ココア「こころがぴょんぴょんするねっ」チノ「え?」 (143)

※書き溜めなしのまったり進行です







休日 公園



チノ「うさぎがいっぱい……!」

ココア「この前見つけた穴場スポットなんだ~」

チノ「こんな場所、私も知りませんでした」

ココア「あ、チノちゃん見て見て! あそこ! うさぎの親子だ!」

チノ「あ……本当です。可愛いですね」

ココア「子うさぎがお母さんに一生懸命付いていってて可愛いっ! こころがぴょんぴょんするね!」

チノ「えっ?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1421854694

チノ「あの、ココアさん。今なんて……」

ココア「え? 子うさぎがお母さんに……」

チノ「その後です。こころがどうとか……」

ココア「? こころがぴょんぴょんするね~、って」

チノ「こころが……ぴょんぴょんする?」

チノ(飛び跳ねるほど気分が高翌揚してるということでしょうか)

ココア「え? もしかして変だった?」

チノ「いえ、不思議な表現だと思っただけです。こころがぴょんぴょん……ココアさんらしいですね」

ココア「そ、そうかな~///」

チノ「別に褒めてませんよ」





チノ(このときの私は想像もしていなかった。この言葉が、私の日常を一変させてしまうことに――)

数日後 ラビットハウス



チノ「――そうしたらマヤさんが町全部を使ったかくれんぼをしようと言い出して……」

リゼ「はは、あいつらしいな」

チノ「広すぎて1日じゃ終わりませんよ」

リゼ「確かに町全部は広すぎるかもな。ある程度制限つければなかなか楽しいかもしれないぞ?」

チノ「なるほど……そのときは皆でやりましょうね」

リゼ「……」

チノ「どうかしました?」

リゼ「いや、チノがそうやって誘うのって珍しいと思ってさ」

チノ「……言われてみれば、そうかもしれません」

リゼ「これもココア効果かな」クスッ

チノ「そ、それは心外ですっ///」

リゼ「まあまあ。……ココアといえば、あいつの口癖、どうしたんだ?」

チノ「口癖? もしかして『こころぴょんぴょん』のことですか?」

リゼ「それそれ。最近やけに言うようになったけど、何がきっかけなんだ?」

チノ「それは私にも……おそらく最近読んだ小説か何かに影響されたのでは?」

リゼ「まあ、そんなところか。……確かにちょっと頭に残るフレーズだな、『こころぴょんぴょん』って」

チノ「そうですね。不思議と口に出したくなるような……」


バタン


ココア「おっまたせー!」

リゼ「ずいぶん遅かったな。何してたんだ?」

ココア「えへへ、実はねー。昨日からいろいろ試行錯誤してた新作パンがついに完成したの! じゃーん!」

チノ(か、可愛いパン……)

リゼ「へぇ、いい出来だな」

ココア「この前チノちゃんとお散歩したときに見たうさぎをイメージしたんだ~。見てるだけでこころがぴょんぴょんしてくるよね!」

リゼ「はは、確かに心がぴょんぴょんするな。なあ、チノ?」

チノ「そうですね」クスッ

ココア「? なに? 2人ともどうしたの?」

リゼ「なんでもないよ。さ、仕事仕事」

ココア「ええ~、教えてよ~!」

ピョンピョンしちゃう

気になる

ぴょんぴょん

あそこぴょん♂ぴょん♂

ココアちゃんを見ていると俺もこころがぴょんぴょんしてくる

これは鬱エンドですわ

クォクォアがホモガキである可能性が微粒子レベルで存在している・・・?

こころぴょんぴょんしながら待機

俺「こころがぴょんぴょんする」

「チノちゃん。ぴょんぴょんって〜」みたいなタイトルの謎SS書いてた人?

ああ^~心がぴょんぴょんするんじゃあ~

>>15
違う人です
ごちうさSS書くときは必ずこの酉つけてるので

翌日 スーパー



チノ(トマトが安いし買っていこう……ココアさんは嫌がるでしょうけど)

チノ「あとは……」

シャロ「チノちゃん?」

チノ「シャロさん。シャロさんもお買い物ですか?」

シャロ「ええ。千夜と一緒にね。今は別行動中だけど……あ、トマトが安い。チノちゃんも買うの?」

チノ「はい、ココアさんの苦手克服用に何個か」

シャロ「私も買っておこうかしら……えっと今日の特売はあと…………卵も買わなきゃいけないし…………」ブツブツ

チノ「……」ジー

シャロ「……うん、これなら。……チノちゃん? 私の顔になにかついてる?」

チノ「いえ、シャロさんがなんだか楽しそうなので」

シャロ「へっ? ……私、そんなに楽しそうだった?」

チノ「あ、いえ。なんとなくそう思っただけなので」

シャロ「そう……。まあ、否定できないけどね。買い物って楽しいじゃない? 買いたいものを買えたときもそうだけど、何を買おうかとかあれこれ考える時間も」

チノ「あ、わかります、その気持ち」

シャロ「チノちゃんもわかる? 特に特売のときは思わずこころがぴょんぴょんしそうになったり……」ボソボソ

チノ「こころがぴょんぴょん……?」

シャロ「え? 私、なにか変なこと言った?」

チノ「い、いえ」

ラビットハウス



チノ「ということがあって」

リゼ「へぇ、シャロまで言ってたのか」

チノ「シャロさん曰く、千夜さんも言ってたみたいです。もしかして最近の流行語のようなものなのかもしれませんね」

リゼ「そうだったのか……私はそういう流行りとかには疎いからな……」

チノ「私も詳しいほうではないので……」

リゼ「まあこういうのはいつの間にか流行って、いつの間にか廃れてるもんだ。気にしすぎる必要はないさ」

チノ「……そうですね」

翌日 中学校



マヤ「おっはよー!」

メグ「チノちゃん、おはよ~」

チノ「おはようございます」

マヤ「チノ、宿題やってきたよね?」

チノ「? はい」

メグ「今、マヤちゃんと宿題の見せ合いっこやってたんだ~」

マヤ「答えがあってるかの確認! チノもやろうよ!」

チノ「いいですよ。ちょっと待ってください」ゴソゴソ

チノ(そういえば……この2人は知っているんでしょうか)

チノ「あの、マヤさん、メグさん」

マヤ「ん?」

メグ「なに~?」

チノ「最近、ココアさんに口癖ができたようなんですが、それについてなにか知っていないかと思って……」

マヤ「ああ、あの『こころがぴょんぴょん』とかってやつ?」

チノ「知ってるんですか?」

マヤ「知ってるというか、私とメグがこの前ココアと」

メグ「あ、マヤちゃん!」

マヤ「遊んだときに……あっ」

チノ「ココアさんと遊んだとき……ですか?」

マヤ「あ、いや、違くて、えーと」

メグ「だ、ダメだよ、マヤちゃん! チノちゃんには内緒ってココアちゃんと約束したのに!」

マヤ「メグこそ全部ばらしちゃってるじゃん!!」

チノ「話が見えないのですが……」

マヤ「その……この前、学校帰りにココアとたまたま会ってさ。アイスとかいろいろおごってもらったんだ」

チノ「はあ」

メグ「『2人にだけご馳走したのがバレたらチノちゃんが拗ねちゃうから、このことは内緒ね』ってココアちゃんが……」

チノ(こ、ココアさん……!)

