男「幼馴染に拉致監禁された」(167)




男「…………」

男「…………ん」

男「……何だ、ここ?」

男「俺は何でこんな所に……痛っ」ズキッ

男「頭が……どうして怪我してるんだ?」

男「俺、何してたんだっけ」

男「……動こうにも」ギシギシ

男「手も足も括りつけられてて……微動だにしないし」

男「どうしよう……」

男「…………」

ガチャ

男「……え」

?「……あっ!」

?「良かった! 男、気がついたんだねっ」ギュ

男「幼馴染……?」

幼「良かったぁ、男ってばなかなか目を覚まさないんだもん」

幼「いくら、金属バットで殴ったからって気絶しすぎだよぉ」

男「え……なぐっ、て?」

幼「ごめんね、痛かったかな? 一応、傷は治療しといたけど」

男「ちょ……ちょっと待てよ」

幼「なぁに?」

男「殴ったって、お前が俺を?」

幼「だって男、なかなか振り向いてくれないんだもん」

男「は?」

幼「私は男のことが好きで好きで」

幼「好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きなのに」

男「……っ」ゾクッ

幼「だったらもう力ずくで私のモノにしちゃえばいいと思って」

男「なっ……」

幼「あっ、大丈夫だよ? 男のことは私がなんでもしてあげるから」

男「ふざけんなよっ!」

幼「…………?」

男「つまりこうなってるのはお前の仕業なんだな!」

男「さっさと放せよ!」

幼「まったく……男は」ギュッ

男「何してんだよ!」

幼「落ち着いて……ね?」ナデナデ

男「いいから、この縄ほどけよ!」ギシギシ

幼「どうして? そんなことしたら男が逃げちゃうじゃない」

男「っざけんなよ! いい加減にしないと……んむぅ?!」

幼「んっ……ちゅ、れろ……ぷはっ」

男「おおお、お前っ……!」

幼「えへへ、ふぁーすときす……男にあげちゃった」

幼「安心して? これからずーっと私が男のそばに居るよ?」

幼「キスだけじゃなくって、女の子の大切なモノは全部……全部、全部、男にあげるから」

男「や……やめっ」ガタガタ

幼「大好きだよ……おとこ」ニコ

幼「好き」

男「ひ……ぁ」ガタガタ

幼「好き、大好き」

男「あ……ぁ」

幼「好き」

幼「好き」

幼「好き」

幼「好き」

幼「好き」

幼「好き」

幼「好き」

幼「好き」

幼「好き」

幼「好き」

幼「好き」

男「……」

幼「それじゃ、私はご飯作ってくるね」

男「……」

幼「男のためにとびっきり美味しくするから、待ってて」チュッ

男「……っ」ビク

ガチャ バタン

男「……ぅ、あ」

男(なんだよ)

男(なんなんだよこれ)

男(助けてくれよ、誰か助けてくれよ)

男(誰か、だれか)






幼「男ー、ごはんできたよ」

男「…………」

幼「顔真っ青だよ? 大丈夫?」

幼「ほら、今日は男の好きな肉じゃがだよ?」

男「いら……ない」ガタガタ

幼「だーめ! 食べなきゃだめだよ」

男「…………」ガタガタ

幼「もう、男ったら」

幼「しょうがないなぁ」

幼「……はむっ」モグモグ

幼「……んー」チュッ

男「っ!?」

幼「んっ、ちゅ……むぐ」

幼「……っ、どう? 美味しかった?」

男「お前……いまっ」

幼「なに、口うつししただけだよ? はい、もう一口……」

男「わかった! わかったから! 食べるって!」

幼「そう? じゃぁ、はい」

幼「あーん」

男「くっ、あーん」パクッ

男「……ふぅ」

幼「全部食べてくれたねっ! ありがと!」ギュ

男「…………」

幼「じゃ、お片づけしてくるからちょっと待っててね」

男(…………)

男(肉じゃが……うまかったな)

幼「男、そろそろお風呂はいろっか」

幼「今、ほどいてあげるね」

男(え?)

男(これはチャンスなんじゃないか?)

男(ほどけたらダッシュで逃げれば可能性はあるはずだ)

幼「むー、固結びほどきにくいな」

男(逃げられるぞ! 逃げられるぞ!)

