あやめ「イヤーッ!」武内P「イヤーッ!」 (33)
【モバマスSS】です
注意点
・武内Pが某ニンジャスレイヤーに似てるって聞いて思いついたネタ
・最初のほうのはほぼヤリタカッタダケの地の文あり
・アヤメ=サン誕生日おめでとー! カワイイヤッター!
・センゴク☆ランブはいいユニットだ
以上が許容出来る方は楽しんでいただければ、駄目でしたら閉じて頂いて
よろしくお願いします
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冬の冷たい空気の中に朝日がまじり始める頃、346プロダクション内にある道場で
向かい合う影が2つあった。
一つはまだあどけなさの残る少女のものであり、その名は浜口あやめといった。
もう一つの影はその少女より遥かに大きく、山のような存在感のある男で、
あやめのプロデューサーである武内Pのもの。
すでにアイサツが交わされてから5時間。カラテトレーニングとはいえ実際の
イクサの如きアトモスフィアで行われているためか、道場内に満ちる緊張感は
恐ろしく、事情を知らぬものが見たら失禁してしまうほどであった。
「イヤーッ!」長時間のトレーニングの疲れを感じさせぬ力強い叫びで
あやめがケリ・キックをくりだす!「イヤーッ!」武内Pはこれを冷静に
最小の身のひねりで回避すると、あやめの脚を掴んで投げ飛ばそうとする!
だがケリ・キックを躱されたことですでに次の行動を取る算段をしていたあやめは
即座にバックステップで距離を取り、武内Pに向けてスリケンを3連続投擲!「イヤーッ!」
「イヤーッ!」間合いを詰めながら武内Pも名刺を3連続投擲! 相殺消滅!
そして詰め寄る勢いのまま右拳を繰り出す!「イヤーッ!」
「イヤーッ!」あやめはこれを左腕で払うと、首を刈り取る勢いで
迎撃のチョップを叩き込もうとする!「イヤーッ!」
「イヤーッ」武内Pはほぼブリッジ寸前まで上体を反らして回避すると、勢い良く
体を回転させて体勢を低くし、そのまま水面蹴りを行う!「イヤーッ!」
「ンアーッ!?」チョップに勢いをつけすぎていたために回避の遅れたあやめは
足首を狩られ、回転するように宙に浮く!武内Pは追撃に地面からの反動をつけて
上方向への飛び蹴りを放つ!「イヤーッ」
「ッ……! イヤーッ!」直撃する寸前、右拳でなんとか蹴りを弾いたあやめは
空中で側転を行い、さらにスピンをかける。するとおおゴウランガ!
反動をつけすぎたのか、空中で動きが止まったかのように無防備な武内Pの背中が
見えるではないか!
(ここが勝機! ニンッ!)決着をつける場面だと判断したあやめは、スピンから
さらに背面ムーンサルトへと動きを繋ぎ、完全に武内Pを見下ろす形になる。
変則的な動きではあるが、これはエリアルカラテ技、フォーリャ・セッカ!
「イイイヤアーッ!」攻撃を弾いたことによる勢いに、あやめ自身の力も
加わって、すでに彼女の身は上空から降り注ぐ鉄塊の如き威力を持つ!
これをまともに喰らってしまえば体格の勝る武内Pであっても致命傷は
さけられない! 勝負ありか! いやこれは!?
「イヤーッ!」なんと無防備だと思われていた武内Pは落下しながら手を地面に
つけて逆立ちの体勢になり、あやめの脚に対して自らの脚を盾のように
突き出したのだ!「そんなっ!?」
信じられないといった表情をしながらも、もはやあやめ自身自らの勢いを止められない。
そのまま二人の脚は衝突! その結果は!?
「……ンアーッ!?」ゴウランガ! ただ地面に手をつくだけでなく、バネのように
して衝撃を地面に逃した武内Pはダメージなし! 対して勢いがすべて自分に返って
きたあやめは身動きが数秒出来なくなるほどのダメージ!
全ては勝負を急ぎすぎたが故のミス、インガオホーである! 無論それを反省する
余裕は今のあやめにはない。まだ衝撃が抜け切らないのだ!
逆に絶好の勝機を得ることになった武内Pは、これを逃すまいとあやめを乗せた脚を
開き、彼女を回転させながら股へと滑りこませて地面へと倒れこむ。そうして
完全にあやめを脚で拘束すると、その小さな体を万力めいた力で締め上げる!「イヤーッ!」
「ンアーッ!」なんとか逃れようともがくあやめであったが、拘束の力は凄まじく
彼女の力ではびくともしない。このままではジリー・プアー(徐々に不利)だ!
