アセイラム「ご、ごめんなさい間違えてしまいました///」
イナホ「・・・・いえ、慣れてますから」
こういうの絶対誰かネタにしようと思ったろ。だから書けよください。
インコ「災難だったね、イナホ」
イナホ「気にしてないよ」
アセイラム「あ、こんにちは淫行さん」
インコ「!?」
アセイラム「どうかなさいました?」
イナホ「……わざとやってるんですか? お姫様?」
アセイラム「?」
イナホ「……淫行じゃなくて『インコ』ですよ」
アセイラム「チ○コ?」
インコ「……私のこと嫌いなんですか?」
アセイラム「い、いいえ! そんな!」
イナホ「では難聴なんですか?」
アセイラム「それも違います」
イナホ「……彼女の名前は『インコ』です。 分かりましたね?」
アセイラム「分かりました、イナホさん」
アセイラム「イ○ポさんですね」
インコ「真面目に怒りますよ!?」
アセイラム「え?」
イナホ(……頭が痛くなってきた)
イナホ「ともかく、一度医療室に行きましょう」
イナホ「正直、聞き違いとかいうレベルを超えています」
アセイラム「そんな……私はどこも悪くないと思いますが」
インコ「人を放送禁止用語呼びしてる時点で、相当頭が悪いと思われますよ……」
アセイラム「それは地球の風習ですか? イ○ポさん」
インコ「断じて違います! あと名前もね!」
アセイラム「はあ……」
イナホ「ともかく医療室へ行こう」
―――――――――――
医療室
ソウマ「……はあ?」
イナホ「あきれると思いますが、本気で言ってますから」
ソウマ「……ふむ」
ソウマ「とりあえず……インコさんの名前を呼んでみてくれ」
アセイラム「はい。 ……イ○ポさん」
ソウマ「!?」
イナホ「信じてもらえましたか?」
ソウマ「……冗談でやっているんじゃないんですね?」
アセイラム「私は普通に呼んでいるつもりなのですが……」
ソウマ「ふむ……」
ソウマ「では、私の名前を言ってもらえますか?」
ソウマ「ああ、私の名前は耶賀頼 蒼真(やがらい そうま)と言います」
アセイラム「ヤガライソウマさん」
ソウマ「では、イナホくん」
アセイラム「イナホさん」
ソウマ「じゃあ、インコさん」
アセイラム「チ○コさん」
ソウマ「…………」
イナホ「…………」
インコ「…………」 イライラ
ソウマ「……よくわからないが、重症かもしれないな」
アセイラム「そ、そんな!」
イナホ「先生。 クランケの前で不用意な発言ですよ」
ソウマ「すまないが、こんな妙ちきりんな症例に出会った事がなくてね……」
ソウマ「姫様。 火星で病気に心当たりはありませんか?」
アセイラム「さあ……というか、私自身に自覚がないので良くわかりません」
ソウマ「……困ったな」
インコ「そう言わずに何とか治療してやってください」
インコ「いつまでも放送禁止用語呼びされるのは……ちょっと」
アセイラム「すみません……チ○コさん」
インコ「もう呼ばないで!!」///
テク テク テク…
ライエ「すみません、先生」
ライエ「湿布薬を……って」
アセイラム「あ……淫乱さん」
ライエ「っ!?」
ソウマ「」
イナホ「」
インコ「」
ライエ「どういう意味なの……?」
ライエ「ああ……殺しかけた事、まだ根に持ってるんだ?」
アセイラム「え? え?」
イナホ「ライエ、とりあえず落ち着いてくれ……」
イナホ「姫にそういう感情はない。 バカバカしく思えるだろうが事情を聞いてくれ」
ライエ「……いいわ」
―――――――――――
ライエ「……信じられないわ、そんな話」
インコ「あんたもチ○コ呼ばわりされれば、嫌でも信じるわよ」
ライエ「…………」
ライエ「私はライエよ?」
アセイラム「はい。 乱交さん」
ライエ「『ラ』しか合ってないわよ……」
イナホ「不愉快だろうが、少し我慢してやってくれ」
ライエ「ええ。 質の悪い病気みたいね」
ライエ「じゃ……」
テク テク テク…
アセイラム「私……ちゃんと乱交さんとお呼びしたのに……」
インコ「重症ね……」
疲れたよ……パトラッシュ……
もう眠いんだ……
ソウマ「イナホくん。 何か気がつかなかったかい?」
ソウマ「どんな些細な事でもいい」
イナホ「そうですね……」
イナホ「……そういえば、一度だけですが僕の事も『オ○ホ』って呼んでました」
ソウマ「ぶっ!?」
アセイラム「イ、イナホさんっ!?」///
アセイラム「あ、あれは、本当にただの言い間違いでっ……」///
インコ(……っていうか、赤くなるって事は『オ○ホ』の意味を知ってるって事よね)
インコ(どこでそんな単語を覚えたんだろう?)
