可奈「志保ちゃん、今日は何の日でしょう?」 (16)

志保「今日は私の誕生日だけど……」

可奈「え!?覚えてたんだね……」

志保「えっと……もしかして、今私馬鹿にされてるの?」

可奈「違う違う!!そうじゃなくて、まさかいきなりそう答えられるとは思ってなかったから、ね?」

志保「自分の誕生日を忘れるわけないし、そう答えるのが普通かなって思ったのだけど」

可奈「え゛゛!
…そうだよね、自分の誕生日忘れるなんてわけないよね!」

志保「ふーん……
可奈って、想像以上に、なんというか、変わった子なのね」

可奈「今すごいオブラートに包まれた気がするけど、気にしないーー♪」


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可奈「で、今日はあの北沢志保さんのお誕生日なわけですよ!!」

志保「うん、それは知ってるけど……。 それがどうかしたわけ?」

可奈「どうかしたって、誕生日と言えばやるべきことは一つでしょ?」

志保「……プレゼント、とか」

可奈「流石志保ちゃん、その通りです!」

志保「その鞄の中の袋と何か関係があったりするのかしら」

可奈「え?うわーーー!!!
    見ないで!中見た?見たの!?」

志保「なんでそこまで見られたくないのよ……
    どうせ渡すものでしょう?袋の中に入ってるんだから見えるわけないでしょう」

可奈「あ、そうだよね。いや、心の準備が……。 えへへ」

志保「渡すのなら早く渡して頂戴」

可奈「えっと……。もしかして急いでたり、する?」

志保「いや、そこまで急いでるわけでもないし、別にいいんだけど。延々と待たされても困るっていうか」

可奈「そっか。じゃあちょっと待ってくれるかな?
    ふぅー……。よし!」




可奈「志保ちゃん、お誕生日おめでとう!!」


志保「ありがと、可奈。で、中見てもいいのかしら?」

可奈「いいよ!どんどん見ちゃってください!」

志保「どんどんって何よ…。じゃあ開けるわね。
    これは……  キーホルダー?」

可奈「えっと、私の好きな熊さんのキーホルダーがあって、志保ちゃんもこういうの好きかなーって思ったんだけど……。ど、どうかな?」

志保「悪くないんじゃない?可愛らしくていいって思うけど」

可奈「やった!よかったーー……
こういうの苦手って言われたらどうしようかと思って……」

志保「そんなこと言うわけないじゃない……」

可奈「えー、結構心配だったんだからね?
ストラップも、ぬいぐるみと迷ったんだけど、ずっと志保ちゃんに身に着けててほしいなって思って、それでストラップにしたんだけど……」

志保「へー、そうなのね。ありがとう、どこに付けるか考えておくわ」

可奈「つけてくれるんだね!?志保ちゃんありがとう!」

志保「わ、ちょっと、いきなり抱きつかないで!」

可奈「えへへー、志保ちゃん大好き!」

志保「もう……」

志保「でも、なんで可奈は私の誕生日知ってたわけ?確か直接言ったことはなかったと思うんだけど……」

可奈「そりゃもう、志保ちゃんのためならプロフィール資料探すぐらいするよー。直接聞こうかなとも思ったんだけど、志保ちゃんをびっくりさせたくて……。
あまり驚いてくれなかったけどね。えへへ」

