女「今日も可愛いなぁー」(41)

男「…………」ボケー

女「ねぇ、男くん」

男「は、はい…?」

女「これ、私が作ったクッキーなんだけど」

女「良かったら食べて、味の感想もらっても良いかな?」スッ

男「…わかりました」パク

女「ど、どうかな…?」ドキドキ

男「あんまり美味しくないですね」ニコ

女(可愛い!)

幼馴染「男、そこは美味しいって言いなさいよ…」

男「あっ、ごめんなさい」アセアセ

女「ううん、気にしないで」ニコ

幼馴染「そこは気にしないとダメでしょ!」

男「…………」ボケー

男「……」ボケー

男「……」

男「……zzz」

妹「いやいやお兄ちゃん! 女さんと話しているのに寝ちゃだめでしょ!?」

男「……? ごめん、僕寝てた?」

女「ううん、大丈夫。ちょっとだけだし、可愛かったから」


女「男くん、昨日は寝るの遅かったの?」

男「そんなことないですよ」

姉「この子ってば、昼間にぼーっとしすぎて夜寝られなかったのよ」

男「よくあることですよね?」

女「うんうん! わたしも男くんのこと考えてたら朝だったことあるよ」

男「僕も女さんのことを考えていたら眠っちゃったことがあります」

男「お揃いですね」ニコ

女「ふふ、やった!」

女「……あれ?」


女「そういえばね、今日英語で課題出されたでしょ?」

男「そうなんですか?」

おっさん「なんでお前が知らないんだよ」

女「そうなんです」

女「なので、男くんと一緒にやりたいなあって」

男「……」ボケー

女「どうかな?」

男「……」ボケー


女「えっと、ごめん、男くんのカバン開けるよ? プリント出すからね?」

男「……え? あ、はい」

女「ほら、男くん、シャーペン持てる?」

男「こうですよね」

女教師「おい男。持ち方が逆だ。それじゃ消すことしかできないぞ」

女「えーと、ほら、こうだよ? 持って?」

男「なるほど、こう持つものでしたか」

男「ありがとうございます、勉強になりました」ニコッ

女(お持ち帰りしたい)


