだそんなに時間経ってないぞ」

幼馴染「ほうほう」

男「おばちゃーんあとはこっちのがおすすめだよー」

「あらあら、わざわざありがとうねー」

幼馴染「むぅー、こっちもお客様だぞー」

あははははは



男2「・・・・」

お前は幼馴染がいるから
そういられるんだろ

本当ならあいつの隣にいるのは・・・・

俺とは違う、不幸のもとで生まれたわけでもないのに・・・・

自分が恵まれた場所にいたことに気づいてすらいない

なんであんなやつに・・幼馴染は・・・・



男2「・・・・・帰るか・・・」

ーーーーー
学校にて


男「やつが?また??」

友「ああ、そうだ。幼友ちゃんがお前たちが一緒にいるのを恨めしそうに見てるところを・・・な」

男「けどあいつは今クラスの女子どころか、街中の女の子も手当たり次第に手を出して停学中なんだろ?」

友「たまたまお前らを見かけたんだろ。注意だけはしろよ?まだ幼馴染さんのことを・・・」

男「わかってるよ。だからお前に毎日トレーニング付き合って貰ってるんだろ?」

友「鍛えるよりも、立ち回り方の方が大事なんじゃないか?」

男「いいや、奴に小細工しようと思ってもなぜだか看破されてるしな」

友「それでいても、あいつにお前を倒せるなんてとても想像できないぞ」

男「主人公補正があるらしくてね。ただ立ち回り方が下手らしいが」

友「もし、なんかあったら絶対呼べよ」

男「わかってるよ。立ち回りの下手さだけはどっこいどっこいらしいからな」

友「そのための俺たちなんだろ?」

男「アテってわけじゃないが、助かるよ」

昼休み
幼馴染「ほぇー・・・じゃあまだあの人に狙われてるってこと?」

男「どうだろうな、あいつを擁護するやつは今でこそ少なくなったが休んでる女子のほとんどはあいつを心酔してるようだし」

幼馴染「ていうかさ・・・なんでそこまで拘るのか意味がわからない」

幼馴染「だったら、素直に好意的に接してくればいいだけの話じゃない」

男「さぁな・・好きな相手に素直になれないってやつとか??」

幼馴染「や、まだ、素直になれないっていうならわかるけど悪態つくのは違うでしょ」

幼馴染「まぁ、興味も微塵もないからいいんだけどさ」

男「気を付けろよってことを友に忠告されたからさ。一応警戒だけはしておこう」

幼馴染「そうだねぇ・・頭の彼方にでも置いておくかな?」

男「絶対忘れるよな、それ」

幼馴染「そんなことよりもお楽しみタイムを心待ちしてるんじゃないのー?」ジトー

男「それじゃあお楽しみタイムといきますか」

幼馴染「お弁当?」ニヤニヤ

男「それが一番のお楽しみです」

幼馴染「えへへ、今日はねー。色々詰め込んだんだー」

男「なかなか旨そうじゃないか」

幼馴染「ほらほら、あーんして♪」

男「あーん」
パクっ

幼馴染「えへへへー、こんないい女捕まえて、男くんは幸福者だなー」

男「違いないな」クスッ

幼馴染「毎日可愛い彼女の愛妻弁当を食べられて、二人っきりで過ごす」

男「家に帰れば手料理だもんな」

幼馴染「至れり尽くせりね」

男「頭が上がりませんよ」

幼馴染「上下関係なんてないもん、お互いに尊重しあえる関係が私は好きなの」

男「俺に尊敬できるような要素なんかあるかー?」

幼馴染「じゃなきゃ、ここまでしてないよ」

幼馴染「だから、たまにお風呂サービスまでしてるじゃんか」

男「湯船で抱き合うと二人とも逆上せるのは危ないんだけどな」

幼馴染「そんなの関係なく好きあってるってことかな?」

男「俺はそうだと思ってるよ?」ピタッ

幼馴染「ふふふ、私も♪」

男「ん・・・」

幼馴染「んっ・・・」


幼馴染「はぁ・・・はぁ・・・男くん・・・」

幼馴染「キスだけで・・・いいの・・・?」

男「十分だよ・・今の俺には・・・それで」

男「幼は満足してるか・・?足りないならいつでも言ってくれて・・」

幼馴染「裏校舎だから声だしても誰にもバレないね♪」

幼馴染「でも、私は大丈夫だよ?男くんのこと待ってるから」

男「幼・・・・」

幼馴染「それに男くんに待たされるのは慣れっこだからねっ」

男「ははは、面目ない」

男「もう少しだけ・・・待っててくれ」
ギュッ

幼馴染「うん・・・待ってるね」ギュッ

ーーーー

男「♪~」

おい、まじでやるのかよ

男「?」

じゃなきゃ
納得できねぇだろ?
この辺のヤンキーで男2に恨みもってるやつはわりといるんだよ

けど、待ち伏せしてリンチって・・・
さすがにやりすぎだろ

あと
男も気に入られねぇ、幼馴染をものにして調子に乗ってるのも

別にいいじゃねぇか・・・
それは流石に逆恨みもいいとこだろ

幼馴染狙ってたやつは腐るほどいたんだよ
それを幼馴染みってだけで
アドバンテージつけられて納得できねぇだろ

って言われても・・・

男(まずいな・・・こりゃ、男2の件よりも厄介だし、なによりあいつもいろんなやつから恨み買いすぎだろ・・・)