幼「んしょ、んしょ……とれた!」

男「今だっ!」ダッ


バチバチバチバチ


男「え?」

幼「あ、言い忘れてたけど」


バチバチバチバチ


男「スタン……ガン……」

幼「逃げようとしたら、これでばちばち、ってやっちゃうからね」ニコッ

男「そん……なっ」

幼「じゃぁ、お風呂に入ろうね」

幼「温かかった?」

男「あ、あぁ」

幼「よかった」ニコッ

幼「そろそろ、寝ないとね」

男「…………」

幼「えへへっ」

幼「じゃーん、ここが寝室だよ」

男「でかいな……ベッド」

幼「さてと、男をベッドにくくりつけるね」

男「好きにしろ……」

幼「ん」

男(なんとか隙を見て逃げ出さないと)

男(とにかく今は我慢だ)

幼「よっと……おしまい」

幼「おやすみ、おとこ」モゾモゾ

男「え……一緒に寝るのか?」

幼「当たり前だよ? ほら、ギュー」

幼「すーはー、すーはー……男の匂いでいっぱいだ」

幼「えへへ、もう絶対放さないもん」

男「…………」

幼「男、らい……すき」クテン

男「寝ちまった……」

男「俺も寝るか……」








幼『……やだよ』ジワァ

幼『置いてかないで……置いてかないでよ』ポロポロ

幼『男、まって…………やだ、やだやだ』

幼『わたし、男のことが……』

幼『お願いだから…………』

幼『嫌いに……ならないでっ』

今日はおしまいです

男「…………んぁ」

男「朝か……」

幼「すぅ……すぅ……」ギュッ

男「寝てると……可愛いのにな……」

幼「んむ…………」

男「でも……起こさないと何もできないし……」

男「おい……幼馴染、起きてくれ」

幼「……ふぇ…………」ムクリ

幼「うにゅ……おはよぅ、おとこぉ」ニコ

幼「えへへー、おはようのキス」チュ

男「っ……」

幼「よし、朝ごはん作ってくるね!」

ガチャ

男「…………」

男「……あいつ」

男「…………」

男「……ごちそう、さま」

幼「綺麗に食べてくれるとうれしいよ!」

男「…………」

男「なぁ……幼馴染」

男「俺のこと……好きなんだよな」

幼「大好きだよ?」

男「どのくらい……?」

幼「え? うーんと……」

幼「すごくすごくすごく好きだよ?」

幼「私、男のことならなんでも知ってるよ? 大好きだもん」

男「じゃ、じゃぁ……さ」

幼「……?」

男「俺が……」

男「お前のこと……嫌いだって言ったら」

幼「嘘」

男「っ」ビク

幼「嘘だよね、嫌いになったりしないよね」

幼「やだ、やだやだ……やだやだやだやだやだ」

幼「また私の事おいてっちゃうの?」

幼「いやだ、いやだよ!」

幼「嘘って言ってよ! ねぇ!」

幼「ねぇ! ねぇ、ねぇ! ねぇってば!」

幼「好きだよね、男も私の事好きなんだよね」

男「大丈夫だから! 落ち着け幼馴染っ!」

幼「そうだよね、男が私の事嫌いになるわけないよね」

男「あぁ、そうだから」

男(コイツ……マジでやばい)

幼「えへへ、男だいすき」ギュ

男(昔はこんなんじゃなかったのに)

幼「幸せだよぉ……男と居られて」

本日 終了

少量投下でごめんね

男(それより……)

