響子「今日もまた調理場を借りて作っちゃいました」
P「オムライス、大好物です」
響子「どうぞ、召し上がって下さい!」
P「いただきます。今日のケチャップアートは……クマ?」
響子「正解です!」
P「段々わかるようになってきた」
響子「もっと上手に描きたいんですけどね」
P「十分うまいよ、こっちのハートマークなんか芸術の域だ」
響子「……」
P「さて、いただきます。……やはり美味い」モグモグ
響子「良かった、えへへ」
P「響子のオムライスはレンコン入ってて美味しい」
響子「Pさんがレンコン好きなの、覚えてたので」
P「教えたことあったっけ?」
響子「ふふっ、ありましたよ」
P「マジか、覚えてない」
響子「私は覚えてますよ、絶対忘れません♪」
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数日後
ちひろ「大変です!」
P「どうした!」
ちひろ「何かもうお決まりの展開でなんやかやあって、どうのこうのした結果に響子ちゃんが小さくなっちゃいました!」
P「そうか!」
ちひろ「こちらが小さくなった響子ちゃんです」
響子「……」チマッ
ちひろ「めっちゃ可愛いです」
P「性格変わってるな、大人しい」
ちひろ「ついでにさくらちゃんも小さくなりました」
P「ついでとか言うな」
ちひろ「あのザマです」
P「あのザマとか言うな」
さくら「ねぇー、テレビつけてよぉ」チマッ
P「いつもとあまり変わらんな」
ちひろ「じゃあ後はお願いします」
P「マジかよ」
ちひろ「では」
ガチャッ バタン
P「……」
響子「……」
さくら「テレビつけてよぉ」
P「はいはい、なに見るんだ」ポチッ
さくら「プリキュア」
P「やってないよ、あれ日曜だろ確か」
さくら「じゃあピタゴラスイッチ」
P「やってるかな……やってないな、始まるまで他の見てろ」ポチッ
さくら「はぁい」
響子「……」
P「響子もテレビ見ろ」
響子「……」タジ
P「怖くないよ、大丈夫」
響子「……誰ですか」
P「ん?」
響子「……」
P「俺? 響子のプロデューサーって言って、分から、ない、みたいだな」
響子「……」
P「まぁ、分かったら響子が俺を怖がるわけ無いか」
さくら「おじさん何するひと?」
P「おじさんじゃない」
さくら「何するひと?」
P「プロデューサー」
さくら「??」
P「お兄さんは、プロデューサーです」
さくら「ぷりょ……」
P「プロデューサー」
さくら「ぷりょりゅーさー」
P「惜しい」
響子「……プロデューサー」
P「おっ、響子はちゃんと言えるな、偉いぞ」ナデナデ
響子「……」
さくら「ぷぉにゅーさー」
P「言えてないけどさくらも撫でてやろう」ナデナデ
さくら「えへへー」
P「子供ってどう対応すればいいんだろう」
響子「……」
さくら「おやつ」
P「遊んでやればいいのか」
響子「……」
さくら「おやつ」
P「取りあえずおやつ食べるか」
さくら「たべる!」
響子「……」
P「ドーナツがあるな、これでいいか、後で買い直しておこう」
響子「ドーナツ……」
P「響子の分もあるぞ、おいで」
響子「……」テテテ
P「では、ちゃんと自己紹介できたらドーナツをあげよう」
さくら「じこ……?」
響子「……?」
P「じゃあ響子、お名前と歳を教えて下さい」
響子「あ……えっと、いがらし、きょうこ、5さいです」
P「ちゃんと言えて偉いから、ドーナツをあげよう」
響子「あ、ありがとうございます……!」
P「にしても、十歳も若返ってたか」
さくら「さくらにも聞いてー」
P「さくらにも聞こう、お名前と歳を教えて下さい」
さくら「さくらはぁ、さくらでぇ、5さいでぇす」
P「ふむ」
さくら「えらい?」
