夕立「今日も帰って来ないっぽい?」
時雨「…そうだね」
夕立「んー、今日で1週間かぁ…提督さんどこいっちゃったのかな?」
時雨「…きっと、とても大事な用事があるんだよ」
夕立「そうなのかなぁ」
―――― ジリリリリリリリ
時雨「…電話だね」
夕立「うぇーまたー?」
―――― ガチャ
時雨「…はい、……はい、分かりました」
夕立「また演習依頼?」
時雨「うん、相手は新しく着任したばかりの提督みたいだね」
夕立「ねぇ、こっそり艦隊組み直しちゃだめなの?」
時雨「…僕たちにそんな権限はないよ。さぁ、いこう夕立」
夕立「うー」
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新人提督「今日はよろしくお願いします…えーと、元帥殿はどちらに?」
時雨「…すみません、所要で出かけていまして」
夕立「……」
新人提督「あぁ、そうでしたか。では…お手柔らかにお願いしますね」ニヤッ
金剛「くー、腕が成るネー!」
扶桑「相手は…二人、かしら?」
吹雪「で、でもすごい錬度です」
山城「不幸だわ…」
天龍「へっ、その方が手応えがあっていいじゃねえか」
赤城「相手が誰であっても、全力を尽くすだけです」
新人提督「…演習開始!」
――――ガチャッ
夕立「あーもう!悔しいっぽいいいい!」ウガー
時雨「……」
夕立「あっちは適当に弾幕張ってるだけなのに、なんでこっちの負けになるの!?」
時雨「…仕方ないよ、相手を大破させた数が上でも、艦隊が壊滅したら負けってルールだから」
夕立「納得いかないっぽいいい!」バタバタ
時雨「…そうだね」
時雨「……本当に」
「なぁ、聞いたか?あの鎮守府の話」
「あぁ、例の楽勝元帥殿のとこだろ?うちも戦わせてぇなぁ」
「マジそれな、でももう依頼入り過ぎて一日10回までだって本営が決めちまったからなぁ…」
「あー早く順番こねぇかなー」
『度重ナル敗北ニツキ、大佐二降格スル』
時雨「……」ビリッ
――――スタスタ
陸奥「…流石にボードゲームも飽きてきたわねぇ」
長門「訓練場でも行くか?」
陸奥「んーそうねぇ、今の時間だと他の子でいっぱいだし、止めておくわ」
長門「…なら、私は少し辺りを哨戒してこよう」
陸奥「あら、だったら私も付き合うわ。その方が気分も紛れるもの」
時雨「……」
――――ザワザワ
時雨「……?」
吹雪「…撤回してください。本心でなくても、司令官が私たちを捨てただなんて」
曙「ふ、ふんっ!だって本当のことでしょう?あのクソ提督が一ヶ月鎮守府にいないのよ?それ以外にないじゃない!」
吹雪「司令官はそんな無責任な方じゃありません」
曙「だったらなんで!」
潮「曙ちゃん…」
曙「!」
吹雪「…司令官は、私たちを、見捨てたりしません。私が、一番知ってるんだから…」ポロ…ポロ
曙「……私、だって」
時雨「……」
青葉「最近よくあるんですよね…駆逐艦や軽巡の子たちの喧嘩」
時雨「……」
青葉「司令官から連絡とかは?」
時雨「…」フルフル
青葉「そうですか…連絡があったらすぐに知らせてください。こんな鎮守府、もう見ていられませんし」
時雨「…うん」
――――ミーンミーン
時雨「…」
龍驤「…なんや、やっぱりここにおったんか」
時雨「演習?」
龍驤「んや、夕立が探しとったで。まぁたぶんここやと思っとったけどな」
時雨「…ありがとう、夕立は今どこ?」
龍驤「食堂や、…まだ待っとるんか?」
時雨「…うん」
龍驤「そっか」
時雨「じゃあ…行くね」
――――バタン
龍驤「…ほんま、どこいったんや。あんなええ娘残して」
――――ガチャ
白露「時雨?あ、やっぱりいた!」
時雨「どうしたの?」
白露「お風呂空いたから伝えに来たんだけど…また提督のお部屋の掃除してたの?」
時雨「うん、掃除しないと埃っぽくなるしね。ありがとう、じゃあ入ってくるね」
白露「はーい、ゆっくりしてきてね」
白露「時雨は偉いなぁ…あれ?これって、提督の私服?」
白露「片付け忘れかな?戻しとこっと」
時雨「ただいま、提督」
時雨「ごめんね、久しぶりに演習があったんだけど、負けちゃった」
時雨「…うん、僕は大丈夫だけど、夕立がもう限界かもしれない」
時雨「身体はドッグで治せるけど、心はどうにもならないから…」
時雨「もうすぐクリスマスだね、今年は僕も那珂さんと一緒にサンタをやろうと思うんだ」
時雨「他にも漣や龍驤さんも着るんだって、試着を見たけど皆可愛かったなぁ」
時雨「…提督はエッチだから、きっと変な目で皆を見ただろうし、あの場所にいなくて良かったかも」
時雨「あと、そういえば―――」
――――ガチャ
村雨「時雨いるの…ってやだ、真っ暗じゃない」パチ
時雨「…あぁ、村雨か。どうしたの?」
村雨「どうしたのじゃないわよ、こんな真っ暗な部屋で暖房も付けずに何を…」
時雨「…あれ、なんだろ。よく覚えてないや」
村雨「もう、しっかりしてよ。ただでさえ夕立が不安定で大変なのに」
時雨「…ごめん、すぐ、戻」フラッ
――――ドサッ
村雨「…え、時雨?時雨!?ねぇ、ねぇってば!時雨!」
時雨(暗いなぁ…なんでこんなに暗いんだろう?)
時雨(それに、とても寒い。なんでこんなに寒いんだろう?)
時雨(おかしいな、去年の冬は全然寒く無かったのに)
時雨(特に手が、とても冷たい)
時雨(…凍えそうだ)
時雨(なんだか、感覚が遠くなっていく)
時雨(さっきまであんなに寒かったのに、何も感じない)
時雨(もしかしたら、これが)
龍驤「時雨が倒れた!?」
村雨「…はい、今妖精さんに見てもらっているんですが…」
青葉「身体には特に異常は見られないらしいです。おそらく、精神的なものかと…」
龍驤「…くっ、なんで気づかんかったんや。夕立が不安定で、時雨が大丈夫な訳ないのに」
村雨「…こんな時、提督がいてくれたら」
龍驤「…今おらんやつのことを期待しても意味ない、とにかくこのことは内密にな」
青葉「ようやく皆さん落ち着いてきましたからね…上手くやるしかないでしょう」
村雨「…あぁ、夕立にはなんて言ったら…」
「あれ?お前らそんなとこで何やってんの?」
「「「!?」」」
時雨(……?なんだろう、声が聞こえる)
時雨(聞きなれたような、そうでもないような)
時雨(それに…すごく温かい)
時雨(これなら、起きれるかもしれない)
――――この温もりの先に
提督「時雨…頼む、時雨、時雨…」ギュッ
時雨「――――ていとく?」
提督「時雨!?大丈夫か?頭とか体とか痛いところはないか?あぁそうだ医者、じゃない妖精さんを!」ギュー
時雨「だ、大丈夫だよ。というより痛いよ提督、手、手!」
提督「え?あ、あぁすまん」パッ
時雨「もう、そんなに慌ててど……」
提督「……時雨?どうしたやっぱどこか具合が」オロオロ
時雨「……」
提督「……」
時雨「提督?」
提督「は、はい」
時雨「……」ガシッ
提督「うおっ」ビクッ
時雨「……」ペタペタ
提督「あ、あの…」
時雨「……」スンスン
提督「時雨さん!?」
時雨「……」ブワッ
提督「!」
時雨「…あ、あぁ、う…あぁ」
提督「し、時雨…」
時雨「ていとく、提督!良かっ、戻って来て…」
提督「う、うん。いろいろあって、半年も帰って来れなくてすま」
時雨「ひぐっ、良かったよぉ…提督、提督!」
提督「あ、ああああああごめんよ時雨ぇぇぇぇぇぇ!!!」ガバッ
龍驤「…はぁ、なんかもう怒る気もなくなってきたわ」
青葉「んふふふ、これはいい記事が書けそうです!鎮守府中に流してきますね」ピュー
龍驤「ちょ、空気呼んでしばらくは……おらん」
村雨「うぅ…でも良かった、これで一安心ね」
龍驤「…あー、まぁ、そうやな(遠い目)」
その後、提督が一部の艦娘から温かいおかえり(物理)を受けたのは言うまでもない
艦!!
前に書いてて途中で萎えたやつを掘り出して加筆してみた
たまにはログインしてあげてくださいね
白露の改二はよ
このSSまとめへのコメント
この提督、全く俺と同じや
俺も半年以上ログインしていなかった...ごめん、鈴谷...