男「幼馴染……」

男「俺は……ずっとこのままなのか?」

幼「うん! 私がずーっとずーっと愛してあげるよ」

男「いや、そうじゃなくて……学校とか」

幼「男はもう学校行かなくていいんだよ?」

幼「私が守ってあげるから、勉強しなくていいし働かなくていいんだよ?」

男「いや……でも……」

幼「何が心配なの?」ギュ

幼「ねぇ、何をそんなに心配してるの?」

男「そうじゃ……なくて」

幼「ねぇ」

男「その……えっと」

幼「男」

幼「私がいるよ?」

幼「ねぇ」

幼「心配することないよね」

幼「私は男を嫌いにはならないよ」

幼「愛して、愛して、愛し続けるよ」

幼「ねぇってば」

男「お、落ち着……」

幼「私は落ち着いてるよ」

幼「何がそんなに心配なのって」

幼「ねぇ」

幼「答えてよ」

幼「ねぇ」



幼「もしかして」

幼「女さんのこと?」




男「っ!?」

幼「知ってるよ? 男が女さんのこと気になってるの」

幼「男の事なら何でも知ってるって言ったよね」

男「あの子は……っ」

幼「でも男の心には私以外はいらないよ」

幼「私だけでいい」

幼「あんなのいなくなっちゃえばいい」

男「お前……なにかしてっ」

幼「何もしてないよ」

幼「私は男だけいればいいよ」

幼「他のことなんてどうでもいい」

幼「私のなかに男がいて、男のなかに私がいればいい」ギュゥ

幼「放さないよ、絶対放さないよ」

男「…………」

幼「もうあんな思いは……したくないもん」

男「…………」

幼「ちゅー、したい」

男「…………」

幼「するよ?」チュ

男「ん……」

幼「おと、こ……しゅき……んむ…ちゅ……ぷは」

幼「んーっ……ちゅ……れろ」

幼「……んっ……ふぁ」トロン

幼「もっと……しよ」

幼「んぁ……えへへ」ギュゥゥ

男「…………」

男「なぁ……他にすることないのか?」

幼「え、なんで?」

男「だって……もう10時間もこのままだぞ」

幼「もうそんなに経ったの?」

幼「男といると時間が経つのが早すぎるよぉ」

男「…………」

幼「まぁ、ごはん作らなきゃいけないからはなれなきゃいけないけど」

幼「まっててね、今日はカレーつくるから」

男「やっと……行ったか」

男「せめて、せめて手足は動かせるようにしてもらわないと何もできない」

男「何か、方法は……」

男「………………」

男「そうだ……」

男「少し……危険だけど、この方法なら」

男「今はやってみるしか、ないか」

幼「できたよ、カレー」

男「…………」グゥゥゥ

男「あっ……」

男(めちゃくちゃ……いい匂い)

幼「えへへ、そんなにお腹鳴らして男ってば可愛い」

男「くっ…………」

幼「おかわりあるからいっぱいたべてね」

男(うま、かった)

男(なんでこんなに料理うまいんだよ)

幼「えへへっ、男って美味しそうに食べるよね」

男「…………うまい、からな」

幼「やった! うれしいなっ!」

幼「男のために練習した甲斐があったなぁ」

男(……俺のため、ね)

幼「えへへー」ニコニコ

男(あれを……やるなら、今か)

男「な、なぁ……」

幼「どうしたのそんなに緊張して」

男「この縄……ほどいてくれないか?」

幼「……なんで」

男「…………っ」

男「お前を撫でたり、抱きしめたり……したい」

幼「えっ」

幼「ほんと?」

男「お、おぅ」

幼「…………」

幼「…………」

幼「とれた……」

男「…………っ」

男「…………」ギュゥ

幼「あっ、あっ!」ビクン

男「…………」ナデナデ

幼「ふぁっ……おとこ、ぉ」ジワァ

男「っ!? ……どっか痛いか?」

幼「ちがっ……むねが、いっぱい……でっ……うれしっ」ポロポロ

幼「あっ……すきっ、おとこすきっ」ビクビク

男「…………」ナデナデ

幼「ぎゅーって、もっと……ぎゅってしてっ」ビクビク

男「…………」ギュッ

幼「あっ……だめっ、すきっ……あっあっ」ビクン

幼「―っ! ―っ! ――っ!」ガクガク

男「っと……」

幼「……ぁ」クテン

男「気絶しやがった……」

男「ほどいてもらったはいいけど、手だけ……」

男「まぁ、まったく動けないよりはましか」

男「どうにかして足もほどいてもらわないと……」

男「まぁいいや……今日はここまでで」

男「寝るしかないか……」








――ち、ちげぇよ! お前ら勘違いすんな!

――別に好きとかじゃない!

幼『えっ……』

――こいつが勝手についてきてるだけだっ!