志保「まああれだけわかりやすければねえ……」

可奈「うぅ、来年は絶対驚かせるんだから!」

志保「はいはい、期待してるわね。
で、可奈の誕生日はいつなわけ?」

可奈「へ?8月18日だけど…
もしかしてもしかして、志保ちゃんもプレゼントくれるの?」

志保「……誰もあげるとは言ってないけど」

可奈「えええー!ひどいよー!!」

志保「……冗談に決まってるじゃない。何かしらお返しもしなきゃいけないし」

可奈「あはは、そうだよね。楽しみにしてるね!」

志保「あまり期待しないで頂戴。プレゼントあげるのとか慣れてないんだから」

可奈「大丈夫だよ!志保ちゃんからもらってうれしくないわけないよ!」

志保「そう?ならいいけど、別にがっかりしても知らないから」

可奈「ってことは、よく考えると志保ちゃんって私より年下だったんだね」

志保「まあ、誕生日で考えればそうなるけど…。
    学年は一緒なんだからあまり関係ないでしょう?」

可奈「まあそうなんだけどー……。なんか、ちょっと嬉しくて」

志保「何が嬉しいのよ」

可奈「いやー、あのかっこよくてかわいい志保ちゃんが私よりも年下って、なんか意外じゃない?」

志保「かっこよくてかわいいかどうかは別にして、まあ確かにそれは間違ってはいないかもね」

可奈「志保ちゃんって大人っぽいからねえー。
    それでさ、お願いがあるんだけど、いいかな?」

志保「何よ。どうせろくなものじゃないんでしょうけど」

可奈「むー、そんなことないよっ!
    志保ちゃん、私のことお姉ちゃんって呼んで!」

志保「嫌」

可奈「即答っ!?
    えーーいいじゃんーちょっとくらいさー減るもんじゃないしー」

志保「あなたをお姉ちゃんって呼ぶと、なにか色々なものが失われそうなな気がするから嫌ね」

可奈「うーなにそれー…… しょうがない、私はお姉ちゃんだから許してあげます!えへへー」

志保「はいはい」

可奈「そういえば、なんで志保ちゃんは今日事務所に来たの?」

志保「なんでって、用事があるからに決まってるでしょ」

可奈「むーそりゃそうだけどさ……。 何の用事?」

志保「逆に可奈はなんで事務所に来たわけ?」

可奈「え?いや、志保ちゃんに会えるかなって思って」

志保「何それ……。私が来なかったらどうしてたのよ」

可奈「えへへ、実際来たんだしいいじゃーん♪志保ちゃんの考えてることくらいお見通しなんだー」

志保「じゃあなんで何しに来たか聞いたのよ」

可奈「うぇ!!確かにそうだった……」

志保「はぁ……。まあそういう所が可奈らしくていいんじゃないかしら」

可奈「へ?そういう所って?」

志保「なんでもない。ほら、レッスン行くわよ」

可奈「レッスン?……あれ?志保ちゃん今日レッスン入ってなかったよね」

志保「自主練に決まってるじゃない。それなら逆に何しに来たと思ってたのよ」

可奈「え?うーん、志保ちゃんも私が来ることわかってて来てくれたのかなーって……」

志保「な訳ないじゃない。で、可奈も行くんでしょ?」

可奈「えぇぇー……。どうしようかなーー……。
    今日は疲れちゃったし、もういいかなーって」

志保「あなた何もしてないでしょう……」

可奈「えー志保ちゃん元気過ぎだよー。折角のお誕生日だよ?」

志保「誕生日関係ないでしょ、もう……。
    可奈お姉ちゃん、一緒にレッスン、しよ?」

可奈「ふぇ!い、今お姉ちゃんって?」

志保「さあね。どうかしら」

可奈「もう一回!おねがい!」

志保「そうね……。一緒にレッスンしてくれたら考えないこともないわね」

可奈「うぅ……ずるいよ志保ちゃん…」

志保「ほら、さっさと行くわよ」

可奈「いやまだ返事してないってば、
    いやぁぁ引っ張っていかないでぇぇーー!!」

可奈「疲れたぁぁーーー!!!」

志保「元気そうね。まだやれるかしら」

可奈「つかれたぁ……」

志保「冗談よ」

可奈「もう、志保ちゃんスパルタすぎるよぉー……。将来トレーナーになれるんじゃないかな?」

志保「トレーナーをなんだと思ってるのよ」

可奈「えへへ……。
    そうだ、志保ちゃん、約束忘れて無いよね!?」

志保「約束?何のことかしら?」

可奈「もちろん覚えてるよね!おねがいしますっ!」

志保「うーん……
    あれは冗談で」

可奈「あれ、志保ちゃん、約束破るのかな?真面目でいい子だと思ってたんだけどなーー」

志保「あーもう面倒なんだから……

    ……可奈お姉ちゃん。
    ほら、もういいでしょう!」

可奈「えー声小さくて聞こえなかったよー。ほら、今日一日呼んでくれるんでしょ?」

志保「はあ!そんな約束してないわよ」

可奈「えへへ……ばれたか」

志保「もう、絶対呼んであげない」

可奈「うぇぇ、ごめんなさいーー
でも、いつか絶対、呼ばせるからー♪」

志保「はいはい。頑張ってね」



おわり

1月18日が志保の誕生日と聞いて、急いで書きました。
短いですがぎりぎり間に合ったのでほっとしています。
志保おめでとー

年齢については独自の解釈に基づいているため意見が分かれるかもしれませんが、悪しからず……

北沢志保(14) Vi
http://i.imgur.com/iinWIGe.jpg
http://i.imgur.com/873Yl7K.jpg

矢吹可奈(14) Vo
http://i.imgur.com/mwiNWow.jpg
http://i.imgur.com/cSfghlm.jpg

乙でした
シアター14歳組の中では一番誕生日遅いんだっけ・・・・・
最初知ったときは意外だったなwww

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