小野「戸塚さんどしたん?」戸塚「な、なんでもないです」 (百合) (34)

オリジナル 百合
書き溜めなし
たぶん短い



とある高校のトイレ―

小野「ねえねえ、ここびしょびしょなんやけど、何かあったんかな?」

トイレの一角だけ、ホースで散水でもしたのだろうか。
床の中央に設置してある排水口に向かってちょろちょろと水が流れていた。

三木「あー……関わらん方がええよ」

小野「何がよ」

三木「さっき、クラスの子らがトイレから出てきよったやん」

小野「うん」

三木「そこで転校生に水ぶっかけよったんやないかな」

小野「は? うそやろ」

三木「さあ、うちの友達が見たっていよったけど……」

小野「さすがに、そこまではせんやろ。親の敵じゃあるまいし」

三木「やったらええんやけど。やけん、小野もあんまり関わらん方がええよ、あの転校生と。色々噂あるみたいやし」

小野「人の彼氏とったとか、先生に色目使ってるとか?」

三木「アホらしいけど、それな」

小野「でもさ、あの転校生めっちゃ可愛いやんか。深窓の令嬢みたいな」

三木「可愛いけん標的になったんやろ」

小野「あんなに可愛かったら逆に、仲良くなりたいけどなあ」


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三木「やめてや、こっちまで標的になるやん」

小野「三木は、うちがいじめられたらどうするん?」

三木「無視、ガン無視。近寄んな」

小野「心折れるやんか……」

三木「それは冗談やけど、本音言うと怖いし学校で一緒におれるかわからん」

小野「三木は正直者でよろしい」

三木「やけん、関わらんといてよ」

小野「うーん……だって、三木」

キンコーン
カンコーン

三木「どうしてもって言うなら一人でやってよ。行くよ」

小野「別にあえて火中に栗を拾いに行ったりはせんよ?」

三木「ほんとやろか……」

小野「たぶん」

タタタ――






ガチャ―ギイ

バタン


ビチャ―ポタポタ

戸塚「……っしゅん」

戸塚「……」

ギュウ――ポタポタ

戸塚「……」

トタトタ―




廊下――

数学の教師「……きみ、早く教室に戻りな……ど、どうしたんだ?! びしょびしょじゃないか!?」

戸塚「これは……」

数学の教師「とにかく、保健室に来い!」

グイ

戸塚「あッ……」

数学の教師(なんだ、いじめか……? それに、この生徒なんて華奢なんだ……)チラ

戸塚「……あの、痛いです」

数学の教師「ああ、すまん」ドキッ

数学の教師(濡れた服が透けて……い、いかんいかん何を考えているんだ。ん、茶髪か、こいつ? これについても聞かないといけないな)チラチラ



保健室――

ガラガラ―

数学の教師「すいません、先生?」

戸塚「……」

数学の教師「今、いないみたいだな……タオルは、これを借りるか。体操着がないか見てみるからそこに座って身体を拭いていなさい」

戸塚「はい」

パサッ

数学の教師(……身長は低いがスタイルはいいな。Cくらいか……長い髪が体に張り付いて……む、いかんいかん)チラチラ

戸塚「あの、先生……」

数学の教師「なんだ」

戸塚「ありがとうございます。でも、もう、授業が始まってしまいます……」

数学の教師「何を言っているんだ、事情もまだ聞いてないのに、それにこんな格好なのに残していけん」チラチラ

戸塚「すいません。すぐ、乾くと思いますから……」

数学の教師「……ま、待てほら、体操着があった。これに着替えなさい」

パサッ

戸塚「ありがとうございます」

数学の教師「先生は外にいるから、中で着替えなさい」

戸塚「はい……」

ガララ――

戸塚「……」ヌギ

パサッ



保健室の外――

数学の教師「……あいつ、鍵を締めなかったのか」チラ

数学の教師「マズイな、扉の間に隙間が……俺の体で隠すか」

ソソソ――

数学の教師「……」チラ

数学の教師(……白くて柔らかそうな肌だな……)



ダダダダ――

数学の教師「ん?」

小野「……た、たすけ、へ?」

数学の教師「……お、お、おまえ授業中に」

小野「先生こそ、なんで扉に張り付いてるんですか?」

数学の教師「これは、その、あれだ」

小野「どれ?」

数学の教師「お、俺は授業があるから、おまえ、ちょっと中の子の髪乾かしてやれ。びしょびしょなんだよ」

小野「え?」

数学の教師「じゃ」

小野「はい?」

小野「いみわからん……」

ガラガラ―

小野「失礼しまーす」

ピタッ

戸塚「……きゃあ!?」

バッ

小野「……ええ?!」

小野(な、なんで戸塚さん全裸なん?! かろうじてパンツ履いてるけど!)