幼『わたしのこと……きらい、なの?』

――っ、そうだよ! お前の事なんか大っ嫌いだよ!

幼『そん……なっ』ジワッ

幼『やだよ……いやだよ』ポロポロ

幼『まってっ……おいてかないで』

幼『おねがい……だからぁ』

幼『……う、ぁ……ぁぁ……いやぁ……』

本日 終了?

今日中にまた書けたら投下します

男「くぁ、ぁ……朝か」ジャラッ

男「ん? じゃら、って……」

男「首輪……?」ゾッ

幼「おはようっ」ギュゥゥゥ

男(手足は自由になったけど……鎖が付いた首輪が)

幼「おとこっ、おとこっ……好きーっ」

男「幼馴染……これ……」ジャラ

幼「昨日ねっ、男にぎゅーってやってもらったらね!」

幼「ぽかぽかして、どきどきして気持ちよかったからねっ」

幼「またやってもらおうとおもって首輪に替えたのっ!」ニコッ

男「…………」ゾクッ

男(失敗した……)

男(首輪って……普通の人は、考えつきもしないだろ)

幼「なでなでして?」

男「……あぁ」ナデナデ

幼「んっ……えへへ……」トロン

男(くそっ……)

男(まぁ、ある程度は動けるようになった)

男(鎖の長さ的に自由に動けるのはこの部屋の中くらいかな)

幼「男、おはようのちゅーして」

男(何とかして逃げる手がかりを探さないと)

幼「ねぇ、はやく」

男(鎖が切れれば何とかなるんだが……)

幼「男……聞いてるの?」

男(太さ的にきついよな……首輪も千切れそうにないし)

幼「むぅ……もう! 怒った!」

男(これをはずしてもらう方法をって、むぐぅ!!)

幼「ちゅ……れろ、んっ……はむ……」

男「むぁ……ちょ、やめっ……ちゅぅ……」

幼「やめないもん……はみゅ、ちゅぷ……れろ」

幼「ちゅ、ちゅむ……ぁふ……」

幼「ふぁぅ……ちゅ……むぁ……ちゅぅ」

男(ちょ、長っ……)

幼「んくっ……はむ、ちゅぷ……むぅ」

幼「はふ……れる、れろ……にゅふ……」

男(息が、苦しっ)

幼「ちゅ、ちゅく……ちゅぅぅっ……」ピクン

幼「あふっ……はぅ、ふ……ちゅっ」ビクビク

男(止めないと……死ぬっ!)

幼「れるっ……ちゅむ、ぷぁ……ちゅ」ビクビク

男(ちくしょっ……がぁ!)ギュッ

幼「ふぁっ!? だめっ! 抱きしめちゃ、あっ、あっ」ビクン

男「落ち着けっ……」

幼「ぁ……ふ……」

男(助かっ……た……)

男「なんで……こんなことしたんだよ」

幼「だってぇ……男が無視するからぁ」ジワァ

男「……わかった、わかった……ごめんな」

幼「すんっ……すん……」

男「…………」

男(なんか……気まずい)

幼「……ごはん、つくってくる」トボトボ

ガチャ

男「…………」

男「昔は、こんなにおかしいやつじゃなかったのに」

男「何でこうなったんだ……」

男「なんかあったっけ…………」

男「…………」

男「あれ……あんまり思い出せない」

男「幼馴染との……思い出って何かあったっけ」

男「高校でも……同じ学校ってだけで全く会わないし」

男「中学では……あれ? 全然会ったりしてない……?」

男「幼馴染と……あんまり交友が無い」

男「…………」

男「小学生の時までは……いつも一緒だったのに?」

男「なんで、こんな疎遠になったんだっけ」

男「何かあった……?」

ちょっと休憩

すまない、やっぱり本日終了

男「何か……」

男「だめだ……もう6年くらい前か? 記憶がかすりもしねぇ」

男「まぁ、きっと中学入って自然消滅でもしたんだろうな」

男「ん? でもそれだと何で今頃になってこんなことに……」

男「…………」

男「…………」

男「こんな状況なのに……俺、すごい冷静だな」

幼「ごはんできた……」

男「ポテトサラダと、たまねぎの味噌汁と、鯖の塩焼き?」

幼「男が嫌いな物……」

幼「ちなみにポテトサラダにはマヨネーズたっぷり」

男「うげ……」

幼「食べろ……」グイッ

男「…………ぐ」パク

男「むぅ…………あれ、うまい?」

幼「え!?」

男「これも……鯖もうまい、ぞ」

幼「嫌いじゃないの?」

男「嫌いだけど……」

男「お前の腕が……良いからなのか?」

幼「そう? ……えへへ」

男(機嫌がコロコロ変わるな……)

