魔族との和平交渉の結果(30)

王「ということで、勇者、生贄になってちょ」

勇者「はい?」

王「向こうからの条件が勇者を引き渡せ、みたいな感じみたいな」

勇者「…………」

王「この国の平和のために、頼むよいやマジで」

勇者「納得いくかーー!!」

王「え~だって勇者一人で皆ハッピーになれるんだよ?」

勇者「いやいやいやいや俺は?」

王「ということで、おねっしゃーす」

勇者「ということで魔王城に連行された」

勇者「やっぱ死ぬのかな俺」チラッ

兵士「…………」サッ

勇者「…………」

兵士「…………」サッ

勇者(目を避けるな!なんか怖くなってくるだろ!!)

ピーンポーン

勇者(魔王城にインターホンがある…)

側近「はいはい…あぁ、こんにちは、私は側近と申します」ペコッ

勇者「…お…おう」

側近「では、行きましょうか」

勇者「…正直死ぬ覚悟できたんだけど」

側近「はい、この部屋が勇者様のお部屋です」

勇者(何故か部屋に案内されている)

側近「はい、困ったことあったら呼んでね~」

勇者(そしてその部屋が超豪華)

勇者「ハッ…まさかこれから魔王の玩具てきな物にされるとかか?」

勇者(いや…それならこんな豪勢な部屋に案内されないだろ…)

勇者「う~~ん」

??「あなた…勇者?」

勇者「あ、あぁ俺は勇者だ…えっと…君は?」

??「私…魔王」

勇者「え?」

魔王「…会えてうれしい」ニコッ

勇者「…魔王?」

魔王「うん、魔王」

勇者(魔王…あれ、魔王って何だっけ?)

魔王「…?」

勇者(魔王って、魔族の王で人間を滅ぼそうとする悪逆非道な…)

魔王「…大丈夫?」

勇者「…魔王?」

魔王「うん」

勇者(…貫禄があり…溢れんばかりの闘気が)

魔王「…?」

勇者「魔王?」

魔王「うん」

勇者「魔族の王?」

魔王「うん」

勇者(…こんな少女が…魔王…俺の…最終目標…)

魔王「どうしたの?」

勇者「いや…もう大丈夫だ…」

魔王「そう、ならはじめよ」

勇者「…な、何をだ?」

魔王「…わからないの?」

勇者「わ、わからないな」

魔王「そう」

勇者(教えてはくれないのか…)

魔王「待って、準備する」

勇者「…えっと…わかった」

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォ

勇者「く、空間が歪みだしたっ!?」

魔王「じゃ、始めよう?」

勇者「ゴ、ゴクリ」

魔王「…………」ニコッ

魔王「弱いね…勇者…がっかり勇者」

勇者「繋げるな!!」

魔王「もう終わり…みたい」

勇者(やはり強い…さすがは魔王だ…)

