男「ヒャッハー!」クンカクンカ 幼馴染「…」(56)

男「あぁああぁぁぁ、良い匂いー!」
ゴロゴロバタバタ

男「俺のベッドはあんなに臭いのに」

男「幼のベッドは何でこんなに良い匂いなんだろう」
クンカクンカ

男「たまらん!これはたまらん!」
クンカクンカ

幼(とっさにクローゼットに隠れちゃったけど…)

幼(出るに出られない…どうしよう)

男「ベッドだけじゃなくて、部屋中が良い匂いだ!」

男「…ひょっとして、何か散布してるのかな?」

男「香水とか?」

男「…」
クンカクンカ

男「いやいや!この匂いは香水じゃあないだろう!」

男「これはきっと…幼の体臭?」

男「体臭って何だか、クサいってイメージだからダメだな」

男「これ、もう人間の匂いじゃないな!」

男「きっと天使の香り…とか、そんなんだ!」

男「そうじゃないと、説明がつかない!」

幼(アホか)

幼(て言うか、勝手に部屋に入ってきたと思ったら、何て事してんの)

幼(かれこれ1時間近くああして、ベッドの上をゴロゴロしてるけど…)

幼(…そろそろ飛び出して、ビビらせてやろうか)

男「…この天使の香りは、他の物からも発せられているんだろうか」

幼(は?)

男「例えば…服とか、どうだろう?」

男「気になる!すげー気になる!私、気になります!」

男「いつも傍に居るのに、今まで気付かなかったなー」

男「この香りは、外気に触れると、消えてしまうんかなー」

男「服…嗅いで、確かめてみよう!」

幼(勝手にタンスを開けるつもり?)

男「確か、一番上の段はシャツが入ってるはずだ!」

幼(…ま、まぁ、シャツくらいなら良いかな)

幼(そうだ!この様子を携帯で撮って、後で何かおごらせちゃおうか!)

幼(へっへっへ…先に犯罪行為に走ったのは、そっちなんだからね)

幼(天網恢々疎にして漏らさずだよ!)

幼(録画開始っと)
ピロリン

男「ん?今、何か音がしたような?」

幼(ヤバい!バレた?)

男「クローゼットの方か?」

男「…でも、クローゼット開けたら殺すって言われてるしなぁ」

男「タンスなら、後で言い訳出来るしな!」

幼(どんな理屈だそれは!…て言うか、男が馬鹿で助かったー)

男「それじゃ、タンスを…」
スラッ

幼(開けたね、私のタンスの引き出しを…)

幼(撮影ばっちり…ふっふっふ)

幼(これは駅前の例のアレを10回くらい奢ってもらわないと…)

男「おぉ…これは…」

男「引き出しを開けただけで、もう…」

男「天使の香りがする!」

男「そして…この…」
ガシッ

男「几帳面に折り畳まれたtシャツ!」
クンカクンカ

幼(tシャツ取られた…)

男「これ、洗剤の匂いかな?」

男「いやいや、違うだろ!」

男「だってベッドからも同じ匂いがするんだから!」

男「はぁ…良い匂い…」
クンカクンカ

幼(私のtシャツ握りしめて、うっとりしてる…)

幼(…私、そんなに匂うかな?)
クンクン

幼(別に匂わないと思うけど…)

男「幼は几帳面だから、きっと次の段はブラが入っているに違いない」

幼(なっ!?)

幼(当ってるけど、それはダメだから!)

幼(もう飛び出そうか!)

男「何とも言い難い魅惑の引き出しだが…」

男「それやっちゃ、本格的に犯罪だからやめておこう」

幼(ふぅ…ま、tシャツの匂い嗅いでる時点で、アウトだけどね)

男「だから一番下の段を開ける!」
スラッ

幼(!)

男「やはり靴下…」

幼(しまった!飛び出すタイミングが…)

男「…」
クンカクンカ

幼(ちゃんと洗濯してるとは言え、靴下の匂いなんて…)

男「靴下ですら、天使の香りが!」

男「学校指定のソックスからでもこんな匂い!」

男「もうこれはアレだ!幼が天使なんだ、きっと!」

幼(な、何言ってるのよ、男ってば…)

幼(て、天使なんて、言い過ぎだよ…もう)

男「はぁ…良い匂い…」
クンカクンカ

幼(天使って言われて、悪い気はしないけど…)

幼(靴下の匂い嗅がれるとか、超恥ずかしい!もう限界だわ!)