男(おかしくならなきゃかわいいんだけどな……)

幼「そっか……上手なのかぁ……」

男「……うま」

男「ごちそうさま」

幼「ん」

男「…………」

男(こいつに対する恐怖心……どっかいっちまった)

幼「お風呂沸かしてくるねー」

男「おう」

ガチャ バタン

男(なんだかんだで居心地が良くなってるのか)

男「いや……ちがう、な」

男「もう麻痺してるんだろうな……感覚が」

かぽーん

男「昼風呂なんて何年振りだ?」

男「風呂の時は……首輪が無い」スリスリ

男「少しだけ気が楽だな」

男「…………」チャプ

男(あいつが変わった理由)

男(全然思い出せない『何か』があったと思うんだけど)

男「聞いてみるか? 本人に」

男「何でそうなったか聞くのは、危ない……かな、また暴走しそうで」

男「小学生のころって何があったっけ……って感じで聞けば」

男「後で聞くかな」

幼「気持ちよかった?」

男「あぁ」

幼「じゃぁ、私も入ってくるね」カチャカチャ

男(首輪付けるのは忘れてくれないか……)

幼「ん、逃げちゃだめだよ」カチャン

男「…………」

本日終了

少量でごめんね、ごめんねー!

幼「ただいまー」

男「おかえり……」

幼「……ん」ギュ

男「…………」

男「今日はどうすんの……」

幼「……男とダラダラ」

男「んー……」

幼「ダメ?」

男「いや、ずっとそればっかりだから……」

幼「私はこのままがいい……」

男(病的なほどの依存……か)

男(原因は……俺が覚えていない何か)

男(聞いてみるか)

幼「……むー」ギュ

男「……幼馴染」

幼「なぁに?」

男「あー……」

男「小学生の時、なんかあったっけ」

幼「…………っ!?」ビクッ

男「よく考えると小学校の終わりからあんまりかかわりが無いよな……」

幼「…………っはぁ」ガタガタ

男「ん……?」

幼「いや……いやぁ」ビクビク

幼「あぁぁぁああああぁぁぁぁっ! いやっ、いやぁぁぁあああぁぁぁっ!」

男「なっ!!」

幼「うぁぁあああああああぁぁ……いたい、いたい……胸がいたいよ」

幼「くるしい、いやだいやだいやだいやだいやいやいやいやいやぁ」

幼「おいてかないできらわないでまってまってたすけてあああああああ」

男「ちょ、落ち着けって幼馴……」

幼「はぁっはぁっはぁっはぁっはぁっはぁっはぁっはぁっはぁっ」ガタガタ

幼「きらいっていやだようそだよねうそっていっておねがいだから」

男「まずいって……」

幼「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで」

幼「うぁああああっ、あああああああああぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあああああ」

幼「あああああああああああああああああああああああああああああ」

幼「     」プツン

男「っ!」

幼「…………」バタッ

男「幼馴染っ!」

男「よいしょ……っと」トサ

幼「」

男「どうしよう……」

幼「」

男「気ぃ失ってるし……」

男「これ、逃げるなら今しかないよな……」

男「どっかに持ってる鍵を盗んで……逃げて……行けば」

幼「」

男「…………」

男「くそっ……置いて行けるかよ」

幼『……あっ』

――っ!?