P「偉い、けど苗字は?」
さくら「みょーじ」
P「さくらは、何さくらちゃんですか」
さくら「……」
P「……」
さくら「……むだまつ」
P「無駄ではない、決して無駄ではない」
さくら「むだではない」
P「村松」
さくら「むらまつ」
P「よし、ドーナツをあげよう」
さくら「わぁい♪」
響子「……」パクッ
さくら「……」モグモグ
P「幼女が夢中でドーナツを頬張る姿……何だこれ可愛いぞ」
ガチャッ
法子「ただいまー!」
P「おかえり法子」
法子「うん! ……あれ!? ドーナツ無い!?」
響子「!」
さくら「!」ビクッ
P「ああ、すまん、後で買い直しておこうと思ったんだが」
法子「えー、楽しみにしてたのにー!」
響子「あ、あのっ……!」
法子「えっ?」
響子「あの……わたしが、ドーナツ食べちゃいました……」
法子「……」
響子「あの、ごめんなさい……べんしょうします……」
法子「……?」
P「響子です、色々あって縮みました」
法子「響子ちゃん!?」
響子「っ」ビクッ
法子「あっ、ごめんね、いい子いい子……超かわいい」ナデナデ
さくら「……」ソー
P「おい、さくら、なぜ俺のほうに使った皿を寄せるんだ」
法子「そっちはさくらちゃん!?」
さくら「ぷろゆーさーさんがドーナツ食べた」
法子「プロデューサーって言えてない! 可愛い!」
さくら「ぷろゆーさーさんが食べた」
法子「口の周りにチョコ付いてるよ」
さくら「ついてない」
法子「ドーナツ食べたでしょ」
さくら「しらないもん」プイッ
法子「ふてぶてしい! 超かわいい!」
さくら「さくら皆からかわいいって言われる」
法子「うん、可愛い」ナデナデ
さくら「えへへー」
法子「ドーナツ食べたでしょ」
さくら「……ほんとは食べた」
法子「美味しかった?」
さくら「ちょーおいしかった!」
法子「良かった! 正直に言えたから許してあげる!」
法子「うっ、ドーナツ分が切れそう……ミスド行ってくるね!」
P「あ、待て待て……これ、ドーナツ代」
法子「えっ、いいのに」
P「お詫びと手間賃いれて千円な」
法子「んー、じゃあ貰っちゃう、ありがとっ!」
P「気を付けて行っておいで」
法子「うん! 響子ちゃんもさくらちゃんも、またねっ」
さくら「またねー」パタパタ
響子「ドーナツ、ごちそうさまでした」フリフリ
法子「手ぇ振ってる! 超かわいい! またねっ!」
ガチャッ バタン
P「さくらおいで、口の周り拭いてやる」
さくら「えー」
P「動くな動くな……よしよし」フキフキ
さくら「んむー」
P「響子も拭いてやる」
響子「あ、だいじょうぶです……」
P「いいからいいから」フキフキ
響子「ん……」
P「よし、綺麗になった」
響子「ありがとうございます……」
P「どういたしまして」
響子「……ハンカチ、かして下さい」
P「ん? いいよ、はい」
響子「しゃがんで下さい」
P「しゃがむの? うん、はい」
響子「……」フキフキ
P「……あれ、俺も汚れてた?」
響子「少しだけ」
P「そっか、ありがとう響子」
響子「は、はい……どういたしまして」
P「何かして遊ぶか」
さくら「ピタゴラスイッチ!」
P「お前それ好きな」
さくら「じょうずに体操できるもん」
P「響子は何したい?」
響子「わたしは、なんでもいいです」
P「じゃあとりあえず体操するか」
さくら「やったぁ」
テッテテッテ テッテテッテテー
さくら「こっち向いて二人でまえならえー♪」
P「待て、三人いる」
~中略~
響子「手をよこにー あらあぶない♪」
さくら「あたまを下げれば ぶつかりません♪」ペチッ
P「身長差がありすぎて下がると顔面にぶつかる」
さくら「ぷよるーさーさんスイッチの つくりかた♪」