女「えーっと……This is a pen.」

ボブ「ボクはボブだよ」

男「そうですね」

男「……」ボケー

女「あ、ダメだよ男くん! 宿題やらなきゃ!」


女「もしかして、疲れちゃった? もう休む?」

許嫁「始めたばかりですよ? どれだけ甘やかすんですか……」

男「いえ、大丈夫ですよ。女さんが間違えた問題、直さないとですし」

女「え、あれ? 間違えてた?」

男「その、一番上なんですけど」

男「womanと書かなきゃなのに、we manになってます」

女「あ、ほんとだー。ありがとうね男くん」

男「……」ボケー


女「ふふ、危うく自分の名前を書く問題を間違えるところだったな」

女「男くん、こんなにわたしのことを見ててくれるなんて」ウットリ

女母「うちの娘が盲目すぎて怖いわー」

男「……」ボケー

女「よしっ。わたしが男くんの文も宿題やろう!」

女「えーっと、書き書き」

男「あ、女さん。そこの和訳、こいつはペンですじゃないです、これはペンですですよ」

男「ですです……」///

女「変な言葉づかい可愛い」


猫「その学力で宿題を肩代わりしようとするあたり、人間ってお気楽だにゃー」

女「よし、わたしの分は終わりっ」

男「ちなみに女さん。この宿題、提出は今日でしたよ」ニコ

女「え、そうだったの?」

男「もう回収されちゃってます」

女「そんなどうしよう……」

男「……」ボケー

猫「どうして男も宿題提出してにゃーのかにゃー」


女「うーん。きっと何とかなるよね!」

大統領「何とかなるよう、法を整備しなおせばいいのだ」

女「なるほど、名案だね!」

女「男くん! 一緒にこの国を変えよう?」

男「……」ボケー


女「うー、ひどい……立候補しようとしたら、追い出されちゃった」

男「……」ボケー

女「何が悪かったんだろ。お金がないことかな。まだ12歳だからかな」

女「それとも、選挙期間じゃないから?」

男(影)「全部じゃねえかな」

男「……」ボケー

女「でもこれくらいじゃ挫けないんだからっ」

男「……」ボケー

男「あ、報われない努力をする女さんって素敵ですよ」ニコ

女「男くん……!」パァァ

女「うん、わたしがんばるね!」

男「……」ボケー


女「よーし! 立候補に必要なこと勉強してこなきゃ!」

女「男くん、今日は帰るね?」

男家「また明日なー」

男「……」ボケー

男「……」ボケー

男「あ、女さん」

男「さっきの英語、今日が提出期限っていうの、僕の間違いですよ?」

男「あれ、いない……」

男「……」ボケー


教壇「英語の宿題を集めるぞー」

教壇「出さないやつはオシオキだべー」

女「え、そんなっ? 宿題は昨日集めたはずじゃ!?」

男「……」ボケー

女「どうしよう男くん?」

男「……」ボケー

女「あれ……男くんの机の上にあるこれ、わたしの宿題だ」

女「男くん……! わたしの忘れ物を持ってきてくれたんだっ」

女「ありがとう、これ提出してくる」

女「また何かでお礼するね?」


男「……」ボケー

男「……」ボケー

男「……あれ? 僕がもってきた宿題、どこにいったんだろう」


時間「おう時計、そろそろ掃除の時間だから針を動かせや」

時計「うーっす」

九時 → 一五時

女「男くん、掃除の時間だよ? 一緒にがんばろうね」

男「……」ボケー

女「男くんはホウキとチリトリと雑巾、どれがいい?」

男「……」ボケー

女「わかった、雑巾だね! 持ってくるよっ」


女「はい男くん。お掃除はじめようね?」

雑巾「いやっ、また汚す気でしょう!? エロ同人みたいに!!」

男「……」ボケー

男「……!」クワッ

男「うおおお!!」

雑巾「いやああ! わたし、汚れちゃうっ」

男「うおおお!!」

雑巾「うぅ……わたし、汚れちゃったよぉ……」

男「……」ボケー

女「変な男くん可愛い」


女「男くん。今日も個人的に調理実習をやってクッキー作ったんだ」

女「食べてくれる?」

男「あ、はい。いただきます」

心臓「どきどき」

女「おいしい?」

男「まずいですね」ニコッ

男「うっ……」バタリ

女「いやーっ! 男くーんっ!」

男「……」


男「……」

男「……?」

男「ここは……」

保険医「ではこちらの契約書にサインを」

女「はいはい」カキカキ

女「よかった男くん! 目を覚ましたんだねっ」

男「僕はいったい……」

女「わたしの作ったクッキーにね、テトロドトキシンが入ってたみたいなの」

女「よかったー、男くんが無事で」

男「……」ボケー

男「……?」フグー?


女「元気になったよね? それじゃ帰ろうか」

男「はい」ニコッ

俺「おう、気をつけて帰るんやでー」

女「そういえば男くん。今日は数学の宿題が出たけど、また一緒にやろう?」

男「……」ボケー

女「うんわかった。それじゃ、また男くんの家だね」


女「えーっと……」

女「n を 2 以上の自然数とする。 x1 , … , xn , y1 , … , yn は x1 > x2 > … > xn , y1 > y2 > … > yn を満たす実数とする。 z1 , … , zn は y1 , … , yn を任意の並べ替えたものとするとき、」ブツブツ

