海未「私はテレサ対人恐怖症」 (134)

ことり「あ、海未ちゃん!こっちこっち!」

キノコ王国から遠く離れた王国。
ホノカ王国。

王女の穂乃果姫は思い付きのお祭りを開催して国のみんなはとっても楽しみ!

海未「ひ、人が多いですよぉ・・・帰りたいです」

テレサの海未ちゃんはとーても人見知り。

友達のヨッシー。ことりちゃんに誘われたはいいけどやっぱり人混みは苦手。

ことり「でも海未ちゃん穂乃果姫見たことないんじゃなかったぁ?」

海未「見たことないですけど・・・こんなに人が多いなんて聞いてませんよー」

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ことり「確かに人多いよねーでも穂乃果姫を見たらきっと見惚れてしまうと思うよ!」

海未「でも、目が合ったら恥ずかしいです・・・」

ことり「もう、恥ずかしがり屋さんだなぁー」

海未「テレサはみんな恥ずかしがり屋さんなんですっ」

ことり「私達ヨッシーには恥ずかしがり屋さんなんていないけどなぁ・・・」

海未「いいですよねヨッシーはドラゴンですよドラゴン!それに比べて私なんてお化けですよ?はぁ・・・」

ことり「まぁまぁ。あ!もうすぐ穂乃果姫の登場見たいだよ!」

お祭りに集まったみんなが大きく騒いで、穂乃果姫の登場をいまかいまかと待っています。

海未ちゃんはといえば特に興味が無いようで、これが終わればお家に帰れると思っていました。

穂乃果「みんなーおまたせー!」

ついに穂乃果姫の登場です。
みんなは口笛を吹いて穂乃果姫の登場を盛り上げます。

ことり「ほらほら!見て穂乃果姫だよー!」

海未「あんまり興味がありません」

と言うのは嘘でした。

みんながあまりにも騒いでいるものだから海未ちゃんにもちょっと見てみたいなーって気持ちが出て来ました。

みんなより少し高く浮いて、どれどれと穂乃果姫を見てみます。

海未「ほぉー」

穂乃果姫は手を振ってとっても楽しそうな笑顔!
思わず海未ちゃんも笑顔になってしまいます。

ことり「どうかなー?」

海未「ほぉー」

穂乃果姫に見惚れる海未ちゃんを見てことりちゃんは微笑みます。

穂乃果「みんな今日は集まってくれてどうもありがとう!」

穂乃果姫はみんなを見渡しました。

海未「ひぃぃ!」ササッ

ことり「わわっ!海未ちゃんどうしたの?」

海未「目が合いました」ブルブル

ことり「えーっ!いいなぁー!」

海未「恥ずかしいです・・・」プルプル

顔を隠して恥ずかしがる海未ちゃんの顔はなんだかとっても赤くなっています。

海未(穂乃果姫・・・)

どうやら海未ちゃんは穂乃果姫に恋をしてしまったようです。

盛大なパレードでホノカ王国のみんなは大騒ぎ。

勿論、ことりちゃんもわいわい騒いでいます。

海未ちゃんはと言えばずっと穂乃果姫に釘付けで騒ぐ事も忘れる程です。

でも、まだこの感情が何かを理解していない海未ちゃん。
なんだかよく分からない感情に困ってしまいす。

希「なんかえらい顔赤いけど大丈夫?」

海未「ひゃぁ!」

地面からよいしょと身を乗り出して来たのはチョロプーの希ちゃん。

さっきまで誰もいなかった所から出て来たので思わずことりちゃんもびっくり!

