私のお姉ちゃん (39)
昔書いた姉「死にたい……」妹「おねぇちゃーん?」を加筆修正したものです。
これからセンター試験なので書きます。台本形式ではないです。
……これからセンター試験だよほんとどうすんの
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――――私にはお姉ちゃんが居る――――
「おはよう。妹ちゃん」
「おはようお姉ちゃん。今日はぐっすり寝れたみたいだね」
「……え?8時30分……だ……あー‼会社遅刻する‼‼」
「なに言ってんのお姉ちゃん。一週間有給だって言ってたじゃん」
「あれ?そうだっけ?」
「ほら、有給全然取ってないから、会社に取れって言われたって言ってたよ」
「……あーそうだった。そっか、今週一杯休みだったっけ」
「もーお姉ちゃん。それ昨日も言ってたよーしっかりしてよねー」
「なんか働き詰めだったから、どうもねー」
私のお姉ちゃんは優しくて、格好よくて、どこか抜けている所もあるけれど、とっても素敵な人だ。今年で2X歳になんるお姉ちゃんは、若くしてバリバリのキャリアウーマンってやつで、死別した両親に代わって、大学の研究室でモラトリアム人間をしている私を養っていただいている。もう足を向けて眠れないよね。いわんや、年齢をばらすなんてとてもとても……
あー一応研究も頑張ってはいるんだよ?最近の研究?最近は霊的ななにかの存在の確認をもとに、そこからクローンの記憶と性格をできるだけ……一応我ながら胡散臭いとは思っているんだよ?学会で認められることもなく……うん。この話はやめよう。
私は気持ちを切り替え、お姉ちゃんと朝ごはんを食べることにした。
「お姉ちゃん。朝ご飯作ってるよ。一緒に食べようよ」
「わー妹ちゃんありがとー。いただきます」
「召し上がれ」
「あ、妹ちゃん研究の方は大丈夫なの?」
「もーお姉ちゃん。私昨日、お姉ちゃんが休みの間は私も休むって言ったじゃん」
「アハハ、そうだっけ?もうなんかダメダメだなぁ」
「最近働き詰めだったから、疲れてるんだよ。有給一杯使って、ゆっくりしよう」
「よーしじゃあ毎日妹ちゃんとイチャイチャするぞー!」
「ハイハイお姉ちゃん。とりあえず早くご飯食べよ」
「む、妹ちゃんが冷たい」
「お姉ちゃんの為にこんなにおいしい朝ご飯を作ってあげてる妹にむかって、冷たいとは何事だ」
「ははっー妹様。大変美味しゅうございます。ありがたやーありがたやー」
そんな頭の悪い会話をしながら、お姉ちゃんと一緒に朝ご飯を食べる。なんとなく目に入った時計は、8時52分を示していた。
……8時52分。
なんだろう。なぜだか、胸騒ぎがする。
「ねぇお姉ちゃん」
ふと、お姉ちゃんに呼びかけて見た。
「なぁに?妹ちゃん?」
「ううん。なんでもないんだ」
お姉ちゃんには何も変わったことはない。うん。今日もお姉ちゃんは正常だ。私は、今日はお姉ちゃんとお出かけをしようとふと思った。
「お姉ちゃん!今日どっか一緒にお出かけ(デート)しようよ」
「うんいいね。どこに行こっか?」
「うーん。あ、そうだ!そろそろ寒くなってきたし、秋服買いに行こう!」
「そうだね。じゃぁ隣町のショッピングモール行こうか」
「さんせー!」
さぁ、今日はどんな1日をすごそうか。
「おはよう妹ちゃん」
「おはようお姉ちゃん。昨日は楽しかったねー」
お出かけ(デート)の次の日。今日も今日とて、お姉ちゃんと朝の挨拶をする。お姉ちゃんがテーブルにつくと、私はお味噌汁とご飯、焼き鮭というスタンダートな和食の朝ご飯を用意し、エプロンを外しながらテーブルにつく。
時計は八時五十一分を指していた。
……なんだろうこの胸騒ぎは。
「ね、ねえお姉ちゃん!今日はなにしようか」
「……ぃ……ぃ……」
