小鳥「炬燵と鍋」 (22)
小鳥「はぁ~、年末年始の繁忙期が過ぎてやっと休みが取れたってのに……」
テレビの中の漫才師A『すいませんこのAセットください』
小鳥「こうしてこたつでだらだらしてもう15時過ぎ……」
テレビの中の漫才師B『トッピングは何にしましょう』
小鳥「何かしなきゃとは思っても……こたつの魔力からは……」
テレビの中の漫才師A『あ~、おまかせで』
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小鳥「逃れられな~い~……」
テレビの中の漫才師B『え、でまかせでいいんですか!?』
小鳥「んふっ」
テレビの中の漫才師A『おまかせだよ! なんだでまかせって』
ピンポ~ン
小鳥「んぁ…誰かしら? はーい。あぁ、こたつから出ると寒い……」
すたすた
がちゃ
小鳥「は~い、どちら様……えっ!?」
あずさ「こんにちは~。音無さん」
小鳥「あ、あ、あ、あずささん!? ど、な、え!?」
あずさ「お散歩をしていたら音無さんの家の近くを通りがかったので、寄っちゃいました~」
小鳥「そ、そうなんで…って! あずささんの家ってウチから結構ありますよね?」
あずさ「え~っと……」
小鳥「もしかして……また迷ったんじゃ……?」
あずさ「……うふふ」
小鳥「え~っと……、とりあえず寒いんでどうぞ中へ」
あずさ「は~い、お邪魔します~」
すたすた
小鳥「う~、こたつこたつ……」
もぞもぞ
小鳥「あ、あずささんもどうぞこたつ入ってください。風邪引いちゃうといけませんから」
あずさ「では、お言葉に甘えて」
もぞもぞ
小鳥「あ~、あったか~い……」
あずさ「そうですね~」
小鳥「やっぱり冬はこたつですよね~」
あずさ「はい、ほっとします~」
小鳥「でも、一日中こたつで寝転がってたら喉乾いてきました……」
あずさ「あ、はい。どうぞ音無さん」
小鳥「えっ、いいんですかあずささん」
あずさ「うふふ、こたつにはみかんが必需品ですよね。買って持ってきたんですよ」
小鳥「すみません、ちょうど切らしてたんで助かりました」
あずさ「うふふ。こたつで食べるみかんって、どうしてこんなに美味しいんでしょうか」
小鳥「なんででしょうね? でも、これが無いとこたつの楽しみが半減しちゃいますよね」
あずさ「わかります~。こたつで温まりながら、冷たいみかんを食べるのがたまらないです~」
小鳥「喉の乾きも潤いますし」
あずさ「風邪の予防にもいいみたいですよ」
小鳥「そうなんですか、いいことづくめですねぇ」
あずさ「うふふ、でも。だからってこたつでずっとごろごろしてたらダメですよ~?」
小鳥「うっ……」
あずさ「ふふっ」
小鳥「そ、そうですね……」
あずさ「あっ」
小鳥「ピヨ!? ど、どうしました?」
あずさ「そういえば私、みかんだけじゃなくてお夕飯の買い物もしたんです」
小鳥「あ、そうなんですか」
あずさ「今夜はお鍋にしようと思ってたんですけど、音無さん。良かったら一緒に食べませんか?」
小鳥「え、いいんですか?」
あずさ「勿論! 音無さんと一緒に食べられたら私、すごく嬉しいです」
小鳥「そ、そう言われると照れちゃいますね……」
あずさ「ダメ……ですか?」
小鳥「と、とんでもない! 勿論ご一緒させてください!」
あずさ「あ、でも材料が私一人分しか……」
小鳥「大丈夫ですよ」
あずさ「え?」
小鳥「今日のオフをなるべく外出しないで済むよう、昨日の内に食料は買い込んであります……みかんは切らしてましたけど」
あずさ「まぁ!」
小鳥「それに年末年始は忙しくて外食が多かったから、お野菜とかも余ってるんですよ」
あずさ「うふふ、それじゃあこの機に使い切っちゃいましょうか」
小鳥「よろしくお願いします!」
あずさ「あ、冷蔵庫お借りしてもいいですか?」
小鳥「どうぞどうぞ」
あずさ「良い物を買ってきたんですよ」
ごそごそ
あずさ「ほらっ」
小鳥「日本酒!」
あずさ「冷酒にして、お鍋のお供にと思いまして」
小鳥「あ、あずささぁ~ん!」
あずさ「うふふ、それじゃあ準備しましょうか」
小鳥「そうですね……んしょっと。う~、このこたつから出る瞬間が寒いんですよ……」
あずさ「でも準備ができたらまたこたつに入れますから」
小鳥「さぁ! ちゃっちゃと準備済ませちゃいましょう!」
あずさ「うふふ」
小鳥「私はお鍋とコンロ出しますからあずささんは野菜室から使えそうな野菜を!」
あずさ「は~い」
――――――――
――――
――
小鳥「できた~!」
あずさ「美味しそうですね~」
小鳥「コンロはこたつに用意してありますからね」
あずさ「それじゃあこたつに持って行きましょう」
小鳥「換えのボンベも手の届く所に置いて、と。あとは、冷蔵庫から……」
がちゃ
ばたん
小鳥「ふふふ、いい具合に冷えてますよ」
あずさ「それじゃあ開けちゃいましょうか」
小鳥「はいっ」
きりきり
かちゃっ
小鳥「ん~、開けただけなのに薫ってきますね」
あずさ「うふふ、お仕事頑張ったので奮発しちゃいました~」
小鳥「お注ぎしますよ」
あずさ「まぁ、すみません」
小鳥「いえいえ、あずささんのお酒ですから」
とくとくとくとく……
あずさ「ありがとうございます。それじゃあ私もお注ぎしますね~」
とくとくとくとく……
小鳥「おっとっと、ありがとうございます」
あずさ「お鍋、火にかけちゃいますね」
かちっ
ぼわっ
小鳥「煮えるまでどのくらいですかね」
あずさ「う~ん、10分、15分もあればいいんじゃないでしょうか」
小鳥「そうですか」
あずさ「それじゃあその前に」
小鳥「そうですね!」
二人「「かんぱ~い!!」」
ちんっ
おしまい
終わりです。
短いですね。
今年はあずピヨがもっと沢山増えるといいなぁ……。
少しでもお楽しみいただけたら幸いです。
それではお目汚し失礼しました。
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