あわよくば
幼馴染拉致るでもいいしな

おいおい・・・
女の子拉致って
かなりやばい部類の犯罪じゃねぇかよ

てめぇだって幼馴染狙ってたんだろ?
協力すりゃ全員で輪わすからよ


そこまでしたくねぇよ・・・
やめとけって

もう何人かはやる気だからおせぇよ


男「・・・こりゃ笑い話じゃ済みそうになさそうだな」

幼馴染「♪~」

チラチラ

幼馴染「♪~~」(今日はやけに見られるなぁ)

幼馴染(偽物以来、校内で誘われることはなくなったし、ちら見されることもなかったのに)

幼馴染(何かあるなこりゃ)



トコトコ



友「よう、幼馴染さんちょっといいかな?」グイッ

幼馴染「うぇ!?と、友くん!?」

友「よし、なんともなさそうだな」

幼馴染「友くんもきづいてたの??」

友「実は、幼馴染さんのことを気に入らない女子連中が幼馴染さんを狙ってる男子どもに輪わさせるってのを聞いてな」

幼馴染「私がくるくる回ってなにが楽しいのさ」

友「や、そういう意味じゃ」

幼馴染「わかってるよ、まだそんなこと考えるやつがいるとは思ってたけど呆れるわね」

幼馴染「以前にも男くんとデート中に似たようなことがあってさ」

友「まじかよ・・男にも連絡いれたからさ、合流したら俺のバイクで逃げてくれ」

幼馴染「・・・その前に逃げ切れないとね」

よう、友どこにいくつもりだよ

その女渡せばいじめてやらねぇよ

友「いじめか・・・痛いのはいやざんす」

幼馴染「私が素直に引き渡されようか?」ヒソヒソ

友「ははは、そいつは迷案だな」

友「そんなことしたら男に会わす顔がないよ」

友「走って逃げて」

幼馴染「大丈夫??」

友「平気ではないけど問題はないよ」

友「走れ!!」

幼馴染「っ!」
タッタッタ


ーーーーーーー

男「とと」タッタッ・・・

男「・・・・校外へ行くのも時間がかかりそうだな・・」

男「たしか裏に入って・・部室裏だったな」

男「おっとと!」

いたか?
だめだいやしねぇ

あいつのバイクの隠し場所も張ったから逃げられねぇだろうけどな

男「おいおい、バレてんじゃねぇかよ・・・」ピッ

男「幼から連絡来ねぇな。電話しても繋がらんし」

男(大丈夫かな・・・)

ーーー


幼馴染「・・・・」

幼馴染「え、普通に正門堂々と通って逃げられたんだけど・・」

幼馴染(わざと?それともほんとにマークがゆるゆるなだけとか?)

幼馴染(まぁ元々DQN自体少ない学校だし)

幼馴染「とりあえずこの辺の草木にに隠れて男くんでも待つかな」ピッ

どこだ!?
大丈夫か!?

幼馴染「ふふん、心配しちょるな」

ピッ

正門を堂々と凱旋中


ピロリン

え、どゆこと?

幼馴染「こっちが聞きたいよ」
ピッ

友「・・・・」

うっせぇ!!

ただ殴りあってただけだろうが!!

先生「言い訳はあとで聞いてやるから、とりあえずおまえたちは指導室行きだ」

友「サンドバックを甘んじて受けた俺はどうなります?」

先生「話だけ聞いてあとは帰っていいぞ」

友「あざっす」

先生「元々乗り気だったやつがこいつら二人と、あとリーダー格一人だけらしいな」

先生「あとの連中は追いかける気も起こらなかったらしい」

友「けど男の方で二人くらい待ち伏せしてたってのlineできたんすけど」

先生「?そいつは初耳だな。他の連中から聞いてたが三人以外は何もやるつもりもないと言ってたが」

友「どういうことだ??」




男「正門付近だって言ってたな・・・」タッタッタ

男「早いとこ見つけてやらないと・・・・」


男2「はぁ・・・はぁ」タッタッタ

男「お前・・・」

男2「どういうことだ、幼馴染が狙われてるってどういうことなんだ!?」グイッ

男「俺も知らん、恨みを持った連中が勝手にやったらしいが・・・」

男2「勝手にやったってどういうことだよ!?女子から聞いたぞ!」

男2「お前にはあいつを守ろうとする気もないのか!?」

男「落ち着け、幼馴染は何ともない」

男2「会って確認したのか?お前の目で確かめたのか」

男「連絡がちゃんと取れてる、むしろ慌てればかえって冷静に行動できなくなるって」

男2「好きな女が危ないのによく平気でいられるな!?」

男「だからこそ落ち着かないと、とりかえしがつかなくなるだろ!」

男2「くっ・・・・そこまで冷徹になれる気がしれねぇよ」

男2「俺が先にみつけてやる」タッタッタ


男「・・・」

男(そこまで好きならなんで素直に気持ちを伝えないのか)

男(俺はそっちの方がよっぽど理解できねぇよ)
タッタッタ

正門付近

幼馴染「あー・・・ははは」

散々逃げ回ってくれたな

中々良さげな女じゃねぇか
俺に最初にやらせろよ

待ってくださいって先輩まずはあいつを誘い込まないと
それに場所も場所ですし


幼馴染「たった二人でどうするですかー?」

女押さえ込むのなんざ
男一人で十分なんだよ

幼馴染「あははは・・かっこつけられるような台詞じゃないですけどね・・・」(男くーん!!!ちょっとピンチですよー!!)ピッピッ


男2「くだらねぇことやってんじゃねぇよ」

幼馴染(うげっ、出た。というかなんでこの人いるの??)