幼『男……昨日のこと……』

――……っ

幼『まって! 男、なんで無視するの!』

幼『ホントに……わたしのことが……っ』

幼『……うぁぁああっ、いやだ……いやぁ』

――…………


幼『……わたしのこときらいなんだ』

幼『きらいなんだきらいなんだきらいなんだ』

幼『むねがいたいよ……くるしいよ……』

幼『つらくて、かなしくて、いたくて、いたくていたくて』

幼『たすけてよ……たすけて』


幼『…………』

幼『わたしは……すきだよ』

幼『でも……きらいなんだよね……わたしのこと』

幼『…………』

幼『…………』


幼『……う、ぁ』

幼『うぁぁあああぁぁっ、いやぁぁぁぁぁ』

幼『あああああっ、ひぐっ……うわぁぁ、ぁぁああぁっ』

幼『っ、ぐぅ……おと、こぉ……』

幼『うああああああああああああああっ……』






















幼『……ひっく……ひっく』

幼『えへへ……』

幼『…………また仲良くしたいなぁ』

幼『どうすれば……いいのかなぁ』

幼『…………』






















幼『おとこ……すき、だいすき』

幼『すきですきですきですきですきですきですきですきですきですきですきですきだよ』

幼『えへへへ……まっててね』


幼『わたしがずーっといっしょにいてあげるから』


幼『えへっ、えへへへ……』

今日はここまで

遅れてごめんね

幼「……ん、ぁ」ムクリ

幼「あれ……私、なんで」

男「お、良かった……気が付いたか」

幼「男……わたし、私……?」

男「いきなり倒れたからどうなったのかと……」

幼「倒れ……た…………あっ?!」ビクン

男「ったく……心配掛けて」

――お前なんか嫌いだ

幼「い……や……」ガタガタ

男「ん? どうしたんだそんな顔して」

――勝手についてくるなよ

幼「こないで……こないでっ」ビクビク

男「……何言ってんだ?」

――消えろ、消えろ消えろ

幼「たすけて……たすけて」ガクガク

男「顔色悪いぞ……まだ寝てろよ」

――お前なんて大嫌いだ

――二度と俺に話しかけるな……

幼「なんで……どうして……」ズルズル

男「お、おい……大丈夫か?」スッ

――幼馴染なんて大嫌いなんだよ

――嫌いで嫌いで嫌いだ

――来るな、寄るな……消えろ

幼「触らないでっ!」

幼「もうやだよ」

幼「いやだ、いやだいやだいやいやいやいやいやいや」

幼「いやぁぁぁあああぁぁぁ!」ダッ

男「どこ行くんだよ! 待てって!」

――消えろ

――消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ

幼「うぁぁああああああぁぁぁぁぁあああぁぁっ!」

男「おい! っ?!」ガキン

男「鎖……邪、魔だよ!」ガキンガキン

男「……くそっ」ジャラ

男「なんだよ……」

男「一体、昔何があったんだよ」

男「怯えてた……よな」

男「思い出せ……思い出せ……」

男「嫌いにならないで……って言ってた」

男「置いて行かないで……」

男「…………」

男「たすけて……」

男「…………」

男「思い出せよ……」

男「……なんだよ俺」

男「逃げたいんじゃなかったのかよ」

男「幼馴染なんか……」

男「…………」

男「…………」

男「逃げなくていい……」












幼「いやだいやだいやだいやだ」

――嫌いだ

――お前なんか

――大嫌いなんだよ

――幼馴染

――嫌い、嫌い

――ついてくるな

――嫌いだ

幼「いや、いやぁ……」



――死ねよ



幼「……っ?!」

幼「死……ぬ……?」

――死ね

幼「…………」

――嫌いだ

幼「う……ぁ……」

――死ねよ

幼「…………でも」

幼「…………」

幼「死ぬなら……男と一緒がいいな」

男「…………思い……だせ」

幼「男」ユラ

男「幼馴染?! 大丈夫か」

幼「うん、平気だよ」ユラユラ

男「…………ごめん、俺」

幼「ねぇ」スッ

男「え?」

幼「男……一緒に死のう?」ギラッ

男「は? おいなんだよその包丁……」

幼「だって……男に嫌われたら生きてる意味ないもん」

男「待てって……正気になれよ幼馴染……」

幼「生きてたってつまらないもん」

男「嘘……だろっ」