戸塚「と、扉閉めてください……お願いします」

小野「ご、ごめん」


ガラガラ―


小野「……戸塚さんどしたん?」

戸塚「な、なんでもないです」

小野(なんでもないって……こんなびしょびしょで)

戸塚「か、鍵も良ければしめてもらっていいですか?」

小野「あ、うんッ」

ガチャ

小野「いつッ……あ、お腹痛かったんだっけ」

戸塚「……大丈夫ですか」

小野「ちょっち食べ過ぎたみたい。胃薬もらいに来たのに、先生おらんのか」

小野(勝手に飲んだらあかんよねえ……)きょろきょろ

小野「ベッド使わせてもらお……ああ、うちに気にせず着替えて」

戸塚「はい……」

小野「っしょ」

ごそごそ

戸塚「……」

パサッ

小野「……はー」

小野(……髪までびしょびしょだったな)チラ

戸塚「っごほ……」

小野「……」

がたッ
ごそごそ

戸塚「どうしたんですか?」

小野「ドライヤー探してる」

戸塚「?」

小野「あ、あった」

カチ――ヴォオオオ

小野「乾かしよろわい」

戸塚「い、いいですよ。寝ていてください……」

小野「思ったんやけどさ、都会の人はいちいち遠慮しすぎというか、口調が固いというか」

戸塚「ええ?」

小野「もう2ヶ月くらい立つやん、こっち来て。やけん、同い年から敬語で喋られるんってちょっと気持ち悪いんよね」

戸塚「……その」

小野(はッ……ずけっと言ってしまった)

戸塚「ごめんなさい」

小野(顔真っ赤にして……)

戸塚「……」

小野(俯いてしまった……)

戸塚「私……」

小野(な、泣く? メンタル弱そうやし……泣く?)

戸塚「普通に話すのが怖くて……」

小野「へ?」

戸塚「何か失礼をしてしまわないかなって……思ったら」

小野「そんな、敬語じゃないからって、すぐに失礼とかになるわけじゃ」

戸塚「……ここに来て、クラスの人に普通に話しかけたら、生意気だって」

小野(そんなことあったんや……知らんかったな。同じクラスやのに)

戸塚「お、小野さんだけです。こうやって普通に話してくれたの」

小野「……」

小野(……あ、関わるなって三木に念押しされてたんやっけ)

戸塚「向こうの中学校は、女子だけしかいなくて……」

小野「もしかして、お嬢様学校? お姉さまとか言っちゃうような」

戸塚「……はい」

小野「へえ……じゃあいつも敬語?」

戸塚「ええ。だから、おかしかったんでしょうね……私の普通」

小野「おかしいかおかしくないかは聞いた人によるんやない?」

戸塚「……そうなんでしょうか」

小野「普通なんて決めなくていいって。それに、人の話し方にケチつけるやつは許せん。まあ、怒る勇気とかはないんやけど。ごめんね」

戸塚「いいんです……こんな風に話せただけで、ホントに……ッ」

小野「ど、どした?」

戸塚「ごめんなさい……ッ……ひッ……安心したら涙が……」

小野「……ええっと」ワタワタ

ギュ―

戸塚「……ッ」

小野「よしよし……」

戸塚「小野さん……あんまり私に優しくしないでください。噂、知ってますよね?」

小野「戸塚に関わると、水ぶっかけられるってやつ? あれはイヤやなあ」

戸塚「それもありますけど……」

小野「他に何かあるっけ? 彼氏寝取ったとかの方?」

戸塚「そんなこと言われてるんですか……私」

小野「あ、き、気にすることないって……」

戸塚「あの、でもそれじゃなくて……その」

小野「なんよ?」

戸塚「私が……女の子が好きだって」

小野「女子中出身やけん、そんな噂流されてるの? うちのクラスの女子ほんま思考回路単純やなあ」

戸塚「……本当なんです」

小野「ふえ?」

戸塚「中学校で、女子と付き合っていたのは……本当のことなんです」

小野「……」

小野(まあ、そういうこともあるよね。こんだけ可愛いし。男じゃなくても、女がほっておかないわな、うん)

小野「……ええええ!?」

小野(ああ、でも、驚きを隠せなかったッ……ごめん)