男2「女一人相手に男二人で囲んで・・外道かてめぇら」

なんだ?てめぇ俺に向かっていってんのか?


男2「そうだよ、デカブツ。そいつの男に恨みをもってんだろうが、そいつは関係ねぇだろ!!」

おいこいつぶっ殺すぞ
いいか?

まぁまぁ、先輩
こいつが目的の奴っすよ

んあ?こいつが?

幼馴染(??男くんが目的じゃないの??)

男2「・・・どういことだ?」

どういことだ?
じゃねぇよ
俺らが幼馴染を襲おうとしたのはてめぇを誘い込むためなんだよ

男2「俺を・・・?」

てめぇが幼馴染にベタ惚れなのはみんな知ってたからな
襲う計画のことをほのめかせば絶対くると見越してたんだよ

男2「ちょっとまて、なんで俺を・・・」


ふざけんじゃねぇよ!!!
てめぇとてめぇの親父が仕出かしたこと忘れたなんて言わせねぇぞ!!

男2「俺の親父・・・?」

幼馴染(まさか・・・・)

てめぇの親父は20年前
俺のお袋とその妹をヤリ捨てしやがったんだよ!!
その妹は、叔母は校内でいじめられて自殺した!!

男2「っ!!」

お袋は精神的にもボロボロにされたが、俺らが生まれた後でも献身的につくしてくれた
お前があの男ガキだと知って、女を囲んでる姿を見たときはどれだけ殺してやりたいと思ったことか

男2「親父がどんな人間だったかなんて俺が知ったことじゃない。ロクデナシでも俺は違う!」

違うだと!?
同じ穴の狢がぁ!!!
てめぇは幼馴染に振られたあと女を片っ端から食いあさって、俺の妹にまで手を出しやがっただろうが!!


男2「・・・・っ!」

幼馴染(・・・・・)

てめぇのやったことの後始末もできねぇやつが女をどうこういう権利なんかあると思うんじゃねぇぞ!!

俺がこいつに協力する気になったのはてめぇにケジメを取らせるつもりだったんだよ

男2「・・・・・」

幼馴染「それで私を」


関係ないあんたと男には悪かった。だがあんたらにも片棒担がせるのも嫌だったんでな


さてと、どうやってこいつにケジメを取らせるか


男2「・・・・・」



幼馴染「・・・・なんで私に助けを求めるような目でみるの?あなたが撒いた種でしょ?」

幼馴染「私には彼らを止めることも義理もない」

男2「っ・・・・」


スッ
幼馴染「っ!」


・・・・・・・
どけよ、お前と幼馴染には関係ないだろ


男「ケジメをつける前に、俺もこいつとケジメをつけたいですよ」

男「お願いします」

・・・・・・

男2「・・・なんのつもりだ」

男「なにもこうもないだろ、お前が幼を守れるのか?って聞いてきたんだろ」

男2「だからなんだよ・・・」


男「それの疑問に対する答えだよ」

男2「・・・・・」スクッ

幼馴染「男くん・・・」

男「・・・・」

男2「主人公気取りか・・・」

男「俺は主人公の器じゃないし、お前も見てたろ?俺が要領悪いのも」

男「主人公補正だっておまえにあるんだろ?」

男2(黙れよ・・・そのヘラついた態度がむかつんだよ!!!)

バキィ!!

男2「はぁ・・・はぁ」

男「はぁー・・・はぁ、どうした?本気で殴りあったのなんて初めてか?」

男2(くそっ・・・煽ってんじゃねぇよ・・・)

男「好きな女の前で格好つけるんじゃなかったのか?」

男2「だまれぇえ!!てめぇが余裕こいてられるのも幼馴染がいるからだろうが!!!」
バキィガキっ

男2「主人公気取りだぁ?気取ってんのはてめぇのほうだろうが!!」
ボコッバキッ

男2「てめぇが恵まれた環境にいることも自覚できねぇやつが!!不幸のもとで生まれてきた俺の何がわかんだよ!!!」

男「つぁあ!!」バキィイッ!!