海未ちゃんは初対面の希ちゃんにモジモジしてしまいます。

ことり「あなたは?」

希「うちは希!趣味はタロット占いやで!」

海未「・・・」テレテレ

希ちゃんは二人と友達になりたいと思い意気揚々と自己紹介をしますが海未ちゃんは両手で顔を隠して何も答えません。

希「ん?どうした?お腹いたいん?」

ことり「あ、あのね。海未ちゃん凄い恥ずかしがり屋さんなの」

希「ほぉーそんなんやー。まぁテレサはみんな恥ずかしがり屋さんって聞くもんなぁー」

海未「ご、ごめんなさいこのまま話してもいいですか?」テレテレ

希「ええよ!」

海未「ありがとうございます!」ペコリ

顔を隠しながらおじぎする海未ちゃんをちょっとからかいたくなった希ちゃん。
でも、今はグッと我慢します。

希「で、なんでお顔が真っ赤っかになってたん?」

海未「えーとそれは・・・」

ことり「私もしりたいなぁー?」

海未「な、なんだか穂乃果姫を見たら急に体が暑くなりました。今は冬なのにまるで真夏かと思うほどです」

希「ははーんなるほどー」

ことり「ふふっ海未ちゃんそれって恋だよ!」

海未「こ、恋ですか?」

希「穂乃果姫の事好きになってしもうたんやなぁー」

海未「す、好きに!?」

恋とか好きとか海未ちゃんにはまだ大人に言葉が出てくるので海未ちゃんの顔は更に真っ赤っか。
まるで、砂漠に出てくるサングラスをかけた太陽のようです。

ことり「でも確かに穂乃果姫かわいいよねー」

穂乃果姫は相変わらずみんなに手を振っています。

希「海未ちゃんはどう思う?」

海未「ふ、普通です!」

本当はかわいいと思っているのについつい嘘を言ってしまった海未ちゃんは心の中で穂乃果姫にごめんなさいと言いました。

ことり「でもあのドレスとか凄くかわいいよ~」

希「ほんまやなぁー。うちは家が地面の中やからすぐ泥だらけになってしまうけど一度着てみたいなぁ」

海未「わ、私は普通ですっ!」

希「あっ、でも海未ちゃんずっとお顔隠してるからドレス見えないんとちがうー?」

海未「ぐぅ」

希「ぐぅの音がでたなぁー」

そう言って希ちゃんはけらけらと笑いましたが被ってるヘルメットがちょっとズレてしまいました。

海未「と、とにかく私は穂乃果姫の事好きじゃないですからっ!」

珍しく大声を出した海未ちゃんはまた恥ずかしくなりしょぼんと体を縮み込ませます。

ことりちゃんはと言うと素直になれない海未ちゃんの事がかわいいなぁーと思っていました。

希「あらら、えらい遠くに行ってしもうたなぁー」


ことり「わぁ~本当だいつの間にあんな遠くに!」

いつの間にか穂乃果姫を乗せた車は遠くに行っていました。

希「ほんとさっきまで近くにおったのになぁー」

するとどこからか助けて~助けて~と声が聞こえてきます。

海未「・・・?」

もう一度耳を澄ましてみるとやっぱり助けて~と声が聞こえてきます。

さて、誰からでしょう?
気になる海未ちゃんはふわふわの体で浮いて声がする方向へ視線で辿ります。

助けて~助けて~!

助けて~!助けて~!

海未ちゃんはあっと驚きました。

声の正体は穂乃果姫だったのです。

凛「にゃーんにゃんにゃんかっとばすにゃー!」

花陽「うぅー目が回る~」

なんと穂乃果姫はヘイホーの凛ちゃんとパタパタの花陽ちゃんにさらわれている真っ最中でした!

凛「ボスどちらに行くのー?」

花陽「もちろん!私のお城!」

凛「りょーかーい!」

凛ちゃんの荒い車の運転に花陽ちゃんは目が回ってしまいましたがある企みの為グッと堪えます。

穂乃果「ちょっとそこのお二方。私をさらってどうするつもりなのですか?まさかお金っ!それとも私!?ひぃぃーおたすけー」

凛「嘘にゃ!絶対そんなキャラじゃないにゃ!」

穂乃果「てへへバレたー?」

今日はここまで!

凛「ばれてるよー!」

穂乃果「ところで何で私をさらったのー?まさかお金!?ないよ!持ってないよ!それとも!」

花陽「そ、それはもういいよ!」

穂乃果「えー!じゃあなにー?ただ私をさらっただけ?クッパみたいに?」

凛「かよちんをクッパと一緒にしちゃダメ!」

花陽「そうだよ!私はちゃーんとした目的があってお姫様をさらったの・・・」

凛「そうにゃ!言ってやるにゃー!」

ヘイホーの凛ちゃんは手足をバタバタさせて興奮しています。
ところが流石はお姫様、そんな凛ちゃんをなんとかなだめて花陽ちゃんの言葉を待っています。

花陽「例えばお花にも色んな顔があると思うけど・・・」

穂乃果「うん!そうだね!昼の時は元気に咲いてて夜の時はとっても綺麗になる!」

花陽「えっとそれから。お空も色んな顔を持ってて・・・それぞれいいところが沢山あると思う」

穂乃果「ほーほー」

花陽「ある日、クリボーがおりました」

穂乃果「うん?」

花陽「クリボーは毎日毎日お仕事をしながら今日の献立は何かなーと考えていました」

穂乃果「えっ!?お話が始まったよ!お花とかお空とかはどこ行ったの!?」

凛「ちょっと静かに!」

花陽「クリボーはカレーが食べたいなぁーと考えていました。そうカレー。ご飯にかけてチーズものせて沢山食べたいなぁーと思っていました」

穂乃果「そ、そっかぁ・・・」

花陽「そんな願いが叶ったのか家に帰るとなんと今日の献立はカレーだったのです!」

穂乃果「ビーフシチューの可能性は?」

凛「ないにゃ!どっからどう見てもカレーだし匂いもカレーだよ!」

花陽「クリボーは嬉しくて大はしゃぎしました。が」

穂乃果「えっ、なんなの?誰か・・・死ぬとか?」

凛「死なない!黙って聞く!」

穂乃果「ごめんなさ~い」

花陽「どうもご飯の姿が見当たらない。クリボーはお嫁さんにご飯は?と聞きました。するとお嫁さんは今日はナンだよ本格的でしょそう答えました」

穂乃果「本格的だねー私も食べたくなって来ちゃった」

花陽「そんな馬鹿なっ!クリボーは思いました。このカレーをご飯と一緒に食べれないなんておかしいと・・・ナンだって?変なとこだけ本格的な癖にカレーは日本風じゃないか!だったらインド風のカレーを出してくれと心の中で思いました」

穂乃果「えーいいじゃんたまにはさー」

花陽「よくないよ!」

穂乃果「そう?」

花陽「カレーにはご飯だよ!どう考えててもご飯だよぉ!」

凛「もう誰にもかよちんを止める事は出来ないにゃ」


穂乃果「でもナン美味しいよー」

花陽「確かに美味しいと思うけど・・・やっぱりカレーにはご飯だよ!」

穂乃果「でもさ、結局私をさらった理由ってなんなのかなぁ?ほら、なんか話が違う方向に行ってる気がする・・・」

花陽「つまり私が言いたい事は・・・パンにまみれたお姫様にご飯の良さを知って貰うこれが目的」

穂乃果「そ、それが目的?」

花陽「うん!」

凛「深い目的だにゃ・・・」

穂乃果「そうかなぁ」

・・・・・・

ことり「ど、どうしよう!穂乃果姫がさらわれちゃった!」

希「これはえらいこっちゃ!」

穂乃果姫誘拐事件にみんなは大慌て!

