海未「ことり! 愛してます」 (72)

早朝ッ!

海未「おはようございます」

ことり「うん、おはよぅ海未ちゃん」あくび

海未「眠そうですね」

ことり「うん・・昨日遅くまで起きてたから」

海未「衣装作りですか?」

ことり「うん。といっても、まだアイデア出してる途中だけどね。えへへ」

ことり「海未ちゃんも案があったら聴くよ?」

海未「あまりスカートの短い衣装でなければなんでも・・」

ことり「えー、ことりとしてはもっときわどいのがいいんだけどなぁ」

海未「ことりの太腿が見れると思えば悪くはないのかも・・」

ことり「なんか言った?」

海未「いえ何も」

海未(うっかり心の声が盛れるところでした。気をつけなければいけませんね)

海未「では学校に行きましょう」

ことり「そうだね」

ことり「――ってあれれ? 穂乃果ちゃんは?」

海未「風邪らしいです。珍しいこともあるものですね」

ことり「それじゃ穂乃果ちゃんは馬鹿って言ってるみたいだよ」

海未「いえ、そういう意味ではなくて」

ことり「ふふ、わかってる。冗談だよ? それに本当に風邪ひいちゃったんだもんね」

海未「あとで見舞いにでも行きましょうか」

ことり「そうだね。何を買っていったら喜ぶかなぁ」

海未「風を引いても食べられるもの・・アイスクリームとかはどうでしょう」

ことり「ご飯は食べなくてもアイスは食べちゃいそうだね」

海未(私はことりを食べたいです)

通学路を歩きながら


海未(久しぶりにことりと二人きり。何か話さなくては)

ことり「あ、ネコさんだ。こんにちはー」

海未(そういえばこの間までは秋だというのに暑いくらいでした。しかし今日は少し寒い。この話題でせめてみましょう)

ことり「ネコさん行っちゃった」

海未「今日は冷えますね」

ことり「そうだね」

海未「もうすっかり秋です」

ことり「10月だもんね」

海未「ですね」

ことり「」

海未「」

海未(あ、あれ?話が広がらない)

海未(穂乃果がいる時はこんな沈黙は続かないのに)

海未(改めて穂乃果の凄さがわかったような気がします)

海未(ではなくて!会話会話)

海未(ああああ、二人きりだと意識してしまうと話が思い浮かびません!)

海未(ダレカタスケテー。なんちゃって)

ことり「えいっ」

海未「ひゃっ!」

ことり「ふふ、海未ちゃんあったかーい」

海未「こ、ことり? ど、どうしていきなり抱きつくんですかっ」

ことり「こうした方があったかいかなって」

海未「もう、ことりってば」

海未(ドキドキして暑いくらいです)

ことり「ねえ海未ちゃん」

海未「な、なんですか?」

海未(腕を組んできてるせいか、ことりの胸ががが)

海未(ってなんですかー!私は思春期の男の子ですかっ)

ことり「顔赤いよ?大丈夫?」

顔を覗き込む

海未「だ、大丈夫ですっ」

視線そらす

海未(ずっとことりの顔を見ていたいのに・・恥ずかしくなってしまいます)

ことり「ふうん?」

海未(もうすぐ学校に着いてしまいます。そうなれば、このひと時も終わりですね)

ことり「今日は練習、休みの日だよね」

海未「そうですね。放課後は暇になります」

海未(これは誘っていいフラグですか?行っちゃっていいんですよね?)

ことり「練習はないし穂乃果ちゃんはいないしぃ」

海未(早く誘わねば!しかしなんていえば?)