マヤ「チノ、ごめん!」

メグ「ごめんね……」シュン

チノ「いえ、気にしないでください。お二人はなにも悪くないんですから」

チノ(このことはあとでココアさんを問い詰めるとして……)

チノ「それでは、お二人はそのとき初めて聞いたんですか? その……」

マヤ「こころぴょんぴょん? うん、ココアが言ってるのを聞いて。なんか耳に残っちゃってさあ」

メグ「それがどうかしたの?」

チノ「いえ、知らないならいいんです。それより、宿題のチェックをしましょう」

マヤ「あ! もうすぐ授業始まっちゃうじゃん!」

メグ「急いでやらないとね」

チノ「はい」

チノ(マヤさん達も知らなかった……もしかしたらココアさん達が考えた合言葉のようなものなのかもしれません)

ちょっぴりダークな展開を期待してしまう
こころぴょんぴょん

こころぴょんぴょんしてくるね

こころぴょんぴょんまち?

夜 チノ家



チノ「……」

ティッピー「チノ、なにか思い悩んでおるようじゃの」

チノ「あ、いえ、大したことでは」

ティッピー「ココアのことじゃろう?」

チノ「……はい。ココアさんに直接聞けば、たくさんもったいぶってから教えてくれるとは思うんですが……」

チノ(聞いたら実際のところは大したことないような気がするんですよね……ココアさんですし)

ティッピー「ふむ……例のココアの口癖、どこかで聞いたような気がするんじゃが」

チノ「本当ですか!?」

ティッピー「いや、残念ながらワシは記憶にはあまり自信がなくてな……。いつだったかまではわからんが……」

チノ(となると……昔、話題になったフレーズということでしょうか。流行語という線はあながち間違いじゃないかもしれません)

コンコン


ココア「チノちゃーん……?」

チノ「? どうしたんですか、ココアさん? マヤさん達にだけご馳走したことなら別にもう……」

ココア「あ、ううん。そのことじゃなくてね。……一緒にお風呂入らない?」

チノ「……ちょっと待っててください。準備しますから」

ココア「……! うん!」


タッタッタッ...


チノ「それではお祖父ちゃん。私はお風呂に入ってくるので」

ティッピー「うむ。ワシはバーのほうに顔を出してくることにしよう」

ココア「~♪」

チノ「髪くらい自分で洗えますよ……」

ココア「まあまあ、ここはお姉ちゃんに任せて?」

チノ「はあ……」

ココア「……よし! 流すよっ」

チノ「はい」





ココア「じゃあ、次は体ね!」

チノ「え……まさか体も洗うつもりなんですか?」

ココア「? もちろん!」ワシワシ

チノ「だ、ダメです! 体は自分で洗います!///」

ココア「そんなつれないこと言わないでよ~。チノちゃんもこころぴょんぴょんしたいでしょ~?」ワシワシ

チノ「い、意味のわからないことを言わないでください! ……どうしても洗うと言うなら」

ココア「言うなら?」

チノ「ココアさんの体は、私に洗わせてもらいますよ?」

ココア「えっ」

チノ「もちろん全身です。隅から隅までですよ。いいんですか?」

チノ(こう言えば恥ずかしさで引き下がるはず…………と思ったのに……)

ココア「チノちゃんになら……//////」モジモジ

チノ(こ、この反応はいったい……!?)

ココア「でもチノちゃんに体を洗ってもらうなんて……こころがぴょんぴょんしすぎておかしくなっちゃうかも……」モジモジ

チノ「で、ですから何を言って……」

ココア「でもチノちゃんがどうしても私の体を洗いたいなら……」

チノ「私はそこまで言ってませんよ! もういいですからココアさんはさっさと自分の体を洗っちゃってください! 私も自分で洗いますから」

ココア「え~!」

チノ(まったく……ココアさんには羞恥心がないんでしょうか)

2期決定に心がぴょんぴょんしてる

>>32
俺の方がもっとぴょんぴょんしてる

しかし二期ではOPでぴょんぴょん出来ないかもしれない……
こういうSSでぴょんぴょんするしかない……

体ぴょんぴょん、次考えるふりして
もうちょっと、攻め込んじゃえ

1週間後 ラビットハウス



リゼ「……チノ。今日のココアは?」

チノ「朝、私が起こしたときに1ぴょん。それから学校に行くまでに2ぴょん。帰ってきてから2ぴょん。さらにさっき私に抱きついたときに1ぴょんで、合計6ぴょんです」

リゼ「……多いな」

チノ「……多いですね」

リゼ「どうせ一時のものだろうと思ってたんだが……」

チノ「本当に流行らせようとしているのかもしれません。メグさんやマヤさんも使うようになりましたし、うちの常連さんの何人かも覚えてくださったようですし……」

ティッピー(挨拶みたいになってるしのぅ)

リゼ「……実は今日、学校でシャロがクラスメート達と一緒にいるところを見かけたんだが」

チノ「はい」

リゼ「人が集まってぴょんぴょん言い合ってる姿はなかなか……シュールだった」

チノ「……」

リゼ「正直もう充分流行ってると言えると思うんだが……なんでまだ言い続けるんだろうな」

チノ「もしかしたら……」

リゼ「なにか心当たりがあるのか?」

チノ「他の人はともかくココアさんが私達に言い続けているのはなんとなく……。リゼさん、『こころぴょんぴょん』使ったことあります?」

リゼ「いや、ないな」

チノ「私もありません」

リゼ「……まさか」

ティッピー(ココアの近くにいる2人が使っていないというのは、確かに流行ってると言えるか微妙じゃな)

リゼ「……私達もあとでココアの前で使ってみるか」

チノ「でもリゼさん。私、いまだにあの言葉の使い方がいまいち理解できていないんですが……」

リゼ「その辺は……フィーリングでカバーだ」

チノ「……わかりました」

ココア「リゼちゃーん?」ヒョコッ

リゼ「おっと……どうした?」

ココア「チノちゃんのお父さんがね、お買い物してきてほしいものがあるんだって。でも結構大荷物になるからリゼちゃんにお願いしたいんだけど……」

リゼ「ああ、いいよ。買ってくるもののメモとかあるか?」

ココア「うん。はい、メモとお金」スッ

リゼ「よし。じゃあ、さっさと行ってくるか。チノ、さっきの話はまた後でな」

チノ「はい。いってらっしゃい、リゼさん」

リゼ「ああ」

ココア「リゼちゃんと何話してたの?」

チノ「秘密、です」

2時間後



メグ「こんにちは~」

マヤ「遊びに来たよ!」

ココア「あ! 2人ともいらっしゃい!」

マヤ「メグ! ココアに突撃だー!」ギュッ

メグ「ココアちゃんっ」ギュッ

ココア「きゃっ。も~、そんなことされたらこころぴょんぴょんしちゃうよ~」ギュッ


キャッキャワイワイ


チノ「……」

チノ(相変わらず意味不明ですが……なんだか仲間はずれにされたみたいで……)ポツン

チノ「……マヤさん、メグさん。他のお客様のご迷惑になりますから、店内ではお静かにお願いします」

マヤ「おっとっと、そうだった」

メグ「チノちゃん、ごめんね」

ココア「うんうん、素直でよろしい」

チノ「……ココアさんもですよ」

マヤ「そういえば、今日はリゼはいないの?」

ココア「リゼちゃんは今お使いに行ってるの」

チノ(……それにしても、リゼさんが出かけてから結構時間がかかっているような……そんなに買うものが多かったんでしょうか)

ティッピー「」モフモフ

ココア「ほら、そうやってティッピーに顔を埋めるとね……」

マヤ「あはは、やわらかくて気持ちいー! こころがぴょんぴょんするー!」モフモフ

メグ「つ、次は私も……」ドキドキ

チノ「ティッピーで遊ばないでください……」

ココア「……あっ、そういえば私、倉庫のところ開けっ放しにしてたかも。ちょっと見てくるねっ」タッ

チノ「わかりました。……あ」

メグ「チノちゃん、どうしたの?」

マヤ「チノもやりたかった?」モフモフ

チノ(別にココアさんに聞かずとも、この2人に聞けばいいのでは……今ならココアさんもいないし)