バァン!

男「!」幼(!?)

幼父「さっきから黙って見ていれば…お前は何してんのかな?ん?」

男「あ、おじさん。どうもお久しぶりです」

幼(え?お父さん?)

男「いつ単身赴任終わったんですか?」

幼父「終わってねぇよ!」

男「え?」

幼父「ちょっと遅めの夏休みだ!」

男「ずいぶん遅い夏休みですね」

幼父「忙しかったんだよ!」

男「お仕事ご苦労様です、おじさん」

幼父「おうよ!超疲れてるぜー俺は!」

男「こんな時間に、ビックリしましたよ」

幼父「そうだろ?実は幼ちゃんにも内緒で帰ってきたんだぜー」

男「え?」

幼父「幼ちゃんのビックリした顔が見たくてなー」

男「あぁ、おじさんも幼も、サプライズ好きですもんね」

幼父「おうよ!驚かせるのは大好きだぜ!」

幼父「でも幼ちゃん、居ないのな」

男「ちょっと出かけてるみたいですね」

幼父「こんな夜遅くに…どこ行った?」

男「俺に聞かれても…驚かせられなくて残念ですね」

幼父「おう…でもまぁ、今からでもビックりはさせられるだろ」

幼父「幼ちゃんが帰って来たらな!」



幼(まぁ、ビックリはしてますけどね)

幼(クローゼットの中で、ですけどね)

男「それにしても、久しぶりですね」

幼父「正月以来だな」

幼父「可愛い一人娘を家に残して、単身赴任」

幼父「隣りに住んでるのが、お前の両親じゃなかったら」

幼父「絶対一緒に連れて行くんだけどな」

幼父「幼ちゃん、引越しするの絶対嫌って言うし」

男「来年受験だし、転校するのが嫌なんじゃないですか?」

男「なにせ、学校が家の向かい、登校時間30秒って、魅力的だし」

幼父「まぁ、そりゃあそうだが」

幼父(…引っ越さない理由は、別にあると思うんだがな)

男「え?何ですか、そんな目で見つめられても困りますよ」

男「俺、好きな人居るんで…ごめんなさいっ」

幼父「うるせぇよ!」

幼父「そんな事より!おい!ごまかされないぞ?」

男「え?なんの事ですか?」

幼父「その右手に持った、tシャツと」

幼父「左手に持った、靴下は何だ?」

男「あぁ、これですか、これの事ですか」
クンカクンカ

男「こうやって…匂いを嗅いでいたんですよ」
クンカクンカ

幼父「こ、この野郎…」

幼(ヤバイ…お父さん、超怒ってる…?)

幼(助けに出るべき?いや、でも…自業自得だし…)

幼父「そんな事は見れば解る!」

男「えっ?」 幼(えっ?)

幼父「て言うか、お前がベッドでゴロゴロしてた所から見てたからな?」

男「あぅ…そうっすか…」

幼父「実は15分くらい前から見てたんだぜ?」

幼(えっ?)

男「なんか、すいません」

男「娘さんのベッドの上で転がったりして」

幼父「俺が怒ってるのはそこじゃねえぇぇ!」

幼(そうだよ!謝る所、そこじゃ無いし!)

男「あっ、ベッドやシャツや靴下の匂いを嗅いだりしてすいません」

幼(そうだよ、そこが問題だよ!)

幼父「そこでもねぇ!」

男「えっ?」 幼(えっ?)

幼父「幼ちゃんの部屋が天使の香りに包まれている事には同意する!」

幼父「部屋だけじゃなく、色んな物から匂いがする事にも同意する!」

幼(え?お父さん、何言ってるの?)

幼父「しかしだ!」

幼父「なぜtシャツ?なぜ靴下?」

幼父「まっさきに取るべきはっ!」

幼父「下着だろうがっ!」

男「えっ?」 幼(えっ?)

幼父「さぁ、幼ちゃんのブラは2段目に!ショーツは4段目に入っている!」

幼(な、何でお父さんがそれを知ってるの!?)

男「なんでおじさんがそれを知ってるんですか?」

幼(男!ナイス質問!)

幼父「ぶっちゃけ俺もたまに匂いを嗅ぎに入っているからな!」

幼(はぁ!?)