返事がない。いや、よく聞くとなにかを言っているようだ。
「ど、どしたのお姉ちゃん……?」
顔をあげると、虚ろな目をしたお姉ちゃんがいて、「死にたい」と呟いた。
「……お姉ちゃん?」
「もうやだ死にたい……」
「だからお姉ちゃん。なにがあったの?」
「妹ちゃん。もう死にたいよ……」
「お姉、ちゃん?」
「死にたい……」
「お姉、ちゃんそんな事、そんな事言わないでよ」
「死にたい……」
私のお姉ちゃんは、そんな事いう人じゃない。違う。私のお姉ちゃんは、いつも前向「死にたい……」きで、明るい人だ。
「死にたい……」じゃあなんだ。『これ』はなんだ?あ、そうだ。とりあえずお姉ちゃんではないんだ。お姉ちゃんじゃない。じゃあ、なんだ?「死にたい……」『これ』は、なんだ?いや、重要なのはそんな事じゃないじゃないか。「死にたい……」
そうだ。『これ』の正体なんかどうでも良い。重要なのは、『これ』が、「死にたい……」卑しくも私のお姉ちゃんの姿で、私の素敵なお姉ちゃんの姿で、「死にたい……」死にたいだなんて、「死にたい……」おかしな事を言っている事だ。
『これ』は、この、お姉ちゃんの姿をしたタンパク質の塊は、一体私「死にたい……」の素敵なお姉ちゃんを、どこにやったんだろう?「死にたい……」
タンパク質と水分と、後「死にたい……」あぁそうだ。水分60%、たんぱく質18%、脂肪「死にたい……」18%、鉱物質3.5%、炭水化物0.5%で出来ている「死にたい……」この物体は、お姉ちゃんをどうしたんだろうか?
うるさい。
「うるさい」
「死にたい……」
うるさい。
「うるさい」
「死にたい……」
うるさい。
「うるさい」
「死にたい……」
卑しくも、卑しくも、私のお姉ちゃんの姿で‼
「そんなに死にたいなら殺してあげるよ‼」
「死にたい……」
うるさい。うるさい。うるさいうるさいうるさい‼
私はナイフを手に取り、お姉ちゃんを、殺した。不思議と、私の体は何の躊躇いも無く、何故だか、慣れた手つきで、お姉ちゃんを……
「お姉、ちゃん?」
私の目の前には、お姉ちゃんの死体がある。
「お姉、ちゃん?」
私の目の前には、お姉ちゃんの死体が……死体?
「お姉、ちゃん?」
お姉ちゃんの死体……死体……赤い、死体……あ、あか……あか……あ、あああ、センター……
あーあ、私の、あーあ、あーあ、手の中には、お姉ちゃん、あーあ、あ、死死にた、血の、ナイフが、血、赤赤赤い液赤あー、血が、あーあ、血液、あーの、あーああ、血清が、あーあ、血液、あー凝固、因子あーが、組織から、あーあ、プロトロあーあーンビあーン、フィブリン、あーあ、ああ、お姉ちゃん、死ぬ、握あああああ死られていて、至るる、いる、ああ、血餅が、あ人、あーいて、私が、お姉ちゃん、を、あーあ、明らか、ああで、私の手の中あーあ、に暖かい血が暖あ、あかい、あ赤いああ、たかいああか、い血、が私の手の中にあふれ、てきて、あああたたかいなあ、あ、にかが、お姉ちあ、あ、あ、ゃんのあーあ、体が目あ、あ、あ、の前にあーあー倒れあああていて、あ、あ、あ、私が した、私あーあが、 したあああ「あああああああああ」
「あ、」
そうだ。そうだった。
「思い出した。ただのクローンだ」
そう、これはただのお姉ちゃんクローンだった。私は、机の中からクローンの記録ノートを取り出す。
「1月17日8時52分。活動時間86時間53分。約3日かぁ。
421号のお姉ちゃんは147時間53分持ったのになぁ」
それでは、センター試験を受けてきます。
続きは帰ってから……やる気力体力はたぶん残っていないと思うので、申し訳ありませんがセンター終了後からで
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