武内P「私が、アイドルですか」エムP「興味ありませんか?」 (20)


武内P「……困ります」


エムP「意外と……あなたのような人の需要は高いんです」


武内P「私のような?」


エムP「そうです」


武内P「私はアイドルになるつもりはありません」


エムP「いえいえ、絶対トップアイドルになれますよ」


武内P「私はアイドルになるつもりはありません」


エムP「そんな謙遜しなくてもいいんですよ」


武内P「………」


エムP「………」


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武内P「……何故、私をアイドルにしたいのですか?」


エムP「失礼ですが……あなたの顔は一般的な分類で言えば『恐ろしい』類のものです」


武内P「………」


エムP「決して、アイドルに向いているわけではない」


エムP「しかし、その顔が穏やかな笑顔に変わったとしたら?」


武内P「………」


エムP「きっと人々のハートにストライクします」


エムP「私が貴方に惹かれた理由……それは、まだ見たことのない笑顔。それなのです!」

武内P「よくわかりません」


エムP「まぁ、この日の内に決めろとはいいません。今日はせめて名刺だけでも」スッ


武内P「ああ、それなら私も……」スッ


エムP(社会人のサガ。名刺交換は断れない!よし、第一ステップ『連絡先』はゲットした。これからドンドン押しかけて……)


エムP(ん? 346プロダクション、プロデューサー武内……)ピキッ


武内P「どうかしましたか」


エムP「3、346プロダクションって言ったら……あの大手の……」


武内P「大手かはわかりませんが……私はどこでプロデューサーをやらせた頂いております」


エムP「同業者……だったんですね……」


武内P「はい」


エムP(346プロか……資金、人材、地位。悔しいけど……実力も、ジュピター頼りの315とは……)


エムP(プロデューサーさえトップアイドルの金の卵……これはスカウトできそうもないなぁ)ハァ


エムP「すみません、お時間取らせてしまって」


武内P「いえ……貴重な体験ができました。」


エムP「色よい返事をお待ちしております」


武内P「すみません。私はアイドルにはなりません」


エムP「………」


武内P「私は、プロデューサーですから」

エムP「残念です。……プロデュース業、頑張ってください」


武内P「はい」


エムP「それでは、失礼します」


武内P「……」


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卯月「あれ、プロデューサーさん。こんなところで何をしてるんですか?」


武内P「アイドルに、ならないかと……スカウトされてたんです」


卯月「ええっ!プロデューサーさんアイドルになるんですかっ!?」


武内P「断りました」


卯月「そ、そうですか……というか、スカウトされたんですか!?」


武内P「はい」


卯月「へ、へぇ~スカウト断わったんですね。なんだか勿体ないなぁ……あはは」


武内P「私はプロデューサーですから」


卯月「へ?」


武内P「あなたたちを立派なアイドルにします」


卯月「……」


武内P「それまで、何があってもプロデューサーをやめることはありません」

卯月「わ、私も!私もアイドルやめません!」


武内P「そうしてくれないと困ります」


卯月「あの、あの、プロデューサーさん」


武内P「なんでしょう」


卯月「私、精一杯頑張りますから、一緒に夢叶えましょうね!」


武内P「……はい」フッ

卯月「あ……」


プロデューサーが一瞬見せた笑顔を見せた。

決して自然なものじゃない。ぎこちなくて、拙いものだったけど。

私には……まるで……。


卯月(王子様の笑顔に見えた……)


いつかは仲間である他のアイドルにも見せてしまうだろうけど。

今、あの王子様の笑顔は私しか知らない。

それがなんだか……とても嬉しかった。



終わり

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