チノ「あの、お二人にお聞きしたいことがあるんですが」

マ・メ「「?」」

チノ「お二人は知ってるんですよね? あの言葉の意味」

メグ「あの言葉?」

マヤ「どの言葉?」

チノ「さっきマヤさんも言ってたじゃないですか、『こころがぴょんぴょんする』って。ココアさんに意味を聞いたんですよね?」

マヤ「……」

メグ「……」

チノ「私にも教えてもらえません……か?」

チノ(2人の目……まるで信じられないものを見ているような……)

マヤ「チノ……まさか……」

メグ「……チノちゃん、もしかしてこころぴょんぴょんしたことないの?」

チノ「へ……」

チノ「で、ですから、したことあるとかないとか以前に『こころがぴょんぴょんする』の意味を……」

マヤ「それは大変だよ! メグ、早くチノのこころもぴょんぴょんさせてあげなきゃ!」

メグ「そうだね、マヤちゃん。ほら、チノちゃん、こっちにおいで?」ガシッ

チノ「い、いたっ!? 痛いです、メグさん! 引っ張らないでください!!」バッ

メグ「……チノちゃん、どうして?」

マヤ「チノ、なんで抵抗するの?」

チノ「マヤさん……? メグさんも……どうしちゃったんですか……?」

チノ(2人とも……私のことを見ているようで、なにか別のものを見ているような……)

ティッピー(な、何が起こってるんじゃ?)

こころぴょんぴょんとは一体……

ホラーじゃねぇか

ガチャッ


ココア「あれ? みんな、どうしたの?」

チノ「こ、ココアさん……! マヤさんとメグさんが変なんです!」

ココア「えっ?」

チノ「わ、私が質問して、それで、2人とも様子がおかしくなって、それで!」

ココア「ち、チノちゃん、落ち着いて。落ち着いて説明して?」

マヤ「ココア、チノったらこころぴょんぴょんしたことないんだって」

ココア「え?」

メグ「だから私達が教えてあげようとしたんだ~」

ココア「……へぇ」

ガシッ

チノ「こ、ココアさん……?」

ココア「チノちゃん? 何も怖がる必要なんかないんだよ?」ニコッ

チノ「え…………」

ココア「だからおとなしくしよ、ね?」

チノ「……!」ゾクッ

チノ(こ、この目……ココアさんまで…………)

ココア「ほら、チノちゃんのために皆協力してくれるって!」

チノ「な、なにを……?」

ガタッ ガタガタッ

「「「…………」」」

チノ「!?」

チノ(お、お客さんたち……?)

ココア「皆さん、チノちゃんのためにご協力をお願いします!」


「ああ」「もちろん」「こころぴょんぴょんのためだろう?」「こころがぴょんぴょんすることはとても幸せなことだもの」


チノ「あ……あ……」ガクガク

「チノ」

チノ「………………え」

チノ父「大丈夫だ。ココアくんの言うことを聞けば、すぐにわかる」

チノ「お、お父さん……」

チノ(マヤさんもメグさんも、ココアさんも父も……みんなみんな……!)

マヤ「チノ」

メグ「チノちゃん」

ココア「チノちゃん」

チノ(どうしよう…………どうすれば…………)

ティッピー「チノ!!」

チノ「」ビクッ

ティッピー「何をしておる!! 早く逃げるんじゃ!!」

チノ「お、お祖父ちゃ……で、でも……でも……!」

ティッピー「助けを呼ぶのじゃ! 早く!!」

チノ「うぅ…………」

ティッピー「チノ!!」

チノ「ッ……!」ダッ


ガチャッ


マヤ「チノ!」

ココア「チノちゃん!!」

今日はここまで
次の更新は遅くなると思います

あと予定ではありますが一度安価というかコンマ判定をするつもりなので
そのときはご協力をお願いします


了解です

なんか急にホラーSSになった…

こころがひゅんひゅんした

こころひゅんひゅん、家、飛び出して
もうちょっと、遠く行こ
簡単には、逃げれない
どこにも逃げられる場所は、無いんだよ~♪

たまヒュンならぬたまぴょん

――――――――――――――――――――

――――――――――――――

――――――――



チノ「はあっ……! はあっ……!」

チノ(……あれからどれくらい走り続けたんだろう……)

チノ「……」キョロキョロ

チノ(まだ夕方なのに……誰もいない。いったい……)


コッチノホウ……ハヤク……


チノ(人の声! 助けを……)

チノ「あ、あの、すいません! 少し話を…………え?」

チノ(この人たち……さっきお店を飛び出たときにすれ違った……)


「ああ、やっと見つけた」「大丈夫だよ」「さあ、一緒に行こう」


チノ「ひっ……!」

ダッ


「待て!」「逃がすな!!」


チノ(どうして……! どうして……!)

完全にホラー

――――――――――――――――――――

――――――――――――――

――――――――



公園



「……」「…………」


チノ「……」コソッ

チノ(茂みの中……ここなら簡単に見つからないはず……)


「…………」「……!」「……」


チノ(さっきまで人気のなかった街がいつの間にか人で溢れてる。でも……みんなおかしくなってる)

チノ(これじゃあ助けなんて呼べない……それどころか、私1人でどこまで逃げられるか……)

チノ(……)ウルウル

チノ(お祖父ちゃん……お店に残してきてしまいました。もしひどい目にあっていたら……)グスッ

ガサ...

チノ(……? 今、後ろから何か――)


バッ


チノ「!?」

チノ(だ、誰!? 急に後ろから……早く逃げなきゃ……!)

チノ「んー! んー!!」バタバタ

「おとなしくしろっ」ボソボソ

チノ「んー!」

チノ(このまま捕まっちゃったら……どうしよう……お祖父ちゃん、ココアさん……! 助け――――)

「おい、チノっ。私だって! いいから落ち着けっ」ボソボソ

チノ(――――え?)クルッ

リゼ「ふう……やっと落ち着いてくれたか」

チノ「リゼ、さん……?」

チノ「リゼさん、どうしてここに……」

リゼ「話は移動してからな。ここ、後ろからだと丸見えだぞ。まあ、おかげでチノを見つけられたんだが……とにかくいくぞ」

チノ「は、はい」





チノ「ここは……」

リゼ「さっき見つけたんだ。四方に逃げ道があるし、誰かが近づいてきたらすぐ気づける。絶好の隠れ場だな」ゴソゴソ

チノ「その荷物は?」

リゼ「水とか非常食とか。お店も機能してないからお金だけ置いてもらってきた。預かってたお金を少し使っちゃったんだが……」

チノ「気にしないでください。非常事態ですから」

リゼ「ありがとう。チノも随分逃げ回ったんだろ? 喉渇いてないか? お腹は?」

チノ「お腹は大丈夫です。お水だけもらっていいですか?」

リゼ「ああ。……さてと。それじゃあ、お互いに情報交換といくか」

リゼ「そうか。ココアだけじゃなく親父さんまで……」

チノ「リゼさんはいつ異変に気づいたんですか?」

リゼ「時間的にはチノより少し前くらいだな。買い物途中でシャロに会ったんだ」

チノ「シャロさんに?」

リゼ「ああ。ついでだと思って、例の言葉の意味を聞いたんだ。シャロならすぐに教えてくれると思ったんだけど、どうにも話がかみ合わなくてさ。そうしたら様子がどんどん変になって……気づいたらこの騒ぎだ」

チノ「シャロさんまで……」

リゼ「捕まえようとしてくる周りの人を振り払って逃げたんだけど……嫌な予感がしてラビットハウスに戻ったら、案の定誰もいない。間違いなくここでも同じことが起きたんだろうと思って、チノを探し始めて今に至る、って感じだな」