スレイン「……っえくしっ!!」
ソウマ「……オホンっ!」
ソウマ「ともかくだ。 しばらく様子を見てみないと何とも言えない」
ソウマ「心理的要因か脳の機能障害のたぐいかすら分からないからな」
イナホ「そうですか……」
ソウマ「とは言うものの……私はここを離れる訳にもいかないし」
ソウマ「イナホくん。 彼女にしばらくの間、付き添ってやってくれないか?」
イナホ「……え?」
インコ「ちょ!? なんでイナホが!?」
インコ「お付きの次女が居るんですから、その娘に任せるべきじゃないんですか!?」
ソウマ「まあ確かにそうなんだが……あの娘は上手く説明できるかどうか微妙だし」
ソウマ「それに『地球に来たからこうなった』と思われても厄介だ」
インコ「ぐっ……」
ソウマ「もちろん姫様がお嫌なら誰か他の人物を……」
アセイラム「わ、私に反対意見はありません」///
ソウマ「では……後はイナホくんの意思次第だけど」
イナホ「……分かりました。 僕でいいのなら」
アセイラム「す、すみません……イナホさん」///
インコ「ぐぎぎ……」
ソウマ「それじゃあ、簡単な検査をしてもらうね」
ソウマ「すぐ済む」
アセイラム「分かりました」
イナホ(……えらい事になったな)
インコ(二人っきりになんてさせないんだからっ!)
―――――――――――
イナホ「検査結果は異常なし……か」
インコ「機能障害とかじゃないって事?」
イナホ「詳しくは分析結果待ちだけど、たぶん心理的な原因だろうって」
アセイラム「心理的……ですか」
イナホ「最近何かストレスを感じているとか、そういうものに心当たりは?」
アセイラム「う~ん……」
アセイラム「特に……思い当たりません」
イナホ「そうですか」
インコ「変な物でも食べたんじゃない?」
アセイラム「その様な真似はしませんよ、チ○コさん」
インコ「……フツーに嫌味と悪口に聞こえるわ」
イナホ「その可能性は低い」
イナホ「姫はほぼ、こちらが提供した物しか食べていない」
イナホ「食料が原因なら、他にも症状を訴える者が居ないとおかしい」
インコ「イナホは変わらないねー」
テク テク テク…
ニーナ「あれー? イナホにインコ……それにお姫様?」
ニーナ「珍しい取り合わせだね?」
インコ「あ、ニーナ。 えと、今ね……」
アセイラム「こんにちは、○ンニさん」 ニコッ
ニーナ「!?」///
イナホ「」
インコ「」
―――――――――――
イナホ「……という訳なんだ」
ニーナ「……そ、そうなんだ。 大変だね」
アセイラム「すみません、ク○ニさん……」
ニーナ「とりあえず、名前を言わないでください!」///
インコ「一文字しか合ってないわね……ライエの時と同じく」
イナホ「……よし」
イナホ「こうなったら出来るだけサンプルを集めてみよう」
インコ「はあ? サンプル?」
イナホ「名前を言い間違えるのはどんな奴なのか、共通点を探ってみるんだ」
ニーナ「ああ、なるほど……って!?」
ニーナ「それって……姫様にストレスを与えている人の特定にならない?」
イナホ「……致し方ないだろう」
イナホ「このまま姫に卑猥な言葉を言われ続ける事の方が、よっぽど始末が悪い」
イナホ「多少の軋轢は俺たちでカバーしよう」
インコ「簡単に言ってくれるわね……」
ニーナ「…………」
ニーナ「……ねえ」
インコ「ん?」
ニーナ「その……今までの傾向からすると……」
ニーナ「マグバレッジ艦長の名前って、やばくない?」
インコ「…………」