戸塚「……変な話しばかりしてごめんなさい」

小野「い、いいよ。言った方がラクやろ? 今まで、一人で抱えてきたんやろ? 頑張ったやん。すごいやん」

戸塚「小野さん……」

ギュ――

小野「えっと……」

小野(この話をされた後も二人で抱き合うのは……かなり恥ずかしいというか)

小野「えらい! 戸塚さんはホントに、頑張った!」

戸塚「……ありがとう」



放課後――

――教室


三木「小野、このあとマック行かん?」

小野「ごめん、ソフト部呼び出しや」

三木「えー、はよ終わらせてや」

小野「ういー。いってきまー」

タタタ――

三木「教室で待っとるわ」

小野「はいはいー」

三木「……」チラ

三木(なんや、珍しい……教室に戸塚さんがおる)

戸塚「……っしゅん」

三木(風邪かな……知らんけど)

戸塚「……」

三木(寝たふりしとこ)

戸塚「……あ、あの」

三木(……)

戸塚「あの……」

三木(……)

戸塚「三木さん」

三木「え? うち?」ガバ

戸塚「……はい」

三木「……なん?」

戸塚「これ、小野さんに渡してもらってもかまいませんか?」

ガサ

三木(クッキー?)

三木「いいけど」

戸塚「それじゃあ」

ガシッ

三木「ちょっと、待って」

戸塚「はい?」

三木「小野といつ話したの?」

戸塚「昨日の一限目の途中に保健室で」

三木(あの時か……それと手作りクッキーの意味する所は、お礼やろうな……あいつ、なんか相談でも乗ってあげたんか)

戸塚「もう、行きますね……」

三木「小野のこと、もしかして狙っとるん?」

戸塚「え? そ、そんなことないです」

三木「……うそや。昨日まではそうじゃなかったとしても、今はうそ」

戸塚「……」ビクッ

三木「……小野も私から奪うん?」

戸塚「……私、そんなつもりは」

三木「あんた、うそつきの目しとるな」

戸塚「え……」

三木「前の学校では、その仮面が普通やったんかもしれんけど、ここではそれは通じんから」

戸塚「何のことですか……」

三木「……自覚ないんか? 体裁取り繕う前にそれに気づいた方がええよ、戸塚。あんたは、何考えとるかわからんから避けられてるんやで。敬語一つだって、よそよそしさや、疎外されてるって感じてしまうもんなんやから。何考えとるかわからん人と、あんたは友達になりたい?」

戸塚「……あ」カア

三木「……」

戸塚「ありがとうございます……」

三木「はい?」

三木(なんでここでお礼?)

戸塚「ッ……ッ……ひッ」ポロポロ

三木「な、なんで泣くんよ」

戸塚「そんな風に……言われたことなくてッ……」ポロポロ

三木「は、ハンカチ使う?」

ごそ

戸塚「は、はい……ずッ」

三木(だ、誰も見てないやろな)キョロキョロ

戸塚「三木さん……亡くなった父に似てる」

三木「なんや、知らんし……」

戸塚「はは、そうですよね」ゴシ

三木「私は、いじめは嫌いや。でも、それを止める強さはない。やけん、あんたかあいつらが変わらんと、私は学校で関わるつもりはないし、小野を巻き込ませない」

戸塚「あ……が、学校の外は」

三木「外のことまでは言ってないし……」

戸塚「……三木さんっ」

ギュウッ

三木「戸塚、あんた感極まったら抱きつくんやめや!! まさか、小野にもしてないやろな!」

戸塚「あ……し、してません」

三木「その口塞いだろうか?」

三木(小野やないけど、ほんま可愛い顔しとるな)じっ

戸塚「?」

三木「目、赤いで。顔、よく洗っとき」フイ

戸塚「はい……お父さん」

三木「誰がお父さんや!」

戸塚「はっ、すいませんっ。私が泣いた後の慰めかたも凄く似てて……」

三木「いつ、亡くなったん」

戸塚「今年、です」

三木「ほうなんや」

戸塚「素直じゃなかったけど、優しい人でした」

三木(誰だって、その人の背景知らん。だから興味だってわかないし、味方か敵かも判別がつかん。こいつは箱入りやけん、他人がそうやって、手探りで情報を集めて、身を守りながら生きているのに気づいてないんかもな)

三木「……」

三木(あかんな、そういう傷つきやすい人間わ……ついつい保護したくなるやんか)

