王「ふ…筆箱！？」


兵士「なめとんのが貴様ぁ！」ｼﾞｬｷﾝ

護衛兵「ぶち殺すぞアホが！」ｼｬｷﾝ


王「落ち着け！」

勇者「勿論ただの筆箱じゃないよ」

大臣「ではなんだと言うのだ！」


勇者「………秘密だよ！」

王「な…」

大臣「……とりあえず貴女は酒場で仲間を探してください…」

勇者「わかった！それじゃあね！」ﾃｸﾃｸ


大臣「(頭がいたい…)」

王「(わしもじゃよ)」

酒場

ｶﾞﾔｶﾞﾔｶﾞﾔｶﾞﾔ

勇者「ここが酒場かー」

勇者「あ、あの人強そうだなあ、すみませーん」

戦士「なんだ？小娘」

勇者「君は何て言うの？」

戦士「戦士だ、依頼か？」

勇者「ボクの魔王討伐の旅についてきてほしいんだ」

戦士「そうか…」

戦士「ところでお前、武器は？」

勇者「この筆箱だよ！」ｼﾞｬｱｰﾝ


戦士「…………」

戦士「………………は！？」

勇者「？」

戦士「何言ってるんだ！？」

勇者「だからこの筆箱を使うんだって」


戦士「おい、お前は魔王舐めてんのか？」

勇者「舐めてないよ！ボク強いし！」

戦士「……いきなり武器が筆箱って言われて、仲間になるやつがいるか？」ﾊｧ


勇者「大丈夫！なんなら外で戦う？」

戦士「……わかった、一回だけだぞ」ﾊｧ

外

「あの戦士が勇者と戦うんだとよ」「勇者を殺さないよな…」「ボクっ娘可愛い」「戦士ーまけろー」

戦士「よし、いくぞ」ﾁｬｷｯ

勇者「どっからでも来ていいよ」ﾊﾟｶ

勇者は鉛筆を構えた


戦士「……………」

戦士「はぁぁぁ！！」ﾌﾞﾝ

勇者「それぐらいじゃ当たらないよ」

戦士「くっ…でやぁぁぁ！」ﾌﾞﾝ

勇者「鉛筆、最大」



ｶﾞｷｨﾝ！

戦士「な…」

戦士の剣が勇者の鉛筆とに振り落とされ普通なら鉛筆が切れる筈だか…


勇者「この鉛筆硬いでしょ、普通なら切れるけれどね」


その鉛筆は先までの芯が“真っ直ぐ真っ黒”に伸びていた

戦士「………！」

勇者「てい！やぁ！」ﾌｯｻﾞｸ

戦士「ぐぉ！？」ﾄﾞｻｧｧ

勇者の突きによって戦士は地面に転がり、

勇者「覚悟！」ﾌﾞﾝ

戦士「くそ！てやぁぁ！」ﾌﾞﾝ


勇者の鉛筆と戦士の剣がぶつかり……

戦士の剣が折れた