(くっ……だがこの拘束の力さえ緩ませれば……幸い手は動かせる。ならば!)
あやめは決断的な表情になると、袖口に忍ばせていた非人道兵器であるマキビシを
数個手の中に滑りこませると、手首の勢いだけで武内Pの目に向かって投擲する!
「なっ……!」スリケンではなくマキビシを投擲してくるという行為に、
武内Pは反応が遅れたが、それでも咄嗟に腕でガードを行い目を守ることには成功する。
「グワーッ!?」しかし手首の勢いだけでの投擲とはいえ、非人道兵器であるマキビシ
にはそれでも十分な威力があり、あまりの痛みに武内Pは一瞬拘束を緩めてしまう。
「イヤーッ!」その隙を逃さず脱出したあやめは前転をしながら距離を取り、
畳五枚分離れた位置まで来ると武内Pのほうへと再び構えを向ける。
マキビシの痛みに慣れた武内Pも立ち上がると、あやめを迎撃するために構え直し、
両者の間には再びただならぬアトモスフィアが流れ――
仁美「いつまでやってんのーっ!!」バタンッ
あやめ「仁美殿!?」パッ
武内P「丹羽さん?」クルッ
仁美「もう部屋にいないと思ったらまたこんな……あやめっち! 武内プロデューサー!」
二人「「はいっ!?」」
仁美「正座!」
二人「「はい!」」スタッッ
仁美「あのね、あやめっちがニンジャでたまに体を本気で動かさないと鈍るってのは分かる」
仁美「でもだからといって毎回ここまでやる必要ある? ね?」
あやめ「あ、や、これはその、少し熱が入りすぎたといいますか、楽しんだといいますか」
仁美「……あやめっち?」ニッコリ
あやめ「ごめんなさい……」シュン
仁美「それと武内プロデューサーも、あやめっちに頼まれて相手したとしても!」
仁美「どこかでストップかけなよ!? なに毎回普通に戦ってるの!」
武内P「すみません……自分もここまで出来る相手とするのは……少々嬉しく」
あやめ「武内殿……!」ウルウル
仁美「は ん せ い は ?」ニッコリ
二人「「アイエエエ……」」
仁美「はぁ……ま、どうせ言ってもまたするんでしょ? 慣れたよもう」
あやめ「仁美殿、最初はあやめ達のトレーニングを見て腰を抜かされていましたものね」
仁美「大事な友達とプロデューサーが本気で殺し合ってるように見えることしてたら普通そうなるって」
武内P「ですが、今ではこうして立派に止めてくれます」
仁美「止めなきゃいつまでもやる可能性あるよね? 二人のせいだからね?」
あやめ「ですがおかげでまだこのトレーニングは仁美殿以外にはバレていません」
あやめ「その点についても本当に感謝しております! ニンッ!」ニコニコ
仁美「うっ……まぁ、ある意味それすごい奇跡な気もするけど、いいや」
仁美「とにかく、もう朝ごはんも出来てるし、今日は特別な日だしトレーニング終わり!」
あやめ「特別な日……今日はなにかありましたっけ?」キョトン
仁美「……あやめっち、それ本気で言ってる? 武内プロデューサーは分かるよね?」
武内P「はい。今日は浜口さんの誕生日です」
あやめ「……あ!」
仁美「本気で忘れてたよこの子。アタシせっかく一番最初にプレゼント渡そうと気合入れてたのに」
仁美「当の本人が誕生日忘れるかな普通」
あやめ「そ、それは……ほら仁美殿の好きな前田慶次殿も誕生日は不明というではないですか」
あやめ「わたくしは忍ぶ身でありますし、それに習いまして誕生日も隠しておこうかと」
仁美「忘れるのと隠すのじゃ違うよね、一緒じゃないよね?」
あやめ「うぅ、仁美殿が厳しい……」
仁美「というか武内プロデューサーもあやめっちの誕生日だって分かってたんでしょ?」
仁美「ならせめて今日ぐらいトレーニングより先にお祝いしようと思わなかったの?」
武内P「最初はそう考えていたのですが……イマジナリー・カラテをしながら……」
武内P「トレーニングを嬉しそうに待っていた浜口さんを見てしまったらつい……」
仁美「うんそんな気はしてたよ。分かった、はいもう終わりよければ全て良し!」
仁美「とりあえずカラテトレーニングは気が済んだでしょ? もう誕生日お祝いしてもいいよね?」
あやめ「えっ、そ、それは……もちろん……!」
武内P「自分も、プレゼントがありますので……お祝いさせて頂きたいのですが」