ガラガラ

小野「ただいまー!」

「「あ」」

三木「」

小野「……な、何?」

戸塚「あ……」

パッ
ガタガタ

三木「こ、これはその」

小野「戸塚が好きなのって、三木だったの?!」

三木「はあ? 何言って」

戸塚「あ……」カア

三木「戸塚? ちょ、戸塚さん?」

小野「ほらあッ!」

三木「な、何言ってんの!? 戸塚あんた小野が好きなんやろ!?」

戸塚「わ、私……私……こんなこと言ったら困るの分かってるんですけど……」

三木「いいから」

小野「大丈夫やで」

戸塚「二人のことが……好き……ッ」カア

戸塚「あ、あんた惚れっぽいにもほどがあるで」

小野「え、うちのことも好きなん?!」

戸塚「ごめんなさい、私……」

三木「たまげるわ……小野が……い、やなんでもない」

小野「ど、どうしよう三木。こんな可愛い子から告白されたで」

三木「女子やけどな」

小野「いっそ三人で付き合っちゃう??」

三木「ないわそれは」

戸塚「あの……私は嬉しいです」

ギュ

三木「戸塚さん、裾つかまんといてください」

小野「えーやん、えーやん、面白そうやん」

三木(こいつらの衝動的な所だけはよう似とるな)

三木「はー、どうなっても知らんで」







終わり

短いですが、以上です。
需要があれば、少し続けます。

少し続けます


放課後―

マクドナルドにて


小野「え、マック来たことないんや?」

三木「珍しいな」

小野「そういう三木も、最近行き始めたばっかりやんけ」

三木「言うなばか」

びしっ

戸塚「ふふ……あははっ」

小野「笑わんでや」

戸塚「ごめんなさい。二人の掛け合いが凄く面白いので」クスクス

三木(けっこう、笑うんやな)チラ

三木「戸塚さん、口の端にソースついてるで」

戸塚「あ、え」

小野「ここやって」

フキフキ

戸塚「す、すいません」

三木「美少女がソースつけてたらあかんで」

小野「そやね、ガチのぶりっ子になってしまう。あ、うちらの前ではえーよ。可愛いし、ね、三木さんや?」

三木「まあ、可愛いのは認めるけど」

三木(あんたも十分可愛いで)

戸塚「あのう……そのう」ドキドキ

三木「うん、なんか来るものがあるのは認めるわ」




小野「ねえねえ、戸塚はなんで女の子が好きなん?」

三木「別に女の子限定じゃないんやない? たまたま、周囲に女子しかおらんかっただけやないん」

小野「へー、そーなん?」

戸塚「三木さんの仰ってることは間違いではないです……私、男の子と話す機会が全然なくて」

三木(まあ、思春期の過ちってやつやろどうせ。うちと小野だって機会がなければ、こんな展開想像もせんかったし。日にち薬しか効かんやろな)

戸塚「だから、私、女子に対する仲間意識が人より強くて、それですぐに好きになってしまうのかもしれないです」

小野「よく分からんけど、そういう考察は三木みたいや」

三木「人を計算高い女みたいに言うなや」

小野「言ってないやん」

三木「言ってるやん」

戸塚「あ、あのすいません」

小野・三木「「あんたは謝らんでえーの!」」

戸塚「はいっ、すいません」

小野・三木「「……」」



次の日

教室にて

小野「あ、おはようとづむぐッ!」

三木「なに普通に声かけようとしとるん」

バタバタ

小野「ぷはッ! しぬる!」

三木「……」チラ

戸塚「……」チラ

三木「ほら、小野席行くで」

小野「お、おう」

三木(そんな不服そうな顔せんといてや。あんたまでターゲットになったらどうするん)

小野「戸塚が寂しそうや……」

三木「……」

三木(言われんでも分かっとるわ)

小野「三木、うちらがしよること、少しでも戸塚のためになっとるかな」

三木「さあ……」

三木(あんた、やっぱり本当は……)

小野「うち、バカやけんこんなんしかできん。三木やったらもっと賢い方法で救えたんやない?」

三木「そんなんあったらとっくに……」

三木(やっとったわ……あんたが心配そうに小野のこと見よる頃からな)



1限目

ガラッ

数学教師「はい、授業始めるぞー……」

数学教師(ん? あの、茶髪)チラ

戸塚「……」チラ

ペコ

数学教師「……」

数学教師(俺が覗いていたのはばれてないな、うん)