男2「ぐっふっ!!」
ドサッ

男「はぁ・・・・はぁ・・・」
ガシッ

男「立てよまだ、終わってねぇだろ」

幼馴染「男くん・・・!そ、それ以上は・・・」

男「てめぇの環境に甘えてあぐらかけるほど俺は人間出来てねぇんだよ・・・」

男「お前みたいに全員と関係もつなんて優しいこともできないしな?」

男2「それとこれとは関係ねぇだろ・・・!」

男「今さらかっこつけんなよ・・・。もうどう取り繕っても幼馴染は全部聞いてんだよ」

幼馴染「・・・・」

男2「・・・っ」

男2「俺がお前の立場たったら・・・・俺だって・・・俺だって幼馴染と」

男「そんなもんは関係ねぇんだよ・・・」

男2「ぁあ!?」

男「一緒にいた時間なんて関係ねぇ・・・幼は自分の本質を見る奴だ」

男「一緒にいたから、約束したから、思い出だから」

男「けどな、それが生まれるのはそいつ自身のもつ本質が表面化したからなんだよ」

男「俺は照れ隠しだってするし、素直に伝えられないときだってある。けど伝えなきゃ我慢ならないんだよ」

男「自分で全力でぶつからないと、バカみたいに本気にならないと気が済まない人間なんだよ」

男「学校ではバカにされて、なじられても、そんなの関係ない。我慢するくらいならバカにされたほうがマシだ」

男2「本気だと・・・?」

男「そうだろ?本気でぶつかってこない人間を誰が相手するだよ?ましてや恋心を抱く相手がなんで相手してくれるんだよ」

男「自分は達観してるから、ほかのやつとは違う。だれも俺を認められない」

男「当たり前だ、お前がみんなのところにいようとしてないんだから」

男「世界がお前を中心に回っているわけじゃない。なにもかもがうまくいくわけなんてないんだよ」

男2「・・・・・」

男「俺らみたいなガキが力抜いて悟ったみたいなことしちゃだめなんだよ」

男2「・・・・・・」

男「もう、気取らずに自分のままに生きろよ」

男「今ならまだ取り戻せる」

男2「・・・俺のままに?」

男「素直に生きることはカッコ悪くなんかないんだよ・・・・・・」



男「・・・兄貴・・・」

っ!?

男2「・・・!」

どういうことだ・・・?
兄貴って・・・


幼馴染「男くん・・・知ってたの・・・?」

男「親父が死ぬ前に母ちゃんと話してるところをな・・・」

男2「」

男「そうだよ、お前のいうロクデナシの血を俺も引いてるんだよ」

男2「・・・・お前っ・・・じゃあ・・・」

男「・・・・そういうことだよ」

男「・・・ヤンキーさん、俺もこいつと同じ、あなたたちの家庭をぶち壊した元凶のガキです」

男「ケジメなら俺たち二人でつけます」

・・・・・


ーーーーーーー

ーーーーー

幼馴染「ふぅー・・・終わったね」

男「あー・・・殴られずに済んで正直助かったよ」

男「けど、幼もどうして知ってたんだ?」

幼馴染「男くんとお見舞いに行ったときに全部教えてもらったんだ」

男「そうか・・・・」

男「俺は本来は親父と母ちゃんに望まれて生まれてきたガキじゃなかったんだ」

男「母ちゃんも俺を身籠ったときは、悩みに悩んだらしい」

男「望んだ男の子供じゃない・・・けどこの命を殺すことなんて出来ないって」

男「親父も苦しかったと思う。母ちゃんを守れなかったこと、子供に罪はないこと」

男「それでも二人は俺を望んでくれた」

男「俺を自分達の子供として愛情を注いでくれた」

男「親父は俺には厳しくも優しくも男として俺に接してくれた」

男「ほんとにすごいと思ったよ・・・ここまで俺を育ててくれたのを」

幼馴染「男くん・・・」

男「だから俺も、あの男の血を引く人間としてじゃなくて、親父の息子として生きていこうって」

男「俺の親父は親父だけだ。俺にいろんなことを教えてくれた親父だけだ」

男「親父が俺を信じてくれたように、今度は俺が二人には出来なかったことやってやるって」

男「そう決めたんだ」

幼馴染「男くん・・・・」

男「幼、前に言ったよな?待っててくれって」

幼馴染「うん・・・それがどうしてなのかも知ってるよ」

だってそれは・・・

男「幼、卒業したら、俺と・・」




男「結婚してくれ」


今日が男くんの18歳の
誕生日だから・・・・

ーーーー
ーー



男「うぅ・・すぅーはぁ」

幼馴染「や、そんな深刻に考えなくても・・・お父さんとは何度も小さいときに会ってるのに 」

男「遊びにいくのと訳が違うってば・・・引っ越し挨拶がてらに、婚約の挨拶がメインなわけだし」

幼馴染「大手企業社長っていっても大したことないおっちゃんだよ」

男「社長ってだけで十分ハードル高いです」

男「殴られるのは覚悟しないとな・・・」

幼馴染「そんなことないってば、ささ入ろ入ろ」

ウィーン

ガチャ
幼馴染「お父さーん、きたよー」

男「お、おいおい」

秘書「あら、お嬢様、社長はただいま席を外しております」

幼馴染「そっか、じゃあ先に待ってるね」

秘書「どうぞこちらに」

男「・・・・・」

幼馴染「よっこいしょ、男くんも座りなよー」

男「いえ、社長が戻ってくるまで待ってます・・」

幼馴染「そんな固くならなくても・・・」

トコトコ

幼父「・・・・」

幼馴染「お父さん遅かったねー、どこいって・・・」

幼父「・・・」スッ

幼馴染「??」

幼父「久しぶりだね男くん、元気にしてたかね」

男「は、はい!えっと、幼父様もお変わりない様子で・・・」

幼父「ふむ・・・まぁかけたまえ」

男「し、しつりぇいしましゅ!!」

幼馴染(噛んだね)

男「あ、あのこちらを・・・つまらないものですが」

幼父「ふむ、もみじまんじゅうか」

男「は、はい・・・」

幼馴染「・・・」ジトー

幼父「っ・・・・ゲフッゲフッ」

幼父「男くん、君はうちの娘をどう思っているのかね?」

男「どう・・・ですか」

幼父「知っての通り娘は心臓を患っていた。今でこそ完治したが元々体が強い体質ではない」

幼父「無理をすることだってある。そんなとき君はどんな状況に置かれても娘を支えられる自信はあるかい?」

男「・・・」

男「勿論です。例え自分の体が壊れても幼を支えていく自信はあります」

幼父「そこまでしなくてよい。君の・・・ご両親。本当の父親ではないそうだね」

男「・・・はい、事実です」

幼父「なんでも女癖の悪い男の血を受け継いでいるとか」

幼馴染「っ・・おとうさ・・・!」
スッ

幼馴染(っ!男くん・・・・!)