ことりちゃんは歩き回って落ち着かない様子。
希ちゃんは腕を組んで何か考えてる様子です。
勿論、海未も大慌てです。

海未「ど、どうするんですか?どうするんですか?」

ことり「あわわわ・・・」

希「よし!二人とも落ち着こ!」

海未「落ち着くって言われましても」ワナワナ

ことり「穂乃果姫が心配だよぉ!」ワナワナ

希「しっかしなんで穂乃果姫をさらったんやろ?」

ことり「かわいいからだよ!ね?海未ちゃんもそう思うよね?」

海未「えっ?あの、その・・・」カァァ

希「顔隠しても照れてるのはわかるで~」

海未「こ、これはちょっと目が痒いからで!それより!穂乃果姫はどうするんですか?」

希「せやなーマリオ派遣所に行くしかないんとちゃう?」

海未「マリオ派遣所?」

ことり「あぁ!その手があったねっ!」

希「マリオを行かせて穂乃果姫助けて貰えばええやん!」

海未「その、マリオ派遣所ってどう言う所ですか?」

希「マリオを貸して貰える所や」

ことり「それに、オプションでファイアーフラワーとか色々付けれるんだよ」

海未「そうですか!あのマリオが行くなら安心ですね!」

希「50人ぐらい貸して貰えるとありがたいんやけどなぁ」

海未「50人!?」

希「そのぐらい人数おればよゆーやろ!」

ことり「だね!相手はどんな悪者かわからないもんね!」

海未「ちょっと。ちょっと待って下さい!・・・マリオは複数いるのですか?」

希「えっ!?しらんの?」

海未「すみません。私、あまり家から出なくて・・・それよりマリオは本当に複数いるのですか?」

希「世間知らずさんやなぁーマリオは複数いるのは当たり前やん」

ことり「無限1UP工場で生産されてるんだっけ?」

海未「生産!?無限1UP工場!?」

希「本当に何も知らないんやねー」

海未「まさかマリオが生産されているとは・・・てっきり一人だけかと思ってました」

ことり「あぁそっかぁ。海未ちゃんのお家の周辺平和だもんねー」

希「崖の下とか覗けば大量のマリオがおるはずやで」

海未「それはつまり・・・」ブルブル

希「マリオのお山や」

海未「も、もう崖の下は見ないと決めました!たった今決めました!」ブルブル

ことり「私もあの光景はちょっと苦手だなぁー」

希「まぁこの世の摂理って奴やなぁー。と言う事ではよマリオ派遣所行くで~!」


・・・・・・

絵里「それで今回はどのようなご用件で?」

希「穂乃果姫がさらわれたんや!」

ことり「そうなの!だからマリオを・・・」

絵里「えっ!?なに?穂乃果姫さらわれたの?」

ことり「うん!本当だよ。私達見たの!」

絵里「ハラショー。それは大変だわ」

ことり「早くマリオを助けに行かせないと穂乃果姫いまごろ・・・」ブルブル

絵里「落ち着いて、それからマリオは無理よ」

希「む、無理!?」

ことり「ど、どぉしてぇ!?」

絵里「ピーチ姫がさらわれてマリオはみんなそこに向かってるの」

希「な、なんやてー!」

ことり「ど、どうしよう!?ね、聞いてる海未ちゃん!」

海未「な、なにここー。人多すぎですよーなにここー」ワナワナ

ことり「あ、あれ?海未ちゃん?どこいるのー!」

あまりの人の多さに姿を透明にしていた海未ちゃん。
さっきまで側にいたのに急にいなくなっちゃうからことりちゃんは必死に探しています。


ことり「あ、あれー?海未ちゃーん!?」

海未「こ、ことり、ここ人多すぎですぅー!」ブルブル

希「声は聞こえるなー」

ことり「あ、もしかして透明になってるよね?そのままでいいから聞いてマリオ助けに行けないみたい!」

海未「え、えーっ!それは大変です!」

絵里「?そこに誰かいるの?」

ことり「うん、私の友達。でもテレサなの」

絵里「あーなるほど恥ずかしがり屋さんね」

海未「それより穂乃果姫は誰が助けに行くんですか!?」

絵里「それはなんとも言えないわ」

海未「・・・」ガーン

希「うーんほんまにどうしよっか」

ことり「私達が助けに行ければいいんだけど・・・」

海未ちゃんはなにかを思い付いたようにパパッと姿を現しました。

海未「それです!」

絵里「ひゃあっ!」

いきなり現れた海未ちゃんにびっくりしてゲッソーの絵里ちゃんはイカスミを吐いてしまい希ちゃんが真っ黒に!

希「うわっーなんやこれぇ・・・」

海未「私達が助けに行けばいいんですよ!四人で!」

絵里「・・・なんか私入ってない?」

海未「えっ、ダメ・・・ですか?」

絵里「ダメよ!だってほら、仕事あるし私弱いもの」

希「そんなん言うたらうちも弱いでげき弱や」

ことり「あっ、私は何でも食べれるから強いかなぁ」

海未「じゃあ、ことり一緒に助けに行きましょう!」

ことり「えっー!でも怖いよぉ!」

海未「お願いします!希さんと絵里さんとお願いします!」

頭を下げる海未ちゃん。
三人はお互い目を合わせて仕方ないなぁと口を揃えて言いました。
そして、危なくなったら逃げることを条件に四人は穂乃果姫を助けに出る事を決意しました。

一方その頃、花陽ちゃんはやっとお城に着きました。
穂乃果姫は長く車に揺られていたので、お顔が真っ青!

穂乃果「うぅー気持ち悪いよ~」

花陽「わ、私もぉ~」

穂乃果「ほらー!やっぱり運転荒すぎなんだって!」

凛「だって運転なんかしたことないもん!」

穂乃果「え、えぇーっ!」

花陽「そ、そうだったのぉ!?」

凛「うん!」

穂乃果「無事にさらわれてよかったー」

花陽「だねー無事にさらってよかったよー」

凛「さぁ!お城に行くにゃ!」

穂乃果「で、お城に行ってなにするの?」

花陽「拷問だよ!」

穂乃果「ご、拷問っ!?」

その言葉を聞いた途端、穂乃果姫は震え上がりました。
花陽ちゃんの黒い部分を覗いてしまった穂乃果ちゃん。
ようやくさらわれた事を後悔しました。

花陽「そうだよ!これからご飯とご飯に合うおかずしか食べれない拷問だよ」

後悔は無くなりました。

大きな扉を開けると立派なエントランスが広がってました。

穂乃果「すごぉーい!お城っぽい!」

凛「穂乃果姫のお城はお城っぽくないの?」

穂乃果「そうだよー小さな国だからこんなに大きくないんだー」

花陽「ここおばあちゃまのお城なんだー貰ったの」

穂乃果「私もこんな大きなお城欲しーなー」

花陽「そんな事より早く食卓に行こ!美味しいご飯と焼き魚が待ってるよ!」

穂乃果「わぁーいご飯だー!」

三人は大きな食卓に行き、各々席へ座りました。
テーブルには美味しそうなご飯ジャーとお魚が並んでいます。

花陽「真姫ちゃーん!ご飯の時間だよー!」

トテトテトテ。
歩いて来たのはボム兵の真姫ちゃん。
歩く度に後ろの蝶使いのネジがクルクルと回っています。

凛「ご飯当番お疲れさまー」

真姫「なんか一人増えてない?」

ちょこんと椅子に座る真姫ちゃんは穂乃果姫を見つめます。

花陽「誘拐してきたんだよー」

真姫「本当にして来たの!?」

凛「有言実行にゃー!」

真姫「マリオ来たらどうするの?」

花陽「だ、大丈夫だよ!私強いもん!」

凛「凛も凛もー。クッパに雇われてマリオを二人で100人はやっつけたよねー」

花陽「うん!」

穂乃果「本当?」

真姫「本当よ。見掛けによらないんだからこの人達」

花陽「さ、早くたべよ?ご飯が冷める前に」

そうだね。とみんなは頷きいただきますと手を合わせました。

真姫「でも、穂乃果姫だなんて聞いた事ないわ。なんだかお姫様って感じにも見えないわね。本当にお姫様?」

穂乃果「そうだよー。本当のお姫様だよ!でも、小さな国だからわからないのと仕方ないかなぁ」

凛「でも毎日のようにお祭りやってて楽しそうだにゃー」

穂乃果「うん!私、お祭り大好きなんだー」

凛「凛もお祭り好きー久しぶりに行きたいなぁー」

花陽「本当だねー」

真姫「私は、いいかなお祭りは、人多いのそんなに好きじゃないから」

穂乃果「えー!人多いのが楽しいのにーみんなでわーって大騒ぎ楽しいよ?」

真姫「だからダメなのよ。爆発しちゃうかもしれないわ」

穂乃果「そ、それは危険だね」

花陽「ところで穂乃果姫、ご飯は美味しい?」

穂乃果「うん、とっても!この生姜焼きなんか最高だよ!」

凛「だよねだよね凛も思ってた。真姫ちゃん料理の腕あげたにゃー!」

真姫「そう?」

穂乃果「うん、初めて食べたけどすっごく美味しいよ!ご飯にすごく合うもん!」

花陽「でしょ?それにこのお味噌汁とお漬物もご飯に合うよ」

穂乃果「あ、それも思ってたー。いいなーお城の料理は私の体調管理第一に考えて作られてるからこんな脂っこい物は出てこないんだー」

凛「生姜焼き食べれないのー?」

穂乃果「お肉はあまり出てこないかなぁー」

真姫「意外と厳しいのねお姫様も」

穂乃果「意外とねー」

穂乃果姫はお城のみんなの事をふと思い浮かべました。

あぁ、きっとみんな大慌てしてるんだろうなーと想像してしまいます。

この人達は悪い人じゃなさそうだから早く帰してくれると思うけど、お城のみんなに迷惑は掛けられないし少しでも早く安心させてあげたい。

それに穂乃果姫は密かに王子様が助けに来てくれるんじゃないかって期待しています。
もちろん、王子様の知り合いなんていません。
穂乃果姫の微かなお願い事です。

白馬に乗って颯爽と私を抱きかかえ、赤いマントをなびかせヒューと去っていくそんな事を想像しています。

初めてさらわれたんだからこんなロマンチックな事を期待してしまうのも無理はありません。

けど、穂乃果姫を助けに向かってるのは小さくて真っ白で対人恐怖症のテレサなのは知る由もありませんでした。



一方その頃、みんなはホノタウンでの聞き込みを終えてへとへとです。が海未ちゃんは足がなくふよふよ浮いてるから疲れてません。

ですが、沢山の人とすれ違うだけで全く聞き込みができないでいました。

海未「あっ・・・あうっ」

みんな汗水流して頑張って聞き込みをしています。

あたふたしてる自分の姿がショーウィンドウに映り、思わずはぁっとため息。

海未「よぉし」

ここは思いきって飛びっきりの笑顔。
でもショーウィンドウに映る笑顔は引きつっていて苦笑いにも見えません。

ことり「なにしてるのー?」

海未「ひゃあ!」

海未ちゃんはびっくりして姿を隠してしまいました。


ことり「あれ?海未ちゃーん!」

突然、姿が見えなくなったのでキョロキョロすることりちゃん。

海未「もう、びっくりさせないでください!」

