セミ「おい、そこのニート」 男「え?」(44)


「セ、セミが喋った!?」

セミ
「なんだよ、セミが喋ったら悪いのかよ」


「悪いわ!お前は生物学上喋っちゃいけないことになってんの!」

セミ
「そんなもんお前ら人間が勝手に決めたんだろーが。知らんわそんなこと」


(こいつ・・・めちゃくちゃだ・・・)

セミ
「いきなりだけどさ、お前何してんの?」


「えっ・・・」

セミ
「お前もう今年で24だろ?仕事にも就かず何してるわけ?」


「う、うるせーな!お前には関係ないだろ!」


「俺は今自分が本当にやりたいことを探してんだよ」

セミ
「ケッ、どうだか・・・・・。」

セミ
「お前は良いな、気楽に生きることができて」

セミ
「俺はそうはいかねー。鳴いて鳴いて鳴きまくってメスと交尾しなきゃいけねーんだ。」

セミ
「しかもタイムリミットは1週間と来た。グズグズなんかしてられねぇ。」


「なら俺に構わず鳴いてりゃ良いだろ・・・・・。」

セミ
「鳴きながら喋ってるから問題ない」


「器用だなお前!」


「でもお前さ、偉そうに言ってるけど結局鳴くだけだろ?」

セミ
「あ゛?」


「そんなに偉そうに語る資格無いだろ。そもそもお前虫だし・・・」

セミ
「おい」



「?」

セミ
「1週間だ。1週間で女とヤれるか?」


「ド直球で言うのやめてくれ・・・・」

セミ
「『うほっ、いい女・・・』
      ↓
『やらないか』

『アーーーッ!』
この流れを1週間だ。」

セミ
「お前できる?」


「うっ・・・・」

セミ
「だろ?」


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