チノ「あの……リゼさん。千夜さんは……」

リゼ「……シャロがあの様子じゃ、十中八九千夜も……あまり考えたくはないけど」

チノ「そう、ですよね……」

リゼちゃんの安心感

リゼちゃんの事もまだ信じられない……

チノ「……」グッ

チノ「あ、あの、リゼさん。私たちに何かできることはないでしょうか?」

リゼ「……チノ」

チノ「も、もしかしたらココアさんたちを元に戻せる方法があるかもしれません。それを見つけることができれば――」

リゼ「ダメだ」

チノ「っ……」

リゼ「確かにこの現状を打開することができる方法があるのかもしれない。でもなんの手がかりもない中、どうやってその方法を探す気だ?」

チノ「……それは……」

リゼ「今私たちにできることは、しっかり休息をとることだ。サバイバルの基本は休めるときにちゃんと休むことだ。チノ、わかるか?」

チノ「……わかりました」

リゼ「それならいい」ナデナデ

チノ「……」

リゼ「そう悲観的になるな。もしかしたら明日には全てが元通りで、このことを笑い話にできる可能性だってあるんだ」

リゼ「それから、ココアには今回のお詫びももらわなきゃな。チノもなにか考えておけよ、ココアが困るようなお詫びをさ」

チノ「リゼさん……」

チノ(私、リゼさんに慰めてもらってる。リゼさんだってつらいはずなのに……)

チノ「……そうですね。とびきり高いものを買ってもらうのもいいかもしれません」

リゼ「はは、その意気だ。さ、私が見張ってるから今のうちに眠っておけ」

チノ「い、いえ、私も起きてますよ」

リゼ「いいから。私は体力には自信があるんだ」

チノ「でも……」

リゼ「チノが起きたら、今度は交代で見張りを頼むよ。な?」

チノ「……わかりました。よろしくお願いします」

リゼ「ああ。ゆっくり休めよ」

こわひ…

まだー?

バレンタインか

チノ「すぅ…………すぅ…………」

リゼ(チノ……ぐっすりだな。仕方ないか、精神的にもかなり衰弱していたみたいだし)

リゼ「……せめて、今くらいは……」ナデナデ

チノ「ん…………こ、こあ、さ…………」ギュッ

リゼ「……」

リゼ(もう深夜なのに、徘徊している人が減っているような気配はない。見つかる心配は今のところないが、油断はできないな)

リゼ(チノに言ったことも、別に嘘ってわけじゃない。突発的に発生して、突発的に解決する可能性だってある。ただし解決しなかった場合は、本当に助けを呼ぶ必要がある)

リゼ(とりあえずは隣町だな。明日、チノが起きたら出発しよう。私1人のほうが早いかもしれないけど……ここにチノを1人で残すわけにもいかないし。それまでは……)

リゼ「踏ん張るしかないな……」

リゼちゃん

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



『いえ、不思議な表現だと思っただけです。こころがぴょんぴょん……ココアさんらしいですね』

『そ、そうかな~///』

『別に褒めてませんよ』


チノ(これは……夢?)


『シャロさん曰く、千夜さんも言ってたみたいです。もしかして最近の流行語のようなものなのかもしれませんね』

『そうだったのか……私はそういう流行りとかには疎いからな……』


チノ(ちがう……夢じゃない。これも……)


『こころぴょんぴょん? うん、ココアが言ってるのを聞いて。なんか耳に残っちゃってさあ』

『それがどうかしたの?』


チノ(これも……)


『ふむ……例のココアの口癖、どこかで聞いたような気がするんじゃが』


チノ(本当にあったことで…………あれ……?)


『いや、残念ながらワシは記憶にはあまり自信がなくてな……。いつだったかまではわからんが……』


チノ(…………)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





チノ「……!」ガバッ

リゼ「……おお、起きたか。おはよう」

チノ「リゼさん……」

リゼ「ん~……はあっ。結局、何も動きのないまま朝だな」

チノ「なにも、なかったんですか?」

リゼ「ああ。ただ、徘徊していた人はかなり減った。警戒態勢をといたのか、さすがに疲れたのか……それとも罠か」

チノ「そう、ですか」

リゼ「……たとえ罠だとしても、それを恐れてずっとここに留まり続けるのは現実的じゃない。昨日から考えてたんだが、やっぱり隣町まで助けを呼びに行くべきだと思う」

チノ「……」

チノ(あのときのお祖父ちゃんの言葉……)

リゼ「1日やそこらでいける距離ではないけど、どこかで自転車でも拝借できれば短縮にはなる……って、チノは乗れないんだったな。まあ、2人乗りすれば大丈夫か」

チノ「あ、あの。リゼさん……」

リゼ「ん? ああ、安心しろ。なにがあっても絶対にチノだけは逃がしてやるから」

チノ「い、いえ、そういうことではなくて。少し話したいことが」

リゼ「?」

チノ「実は……思い出したことがあるんです。大したことではないかもしれませんが……」

リゼ「思い出したこと?」

チノ「はい。昨日話していた……手がかりのことです」

リゼ「あの口癖を昔聞いたことがある……チノのじいさんがそう言ってたのか?」

チノ「はい。私がまだ小さかった頃、よく昔話をしてくれたんですが、その中にそんな話があったのを思い出して」

チノ(本当はつい最近聞いた話ですが……そのことを言ってもリゼさんを余計に混乱させるだけですしね)

リゼ「……あの口癖が前にも流行ったことがあるとすると……もしかしたら」

チノ「はい。今回のような騒動が以前にも起こったかもしれない、ということですね」

リゼ「……なるほど、確かに解決への手がかりかもしれないけど……正直これだけの情報じゃ……」

チノ「そうですよね……」

リゼ「そのときのことを知っていておかしくなっていない人がいたとしても、私達と同じように隠れているその人を見つけるのは困難だ。やっぱり助けを呼びに……ん?」

チノ「? リゼさん?」

リゼ「……あるかもしれない」

チノ「え?」

リゼ「あるかもしれないぞ。前のことを知る方法」

チノ「ほ、本当ですか!?」

リゼ「ああ。記憶に頼れないなら記録に頼ればいいんだ」

チノ「? どういうことですか?」

リゼ「つまり、昔あの口癖が流行ったときに今回と同じ騒動が起きていれば、事件として記録されているかもしれないってことさ」

チノ「図書館で昔のことを調べるってことですか?」

リゼ「いや、調べるのにどれだけ時間がかかるかわからない以上、図書館は安全とはいえない。だから、うちで調べる」

チノ「うち……リゼさんの家ですか?」

リゼ「ああ。前に親父の書斎に入ったとき、ありとあらゆる事件の詳細や新聞の切り抜きなんかを年代別にまとめたファイルがたくさんあった。あれならおそらく……」

チノ「で、でも、リゼさんのお屋敷の人たちもおかしくなっているかもしれませんよ?」

リゼ「かもな。でも親父は出張中だし、今日はいつもより警備のために家にいる親父の部下も少なかったはずだ。それになにより勝手知ったる我が家だからな、逃げ回ることを思えばこれ以上の場所はない」

チノ「で、ですがっ」

リゼ「チノ」ギュッ

チノ「!」

リゼ「心配してくれるのは嬉しい。でもな、私だってチノと同じ気持ちなんだ。ココアたちを、早く助けてやりたい。そのためにやれることは、ちゃんとやっておきたいんだ」

チノ「リゼさん……」

リゼ「……どれくらい時間がかかるかわからない。とりあえず1時間以内に連絡はするが、もし連絡がなかったら……チノ1人で隣町まで助けを呼びに行くんだ」

チノ「そんな……!」

リゼ「あくまで最終手段の話だ。私だって簡単に捕まる気はないよ」

チノ「……はい」

リゼ「チノも見つかりそうになったら荷物を置いてでもすぐに逃げるんだぞ。……それじゃ、行ってくる」

チノ「……リゼさん!」

リゼ「?」

チノ「……私、待ってますから」

リゼ「……ああ!」

バイオハザードじみてきた

30分後



『家の前まで来た
中の様子をうかがってみたがあまり人気がない
また連絡する』


チノ「……」

チノ(リゼさん1人に危険なことをさせて……)

チノ「このままで本当にいいんでしょうか……」

チノ「……」ブンブン

チノ(今の私にできることは、リゼさんの迷惑にならないようにしっかり身を隠すこと……)

チノ(そして、リゼさんを信じること……!)