海未(ふ、普通に誘えばいいんです。友達、なんですから。そう、私達は友達・・ただの友達・・)

ことり「学校、さぼっちゃおっか?」

海未「そうですね」

海未「え?」

海未「ことり、今、なんて言いました?」

ことり「学校さぼっちゃおっかなって」

海未「ダメダメダメですいけません。そんな不良みたいなこと!」

ことり「不良って、ふふ、大袈裟だなぁ海未ちゃんは。大丈夫だよ一日くらい」

海未「ですが!」

ことり「学校をサボるってのも学生のうちにしか出来ないことだよ?」

海未「そう、ですけど」

ことり「ねぇ海未ちゃん。ことりは海未ちゃんと一緒に、今日一日を過ごしたいなぁ。だめぇ?」

海未「もしもし? 先生、道端で倒れてるおばあさんを見つけまして、病院に送ることになったので。はい、そうです。ことりも一緒です。ええ。お願いします。失礼します」
ピッ

海未「ことり!!」

ことり(びくっ)

海未「今日は一日フリーです」

ことり「さすが海未ちゃん!」

海未「では、どこに行きましょうか」

ことり「そうだねぇ」

海未(二人きりでお出かけ。これはもうデートと言っても申し分ないはずです)

海未(デートの定番といえば映画でしょうか)

海未(薄暗い館内で、ポップコーンへと伸びる二人の手。必然的にぶつかり合い、頬を染めることり)

海未(顔が赤いのばれちゃったかな? ううん、こんなに暗いんだし、大丈夫だよね――と安心することりの肩にそっと手を回し――)

ことり「あ!」

海未(ビクッ)


ことり「クレープ屋さんだ。実は寝坊しそうになって朝ご飯食べてないんだー」

海未「ではクレープを二つ頼みましょう」

店員「はいよ」

ことり「あれ?財布がない?あれー?」

海未(株を上げるチャンス到来!!)

海未「私が出しますよ」キリッ

ことり「ありがとう海未ちゃん」

海未(この笑顔のためならクレープの一つや二つどうってことないです)

もぐもぐ

ことり「ふふ、海未ちゃんってばほっぺにクリームついてる」

ぺろり

海未「んなっ」

ことり「甘ーい。そっちの味もよかったなぁ」

海未「こ、ここっ、交換しましょう!」

ことり「うん!」

一口食べさせっこ

海未(はわわわわことりとの関節キスきたああああ)

ことり「ねえねえ海未ちゃん、ゲーセンいこ?」

海未「ゲーセンですか?」

ことり「サボって行くところといえばゲーセンって感じがしない?」

海未「その感覚はよくわかりませんけど」

海未(映画館じゃないのは惜しいですが、ことりが望むのなら!)

ゲーセン内で

ことり「ねね、次はこれやろうよ! ゾンビを撃つんだって」

海未「いいですね。久しぶりに本気出しちゃいます」

海未(ゾンビクエスト・・前に穂乃果とやったことがあるやつですね)

海未(コインを入れて・・と)


ことり「えいっえいっ。うーん、なかなか当たらないなぁ」

海未(夢中になってることりはまるで天使のようです)

海未(確か穂乃果はこういう風に銃を構えて)

ことり「わぁ、海未ちゃんプロのガンマンみたいでかっこいいね!どうやって持ってるの?」

海未「こ、こうです」

(どさくさに紛れて手を握っちゃっても許されますよね?)

ぎゅっ

海未(わわっ、髪が鼻の近くに。いい匂いがします)

ことり「あっ、ちょっと! 海未ちゃん鼻息洗いよー?」

海未「えっ、ごめんなさい」

ことり「もう。えっちなこと考えてたんでしょ」

海未(えっええっ、それはどういう意味ですかっ)

バンバン

ゾンビA「ぐあああっ」

ゾンビB「リフレーッシュウウッ」


海未(まさか私の想いがばれて)

海未(何かの聞き間違えかもしれません)

ゾンビC「ヒャッハアアア」

バキグシャブシュウウッ

ことり「あ、ゲームーオーバーだ」

海未「これはなかなかハードなゲームみたいですね」

ことり「」

海未(何故無言。な、なにか他のゲームを探さなければっ)

海未「そ、そうだ! 次はあれをやりましょう」

クレーンゲーム指差して

ことり「そうやって誤魔化すんだね」

海未「ち、違いますよっ、誤魔化す? 何をです? ほら、このアルパカのぬいぐるみ! 欲しがってましたよね?だから、ね?」

ことり「ほんとだ!可愛いー!」

男「お、アルパカじゃんとってやるよ」

女「ゆうくんすっごい上手ー」

男「この程度朝飯前よっ」

ことり「アルパカ、先に取られちゃったね」

海未「ま、まだです。隣にぼのぼののぬいぐるみがありますっ」

ことり「懐かしいね」

海未「連載はまだ続いてますよ」

海未「では取りましょう。見ていてくださいことり!」

ことり「頑張って!」

(連コイン)