P「語呂が悪いな」
さくら「空きばこに ボタンを五つ描きまして♪」
P「空き箱? ちょっと待ってて」
響子「ひらがな五つ入れたなら」
P「待てって。ティッシュ箱でいいか」
響子「まがるストロー アンテナにして♪」
さくら「ぷよるーさーさんスイッチの できあがり♪」
P「出来てないよ、まだティッシュ裏返しただけだよ」
さくら「……」
響子「……」
P「ストロー……あったかな」
さくら「ぷよるーさーさんスイッチの つくりかた♪」
P「二回目? 待て待て待て、必要なもの準備するから待て」
さくら「ぷろうーさーさんスイッチ」
響子「おねえさんも可!」
さくら「いきますよー♪」
P「さくらは呼び方を統一しろ」
さくら「ぷろうーさーさんスイッチ『ぱ』」ポチッ
P「ぱ!?」
さくら「ぱ」
響子「がんばって下さい!」
P「……師よ、技を借ります。空まで飛んでけパラグライダー!」ピョーン
さくら「あははははっ!」
響子「ふふっ、あははっ」
P「尊敬する師匠の持ちネタだ、面白かったか」
さくら「まぁまぁ」
P「あんなに笑ってたのに……」
さくら「……ふぁ~」
P「眠いのか?」
さくら「ねむい」
P「じゃあお昼寝タイムにしようか」
響子「あっ……」
P「ん?」
響子「……なんでも、ないです」
P「言ってみろ言ってみろ」
響子「……わたしは、まだ平気です」
P「そうか、じゃあ取りあえずさくらだけ寝かせよう」
さくら「ねる」
P「ソファーまで頑張れ」
さくら「んー」
P「スイッチ持ったまま寝る気か、壊さないように置いとけ」
さくら「やだー」
さくら「……zzz……」スピー
P「すごい早さで寝た」
響子「毛布、かけてあげなきゃです」
P「その通りだ、響子は気が利くな」
響子「えへへ」
モフモフ
P「よし、と……それじゃあ、響子は何して遊びたい?」
響子「……」
P「ん?」
響子「……なんでも、いいです」
P「ふむ」
響子「……」
P「響子はもっと、積極的になっていい」
響子「えっ?」
P「やりたい事とか、どんどん言っていいぞ」
響子「でも……」
P「俺の知ってる響子は、もっとぐいぐい来る、強い」
響子「ぐいぐい?」
P「ぐいぐい来るのが響子の魅力の一つだ」
響子「みりょく?」
P「響子のそういう所が好きってこと」
響子「……」
P「さあ、何がしたい、何でもいいぞ」
響子「……でも、大人のひとには、多分つまんないです」
P「問題ない、俺はほら、ものを楽しむ達人だから」
響子「……」
P「……」
響子「……おままごと、したい」
P「よし! じゃあテーブル用意しよう」
響子「あのっ、わたしママやってもいいですか?」
P「いいよ、じゃあ俺パパね」
P「ただいまー」
響子「おかえりなさい!」パタパタ
P「いやー今日も仕事がんばった」
響子「お疲れさまです、かばんお持ちしますね」
P「ちょっと重いぞ」
響子「だいじょうぶです、よいしょ」
P「ありがとうママ」
響子「えへへ。ご飯できてますよ」
P「今日のご飯なに?」
響子「……なにが好きですか?」
P「んー、ハンバーグ」
響子「じゃあハンバーグです!」
P「あとオムライス」
響子「ハンバーグとオムライスです!」
P「レンコン好きだから、どっちかにレンコン入れてね」
響子「えへへ、わかりました」
響子「オムライスに、ケチャップでハート描きました」
P「やった」
響子「はい、めしあがれ♪」
P「いただきます。もぐもぐ、美味しい」
響子「えへへ」
P「ハートの所、食べるの勿体ないな」
響子「のこしちゃダメですよ」
P「ママはハートを描くのが上手いなぁ」
響子「……でもホントに描いたらへたっぴなんです」
P「ん? そんなことないぞ、いつも描いてもらってるけどかなり上手だ」
