【悲報】日本人、ついに絶滅 (33)

はじめに
でたらめなフィクションです。突っ込みどころしかない!

A○C NEWS 2205.1.18

アナウンサー「次のニュースです。
今日未明『ラスト・ジャパニーズ』として有名な、『山田・皇帝(カイザー)・荒烈駆雷(アレクサンダー)』さんが35歳で亡くなりました。
山田さんには子供がおらず、3世代前まで日本民族だと確認できる人は、山田さんを最後に地球上から絶滅したことになります」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1421536374

アナ「山田さんの死去について、オズワルド大統領は、次のようにコメントを発表しました。
『人類史に大きな足跡を残した日本民族の消滅に、深い哀悼の意を示します』」

アナ「山田さんは2170年に、旧新潟県(現在のR国領)佐渡の日本人保護区で生まれました。
既に日本人は保護区内でしか生活できず、絶滅はほぼ確定していました。
なんとか山田さんの子孫を残すべく、体細胞クローンの作成など様々な対策が試みられましたが、いずれも失敗。
最近は花粉症で体調を崩すことも多くなっていました」

アナ「今朝はこのニュースについて、解説員のスミスさんに解説してもらいます」

解説「どうも」

アナ「かつて人口1億2千万を誇り、世界第2位の経済大国を作り上げた日本人が、ついに歴史から退場しました。
なぜでしょう?」

解説「最大の原因は少子高齢化です。
20世紀末から少子高齢化は問題化していたのですが、結局有効な対策を打ち出せないまま、
民族の消滅という最悪の結果を招いてしまいました」

アナ「少子高齢化の原因は?」

解説「貧富の差、特に『金持ちの老人』と『貧しい若者』という世代間格差ですね。
上の世代は自分たちの代で国富を消費しつくしただけでなく、下の世代に膨大な負債を押し付けました。
遅く生まれるほど男性は経済的に苦しくなり、『結婚は人生最悪の浪費』になってしまいました。
数少ない金持ちかイケメンの若者は、海外に移住し現地の女性と結婚するようになりました」

解説「いっぽう女性からすれば、貧しい日本人男性と結婚するメリットがないわけです。
彼女たちは新興国の富豪の妾になるため、これまた海外へ脱出。
妾活(メカカツ)という言葉まで生まれたほどです」

解説「海外で生まれた子供たちは、日本人の言葉や習慣を捨て、他民族に同化していったわけです」

アナ「かつて日本人は質素勤勉が特長で、20世紀半ばの破滅的敗戦からも立ち直ってきました。
21世紀に入って、民族としての質が低下したのでしょうか?」

解説「はい、教育や福祉等の公共サービスを、日本政府が保証できなくなりました。
義務教育の廃止、
年金の支給開始年齢引き上げから最終的な廃止、
生活保護の減額から最終的な廃止、
医療費の全額自己負担などです」

アナ「国が責任を放棄していますね」

解説「実はこれらの政策、特に年金廃止は、国民の希望によるものです。
受給開始が90歳にもなっていましたし、『老後の資金は自分で運用できる』という自信があったのでしょう。
しかし、素人が投資で利益を出すのは非常に難しく、結局貧富の差はますます拡大しました」

アナ「庶民に迎合した結果、というわけですか」

解説「義務教育については児童が極端に減少するにつれ、その必要性を疑問視する声が大きくなりました。
子供を持てる裕福な家庭は、自分で家庭教師を雇えるからです。
日本人の教育水準は低下の一途をたどりました。
山田さんも、自分の漢字の名前を読み書きできなかったそうです」

アナ「そこまで落ちていたんですね」

解説「さらには公務員の大半を解雇し、地方公共団体まるごとの民間委託にも着手しました。
グローバル企業の柔軟な発想による、財政建て直しを期待したのです」

アナ「千葉県が『ネズミーリゾート・千葉』という県名になり、警官がかぶりもの……」

解説「ハハッ! それ以上いけない! 中の人などいない!」

アナ「し、失礼しました」

解説「しかしそうなると、国家への帰属意識はますます低下。
約100年前に、国の象徴であった[禁則事項です]家が断絶したのも大きいですね。
そうした隙を突いて、北海道・尖閣諸島・小笠原諸島・竹島などが諸外国に次々占領されてしまいます」

アナ「日○同盟は機能しなかったのですか?」

解説「自ら衰退に向かう日本は、ア○リカにとって良い同盟相手ではなくなっていました。
それより、諸外国や民営地方公共団体との関係強化を選んだのです」

アナ「さすがにここまで来ると、日本人、特に若者が自ら立ち上がりそうなものですが」

解説「開戦前はネット上でも勇敢な発言が多かったのです。
が、蓋を開けてみると、自宅にこもって震えて出てこない人が続出したそうです。
大規模な移民受け入れによって、やりたくない仕事を外国人に任せる風潮が蔓延していれば、当然でしょう」

アナ「国防も、日本国籍付与を条件に移民に任せていたのですね。
隣国の国民はPM2.5やダイオキシンにも耐える丈夫な身体を持っているのに、ずいぶん軟弱ですね」

解説「ある日本人は『戦ったら負けと思っている』と、侵攻の手引さえしたそうです。
身の安全を条件に」

アナ「今後、日本民族絶滅はどのような影響をおよぼすのでしょうか」

解説「ほとんどないと思われます。
現在、日本列島で生活している人々は移民の子孫が大半で、彼らが新たな政治・経済・文化の中心となって久しいです。
生物学的にも、短足の黄色いメガネザルが1種絶滅しただけです」

アナ「オーマイガッ! それじゃ、あなたのワイフも危うく絶滅するところでしたね!」

解説「HAHAHA、法廷で会いましょう!」

おわり

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