男「……」ボケー

    「はいお茶。勉強がんばってね」

女「あ、ありがとうございます」

    「いーえー。何かあったら呼んでくださいね」

男「……」ボケー

女「ごくごく。このお茶おいしいね」

男「……?」

男「今の誰ですか?」

女「え?」

男「え?」


女「んーっ! 今日も勉強がんばっちゃったっ」

男「……」ボケー

女「そうだ、男くんの宿題もやってあげないと」

女「あれ? 3の3乗はいくつか……?」

女「わたしのと問題が違う」

男「女さんがやっていたの、大学生用の課題でしたよ?」

女「そうだったの!?」

女「あは、わたしったらうっかりしちゃった」

男「すごく女さんらしいですね」ニコッ



他人「しまったわ、会話に入り損ねた」


女「んー……宿題もやったし、お茶を飲んだら眠くなってきちゃった」

男「……zzz」

女「あ、男くん、も……? えへへー、お揃いだぁ」

女「睡魔って魔王みたいなものだもんねー」

勇者「魔王はどこにいる!?」

女「押入れー」

勇者「覚悟しろ魔王!」

女「んっ……男くんのふともも、枕にしていいよね……?」

女「おやすみ……zzz」


王「おお勇者よ! 寝てしまうとは情けない!」


そしてわたしは夢を見た。世界の不条理を煮凝りにしたような、誰もが救われず全員が敗者であり、滅びと救いが等価値である世界だ。

万物の王たる悪意は不毛な大地を席巻し、陽光と水を失って久しい草花は、痩せた大地からわずかな栄養を奪い取ることで生きている。

終焉はいずこか。救世主はどこにありや。そんな嘆きが遠くから聞こえる。

わたしはそんな世界の中、麗しいおみあしで各地を歩き回り、むにゃむにゃと旅をする。

やがてあーだこーだがあって男くんを見つけたわたしは、男くんを抱きしめながらぐーすかぴー。


女「んぁぁ……おとこくん、かぁいい……」

女「……んにゃ? あれ、わたし寝てた?」

男「寝てましたよ」

女「お、男くん!? わたしの寝顔、見た!?」

男「ええ。とっても間抜けな顔でした」ニコッ

女「そんなー、照れるよー」

老婆「ふぇっふぇ。若いっていいもんじゃのう」

女「そうだ、今何時かな?」

男「……」ボケー


神「おうキサマ、クビにすんぞ」

時間「おうこら時計! 仕事せーや!」

時計「う、うっす! 俺がんばるっす!」

一五時 → 二〇時

女「大変! もうこんな時間だ! クラスのみんなに噂されちゃうよっ」

男「そうですね」ニコッ

女「男くんはそれでもいいの?」

男「……」ボケー

女「わかった! わたし、クラスのみんなに噂を流すね!」


女「それじゃあ帰るね! おやすみなさい男くん!」

男「……」ボケー

男「……」ボケー

ストーカー「おやすみなさい男様」

男「おやすみ」


女「男くんおはよう」

男「……」ボケー

女「昨日はよく眠れた?」

男「……」ボケー

女「わたし、家に帰ったら怒られちゃった」

女「ちゃんと男くんの家で寝てましたって言ったのに」

女「ひどいと思わない?」

男「えっと……? ごめんなさい、最初からお願いします」

女「わかった」

女「ねぇ、男くん」

男「は、はい…?」

女「これ、私が作ったクッキーなんだけど」

女「良かったら食べて、味の感想もらっても良いかな?」スッ

幼女「>>1にもどっちゃってるよ!」


女「そういえば男くん、聞いた?」

男「聞きました」

女「そうだよね♪」

男「……」ボケー

女(可愛い)