海未ちゃんは姿を見せます。

ことり「笑顔の練習?」

海未「み、みてたのですか!?」プルプル

ことり「うん!」

海未「恥ずかしぃ」

ことり「かわいかったよ?」

海未「か、かわいいとか。かわいいとか~!!!」プルプルプルプル

恥かしがり屋さんの海未ちゃん。
とっても顔が赤くてまるで林檎みたいです。

ことりちゃんは美味しそうだなぁと思い思わずペロンと舌を出しそうになりました。


希「あっ、こんな所にいたんやー」

希ちゃんと絵里ちゃんが向こうからやって来ます。

ことり「あっ!で、どうだった?」

絵里「全然ダメね。本当に穂乃果姫はどこにいるのかしら」

希「なーとりあえず休まへん?近所に喫茶店があってなー」

ことり「あっ、それいいかもー私もうクタクターバタ足も出来ないよー」

希「じゃあ決定やな!」

絵里「そうね。私、パスタ食べたいわ」

希「うちはたこ焼きー」

ことり「私はホットケーキ。海未ちゃんは?」

海未「あ、あーるぐれいてぃ」


絵里「紅茶もいいわね」

希「あーるぐれいてぃってなんなん?」

海未「こ、紅茶です。とっても美味しい紅茶です」

言ってみたかっただけなのと、大人ぶりたいだけで実は海未ちゃんはアールグレイティを知りません。
始めて紅茶なんだって事を今知りました。

けど、喫茶店に入ってアールグレイティを頼んだけれどこの喫茶店には無くてちょっぴり悲しい思いをしました。

希「うーんたこ焼き美味しい」

絵里「本当ね。でもたこ焼きがあるのにアールグレイティが無いなんて変わった喫茶店ね」

海未「あ、はい」

希「で、実の所どうなん?海未ちゃんは穂乃果姫の事好きなん?」

海未「な、ななななな!!!」

ことり「好きなのー?」

絵里「えっ、好きなの?」

海未「好きとかそう言うのじゃありません!ただあれです!」

希「あれ?」

海未「穂乃果姫を見たときキラキラしてたから私はそのキラキラに憧れてだけです!」

絵里「これは恋ね。恋よ」

海未「恋じゃないです!でも」

ことり「でも?」

海未「穂乃果姫を見たときから何だか頭の中に穂乃果姫が侵入して来て。ずっと穂乃果姫の事を考えてしまいます。でも、穂乃果姫は私の事なんて考えていないだろうなぁと思うけど、もしあの目が合った瞬間に私の事を覚えていてそして私の事を考えてくれてたらいいなぁって思います」

それを聞いた三人は口を揃えてやっぱり好きなんだと言いました。

ツバサ「お待たせしました。こちらアールグレイティのミルク入り砂糖3杯ぬるめです」

海未「ぁりがとぅござぃますぅ」ソワソワ

希「あれ?無いんやなかった?これ」

ツバサ「本当はね。久しぶりよこのメニューを頼むのは。で、欲しい情報はなに?」

絵里「え?情報?」

ことり「店員さんどうしたんですか?」

ツバサ「えっ?アールグレイティミルク入り砂糖3杯ぬるめって言ったよね?」

海未「はぃ」

ツバサ「よく知ってたわね。欲しい情報は?」

絵里「まさか。これってあれよ!決まった注文をすると情報提供してくれるやつ!」

ツバサ「えっ?確かにうちは喫茶店とは別に情報提供をしているけど、まさか知らなかったの?」

希「海未ちゃんのこのポカーン顔をみてるとそういう事やないかな?」

ツバサ「はぁ、別のもっと誰も頼みそうにない注文に変えなきゃならないみたいね。まぁでも仕方ないわね。何でも情報を教えてあげる」

絵里「本当に何でも教えてくれるの?」

ツバサ「えぇ、本当よ。でも知らない事は知らないから教えられないわね」

希「あっ!海未ちゃんあれ聞いたら?」

海未「あれ?」

ことり「穂乃果姫の居場所だよ!」

海未「あっ・・・えっとそのぉ」モジモジ

ツバサ「うん。何?穂乃果姫の事で何か聞きたいの?」

海未「居場所を・・・さらわれてしまったんです」ボソボソ

ツバサ「えっ?なんて言ったの?」

海未「そのぉ。えっとさらわれたから居場所教えて下さい」

ツバサ「あぁそれね」

希「もしかして知ってるん?」

ツバサ「その筋の確かなクリボーから聞いたけど穂乃果姫はここからずーっと先のお城に連れさられたらしい」

絵里「遠いの?」

ツバサ「えぇ、遠いわよ」

ことり「そっかぁ」

海未「では出発しましょう」

ことり「えーーっ!」

絵里「もう遅いし今日は宿を探して休んだ方がいいんじゃないかしら」

希「うちも賛成!」

海未「う、うーん」

ことり「海未ちゃん今日はみんな疲れてるからまた明日にしよ?ね?」

海未「わ、わかりました・・・」

海未「あ、あの!ありがとうございました!」

ツバサ「いいのよ。頑張ってね私も穂乃果姫の事好きだから」

海未「はい、頑張ります!」

絵里「じゃあ宿を探しましょうか」

ことり「そだね。ここで安いところと言えばあのホテルだね」

希「あ、うちあんまりお金持って無い・・・」

海未「私も38円しか・・・」

絵里「あなたたちよく穂乃果姫を助けようって気になったわね」

ツバサ「もうしょうが無いわね。うち泊まっていいわよ」

そういう事で四人はツバサちゃんのお家に泊まる事になりました。

海未ちゃんは穂乃果姫を早く助けたい気持ちでよく眠れませんでしたが穂乃果姫のためになら1000キロだって歩いても構わないと思っています。
ただ穂乃果姫に会いにいく為に。

