エレン「なあジャン、結婚式のことなんだけどな」(11)

ジャン「は?」

エレン「やっぱでっかい教会でパーッとやりたいよな」

ジャン「ひ?」

エレン「衣装はどうする? あんま金ないんだよな。貸してくれる人いるかな?」

ジャン「ふ?」

エレン「何人くらい招待しようかな。お前どうせ友達少ないだろうし同期はみんな呼んどくか」

ジャン「へ?」

エレン「絶対幸せにしてやるからな!」ニカッ

ジャン「ほ?」

エレン「子供は何人欲しい?」

ジャン「なあ、エレン……」

エレン「俺は三人がいいな。男の子が二人、女の子が一人」

ジャン「エレンさん?」

エレン「名前はお前が決めてやってくれよ。俺あんまりネーミングセンスねえから」

ジャン「あの、俺たち付き合ってすら」

エレン「どっちに似てると思う? 俺とジャンの子どもだったら絶対に可愛いよな」

ジャン「そもそも、俺お前のこと嫌いだし……」

エレン「それで庭付きの白い家に住んで、大きい犬を飼うんだ」

ジャン「お前も俺のこと嫌いなんじゃ……」

エレン「犬の名前くらいは俺に決めさせろよ」

ジャン「俺はミカサが……」

エレン「ジャンは犬派? 猫派?」

ジャン「……」

エレン「俺は断然犬派なんだけど、お前がどうしても猫のほうがいいって言うなら猫にしようぜ。
    動物なら大抵好きだけど俺が一番好きなのはジャンだから。ジャンが俺のことを一番好きなように。
    あー楽しみだな。毎日お前の作るチーハン食べられるんだもんな。
    俺あーんってされるの夢だったんだよ。一回でいいからやってくれよ。   
    照れて逃げんなよ。俺だって傷つくからな。ショックで巨人化しちゃうかも、なんてな。
    それとなジャン、怒らずに聞いてほしいんだが、俺むかし気になる女の子がいたんだよ。
    いや、浮気とかじゃねえから安心しろよ。お前以外に好きな奴なんていねえから。
    その子とはジャンと知り合う前に知り合ったってだけで何もなかったからな。
    今思えばただの雌豚だったな。豚だよ豚。喋ったこともないし喋らなくて本当良かったと思う。
    でもやっぱりこういうことは最初に言っとかないと誤解を招くかもしんないだろ?
    愛し合う二人が勘違いで喧嘩になるのはドラマの世界で十分だよな。
    俺とジャンは絶対にそのあと仲直りできるに決まってるけど、それでもな。
    ジャンはどうだ? 今まで好きになったやつとかいるか?
    いないに決まってるけど、でも気になった人くらいいるだろ?
    いてもいいんだよ別に責めるつもりなんかねえし。嫌に決まってるけど我慢するよそんくらい。
    だってそれは俺と出会う前の話だもんな? そうだよな?
    俺と出会った今となっては他の人間なんかお前からすればその辺の石ころと変わりないに決まってるし。
    俺がジャンを独り占めするのは他の奴に申し訳ない気もするけどしょうがないよな。
    ジャンが俺を選んでくれたんだからそれはもうそういう運命なんだよ決まり事なんだ。
    ほかの奴のためにも俺たちは幸せにならなきゃな。
    まあでも固いこと言わずジャンも少しくらいならほかの奴の相手をしてやってもいいんだぜ?
    だって可哀想だもんな俺ばっかり幸せになったら。ジャンもそう思うだろ?」