あやめ「うぅ……こんな優しき友と主君に出会えて、あやめは幸せものです!」グスッ
仁美「んもう! あやめっち泣かないの! ケーキとかは学校終わって夕方からになるけど」
仁美「先にプレゼントだけは渡しておくね。はいあやめっち!」ガサッ
あやめ「おっきい!? あ、あの仁美殿、これは……?」
仁美「あはは! あやめっち驚くが良いっ! これはかの有名なPS4だー!」
あやめ「な、なんと! そのような高価なものをわたくしが頂いてもよいのですか!?」
仁美「いいに決まってるってー! あやめっちへのプレゼントだもん、これくらい!」
あやめ「では実は機械が苦手で本体設定が出来ないためにわたくしに設定させて時々遊ばせてもらう」
あやめ「などということも考えてはいないのですね仁美殿!」ニコニコ
仁美「なっ……なんで、分かったの……」
あやめ「冗談だったのですが……まぁ最初から仁美殿と一緒に使う気ではありましたし」
あやめ「改めてPS4、ありがたく頂いておきます仁美殿!」
仁美「うむ! あ、ソフトのほうは戦国無双4買ってるから一緒にやろ?」
あやめ「それは楽しみですね! ニンッ♪」
仁美「さて、アタシが最初にあやめっちにプレゼント渡したけど、武内プロデューサーはなに渡すのかな?」
武内P「……」
仁美「あれ、武内プロデューサー?」
あやめ「武内殿?」
武内P「……すみません、今からプレゼントを変えてきても良いでしょうか?」
仁美「こらこら、せっかく用意してくてるプレゼントがあるならそれ渡さないと!」
仁美「途中で自信無くすのは漢気がないよ☆」
あやめ「あ、あの、あやめは武内殿からもらえるものであればなんでも嬉しいです!」
仁美「ほらあやめっちもこう言ってるし、いざ推して参れ!」
武内P「分かりました。では浜口さん……これを」ジャラ
あやめ「これは……?」
武内P「自分が昔使っていたヌンチャクです。なにか神聖な力もある丈夫なヌンチャクですので」
武内P「今のあなたが持つべきものだと思いまして」
仁美(ニンジャってヌンチャク使ってたっけ……? というかそれプレゼントって)
仁美「武内プロデューサー、いくらあやめっちへのだからって女の子にヌンチャクあげるってどう――」
あやめ「すっスゴイ! 本当にいいんですか武内殿! こんな良い物を!」
武内P「倉庫にずっと保管しておくよりかは、誰かに使って欲しいですから」
あやめ「わ、分かりました! このヌンチャク、あやめ一生大事にします! ……ヤッター!」ヒュンヒュン
仁美「えぇーなんだかすごい喜んでる……ちょっと悔しい」
あやめ「あっ、いや仁美殿のプレゼントもとても嬉しいですよ! ニンッ!」ヒュンヒュン
あやめ「ただ武内殿のような手練の方が使っていた物は忍びとして動くときに力を与えてくれまして」ニコニコ
あやめ「……うぅ、あの、お二人共、あやめは今とても締まりの無い顔なので見ないでください……」
仁美「本当に嬉しいみたい。うーん、来年の参考にしないと」
武内P「……喜んでもらえたようで良かったです」
仁美「うん、あやめっちが良いならそれが一番! って、あ、大事なこと言うの忘れてた!」
武内P「大事なこと?」
仁美「そう、誕生日のお祝いに欠かせない事! あ、どうせなら武内プロデューサーも」
仁美「これ言う時くらいはあやめっちのこと、苗字じゃなくて名前で呼んであげてっ!」
武内P「……ああ、そういうことですか。ですが――」
仁美「つべこべいうのは漢らしくない! 覚悟決めて! あやめっちー!」
あやめ「あ、はいなんでしょう?」
仁美「いくよ! プロデューサーもアタシに続いてせーの!」
仁美「あやめっち誕生日おめでとーっ!」
武内P「……あやめさん、お誕生日おめでとうございます」
あやめ「あっ……ありがとうございます! えへ♪」
〈終〉
アニメではセンゴク☆ランブの二人もちらっとだけでもいいので映って欲しい
というか武内Pとセンゴク☆ランブが同じ画面に映って欲しい
短いですが読んでくださった方ありがとうございました
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