響子「……? じゃあ練習しておきますね」
P「うん」
響子「スプーンかして下さい」
P「はいよ」
響子「はい、あなた……あーん」
P「あーん」
響子「えへへ、いっぱいたべて下さい♪」
響子「お風呂にはいりましょう!」
P「わかった」
響子「お背中あらいますね」
P「頼みます」
響子「じゃぶじゃぶ」
P「綺麗になった?」
響子「なりました!」
P「じゃあママも洗ってあげよう。後ろ向いて」
響子「お願いします」クルッ
P「じゃぶじゃぶ」
響子「くふふっ、ちょっとくすぐったいです!」
P「……」
響子「……?」
P「えいっ」コチョコチョ
響子「きゃっ! あははっ! ダメです、お風呂であそんだら危ないですよっ、あははっ!」
P「明日も仕事だから寝ようか」
響子「はい」
P「じゃあ、おやすみ」ゴロン
響子「あっ、まって下さい」ヨジヨジ
P「……何故お腹の上に乗る」
響子「ええと、何だっけ……あっ、そうだ、マッサージです!」
P「寝る前のマッサージ? ママは尽くす人なんだな」
響子「ほしいものをお願いするマッサージです」
P「うん? よく分からんが、マッサージなら俺、うつ伏せの方が良くないか?」
響子「?? パパはいつもこっち向きです」
P「……待て、それはもしや」
響子「弟がほしいです!」ユサユサ
P「ゆさゆさするな」
響子「えっ、でも、こういうマッサージだってママが……」
P「……そのうち弟は生まれるよ多分」
響子「ホントですか!?」
P「うん、でもそのマッサージは大人がやるやつだから、響子はもう真似しちゃ駄目だ」
響子「あっ、そうなんですか、ごめんなさい……」
P「……すやすや」
響子「……」ツンツン
P「ん?」
響子「なんでもないです」
P「そう」
響子「……」
P「……すやすや」
響子「……ふふっ」ツンツン
P「なんだママ」
響子「え? なんにもしてないですよ?」
P「そうか」
響子「……」
P「……すやすや」
響子「……えへへ」ツンツン
P「捕まえた!」ガシッ
響子「わっ! あっ!」
P「イタズラする悪いママはくすぐりの刑だ」
響子「きゃーっ! ごめんなさいごめんなさい! あははっ!」
P「んー?」
響子「やだやだ! あははっ! ごめんなさい、やだー!」バタバタ
P「おやすみなさい」
響子「はぁ、はぁ……おやすみ、なさい」
P「……すやすや」
響子「……よいしょ」ギュー
P「ん?」
響子「えへへ」ギュー
P「……すやすや」
響子「……すやすや」
P「……」
響子「……ちゅんちゅん」
P「ん?」
響子「あなたー、朝ですよー」
P「寝た気がしないな」
響子「めだま焼きとたまご焼き、どっちにしますか?」
P「目玉焼きも玉子焼きの一種では?」
響子「??」
P「目玉焼きで」
響子「はーい、すぐに作りますねっ!」
響子「ネクタイ結んであげたいです」
P「そうか、じゃあお願いしようかな」シュルッ
響子「えっと……うしろに回して、かさねて」
P「ネクタイ結べるなんて凄いなぁ」
響子「えへへ、パパにやってあげたことあります……えっと、くるってして」
P「……」
響子「えっと……」
P「……」
響子「……あれ? ええと……」
P「輪っかにして、後ろから輪っかに通して」
響子「輪っかにとおして……」
P「細いほう持って、引っ張って」
響子「ひっぱる……できました!」
P「ありがとうママ、じゃあ会社に行ってきます」
響子「あっ、いってらっしゃいのチュウしなくちゃです!」
P「じゃあ、ほっぺにしてくれ」
響子「はい……ちゅっ♡ えへへ、いってらっしゃい」
P「ぴっぽっぱっ……もしもし、ママですか」
響子「もしもし、ママです」
P「今日の夕飯は何ですか」