イナホ「……僕には良くわからないが、なるべく会わせたくないのは良く分かる」
マグバレッジ「……私がどうかしましたか?」
インコ「!!」
ニーナ「か、艦長!!」
アセイラム「あ、こんにちは、マグバレッジ艦長」
イナホ「!」
マグバレッジ「はい。 アセイラム姫殿下」
不美咲「どうかしたんですか?」
アセイラム「いえ、特に何も……」
ユキ「イナホ? どうしたの? こんなところで」
アセイラム「ああ、フェ○チオさん」
マグバレッジ「」
不見咲「」
ユキ「」
ニーナ「」
インコ「……とうとう一文字も合わなくなったわね」
イナホ「……事情を説明します」
―――――――――――
マグバレッジ「……にわかには信じ難いが」
マグバレッジ「事情は分かった」
不見咲「私は理解に苦しみます」
マグバレッジ「……あなたは、相変わらずモテていない様ですね」
不見咲「…………」
ユキ「っていうか……私、姫様に何かしたのかしら……」
ユキ「ショックだわ……」
アセイラム「フェ○チオさん、そんな事は決してありませんよ!」
インコ「姫様、ちょっと黙りましょう」
イナホ「……ともかく」
イナホ「今までの傾向で無かったパターンが出てきた」
インコ「というと?」
イナホ「共通点として、姫が名前を言い間違えるのは女性ばかりだったが」
イナホ「艦長と副長という例外が現れた」
ニーナ「なるほど……」
イナホ「だが、もっとサンプルが欲しいな……」
イナホ「すみません、艦長、副長、ユキ姉。 俺たちは行きます」
マグバレッジ「分かりました」
不見咲「どうぞ」
ユキ「早く治してあげてね……」
―――――――――――
医療室
ソウマ「…………」
イナホ「……というわけで、年齢や接触の有無、性別の違いなど」
イナホ「様々な視点でサンプルを集めたんですが……」
イナホ「姫が名前を言い間違えたのはインコ、ニーナ、ライエにユキ姉の4人だけでした」
ソウマ「ふむ……」
イナホ「完全にお手上げです……先生の方はどうですか?」
ソウマ「ん? ああ、やはり詳しい分析結果でも特に異常は見受けられなかったよ」
イナホ「そうですか……」
ソウマ「ただ……ね」
イナホ「え?」
ソウマ「少し……思い当たる事が出てきた」
イナホ「どんな事ですか?」
ソウマ「んー……とりあえず、イナホくん、インコさん、ニーナさん」
ソウマ「席を外してくれるかな?」
イナホ「え?」
ソウマ「姫様と話したい事がある」
イナホ「……分かりました」
イナホ「何かあったら呼んでください」
ゾロ ゾロ ゾロ…
ソウマ「…………」
ソウマ「……では、姫様」
アセイラム「はい」
ソウマ「単刀直入に聞きます」
ソウマ「イナホくんの事を恋愛対象として見ていらっしゃいますか?」
アセイラム「!!!」///
アセイラム「そ、そんな、事、は……」///
ソウマ(若いって、いいねー) クスッ
ソウマ「すみません。 だいたい分かりました」
ソウマ「ちゃんと守秘義務は守りますから、ご安心を」
アセイラム「~~~っ」///
ソウマ「これは私の推測に過ぎませんが……」
ソウマ「あなたは、イナホくんに親しくしている年頃の女性に」
ソウマ「何らかの敵愾心、というか嫉妬、というか……」
ソウマ「対抗意識があるのではありませんか?」
アセイラム「!!」
ソウマ「そういったものが蓄積され、ストレスになり、今回の症状となって現れた……」
ソウマ「とまあ、単純な分析ですけどね」
アセイラム「…………」
アセイラム「……どうすれば」
アセイラム「どうすれば、治りますか?」