一方その頃ある村で聞き込みをしてるワンワンが一匹。

にこ「にっこにこにー。ねぇそこのあなたこのボム兵を知りませんかぁ?」

にこ「知りませんかぁーありがとうございましたー」

ワンワンのにこちゃんはあるボム兵を探しています。
巻き髪で素直になれなくて顔が真っ赤になるとすぐ爆発してしまう友達。
そうそのボム兵とは真姫ちゃんなのです。

二人は一緒に暮らしていましたが喧嘩をしてしまい真姫ちゃんは家出してしまってあのお城に居候したのです。

そんな事を知らないにこちゃんは真姫ちゃんの事が心配で心配でたまりません。

にこ「本当にどこに行ったのよ」

どこの町にも真姫ちゃんの手掛かりはなく、悪い考えが頭の中でぐるぐると回っています。

にこちゃんの頭の中はいつも真姫ちゃんでいっぱい。

にこ「はぁ・・・」

空はもう暗くて星がキラキラと輝いています。
二人が喧嘩した日もこんな綺麗な夜空でした。

あの日、二人は夜空を見ながら他愛もない話をしていました。
そしてその日は真姫ちゃんの誕生日でした。

にこちゃんはここぞと言う最高のタイミングを模索しながら手編みのしましまマフラーを隠し持っていました。



そのマフラーは最高級の生地で編んであり、さらりと撫でればふかふかと柔らかくて暖かくてにこちゃんのとっておきのプレゼントでした。

ただ、一つ残念な事にこのマフラーは盗んだ物であるということ。

盗んだ物を渡される真姫ちゃんの気持ちなんてにこちゃんは考えもしませんでした。

ただこの赤と白のしましまのマフラーは真姫ちゃんに似合うだろうなぁと喜んでくれるだろなぁとしか考えていなかったのです。

そして最高のタイミングでしましまのマフラーを渡しました。

とてもロマンチックな渡し方です。

運の良いことに流れ星がキラリと何処かに落ちて、二人は願い事をずっと一緒にいられるようにと三回言えた後、マフラーを渡しました。

真姫ちゃんは最初は喜んでいましたが、こんな高級な物を買えるわけがないと疑問が
膨らみます。

だから真姫ちゃんは問い詰めました。
こんな高級な物をどこで買ったのか。

にこちゃんはいいのよそんな事と言いましたが真姫ちゃんは察しました。

盗んだ物なんだと。

にこちゃんの気持ちを真姫ちゃんはよくわかります。
私の事を大事に思っていると、だからこそ真姫ちゃんはにこちゃんに怒ります。
もうこんな事しないで。

にこちゃんはまたいいのよと言いましたが真姫ちゃんは更に強く言います。

盗んじゃダメだと。

にこちゃんの想像では真姫ちゃんはすぐにマフラーを巻いて暖かいと言いまた他愛もない話をすると思っていました。

でも真姫ちゃんがあまりにも怒ってるからたまらずにこちゃんはうるさいと怒ってしまいます。




そこから二人の喧嘩は更に悪化して最高の誕生日になる予定が最悪の誕生日になってしまいます。

こんな事言われると思って無かった。
喜んでくれると思ってプレゼントを渡したにこちゃん。

大切な友達だからこそいけない事はちゃんと言わなきゃと怒る真姫ちゃん。

喧嘩は更にエスカレートしていき、にこちゃんはとうとう言ってしまいます。

勿論、本心じゃありません。
ただ、喧嘩がエスカレートしてしまうと思ってもいない事を言ってしまうものです。

にこちゃんは真姫ちゃんにあの時、拾わなかったら良かったと言ってしまいました。

その言葉に真姫ちゃんは傷付き一人で生きていけると言ってにこちゃんから去って行きます。

引き止めたかったし謝りたかった。

でもにこちゃんは完全に真姫ちゃんの姿が見えなくなるまで何も言えませんでした。

更に昔の事です。
にこちゃんは盗みの達人でした。

仕事を終えてお腹すいたからご飯を食べに行こうとした時。

道端で倒れてるボム兵がいました。

衰弱していて、プルプルと体を震わせています。

その事よりも首に下げてるネックレスには大きなダイアがぶら下がっています。

しめしめ。
にこちゃんはこのネックレスを盗み売れば大金がもらえると考え手を伸ばしました。

ぱちり。
真姫ちゃんが目を覚ましてにこちゃんを見つめます。

私は誰?

知らないわよ。

お腹すいた。

・・・どっか食べに行く?