幼父「幼ちゃんの部屋の事で、俺が知らない事など無い!」

幼(えぇー…なにぶっちゃけちゃってんのー…)

幼(引くわー…実の親だけど…)

幼(いや、実の親だからこそ、超引くわー…)

幼父「さぁ、とっとと引き出しを開けろ!男!」

男「おじさん…良いんですか?」

幼父「かまわん!て言うか、一緒に天使の芳香を嗅ごう!」

幼父「幼ちゃんが帰ってくる前に!」

男「解りました!行きますっ!」

幼父「最っ高にハイになろうぜ、男よ!」

バァン!

幼「冗談じゃないわよっ!」

男「幼!?」

幼父「幼ちゃん!?」

男・幼父「何でクローゼットの中に!?」

幼「黙って見てれば!二人とも!いい加減にしろーーーっ!!」

男「ち、違う!誤解だ!」

幼「誤解じゃない!最初から全部見てたんだから!」

幼「ベッドでゴロゴロした後、tシャツと靴下の匂い嗅いでたでしょ!」

男「う…」

幼父「そ、そうだ!賊が侵入したと思ったから、お父さんは…」

幼「だから!最初から見てたって言ってるでしょ!お父さんも同罪…」

幼「いや!男よりお父さんの方がタチ悪いよ!」

男「そ、そうだそうだー!」

幼「て言うか、二人とも言い訳かっこ悪いっ!」

幼父「幼ちゃん、落ち着いて!ご近所に聞こえちゃうよ」

男「そ、そうだよ落ち着いて…」

幼「あんたらのせいでしょーがっ!」
ゲシッ

男「ッ~~~…ナ、ナイス、足刀…」
バタッ

幼父「こ、こら!や、やめなさい!お、お父さんはそんな子に育てた覚えは…」

幼「…ギルティ!」
ゴスッ

幼父「ッッッ~~~ナ、ナイス、正拳突き…」
バタッ

幼「もう…二人とも、バカなんだから」

男「うぅ…」

幼父「…幼ちゃん、落ち着きなさい?」

幼父「小さい頃から、空手・柔道・合気道を習わせたのは…」

幼父「可愛いその身を守るためだよ?」

幼父「だーい好きなお父さんにパンチする為じゃないよ?」

幼「そんな事、わかってるよ」

幼「だから、ちゃんと手加減したでしょ?」

幼「…お父さん、お帰りなさい」

幼父「ただいま、幼ちゃん。不自由ないか?元気か?」

幼「元気だし、不自由なんてないよ」

幼父「ちょっとは不自由なんじゃないか?寂しくないか?」

幼「おじさんとおばさんがよくしてくれてるから、大丈夫だよ」

幼父「そうかそうか…元気なら良いんだよ」

幼「…そんな事より二人とも!私に言う事あるんじゃない?」

男・幼父「すみませんでしたっ!」

幼「うん、許す。でも今回だけだからね?」

幼「今度やったら…」

幼父「わ、わかってる!わかってるから、その拳を下ろして?」

男「落ち着いて!もうしませんから!」

幼「…ところで、男は何で私の部屋に?」

男「あ!そうだった!課題!数学の課題見せて!」

幼「断る!自分で頑張れ!」

男「えー?頼むよ!今日一日頑張ってみたんだけど」

男「全然わからなくて、困ってんだよ」

男「それで、教えてもらおうと思って、窓叩いてみたら返事無かったから…」

男「無かったから…そのー」

幼「勝手に入ってきて、ベッドでゴロゴロしだしたんだよね?」

男「悪かったってばよー。頼む!課題見せてくれ!」

幼「しょうがないなぁ…明日、教えてあげるから」

幼「自分で頑張りなよ」

男「う…それじゃ、明日、よろしくお願いします」

幼「10時頃にそっちの部屋に行くからね」

男「助かったー!ありがとう、幼!」

幼父(10時か…フフフ)