チノ(それにしても……すっかり人がいなくなりました)

チノ(時々ふらふらとおぼつかない足取りでどこかに歩いていく人がいるので、元に戻ったわけではないようですが…………あ、また人が……え……)


ココア「……」


チノ(こ、ココアさん……!?)


ココア「……」テクテク


チノ(……ずっと、私を探しているんでしょうか……でも、なんだか違和感が……)

チノ「あ……」

チノ(他のおかしくなった人達に比べて、ココアさんの歩調はとても自然で……まるでいつものココアさんのような……)

チノ「元に、戻ったのかも……」スッ

チノ「……」

チノ(やっぱりダメ、確証がない以上むやみに近づくのは……)


ココア「……」テクテク


チノ(あ……行っちゃう……)

チノ「……っ」

チノ(せめて、見つからないように後をつけるくらいなら……)

チノ「……」

チノ(周りにココアさん以外の人影はなし。行くなら今しか……)

チノ「……リゼさん、ごめんなさい」タッ

ココア「……」


チノ「……」コソッ

チノ(どこに向かっているんでしょうか……こっちの方は……)


ブブブ...


チノ「!」

チノ(り、リゼさんから……!)ピッ

リゼ『……もしもし。チノ、大丈夫か?』

チノ「は、はい。リゼさんもご無事ですか?」

リゼ『なんとかな。それより……見つけたぞ』

チノ「え……」

リゼ『10年くらい前の事件をまとめたファイルに、今回と同じような騒ぎの記事があった』

チノ「ほ、本当ですか!?」

リゼ『ああ。町中の人達がどんどんおかしくなっていき……突如として元に戻った、らしい』

チノ「えっ?」

リゼ『元に戻った人達は皆、おかしくなってからの記憶がなくて調査はかなり難航したらしい。ただ、その中で1人だけ事態の全てを憶えていた人がいた。そしてその人は、自分こそが騒ぎの元凶だと語ったそうだ。ここからはその人が話したことらしいが……』

チノ「……」

リゼ『私は心の支えを失っておかしくなった。私の狂気は周りも狂わせた。しかし、私に新たな心の支えができた途端、全てが元通りになった、とのことだ』

チノ「……ど、どういうことですか?」

リゼ『さあな。錯乱したんだろうって、当時もまったく相手にされなかったようだ。ただ、その人だけが成り行きを憶えていたのも事実。催眠術によるもの、暗示を利用したもの、いろいろな説が唱えられたらしいが……その中にその人は未知の病にかかったのではないか、という話が出たらしい』

チノ「未知の病、ですか?」

リゼ『病は気から、っていうのは迷信でもなんでもない。実際、神経系と免疫系には密接な関係があるんだ。心の弱ったその人が感染源となり、周りにもそれが伝播したのでは、ってことだ』

チノ「……そして感染源のその人が心を持ち直したことで治った……?」

リゼ『まあ、この説だって眉唾物ではあるけどな。おかしくなった人達が口々に唱えたフレーズから【こころぴょんぴょん症候群】なんて名前も付けられたらしいが、結局それ以降同じことが起きることはなかった。少なくとも、昨日までは』

チノ「……それでは、この事態を解決するには……」

リゼ『感染源を見つける。そして、そいつの心を満たしてやるしかない』

チノ「……」

リゼ『……正直、絶望的な話だ。素直に助けを呼びに行くべきだと思う。最悪、時間の経過で収まる可能性も……』

チノ「……それまで、どれくらいかかるんですか? 1週間? 1ヶ月? 1年?」

リゼ『……チノ、気持ちはわかる。すぐに解決する保証もない。けどな、もうこれ以上私達にできることなんて、ないんだよ……』

チノ「……分かってます。すみません、リゼさん。リゼさんは何も悪くないのに……」

リゼ『気にするな。……とにかく、早く合流すべきだな。チノ、まだ例の隠れ場所にいるか?』

チノ「あ……すみません。実は隠れている途中でココアさんを見かけて、移動、を……………………」

リゼ『チノ? どうした?』

チノ「……リゼさん。リゼさんがもし、大勢の中からたった1人の感染源を探そうとしたら、どんな人を探しますか?」

リゼ『へ? どんな人って……周りと違う人間じゃないか? 1人だけ特別な行動を取っているとか……』

チノ「周りが異常な中で1人だけ正常に見える人、とかですか?」

リゼ『まあ、そうだな。……それがどうかしたのか?』

チノ「……リゼさん。私、見つけたかもしれません」

ココア「……」


チノ(ココアさん……)

リゼ『み、見つけたって……感染源をか!?』

チノ「はい。周りに人がいない今なら……」

リゼ『ちょ、ちょっと待て! 確かな根拠はあるのか!? 勘で言ってるなら――』

チノ「大丈夫です。考えてみれば簡単でした。あのフレーズをあんなに何度も使っていたんですから」

リゼ『そ、それって、まさかココアのこと……っ、まずいっ!』

チノ「リゼさん!?」

リゼ『見つかった! ……いいか、チノ! 私が行くまで絶対に軽はずみな行動は取るなよ! わかったな!?」

チノ「り、リゼさ」ブツッ


ツーツーツー


チノ「……リゼさん」

チノ「……」

チノ(リゼさんは今も逃げてる。いくらリゼさんでも、追っ手が多ければ捕まってしまうかもしれない)

チノ(助けに行きたい。でも私じゃリゼさんの足を引っ張ることしかできない……)

チノ(私がリゼさんを助けるために……皆を助けるために、今できることは……)

チノ「……リゼさん、ごめんなさい。でも、私がなんとかしますから……!」タッ

公園



ココア「……」

チノ「……ココアさん」

ココア「ほら、チノちゃん。うさぎがいっぱいだよ。あ、あっちにいるのはこの前見た親子かなぁ?」

チノ「……そうですね」

ココア「ここに来たらね、チノちゃんに会えるかなって……なんとなく思ったんだ」

ココア「本当に会えた」ニコッ

チノ「……」

ココア「この町はどこも皆との、チノちゃんとの思い出でいっぱい。嬉しいことも、楽しいことも……全部憶えてるよ」

ココア「でもね、いつまでもこのままじゃいられないって……時が経つほど、皆変わっていくんだって……」

ココア「私がこの町に来たことは奇跡が重なった結果で、皆との絆だってとても儚いものなんだって……」

チノ「ココアさんは小説家よりも詩人のほうが向いてるかもしれませんね」

ココア「あはは、そうかな?」

チノ「……変わりませんよ、なにも」

ココア「どうしてそう言えるの?」

チノ「……私が、ココアさんとずっと一緒にいたいと思っているからです」

ココア「ありがとう。とっても嬉しいよ」

チノ「ココアさんは私と……皆と一緒にいたくありませんか?」

ココア「……いたいよ。ずっと、ずっと一緒に。だから、チノちゃんもこっちにおいで?」

チノ(……ココアさんは今、心が弱ってるんですね。だから、私がどんな言葉をかけても届かない……それなら……)