響子「きょうはオムライスです!」
P「オムライス大好きです」
響子「ふふっ、レンコンも入ってます」
P「やった」
響子「はやく帰ってきて……あれ?」
P「ん?」
ピカー
P「何か光ってる」
響子「……?」
さくら「……zzz……」ピカー
響子「あかちゃんが光ってる!?」
P「赤ちゃん役だったのかさくら」
P「えっ、さくら何で光ってんの」
さくら「……zzz……」ピカー
響子「ど、どうしよう……」
P「俺が見てみるから、響子はちょっと離れてて」
響子「あ、あぶないのは、ダメですよ……」
P「大丈夫」
さくら「……zzz……」ピカー
P「……見事に光ってるな、何これ」
さくら「……zzz……」ピカー
キラッ
P「眩しっ、何だ……?」
さくら「……んー?」
響子「あかちゃん大きくなった!?」
P「……元に、戻ったみたいだな」
さくら「……なんですかぁ」
P「おはよう」
さくら「おはようございまぁす」
P「戻れて良かったな」
さくら「……? 変な夢みた」
P「ほう」
さくら「ちっちゃいイズミンとアコちゃんと遊ぶ夢みました」
P「いや、小さくなったのはさくらだよ」
さくら「……?」
P「……あれ? スイッチどうした?」
さくら「スイッチ?」
P「ぷよるーさーさんスイッチ、持ったまま寝てたろ」
さくら「??」
P「覚えてないのか?」
さくら「……ふぁ~、何か眠いですよぉ、もう一回ねよー」パタリ
響子「さくらちゃん、いっしょに遊んだの忘れちゃったんですか……?」
P「みたいだな」
響子「さみしい……」
P「うん」
響子「……」
P「……」
響子「……あの、ぎゅって」
P「うん」
ギュッ
響子「……」ギュー
P「……」
ピカー
P「おっ」
響子「……えっ」ピカー
P「まぁ、さくらが戻ったって事は、響子もそろそろだわな」
響子「あれ? 光ってる……あれ?」
P「大丈夫、元の大きさに戻るだけだから、怖くないよ」
響子「……もどるって、えっ……大きくなるんですか……?」
P「うん、まぁそんな感じ」
響子「……もどったら、さくらちゃんみたいに」
P「ん?」
響子「今日のこと、忘れちゃいますか……?」
P「……んー、どうだろ」
響子「……」
P「……」
響子「……忘れたくないです」
P「うん」
響子「……」
P「……」ナデナデ
響子「プロデューサーさんのこと、忘れたくないです……」
P「うん、まぁ分からん、覚えていられるかも知れないし」
響子「……あの」
P「うん」
響子「……プロデューサーさん、好き」
P「そっか、ありがとう、俺も響子のこと好きだよ」
響子「今日のこと、ぜったい」
P「うん」
響子「ぜったい、ぜったい忘れないので……」
P「うん」
響子「大きくなっても覚えてたら、プロデューサーさんの……」
P「……」
響子「……お嫁さんにして下さい」
P「……分かった、お嫁さんにする」
響子「やくそく、ですよ」
P「うん」
響子「ぜったい、忘れません、覚えてますから……」
P「うん」ナデナデ
P「大人になっても俺のこと好きだったら」
響子「……」
P「直接言うか、何かでちゃんとアピールしてくれよ」
響子「……」
P「俺、鈍感だから」
響子「……」
P「……」ナデナデ
響子「じゃあ……本物の、お嫁さんに、なれるように……」
P「うん」
響子「お料理も、ほかの色んなことも、いっぱいれんしゅうします……」
P「うん」
響子「それで、ハートも、じょうずに描けるようにして……」
P「うん」
響子「大人になったときに、まだ好きって伝わるように、オムライス――」
キラッ
P「……」
響子「んっ……」
P「……戻った」
響子「……あれ?」
P「おはよう」
響子「Pさん……わっ、わっ!」