女「そういえば男くん、聞いた?」

男「聞きたいです」

女「そう? 実はね、最近このあたりって不審者が多いみたいだよ」

女「こうして話している時に」

ネラー「ちくわ大明神」

女「意味不明なことを言い残していくんだって」

男「……」ボケー

女「一緒に気を付けようね?」

男「あ、はい。今日はいい天気ですよ」


男「女さん」

女「……」ボケー

男「女さん」

女「……」ボケー

女「って、あれ? 男くん?」

男「そうです」

女「びっくりした。男くんがわたしに話しかけてくるなんて」

男「急ぎの用事だったんです」

女「うん、何?」

男「スカート、落としましたよ?」

女「あ、ほんとだっ。だからおまたがすーすーしてたんだ!」

パンツ「イヤンイヤン」


女「おかげでパンツちゃんに恥をかかせないですんだよ」

女「ありがとね男くん」

男「……」ボケー

女「――――わたしね。そんな優しい男くんのことが、」

伝説の樹「お、出番か?」

女「卒業する頃にね」

伝説の樹「おっけー」


女「男くん大変!」

男「……」ボケー

女「今日は一つも宿題ないんだって!」

男「……」ボケー

女「男くんの家に行く用事がなくなっちゃう……わたし、宿題もらってくる!」

男「……」ボケー

男「……?」

男「……!」

腹話術「ちょっと待てやめろ!」

女「みんなー! 先生から宿題もらってきたよー!」

男「……」ガクッ


女「うぅ、どうしてだろ……みんなに怒られちゃった」

男「……」プンプン

女「ねえ男くん。わたし、何かいけないことしたかなあ?」

男「……」プンプン

女「可愛い……じゃなくて。男くん、もしかして怒ってる?」

男「……」プンプン

女「ご、ごめんね? わたし、ダメな子だったよね?」

男「…………」

女「男くんが大事にしてた千円札ね……? 百円玉に崩してきたの、わたしなの」

男「!」

男「女さんなんて……嫌いですっ」

女「がーん!?」

修羅場「よっしゃあ出番だ!」


ほのぼの「あぁ!? ひっこんでろ!」ゲシゲシ

男「……」ボケー

女「ぐす、ぐす……男くんに嫌われちゃった……」

男「あ、そうだ女さん」

女「なに?」

男「近所の自販機が壊れてて、千円札が使えなかったんです」

男「夜、どうしてもペットボトルが必要になった時、おかげで助かりました」

男「ありがとうございます」ニコ

女「そうだったんだっ。男くんの役に立てて嬉しいな」

女「……あれ? じゃあなんでさっき、嫌いって言われたんだろ?」

男「……」ボケー


女「はっ。あれはきっと、わたしが好きって言ってあげないから、つい照れ隠しに言っちゃったんだ!」

女「そうだよね男くん?」

男「……」ボケー

女「よし、わたし勇気を出さなきゃっ」

男「……」ボケー

女「男くん! わたし、ずっと前から」


男友「男のことが好きだったんだ!」


女「  」

男「……そうなの?」

男「うん、僕も好きだよ?(友達として)」

女「  」


女「  」

女「  」

女「……だ、だめっ。そんな結末は認めないんだから!」

女「誰か、わたしに協力して!」

過去「わたしに任せて!」

女「ありがとう!」


女「ここは一〇年前……男くんがまだ二歳の時だね」

女「よくわからないけど、きっとそう!」

女「うーん、ここで何をすればいいかな」

ミニ男「きゃっきゃ」

女「はうっ、あれは二歳の男くん!」

女「かわいいよぉ、お持ち帰りしたいよぉ」

女「よし誘拐しよう!」



女「おかしいな、捕まっちゃった」

女「でもこれできっと未来が変わったはず!」

運命「え、そうなの?」


女「現在に戻ってきたよ男くん!」

男「え? はい」ニコッ

女「やっぱり今の男くんが一番だなぁ」

女「そういえば男くん、さっき告白された?」

男「……」ボケー

女「やっぱり! ちゃんと断った?」

独身「おかしいなー、中学生なら体で誘惑できるって聞いたのに」

男「そう聞いてますよ?」

女「よかったー、ちゃんと未来を変えられたねっ」

男「……」ボケー


女「そうだ男くん。今度またクッキー作っていくね?」

男「あ、今回は僕が作りました」

女「え、本当に?」

男「……」///

女「ありがとう! じゃあ、宿題やりながら一緒に食べよう?」

男「はい」ニコッ

女「……」ボーッ

男「今日も可愛いなぁ」

>>9
修正
女「よしっ。わたしが男くんの文も宿題やろう!」
→女「よしっ。わたしが男くんのぶんも宿題やろう!」

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