勇者「だがその慢心が貴様の敗北を招く!!」

勇者「くらえ、この一撃!!」

魔王「だから…無駄」

勇者「まだまだ!!」

魔王「残念…残念勇者」

勇者「馬鹿な…これを捌ききるだと!?あと繋げるな」

魔王「残念な勇者」

勇者「な…何っ!?」

魔王「これで、終わり」

勇者「うわーーーーーーーー!!!」

「チェックメイト」

魔王「勇者、弱い…話にならない」

側近「さっすが魔王様!!」

勇者「な、なんて強さだ…ナイトの使い方が滅茶苦茶上手い…」

魔王「…私、強いから」

勇者「も、もう一回これで勝負だ!!」

数十分後

魔王「これで…王手」

勇者「ぐぉぉぉぉぉ!!」

側近「勇者様、祝30回目!!」

勇者「それ何の回数だよ!?」

側近「勇者様が絶望のあまり叫び声を上げた回数です」

勇者「…お前楽しんでるな」

側近「なにをわかりきった事を」

勇者「…ならば仕方あるまい…こいつで勝負!!」

魔王「…いいよ」

勇者「四つ角全て取られるだと…!!」

魔王「…残念」

勇者「馬鹿な…これには結構自信あったのに…」

勇者「って違ーーーーーう!!」

勇者「つい熱くなって重要なことを忘れていた…」

魔王「どうしたの?」

側近「察してあげて下さい魔王様、負けすぎて頭が

勇者「違う」

側近「だったら何が違うのですか?」

勇者「え?何?おれ生贄になるんじゃないの?」

魔王「…?」

側近「どういう事ですか?」

勇者「え…だって俺そう言われて来たけど?」

側近「おかしいですね…私はただ勇者をこちらに下さいと申したのですが…」

勇者「あ~…なるほど」

側近「何でですか?」

勇者「いや、こっちの王が勘違いしたみたいでな」

勇者「生贄をよこせって言ってる、って」

側近「そんな…こんな可愛い魔王様がそんな事言うわけ無いじゃないですか!!」ダキッ

魔王「く…るしい…」

勇者「はいそこ、やめたげて」

勇者「勇者の俺ですら魔王はなんか…貫禄ある奴を想像してたからな」

側近「なるほどそういう事でしたか…しかし、安心してください、そんな事全然ないので」

勇者「…それに戦争してた相手に勇者引き渡せとか」

魔王「…戦争してたの私たちじゃない」

勇者「え?」

魔王「私のこと気に入らない人たちが勝手にしてた」

勇者「そうなのか?」

魔王「しかも隠れて」

側近「えぇ、その勢力を潰…説得して戦争をやめさせたんです」

勇者「…なんか隠された事実が明るみに…」

魔王「言い聞かせた」

勇者「あれ…説得したのか?どっちだ?」

側近「はい、今は皆故郷に帰って幸せに暮らしてます」

勇者「どんな説得したんだよ…」

魔王「そんな事より、次」

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォ

勇者「…あの、本当に悪いんだけど空間捻じ曲げてゲーム取り出すのやめてくれないか?」

魔王「なんで?」

勇者「心臓に悪い」

魔王「…楽なんだけど…わかった」

トテトテトテ…ガラッ…トテトテトテ

魔王「次の」

勇者「む…これ以上俺を痛めつけるというのか…というかすぐそこの棚に入ってるなら取りにいけよ魔法使うなよ」

側近「魔王様、勇者様の哀れな姿を鑑賞したいのは山々なんですが、もう寝る時間ですよ」

魔王「そう、わかった」サッ

勇者「そんな時間か」

側近「では、お休みなさーい」

バタン

勇者「…そっか、ナチュラルに皆居たけどここ俺の部屋か」

勇者「なんか変なことになってきたな…」

勇者(これからどうなることやら…)