コンコン
幼「おーい、入るよー?」

カラカラ
スタッ

幼「あれ?男、居ないのか」

幼「せっかく教えてあげるって言ってるのに」

幼「あ、下に居るのかな?」


幼「あ、おばさん、おはようございます。お邪魔してます」

男母「あら幼ちゃん、おはよう。いらっしゃい」

幼「あの、男はどこですか?」

男母「あ、ちょっとお使い頼んじゃってね、今外出中なのよ

幼「あ、そうなんですか」

男母「それでね、ちょっとおばさんも出掛けるんで…」

男母「男の部屋で待っててもらっても良いかしら?」

幼「あ、はい。わかりました、そうします」

男母「ごめんねー」

幼「いえいえ。じゃ、部屋で待ってます」

幼「…」

幼「しかし、相変わらず汚い部屋だなぁ」

幼「汚いって言うか、散らかってる」

幼「私が今日来るって解ってるんだから…」

幼「少し位片付けてても良さそうなもんなのに…」

幼「…」

幼「ベッドの横にグラップラー刃牙が全巻積んである」

幼「さては昨日、あれから全巻読んだんだな…」

幼「そんな事してる暇あるなら、自分で課題やれるでしょって話しよね」

幼「…」

幼「…私も、久しぶりに読もうかな」
ペラッ

幼「男が帰ってくるまで…ちょっとだけ…」
ペラッペラッ

…1時間経過…

幼「はぁー…やっぱ最大トーナメント編、面白いなぁ」

幼「愚地独歩、カッコ良いなぁ」

幼「私もいつか、こんな空手家になりたいなぁ」

幼「男臭い雰囲気がまたカッコ良いなー」

幼「渋川先生もカッコ良いけど」

幼「…」

幼「それにしても遅いな…」

幼「ふわぁ…」

幼「昨晩のアレのせいで、ちょっと眠いな…」

幼「男が帰って来るまで、ちょっとだけベッド借りようかな…」
バフッ

幼「はぁ…ふかふか布団、気持ち良いなぁ」

幼「…」
スンスン

幼「これって、男の匂いだよね…」

幼「そう言えば自分では臭いって言ってたけど…」
クンクン

幼「そんな事ないと思うけどな?」
クンカクンカ

幼「むしろ心地よい匂いと言うか…」
クンカクンカクンカ

幼「!」

幼「ダメダメ!こんな事してたら、あの二人と同じになっちゃう!」

幼「…でも」
クンカクンカクンカクンカ

幼「なーんか、癖になる匂いだなぁ…」
クンカクンカクンカクンカクンカ




男(ふふふ…作戦通りですね、おじさん)

幼父(さすが俺の娘…やっぱりな)

幼父(待ってれば、きっと匂いを嗅ぐと思ってたぜ)

幼父(しっかし、我が娘ながら、可愛いなぁ、おい)

男(ベッドでジタバタしてる幼、超可愛いですね)

男(でも、俺のベッド、結構臭いと思うんですけどねぇ)

幼父(好きな人の匂いは良い匂いなんだよ!)

男(す、好き…ですかね?)

幼父(あったりめぇだろ?ああ見えても幼ちゃん、お前にベタ惚れよ!」

男「マジっすか?お、俺も幼の事、大好きですよ!」

幼父「だからさ!幼ちゃんの部屋、良い匂いだったろ?」

男「はいっ!超良い匂いでした!」

幼父「もう、おめぇら、結婚しちまえよ!」

男「俺、まだ17歳なんで、無理です!」

幼父「ははっ。それもそうだな!」

幼父「じゃあ、来年だな!来年結婚しろよ、もう」

男「はい、お義父さん!」

男「幼と結婚…はーっ!テンション上がる!」

男「ヒャッハー!」



幼「…」


男・幼父「ハッ!?」

幼「…」
グッ

男「幼、いったん落ち着いて!いったん!」

幼「……」
ググッ

幼父「ちょっと待った!幼ちゃん!」

幼父「照れ隠しに振るう力は暴力だよ?ただの暴力!」

幼父「空手に先手無しだよ?」

幼「…ふぅ」

幼「…二人とも」

幼「もう、何も言わなくて良いから、ね?」
ニコッ

男「お、幼の…拳が…菩薩の拳にッ!?」

幼「フゥゥゥーーーー!」



男・幼父(こ、殺されるッ…)



おわり

これで終わりです
誰か読んでくれたら嬉しいです

次スレは
義妹「私は幼馴染と言う事に?」 男「何言ってんの?」
ってタイトルで立てると思います
では

一番槍乙!

どうでもいいけど>>47読み方「おさな」とかなのかな
自分の脳内読みは「よう」なんだが

>>1

>>49
俺も「よう」って読むけど
この>>1は「おさな」と読んでいるらしい

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