チノ「……わかりました。でも、その前に……どうしたら、信じてもらえますか?」

ココア「えっ?」

チノ「なにをすれば私の気持ちを、ココアさんと一緒にいたいという気持ちを信じてもらえますか?」

ココア「チノちゃん?」

チノ「ココアさんのために、私ができることはなんですか?」

ココア「……」

チノ「……」

ココア「……して」

チノ「……?」

ココア「キス、して」

チノ「!」

ココア「そうしたら、チノちゃんのこと信じられるかも……なんて――」

チノ「……わ、わかりました」

ココア「!?」

チノ「……」スッ

ココア「……チノちゃん、本当にいいの?」

チノ「……いいですよ。それで、ココアさんが私のことを信じてくれるなら」

チノ(それで、ココアさんの心が満たされるなら……皆を助けることができるなら……)

ココア「……」スッ

チノ「……っ」ビクッ

ココア「……どうして我慢するの? 嫌なら嫌って言えばいいのに」

チノ「……我慢なんて、してません」

ココア「嘘ついてもわかるよ。だってこんなに震えてるもん」

チノ「……ココアさん、どうしてキスなんですか?」

ココア「……そんなの決まってるよ。私がチノちゃんのことが大好きだから」

チノ「……そうですか」クスッ

ココア「……なにがおかしいの?」キョトン

チノ「ココアさんは、本当に鈍感ですね」グイッ

チノ(怖さはある。責任感で動いてるところもあるかもしれない……。でも、それだけじゃない)

ココア「……!」

チノ(だって)

チノ「ココアさんが私のことを好きだと言ってくれるのと同じくらい……それ以上に」

チノ「私も、ココアさんのことが大好きなんですから」チュッ







次レスのコンマが
奇数→ココアが感染源だった
偶数→ココアが感染源ではなかった

安価って事か


来い

これは恥ずかしい

偶数狙いだったかもしれないだろ(震え声)

よし次の感染源に早くキスしに行かなきゃねチノちゃん

ココア「んっ……」チュ

チノ「……ん……っは」

ココア「チノちゃん、もっと……」グイッ

チノ「ま、待ってくだ、んっ」チュ

ココア「んむ……」ジュル

チノ「ん……!?」


ドンッ


チノ「はあっ……はあっ…………」

ココア「ねえ、チノちゃん。もっとしようよ?」

チノ「な、なんで……?」

ココア「なんでって……チノちゃんのことが好きだから」

チノ「そ、そうじゃないです! どうして、元に戻らないんですか……?」

ココア「? なに言ってるの?」

チノ「ココアさん……今、どんな気分ですか?」

ココア「え? とっても幸せだよ。チノちゃんとキスできて、今までで一番幸せ。でも、もっとキスできたらもっと幸せな気持ちになれるかもしれないね」ニコニコ

チノ「そんな……」

チノ(心を満たすって、こういうことじゃなかったんですか……? まだ足りないってことですか?)

チノ「…………まさか」

ココア「……」

チノ(感染源は……ココアさんじゃなかった?)

チノ「私は、勘違いをしていて……」

ココア「……えいっ」ギュッ

チノ「! こ、ココアさん……?」

ココア「大丈夫だよ、チノちゃん。今チノちゃんが何を悩んでるのかよくわからないけど……こころぴょんぴょんすれば、もうそんなことどうでもよくなるから」ニコッ

チノ「!? は、離してください!!」バッ

チノ(とにかく、一度逃げ…………え……)


「…………」「……」「……」


チノ(いつの間に、囲まれて……)ガクガク

ココア「もう、そんなに怖がる必要ないんだよ?」

チノ「あ……あ……」

ココア「私がちゃんと、教えてあげるからね」

チノ「り、リゼさん……助けて……」

ココア「ああ、リゼちゃんが心配なの? 平気だよ、シャロちゃんが迎えに行ったから」

チノ「シャロ、さん……?」

ココア「シャロちゃんも私と一緒でね、こころがぴょんぴょんすることの素晴らしさに気づいたの……ってもう、他の人のことは気にしなくていいってば。チノちゃんは、私のことだけ見てればいいの」グイッ

チノ「あ……」

チノ(ココアさんだけじゃ、なかった……ココアさんとほぼ同時期にあの口癖を使い始めた人……シャロさんが感染源だった……?)

チノ(……違う。さっきの言い方だと、ココアさんとシャロさんは同じタイミングで感染したみたいなだった……学校も違う2人が同時期に感染するなんて……)

チノ「……そういう、ことだったんですか」

チノ(ココアさんとシャロさん、生活圏が離れている2人に同時期に接触できる人は、私の知っている限り2人。リゼさんが正常だった以上、もうあの人しかいない)

ココア「さ、チノちゃん。たっぷり可愛がってあげるからね……?」

チノ(リゼ、さん……リゼさんだけ、でも……逃げ――――)

リゼ「ふぅ……」

リゼ(とりあえず追っ手は振り切れたが……家の中にいる間に、また人が増えてたみたいだな。これじゃあ今朝の隠れ場所には戻れない)

リゼ(チノとはあれ以降連絡が取れない。……あのとき、チノは『ココアを見つけて移動を』と言っていた。それに『感染源がわかった』……)

リゼ(あのときの会話から推理すると……ココアが感染源ってことか。あの後、事態を収拾するためにチノはココアに近づいた。そしておそらく……捕まってしまった)

リゼ(こうなったら私だけでも助けを呼びに……いや、携帯を落としたとかで連絡が取れなくなった可能性も……もしチノが逃げ果せていた場合、今もどこかで私の助けを待っているかもしれないんだ)

リゼ(……とにかく、持久戦を覚悟するなら物資の補給が肝心だ。大半の荷物はチノに預けていたし、持ってきていた水は書斎で追い詰められたときに、慌てて置いてきてしまった)

リゼ(腹はともかく、ずっと走り回ったせいで喉はカラカラだ。どこかで早急に水分補給を――)

「リゼ先輩?」

リゼ「!」バッ

リゼ「……シャロ、か?」

シャロ「は、はい」

リゼ「……こんなところで何してるんだ?」

シャロ「わ、私、リゼ先輩のこと探していて……とにかく、ご無事でよかったです」

リゼ(……罠か? シャロもあの口癖を使っていた。おかしくなっている可能性がある…………けど)

シャロ「あ、あの、先輩……?」

リゼ(それにしては普通すぎる。徘徊している人たちはまるでホラーゲームのゾンビみたいで、目も虚ろで……それに比べると……)

シャロ「あ、あの、どこか悪いんですか? 怪我をしているとか……」

リゼ「……いや、大丈夫だ。シャロも1人か?」

シャロ「はい。今朝までは千夜と一緒だったんですけど……はぐれちゃって……」グスッ

リゼ「そうか……」

リゼ「……なあ、シャロ。おかしくなってる人達が『こころぴょんぴょん』って言葉を使ってたんだけど……」

シャロ「はい。私もただの流行語なのかなって思って使ってたんですけど……」

リゼ(最初は怪しいと思ったけど……おかしくなってる様子はないな。自分が例の口癖を使ってたことも自覚してる)

リゼ(ココアが感染源らしいし……ココアと接している時間が短かったから完全には感染しなかった、ってことか?)

リゼ「……とにかく、シャロも無事でよかった。一緒に逃げよう」

シャロ「は、はいっ」

リゼ(まだ様子見段階だが……とりあえず一緒に行動するくらいは問題ない、か)

シャロ「それでリゼ先輩。お腹空いてたりしませんか? クッキーとお水ならありますけど……」

リゼ「本当か!? なら、水をもらっていいか?」

シャロ「はいっ、どうぞ」スッ

リゼ「ありがとう。………………ぷはっ。はは、生き返った気分だ」

シャロ「ふふっ、先輩のお役に立てたならよかったです」

リゼ「ああ、本当に助かった。そういえばシャロ、私を見つけるまで、どこかでチノを見なかったか?」

シャロ「いえ、見ませんでしたよ」

リゼ「そうか……」

リゼ(徘徊している人達の仲間入りをしていないってことはまだ捕まってない確率が高いか……?)