ことり「全然だめだね」

海未「ごめんなさい」

ことり「ううん。いいよ。ぼのぼのさんも可愛くて好きだけど、私が一番好きなのは海未ちゃんなんだよ?」

海未「え、ことり、今なんて」

ことり「実は知ってたんだ。海未ちゃんが体育の時トイレ行くって抜け出して、ことりの制服をこっそりかいでたこと」

海未「はうわああああああああああ」

ことり「飲みかけのジュースのストローを盗ったのも知ってる」

海未「ゴババババ(゚q。)」

海未(おわった・・)

ことり「でも嬉しかったの」

海未「えっ、嬉しかった?」

ことり「だって、それだけことりのこと想ってくれてるってことでしょ?」

ことり「ことりもね、海未ちゃんのこと好きだから。だから、嬉しかったんだ」

ことり「ねえ、素直に言って?海未ちゃんのためなら、その、えっちなことでも頑張るよ?」

海未「ありがとうございます。ですけど、私はことりが好きだから、愛してるから、大事にしたいんです。いっときの感情でやるのは違うって思います」

ことり「制服は」

海未「うっ。そ、それは出来心と言いますか、その・・」

ことり「出来心ならやっちゃってもいいんだ」

海未「そういうわけではっ、ない、ですけど」

ことり「じゃあさ、ちゃんと聞かせて? 海未ちゃんの気持ち」

海未「ああもうっ! ごちゃごちゃ考えるのはやめです!」

海未「したいです!ことりとえっちなことしたいです!」

海未「それでもよければ私と付き合ってくださいっ!」

頭下げて

海未(言ってしまいました。引かれたでしょうか)

ポタポタ

海未(水滴?)

おそるおそる顔あげて

海未(な、泣いてるっ?)

海未「あ、あのっ、ことり?今のはそのっ、えーと」

ことり「ありがとう、凄く嬉しい」

海未「えっ」

ことり「ことりも海未ちゃんといろんなことしたいなって思ってたから」

ことり「本当はね、怖かったの。女の子を好きになるのっておかしいんじゃないかって。海未ちゃんがことりの制服を持ってたのだって何かの間違いで、ことりの都合のいい解釈に過ぎないんじゃないかって」

海未「ことり・・」

ことり「でも海未ちゃんはことりと同じ気持ちだった。だから嬉しいの。すごく、キュンキュンしちゃう」

ことり「私も海未ちゃんのことが大大大好きです。ことりのこと、幸せにしてくださいね?」

海未「はいっ!」





夕方

海未「ではまた明日。今日は楽しかったです」

ことり「待って」

海未「なんですか?」

ことり「ばいばいのぎゅっして?」

海未「え、ここで?」

海未(周りに人がたくさん)

ことり「うん」

海未「ですがっ」

ことり「嫌?」

海未「まさか!」

前から抱きしめ

海未(ああことり、温かいです。それに、凄く柔らかくて、気持ちいい)

ことり「今度は私から」

ちゅっ

海未「!!」

ことり「海未ちゃんは特別な日に特別なことをしたいんだよね?ことりも同じなんだよ?」

海未「同じ?」

ことり「うん。大好きな人との初デートの日に、本気のちゅーするのが夢だったの。だからことりのファーストキッス、プレゼント」

海未「では私からはセカンドキッスです」

ことり「んっ、んんっ」

海未「ぷはぁっ。ことりの唇、すっごく甘いです」

ことり「海未ちゃんの唇だって負けてないよ?」

海未「ことり! 愛してます」

だきっ

ことり「ふふ、知ってる。私達、世界で一番の幸せ者だね♪」



おわりです(`・ω・´)

ありがとうございます!

最後までお付き合いしてくださり光栄でした

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