男「それも事実です。たしかに俺の血縁上の父親はロクデナシと言われてます」

男「今回それが原因で、血縁上の兄の件で問題も発生しました」

男「でも、自分にとっての父親は育ててくれた親父ただ一人です」

男「今回の件で強くそう思えました。だからこそ、自分は親父のような真に強い男になろうと思い、幼馴染さんからも尊敬されるような」

男「母が愛した男のような人間になっていくために努力していくと決めました」

男「例え血の呪縛があろうとも、自分は幼馴染さんしか愛することができません」

男「これまでも、これからも・・・彼女が帰ってこなければ、自分は一生独り身でいるつもりでした」

幼馴染「・・・・」

幼父「どうしてそこまでうちの娘を?」

男「それが自分の本質だから・・・ですね」

幼父「本質・・・か」

幼馴染「あのーちょっといいかな」

男「??」
幼父「ん?」

幼馴染「隣で聞いてる私の羞恥心はどこに向ければいいのかな?恥ずかしくてもう・・・どうにかなりそうなんだけど」

男「あ、えっと・・・」

幼父「う、うむ」

幼馴染「あとお父さん普段そんなしゃべり方しないでしょ」

幼馴染「そとぼりでハリボテにしてもわかるから」

幼父「あ、はい」

秘書「トイレからlineで、『緊張するよーどうしよー、幼がとられるー』とか私には送るのもどうかと・・・」

幼父「や、やめてくれぇぇ」

幼馴染「娘のために格好つけつもりー?」ジトー

幼父「ま、まぁ一応男くんが幼と挨拶に来るというものだから」

幼父「それなりにちゃんと話し合いはしたかったからなぁ・・・」

幼父「すまないね、男くん嫌な質問してしまって」

男「ああ、いえ!心配されるのは当然ですし」

幼父「ぶっちゃけ、男くんなら全然良いんだよ」

男「ぶっちゃけちゃだめです」

幼父「卒業後はうちの会社で思う存分勉強してくれ。さほど参考になるようなこともないけどね」

男「いえいえ、なんか、そこまでしてもらって本当に良いんでしょうか」

幼父「目標に向かってる君に手助けをしたい、それだけだよ」

男「色々とありがとうございます・・・」

幼父「まぁ、うちのじゃじゃ馬を乗りこなせるのも男くんだけかもしれんし」

幼馴染「まだ二人とも未経験だけどねー」

男「ぶっーーー!!な、なに言い出すんだお前!」

幼父「え?まだやることやってないの?」

男「じ、自分の娘を傷物にされちゃ・・・」

幼父「そこまで義理堅く思わんでも・・・二人が相思相愛なら私は構わんよ」

幼馴染「ほらね?こう言っちゃうでしょ」

男「・・・・」


ーーーーーーーーー

ーーーーー
新居

男「はぁ・・・緊張が抜けて力が入らん・・」

幼馴染「大丈夫って言ったじゃんか。男くんのことは私が推しまくって報告したしねっ☆」

男「俺も母ちゃんに推しまくってたしな」クスッ

幼馴染「紆余曲折あったけど、ここまで来れたね」

男「まぁな、けど二つの目標はまだ完遂してないしそのためにまだまだ突き進むつもりだよ」

男「よしっ・・・あとは卒業まで・・・」



幼馴染「・・・・」

幼馴染「男くん・・もういいんじゃないかな?」

男「幼・・・?」

幼馴染「・・・・」

男「・・・そうだな、でも俺は頑張ってる訳じゃないよ?


男「俺は男として責任を果たしたい」

幼馴染「ふふふ、どこまでも似てないよね・・・」

男「うん??」

幼馴染「なんでもなーい。じゃあその責任に対して一肌脱ぎましょうかね」

男「下着姿になってくれるのー?」

幼馴染「いつも見てるくせにー」

男「下着どころじゃないよな」クスッ


ーーーーーーー

卒業式

ガヤガヤ

幼馴染「これでみんなと会えるのは同窓会かぁ」

女「連絡先知ってるしそれに、大学だって一緒でしょー?」

幼馴染「幼友っちと友くんも一緒だしねー」

女「そういえば、やつは?」

幼馴染「やつ??男くんのこと??」

女「違うわよ、あんたを付け狙ってた」

幼馴染「ぁー・・・彼は自主退学して、自分と見つめ直すとかなんとか」

女「それでよかったの??」

幼馴染「まぁ・・・家庭環境も壊滅的だったしね、関係を持った女の子たちに対する罪滅ぼしもあるかもしれないし」

女「けど・・・男くんはそれで納得したのかな」

幼馴染「彼自身がそうするように望んだんだって」

幼馴染(血の繋がりのせめてもの情だったのかな・・・)