ソウマ「精神的なものならストレスを発散、もしくは」
ソウマ「原因を取り除くのが一番です」
アセイラム「発散や取り除く……」
アセイラム「どうすればいいのですか?」
ソウマ「ふむ……そうですね」
ソウマ「…………」
ソウマ「よし、ここはまた、イナホくんに頑張ってもらおうかな」
アセイラム「イナホさんに?」
イナホ「……話は終わったんですか?」
ソウマ「ああ、すっかりね」
ソウマ「で、だ」
ソウマ「姫様のストレスの原因は君にあると思う」
ニーナ「え!?」
インコ「イナホが!?」
イナホ「……僕が何かしたんでしょうか?」
ソウマ「そういう事じゃないよ」 クスッ
ソウマ「まず……姫様は立場、というものがある」
ソウマ「けど、やはり同じ人間で一人の女の子なんだ、という事だよ」
イナホ「……すみません。 具体的に何をすればいいのか言ってください」
ソウマ「まあ単純に言うなら……姫様を名前で呼んでみて欲しい」
インコ「」
ニーナ「」
アセイラム「」
イナホ「……説明してください」
ソウマ「簡単に言えば、君は『姫』か『姫様』としか、彼女を呼んでいないだろう?」
ソウマ「でも、君の周りの自分と同じくらいの女の子には名前で呼んでいる」
ソウマ「それが、深層心理でストレスになっていると僕は思うんだ」
インコ「……要するに『普通の女の子扱いして欲しい』という事ですか?」
ソウマ「そういう事かな」 クスッ
ニーナ(……でも、それって、もしかして)
ソウマ「まあ、これは推測から導き出された答えに過ぎないから」
ソウマ「姫様の症状が改善されるかどうかは分からないよ?」
ソウマ「あくまで処方箋の一つ、対処療法でしかない」
イナホ「…………」
イナホ「……わかりました」
イナホ「そういう事なら、呼びましょう」
ソウマ「ああ、頼むよ」
ソウマ「姫様もいいかい?」
アセイラム「は、はいっ」///
インコ「…………」
ニーナ(インコ……顔がちょっと怖いよー)
イナホ「…………」
イナホ「……アセイラム」
アセイラム「っ!」/// ドキッ
ソウマ「……続けて」
イナホ「アセイラム」
アセイラム「は、はい」///
イナホ「アセイラム」
アセイラム「はいっ」///
インコ「ぐぎぎぎぎ……」
ニーナ(姫様わかりやすーい)
スレイン(……何故かわからないがムカつく)
ソウマ「よし」
ソウマ「それじゃ姫様。 インコさんを呼んでみてくれ」
アセイラム「あ、はい」
アセイラム「インコさん」
一同「!!」
インコ「うそ……ホントに治っちゃった」
ニーナ「じゃあ、私は? ニーナだよ?」
アセイラム「ニーナさん」
イナホ「……どうやら、僕がストレスの原因だったみたいですね」
ソウマ「ふふふ。 ま、お役に立ててよかったよ」 クスッ
―――――――――――
イナホ「何かすみませんでした」
アセイラム「いえ」 クスッ
アセイラム「むしろ私の方が、ご迷惑をおかけしました……」
イナホ「それじゃ……僕はこれで」
アセイラム「あ……」
アセイラム「…………」
アセイラム「あの、イナホさん!」
イナホ「え?」
アセイラム「…………」
アセイラム「これからも……これからも、名前で呼んで欲しいです……」///
イナホ「…………」
イナホ「わかったよ、アセイラム」
イナホ「よろしくな」
アセイラム「!」
アセイラム「はいっ! イナホさんっ!」///
おしまい
オチ……なんも思いつかんかった……許せ……
このSSまとめへのコメント
スレインの扱い酷いwwwwww