うん。

それが二人の出会いでした。
どうやら記憶喪失のようで自分の名前も覚えていません。

名前がないんじゃ不便だしボム兵と呼ぶのもなんだか可哀想です。

一緒に行った料理屋でにこちゃんは真姫と名付けました。
巻き髪が特徴的だったからです。

それから二人は一緒に過ごす事になり、最初に悪巧みをしたにこちゃんはどこへやら、楽しい日々を過ごしていました。

悲しい思い出は楽しい思い出に押し出されて、残っているのは二人がいつも笑顔の記憶。

だからこそ、この真姫ちゃんが去った思い出もいつか押し出されてしまえばいいと願います。

そんな事を思い出しながらにこちゃんは宿へ向かいます。

クリボー「おい、聞いたかよ。あいつら穂乃果姫をさらったらしいぜ」

ブル「マジかよ。やべぇなそれ。あいつらってヘイホーとノコノコとボム兵だろ?」

クリボー「ボム兵?そんなやついたか?」

ブル「いたぞこの前見たからな。巻き髪が特徴的で綺麗なネックレスをしていたぜ大きなダイアのな」

にこちゃんはゴロツキの話を聞いて飛び付きます。

にこ「ちょっと!その話聞かせて!」

翌朝。
お世話になったツバサさんにお礼を言って海未ちゃん達は穂乃果姫が捕らわれた城へ目指します。

絵里「ところで」

ことり「ん?」

絵里「本当に私達だけで大丈夫なのかしら?」

希「んーそれうちも思った。相手は極悪人なんやろ?下手したらうちらもヤバイかも」

ことり「ひっ!」

海未「・・・」

二人の顔はみるみる青ざめます。

絵里「えっえっ。何、なんも策は無しなの?」

海未「考えてなかったです・・・」

希「んー困ったなぁ」

絵里「やっぱりマリオを待つべきよ。彼なら・・・なんならルイージでもいいわ」

海未「でもせっかくここまで来たのですから引き返すのは・・・」

ことり「チラッと見て危なそうだったら引き返せばいいんだし・・・」

絵里「とても無策で突っ込もうとしてた人の発言だと思えないわ・・・とほほ私は何で付き合っちゃたんだろう」

希「まぁまぁ。みんな頑張ればなんとかなりそうやない?」

絵里「なんとかなればこんなに悩んでないわよ!お家帰りたい」

希「あ、そや!今から策を考えるって言うのはどう?」

ことり「あーそれナイスアイディア!」

希「やろ?やろ?じゃあみんなの特技は?」

ことり「私は何でも食べれるよ!あとたまご出せる!投げるし当たったら結構痛いよ!」

希「えりちは?」

絵里「えっ!?わ、私はスミを吐けるわ。それに手が八本あるから事務仕事が得意ね」

希「うちは穴を掘れるよ!」

海未「わ、私は透明になれます」

絵里「はぁーやっぱり戻りましょう」

ことり「でももうすぐカラカラ砂漠だよ?ここを南に行けばお城はすぐそこだよ!途中にゴロツキタウンがあるからそこで休めるし」

海未「見るだけです!そもそも危なかったら帰る約束ですし・・・」

希「な?こう言ってるんやし」

絵里「んもう!分かったわよ!」

ウミウシちゃん達がカラカラ砂漠へと向かっている頃。
穂乃果姫はパンの食べ過ぎてお腹いっぱい!
今はぐっすりと眠っています。

凛「気持ち良さそうに眠ってるにゃ」

お腹を出してだらしなく口をポカーンと開けて寝ている穂乃果姫を見て凛ちゃんは本当にお姫様なのかと疑います。

凛「かよちんもぐっすり寝てるし真姫ちゃんも寝てる。あー暇だにゃー」

穂乃果姫が寝てるベッドに横になり天井を見上げる凛ちゃん。

凛「本当におっきなお城だなぁ」

元々、このお城は花陽ちゃんのおばあちゃんのものでした。
今は花陽ちゃんが譲り受けていますが、おばあちゃんが天国へ行った後、しばらく住んでいなかったので少し前まで蜘蛛の巣だらけの古びたお城でした。

凛ちゃんと花陽ちゃんとそして転がり込んで来た真姫ちゃんの三人は楽しく毎日を過ごしています。

そこに可愛い穂乃果姫が加わったから更に楽しくなる事でしょう。

ですが、いつマリオがやってくるか分かりません。

そもそもマリオ50人倒したのは全くの偶然でした。

クッパから支持されうろちょろしているだけでマリオは凛ちゃんと花陽ちゃんに勝手に触れて倒れていっただけです。

お給料は良かったのですが単調でつまらない仕事だったのです。
機械のように同じ所を行ったり来たりでいくら休んでも足の疲れが取れません。
この仕事が嫌になりとうとう二人はクッパ軍団を抜けてしまいました。