幼馴染さーん
写真撮ろうよーー

女せんぱーい写真写真ー


女「はいはい、わかったから」

幼馴染「なんだかんだで人気者だったのかねぇ」

女「学園のアイドルもこれで見納めね」

幼馴染「大学の姫になろうかしら?」ニヤッ

女「この子末恐ろしいわ」

幼馴染「や、もう王子様いるしね」

オタク「じゃあ、写真撮るっすよー!」

女「はいはーい、って・・あの二人は??」

幼馴染「うん?友くんと男くん??」

女「ったく、なんで肝心なときにいないのよ」

幼馴染「さぁ・・・・ね?」


・・・・・・・

・・・・・

河川敷

ツカツカ


友「・・・おせぇぞ男」

男「悪いな待たせて、思ったりよも・・・」

男「人気者だったからねー!ほらほら見てみて、ボタンひとつも残ってないよーー?」

友「はっ!俺もねぇんだなこれが!!あはははは」

男「うははははは!!」



男・友「・・・・」

友「まぁんなことはいいんだよ」

男「だな・・・」

友「しかし男2にあそこまでやられるとは情けねぇな」

男「勘弁してくれ・・・中ボスが主人公に挑みにいくような補正差どうやって埋めろと」

友「もっとスマートに勝てよバカが」

男「要領の悪さがツケとしてまわってきたのかね」

友「ちげぇねぇな」

男「とまぁ、御託はこの辺にしとくか」

友「だな・・・」

スッ

男「俺にとっての最大の壁は奴じゃない」

友「それは俺も同じだ」


男「お互いが原点だからな・・・」

友「在学中に決着つけられなかったもんな・・・」


男「っ!!」

友「っ!!!」

バキィィイ!!



男『かあちゃーん、帰ろーぜー』

母『わかったから引っ張るなっての、服の端っこがちぎれるから!』

えっほえっほ

友『ほっほっ・・・!』タッタッタ

男『かあちゃん、あれなにー??』

母『あー、あれは戦う男だね』

男『戦う男??怪獣でも倒すの??』

母『毎日と戦ってるんだよ、自分の強さと弱さとね』

男『よくわかんねぇー』

母『もう少し成長してからだな』




男「・・・考えたらあれがお前との出会いの始まりだったな」

友「はな垂れ小僧がかあちゃんかあちゃん言ってたな」

男「お前は死にそうな顔で必死に走ってたな」

友「俺と殴りあってお互いがぶっ倒れたのなんて、お前以外いねぇよ」

男「お前には一度も勝てた試しもなかったし・・・」

男「幼を守っていくのに、師匠のお前を越えなきゃ意味ないって思うようになってたんだよ・・・」

友「結果どうだ?」

男「俺の方が二秒遅く倒れた」ニヤッ

友「勝った内に入るのかそれ」クスッ

男「最後までたってたやつが勝利者だ」

男「親父にはそう教えてもらった」

友「ははは・・・それじゃあ仕方ねぇな」

友「・・・・お前はあいつとは違う」

友「血の繋がりなんか関係ないって」

友「そう証明してくれた」

友「幼馴染さんの隣で歩くために必死で必死でもがき続けて」

男「・・・・・」

友「カッコ悪くてもいいじゃねぇか・・・・お前なりに納得した生き方ができればそれで」

友「俺は・・・・貫き通したお前の親父さんと」

友「お前を心底・・・・尊敬してるよ」

男「・・・・・」

ピロリン

男「ん?幼から?」

友「二次会かな」

男「だな」



幼馴染「ど、どうしたの二人とも」

幼友「なんでそんかボロボロなの?」

男「最後の」

友「大喧嘩をしてきましてね・・・」

幼馴染「・・・」

男「そういうことにしといてください」

幼馴染「・・・しょーがない」

幼馴染「そういうことにしとこっか?」

幼友「もう・・・・みんな待ってるからいこっ」

友「おう」

幼馴染「歩ける?」

男「ははは大丈夫大丈夫」


ーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

ーーーーー


ーー

月日が流れて


あははー
男くん、幼馴染さんおめでとうー

女「あの二人が結婚する流れまではわかってたからいいんだけどねー」

オタク「こうして見ると感慨深いっす」

イケメン「幼馴染さん綺麗だったね」

友妹「はぁー・・いいなぁ、あたしもああいう綺麗なドレス似合えばなぁ」

イケメン「大丈夫だよ、友妹ちゃんなら」

ねぇねぇー
写真とろうよー!