P「どうした?」
響子「なんで、抱きかかえられて……わぁっ……」
P「……」
響子「あ、あの、ごめんなさい、寝ちゃってましたか、私」
P「……まぁ」
響子「ごめんなさい、重かったですよね! すぐ降りますので」ワタワタ
P「今日のこと覚えてるか?」
響子「今日の事、ですか?」
P「うん」
響子「えっと……急にピカッて、光って……気付いたら、今でした」
P「……」
響子「……悲しい感じの夢を、見てました」
P「夢?」
響子「はい。両親が、私のこと分からなくなっちゃうんです」
P「……夢の他には、何か覚えてないか?」
響子「……んー、ごめんなさい、覚えてないです」
P「……そっか」
また数日後
響子「はい、出来ました!」
P「やった」
響子「レンコンも入ってます。どうぞ、召し上がれ♪」
P「いただきます。今日のケチャップアートは……ネコ?」
響子「正解です!」
P「どんどん絵が上手くなってる。こっちのハートなんか最早プロの技だよ」
響子「……」
P「味もプロ並だ、美味しい」
響子「えへへ」
P「ネコとかハートとか、スプーン入れるのが勿体ない」
響子「残しちゃ駄目ですよ」
P「いや残さないけど」
響子「……」
P「勿体ない、こんなに素晴らしいハートなのに」
響子「……あの」
P「ん?」
響子「ハート……何か、思い出したりしませんか?」
P「ハート? んー……」
響子「……」
P「ハートを上手に……ん? オムライス、んん? 待てよ、響子」
響子「は、はいっ!」
P「やっぱりこの前のこと、覚えてるんじゃないか?」
響子「??」
響子「この前って、例の、小さくなっちゃったっていう日ですか?」
P「うん」
響子「んー……ずっと見てた夢は鮮明に覚えてるんですけど」
P「ああ、悲しい夢がどうのって」
響子「はい、夢の中では、パパもママも私のことを知らなくて」
P「ふむ」
響子「小さい私が居るらしくて、でもその小さい私が居なくなっちゃって」
P「居なくなった」
響子「そうなんです、それで、私も探すのをお手伝いしたんですけど」
P「見つかったのか?」
響子「見つからなかったんですよね……」
P「そうか……その後ちゃんと見つかってるといいけど」
響子「ですね……って夢の話ですよ、あははっ」
P「……小さくなってた時の記憶は無いと」
響子「……ごめんなさい」
P「いや、いいんだ」
P「ちょっとネクタイ結んでもらえるか」シュルッ
響子「ネクタイですか? はい、いいですよ」
P「じゃあ頼む」
響子「よいしょ」スルスル
P「……」
響子「後ろから、輪っかに……」スルッ
P「……」
響子「細いほうを持って、引っ張って……はい、出来ました!」キュッ
P「……じゃあ」
響子「?? 何ですか?」
P「じゃあ会社に行ってきます」
響子「ふふっ、ここがもう会社……あれ? 待って下さい……」
P「……」
響子「……っ! あっ、あ、ええと……」
P「……」
響子「あの、行ってきますの、チュウ……なんて」
P「じゃあ、ほっぺにしてくれ」
響子「……っ」
P「本当にこの前の事、覚えてないのか?」
響子「ご、ごめんなさい、この前のことは、思い出せないんですけど……」
P「ふむ……」
響子「……オムライス、冷めちゃいますよ」
P「うん、いただきます」
響子「……」
P「何度か響子にオムライス作って貰ったけど」
響子「……」
P「ハートの絵は、そういえば毎回描いてあったな」
響子「それは、描きますよ……」
P「……」
響子「Pさんの気持ちは変わっちゃってるかもって思って」
P「……」
響子「今さら迷惑かもって思って、言えませんでしたけど」
P「……」
響子「私は、ずっと……」
P「こっち来て」
響子「……はい」