コインは沢山あるし二人で仲良く過ごそうと決めたのです。

それでこのお城に戻って来たのですが、その時、花陽ちゃんはご飯の絵が書かれた赤い旗を持っていました。

赤くMと書かれたゴールの旗でしたが余ってるのを記念にと貰って好きなご飯のイラストを書いたのです。

その旗こそが花陽ちゃんが恐れられる原因となったのです。

マリオのマークのMを塗りつぶし花陽ちゃんのシンボルとも言えるご飯のマークを書いたのですからゴロツキ達は勘違いしてしまいます。

このパタパタ。
マリオを冒涜しそして自分のマークを書くだなんて何て恐れを知らない奴なんだかっこいい!と。

それに花陽ちゃんと凛ちゃんには不本意ながらマリオを50人倒した実績もあります。

お城へ向かう二人の後ろには街のいかにも悪そうな人達が付いて来ていました。

勿論、花陽ちゃんにそんな気はありませんがゴロツキ達は花陽ちゃんを新たな魔王として慕っています。

花陽ちゃんと凛ちゃんはどうしようどうしようと悩んだ末。
二人で仲良く暮らしたいし、みんな怖い人達ばかりだから勇気を振り絞りゴロツキ達を追い返しました。






真姫ちゃんはお城の外で夜空を見上げていました。

あの日と違って星は輝いていないけど、それでも綺麗でした。

真姫「はぁ・・・」

真姫ちゃんはあの時の事を後悔しています。
今はにこちゃんに会いたくて会いたくてたまりません。

でも待てども待てどもにこちゃんは迎えに来てくれずにもう二度と会えないかもと考えてしまいます。

真姫「私はどうしようも無い人よ」

真姫ちゃんにとってにこちゃんはまるで王子様みたいな存在。

本人には言わないけど、自分よりも背が小さいにこちゃんだけど真姫ちゃんにとっては大きな存在です。

今日もこうして夜空の元で待つ真姫ちゃん。

一体、何時迎えに来てくれるのでしょうか。

そして、会った瞬間に真姫ちゃんは何て言うのでしょうか。

今日もその事で頭を悩ませて、眠ります。

カラカラ砂漠をひたすら歩く海未ちゃん達。

暑さ以外はとても平和で何も襲っては来ませんが、ここは治安が少しばかり悪いので気は抜けません。

近くにあるゴロツキタウンはそれはもうワルの街で海未ちゃん達、平和主義者には縁の無い街です。

希「暑いなー。どうにかならへんのー?」

絵里「どうにもなるわけないじゃない。私何てスルメになりそうよ。本当に」

ことり「美味しそう」

ペロリと舌を出すことりちゃん。

絵里ちゃんはビックリします。

海未「私は特に・・・」

ことり「海未ちゃんはお化けだからあまり暑さ感じないもんねー」

希「本当や冷んやりしとる」

絵里「えっ、本当だ」

みんな、海未ちゃんの体をペタペタと触り始めます。

海未ちゃんはプルプル震えて歩みを止めてしまいます。

海未「や、やめて下さい!」

希「そんな事言うてもなー」

絵里「これはやめられないわよ」

ことり「特にここじゃ海未ちゃん重宝するよー」

海未「もうすぐゴロツキタウン何ですからここで止まってたら時間の無駄です!」

すると。
ドーーーンと音がしました。

舞い上がる砂粒と太陽の光で良く姿は見えないけど大きな影が海未ちゃん達を囲います。

絵里「な、なななななに?」

みんな砂粒が目に入って目をこすります。

最初に大きな影の正体を見たのは希ちゃんでした。

モグラだから砂が目に入った時の対処も早いのです。

希「なんやあれー!?」

それは大きな大きなドッスンです。

海未ちゃんことりちゃん絵里ちゃんもようやくドッスンを見て青ざめます。

絵里「逃げるわよ!」

ことり「う、うん!」

怖いながらも海未ちゃんは考えます。

もしここで逃げてしまって、穂乃果姫を助けるの遅れたら取り返しのつかない事になるんじゃないかと。

今この瞬間にも穂乃果姫は私達以上に怖い思いをして、誰かの助けを願っているに違いません。

海未ちゃんはピタリと止まり。
大きなドッスンを見上げます。

絵里「何やってるの!?」

ことり「海未ちゃんここは逃げようよ!」

ぷるぷる震える体にググッと力を入れ、海未ちゃんは言いました。

海未「穂乃果姫は助けを待ってます!だから・・・ここで引き返す訳には・・・」

海未ちゃんは考えます。
どうすればこの状況を切り抜けられるか、ここでお家に帰ってしまっては今までの事が水の泡です。
だから海未ちゃんは考えます。

海未「みんな。私の手を握って下さい!」

絵里「えっ!?なんで?」

海未「はやく!」

まずはことりちゃんが海未ちゃんの右手を握りその後に希ちゃん。

絵里「私は何を握ればいいの?」

海未「希ちゃんの手を握って下さい!」

絵里「分かったわ!」

ドッスンが浮翌遊しては落ち浮翌遊しては落ちを繰り返し海未ちゃん達に迫ります。

海未「・・・・・・」

テレサの誰もが持ってる能力。
透明化。

海未ちゃんは今まで恥ずかしい時にしかそのその能力を使いませんでした。

だけど今みんなの為に透明になります。

手を握ってることりちゃん希ちゃん絵里ちゃんも透明になりドッスンはみんなを見失ないました。


目をキョロキョロさせながらみんなを探すドッスン。

海未ちゃん達は出来るだけ音をださずにゆっくりとドッスンを通り過ぎようとしたその時。

風が吹いて、砂埃が海未ちゃんの鼻をくすぐります。

海未「はっくしゅっ!」

ドッスンは叫びます。

まだ逃げてはいない、近くにいる。
そう確信したドッスンはみんなを押し潰そうと当たりしだい暴れます。

ことり「わぁー!」

絵里「さっきのくしゃみで気付かれたわね。もう仕方ないわね!」

絵里ちゃんはバックから水鉄砲なような物を取り出し、ドッスンに向かって撃ち始めます。
トットットットッ。
黄色のペイント弾がドッスンの目を防ぎます。

希「みんな砂埃で前見えんやろ?私が誘導する!」

ゴーグルを付けた希ちゃんが海未ちゃん達の手を引きます。





何キロ走ったでしょう?
とにかくがむしゃらに走りました。

いつの間にかゴロツキタウンがようやく見え始め、後ろを振り返るとドッスンの姿はもう見えません。

みんなは息も絶え絶えで、寝転がって休憩しています。

希「あ、危なかったなぁ」

ことり「ほ、ほんとだね。はぁ、砂が身体に付いたからシャワー浴びたい」

絵里「私はスルメになっちゃいそうよ」

海未「でも、何とか振り切ってよかったです・・・」

絵里「もうすぐゴロツキタウン着くじゃない。お水お水が飲みたいわ」

ことり「さんせぇー!」

希「うちはお肉食べたい・・・」

海未「じゃあ目的地はもうすぐです!ゴロツキタウンに向かいましょう!」

みんなは鞭打った体を起こしゴロツキタウンへと向かいます。

・・・・・・・・・

にこ「マスターいつもの」

マスターはこくりと頷き、ミルクをにこちゃんに差し出します。

ここはゴロツキタウンの酒場なのですが、にこちゃんは未成年なのでミルクしか飲めません。

にこ「ふぅー美味しいわね」

ガヤガヤワイワイと騒ぐゴロツキタウンのゴロツキ達を見て、にこちゃんはため息を付いてしまいます。

にこ「真姫の居場所分かったけど、いつ行こう」

真姫ちゃんから自分を否定されそうで中々行けないにこちゃん。

と、ここで。

絵里「はぁー喉カラカラよー」

海未ちゃん達が酒場へとやって来ました。

にこ(何よ、ぞろぞろと・・・旅行者?こんな所によく来たわね)

海未ちゃん達は席に付くと満場一致でお水を頼みます。

従業員クリボーが海未ちゃん達のテーブルにお水を並べるとみんなすぐにゴクゴクと飲み干してもう一杯!と頼みます。

にこ(見るからに間抜けそうな奴らね)

絵里「はぁー生き返ったわねー」

希「ほんまやねぇー」

海未「このお水しょっぱくないですか?」

ことり「確かに・・・」

ここはあまりの暑さにヘトヘトの人がいるから水に塩を入れてるとクリボーは言います。

絵里「で、このあとはどうする?」

海未「すぐに助けに行きましょう!」

希「すぐ!?」

ことり「ちょっと休もうよ~」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月05日 (木) 20:47:34   ID: -53g-3O6

こーゆーの好きです!!

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