勇者「寝るか…」

ドスッ

勇者「グハッ…な、何だ!?」

魔王「おはよ」

勇者「ま、魔王!?」

勇者「あぁ…(そういえばここは魔界か)」

魔王「行こ、勇者」

勇者「まて、今何時だ?というか何処に?というか飛び乗るな」

側近「今人間界で言う所の…3時ですね」

勇者「…早くね」

魔王「そう?」

側近「私達的には普通なんですけど」

魔王「なら…何時頃?」

勇者「いや、起きたからもういいや」

魔王「そう、なら行く」

勇者「だから何処に?」

側近「ご飯です」

勇者「あぁ…早いな…本気で早い…そして魔王から説明を受けたことが無い」

魔王「気にする事は無い」

魔王「頂く」

勇者「頂きます」

側近「はい、めしあ上がって下さい」

勇者「これ、お前が作ったのか?」

側近「はい、そうですよ」

勇者「…料理人みたいのは居ないのか?」

側近「このお城には私と魔王様ともう一人しか住んでません」

勇者「こんなでかい城なのに…大変じゃないか?」

魔王「側近は優秀だから平気」

側近「キャー褒められちゃいました!」ダキッ

魔王「ムグッ…くるしい…」

勇者「はい、やめてあげようね」

側近「あれ~勇者様羨ましいんですか?」

勇者「いやそんなわけ無いから」

側近「このロリコン!!」

勇者「いやだから違うって」

魔王「…勇者はろりこんなの?」

勇者「おい、変なこと吹き込むなよ。覚えるだろ」

側近「そうですよ~気を付けて下さいね魔王様はロリなんですから」

魔王「私はろりなの…?」

側近「キャーもーかわいい!!」ダキッ

魔王「ムグッ」

魔王「頂いた」

勇者「ご馳走様」

側近「はい、お粗末様」

勇者「なんか、庭とか剣振れる所ないか?」

側近「ありますよ、案内しますね」

魔王「私も」

側近「残念ながら魔王様はお仕事が御座いますよ」

魔王「…え」

側近「そ、そんな悲しい顔しないで下さいよ済ませたら勇者様と遊べますよ~」

魔王「…わかった」

側近「というか、地図渡しておきます」

勇者「それは助かる」

側近「ここから出た所に庭があるので、そこなら大丈夫ですよ」

勇者「ありがとな」

側近「いえいえ、では私もこれで」

勇者「…広い…こんなとこに3人…いや4人か」

勇者「…まさか魔王城がこんなに守りが手薄とは」

タッタッタッタ

勇者「あれ…誰か来る」

?「…む、貴様は…」

勇者「お前…剣士か?」

勇者「あんなに旅の途中で襲ってきた奴とこうして会うとはな」

剣士「…いかにも、確かに貴様がこの城に来るとは…」

勇者「ま、昔やりあってたが、今はもうそんな関係じゃない、仲良くやろう」

剣士「…そうだな、仲良くしよう」

勇者「所で、この庭にはどう行けばいいんだ?」

剣士「む、そこは私も行くところだ、運がいいな」

勇者「そうか、助かる」

剣士「何か用事か?」

勇者「あぁ、剣を振りに」

剣士「毎日の癖という奴か」

勇者「あぁ、これをしないと調子でないんだ」

剣士「…なら、私と訓練するか?」

勇者「いいのか?」

剣士「あぁ、私もそのつもりだったしな」

勇者「それは助かる、お前腕いいからな」

剣士「それは貴様にも言えることだ、まさか人の身であそこまで出来る奴がいるとは」

勇者「西の砦の時はどうなるかと思ったぞ」

剣士「何を言う、私はあそこで貴様を仕留めるつもりだった、まさか切り抜けられるとは」

勇者「あの時の…何だったか…イ…イ…」

剣士「インフィニット・モーメントか?」

勇者「そう、あれは驚いた」

剣士「あれは私の先天的な力だからな、大して凄くない」

勇者「いやいや、やばいってあれは」

剣士「そんなこと言うならお前の聖王気なんてあれを打ち破ったじゃないか」

勇者「あ~…あれは偶然使えたんだ、今はもう」

剣士「火事場の馬鹿力ということか…だがあれは…まいいか」

勇者「なんか、こんな会話出来るなんて嘘みたいだ。だが戦争してたのはお前達じゃないんだろ?」

剣士「いやいや、攻め込まれたんだ。なら迎撃するだろ」

勇者「…確かに」

剣士「お前、魔族に恨みはないのか?」

勇者「どうした急に」

剣士「いや、もっと反発的な感じを予想してたんだが…けっこうフレンドリーだからな」

勇者「あぁ…最初はそうだが…何か魔族みたいな空気じゃないから気が抜けちまったのかもな」

剣士「あぁ…魔族に野蛮な者が多いのは否定はしない」

勇者「まぁ、まだここにいる3人にしか会ってないけどな」

剣士「よし、着いたぞ」

勇者「おぉ、思ったより広いな」

剣士「全部防御結界で守られているから、いくら暴れてもいいんだ」

勇者「それは便利だ」

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