シャロ「でも安心して大丈夫ですよ。チノちゃんのことは、ココアが探してますから」

リゼ「…………は?」

シャロ「それにしても本当によかった……リゼ先輩がまだ捕まっていなくて。だって……リゼ先輩のことは、私が捕まえたかったから」

リゼ「何を、言って……」


グラッ


リゼ「あ、れ……?」

リゼ(体が、重い……立ち上が、れない……)

シャロ「ねえ、見てた!? ちゃんと言われた通りにやったら、リゼ先輩を捕まえられたわ!」

「ええ、素晴らしかったわ。さすがはシャロちゃんね」

リゼ(この、声……まさか…………)

千夜「こんにちは、リゼちゃん。調子は……良いとは言えなさそうね」

リゼ「千夜……?」

リゼ「どうして、千夜が……?」

千夜「ごめんなさいね、リゼちゃん。本当はリゼちゃんも早いうちに仲間にしてあげたかったんだけど、人によってかかりやすさとかもバラバラみたいなの」

リゼ「千夜……?」

千夜「……もしかして頭が回ってない? あのね、リゼちゃん。この騒ぎの元は私なの」

リゼ「え……」

千夜「最初はココアちゃんとシャロちゃんから始まって、どんどん広めていって……今度はリゼちゃんの番よ」

リゼ「そんな、だって……ココアが感染源じゃ……シャロも、普通に……」

千夜「かかってからしばらくは意識がぼんやりして今の町の人達みたいになっちゃうの。ココアちゃんとシャロちゃんはかなり早くからかかってたから、すっかり身体が慣れちゃったみたい」

千夜「リゼちゃんも最初のうちは大変だと思うけど……安心して。私達がちゃんと面倒見てあげるわ。ね、2人とも?」

ココア「……」

チノ「……」

リゼ「ココア……チ、ノ……!」

シャロ「先輩、大好きです……」

リゼ(くそ、シャロに捕まって動けない……意識もどんどん遠く……ここまで、か…………)

千夜「リゼちゃん、おやすみなさい。いい夢を」

リゼ(みんな、ごめん…………たすけ、られ、な………………)


バタン

「何も心配なんてないわ」

「だって、皆ずっと一緒だもの」



「ずっと、ずっと一緒。永遠に」







ティッピー「……」

ティッピー「あ……あ……」

ティッピー「あああ、ああ、ああああああ」

ティッピー「……」

ティッピー「……………………」





ティッピー「あぁ^~こころがぴょんぴょんするんじゃぁ^~」



END

ココアたちがこころぴょんぴょんするだけの一発ネタのつもりだったのに
長々と続けてしまってすいませんでした……


読んでくださった方、ありがとうございました


トゥルーエンドはないのですか?

バッドエンドじゃないですかヤダー

乙です
ココアが感染源だったルートも見たかった

ifルートも見たいなぁ

いいssだった、かけ値なしに

一応、ココアが感染源だった場合のエピローグも構想はあるので
需要があるなら書かせていただきたいです

ありがとうございます。
待っています。

需要あります

生活圏が離れている2人に同時期に接触できる人→千夜ちゃん と思わせて青山さんだったというオチかと思った。

ココア√期待

>>116
おまおれ
ココアルートめっちゃ期待

>>116
青山さんの暗躍も考えたんですが
そうしたら千夜ちゃんの出番が本当になくなってしまったので……

ではココアが感染源だった場合のエピローグを投下します

>>90の続きから





――――――――――――――――――――

――――――――――――――

――――――――



リゼ「はあっ……! はあっ……!」

リゼ(くそっ……また人が増えてきた。チノのやつ、いったいどこに……!)


ミツケタ……アッチノホウ……


リゼ「くっ……!」


「「……」」ピタッ


リゼ「……な、なんだ? 追ってこない……?」


「あれ?」「俺、こんなところで何してるんだ?」


リゼ「え……」


ザワザワ


リゼ(町中が騒めいてる……まさか!)

リゼ「元に戻ったのか!?」

ココア「ん……」

チノ「……」

チノ「……ココアさん。あの……」

ココア「……うん、もう大丈夫だよ」

チノ「それじゃあ……!」

リゼ「おーい! チノ!」

チノ「! リゼさん!」

リゼ「町中の人達が元に戻ってるんだ。もしかして……って、ココア!?」

ココア「あはは、リゼちゃんもごめんね。いろいろと」

チノ「今頃、シャロさんやマヤさん達も元に戻っているはずです。……ココアさんはちゃんと巻き込んでしまったお詫びをしなきゃいけませんね」

ココア「そんなぁ!?」

リゼ「……はあ。この様子じゃ、なんとかなったみたいだな?」

チノ「はい。もう大丈夫です」

ココア「うーん……」

千夜「そんなことが……」

シャロ「全然思い出せない……」

リゼ「仕方ないさ。かかってた人達はその間のことを覚えていないらしいし。このことは5人だけの秘密だ」

チノ「マヤさん達にも説明したかったですが……メグさんはともかくマヤさんは自分の心だけに秘めておけるか分かりませんから」

千夜「なるほどね、わかったわ」

シャロ「それで、さっきからココアは何を書いているわけ?」

チノ「反省文です。もう2度とこんな騒ぎを起こさないように」

ココア「…………できた!」

リゼ「よし、ちょっと見せろ。………………なんだ、これは」

ココア「え? 反省文だけど」

シャロ「『このようにチノちゃんの可愛さは言葉だけでは表しきれないものがあり』……これは反省文というより……」

千夜「チノちゃんの魅力についての作文?」

チノ「こ、ココアさん!///」

ココア「いやー、どうしてこんな騒ぎが起きたに至ったかを書こうと思ったらチノちゃんのことは外せないでしょ? チノちゃんのことを書き始めたら手が止まらなくなっちゃって」

リゼ「……本当に反省してるんだろうな?」ギロッ

ココア「し、してますっ! まことに申し訳ありませんでした!!」

リゼ「まったく……」

チノ(あの事件から数日が経ちました)

チノ(町全体で多少の混乱は起きたものの、発生から事態の解決までが短かったため、町の人達も今ではすっかり元の生活を取り戻していました)

チノ(何が起きたのかを知っているのは、感染源であるココアさんに、感染から免れた私とリゼさん。そして私達から事情を聞いた千夜さんとシャロさんの5人だけ)

シャロ「自分が何をしていたのか覚えてないってのは不安だけど……他の人も覚えてないなら結果オーライなのかしら」

千夜「そうねえ。まあ、リゼちゃんがシャロちゃんに何かされていたら、別だけど」

シャロ「!? り、リゼ先輩! 私、先輩に何か失礼なことしませんでしたか!?」

リゼ「し、してないから安心しろ。私達も今回のことは心の奥底にしまっておくことにしたんだ。な、チノ?」

チノ「はい。……すいません、少しお花を摘みに行ってきます」タッ

千夜「……私達が元に戻ってからチノちゃんの元気がない気がするわ」

シャロ「そうね。なにか無理をしているような……」

リゼ「私もそれが気になっててさ。ココアは何か知らないか? チノが何か言ってたとか」

ココア「ううん、なんにも」

リゼ「そうか……」

シャロ「も、もしかして、チノちゃんも例のを発症しちゃったとか……!?」

千夜「聞いた症状とはちょっと違う気がするけど」

リゼ「……チノだって、この前の経験から自分でどうにもならないと思ったらちゃんと相談してくれるはずだ。私達はそれまでチノのことをちゃんと見守ってやって、いざって時は力になれるようにしないとな」