幼馴染「はいはい、みんなで一気に撮っちゃおうー」

男「よし、じゃいくよー」

なんで男くんが撮る側なのさー
花嫁の隣にいなきゃだめだよー

男「冗談だよ冗談ー」


わーわー

友「同窓会の前にこれがあったな」

幼友「なんだかんだでみんなすぐに再会してるー」

友「幼馴染さんと俺たちは同じ大学だしな」

幼友「兄さんと妹さんは県外でなかなか会えなくなっちゃうけど」

幼友「こうやってまたみんなで会えるといいね」

友「そうだな」



男宅


男「終わったな」

幼馴染「だねぇ」

男「ようやくここまできたなって感じだけど流れるように過ぎていってなんかな・・・」

幼馴染「不満?」

男「いや、むしろ逆だよ♪」

幼馴染「仕事の方はどう?」

男「てんわやんわだけど、なんとか食らいついてるよ」

男「心配しなくても大丈夫だよ。お前がそばいてくれるからうまくいってる」

幼馴染「ふふふ・・・」

幼馴染「男くん・・・」

男「うん?」

ギュッ

男「っ!!」

幼馴染「よく頑張ったね、もう我慢しなくてもいいんだよ」

幼馴染「ここまで貫き通した男くんをお義父さまもお義母さまも誇りに思ってるわよ」

幼馴染「私も一人の人として、男として・・・あなたを尊敬してるわ」

男「・・・・っ」

男「幼・・・っ俺・・・」

幼馴染「ずっとそばであなたを見てきたから・・・だからもう、良いんだよ・・・?」

男「・・・・・っ」

男「うぅ・・・・うぁぁあああああ!!!幼ぁ・・・・か、母ちゃんが・・・母ちゃんがぁ・・・・っ!」

幼馴染「うん・・・うん・・・」

男「ごめん・・・母ちゃん・・・俺がもっと早く生まれてこれば・・・・」

男「もっとはやく望まれてこれば・・・!!幼との結婚式も一緒にいられたのに・・・!!」

男「ごめんっ・・・うぐっ・・・ごめんよ・・・!!」

幼馴染「男くん・・・」
ナデナデ



・・・・・・・・

・・・・

幼馴染「二人して一杯泣いたね・・・」

男「ごめんな・・・付き合わせて」

幼馴染「いいよ、告白の時も一杯泣いたしねっ」

男「あのときと同じだな」クスッ

幼馴染「男くん・・・」

男「待たせてごめんな・・・幼・・・」

幼馴染「ずっと待ってたよ・・・」

男「俺が君を守れるようになるまで・・・待っててほしい」

男「ほんとに時間掛かってごめんな・・・」

幼馴染「好きな人との約束だもの・・・」

男「幼っ・・・」

幼馴染「んっ・・・あっ・・・」


幼馴染「愛して・・・男くん・・・・」


ーーーーーー

男「ん・・・」

男「まだ夜中か・・」

幼馴染「んっ・・・あっ・・・」

幼馴染「すぅ・・・すぅ」

男「幼・・・」ナデナデ

男「寝顔も最高です」チュッ

幼馴染「ん・・・まだ起きてたの・・・?」

男「ごめん・・・起こしちゃった?」

幼馴染「ううん・・・男くんとの初めての余韻に浸ってた」

男「俺も少し眠れなくて」

幼馴染「二人で囁きながら寝よっか・・・?」

男「何を囁くんだ?」

幼馴染「ふふふ、わかってるくせに」

男「見透かされてるな」クスッ

幼馴染「夫婦になっても・・・幼馴染みのような関係でいたいなぁ・・」

男「プラトニック??」

幼馴染「初々しいって意味かな?」

男「初夜だしさ」

幼馴染「それでも・・・いつまでもドキドキしたいの」

男「今までさんざん一緒にいてもドギマギしぱなっしだったよ・・・」

幼馴染「ふふふ、初めての女の子はどうでした・・・?」

男「最初で最後の女だからな」

幼馴染「私も・・・最初で最後の男の子だよ・・・」

幼馴染「たくさんしたもんね・・・今まで溜めてた分ぶつけたみたいな」

男「辛く・・・なかったか?」

幼馴染「初めてだから、痛いのは仕方ないよ・・・」

男「やっぱり、痛いんだな・・・」

幼馴染「血も出てたしね・・・君のものにされた証しのね」

男「ものなんて言い方・・・」

男「幼は俺の大切な女の子だ。俺のものなんかじゃない・・・」

幼馴染「えへへ、そう言ってくれるとね、すごく嬉しい・・・」

男「幼・・・」

幼馴染「え、へへへ・・・ん・・男くん ・・・もう一回・・・してほしい」

男「俺も・・・また幼を抱きたい・・・」

幼馴染「好きなだけ・・・堪能して・・・」


ーーーーーー

ーーーーー

幼馴染「とまぁ・・・こんな感じで・・・」

幼友「ほぇ・・・そっかぁラブラブだねぇ」

幼馴染「幼友っちは友くんとは?」

幼友「うーん、似たような感じかな?友くんすごい甘え上手で、なんか癒してあげたいって思ってね・・・」

幼馴染「それでエッチになると」

幼友「すごく優しくしてくれるよ?私の体ばかり気にしてくれて」

幼馴染「友くんの気遣いもすごいねぇ、そんだけ幼友っちにベタ惚れ状態なんだねー」

幼友「自分を好きでいてくれる男をいざ、一緒にいて、過ごしていくと」

幼友「その人のために何かしてあげたいって思っちゃうよね」

幼馴染「わかるわかる。甘えさせてくれるから余計にもっと何かしてあげたいって思うよ」

幼馴染「それでねー」

あ、幼馴染さーん
サークルの件考えてくれましたー?