幼「だったら男と一緒に死んだ方がいい」

男「たすけて……くれ」ガタガタ

男「ま……って」

幼「大丈夫だよ、私がいる」

幼「ずーっと一緒にいるよ」

男「……いやだ」

幼「そっか……やっぱり男は私が嫌いなんだ」

今日はここまで

幼「昔からずっと嫌いなんだ」

幼「昔みたいに置いて行くんだ」

幼「昔と同じように助けてくれないんだ」

男「昔って……」

幼「でも……もう私は置いてかれたりしないもん」

幼「男がどこかにいっちゃう前に」

幼「一緒に天国に行くから……ね」ギラッ

男「ま、待ってくれ!」

幼「……?」

男「その……えっと」

幼「なに?」

男「昔って……」

男「昔、何があったんだ?」

幼「え……」

男「…………」

幼「男は、覚えて、ないの?」

男「……覚えてない」

幼「え」

男「…………」

幼「…………」

幼「私は胸がずきずき痛かったのに」

幼「苦しかったのに、悲しかったのに、辛かったのに」

幼「なのになのに、男は覚えてないの?」

男「その…………ごめん」

幼「…………」

幼「そんな……」

幼「…………」

男「…………」

幼「じゃぁ……」

男「…………」

幼「男は……」

幼「私のこと……嫌い?」

今日はここまで

男「…………俺は」

幼「…………」

男「昔からずっとお前のことが好きだ」

幼「…………え?」

男「いつも隣にいる幼馴染が好きだったぞ」

幼「うそ……だって、私のこと大っ嫌いって……」

男「もしかして……昔のことって……」




男「……そうだったのか」

幼「…………」

男「あ……幼馴染……」

幼「どうして……」

男「……?」

幼「どうして私のこと嫌いって……」

男「あー…………」

幼「好きだったんなら……どうして……」

男(どう考えても……アレだからだよな……)

男「その……」

幼「やっぱり殺されないための嘘なんでしょ!」ギラ

男「ち! 違う!」

幼「じゃぁ…………じゃぁなんでよぉ……」ジワァ

男(…………言わなきゃだめか)

幼「ぅ……ぅぅっ……」

男「あー……恥ずかしかった、から」

幼「……?」

男「そのだな……幼馴染のこと好きなのを知られて恥ずかしかったから……」

幼「……?」

男「えっと……小学男子ってのはな」

男「好きな人がいても……からかわれるのが恥ずかしいんだよ」

幼「…………ぁ」

男「だからつい嫌いって言っちゃって…………ごめんな」

幼「で、でも……その後も私のこと無視して……」

男「罪悪感っていうか……合わせる顔が無いっていうか……」

幼「辛かったんだからぁ……」

男「ごめん……」

幼「……包丁置いてくる…………」トボトボ

男「……ん」

男(助かった……当面は)

幼「……すんっ……すんっ」

男「…………」

幼「…………」カチャカチャ

男「えっ、おい……」

幼「…………」コトン

男「首輪…………」

幼「もう、私のこと嫌わない?」

男「…………う、ん」

幼「…………」

男「……あの、幼馴染?」

幼「キス……」

男「へ?」

幼「キスして……男から」

幼「じゃないと……殺しちゃうもん……」プイ

男「わ、わかったよ」

男「…………ん」チュ

幼「…………」チュッ

男「…………」

幼「帰ろ……」

男「どこに?」

幼「男のお家…………」

男「っ!」

その後

男「ん、っー……」

幼「おとこ――――!」ダキッ

男「うお! いきなり走ってくるなよ!」

幼「え……私のこと嫌いなの?」ジワァ

男「違うから!」

幼「ならいいっ」ギュー

男「はぁ……」

男(あれから、結構たったな)

男(監禁とか危ない事はしなくなったけど)

幼「えへへーっ」スリスリ

男(四六時中くっついてくるのは変わらない)

幼「ねぇ、男ちゅーして」

男「ここ、学校なんだけど……」

幼「してくれないと、殺しちゃう……」

男「お前が言うとシャレにならないんだよ……」

男(それでも、まぁ)

男(今の生活も悪くはないんじゃないだろうか)

幼「おとこ、ちゅー!」

男「はいはい……」チュッ

完結(´・ω・`)

長らくお待たせして申し訳ありませんでした
御閲覧ありがとうございました

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