千夜「そうね」

シャロ「はい!」

ココア「……」

チノ「はあ……はあ……///」

チノ「んっ……うぅ……///」モジモジ

チノ(最初に異変に気づいたのは騒動の翌日、その夜のこと。ココアさんに一緒に寝ようと誘われ、部屋に入ったときでした)

チノ(まるで熱病にかかったかのように体が火照る。頭の中が真っ白になってしまい、何も考えられなくなる。そして……決まって、その人が脳裏にうかぶ)

チノ「こ、ここあ、さん……//////」

チノ(突然訪れたその現象、心配そうに私の顔を覗き込むココアさんから離れ、私は1人になって耐えることにしました)

チノ(それからは起きたときは毎回、部屋やトイレにこもり収まるまでひたすら待つ。そうやって耐えてきました)

チノ「大丈夫……大丈夫……///」ボソボソ

チノ「こんなの、きっと、一過性のもので……すぐに治って……///」ボソボソ

1週間後 夜



チノ「うぅっ……!///」

チノ(日増しに、強くなってくる……このまま、衝動に駆られて暴走でもしたら……)

チノ「ふぅ……っ……!///」

チノ(もう、限界です……! リゼさんに相談を……)


コンコン


チノ「!」

ココア「チノちゃん、入ってもいいかな?」

チノ「だ、ダメ、です……!」

チノ(こんな姿、見せられない! それに、今ココアさんのことを見てしまったら、私……!)

ココア「……チノちゃん、ごめんね」

チノ「え――」

ガチャッ


ココア「……やっぱり」

チノ「ど、どうして……!」

ココア「チノちゃん」

チノ「! こ、来ないでください! 今、来られたら、私……!!」

ココア「我慢なんて、しなくていいよ?」

チノ「……え」

ココア「チノちゃんが今つらそうにしてるのって、私が原因なんでしょ? あのとき私とキスしたから……」

チノ「……そうと決まったわけでは」

ココア「ううん、他に考えられないもん。だから……」


バサッ

チノ「!?」

ココア「だから、私のこと、好きにして?」

チノ「こ、ココアさ……!? ふ、服! 着てくださ――」

ココア「チノちゃんとなら、私怖くないよ」ギュッ


ドクン


チノ「あ……」

ココア「罪滅ぼしとか、そういうわけじゃないけどね、私がチノちゃんのためにできることがあるなら……私、なんだってするよ」


ドクン ドクン


ココア「チノちゃん、私ね……」


ドクンドクンドクンドクン......


ココア「チノちゃんのことが、大好きなんだよ?」



ドクン







チノ(そこで私の意識は途絶えました。その後、目覚めた私が見たのは)

ココア「……体、大丈夫?」

チノ(一糸まとわぬ姿でベッドに横たわった私とココアさんの体、そして)

ココア「おはよう、チノちゃん」

チノ(窓から射し込む朝日に照らされた、ココアさんの笑顔でした)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



シャロ「あれから、チノちゃんはどうですか?」

リゼ「ああ、特に変わった様子はないな。やっぱりあの事件で精神的にちょっと不安定になってたみたいだな。今はすっかり落ち着いたよ」

千夜「よかった。それじゃあこれで完全に解決ね」

リゼ「……そうだといいんだが」

シャロ「まだ何か気になることが?」

リゼ「いや、気のせいかもしれないんだけど……ココアとチノが……」

千夜「ココアちゃんとチノちゃん?」

リゼ「なんていうか……前よりさらに仲良くなったような……」

シャロ「仲良く……?」チラッ

ココア「見て見てチノちゃん! 私もティッピーを頭に乗せたまま働けるように……あっ」


パリーン


チノ「ココアさん!!」

ココア「ご、ごめんなさーい!」



シャロ「……そうですか?」

リゼ「……まあ、心配するようなことじゃないのは確かだ」

千夜「楽観的すぎるのも問題だけど、神経質になりすぎるのもストレスの元だと思うわ」

リゼ「だな。最近いろいろあったからちょっと敏感になってたみたいだ」

千夜「体を動かせば気分も晴れるんじゃないかしら? あー、そういえばシャロちゃんも最近もやもやした気分になることが多いって言ってたような~?」

シャロ「へ? 私そんなこと一言も……」

リゼ「よし、なら今度気晴らしにシャロも一緒に遊びに行こう!」

シャロ「ふぇっ!?///」

ココア「ち、チノちゃんはお姉ちゃんに厳しすぎるよ!」

チノ「ココアさんはお姉ちゃんじゃありませんし、私が厳しいのはココアさんがおっちょこちょいだからです」

ココア「たまには鞭だけじゃなくて飴ももらいたいな~って」

チノ「『獅子は我が子を千尋の谷へ突き落とす』、『かわいい子には旅をさせよ』と言います。ココアさんのためを思って、私はココアさんを崖から落として、登ってこれないように大量の罠を仕掛けるんです」

ココア「チノちゃんが私のことを『かわいい子』って……!」

チノ「突っ込むのはそこですか」



リゼ「もしかして嫌だったか?」

シャロ「い、嫌なんてことありません! ただ、ちょっと驚いただけで、むしろ誘っていただけて光栄というか、どんとこいというか……!」アワアワ

リゼ「お、おう?」

千夜「ふふっ」ニコニコ





ティッピー「……平和じゃのぅ」

チノ(あの大事件を経ても、私とココアさんの関係に変化はありません)

チノ(私達は恋人になったわけでも姉妹になったわけでもなく、ココアさんも私もいつもの日常を過ごしています)

チノ(ただ、誰にも言えない1つの秘密がココアさんと私にはできました。それは――)

コンコン


チノ「……ココアさん、その、今日も……」モジモジ

ココア「はーい。じゃあ、先にお風呂で待ってて?」

チノ「……わかりました」





ココア「それじゃあ、始めよっか」ニコッ

チノ「……///」

ココア「チノちゃん、まだ慣れないの?」

チノ「な、慣れるわけないじゃないですか! それに慣れるつもりもありません! これはあくまで、私が治るまでの一時的なもので……」

ココア「でも治るまでは定期的にやらないとチノちゃんがつらいんでしょ? なら少しは慣れなきゃ」

チノ「……ココアさんはどうしてそんなに楽しそうなんですか」

ココア「だって、普段見れないチノちゃんの珍しい表情がたくさん見れるもん」ニコニコ

チノ「うぅ……//////」

チノ「もういいですから、早く始めましょう……」

ココア「はーい。じゃあ、チノちゃん。いつもの、言って?」

チノ「……どうしても言わないとダメですか?」

ココア「だーめっ」

チノ「……ココアさんのいじわる」

ココア「チノちゃんが可愛いのが悪いんだよ!」

チノ「私のせいなんですか……?」

ココア「さ、チノちゃん。チノちゃんは、私に、どうしてほしいの?」

チノ「…………わ、私を……」





チノ「私を、たくさんこころぴょんぴょんさせてください……お姉ちゃん//////」



END

というわけで、今度こそおしまいです
チノとココアがお風呂で何をするようになったのかは個々人の想像にお任せします


読んでくださった方、ありがとうございました

素晴らしい
乙乙

乙乙
こころぴょんぴょん


このルートの作り込み具合の差ww

あぁ^~こころがぴょんぴょんするんじゃぁ^~

こころがぴょんぴょんするね

依頼は出したのでもうこのスレでは続けませんが
ネタは常時募集中なので「こんなのが見たい」とかありましたら御協力のほどよろしくお願いします
(絶対書くという確約はできませんが……)

同じスレタイでホラーじゃない話とか見てみたいかも

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