幼馴染「あ、ごめんね、やっぱりサークルは入らないことにしたんだー」

そんなぁー
興味ある様子だったのに

幼馴染「ごめんねー」

幼友「やっぱり断るよねー」

幼馴染「サークルの姫なんかに祭り上げられた日にゃたまったもんじゃないわ」

幼馴染「まぁ、ああいう事件は高校で嫌ってほど経験したしね」

幼友「さすがに皮肉にしても笑えないかな」

幼馴染「幼友っちもあっちこっちからスカウトされてるみたいじゃん?」

幼友「私の場合はただの色物扱いだよ」

幼馴染「ふーん、そんな立派な二つの果実を持っていながら色物ねぇ」

幼友「女の子がこんな会話しちゃダメだってば」

幼馴染「友くんびっくりしたんじゃないー?普段の服装だとわからないからさ」

幼友「もう・・・やめてよー、た、たしかに友くん喜んでくれたけど・・・」

幼馴染「いいじゃんいいじゃん♪コンプレックスが好きな人のための魅力になったんだからさ」

幼友「うぅー・・・」


友「やっほーい」

幼馴染「噂をすればなんとやら」

友「うい?」

幼友「あ、ううん!なんでもないよ」

幼馴染「じゃ、二人の愛の時間を邪魔するもの嫌なのでこの辺で~」

友「あ、はははは、じゃあ男によろしくね」

幼馴染「はいはいー。幼友っちを大事にしてあげてねー」

幼友「むぅー・・・じゃあまたねー」

友「??なんかあった??」

幼友「ふぇ!?あ、ううん!だ、大丈夫大丈夫」

友「そうだ!新装開店したカフェにでもいかない?この前食べたがってたパフェもあるから・・・」

幼友「き、今日は・・・友くんの家に行きたい」

友「え!?お、俺んち?」

幼友「・・・ダメ・・・?」

友「いえ・・・そんな、是非来てください」

ーーーーー

幼馴染「ふふん、明日から新婚旅行ー」

幼馴染「うへへぇ・・・二人っきりの旅行なんて初めてだもんなぁ」

幼馴染「あつあつのビーチで冷えたジュースを飲みながら騒いで」

幼馴染「夕焼けのドライブに出掛けて、ディナー」

幼馴染「夜は二人でベッドの上で・・・」

幼馴染「でへへへ・・・」

男「全部駄々漏れですよ幼馴染さん」

幼馴染「あ、だーりん♪」

男「だーりん♪じゃなくて」

男「ほらほら、迎えにきたんだから、帰るぞ」

幼馴染「もうー・・・つれないなぁ」

男「俺がストッパーにならなきゃ二人で暴走したら止める人間がいなくなっちまうぞ」

幼馴染「二人っきりのときはいいかもね♪」

男「二人だけならな☆」

ぶるーん


幼馴染「そういえば今日挨拶に行くんだよね?」

男「ああ、そうだよー」

男「明日からはハネムーンだからな、今日の内に報告しないと」

幼馴染「えへへ、そうだね」


ーーーーーー

ーーーーー
幼馴染「じゃあ、お寺に挨拶してくるね」
トコトコ

男「おう」


男「・・・」

男「久しぶりだな親父、母ちゃん」

男「本当はもっとはやく来るつもりだったんだけど、遅くなってごめん」

男「もっとはやく来れたら良かったんだけど、意地と約束で中々うまくいかなくてさ」

男「・・・・」

男「今は幼と二人で支えあいながら、二人三脚で生活してるよ」

男「いつかは三人四脚になるのかな?もう少し先かもしれんけどな」

男「親父と母ちゃんが出来なかったことを」

男「今度は俺たちが実現して見せる」

男「色々問題もあったけどさ」

男「最後は二人想いを貫き通せたからかな・・・」

男「昔親父がいってた、愛に勝るものはないって言ってたけど」

男「ほんとその通りだったよ」クスッ

男「最後は幼の愛に救われたのかな?」

男「だから俺も幼と、いつか生まれてくる新しい命を」

男「親父と母ちゃんが俺にしてくれたように守っていくよ」



幼馴染「あ、男くーん」

男「挨拶終わったのか?」

幼馴染「うん!色々報告もしたしねー」

男「俺も報告してきたよ」

幼馴染「今度は赤ちゃんの報告かな?」

男「そうだな」クスッ

幼馴染「これで本物の家族になっちゃうかな?」

男「いや、俺たちはすでに家族だよ」

幼馴染「あははは、そうだねっ確かに」

男「どんな形でも家族に本物も偽物もない」

男 「俺たちだって、俺の家族だって」

幼馴染「うんっ!」





男・幼馴染「偽物なんかじゃない!」



fin♪

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年06月23日 (火) 11:09:41   ID: 739eyUVm

頑張って下さい。

2 :  SS好きの774さん   2015年07月06日 (月) 22:21:24   ID: 33e2dbw7

男ガンバレ!

3 :  SS好きの774さん   2015年07月20日 (月) 01:32:36   ID: -EyVHTh8

幼馴染が焦らされてる予感,,,!
幼馴染には揺らがないでほしい!

4 :  SS好きの774さん   2015年07月24日 (金) 19:12:37   ID: sbCfK2Ca

これで男2と幼馴染みが引っ付いたら...、クズ確定だなぁ〜。

5 :  SS好きの774さん   2015年08月02日 (日) 19:43:09   ID: m_m1-h08

男2退場でメシウマ。
もう出てくるなよ〜。

6 :  SS好きの774さん   2016年05月29日 (日) 21:37:00   ID: c7L2UArx

そして結婚し数年後…ホモとなった男2(主人公の兄)に掘られる男の姿が…!?

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