男「女子大の記念館でバイトすることになった」 (17)

男「けど…参ったな…」

男「……」キョロキョロ

男「今時都会のど真ん中にこんな森があったなんて…とんだ見当違いだぜ」

女教師「何か言いました?」

男「へ?」

男「いや…あの…こんな女子大でバイトで来てうれしいな~…って…」

女教師「あら残念ね、記念館には女の子はいませんよ」

男「でしょうね」

女教師「ここです」

男「へ~…アンティークというよりは…アナクロ…」

女教師「では入ってください、紹介したい人がいます」

男「ほとんど女の子には期待できないな…」

用務員「…」

女教師「用務員さん!こちら手伝ってくださる学生さんです。ほら、挨拶なさい」

男「どうも、よろしく…」

用務員「はぁ…」

女教師「仕事のことはこの人に聞いてくださいね、ではお願いします」

男「はい…」

バタン

男「……ふう……」

男「……………」

男「あのー何しましょうか…俺」

用務員「え?あlt0うそうだね…」

用務員「こことアッチにある本を種類別に分けて、国別に棚に分けてください」

用務員「分からないことがあれば私どうぞ」

男「はぁ…」

男「……うわぁ~、すげえ量」

男「さっさとやっちまうか、ええとこっちはドイツ、これはアメリカ…」

男「………」

男「喫茶店のほうがよかったかな」

男「…でも、こんな難しい洋書読むんですかここの生徒さんは…」

用務員「え?…ああ、違うんです、図書室じゃないんですよここは…生徒なんて来ませんよ」

男「だろうな…」ボソッ

用務員「先代の校長の蔵書なんです、本が好きな人だったので…」

用務員「………」

男「………?」

ギィ

男「!」

用務員「あ、校長先生」

校長「どうです?はかどってまして、お仕事…」

男「校長…?」

校長「大変でしょう、力仕事で」

用務員「いえ、手伝いの人が来てくれましたので」

男「あ…俺あ!いやっボク男といいます、よろしくお願いします」

校長「よろしくお願いしますね、何せ用務員さんお年なので」

校長「それじゃ、男君には悪いけどお茶でもいかがですか」

男「それじゃ、俺も一服するか…」



校長「いい季節になりましたね…」

用務員「はぁ…」

校長「……」

数日後

女生徒「でもさ、ウチの校長は話せる人よ」

男「だろうな…どこかの貴族っていう感じだな」

女生徒「あら?知らなかったの?昔は女流の小説家だったのよ、あの校長」

男「小説家ぁ?」

女生徒「ほらこの前もTVで取り上げられてたじゃない、平民と貴族が恋に落ちて最後に心中する話」

男「えっあの小説の作者なの、あの校長!」

女生徒「先代の校長と結婚して苗字は変わったけどね」

男「へえ~…あのバーさんが…」

翌日

男「ええと………これはフランス、あっこれはイギリス…これロシア…」

男「……」

男「畜生」

男「すぐ外にはあんなにたくさん女の子がいるってのに」

男『こっちはかび臭い本の山か…ふう…ちょっと休憩すっか」

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