P「……」
響子「……」
P「さっきの」
響子「さっきの……続き、ですか……?」
P「……」
響子「……ほっぺで、いいんでしたっけ……あの、それとも……」
P「……」
響子「……」
P「……」
響子「……」スッ
ガチャッ バーンッ
ちひろ「大変です!」
P「!!」
響子「……!」ササッ
P「ど、どうした」
ちひろ「……あ、何かお邪魔だったみたいですね」
P「いや……」
響子「……」
P「それより、何があった」
ちひろ「このザマです」
P「ん?」
さくら「……」チマッ
P「……」
さくら「ぷよるーさーさんスイッチ おねえさんも可!」
P「何でまた小さくなってんだよさくら……」
さくら「いきますよー♪」
P「スイッチあったのか」
響子「……さくらちゃん!?」
P「ああ、この前は響子もこんな感じだったぞ」
響子「わぁ! このスイッチ、わっ、懐かしい……!」
P「懐かしい、ふむ……」
さくら「ぷよるーさーさんスイッチ『ぷ』」ポチッ
P「ぷ!?」
さくら「ぷ」
P「ぷ、ぷ……」
さくら「わくわく」
P「プロデュース活動……?」
さくら「??」
P「……いや」
響子「……」
P「響子」
響子「は、はいっ」
P「響子は大学は行くのか」
響子「えっ? え、大学、ですか? はい、多分……」
P「アイドルをそれ以降も続ける気は?」
響子「えっと、高校生のうちは、続けようと思ってます」
P「ふむ」
響子「大学は分からないですけど、続けたとしても、卒業までかなって」
P「そうか」
響子「卒業したら、普通に就職とか……もしくは……えっと」
P「……」
響子「……」
ちひろ「何かピンク色な空気なんで、向こう行きましょうねー」
さくら「ピンク! さくらはぁ、ピンクが大好きぃ」
ちひろ「そうだねー」
P「響子」
響子「……はい」
P「七年、待てるか」
響子「……」
P「もし、その頃まで俺のこと――」
響子「好きに決まってます」
P「ん?」
響子「十年間もずっと好きだったんですから、七年後も好きに決まってます」
P「……そっか」
響子「約束、ですからね」
P「うん」
響子「私は、ぜったい覚えてますから、ずっと好きですから」
P「うん」
響子「Pさんも、今度は忘れたら駄目ですよ」
P「分かった」
響子「……えへへ」
P「じゃあ、七年後、大学を卒業したら」
響子「はい」
P「……」
響子「……」
P「……言うの恥ずかしい」
響子「そこははっきり聞きたいです!」
さくら「お姉さんスイッチ『あ』」ポチッ
ちひろ「あ、あ……甘いもの食べる?」
さくら「たべる!」
ちひろ「でも良い子にしかあげません」
さくら「ちょうだいっ、いい子にするから、ちょうだいっ」
ちひろ「それなら、はい、どうぞ」
さくら「わぁい♪」
ちひろ「やっぱりあーげないっ」ヒョイッ
さくら「……」ジワッ
ちひろ「わっ、ごめんなさい! はい、あげる、いっぱいあるから全部あげます!」
さくら「えへへぇ、やったぁ」
ちひろ「私も食べよ」
さくら「えー、さくらがぜんぶ貰ったのにぃ」
ちひろ「……」
さくら「えへへー」
ちひろ「分ーけーてっ」
さくら「もー、しょうがないなぁ……じゃあー、分けてあげるねっ」
ちひろ「うざ可愛い……」
以上です。
分かりにくかったら申し訳ありません。矛盾などは見つけても見なかった事にして下さい……。
ではHTML化の依頼を出して参ります。
村松を出したのは趣味です。
ご覧いただきましてありがとうございました。
このSSまとめへのコメント
いつもの河合Pとは別世界観なのかな。
正確は完全に河合Pな気がするけど……
河合Pよりは若干大人っぽい気もする
こういうのもいいね
じんわりあったかい話でとても良かった