三木「……」

三木(これは……また、波乱を呼びそうな)チラ

小野「なん?」ニコ

三木「なんでもない」スッ

三木(小野が可愛いと、全てがどうでも良くなるんどうにかせんといかんな)

小野「今日、当てられそうな予感がするー」

三木「なんとか頑張らんかい」

小野「三木助けてなー?」

三木「ぼちぼちな」

教師「じゃあ教科書開いて、演習問題問3の①を、昨日の続きの人から」

カツカツ

教師「君だな」

ポン

生徒「はい」

ガタッ

教師「戸塚、大丈夫か?」

ポン

戸塚「は、はい」ビク

教師「顔色が悪そうだな? しんどければ休めよ」

ヒソヒソ

戸塚「ありがとうございます」

ヒソヒソ

生徒「なにあれ」コソ

生徒「教師に色目ってありえなくない?」

戸塚「……」

三木「……」チラ

戸塚「……」ニコ

三木(……なんや、ほんま顔色悪いな)

教師「それでは隣の人とノート交換して、答え合わせします」

小野「あかん、わからん。三木」

バサ

三木「ほんま運動しかできんな小野さんは」

小野「三木さんは勉強しかできんな」

三木「あんたに教えよると、自分の理解が進むんや。やけん、あんたのおかげやで」

小野「え、ほんま? 嬉しいなあ。もっとほめてほめて」

三木「わーすごいすごい」

教師「そこ、うるさいですよ」

小野「すいません」

クスクス

三木「騒がしいなあ。みんなの迷惑やろ」

小野「三木のせいやんか。こんな、満点しかないノートはこうしてやるわ」

三木「らくがきしたら、向こう1週間は口効かん」

小野「なんでやなんでや」





1限目終了――

数学教師「戸塚、ちょっと」

戸塚「はい……」

数学教師「その茶髪地毛?」

戸塚「はい……」

生徒「嘘やん」ヒソ

戸塚「……」ビク

小野「ちょ」ガタ

ガシッ

三木「やめえ」

数学教師「そうか。ならいい」

カツカツ

戸塚「……」

昼休み――

生徒「戸塚さん、ちょっとトイレ来てくれない」

戸塚「はい……」

ガタガタ

小野「……」ソワソワ

三木「小野、落ち着き」

小野「だ、だって曲がりなりにもうちらの彼女やん、娘やん」

三木「いや、意味不明やわ」

小野「また、水バシャッてされるで……」

三木「あいつらが飽きるんまと」

小野「ねえ、三木」ジッ

三木「なん?」

小野「お願い」

ギュッ

三木「手、握られても」

小野「うち、三木がおったら生きていける。でも、戸塚にはおらんのや」

三木「……」

小野「戸塚も、三木と一緒なら大丈夫や」


三木「小野、あんたのためにうちがせっかく築いてきたもの崩すんか」

小野「今度は3人でもっかい積み上げればえーやん」

三木「簡単に言ってくれるわ」

小野「うち、バカやけん。あんたに止められて救われたことだらけや。なら、あんたならうちの気持ちわかるやろ」

三木「……小野、言っておくけどうちはあんたが好きなんやで」

小野「うん知ってた」

三木「ほんまかなわんわ」

小野「行こ?」ニコ

スッ

三木「うん……」

ギュ

女子トイレ――

生徒「はーい、戸塚さんの今日の罪は、教師を拐かした、です」

戸塚「してません……私は」

生徒「自覚なしやて」

生徒「怖いな」

生徒「バケツに水汲んだで」

戸塚「……」ビク

戸塚「助け……っ」

小野・三木「戸塚!!」

戸塚「小野さん、三木さん!」

生徒「なんなん? 何しに来たん?」

小野「うちの子にちょっかい出さんといてや」

三木「戸塚、こっちおいで」

戸塚「はいっ……」

タタタ

生徒「あんたら今さらやな。それでヒーロー気取りか」

三木「……先生にチクられたくなかったら、はよ行きや」

生徒「ちっ」

生徒「マジ、ないわ」

小野「戸塚、大丈夫? 三木にそんな抱きついたら折れてしまうで」

三木「いたい……」

戸塚「ご、ごめんなさい!」

バッ

三木「はあ……」

小野「教室、帰ろ?」

三木「行くで戸塚」

戸塚「……はい」ジワ

小野・三木「「戸塚は泣き虫やなあ……」」

三木「被せてくんなや」

小野「うちやないもん、三木やもん」

戸塚「あはは……ふふ」






終わり

今度こそ終わり
読んでくれてありがとう

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