ジャン「」

ジャン「うんっ! そうだなっ!」

ジャン「じゃねえよ!! ふざけんなよてめぇ!!!」ドンビキ

エレン「ははっ、相変わらずツンデレだな」

ジャン「ヒェッ……」

ミカサ「エレン? どうしたの?」

ジャン「ミカサ! 助けてくれ、エレンが狂った!!」

ミカサ「ジャン、エレンを幸せにしてあげて」

ジャン「えっ」

ミカサ「しなかったら削ぐ」

ジャン「あっ、はい……」

アルミン「エレン! ここにいたんだね」

ジャン「アルミン、お前からも何か――」

アルミン「仲人は僕に任せてね!」

エレン「さっすがアルミン!」

ジャン「なん……だと……?」

マルコ「あのジャンに嫁の貰い手ができるなんて……」グスッ

ジャン「嘘……だろ……?」

コニー「うおっ! 新婚さんアツいなおい!!」ヒューヒュー

サシャ「私も結婚式呼んで下さいね!」ジュルリ

コニー「お前は食い物目当てだろ!」アハハ

ジャン「どういう……ことだよ……?」

ミーナ「二人は前々からお似合いだと思ってたよ!」キラキラ

ジャン「が……ま……」

エレン「何だよジャン、もっと嬉しそうにしろよ」

ジャン「バカかお前! 駆逐バカ! 俺たち男同士だろ!? 結婚なんか」

エレン「何言ってんだ? お前は女だろ」

ジャン「……」

エレン「……」

エレン「このおっぱいが目に入らぬかあああああ!!!」モミモミ

ジャン「うわあああああああああ!!!???」

ジャン「うそだろ……こんな……いつの間に……」ボウゼン

エレン「しっかりしろよな俺の嫁」

ジャン「おえっ……」

ジャン「……なあ、俺たちまだガキだろ? 結婚なんか」

エレン「……」

エレン「このおっぱいが目に入らぬかああああああああ!!?!?」モミモミ

ジャン「うわあああああああああ!!!???」

エレン「俺たちはもう18歳だ。18禁コーナーにだって入れるんだ!  特に理由のない発育の暴力がお前を襲ったっておかしくないんだよ」

ジャン「……なあ考え直せよエレン、俺たち仲悪かっただろ!? 毎日のように喧嘩して」

エレン「何言ってんだ、昨日もあんだけ激しく―――」

ジャン「うわああああやめろ聞きたくねええええええ!!!!」

エレン「ジャン……」ジリジリ

ジャン「やめろ近づくな!! あ……そうだお前! こんなことやってる場合じゃないだろ!?」

ジャン「巨人はどうしたんだよ!? 駆逐は!?」

エレン「巨人ならサシャが食っちまったぞ」

ジャン「食べちゃったのかよ!」

サシャ「大味でしたが悪くはなかったですよ!」ゲーップ

ジャン「ところで、アニとライナーとベルトルトはどこ行った?」キョロキョロ

エレン「ああ、良いやつらだったのにな……」

ジャン「まさか……」

サシャ「なかなか美味しかったですよ」ゲーップ

ジャン「あいつらも食っちゃったの!? 嫌だこいつ巨人より怖い!」ガーン

ジャン「クリスタとユミルもいないがまさかあいつらも――」

エレン「あいつらとっくに結婚したぞ。子供もいる」

ジャン「あ、そうですか」

ジャン「ハンナとフランツは?」

エレン「子供たちと野球かサッカーでもしてるんじゃねえの?」

ジャン「はええよ! 早いんだよ何もかも!」

エレン「俺たちも早く子作りしようぜ!」イェーガー!

ジャン「嫌だああ!! くそっ、こんな地獄だと知ってたら兵士なんか――」

エレン「……そんなに嫌か」シュン

ジャン「え……?」

エレン「悪かったな。お前の気持ちも考えずに」ショボン

ジャン「あ、いや……その」

ジャン「って騙されないからな!? いくらなんでもそこまでチョロくねえよ!」

エレン「チッ……」

エレン「頼むから機嫌直してくれよ。腹筋系アイドルミカリーンのライブDVD貸してやるから」

ジャン「すげえ気になるけどお前と結婚するのは嫌だ!!」

エレン「じゃあマルコが巨人化した時の変顔でも――」

ジャン「それも気になるけど駄目だ!!」

エレン「じゃあリヴァイ兵長が童貞卒業した話でも――」

ジャン「気になるけども!!」

エレン「ミーナが悪魔の眷属だった話はしたっけ?」

ジャン「もう……いい……疲れた……」

エレン「なあジャン、最後に一つだけいいか?」

ジャン「なんだよ……? もう何が来ても驚かねえぞ」

エレン「俺昨日レーシック手術したんだ☆」

ジャン「お前よくそれ最後に持ってきたな!?」

おしまい

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年04月07日 (木) 01:34:39   ID: wVuiUoaz

なんかの芸人のネタにあったな・・・バイキングだっけ?

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom